キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【強襲!】キャプテン森崎35【ウルグアイ】

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/30(水) 19:08:49 ID:vrU9GMil
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1256045459/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルの名門クラブパルメイラスのユースチームのキャプテンとして
プロへの登竜門と言われる大会、リオカップへ挑んだ彼は数々の強敵達を零封するも
決勝の相手、宿敵大空翼率いるサンパウロFCに1−4と言う大敗を喫してしまった。
大会MVPも翼に持っていかれてしまった森崎はリベンジの為に全日本ユースに合流し
ジャパンカップで再起を図った。初戦の相手は強力なツートップ、ラモン・ビクトリーノと
火野竜馬を擁するウルグアイユース。両チームとも中々シュートに持っていけない展開が
続くが得点は0−1でウルグアイがリード。全日本ユースは反撃のチャンスをみつけられるのか?
…こんな感じで話は進んでいます。

376 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/05(金) 19:36:20 ID:8snrEXnp
翼が選んだのは三番目の選択肢だった。
ストラットがマイヤーの動きを見た瞬間に他のDF3人を振り切る為にダッシュしたのを予測し、
彼に一旦PA外でボールを持たせる。この時翼に引きつけられたマイヤーとパスカットを失敗したリンツを無力化させる。

ストラット「ここで試合を決めるぜ!」

バババッ、ダッ!

ハーネス「く、くそーーーっ!」

ゴンゲルス「ワカバヤシィ!」

グワアアッ!!

そしてストラットは翼の期待通りにハーネスとゴンゲルスを突破してPA内に入り、間髪入れずに利き脚を振り上げた。

放送「またしてもサンパウロのビッグチャンス到来ーーーっ!!ストラットくんのメガロゾーンシュートが火を吹く!」

観客「おおおおおおおおおお!!」「いけーーーっ!!」「いや、今度も止められるだろう!」

森崎「………」ゴクリ

                     ストラット「行くぜメガロゾーンシュート!!」

                 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

                   若林「(威力が落ちているぞ!) と め る !」

                               バッ!

                       バゴォオオオオオオオオオオオオオン!!

                         ストラット「な…なにィイイ!?」

                      若林「(止めた!これで流れが…ハッ!?)」

377 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/05(金) 19:36:43 ID:8snrEXnp
                               バッ!
                              グルンッ!
                             グワアアッ!!

                             翼「行くぞ…」

             バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!

                        若林「く…う、ぉおおおおおおおおおお!!」

                                バッ!

               若林は目論見通りストラットのメガロゾーンシュートを止める事に成功した。
                しかし直後に翼がオーバーヘッドキックでこぼれ球に飛びついていた。

                  若林「(届く!ただのオーバーヘッドキックなら届…馬鹿な!?)」

                     ギュルルルルルルゥウウウウウウウウウウウウウウン!!

                  若林「(これは…翼が3年前俺との特訓で編み出した…!)」

                        翼「ドライブオーバーヘッド!!」

                 ただのオーバーヘッドキックならセービングの直後でも防げただろう。
                       若林はそこまでの実力を手に入れていた。
                だが翼のオーバーヘッドキックは逆さまのドライブ回転をかけていた。

                        ズッバァアアアアアアアアアアアアアアン!

                      ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

         若林の手を潜り抜けたボールがゴールネット上部を突き破り、直後に審判の笛が高々と鳴り響いた。



                       ハンブルガーSV 1−2 サンパウロFC

378 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/05(金) 19:38:07 ID:8snrEXnp
いったんここまで。

379 :創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 21:02:13 ID:3tv30dYO
あの若林さんがここまでカッコよくなって帰ってくるとはw

380 :創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 21:33:29 ID:/dYw/+9S
味方になると頼りなくなる法則ですね

381 :創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 09:54:24 ID:XRnZRIqt
若林が本来の実力を取り戻しつつあるな
個人的には若島津に期待してたりする

