キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【井の中の虎】キャプテン森崎34【大海を知らず】

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 08:10:15 ID:iLfm619v
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1256045459/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルの名門クラブパルメイラスのユースチームのキャプテンとして
プロへの登竜門と言われる大会、リオカップへ挑んだ彼は準決勝まで数々の強敵達を
零封し、無失点男として堂々と決勝戦に挑んだ。しかし決勝の相手、サンパウロFCの
エースストライカー・ストラットと森崎の宿敵大空翼は圧倒的な強さで終始試合を支配。
結局1−4と言う大敗を喫し、大会MVPも翼に持っていかれてしまった森崎はリベンジの為に
全日本ユースに合流しジャパンカップでサンパウロFCとの再戦を目論み始めた。
一方約一ヶ月前の日本では、高校サッカーの頂点を賭けて南葛と東邦が激戦を繰り広げていた!
…こんな感じで話は進んでいます。

10 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 08:14:05 ID:iLfm619v
【主な人物相関図・森崎関連】
・森崎→(大嫌い)→翼
・森崎←(友情)→中山・次藤
・森崎→(侮り)→新田
・森崎→(魂の兄弟)←早田
・森崎→(覗き仲間)←中里
・森崎→(ナンパ野郎)→ネイ
・森崎→(ガイキチ)→カルロス
・森崎→(鰻の強敵)→ザガロ
・森崎→(気持ち悪い)→ディウセウ
・森崎→(恨み)→ストラット
・若林→(殺す)→森崎
・翼→(嫉妬・憎悪)→森崎
・石崎→(侮蔑)←森崎
・滝→(信頼)→森崎
・反町→(尊敬)→森崎・翼
・日向→(敵視)→森崎
・立花兄弟→(危ない奴)→森崎
・新田→(憎悪)→森崎
・佐野→(恩義)→森崎
・沢田→(恐怖)→森崎
・葵→(憧れ)→森崎
・山森→(尊敬)→森崎・早田
・シュナイダー←(ライバル)→森崎
・トニーニョ→(不信)→森崎
・カルロス→(トモダチ)→森崎
・ザガロ→(串刺しにしてやる!)→森崎
・オルヘス→(恩義)→森崎
・ストラット→(俺の勝ちだ)→森崎

11 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 08:14:46 ID:iLfm619v
【主な人物相関図・森崎以外その1】
・翼→(利用価値はある)←日向
・若林→(手下)→来生・滝・井沢・高杉
・若林→(友情)←翼
・岬・石崎→(親友)←翼
・岬→(カモ)→ピエール
・岬→(親友)←松山
・岬→(君僕の実の妹なんだよ!?)→美子
・美子→(岬様ァ〜ん♪)→岬
・井沢→(嫉妬・嫌悪)→翼
・井沢→(劣等感)→山森
・来生・滝・井沢・高杉→(???)→若林
・南葛の一部選手達→(ホモ疑惑)→翼・石崎
・三杉→(強いライバル心)←翼
・三杉→(特殊な関係)←弥生
・三杉→(嫌い)→日向
・三杉→(敬意)→次藤
・三杉→(紙一重)→来生
・松山→(友情)←翼
・松山→(ホモ疑惑)→石崎

12 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 08:15:14 ID:iLfm619v
【主な人物相関図・森崎以外その2】
・次藤→(嫌な奴)→日向
・次藤→(羨望)→早田
・佐野→(卑怯者)→日向
・反町→(恐怖)→日向
・反町→(友情?)←早田
・中里→(おぞましい)→ピエール
・中里→(恐るべし大陸系忍者!)→シェスター
・新田→(負けてたまるか)→来生
・葵→(崇拝)→翼
・シュナイダー・カルツ→(軽蔑)→若林
・ピエール→(イイヒト)→岬
・ディアス→(このパクリ野朗!)←来生
・ヘルナンデス・ジェンティーレ→(恨み)→全日本・アルゼンチン
・シェスター→(ニンジャ!)→中里・立花兄弟
・マーガス→(借り)→若島津
・ネイ→(汚物)→ジェトーリオ
・ネイ→(からかうと面白い)→ストラット
・ダ・シルバ→(逆恨み)→ネイ
・ストラット→(殺す)→ネイ

13 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:01:48 ID:iLfm619v
【主な登場人物(公式のフルネームが存在しない外国人キャラは適当に名付けています)】

【全日本ユースの選手達】

森崎 有三
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→パルメイラスユース→全日本ユース
配置:GK、ごくまれにフィールダー
特徴:瞬発力を活かしたセービング、一対一での強さ、GKの常識を覆すドリブル能力、ややスタミナ不足
性格:参加者の選択次第。目的の為には手段を選ばない、勝てば官軍を地で行く男。
概要:小学生時代から中学生時代まで日本一に輝き続けたGK。第一回フランス国際Jrユース
   大会ではキャプテンとして全日本Jrユースを優勝に導き大会MVPに選ばれた上に
   ブラジルの名門クラブパルメイラスにスカウトされた。現在はジャパンカップの為全日本ユースに合流中。

日向 小次郎
所属:明和FC→東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:FW
特徴:暴力的なまでのパワープレイ、ズバ抜けた決定力、接触プレイでの強さ、パスとパスカットは苦手
性格:弱肉強食を体現する暴君。過去の事故のせいで実は無自覚の隠れM。
概要:学生にして株式会社・ヒューガーの代表取締役。森崎の前に何度も立ち塞がった
   怪物ストライカーで、Jrユース大会でも大暴れして日本の優勝に大きく貢献した。
   Jrユース大会後は日本に戻り日本の高校サッカーを支配し続けている。

中山 政男
所属:南葛SC→大友中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MFもしくはDF
特徴:攻守共に基礎に忠実な高レベルの技術
性格:チャレンジ精神豊富な勇敢な好青年。この物語では貴重な人格者。
概要:幾度の怪我や挫折に悩まされ続けながらもサッカーを諦めなかった隠れ名選手。
   Jrユース大会後は過去の負傷からのリハビリに励みつつ南葛高で全国制覇を狙っていた。
   中学時代栄光に恵まれなかった為世界で活躍したい思いに燃えている。

14 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:02:00 ID:iLfm619v
岬 太郎
所属:南葛SC→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MF
特徴:計算高いゲームメイクとパスカット技術、誰とでも合わせられる協調性、神すら欺く演技力
性格:天使の笑顔と八方美人的な態度の下に徹底した利己主義を潜ませている。
概要:翼のパートナーで、誰からも好かれる善人…を演じる希代の詐欺師。表向きは誰にも
   優しく接しながら常に他者の利用価値を計算し続け、何時か日本サッカーのビジネス面を
   支配しようと企んでいる。Jrユース大会後は日本に戻り南葛高校に進学した。

松山 光
所属:ふらの小→ふらの中→全日本Jrユース→ふらの高校→全日本ユース
配置:MF、DFもできるかも?
特徴:粘り強い守備力、そつの無い万能性、地を這うロングシュート
性格:誠実だが騙されやすい。一度受けた恨みは絶対忘れない。ネーミングセンスが独特。
概要:自分の故郷をこよなく愛する道産子。いわゆる天才ではないが存在感のある努力家。
   彼を慕う女子から貰った鉢巻を森崎にあげてしまったせいでJrユース大会後の中学時代末期は
   寂しく辛い物になってしまった。ふらの高校でもチームメイトに恵まれなかった苦労人。

三杉 淳
所属:武蔵FC→武蔵中→全日本Jrユース→武蔵大付属高校→全日本ユース
配置:MF、DFもできるかも?
特徴:攻守両方における天才的なテクニック、戦術的頭脳、虚弱なフィジカル
性格:冷静沈着で歯に衣を着せない。女の子を言葉責めするのが趣味のサディストでもある。
概要:翼を凌ぐ才能を生まれつきの心臓病で活かせない選手。更に日向のせいで親の会社が
   没落し金持ちから貧乏人になってしまったがJrユース大会の決勝戦で自らを悲劇の英雄に
   仕立てあげ、女子ファンから集めた金で念願の手術を受けられた。リハビリを追え全日本ユースに合流。

15 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:02:17 ID:iLfm619v
葵 新伍
所属:中原FC→中原中→インテルJrユース→インテルユース→全日本ユース
配置:MFかFW
特徴:スピーディなドリブル突破、底無しのスタミナ、がむしゃらなブロッキング
性格:子供っぽく直情的。明るく前向きだがしばしばKYだったりウザがられたりと良い事は少ない。
概要:中学時代はチームメイトに恵まれず埋もれていたが、単身でイタリアに渡り
   無茶を重ねた挙句名門クラブ・インテルに運良く入団出来たドリブラー。
   攻撃力不足のインテルの少年部でエースになり、”太陽王子”の異名を得ている。

次藤 洋
所属:比良戸中→全日本Jrユース→国見学院→全日本ユース
配置:DF
特徴:巨体を活かしたパワーディフェンス、計略能力、スピードとテクニックの欠如
性格:豪快にして勇敢な九州男児。意外にも頭は良いが、標準語が話せないのがコンプレックス。
概要:強い者を倒したいと言う理由で中学からサッカーを始めた巨漢。経験が浅い為テクニックは
   無い上、体格故スピードも無いが強大なパワーと身長が売りのセンターバック。
   Jrユース大会後は国見学院でより真剣にサッカーに打ち込んだ。

早田 誠
所属:東一中→全日本Jrユース→立波高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:抜群のボール奪取力、鋭いカーブをかけたパスとシュート
性格:血気盛んでちゃっかりとしている。自分で料理が出来る程度のグルメ。
概要:漫才の時だけ関西弁になる関西人。サイドバックとリベロの両方をこなせる。
   カミソリタックルタックルでボールを奪う技術はワールドクラスだが、それ以外は世界レベルでは
   平凡なのが悩みの種。Jrユース大会後は地元の立波高校で活躍した。

16 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:02:31 ID:iLfm619v
赤井 止也
所属:前田中央高校→サンプドリアFCユース
配置:DFかMF
特徴:タックル・パスカット・ブロック全てに秀でた守備力、ドがつく程下手な攻撃力
性格:無謀で突っ走りがち。その割に妙に小心者な所もある。
概要:攻撃の下手さ故に名門校で落ちぶれていた所を特別コーチにやってきた
   イタリア人の激励を信じてセリエAに突撃した冒険野郎。守備面では
   ほぼ全ての場面で活躍が期待できるが攻撃はDFとしても無残な凸凹な選手。

若島津 健
所属:明和FC→東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:GK、たまにフィールダー
特徴:機械で増幅した身体能力、三角跳びを始めとする空手技の数々
性格:倫理観よりも”力”を信じる男。基本的には冷静だが熱い心を持っている。
概要:跡継ぎ争いに嫌気が差し、サッカーに転向した元空手家。小学生時代から日向に絶対の
   忠誠を誓い、改造手術まで受けた。Jrユース大会後、日向と共に東邦学園高等部に進学。
   Jrユースで第3GK扱いを受けた事に奮起し、日向のシゴキの下に大幅にパワーアップしたが…?