382 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:45:15 ID:y+V7lW+9
放送「ゴール!ゴールゴールゴォオオオオオオオオルゥウウ!!!後半23分、サンパウロが逆転!
決めたのは翼くん!メガロゾーンシュートが弾かれた所をオーバーヘッドキックで見事にねじ込みました!
それもただのオーバーヘッドキックではありません、なんと逆さまのドライブ回転をかけた
言わばドライブオーバーヘッドです!翼くんの18番であるオーバーヘッドキックとドライブシュートを
組み合わせた超大技がここ一番で炸裂し、若林くんの牙城を崩しました〜〜〜!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

観客「す、す、すげえええええええっ!!」「ドライブオーバーヘッドだって!?そんなの可能なのか!?」
「下に向かって撃たれたのにギューンって上に行ったぞ!」「もう誰にも止められねえよ!」
「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」「翼!」

イ「こ、これが…大空翼…!」
チャ「ぐ…な、なんで日本なんかにこんな化け物が!」

呉「(とんでもないシュートだ…陸と肖に徹底的に研究させないと)」

オワイラン「し、信じられない…なんて技だ!これなら僅か18歳でブラジルのプロになれたのも納得だ」
バルカン「…どうやってあんな回転かけたんだろう…」

三杉「(森崎を利用して力を取り戻したつもりだったが…やはりまだまだ差は大きいみたいだな)」

岬「(凄いや。やっぱり翼くんは正真正銘の天才だ)」

日向「(フザけるな…認めねえ!この俺があんな奴に負けて堪るか!)」

翼のブラジル留学の成果を象徴する様な壮絶な技に観客席は興奮の坩堝に包まれた。
特に森崎はとてつもない衝撃と激情を味わっていた。

森崎「(あ、あんな技リオカップでは見せなかったぞ!まさかリオカップの後に開発したって言うのか?
それともただ単に今まで使う必要が無かっただけなのか?…畜生!畜生!翼めぇえええ!!)」

自分をあれだけ徹底的に打ち負かした翼が更に強くなっているのか、もしくは全力を出していなかったのか。
面白くない現実の二択を迫られた森崎は歯軋りをせずには居られなかった。

383 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:45:46 ID:y+V7lW+9
また彼とは別の理由で歯を軋ませていた男が居た。

シュナイダー「……………」

かつてハンブルガーSVで無敵のストライカーとして鳴らしたシュナイダーである。

フライハイト「不快か、シュナイダー?」

シュナイダー「…カルツ達がこのまま何も出来ずに負ければな」



観客席からかつてのチームメイトでありキャプテンであった男の視線が注がれているとは
露とも知らないカルツ。彼は今地に手と膝をつき己の無力さに震えていた。

翼との直接対決に何度も破れた上に自分には到底出来ない絶技を連発され、カルツの心は砕けかけていた。

カルツ「(勝てん…こんなに勝ちたいのに勝てん!俺ではツバサに勝てん!サンパウロに勝てん!
俺はシュナイダーが居ないと勝てないのか?所詮シュナイダーの添え物に過ぎんのか…?)」

シュナイダーの跡を継ぎハンブルガーSVのキャプテンになった彼は必然的にシュナイダーと比べられ続け、
本人もその期待と圧力に応えるべく力をつけていった。そんな彼にとってジャパンカップは
願っても無いチャンスだった。かつてハンブルガーSVと西ドイツJrユースの選手として2回ぶつかったが
勝つ事が出来なかった全日本だけでなく、ブラジルナンバー1のサンパウロFCと南米の古豪ウルグアイと言う
強豪チームが数多く参加するこの大会をシュナイダーの力無しで戦う事は大きな意義があった。

だが現実は厳しかった。彼自身は翼に圧倒され、彼だけでなくチームの主力フィールダー達も全員
翼率いるサンパウロに押されてしまい若林一人の守備力に頼った情けない試合展開。
そしてその若林すらも無敵ではないと証明される形になった逆転劇。

384 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:46:13 ID:y+V7lW+9
この時サンパウロの選手達が彼の近くを通りがからなければ彼の闘志はそのまま消えていたかも知れない。

マウリシオ「やったッスね!これで勝ちですよ!」

翼「ああ、後はこのまま試合をきっちりコントロールし続ければこれが決勝点になる」

ストラット「絶対そうしなくっちゃな。正直俺はもうクタクタだ」

カルツ「(クタクタ…)」

カルツはストラットのセリフを聞き、絶望で下げていた頭を上げた。

カルツ「(そうか、ストラットはもう限界なんだ…だが、今となってはもう意味が…何!?あ、あれは!)」

そして見た。

息が荒くなっており本人の言う通り疲れていそうなストラットの側に立つ翼を。

翼の顔に流れる汗の筋を。

わずかながら震えている翼の脚を。

カルツ「(疲れている…ストラットだけではない、ツバサも疲れている!どんなに強くても
人間である以上スタミナは有限だ!ツバサだってシュナイダーだってそうだ!)」

次にカルツは見た。競技場に備え付けられた電光掲示板とそこにある時計を。

時計は後半23分を示していた。

カルツ「(まだ20分以上残っている…そして俺の体はまだまだ動く!俺は…いや、俺達はまだ負けていない!)」

カルツは立ち上がりキャプテンマークの位置を直してから歩き始めた。自陣ゴール前の仲間達の所へ。

385 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:46:34 ID:y+V7lW+9
カルツ以外のハンブルグの選手達も打ちのめされていた。

メッツァ「(だめじゃん。この試合勝てないよ)」

カペロマン「(くっ…なんて事だ。俺はまだ何もしていないのに、このまま負けるのか?)」

ポブルセン「ゥググガギギィィィ…!!」

闘志に欠けるメッツァは早々と諦めの表情を浮かべ、活躍らしい活躍をしていないカペロマンは焦り、
カルツ以上に翼相手に敗北を繰り返しているポブルセンは顔を真っ赤に染めてブルブルと震えていた。

若林「(俺は…俺は強くなった筈だ!怠け心を全て殺して力を蓄え続けた!それでも翼には勝てないのか!?)」

そして若林はカルツがそうして居た様に地に手をつき項垂れていた。
このままでは翼に負けてしまう。そして森崎以上のGKであると証明出来なくなる。
そうなったら心を入れ替え自分を鍛えぬいたこの過去数年間は一体何だったのか…?

カルツ「………」

そんな共通点の多い葛藤に苦しんでいる彼の背後にカルツがつかつかと歩み寄り…

ブン…
ゴツッ!

若林「ぐわっ!?」

カルツ「でけえ図体している癖にそんなに縮こまっているんじゃねえよ」

彼の尻をつま先で小突いた。

386 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:49:08 ID:y+V7lW+9
若林「貴様、いきなり何をしやがる!」

カルツ「お、なんだ元気じゃないか。体力の限界だと思って交代させてやろうと思ったんだが、余計なお世話だったか?」

若林「当たり前だ!体力も気力もまだまだ有り余っているぞ!」

カルツ「それなら良い。それなら勝てるぜよ」

メッツァ「えっ?本気?」

落ち込んでいるGKへの挑発の直後に大胆な勝利宣言と言うパフォーマンスで
ハンブルグの選手達は皆呆気に取られた。カルツはそれを満足そうに眺め回してから力強く頷いた。

カルツ「ストラットはもうヘロヘロだ。そしてツバサも限界が近い。もう奴らは攻める事は出来ん」

カペロマン「…なるほど!確かにあれだけ強力なシュートを連発していたら足に来る!」

ポブルセン「それなら残りの20分強で俺達がゴール出来るかどうかの勝負って訳か…上等だ」

ハンブルグメンバー「そうか、それなら行ける!」「俺達はまだやれるぞ!」

若林「(カルツの奴…さっきまで俺以上に落ち込んでいたじゃないか。何時の間にこんな不屈の力を手に入れたんだ?)」

そしてカルツは追い詰められているのは自分達だけではなくサンパウロもそうだと指摘する事で
味方を鼓舞す事に成功した。闘志と自信を取り戻すチームメイト達の姿はカルツ自身も勇気付けた。

カルツ「(俺がダメでもこいつらが居る。こいつらの力を発揮させてやれば良い。
それが出来るのは俺しか居ない。ツバサ…恐らく俺はお前に全てで負けている。
いくら時間をかけても差が縮まらん程にのう。だが…ハンブルグは負けんぞ。
ツバサはツバサ、俺は俺だ。お前の方が上だとしても…ハンブルグは負けんぞ。負けん!)」