立花 政夫・和夫
所属:花輪SS→花輪中→全日本Jrユース→秋田商工→全日本ユース
配置:FW、ただしMFやDFとしても使われる
特徴:変幻自在のコンビプレイ、様々な空中技、二人揃わないと技の殆どが使えない
性格:何をするのも二人一緒なお調子者。極端に興奮すると猿言語で放す。
概要:アクロバティックな空中技とコンビプレイを得意とする双子の兄弟。彼らのプレイを初めて
   見た者は100%の確率で度肝を抜かれる。Jrユース大会後は秋田商工に進学。
   二人揃わないと何もできないと言う評価をどう覆すかが今後の課題。

17 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:02:45 ID:iLfm619v
中里 正人
所属:南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:俊足を活かしたオーバーラップ、高いボールキープ力、忍術を活用したディフェンス
性格:上下関係に気を使う。下調べを怠り判断を誤る事が多い。むっつりスケベ。
概要:足が凄く速い忍者(一部の者しか彼の素性は知らない)。緩やかな滅亡の道を歩む
   里を救う為、スポーツ忍者として資金源になる事を目指している。趣味は風呂覗き。

山森 正吾
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MF
特徴:豊富な運動量、精度が非常に高いパス、豊富な空中技
性格:素直かつ誠実で向上心に満ち溢れている優等生。
概要:新田と共に南葛SCで全国を制し、南葛中で芽を出した森崎達の一年下の後輩。
   Jrユース大会後は南葛中キャプテンになりV4を達成。とある女性にストーキングされている。

沢田 タケシ
所属:明和FC→東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:MF
特徴:基本に忠実な精度の高いドリブルとパス、日向のサポート
性格:長い物に巻かれる事を大前提とする臆病者。日向への盲従は最早本能。
概要:森崎達より二つ下の年代のMF。それ故にどうしてもパワーや高さ、守備力の欠如で
   泣かされる事が多い。Jrユース大会後も東邦学園で日向をサポートする日々を過ごしていた。

反町 一樹
所属:東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:FW
特徴:ダイレクトシュートが得意
性格:良く言えば達観した努力家、悪く言えば行動力に欠けるヘタレ。
概要:日向に反感を抱きつつも恐怖を克服できず、嫌々従っている東邦学園のFW。
   全日本Jrユースでは日向、来生に続くNo.3FWと評価されていたが、如何せん器用貧乏。

18 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:02:58 ID:iLfm619v
新田 瞬
所属:南葛SC→大友中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:天性のダッシュ力を生かしたダイレクトボレー及び地上シュート
性格:大胆不敵な野心家。ただし思い通りに行かないと割と簡単に落ち込んでしまう。
概要:森崎達より一つ下の年代のストライカー。秘めた才能はあると目されているが、
   Jrユース大会でそれが開花する事は無かった。しかし南葛高校にてようやく
   少しずつその才能の片鱗を目覚めさせ始めている。山森とは南葛SC時代からの縁。

井沢 守
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MF
特徴:優れたジャンプ力、来生と滝との連携
性格:劣等感と嫉妬を努力に変換出来る負けず嫌い。
概要:翼と山森への劣等感をバネに一花咲かせようと奮闘し続ける南葛のイケメンMF。
   小学生時代からの幼馴染、来生と滝と多くの連携技を持つ。

滝 一
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:右サイドアタックによるドリブル突破とセンタリング、井沢と来生との連携
性格:極めて常識的な普通人。来生へのツッコミ役。
概要:右サイドアタックからのセンタリングのみを武器にする南葛の職人ウィング。
   小学生時代からの幼馴染、井沢と来生と多くの連携技を持つ。

19 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:03:15 ID:iLfm619v
来生 哲兵
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:後先考えないドリブル突破、鋭いボレーシュート、滝と井沢との連携
性格:何があっても自信を失わないKY。お世辞にも頭は良くない。
概要:全日本JrユースNo.2FWまで上り詰めた南葛のお調子者ストライカー。
   小学生時代からの幼馴染、滝と井沢と多くの連携技を持つ。

高杉 真吾
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:大柄な体を活かしたディフェンス
性格:自称策略家だが実際の行動力は低い。小悪党じみた言動もしばしば。
概要:森崎の下に下る事を良しとせず、旗色が悪くなっても反抗し続ける南葛のスイーパー。
   来生、滝、井沢とは小学生時代からの幼馴染だがポジションが違う為連携技は持たない。

石崎 了
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:根性任せの開き直ったディフェンス
性格:誰にも頭を下げないある意味孤高の男。何気に女好きだが勿論モテない。
概要:翼との付き合いが誰よりも長い南葛のDF。森崎と翼が対立するに連れ彼も自然に
   翼側につき、森崎を憎む様になっていった。高杉と良くつるんでいるが仲は良くない。

20 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:03:34 ID:iLfm619v
【海外のライバル達】

大空 翼
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→サンパウロFCユース
配置:MFかFW
特徴:数多の大技、オールマイティな攻撃力、一流の守備力、精神面に脆さあり
性格:自他共に認めるサッカー馬鹿。無自覚に傲慢だが、裏を返せば自分に厳しいタイプ。
概要:長きに渡る森崎のチームメイトにして怨敵。二人の関係は憎悪と信頼が入り混じった
   複雑な物。日本のエースだが原作に比べると挫折や失態も多い。Jrユース大会後
   ブラジルの名門クラブチーム、サンパウロFCのユースチームに入団する。

チェザーレ・ストラット
所属:ACミランJrユース→イタリアJrユース→サンパウロFCユース
配置:FW
特徴:頭一つ飛び抜けたキック力、力強いドリブル突破とボール際の競り合い
性格:誠実で勇敢な男だが、彼女のミアータに対してはビビりまくり。
概要:イタリア屈指の名門ACミランに所属していたものの誤ってチームメイトを
   負傷させてしまった事がきっかけでイタリアを離れサンパウロに流れ着いた
   イタリア人ストライカー。恋人の訴えでイタリアに戻る決意を固めた。

エセキエル・バビントン
所属:サンパウロFCユース
配置:MF
特徴:巧みなドリブルとパスによる堅実なゲームメイク
性格:どちらかと言えば気弱な程温厚で心優しいタイプ。
概要:翼が来るまではサンパウロのエースと呼ばれていたアルゼンチン人MF。
   特に派手な技がある訳では無いが、ドリブルとパスの上手さには定評がある。

21 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:03:47 ID:iLfm619v
ワグネル・ソアレス・アマラウ
所属:サンパウロFCユース
配置:DF
特徴:安定して高いディフェンス力、高い浮き球に対する強さ
性格:短気で頭に血が上りやすい。ただし、サバサバしていて冷めるのも速い。
概要:サンパウロFC所属のブラジル屈指の名ディフェンダー。
   特に高い浮き球に強い事からサンパウロのコンドルと言う異名がある。
   ドトールとは幼馴染の関係の凸凹コンビ。

マグノ・ヴィエイラ・デ・オリヴェイラ(ドトール)
所属:サンパウロFCユース
配置:DF
特徴:鋭いタックル、低い浮き球に対する強さ
性格:常に冷静であろうと心がける。アマラウの抑え役をしている内にこうなったらしい。
概要:サンパウロFC所属のブラジル屈指のボールゲッター。
   タックルと低い浮き球を得意とする為サンパウロのコブラと呼ばれる。
   アマラウとは幼馴染の関係の凸凹コンビ。

マウリシオ・セザール・レイス・ペレイラ
所属:サンパウロFCユース
配置:MF
特徴:テクニックを生かしたドリブル突破、意外な程の得点能力
性格:素直さと強気が同居した自信家。調子に乗りやすいとも言う。
概要:翼達より年下ながら年上チームに抜擢されたサンパウロの逸材MF。
   体格は小さいが抜群のテクニックで華麗な技を繰り出す。

22 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:03:58 ID:iLfm619v
若林 源三
所属:南葛SC→HSVJrユース→全日本Jrユース→HSVユース
配置:GK
特徴:鉄壁のセービング、一対一勝負での絶対の自信と平常心、接触プレイでの強さ
性格:意地の塊の様な男。と言っても現実を認識できない愚か者ではない。
概要:負傷を切っ掛けに森崎に日本一のGKの座を奪われ、更に留学に行った西ドイツでは
   チームに馴染めず結局全日本Jrユースの第2GKに成り下がってしまった不遇の男。
   Jrユース大会後はハンブルグに戻り虎視眈々と復讐の牙を磨いでいた。

ヘルマン・カルツ
所属:HSVJrユース→西ドイツJrユース→HSVユース
配置:MF
特徴:相手のパワーを利用するドリブルとディフェンス、心憎いロビングシュート、追い詰められた時の底力
性格:飄々としていて掴み所が無い。しかし仲間思いで面倒見が良い常識人の面もある。
概要:”ワザ師”と呼ばれるテクニシャン。ハンブルガーSVユースチームのキャプテンを勤める。
   小柄だが相手のパワーを利用して接触プレイも出来る。ドイツ人なのに何故か爪楊枝を
   口に咥えており、チームが劣勢になるとそれを吐き出し本気を出すと言う妙な癖の持ち主。

クリストフ・ポブルセン
所属:HSVユース
配置:MF
特徴:暴力的なドリブル、破壊力過多のシュート、乱暴なタックル
性格:怨み・妬み・嫉みなど負の感情に満ち溢れた男。見当違いの逆恨みや八つ当たりも多い。
概要:東ドイツ出身のMF。と言っても実際のプレイスタイルはFWに近いアタッカー。
   Jrユース大会直前に西ドイツに亡命するが安全上の理由で西ドイツJrユースには参加できず、
   更に南米への移籍を森崎と翼の影響で失敗したので日本と南米を激しく憎んでいる。

23 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:04:12 ID:iLfm619v
テオドール・カペロマン
所属:HSVユース
配置:FWかMF
特徴:バランスの良いオフェンス能力、右サイドアタックからのセンタリングとシュート
性格:陽気だが自信家で挑発好き。横槍を入れて話の腰を折る趣味がある。
概要:Jrユース大会後ハンブルガーSVに移籍したウイング。FWとMF両方をこなせる。
   サイドワインダーと呼ばれるまるで魔法の様にクネクネ曲がる必殺シュートを持つ。

アンドレアス・メッツァ
所属:HSVユース
配置:MF
特徴:距離感に優れたパスセンス、意外に上手いドリブル
性格:揉め事を嫌う事なかれ主義者。自己主張はせず常に面倒事を避けようとする。
概要:Jrユース大会後ハンブルガーSVに移籍したMF。責任を取る事を嫌うタイプで
   自然とパス職人としてプレイスタイルを確立させて行ったある意味天性のパサー。

火野 竜馬
所属:モンテビデオユース→ウルグアイユース
配置:FW
特徴:強く速いドリブル、卓越したポストプレイ、ビクトリーノとのコンビプレイ、空陸問わない強力なシュート
性格:粗野にして傲慢だが合理的でもある。女に対してはお世辞にも紳士的とは言えない。
概要:日系人のウルグアイ人ストライカー。日本代表への誘いを断りウルグアイ代表になった。
   世界トップレベルのストライカーであり、更にドリブルとパスも非常に上手い。
   どんな体勢からでも撃てる珍しい必殺シュート、トルネードシュートが売りの通称”ジャパニーズボンバー”。

24 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:04:28 ID:iLfm619v
ラモン・ビクトリーノ
所属:ウルグアイJrユース→ウルグアイユース
配置:FW
特徴:巧く速いドリブル、スピードを生かした攻め、火野やダ・シルバとのコンビプレイ
性格:ノリが軽くすぐに軽口を叩く。プライドも高いが格上の強敵相手にはあっさり萎縮する事も。
概要:火野とツートップを組むウルグアイ人FWであり、ウルグアイユースのキャプテンを務める。
   凄まじいスピードを生かしたプレイから南米の黒豹と言う異名を持つ。
   キャプテンとしては決して真面目とは言えないタイプだが、何故かチームを上手くまとめられている。

フェルナンド・ダ・シルバ
所属:グレミオユース→ウルグアイユース
配置:MFかFW
特徴:情熱的なドリブル突破、ビクトリーノのサポート
性格:やたらと気合を入れまくる熱血漢。周りが目に入らなくなる事もしばしば。
概要:ブラジルのクラブ、グレミオ所属のMF兼FW。ドリブル突破には定評がある。
   ただしドリブル以外の単独の武器は何も無いのが辛い所。