シュナイダー「カルツ…」

ハンブルガーSVはまだ終わっていない。

387 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/07(日) 12:50:00 ID:y+V7lW+9
いったんここまで。

388 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 15:44:52 ID:Hi2IffyT
放送「遂に逆転されてしまったハンブルガーSV、逆転の秘策はあるのでしょうか?
それともこのまま為す術無く敗れ去るのでしょうか?」

カルツ「(逆転の秘策か…そんな便利な物になるかどうかは分からんが、チャンスはある)
ポブルセン、キックオフしたらすぐさまツバサに突っ込むぜよ」

ポブルセン「何だと?どういう風の吹き回しだ?」

カルツ「ツバサは消耗している、今ここで奴を吹っ飛ばせばそれが明らかになり
サンパウロは動揺する。それが出来るのはお前しか居ないんだよ」

ポブルセン「…フン、おべっかなんか使いやがって。まあいい、やってやる」

カルツ「頼むぞ(本当に頼む…なんとか突破させてくれ!)」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「ハンブルガーSVキックオフ!そしてポブルセンくんがすかさず翼くんに向かっていく!」

ダダダダッ!

ポブルセン「ツバサァアアアアアアア!!良い気になるんじゃねェエエ!!」

翼「良い加減…」

ヒュッ!
バチイッ!

翼「五月蝿いぞ!」

ポブルセン「!!(何故だ!何故俺はこいつに勝てねェ!?)」

389 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 15:45:22 ID:Hi2IffyT
カルツ「(こぼれ球だ!それで十分だ!)」

翼「!」

ダダダダ、バシッ!

放送「この勝負は互角!しかしこぼれ球はカルツくんがフォローしました!
あっとカルツくん、そのまま中央突破ではなく右サイドに走り出しました?」

カペロマン「(そういう事か!)」

アマラウ「ヘッ、カペロマンに渡そうったってそうは…」

カルツ「甘いぞ!ワシの狙いは…お主じゃあ!!」

ダダダッ!
ボゴォ!

アマラウ「ぐわっ…!?」

ドトール「アマラウ!」

カルツ「ジャマなノッポは片付けた!行けェ、カペロマン!」

バコッ!

カペロマン「やってくれるぜ!期待には応えなくちゃな!」

放送「おお〜っと!カルツくんアマラウくんを自らのドリブルで吹き飛ばしてから
カペロマンくんに渡しました!これはハンブルグ、久々の右サイドアタックだァ!」

390 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 15:45:40 ID:Hi2IffyT
カルツの作戦はキックオフの直後だけはポブルセンがフリーでドリブルを始められる事を利用した物だった。
まずはポブルセンを翼にぶつけ、突破できればそれで良し。突破出来なかった場合でも自分がフォローして翼の無効化を狙う。
その次は翼が立ち直れる前、及びドトール達が彼に追いつける前に右サイドに移動しアマラウを己のドリブルで蹴散らしてから
カペロマンに渡す。今までボールが渡らず試合から消えていたカペロマンは体力が有り余っていたのだった。

翼「そ、そういう事か!皆戻れ!」

カペロマン「わざわざ追いつかせる時間はやらんぞ!そらっ、サイドワインダーだァ!!」

グワアッ…
バシュウウウウウウウウウウウウウウッ!!
ギュンギュンギュンギュン…!

ドトール「…!!」
バビントン「こ、このォ!」
マリーニ「うわわーっ!」
リマ「じ、ジグザグが来たー!」

レナート「一度止めたシュートだ、今度も止められる!」

バッ!バチッ…ゴン!
ポンポンポン…

放送「カペロマンくんのサイドワインダー!しかしサンパウロもチームワークで対抗して防ぐ!
カペロマンくんまたしても得点出来ませんでした!そしてボールはバーに跳ね返されハンブルガーSVの右CKに!」

サンパウロメンバー「やったァ!」「ナイスディフェンスだ、みん…」

ハンブルグメンバー「よっしゃぁあああ!!」「コーナーキックだァ!」「同点に出来る、同点に出来るぞ!」

カペロマン「しめた!とうとうツキが俺に回ってきたぞ!」

ダダダダーッ!!

391 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 15:46:12 ID:Hi2IffyT
翼「え…?ああっ!?」

そしてカルツにはもう一つ狙いがあった。コーナーキックに最適なサイドワインダーの性能である。

カルツ「決めろ!カペロマン!」

カペロマン「俺のサイドワインダーはコーナーキックから真価を発揮する!うなれェエエエ!!」

グワアアッ!
バジュウウウウウウウウウオオオオオオオオオオン!!
ギュルギュルギュルギュル!

アマラウ「バ、バカな!?」
ドトール「し、しまったァ!」
翼「そ、そんな…!」

レナート「ボ、ボールが…!」

ガッコォオオオオン!!
ヒューン…パサッ。

うねうねと曲がりながらブロッカー達をかわしたボールがゴール右隅の内側に当たって跳ね返り、
逆側のサイドネットを揺らす。その様は由来の通りジグザグに飛びかかる毒蛇を連想させた。

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

放送「き、決まったァ!ゴーーーーーールゥ!!カペロマンくんのサイドワインダーが三度目の正直で
コーナーキックからゴールイン!後半28分、ハンブルガーSVが同点に追いつきました!
2−2!まさかのあっと言う間の同点劇で試合はまたしても分からなくなってしまいました〜!!」



ハンブルガーSV 2−2 サンパウロFC

392 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 15:46:53 ID:Hi2IffyT
いったんここまで。

393 :創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 22:51:33 ID:swp2cW72
要望なんですけど
セービングを選ぶときに+2で勝ってもCKになる場合は注意書きを付けてもらえませんか

394 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/10(水) 23:07:15 ID:Hi2IffyT
>>393
それは出来ません。いざセービングするまで分からない事もあるのがこのゲームの仕様です。

395 :創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 23:21:46 ID:swp2cW72
分かりました

396 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:25:06 ID:u+kSlUto
ゲームマスターとはいえ言い方というものが・・・

397 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:29:27 ID:lnTbA4bT
どう考えても失礼な要望に、わざわざ答えてくれてるじゃないか。
これ以上を望むのは我侭というものに他ならんよ。

398 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:35:32 ID:u+kSlUto
あ、というかNPC戦じゃないか・・・
失礼した、マジゴメン ROMに戻るわ

399 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 00:58:55 ID:wTTsNljM
むーん…続きが間に合わなかった。
また明日お会いしましょう。

400 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 01:00:01 ID:8rYh5l/N
サイド乙!

401 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:55:02 ID:wTTsNljM
ザワザワザワ…

観客「え?え?こんなにあっさり決まっちゃうもんなの?」「また同点…一体どうなるんだ?」

シュナイダー「…奇襲が上手く行ったか」

フライハイト「今のが決まらなかったらもうチャンスは無かったかも知れんな」

森崎「(ケッ、あっさり決められやがって。油断なんかしてんじゃねーよ)」

サンパウロ有利かと思われた矢先のハンブルグの逆襲に観客に動揺が走った。
1点の重みが非常に大きいサッカーでは試合の流れや雰囲気はゴールと共にあっさり変わってしまう。

カペロマン「よし!やったぜ!」

メッツァ「へー、やるじゃん」

ヤラ「凄い、見事に決めてくれたな!」

クラウス「これでなんとか首の皮が繋がったぞ!」

当然の事だが、ハンブルガーSVは喜びに沸いた。
値千金のゴールを決めたカペロマンにチームメイト達が群がり祝福する。

ポブルセン「(チッ、でしゃばりやがって)」

カルツ「(フゥ…上手く行ってくれたか。さて、ここからサンパウロが打ってくる手は…)」

若林「(ようやく仕事をしやがったか。遅いんだよ全く)」

中には声に出せない思いが故に彼に近づかなかった者も居たが、この同点ゴールを喜ばなかったハンブルグの選手は居なかった。

402 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:55:20 ID:wTTsNljM
当然の事だが、サンパウロFCは落胆していた。
苦労して奪ったリードをあっと言う間に失ってしまったショックは大きかった。