【その他の選手達】
岩見 兼一
南葛のMF。一応全国レベルの実力者ではあるが世界に通じる程ではない。
医師の息子な為か頭は良く、大人しい外見に似合わない冷徹な野心家。

長野 洋
南葛のFW。日本国内では有名なポストプレイヤーだがポストプレイ以外は不得手で
代表に入れるレベルではない。温厚な常識人で岩見と行動を共にする事が多い。

25 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:04:45 ID:iLfm619v
【選手以外の人々】
見上 辰夫
全日本ユースの監督。元若林の専属コーチだが若林を贔屓したりはしない厳格な指導者。
昔は日本代表のゴールキーパーだった。よく片桐と悪巧みをしており、賀茂とも長い付き合い。

片桐 宗正
日本サッカー協会の強化本部部長。昔は日本代表のストライカーだったが目の負傷で若く引退した。
グラサンがトレードマークのヘビースモーカー。頭が良いのか悪いのかはっきりしない人。

賀茂 港
日本サッカー協会の関係者だが、具体的に何をしているかは不明。本人曰く主に情報収集をやっている。
陽子と一緒に行動を共にしている事が多いからボディガードかも?昔は日本代表のキャプテンだった。

吉良耕三
サッカー指導者A級ライセンス保持者の飲んだくれ。日向、若島津、沢田の師匠であり
そのサッカー哲学はかなり過激な物の、作戦立案能力や指導力は割と高い。

ロベルト・本郷
ご存知翼の師匠にしてサンパウロユースの監督。監督としては凡将だが翼を活用し
放任主義を誤魔化す事で結果を出している。色々とヘンな所がある厄介な御仁。

バウミール・ルーカス
オリキャラ。ブラジルの名門サッカークラブ・パルメイラスのスカウトである白人の中年男性。
ナイスミドルだが服のセンスは悪く、旅先での浮気が趣味と言う困った人。森崎をスカウトしたのもこの人。

片桐 陽子
日本サッカー協会の若き役員で、ブラジルで研修しつつ森崎と翼のサポートをしていた。
実は良い所のお嬢さんらしい。小食だが酒は大量に飲む(ブラジルでは18歳から酒が飲める)。
大胆で行動力があり、人懐っこい性格。この物語のヒロインかどうかは微妙。

26 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:05:36 ID:iLfm619v
中沢 早苗
南葛のサッカー部のマネージャー。一応原作通り翼と恋仲になっている。
原作以上に影が薄く、このままだとエンディング位しか出番が無いかも…?

青葉 弥生
三杉のガールフレンド…と言う事になっている。実態は掌の上で転がされる事に幸せを感じてしまっている子猫。
彼女の出番が多いと原作の少年漫画としての世界観が壊されてしまうのである意味危険人物。

藤沢 美子
かつて松山に恋をし、松山の鈍さと迂闊さを恨みながらアメリカに旅立ち、高校で日本に戻ってきた少女。
現在は一応松山と和解したが、当の松山が怯えている上彼女も未練は無い為疎遠である。

山岡 美子
岬の父違いの妹。しかし本人はそれを知らず、テレビで見た岬に惚れ込んだ挙句
南葛に押しかけ幸運と周囲の誤解と活かしてちゃっかり岬の彼女と言う事になってしまった。

塩田 琴音
オリキャラ。念写や占いなどが出来る山森のストーカー。その正体は>>2だとか>>2の妹だとか言われていた為
本編には登場していないものの>>2の分身キャラとして姉まで出来てしまった。
サッカーの知識はいまいち不十分だが、山森LOVEの為に南葛高校に就職までした困った女。

27 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:06:58 ID:iLfm619v
テンプレ終了っと。バーボンを避けられる様になったら前スレの展開の続きを貼ります。

28 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 10:08:00 ID:zvo+7lud
2さん乙支援

29 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:26:56 ID:iLfm619v
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「ギャアアアアアアアアアアア!!」「何やってんだよ南葛ー!」「3年連続で東邦の優勝なんか見たくないぞー!」
「何日向のスルーなんかにやられてんだよ!」「反町なんかに得点させんな!」「やっぱり森崎と翼が居ないとダメなのか!?」

南葛応援団「ふ、ふんばれ南葛!3年間分の底力を出すんだー!!」ドンドンドンドン

松山「み、見たか今の…?日向が、あの日向がスルーしやがった!」

三杉「技術的には出来なかった訳じゃなかっただろうけど…あの場面で咄嗟に出来るなんてね。
彼の勝利への執念が彼の自尊心よりも強いのか、それとも今までする必要が無かっただけなのか…」

松山「これはお前が言った通りに東邦が3−1くらいで勝ちそうだな…ええいくそっ」

陽子「…見上さん。南葛はまだ同点に追いつけるでしょうか?」

見上「まだ1、2枚はカードを持っているだろうな。ただしそれらが切り札と言えるかどうかは別問題だ」



中山「くそっ!」

ガスッ!

地面を殴りながら立ち上がった中山が見た光景はお世辞にも明るい物ではなかった。

一条「す、すみません、中山さん…」

石崎「ちくしょうっ!ちくしょうっ!ちくしょうっ!」

30 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:27:23 ID:iLfm619v
井沢「に、2点目か…」
滝「逆転されちまったな…」
来生「お、おい、どうすんだよ」
新田「(もう若島津さんは油断しないだろう。ファルコンクロウがもう一度入ってくれるかどうか…)」

山森「くっ…あの時早くボールを確保していれば!」
中里「面目ないでゴザル…」
高杉「(トホホ…俺じゃ沢田すら止められないのかよ…)」

岬「……………(まいったな。元々戦力差があったとは言え、小次郎に頭脳戦で負けた気分だ)」

ゴールを決められた一条は今にも泣き出しそうな顔をしており、石崎は地面をズカズカと踏み砕いて毒づいていた。
攻撃陣は電光掲示板の側の時計を気にしながら焦り、沢田に突破された守備陣は後悔の泥沼にはまっていた。
ならばと岬を見るが、岬は目を瞑りながらじっと考え込んでいた。中山の胸に一瞬だけ苛立ちが湧き上がり、すぐに消え去る。

中山「(岬…キャプテンのお前がそんな態度でどうする!お前は作戦を冷静に考えていれば良いだけの存在じゃないんだぞ!
…いや、リハビリを言い訳にお前にキャプテンを押し付けた俺にそれを言う資格は無いか。
皆も内心では岬がキャプテンをやりたくないのを分かっていて、それでも色々理由をつけて岬を推薦したんだ。
誰にも岬を責める資格は無い…ならば俺は副キャプテンに出来る事をしよう)」

スクッ。

中山「皆、まだ26分だぞ!ロスタイムも含めれば後20分もあるんだ!」

新田「中山さん…」

滝「だけど、どうすりゃいいんだ?さっきみたいに日向にボールがいかない様に慎重に攻めていたら
ずっとボールキープできたとしても、撃てるシュート数は精々3本くらいじゃないか…?」

中山「大丈夫だ、俺に奥の手がある!」

31 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:27:48 ID:iLfm619v
井沢「奥の手?そんなのあるのか?」

中山「ああ…って審判がこっち見始めてるな。長々と説明している暇は無い、俺にキックオフさせてくれ。
それから岬は左のウイングハーフとしてプレイしてくれ。すぐに効果は出てくる!」

岬「…分かったよ(その手を使うのか。この時点では最善の策だろうけど…多分時間が足りないだろうね)」



ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「この後半3回目の南葛のキックオフです!おっとセンターサークルには中山くんが入っています。
DFラインもかなり上がっています。逆転された南葛は是が非でも点を取り返しに行くつもりです!」

松山「当然だな。もう形振り構っていられない…あまり好ましい状況じゃないけど、ヤケにならざるを得ないんだ」

三杉「いや…ヤケでも無いみたいだよ」

松山「えっ?あっ!」



中山「井沢、一旦戻せ!中里上がれ!山森、すぐに返せ!」

パンッ!ダダッ!ポーン!



弥生「あ、あれっ?中山くんがゲームメイクしている?」

松山「そういえば大友中ではMFやっていたんだっけな。すっかり忘れていたけど」

32 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:28:11 ID:iLfm619v
三杉「南葛は岬くんに井沢、山森と中盤の人材が豊富だ。中山はわざわざそこに割って入るよりも
ディフェンスリーダーになる事を選んだんだろう。だが今は日向が自陣の奥深くでボールを狙っている以上、
南葛の攻撃時、DFとして出来る事はなくなる。それなら岬くんに代わって沢田をマークしつつゲームメイクすれば良いんだ」

松山「そうか!そういえば岬が左サイドでプレイしている!」

三杉「ただ…これだけじゃ前半の状況を再現しただけに過ぎないけどね」



放送「ここに来て南葛のパスワークが更に冴え渡っています!東邦、ほとんどボールに触れさせて貰えない!」

日向「チッ…悪あがきしやがって!」

若島津「(落ち着け…残りの時間は決して多くない。俺が守りきれば東邦の勝ちだ!)」



陽子「う〜ん…どちらかと言えば苦肉の策の感が拒めませんね」

見上「岬が左に流れ、滝が下がり、中山が上がった事で3−5−2の形になったな。
中盤を中山の力で制する事で岬と山森のシュート数も増えるだろうが…依然として若島津をどうするかが問題だ」



岬「いけえっ!」

中山「(岬のブーメランシュートは本来FK、もしくはセンタリングに混ぜて使うべき物なんだ!
ウイングハーフとして撃って貰えれば若島津にもきっと…!)」

バシュウウウウウウウウウウウウッ!!
ギュ…ゥウウウウウウウウウウウウン!

33 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:28:24 ID:iLfm619v
若島津「(センタリング…いや、シュートだ!)」

バキイッ!

中山「くっ…!惜しい…!」

岬「(やっぱりダメか…もしセンタリングだったとしても若島津は難なく対応できるんだしね)」



山森「てやああああああああああっ!」

若島津「キェエエエエエエエエエエエエエエッ!」

ドガァアアアアアアアアアアアアアアッ!!

山森「あがっ!く、くそおっ…!」



新田「(もう一度ゴールしてファルコンクロウだって宣言するんだァ!)」

バッゴォオオオオオオオオオン!
ヒュゥウウウウウウウウウウウウウウウン!

若島津「ネオタイガーに比べれば楽なシュートだ!」

バチイッ!

新田「そ、そんなァ」

34 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:29:43 ID:iLfm619v
井沢「来い来生!」

来生「とりゃーっ!」

若島津「何度やっても無駄だ!」

ドガァアアアアアアアアアアアアアアッ!!

井沢・来生『ぎゃあ〜〜っ!!』



若島津「(この程度のシュート等いくらでも防いでやる!俺は森崎の…森崎有三のかませ犬じゃないんだ!)」



中山が中盤に上がった事で南葛は攻撃権を独占しシュート数を増やしたが、岬が懸念していた通り
ゴールを奪うには至らなかった。今日の若島津は体調面だけでなく精神面でも絶好調であり、
時間がどんどん減っていき焦るばかりの南葛の選手たちのシュートでは打ち破れなかったのだ。

放送「効かない!効かない効かない効かない!何をやっても若島津くんを抜けない!
ブーメランシュート、ローリングオーバーヘッド、隼シュート、シュラウドストライク!
南葛が誇る数多の必殺シュートを撃っても撃っても東邦ゴールを奪えません!東邦の不沈艦ここにあり!」

観客「そんな…なんでなんだよ!」「もう南葛は一体何本シュートを撃ったんだ?」「時間がもう無いぞーっ!」

松山「…苦しいな…」

三杉「南葛がもう一枚ジョーカーを隠し持ってでもいない限り、このまま東邦の勝ちだ」

35 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 10:40:56 ID:iLfm619v
いったんここまで。

36 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 12:00:57 ID:iLfm619v
たまには自力で前スレを埋めてみようと思ったら容量の計算違いで最後の一幕が貼れなかったでゴザルの巻。



注:画像はあくまでもイメージです。

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 :.:.i    |、  ` ー ´   /    !  :.:.:.:.'{ {_´入.   /
 :,:.|    '. ` ー 、  , - ´./     ',  :.:.:/:.', /    ./
 i:.{     i- ― ===ー /      }  :.:./ :.Y      /
 ト:|     ', , - ― - 、./      /  :,イ :.:.ノ,     {

人に目立つなと言っておきながら自分もデカいAAで媚を売った挙句
読者の皆さんに任せるとか言っておきながら容量使い切っちゃったじゃないの!