レナート「くそっ!俺とした事が…!」

ドトール「…不覚」

アマラウ「畜生!カルツの狙いに最初から気付いていたら…!」

バビントン「絶対にやっちゃいけない点だった…」

マウリシオ「ど、どうするんだ?このままじゃ…」

ザッ。

翼「諦めるな皆!まだ同点なんだぞ!」

サンパウロメンバー「ツ、ツバサ…」「だけど、お前もストラットももう…」

翼「そうだ。確かに俺もストラットも消耗している。だからと言って諦めちゃいけない。
諦めたら勝てる時も勝てない、諦めたら負けるかも知れない時は必ず負けてしまう!
最後まで勝利を目指して最善を尽くす者だけが栄光を手に入れられるんだ!」

ドトール「…正論だな(だが…)」

アマラウ「そうだな…こんなにあっさり諦めるなんてゴメンだな」

バビントン「(ツバサ…そう言っている君が一番追い詰められている様に見えるよ…)」

マウリシオ「そりゃそうスけど…具体的にはどうするんですか?」

403 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:55:37 ID:wTTsNljM
この時ゲキを飛ばした翼の姿にある者はキャプテンシーを見、ある者は危うさを見た。
正論で気力を振り絞り弱気から心を守る。その行為の対象はチームメイトか、それとも自分自身か?
翼の必死な表情と声からそれを判断出来る者は居ない。

翼「ストラット!試合終了間際までに回復できそうか?」

ストラット「オーバーヘッドキックならなんとか…メガロゾーンはもう無理だ」

翼「そうか、なら…皆、時間を稼ぎに行くぞ。ボールを回して終了直前に速攻を仕掛ける。
俺がもう一発ドライブオーバーヘッドを撃ちに行く!それまでなんとか踏ん張ってくれ」

サンパウロメンバー『お、おう!』

ただ一つ言えるのは翼もサンパウロも追い詰められていた事だった。



ピィイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「苦労して奪った逆転リードを油断故か一瞬にフイにされてしまったサンパウロ、
今度のキックオフではどう攻めるのか?…おっと、これは今までとは一転したゆっくりなパス回し!
残り少ない後半のチャンスは慎重に決めに行くつもりなのでしょうか?」

フライハイト「時間稼ぎだろうな」

シュナイダー「当然の判断だ。この時間帯でわざわざマイボールのアドバンテージを安易に消費する手は無い」

森崎「(ったく、どっちかが圧勝すればそいつを倒して俺の株を上げられたのに。なんで接戦になってやがるんだ)」

404 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:55:52 ID:wTTsNljM
カルツ「走れ!走りまくるんじゃあ!さっさと奪わないと俺達の攻撃チャンスは無い!」

ハンブルグメンバー「分かってるよ!」「うぉおおおおお!」「ボールを寄越せーーーっ!!」

ドドドドドドドド!!

サンパウロメンバー「渡すな!」「もっと速く回せ!」「そっち、後ろに来てるぞ!」

バシッ!ポーン!ダダダッ!バコォ!

放送「ハンブルガーSV、地響きが聞こえてきそうな勢いで走る!サンパウロのボールを
なんとしてでも奪い返し、3点目をサンパウロゴールに叩き込もうとしています!
サンパウロもボール回しのスピードを上げて対抗!終盤の両陣の力比べです!」



数分後、サンパウロFCとハンブルガーSVの根競べはハンブルガーSVの勝利に終わった。

ダダッ、パシッ!

ジウ「ああっ!」

メッツァ「もらったよ!」

放送「これはジウくん不用意だったか!?バックパスをメッツァくんに奪われてしまった!」

マウリシオ「何やってんスかもう!くそーっ!」

メッツァ「もう遅いよ〜」

バシュッ!
ギュルルルルルル…

マウリシオ「や、ヤベえ!」

405 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:56:44 ID:wTTsNljM
放送「更にマウリシオくんを得意のパスで出し抜いて…おおおーーーっと、これはァ!ポブルセンくんに渡ったァ!」

ポブルセン「…フハハハハハ!!」

サンパウロメンバー「し、しまったァ!」「つけ、早くあいつのマークにつけェ!」

メッツァのパスカットからトップスピンパスでポブルセンにボールが渡り、サンパウロの選手達が悲鳴を上げる。
ボール回しに専念していた彼らにはとてもポブルセンを密着し続ける余裕など無かったのだ。

ドトール「いかん!俺が奴を…」

ポブルセン「よくも今まで好き勝手にやってくれやがったなァ!」

ダダダダ!
ドガァ!