              _, - − ― - 、_      ,ヘ,_
         /: : : : : : : : : : : : : `丶、 /  _〉
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : ,ィ'O´
      /: : : :/: : : : : : ,: : 、: : : : : : : ヘイ,`ヽ,
      ,': : : :,': : : : :/: :ハ: : } ヽ: : : : : :l ヘヽ/
      !: : : :∧_」、-|‐ l  l: :A-|ュ、,_: : :|: :l
     ∧ト、::| ´ヾ!ヽ|ヽ|  レ' ヾ! ヽ、|: :!: :ヘ
     /: : : ヾ!−-−    −--− l:;ノ : : ヘ
     ! ,ィ: : : l """   ___   """ l: : : : : : !
     ヾ!ヽ、: :ゝ、    Y  _ソ   ,.イ: :,ィ::ルレ'
          ヾト、ト` −-z二、-‐''レイ//ノ
              __,.ィく´><ネ、._
       , -r'´  _/´c8っヘ_ ``7ー.、
         ゝ-'`'´ ̄/:::::::::::::::::::}   ̄ゝー'
            7´ ̄ ̄`ヾ!
              /:::::::::::::::::::::ヽ
          /::::::::::::::::::::::::::::::\
         ヾ、_::::::::::::::::::::::::::;_/
            ` ーr−r‐イ
                  {二!二j
                  ゝ,人ノ

いや〜うっかりうっかり。

37 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 12:46:24 ID:8VBw4gJk
おねいさんのイメージみくるかよw

38 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:08:43 ID:iLfm619v
岬「(…ダメだ。この試合、勝てない)」

時間が残酷な程平等に過ぎていき南葛と彼らを応援する観客達の焦りが
刻一刻激しくなっていく中岬はとある決意を固めた。

岬「(これじゃ僕の3年間は無駄になってしまう。ただでさえ日本に引っ越した事で
欧州で培った技術が鈍ってしまったのに、日本一にすらなれなかったら僕の日本代表での存在感…
引いては将来の日本サッカー協会での発言力は激減してしまう。だからこそ一度で良いから
小次郎に勝ちたかったんだけど…今となってはそれも無理だ。ならば…別の方法で存在感を出すしかない)」



放送「後半40分!もう南葛後がありません!ボールを持った中山くん、どうするのか!」

南葛応援団「なっかやま!なっかやま!なっかやま!」ドンドンドンドン

中山「(くそっ…確率的に一番決まりそうなのはブーメランシュートなんだが、
もう若島津の目も慣れてしまっているだろう。なんとか…なんとかならないのか!…ん?)」

切羽詰りながら次のゲームメイクを考える中山の視界に岬の姿が映った。
ブーメランシュートを撃つのでもセンタリングを狙うのでもなく、
逆サイドからのセンタリングに合わせてダイレクトシュートを狙いたい…そんな位置に居る岬の姿が。

中山「(岬…そうか、ジャンピングボレーを撃ちたいのか。それならまだ意表をつけるかも知れない。
だが逆サイドには日向が居るんだ。滝じゃまず突破できない…それなら!)」クイクイ

中里「(む、中山殿の符丁!あれは交差して拙者にドリブルせよとの意であったな)」

ダダダダダ…
シュタタタタッ…
バシッ!

39 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:08:59 ID:iLfm619v
中山は中里とクロスオーバーを行いつつ至近距離でボソッと囁いた。

中山「中里右だ。岬にセンタリング!」

中里「!?り、了解でゴザル」

シュタタタタタタタ!

放送「中山くんドリブル開始…と見せかけて中里くんにボールを移しました!
中里くんそのまま本来とは逆サイドを上がっていきます!なんと右サイドアタックだ!」

滝「お、おい、今こっちには日向が!」

日向「馬鹿め、焦ったな!くたばれェ!」

ダカダカダカッ、ズゾザァアアアアアアアアアッ!!

放送「しかしここには日向くんが待ち構えています!日向くんまるで飛び込む様な勢いのタックル!」

中里「(何年も中の里の名折れを繰り返す訳には行かぬ!中の里が奥義が一…)」

ブゥウウウウウウウウウウウウン…!
スカッ!

日向「な、なにィ!?」

東邦メンバー『う、うそ〜っ!!?』

中里「(分身の術ナリ!)」

放送「こ、これは〜っ!?中里くんまるで分身したかの様に見える高速の左右フェイントで日向くんを抜き去りました!
まさか日向くんが抜かれるとは思っていなかったのか、東邦の守備陣は驚き戸惑っています!」

40 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:09:21 ID:iLfm619v
若島津「お、落ち着け!シュートコースだけ塞いでおけ、ダイレクトシュートは俺が防いでみせる!」

東邦メンバー『お、おう!』

中里「(効果は抜群ナリ!後は岬殿に任せるでゴザル…)」

バシィイイイイイッ!

若島津「高い…?ハッ、こういう事か!」

放送「そして中里くんセンタリング!し、しかしこれは高すぎる!?来生くんも山森くんも新田くんも
誰も合わせられそうに無い…いや!ファーサイドの岬くんへ向けたセンタリングだーーーっ!!」

若島津「間に合ってくれーっ!」

ダダッ、バッ!

岬「(有難う皆。僕は一足先に失礼させてもらうけど、最後の勤めは果たしていくよ…)」

ダダッ、バッ!

若島津「(えっ…み、岬?)」

見上「む?」

日向「(あの飛び方…!)」

この試合一度も使っていないジャンピングボレーで若島津の意表をつき、ゴールを狙う岬。
その策にかかりながらも必死に飛びつき、18番の浴びせ蹴りを繰り出す若島津。

フィールドの内外を問わず誰にでもそう見えたであろう光景が
実際は岬の作り出した茶番だった事に気づけた者は一人でも居ただろうか?

41 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:09:40 ID:iLfm619v



                              ゴキャアアアアアッ!!



岬「ぐわああああああああ…!(か、覚悟はしていたけれど…痛い…!)」

ドサッ!

南葛メンバー『み、岬〜〜〜っ!!』

美子「きゃあああ!い、嫌ぁあああ!!」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

若島津「えっ?えっ!?(ちょっと待てよ、今のは岬の飛び方が悪かったんじゃないのか?)」

放送「お…お、おぉおおおおおおおおおお〜っと!なんと若島津くんの浴びせ蹴りがボールではなく
岬くんの脚を直撃してしまいました!すかさず審判が笛を吹きながら駆け寄ります!」

審判が駆け寄りながら胸ポケットに手を突っ込み、何かを取り出す。
時間にして数秒しかないその瞬間急に沈黙が訪れる。左脚を抑えて倒れている岬の呻き声を除いて。

バッ!

審判が突き出したカードの色は…黄色だった。

放送「い、イエローカードです!イエローカードが出ました!審判が若島津くんに警告を出しました!」

岬「うぐ…が、あ…っ!(い、イエローか…レッドが理想だったけど、これで十分だ)」

42 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:10:02 ID:iLfm619v
観客「なにィ!ちょっと待て、あれはレッドだろ!」「フザけるな審判!」「若島津なんか退場させろーっ!!」

ブゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!

放送「観客から大ブーイング!南葛のキャプテンの絶好のシュートチャンスを負傷する程の
反則で潰したとあっては当然の反応ですが、審判の判定が覆る事はありません!」

松山「おいおいおい…遂にやっちゃったぜ若島津の奴。キーパーの飛び出しってのは
反則のリスクが絡む物だけど、あれだけの威力の蹴りをしたら怪我するのも当たり前だな。岬もかわいそうに」

三杉「…そうだね(なんだろう、何かひっかかるな)」

陽子「うわ〜、痛そう…」

見上「(まさか…いや、考えすぎか。ゴール前では良くある事だ)」



石崎「てっ…てめぇええええええ!良くも岬を!」

高杉「わっバカ!乱闘なんか起こすなよ!」

山森「落ち着いて下さい石崎さん!」

石崎「…分かってるよちくしょう!」

滝「タンカだ!タンカを早く!」

43 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:10:15 ID:iLfm619v
中山「なんて事だ…岬…」

キャプテンの負傷で南葛の選手たちはパニックに陥っていた。
まさかこんな結果になるとは思っていなかった中山も呆然としてしまい、
長野と西尾が持つタンカに乗った岬に乗せられるのを黙って見ているだけだった。

これらの反応は正に岬が望んでいた通りの物だった。
岬は苦痛に顔を歪めながら背を起こし、左手で右腕についたキャプテンマークを外す。

長野「み、岬!その怪我じゃもうプレイは無理だ、大人しく寝ていろよ!」

岬「分かっている、よ…だから、キャプテンとして最後の仕事を二つ、させて…」

井沢「岬…」

岬「まず…僕の代わりには岩見くんを。時間が止まっている今の内にウォーミングアップを…」

岩見「分かった」

岬「それから…中山くん。ちょっと近くに来て…」

中山「な、なんだ…?」

ポン。

岬「PKと…後は任せたよ」

中山「………分かった。お前が獲得したPK、絶対に決めてみせる!そしてもう一点も東邦にはやらない!」

岬「つっ…頼んだよ(これで良し。後は負けても引き分けても、万が一勝っても僕の功績は否定されない)」

こうして岬は黒い計算と共に負傷交代した。仲間達にPKと熱い感動を残して。

44 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 13:10:37 ID:iLfm619v
いったんここまで。

45 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 13:28:41 ID:CEqIDwpy
見栄を張ったなおねいさん

胸的な意味でw

46 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 13:54:18 ID:iXm8tea4
岬・・・恐ろしい奴だw

47 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 13:56:56 ID:FSqQvtkJ
この岬、敵に回したくないが味方にするのも何か嫌だw

48 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 14:09:05 ID:pMXhnkAi
しかし、この怪我が選手生命にかかわるなら
策に溺れたとしか言いようがない。

49 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 14:15:49 ID:EoLNWhTM
47>>
もしそのようになったらプロまで持って行って持病になるからな,これ

50 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 14:17:34 ID:EoLNWhTM
47>> あ,48>>だっだ,すまん。

51 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 14:19:28 ID:EoLNWhTM
49,50>> ......ミス連発だな,マジすまん。

52 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/29(日) 16:52:15 ID:iLfm619v
さっき何気なく寿司の写真をググッていたら…

”小田すし”

が実在する事を発見…(゜Д゛)

53 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 18:22:21 ID:evvX46iU
た、大変だ! 謝罪と賠償を要求される前に逃げるニダ!

54 :創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 21:08:07 ID:IoGGfHN/
さ、さっそく出前の準備だ…っ!

55 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:05:19 ID:pjTM9gq0
ズッバァアアアン!

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

中山「よしっ!」

南葛メンバー『やったぜ中山ァ!』

放送「決まった!ゴ〜〜〜〜〜ル!!岬くんのキャプテンマークを受け継いだ中山くん、
冷静にボールを右隅に蹴りこみました!2点目!後半42分、南葛やっとPKで追いつきました!」

南葛 2−2 東邦



南葛応援団「よ〜〜〜ぉし良くやった中山〜!この調子で逆転だ〜!」ドンドンドンドン

観客「なっかやま!なっかやま!」「良くやった!今度こそ逆転だ!」「岬の献身的なプレイを無駄にするなよーっ!」

若島津「くっ…くそっ…」

逆を突かれPKを決められてしまった若島津が歯軋りしながら身を起こすとそこには日向が居た。
怒った様な笑いで顔を引きつらせ、南葛ベンチの方を睨みつける日向が。

日向「フッフフフ…やってくれるじゃねえか岬。見事な最後っ屁だったぜ」

若島津「すみません…」

56 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:05:45 ID:pjTM9gq0
日向「気にするな。同点PKとイエロー程度で岬を殺れるんなら安いモンだ。なにせ後は…」

ギンッ!

日向「身の程知らずの雑魚どもを血祭りに上げるだけだからな。ク、クク、ククク…」

ゾクッ!

若島津「(頼もしい以上に恐ろしい…最早この人を止められる者は居ないだろう)」

*日向の岬に対する感情が「疑惑」になりました。



松山「なんとか同点になったけど…岬を失ったのはデカいな…」

三杉「もう南葛は攻撃は出来ない。後は延長戦も含めて後25分強逃げ切るだけなんだが…」

陽子「えーっと、日本の高校選手権の決勝戦では、延長戦は15分ハーフじゃなくて10分ハーフなんでしたっけ?」

見上「そうだ。そして…南葛はもう勝てない」

陽子「そうですね。PK戦だと勝っても引き分け扱いですし…」

見上「違うぞ陽子くん。私はもう東邦の勝ちは決まったと言っているのだ。PK戦は有り得ない」

陽子「え…断言しちゃうんですか?」

見上「ああ。良く見ていたまえ、誇りを傷つけられ、追い詰められた虎の怒りを…」

57 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:05:59 ID:pjTM9gq0
ピィイイイイイイイイイイイイ!!

日向「…ウォァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

ダダダダダダッ!

放送「再開のホイッスルと同時に日向くんが突撃開始〜!!あまりにも彼らしいプレイです!」

中山「予想通りだ!全員守備で守り抜けーっ!」

南葛メンバー『おう!!』

岩見「(反則をしてでも止めてやる!くらえ日向!)」

ズザザザザーッ!

日向「フンッ!」

ドガアッ!

岩見「グハアッ!?(あ…足を削ったのに…!)」

日向「オラオラオラァッ!!」

ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!

来生・井沢・滝・山森・新田『ぐわあ〜〜〜っ!!』

ギャルサポ『キャーッ!井沢くん!』

琴音「キャーッ!山森くん!」

58 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:06:24 ID:pjTM9gq0
放送「日向くんあっと言う間に6人抜き!怒り狂った高校サッカーの君主が
自らの手で南葛の選手達を処刑していっています!残された5人の戦士達は彼を止められるのか?」

中山「皆!ここを守りきれば俺達の勝ちだ!」

高杉「おう!分かってる!」

石崎「岬の犠牲は無駄にしないぜ!」

中里「正念場でゴザル!」

一条「な…なんとかするんだ…!」

日向「ほざけ…そして後悔しろ!」

グワアアアアアアアッ!

放送「そして日向くん早くも振りかぶったーっ!!ネオタイガーショットが火を噴くぞォ!」

松山「頑張れ南葛!」

三杉「最後の勝負だ…」

陽子「………」ゴクリ

見上「決まった」

吉良「殺れ、小次郎!」

岬「(多分ダメだな)」

59 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:06:42 ID:pjTM9gq0
放送「日向くんあっと言う間に6人抜き!怒り狂った高校サッカーの君主が
自らの手で南葛の選手達を処刑していっています!残された5人の戦士達は彼を止められるのか?」

中山「皆!ここを守りきれば俺達の勝ちだ!」

高杉「おう!分かってる!」

石崎「岬の犠牲は無駄にしないぜ!」

中里「正念場でゴザル!」

一条「な…なんとかするんだ…!」

日向「ほざけ…そして後悔しろ!」

グワアアアアアアアッ!

放送「そして日向くん早くも振りかぶったーっ!!ネオタイガーショットが火を噴くぞォ!」

松山「頑張れ南葛!」

三杉「最後の勝負だ…」

陽子「………」ゴクリ

見上「決まった」

吉良「殺れ、小次郎!」

岬「(多分ダメだな)」

60 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:07:00 ID:pjTM9gq0



日向「くたばれ南葛!これが俺のネオタイガーショットだ!!」

バッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!



中里「(中の里が奥義が一、変わり身のじゅ…)つべっ!?」

ドガッ!

高杉「ぐ…わーーーっ!!」

ドゴッ!

石崎「くそったれーーーっ!!ぶふぉぁああっ!」

バギイッ!

中山「(俺はもう負けない!森崎に置いて行かれるのは…)もう沢山なんだァーーー!!」

ブゴォッ!
ギュルルルル!

中山「ああああああああ…!」

バィイイイイン!
ドッ…ザザザザァ…

日向「………!」

放送「は、は、跳ね返ったァーーー!!ネオタイガーショットのシュートコースに割り込んだ
南葛の猛者達4人の内3人はなぎ倒される様に吹き飛ばされましたが、最後の中山くんが
後方に吹き飛ばされながらもなんとかボールを跳ね返しました!ボールは大きく宙に浮かび…!?」

61 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:07:55 ID:pjTM9gq0
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

観客「良くやった!良くやったぞ南葛!」「なっかやま!なっかや…」

松山「やった!…げっ!?」

三杉「………」ゴソゴソ、ビリッ

弥生「あっ!あっ!あああっ!あああーーーーーっ!!」

陽子「…なるほど」

見上「分かったかね」



中里「ぐふっ…」
高杉「い、痛い…」
石崎「うげええ…」

中山「ボール…ボールを抑えないと…ああっ!」

ガバッ!


グワアアアアアアアッ!!

日向「てめえらに勝つ資格は…ねえんだよォオオオオオオッ!!」

バッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!




62 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:08:30 ID:pjTM9gq0
グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…!

中山「うわあああああああああああっ!!」

ドゴォオオオオオオオッ!!

中山「ぐ…あああああっ…!!」

ギュォオオオオオオオオオオオオ…!

一条「中山さん!」

ガシイッ!

一条「う…わああああっ!!」

ドサッドサッ。
ポーーーン…

中山「(ああ…ボールが、こぼれた。クリア…立ってクリアしなきゃ…あれ、体が動かない…?)」

パンッ。
ポーンポンポン、テンテンテン…

中山「(あ、ダメだ!そっちへ行っちゃダメだ!止まれ!止まってくれ!)」

コロコロコロ…
ピタッ。

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

南葛 2−3 東邦

63 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:09:40 ID:pjTM9gq0
いったんここまで。

64 :創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 15:31:11 ID:Xbzh46nA
「高校サッカーの君主」
いいなあ、この表現…暴君以外の何物でもないけどw

65 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 16:41:09 ID:pjTM9gq0
日向の残った力全てを込めた2連続ネオタイガーが南葛のDFとGK全員を薙ぎ倒し、
防がれても尚勢いを残していたこぼれ球がゴールラインを割ってから数分後…

ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイ!!

観客「ああああああ〜…」「ダメだったか…」「今年こそはって思ったんだけどなあ…」「最後の時に岬が居れば…」

試合終了を告げる笛を待っていたかの様に悲哀交々のため息が観客席で流れ出た。

放送「試合終了〜〜〜!最終スコアは3−2!東邦学園、唯一のライバルであった南葛高校を
激闘の末打ち破り冬の全国選手権の三連覇を達成しました!強い、強すぎる、強すぎた!!
猛虎・日向小次郎くんの無敗天下は遂に崩される事なくフィナーレを飾りました!
逆に打倒・東邦に3年間打ち込んだものの、ほんの僅かの力の差で報われなかった南葛の選手達は
皆打ちひしがれ未だ立ち上がる事が出来ないで居ます…勝敗とはこれ程までに残酷な物なのでしょうか…」

高杉「そ、そんなァ…」
石崎「岬、翼、すまねえ…」
中里「日向小次郎、恐るべし…」
井沢「くそっ!くそっ!くそっ!」
来生「なんでこうなっちゃうんだよーっ!」
滝「俺達の力はこの程度だったのか…」
岩見「結局何も出来なかったか…」
長野「あああ…俺に、俺にもっと力があれば…!」

放送の実況通り南葛の選手達は悔しさに打ちのめされていた。
ある者は無念さに涙を飲み、ある者は後悔に怒鳴り散らし、ある者は己の力不足を嘆く。

中山「何故だ…何故、負けたんだ…今年こそ勝てると思ったのに…」

そして中山は…現実を受け入れられないでいた。
自分はリハビリを終え、かつての力を取り戻せたのではなかったのか?
一体どんな顔をして森崎にこの情け無い結果を報告すれば良いのか?

66 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 16:41:56 ID:pjTM9gq0
日向「バカかてめえは?なんで勝てるなんて思ったんだ?」

中山「なんだと…」

皮肉にも彼の迷いを断ち切りに歩み寄ったのは他の誰でもない日向だった。
疲労に足を震わせては居るが、その堂々とした振る舞いは勝者の物以外の何物でもない。
中山が手と膝を地に着きながら見上げているのとは真に対照的である。

日向「日本一になって森崎に追いつきたい?胸を張ってあいつと共に戦いたい?
要するにてめえは森崎に勝つつもりも無い負け犬なんだろうが。最初からな!」

中山「な…!」

日向「俺は誰かに負けを認める位なら死んだ方がマシだ。日本一?
そんなモノは森崎をブッ倒してから世界一になる前の前菜に過ぎねえんだよ」

ガクリ…

日向「何時までもそうやってレベルの低い場所で這いつくばっていろ。
心配しなくて世界一にはなれるだろうよ…俺に敗れた森崎の金魚のフンとしてな!
クククク…フフハハ…ハァーーーーーッハッハッハッハッハァ!!」

ザッザッザッザッ…

日向は言いたい放題にしてから立ち去っていった。中山はそれを見上げる事すら出来なかった。
衝撃が、後悔が、葛藤が、そして恐怖が彼の全身から力と言う力全てを奪い取っていた。
首が重く上がらない。口はくっついて開かない。肩と脚はもう自分の物に思えない。
彼は今涙はおろか言葉の一つも吐き出せない、際限なく落ち続ける絶望の暗闇に囚われていた。

中山「(………俺はこの3年間、何をやっていたんだ………)」

67 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 16:42:26 ID:pjTM9gq0
いったんここまで。

68 :創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 22:27:22 ID:90YKmjFr
なんという正統派ヒール
むしろ潔い


でも普段はメタボなんすよねww

69 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:12 ID:pjTM9gq0
一方その頃観客席では。

松山「終わったな…って三杉、お前の彼女なんかおかしいぞ!?」

弥生「はっ、はっ、はっ…」

弥生が赤ら顔で瞳を潤ませ、荒い息をつきながら目に見える程ぶるぶる震えていたのだ。

三杉「これは…さっきの日向のゴールの時上げた絶叫で呼吸を乱した時
冷たい風を吸い込んでしまったのが原因だね。ここよりは暖かい通路で休ませるよ。お先に失礼」

松山「あ、ああ…(冷気を吸い込んだだけでああなるのか…?)」

すかさず三杉が弥生を抱き支え、足元がおぼつかない彼女を半ば抱える様にして
競技場内の通路に連れて行く。そしてそのまま売店の前を通り過ぎ、
自動販売機と壁の窪みによって作られた影に彼女を連れ込み壁に背を預けさせた。
弥生が相変わらず妖しい表情をしているのを見て三杉は満足気な微笑を浮かべ、
二人にしか聞こえない程度の音量でささやき始める。

三杉「やっぱり楽しんでいたじゃないか。可愛いね、僕の弥生は」

弥生「はあ…はあ…ご、ご主人様、あんまりです。何時松山くんにバレるかと…」

三杉「それがいいんじゃないか。大丈夫、彼の性格なら気付いても絶対に口に出来ないよ」

弥生「ひ、ひどいです…さっき、破きましたよね?」

三杉「うん。この通りビリビリにしてあげたよ」

70 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:28 ID:pjTM9gq0
三杉はみせつける様にゆっくりとポケットに手を出し入れし、中から破れた二枚の紙を取り出した。
そして弥生の瞳がますます潤むのをじっくりと鑑賞しつつ広げたそれに書かれていたのは以下の文字だった。

『すしおだ 特上一人前(15000円)すし券 〜静岡一の若手職人が握ります!〜』

弥生「ああああ〜…バイトして、頑張って、買ったのに…」

三杉「うん、それはとても嬉しいんだ。こうやって大事な物を踏みにじられる弥生の可愛い顔も見れるしね」

弥生「ひぅうう…」

何処か恍惚とした目つきになり、頬を染め、膝が笑い始める弥生。
すかさず三杉は彼女の腰を手で支えゆっくりと顔を近づけていった。

三杉「でもね、弥生…一人前が三万円以下の寿司なんて、寿司とは言わないんだよ?」

弥生「はうっ…!」

三杉「落ちぶれたとは言え、僕もそれなりの家柄の者だ。それが分かっていながら
買ってきたのはワザとだろう?弥生は僕にお仕置きされたかったんだろう…?」

弥生「あ、あ、あ、あ………」

そして二人の唇が後少しで重なりそうになった時…

ボトッ。

三杉の後ろで何かが落ちる音が響いた。

71 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:43 ID:pjTM9gq0
松山「あ…あの、す、すまん!」

三杉「………」

弥生「………」

松山「いや、だからその…暖かい飲み物を買ってきて…」

三杉「………」

弥生「………」

松山「ジャマするつもりはなかったんだ!本当だ!」

三杉「………」

弥生「………」

松山「えーと…その…二人とも…」

三杉「………」

弥生「………」

松山「ご、ごめんなさい!全面的に俺が悪いです!許して下さ…」

三杉・弥生『反省しているのならさっさと立ち去ったらどう だい/なの !!』

72 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:01:00 ID:pjTM9gq0
いったんここまで。

73 :創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 23:14:36 ID:HBPuXhbX
小田は頑張って寿司職人になったようだな
森崎との再開はあると思いたい

74 :創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 12:25:22 ID:Oxmtt/VP
三杉と弥生の関係なんて、こんな描写一度すれば充分だと思うのだが
ここまで執拗に繰り返すのは何か意図しての事なのかな

75 :創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 12:34:38 ID:IQTqPdP8
>>74
最後のオチに繋げるための布石だろ。
別の(今回はエロ鬼畜)方に思考を誘導させて最後にドーンと落とす。たまにある手法でしょ。
俺も見事に引っ掛かったが。

76 :創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 16:32:46 ID:fmr27ooQ
騙されたバカその2がここにいるぜ
2さんの三杉にしてやられたのはこれで二回目

77 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:21 ID:bMhN2DVd
東邦が優勝してしまった事で観客席はブーイングや野次に包まれていた。
それはどちらかと言えば東邦の強引さやあくどさを責める物が多かったが、
南葛の不甲斐無さを責める声も決して少なくなかった。

しかしベンチに引き上げる南葛の選手達にとっては観客の声よりも、己の良心の呵責の方が何倍も辛かった。
利き脚に痛々しく包帯を巻いた岬の姿に涙せずには居られなかったのだ。

石崎「すまねえ…岬!お前がくれたゴール、無駄にしちまった!」

最初に耐えられなくなり口火を切ったのは石崎だった。彼にとって岬はある意味翼以上に縁が深い相手であり、
翼より遥かに献身的なプレイスタイルと言動を持つ岬の期待を裏切った事は彼を凄まじく苦しめていた。

中山「……………」

中山は何も言えずにただ腕章を外し震える手で差し出しただけだった。
彼の項垂れた顔とそこから零れ落ちる雫が全てを語っていた。

他の選手達も項垂れ、涙を流し、時折謝りの言葉を耐えかねた様に漏らす。
己の不甲斐無さ、三年間が無駄になった後悔、東邦に負けた悔しさ。
それが岬の負った負傷に象徴され、目の前で彼らを糾弾していた。

丁度岬の望んだ通りに。

岬「皆、謝らないでよ」

ビクッ。

聞きようによっては拒絶する様な台詞に誰もが背筋を震わせる。
すかさず岬は皆と気持ちは一緒ばかりだと言わんばかりに自嘲を滲ませた声を漏らし遠くを見つめる。

岬「そんな事を言ったら、僕は森崎と翼くんに何回謝れば良いんだ?」

78 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:40 ID:bMhN2DVd
石崎「み、岬…」

岬「何より…無駄だなんて言ったら、この3年間僕達を応援し続けてくれた人たち。
特に今控え室で僕達を待っていてくれているマネージャー達の気持ちまで無駄にしてしまう…」

共感だけでは現実は否定できない。正論だけでは後悔は解消できない。
それなら感情で相手の傷を癒しつつ理屈で相手の良心の逃げ道を作れば良い。
こうすれば偽善や奇麗事だと反発される事無く相手に”良い人”と無意識のレベルで刷り込まれる。

岬太郎の決して口には出せない持論の一つである。

井沢「そう…だな。準優勝じゃ意味がないなんて言っちゃ、他のチームの存在を否定しちゃうもんな」

滝「結果は残念だったけど、俺達は全力でやった。それだけは確かなんだ」

来生「ここは日向に華を持たせてやるが、全日本ユースでは俺がエースストライカーだぜ!」

高杉「胸を張ってとは行かないけど、頭をしっかり上げて帰るか!」

新田「(そうだ…俺は若島津さんからゴールを奪ったじゃないか!俺のやってきた事は無駄じゃなかったんだ!)」

山森「(すごいなあ岬さん。本当は本人が一番悔しいだろうに、皆をあっと言う間に慰めちゃった)」

誰もが重苦しい雰囲気を拭いたかった。だから誰もが岬が示した空元気に同調した。

中山「………(確かに南葛としてはそれでいいかも知れない。でも、俺は…)」

唯一中山だけは項垂れたまま言葉を発せられなかったが。

79 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:59 ID:bMhN2DVd
岬「(中山には後で個別のフォローをしておかないとね)さあ皆、そろそろ帰り支度を始めよう」

石崎「そうだな。東邦の表彰式なんて見たくねえしな」

こうして岬は観客からもチームメイトからも敗者としてなじられず、悲劇の英雄として実績を残す事に成功した。

だが人間関係とは非常に複雑な物で、人の頭脳で完全に制御する事は難しい。
岬の様な慎重で計算高いタイプでも見込み違いをする事はある。

ワーワー!ギャーギャー!

長野「あれ?何だ?」

岸田「なんか騒がしいな」

控え室の前では押し問答が起きていた。マネージャーの3人と山岡美子が別の少女と怒鳴りあってたのだ。

少女「とにかく!岬くんと会わせなさいよ!」

早苗「ダメだって言ってるでしょ!岬くんに会いたがるファンなんて沢山居るのよ!」

美子「そもそも貴女誰ですか!岬様に馴れ馴れしい!」

少女「それはこっちのセリフよ!この泥棒猫っ!」



岬「あ、あずみちゃん…?」




80 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:08:38 ID:bMhN2DVd
あずみ「岬くん!誰なのこの乳臭い小娘は!」

美子「岬様!このアバズレは誰ですか!」

早川あずみ。岬のフランスで過ごした中学生時代の同級生であり、金儲けに置けるパートナーである。
岬はその人望とサッカーの腕前を使い、彼女は汚れ仕事を引き受け岬の資産を運用する事で
二人は理想的なビジネス関係を築いていた。この二人に泣かされ金を取られたフランス人の数は千人を超える。

岬「ど、どうして日本に…(怒っている?なんで?)」

あずみ「去年から日本に戻ってたのよ!それよりこの山岡とか言う女は何なの!」

美子「岬様!岬様ったら!」

岬「あ、ああごめん美子。彼女は早川あずみ、フランスで住んでいた頃の同級生で…」

あずみ「ただの同級生じゃないわ、パートナーよ!」

美子「な…な、なんですってぇえええええええっ!!」

岬「(えっ!?あずみちゃん何を言っているんだ、僕は君のお金儲けに置けるパートナーであって…
確かにボーイフレンドとガールフレンドの様な関係に偽装していたけど…あ、そうか、そういう事か!
僕が美子をそういうパートナーにしたと勘違いして怒っているのか!…ハッ)」

しら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ…

必死に頭脳を働かせながらも周りの観察を怠らないのは岬太郎の長所の一つである。
しかしそれ故に分かってしまう事もある。先ほどまで彼に罪悪感混じりの敬意と好意を向けていた
彼らのチームメイト達の視線が打って変わって白くなっていた事。マネージャー達の視線は更に白い事。
そしてこの状況を円満に解決に持っていく手段が存在しない事。

81 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:08:57 ID:bMhN2DVd
岬「(案その1。あずみちゃんはお金儲けのパートナーであって恋人ではない事を説明。論外。
案その2。美子とはそういう関係じゃないと言い張る。南葛の皆に心底軽蔑されてゲームオーバー。
案その3。美子を庇いあずみちゃんを追い払う。僕の暗部が暴露される恐れがあるので却下。
案その4。あずみちゃんの気持ちを知らなかった事にする。これならなんとか言い張れるかも?
タイミングを逃した感もあるが、上手く持っていけば美子と離れるキッカケにも…)」

石崎「あ、あのさ?岬」

岬「あ…うん、な、何?」

石崎「いや、俺、お前の事ホントに良い奴だと思ってるんだよ。お前に比べたら自分の心は
なんて汚いんだろうって落ち込んだ事もある。だけど…これはダメだろ?」

早苗「そうよ岬くん。きっと誰も傷つけたくなかったからこうしていたんでしょうけど…
女に対してはそれじゃダメよ?優しくするのは本命の娘だけにしなくちゃ。
フランスから離れてもう会う事も無いだろうって思っていたとしても、こうして…
早川さんだったかしら?彼女は会いに来てくれたんだから…待たされる女って、辛いのよ?」

岬「うっ…(皆僕があずみちゃんの気持ちを知っていたって前提で話してる…)」

なまじ”気配りの上手い良い人”として人望があるが故に鈍感男としての逃げ道は断たれた。
ましてや翼を3年間待ち続けている早苗に対して下手な言い訳をしたら一発でアウトである。
岬太郎18歳、彼は今ドキドキする程大ピンチだった。

その後間も無く岬の様子がおかしい事に気付き、次いで美子がどう考えてもお金儲けのパートナーには
出来そうにないタイプだと見抜いたあずみが「ごめんなさい、私の勝手な片思いだったのね。
もう2度と会う事は無いとお互いに思っていたし…」と言う論調で岬の味方に回った。
しかし岬についた”優しすぎて女にだらしない”と言うレッテルはもう引き剥がせなかった。

岬「(折角築いた人望が…今までの苦労が…)」

*南葛高の選手達とマネージャーの岬に対する感情が「二股野郎」になりました。
*美子とあずみの関係が「恋敵」になりました。

82 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:09:42 ID:bMhN2DVd
いったんここまで。

83 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 22:52:30 ID:bMhN2DVd
ほぼ同時刻、場内は先ほどより更に酷い喧騒に包まれていた。
優勝旗を受け取った日向がブーイングを絶やさない観客に高笑いしながら中指を立てたのだ。

観客『!#!%%@&%$@$!#!$!#*(*#!#$!#%*%$@^$%!#!@##$!^@^@%$!@』

放送「お客様に申し上げます!フィールドに物を投げ込まないで下さい!危険ですから
フィールドに物を投げ込まないで下さい!繰り返します、フィールドに物を投げ込まないで下さい!」

たちまち観客は更にいきり立ち、放送の訴えも虚しくフィールドにジュースの缶を主としたゴミを投げつけ始める。
場慣れしている陽子と見上はさっさと退散を決め込み一足先に競技場から出た。

陽子「海外の暴徒に比べればまだ大人しいと言った所でしょうか?」

見上「日本にプロリーグを作るのならこういう光景もやがて例外ではなくなる。
だがそれだけ観客が熱狂すればサッカーの質も上がる。必要悪と言う奴だ」

陽子「マナーの向上に四苦八苦する程観客が多いリーグを作りたい物でしたね。
それはまだの先の話として…今日の試合の感想はどうですか?見上さん」

見上「うむ…概ね私の予想通りだったよ。今後の予定は変わらない」

陽子「では…?」

見上「お、丁度良い所に自販機があるな。タバコを吸っても良いかね陽子くん?」

陽子「私に缶ビールを買ってくれるのなら」

見上「…一本だけだぞ」

84 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 22:52:48 ID:bMhN2DVd
チャリン。チャリン。ポトッ。
チャリン。チャリン。ゴトッ。

ボッ…モクモク。
プシュー…ゴクゴク。

見上は煙草を指でゆっくりと回し、隣で缶ビールを吸う陽子を横目で見てからポツリと呟いた。

見上「あいつらにはジャパンカップ、そしてアジア予選で地獄を見てもらう」

陽子「ジャパンカップはともかく、アジア予選でもですか?」

見上「賀茂から情報が入ったのだ。韓国、サウジアラビア、中国などが政府のバックアップの下
ユースチームを集中して鍛え上げているらしい。簡単な予選にはならないだろう」

陽子「政府ですか!羨ましいですね、こっちは切る自腹も野球と奪い合わないといけないのに」

見上「3年前国際Jrユースを制した事でアジアサッカーに置ける日本の発言力は劇的に上がった。
アジアサッカー連盟を今まで仕切ってきた国々からすれば面白く無い事だ。
国際Jrユースに日本が参加できたのは政治上の問題が少なかった事と金があったからなのも事実だ。
この上全日本ユースが初のアジア予選突破を果たしたらアジアサッカーの勢力均衡はかなり変わるだろう」

陽子「それをさせない為に全日本ユースを破れる様な強力なチーム作りですか。仕事熱心ですね」

見上「…どの道私達の仕事は変わらんさ。アジアを獲れん様では到底世界は獲れん」

以上が日本の高校サッカー界で後の伝説の一戦となる東邦対南葛の結末である。

85 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 22:53:41 ID:bMhN2DVd
いったんここまで。

86 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 00:07:51 ID:BWD87WrS
岬もげたwwwwwwwww

87 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 00:22:09 ID:CDkfKdAB
〜千葉県成田市、成田空港〜

そして物語は次の月に進み、成田空港に降り立った森崎有三の再登場で動き出す。

森崎「くぁ〜、ったく飛行機ってのはメシも不味いし狭苦しいし時差ボケになるしで
良い事なんか一つもねえな。あ〜ねみぃ。肩こった…」

愚痴を漏らしながら荷物をバゲージクレームから回収し、あくびをしながら入国手続きを終える森崎。
そしてようやく外に出た彼を冬の冷気が出迎えた。

森崎「うわっ、寒い。夏から冬に変わるってのは頭で分かっていてもきついぜ。さて、バス亭に迎えの人が来てる筈だけど…」

キョロキョロしている森崎に声をかけて来たのは…
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1256670084/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★ごあんない→!card★
と書き込んで下さい。マークと数値で分岐します。

JOKER→「う〜ん、美味しそうに成長したわね♪」ま、真弓さん!?
ダイヤ→「お久しぶりです、キャプテン」骨川だった。
ハート→「ハロ〜、森崎くん。眠そうな顔ね?」陽子さんだった。
スペード→「どーも、ごぶさた」佐野?
クラブ→「…お久しぶり」中沢早苗…なんか気まずい…

88 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 00:26:34 ID:m6tHmcdm
個人的には骨川に会いたかったなw

89 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 00:29:51 ID:CDkfKdAB
流石は片桐陽子、サッカー関係者なだけあって女キャラで唯一のレギュラーキャラ。
今日はここまでにしておきますが、最後に全日本ユース内での支持率・感情値を提示しておきます。
Jrユース編終了時点での各キャプテン候補の支持率は以下の通りでした。

森崎チーム内支持率・70
翼チーム内支持率・55
若林チーム内支持率・23
日向チーム内支持率・37

これを3年経った事で全部半減(端数繰上げ)させます。

森崎チーム内支持率・35
翼チーム内支持率・28
若林チーム内支持率・12
日向チーム内支持率・18

更に翼がリオカップで森崎を破った功績で支持率に+10された上で全日本ユースの
メンバー全員に感情値が(Jrユース編終了時点から)+1されます。
既に感情値が+5でMAXだった選手が4人居たのでその分更に支持率に+4されます。
日向にも3年間高校サッカーで無敵だった功績で支持率が+5され、
沢田、若島津、反町の感情値が+1されます(若島津の感情値は既に+5だったので支持率に+1されます)。

最終的な全日本ユースの各キャプテン候補の支持率と彼らに対する感情値の初期値はこの通りです。

森崎チーム内支持率・35
翼チーム内支持率・28→42
若林チーム内支持率・12
日向チーム内支持率・18→24

90 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 00:30:23 ID:CDkfKdAB
-------------------------------------------
☆現在のキャプテン候補に対する各選手感情値☆
名前 || 森崎 || 大空 || 若林 || 日向
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
政夫 || − 2 || + 3 || ± 0 || − 2
和夫 || − 2 || + 3 || ± 0 || − 2
新田 || − 3 || + 1 || ± 0 || + 1
反町 || + 4 || + 4 || + 1 || − 2
来生 || − 2 || + 3 || + 4 || − 1
  滝 || + 4 || + 2 || + 5 || − 1
  岬 || + 1 || + 5 || + 1 || + 3
三杉 || + 3 || + 2 || − 1 || + 1
松山 || + 1 || + 5 || + 1 || ± 0
沢田 || + 1 || + 2 || + 1 || + 5
山森 || + 5 || + 4 || + 1 || − 1
井沢 || + 3 || − 1 || + 4 || − 1
  葵 || + 3 || + 5 || + 1 || + 2
次藤 || + 5 || + 3 || + 1 || + 2
早田 || + 5 || + 4 || + 1 || + 1
中里 || + 5 || + 3 || + 0 || + 3
石崎 || − 4 || + 5 || + 2 || ± 0
高杉 || − 4 || + 3 || + 5 || − 1
赤井 || + 1 || + 2 || ± 0 || ± 0
中山 || + 5 || + 4 || + 2 || ± 0
若島 || ± 0 || + 1 || ± 0 || + 5
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
総合 || 2 9 || 6 3 || 2 9 ||  1 1
-------------------------------------------
−5〜+5まであります。+5で全面的支持、−5で明確な敵意と言う状態です。

91 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 00:33:27 ID:CDkfKdAB
ありゃ?端数繰上げの筈が日向の支持率が繰り下げになっていた…
正確にはこうです。

日向チーム内支持率・19→25

92 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 00:44:12 ID:m6tHmcdm
日本再び乙でしたー

93 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 01:47:46 ID:t9ZKfITr
乙でしたー
森崎帰国でさらにわくわくしてきた!

94 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 08:31:08 ID:HdiTmZDf
翼の感情値は優遇されすぎのような気もするが
まあこれくらいのハンデがあったほうが話のネタとしては面白いね

井沢が翼にコンプレックス持ってて
感情値がこいつだけマイナスってのは相変わらずだね
井沢はむしろ高校でもっと翼に対してコンプレックスを持ったような気もする

95 :創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 10:15:36 ID:d/cbyHuF
井沢は翼の前に岬、そして山森に勝たないと・・・

96 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 11:55:55 ID:CDkfKdAB
★ごあんない→ ハート10 ★

ハート→「ハロ〜、森崎くん。眠そうな顔ね?」陽子さんだった。
-----------------------------------------------------------------------------
森崎「陽子さん?迎えが来るって言ってた本人が来るとは思わなかったぜ」

陽子「それがねえ、本来私がする筈の仕事を兄さんが済ませちゃって…私暇になっちゃったのよ。
だったら森崎くんを案内がてら、全日本ユース合宿の取材と洒落込もうと思ってね」

森崎「ほー、そうか。相変わらず仕事熱心だな」

陽子「好きでやっている仕事なら熱心になれる物よ。さ、バスに乗って」



〜静岡県掛川市、ヤマハリゾートつま恋〜

バスからタクシーに乗り換える事合計約4時間、森崎はようやく故郷の土を踏んだ。

陽子「ここが今回の全日本ユースの合宿所のリゾート施設、通称つま恋よ。
温泉とかテニスコートとかゴルフ場とか、果ては乗馬場まであるわ。
と言っても森崎くん達が利用する事になるのは多目的広場とホテルだけだろうけどね」

森崎「うわ…日本にしちゃ恵まれた環境なんだって分かるけど、
ブラジルで3年間過ごした後だとなんともちゃっちく見えるぜ」

陽子「全くよね。いずれは日本中にスタジアムやクラブハウスが出来ていると良いんだけど…
さて、それじゃ私はまだ色々仕事があるからここでお別れね。時差ボケに負けずに頑張ってね!」

97 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/02(水) 11:56:12 ID:CDkfKdAB
バタン。
ブロロロロ…

陽子はあくびを噛み殺す森崎を降ろし、再びタクシーを走らせ去っていった。
スーツケースとジャージ姿の森崎はなんとなく手持ち無沙汰になり合宿所を外からゆっくりと見て回る。

森崎「う〜ん…ひょっとして俺が一番乗りか?少なくとも今練習している奴はいねーな。
あ、でもあそこに居るのは…」

A 塩田琴音さんか?またフェンスに張り付いて中を覗いている…
B 骨川じゃねーか!あいつこんな所で何してるんだ?
C 翼みたいな髪型のチビが入り口の警備員と押し問答してるな…
D 南葛の連中だ!懐かしい顔ぶればっかりだぜ。

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98 :がんばりセービング!:がんばりセービング!
がんばりセービング!

99 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 00:16:36 ID:Qp4FV61O
>B 骨川じゃねーか!あいつこんな所で何してるんだ?

とんがった髪型にキツネの様な顔つき。そしてとてもサッカー経験者とは思えない貧相な体躯。
それはまさしく森崎の中学時代、部内の支配体制を固める為に暗躍させていた後輩の骨川であった。
3年経ちそれなりに成長しているものの、森崎との身長差は以前より更に開いている。

森崎「よう、骨川」

骨川「あっ、森崎先輩!お久しぶりです!」

森崎を見た途端すかさず揉み手をしながら近寄ってきたのも相変わらずである。

森崎「なんでお前がここに居るんだ?まさか全日本ユースに選ばれたとかじゃねーよな?」

骨川「十分も走れない俺にそんなの無理です。俺は今こんなのやってるんですよ」

スッと得意気に差し出す骨川の名刺にはこんな事が書かれていた。

『全日本ユースを応援する友の会 連絡員 骨川 XXX』

森崎「全日本ユースを応援する友の会…なんだこりゃ?」

骨川「元は中沢先輩が翼先輩を応援したいって言い出したのが発端だったんです。
そこでパパの会社が日本サッカーに投資している俺の出番って訳ですよ」

森崎「(中沢…ああ、翼の彼女か)」

100 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 00:21:11 ID:Qp4FV61O
骨川「俺の役目はサポーター達が全日本ユースの活動に支障をきたさない形で
応援出来る環境を作る事と、全日本ユースが対戦する事になる、もしくは対戦するかも
知れないチームの情報収集などです。これも南葛で長年活躍してきた実績の賜物ですよ!」

森崎「そしてあわよくば近年設立が目標になっている日本のプロリーグの利権に
一枚噛もうって訳だな。流石じゃねえか」

骨川「いえいえ、先輩には敵いませぬ」

しばし悪代官ごっこで戯れる二人だったが、やがて森崎はあくびをして我に返った。

森崎「おっと、こうしちゃいられねえ。早いトコ宿舎に入って時差ぼけ直さねえと」

骨川「あ、待って下さい。このノートをどうぞ」

森崎「ん?なんだこりゃ」

骨川「キャプテンが居ない間に全日本ユースの候補選手達がどうしていたか、
現在どんな状態にあるかまとめたノートです。ご参考までに」

森崎「ほほう、分かってるじゃねえか。有難く頂いておくぜ」



数分後、森崎は宿舎として貸し切られているホテルのロビーでコーラを飲みながらくつろいでいた。
まだ選手達が彼以外到着していない為部屋の割り振りが決まっておらず、鍵を貰えなかったのだ。

森崎「くわ〜…カフェイン補給してもまだねみい。早く部屋で寝てえなあ」

山森「あっ!」

101 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 00:21:25 ID:Qp4FV61O
そして彼に続いて到着したのは地元の静岡にある南葛の選手達だった。

山森「森崎さん、もう来ていたんですか!」

滝「おお、久しぶり」

井沢「背は伸びたけど顔はあんまり変わってないな」

中里「ニンニン」

スタミナ、パス精度、空中での強さが売りの二年生MF山森正吾。
右サイドアタックの職人ウイング滝一。
優れたジャンプ力が目立つMF井沢守。
俊足を活かしたまるで忍者の様な(実際に忍者だが)サイドバック、中里正人。

この4人は森崎に対して友好的であり嬉しそうに声をかけてきた。

新田「(やっぱり選ばれてたのか…選ばれない筈も無いだろうけどさ)」

来生「なんだよ、だらしないカッコしてるなー」

石崎「(そりゃ来てなかったらGK足りないけどさあ)」

高杉「(若林さん、今度こそ頼みますよ…)」

スピードタイプのストライカー、新田瞬。
お調子者のドリブラーFW、来生哲兵。
ガッツだけで勝負してここまで上り詰めたDF、石崎了。
大柄な体が武器のDF、高杉真吾。

この4人は森崎に対してお世辞にも友好的ではない。

102 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 00:21:38 ID:Qp4FV61O
岬「お久しぶり、森崎。時差ボケでまいっているみたいだね」

中山「………」

そして南葛高校の二大看板だった岬太郎と中山政男が最後尾でやってくる。
岬は彼らしくにこやかに挨拶してきたが、中山は微妙に視線を逸らし黙っていた。

森崎「よう。お前ら全員選ばれてたんだな(石崎と高杉はハッキリ言って要らねえんだけどな。
それにしても中山の様子が変だな。機嫌が悪いのかな?)」

森崎は中山の様子を訝しみながらも、眠気のせいもあって無難な挨拶を返した。
しかし内部対立が激しいこの世代の日本代表で穏やかな時間が流れる筈も無い。

ザッ。

日向「よう、負け犬」

森崎「!」

若島津「(森崎…必ず貴様から正GKの座を奪いとってみせるぞ!)」

沢田「ど、どうも〜」

反町「…よう」

103 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 00:21:52 ID:Qp4FV61O
東京の東邦学園組の4人、日向小次郎、若島津健、沢田タケシ、反町一樹の登場である。
日向はもちろん挑発的な態度であり、若島津も無言のまま眼光鋭く森崎を睨み付けている。
沢田はオドオドと愛想笑いを浮かべており、反町は簡素な挨拶を述べるだけだった。

日向「翼に負けたんだってな?それも1−4とか…落ちぶれたもんだな、ああ?」

森崎「(チッ、早速来やがったか。だが予測の範囲内だ。ここは…)」

A 「よう、子猫ちゃん。俺が居ない間日本ではしゃぎ回ってたらしいじゃねーか」挑発で返す。
B 「俺は翼に負けたんじゃない。チーム力の差で負けたんだ!」弁解を試みる。
C 「うぜえよ。焦らなくても明日からたっぷりとフィールドで恥をかかせてやるよ」話題を逸らす。
D 「ああ、俺は負けた。だから借りを返す為にここに来たんだ」素直に認めて受け流す。
E 「いやあ、ストラットって言うバケモノみたいなストライカーが居てさあ」茶化して穏便に済ます。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1256670084/l50にて
            ☆2009/12/2 00:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
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104 :創る名無しに見る名無し:2009/12/03(木) 00:47:40 ID:m28J9VJD
スネオNOTEwスネちゃまは使えるな〜w乙でしたw

105 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:03:28 ID:Qp4FV61O
>D 「ああ、俺は負けた。だから借りを返す為にここに来たんだ」素直に認めて受け流す。

ざわっ…

思いの他冷静であっさりした返答に周りから戸惑いが湧き出る。
それは日向すら例外ではなく、一瞬嘲りの笑みを絶やしてしまう程だった。

日向「…ハンッ!やけに優等生的な態度じゃねえか。本格的に腑抜けた様だな」

森崎「そうだな。今の俺は腑抜けているかも知れん。だからあいつともう一度戦う。俺が失った物を取り返す為にな」

日向「なんだその漫画の主人公の様なセリフは?どう言い繕ったっててめえが負けた現実は変わらんだろうが」

森崎「…お前、3年前俺に負けた時自分が何を言ったのか覚えてないのか?」

日向「なっ…」

森崎「バーカ。俺に口喧嘩で勝とうなんざ百年早いぜ」

日向「てめえ!」

揚げ足を取るつもりが逆に過去の言動を盾に取られ日向は言葉に詰まり、
すかさず勝ち誇った森崎に掴みかからんばかりに激昂した。

パチパチパチパチパチ…

何時の間にか入り口に立っていた三杉が拍手を送ったのはこのタイミングだった。

106 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:03:46 ID:Qp4FV61O
三杉「素晴らしいコメントだ。翼くんに大敗したと聞いて君のメンタル面が心配だったんだが、これなら大丈夫だね」

森崎「おう、三杉。久しぶり」

日向「ケッ、選手兼コーチ様のお出ましかよ」

三杉「いや、今回は僕は純粋な選手扱いだよ。心臓病を治したからね」

新田「ええっ!本当ですか?」

山森「おめでとうございます!」

井沢「(ゲッ…なんてこった、またレギュラーが遠のいちまった)」

三杉「有難う。ただ、かなりブランクが空いてしまったから即戦力としては期待しないで欲しい」

誰もが認める天才的なサッカーセンスの持ち主ながら満足に戦う事が出来ないガラスのエース三杉淳。
その原因の心臓病が治ったと言う朗報にたちまち場の雰囲気は明るくなる。
気勢を殺がれた日向は悪態をつきながらその場を離れていき、森崎との言い争いも中断されたままで終わった。

高杉「(あの日向をあっさりあしらった…ますます口が上手くなってやがる)」

石崎「(翼に負けた事をカッコ悪く言い訳でもしてくれりゃあ良かったのに)」

中山「(森崎…堂々としているな。俺とは大違いだ…)」

107 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:04:06 ID:Qp4FV61O
その後日暮れが近づくに連れ日本の各地からかつての戦友達が集まっていった。



早田「ウ〜ッス。もうかりまっか〜、なんてな」

カミソリファイター、早田誠。



政夫「やっとついたぜ!」

和夫「静岡はこの時期でも暖かいな〜」

空中サッカーの申し子、立花兄弟。



松山「皆、久しぶりだな!また一緒にサッカー出来て嬉しいぜ!」

北海道の荒鷲、松山光。



総勢20人になりそろそろホールが狭く感じる様になった頃、次に現れたのは
21人目の選手ではなく見上監督とその助手、住友コーチだった。

見上「待たせたな。現時点で何人揃っている?」

108 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:04:33 ID:Qp4FV61O
岬「はい、20人です」

見上「ふむ。まだ着いていない者が3人か…」

住友「監督、もうそろそろミーティングを始めるべきでは?」

見上「私もそうしたいのだが、全員揃っていない内に合宿開始を宣言するのも考え物だしな」

森崎「(なんだよ〜、ミーティングなんか良いから部屋と夕飯くれよ〜)」

森崎を始め、ロビーで長い間待たされた選手達の顔に不満が浮かぶ。
その時ギィ、と音を立てて入り口のドアが回った。
ここでコントの様なハプニングが起こる。

次藤「遅れてすみませんばい!乗り換える駅ば間違えたけん…ワシがどんべですか?」

見上「次藤か。いや、お前で21人目だ。まだ二人来てな…」

九州の長崎県出身の巨漢DF、次藤洋が汗だくでドアの横の壁に手をついた途端。



葵「遅刻だ遅刻だ〜っ!!」

赤井「ハッ、ハッ、バカ、待て…ゲホッ…」




109 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:04:49 ID:Qp4FV61O
バァンッ!
ドガッ!

次藤「ウゴッ!?」

イタリアに留学したMF葵新伍が勢い良くドアを押し開け、ドアの角を次藤の後頭部にぶつけた。
頭を抑えてうずくまる次藤を見、後から入ってきたDF赤井止也が息を切らしながらも顔を青くする。

赤井「ハー、ハー…お、おいお前、人に…」

葵「遅れてすみません皆さん!葵新伍ただいま到着しましたァ!」

シ〜〜〜〜〜ン…

井沢「あ…葵…」

来生「新伍?」

石崎「誰だお前?」

葵「アラッ!?皆俺の事知らないの?俺の事待っててくれたんじゃないの?」

森崎「(うわっ、なんつー間抜けな登場シーンだ…そういえばあの時の空港でもいきなり声かけてきたんだっけ)」

いきなり乱入してきた知らない顔に当然全日本ユースの選手達は疑問符を顔に浮かべる。
しかしこのリアクションは当の葵には心外だった様で、救いを求めて顔を振った後森崎に視線を定めた。

110 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/03(木) 15:05:20 ID:Qp4FV61O
葵「あっ森崎さん!森崎さんなら俺の事覚えてますよね?ね?」

森崎「(げっ、こっちに来た)あー、いやその」

赤井「おいだからお前、人にドアぶつけ」

次藤「ぐぐぐ…ぐふ、ぐふ」

葵「あ〜〜〜〜〜っ!す、すげえすげえすげえ!」

三杉「(今度はなんだ?まるで多動性障害者だな)」

そして森崎が反応する間も無く、葵は次々と叫びだししきりに一人感激を繰り返していた。
あまりのテンションの高さに他の者は呆気に取られ、悶絶していた次藤が不気味な笑い声を出しても誰も気付かない。

葵「猛虎日向小次郎さんだァ!うわ〜生で見たの初めてだよ、感激ィ!
空手キーパー若島津さんも居る!フィールドのアーティストの岬さんまで!」

岬「…え?」

若島津「は?」

日向「なんだてめェは」

葵「はい!イタリアのセリエAのインテル所属、MFのあお…」

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