ドトール「ぐわああ!!」

バビントン「くっ…だったら僕が!」

ポブルセン「だがそれもここまでだァ!」

ドガァア!

バビントン「あがぁあっ…!」

放送「ポブルセンくんの中央突破が決まったァ!ドトールくんとバビントンくんを派手に蹴散らし
一気にバイタルエリアに突入しました!サンパウロ絶対絶命ーーーーっ!!」

観客「あーーーっ!?」「あ、あいつが撃つぞ!」「マーダーショットが来る!」

406 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:57:12 ID:wTTsNljM
                               グワアアアッ!!

              ポブルセンが絶好の位置で右足を振り上げた時誰もが「決まった」と思った。

                                 ヒュンッ!

                  疾風の様に彼の目の前に駆け込む人影を見るまでは。

               ポブルセン「!?…上等だァアアア!!俺の力を思い知れェエエエ!!!」

                  翼「負けない!俺は…負けない!勝つんだァアアアア!!」

                それはポブルセンのマーダーショットを打ち返しに行った翼の姿だった。

                    バッギュォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
                      バッギィイイイイイイイイイイイイイイン!!

                      ポブルセン「…ウソだ!こんな事が…!!」

                  翼「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

                  ドッグゥォワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

                    ポブルセン「俺は認めね…ぎゃああああああっ!!」

            ポブルセンは己の暴力を倍返しで叩きつけられ、大型車に跳ねられたかの様に宙を舞った。

                  ギュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォオオオオオオオ!!

      ボールは彼の体と言う障害など最初から無かったかの様に爆音を立ててフィールドの反対側に向かって飛んでいった。

                 殆どの観客は何が起きたか咄嗟には分からなかっただろう。

           だが打ち返されたボールが空気とフィールドを切り裂く光と化した事はかろうじて分かった。

                   彼らは皆思った。「これが決まらない訳が無い」と。

407 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:57:54 ID:wTTsNljM
                       森崎「(これは…このシュートは!)」

                 そして森崎に取ってこれ程忌まわしいシュートも無かった。

               このシュートで翼に打ち負かされたのはつい先月の事なのだから。

          森崎だけではない。全日本の選手達も、他国のライバル達も思った。「サンパウロの勝ちだ」と。

               フィールドで今正に戦っている22人もそのうち20人が決着を予期した。

                    カルツ「ワ…ワカバヤシィイイイイイイイイッ!!」

             例外の二人のうち一人はキャプテンが故に諦める事が許されないカルツ。



           若林「甘いぞ翼!忘れたか?俺はどんなシュートもペナルティエリア外からなら…」



                               バッ!
                               ブンッ…
                    バッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

                   翼・森崎『な…な…なにィイイイイイイイイイイ!?』

                         若林「 と め る ! 」

               そしてもう一人はこのシュートに絶対の確信を持って立ち向かい、
                その豪腕を全力で打ちつける事で跳ね返した若林だった。

408 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/11(木) 16:58:53 ID:wTTsNljM
いったんここまで。

409 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:11:56 ID:1/eSrhRp
な…

410 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:20:52 ID:yxT/CDyJ
なにィ!?

411 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:30:55 ID:19oPv0R+
決勝は日本の攻撃力じゃ点入る気がしねぇw
日向に高乱数&若林の低乱数を期待するしかないなw

412 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:32:10 ID:8rYh5l/N
一回限りだけどスルーという手もあるはず…絶対勝つぞー!

413 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 19:14:08 ID:c2KqjvA7
凄い、NPCの試合なのに盛り上がりが違う…
片方としか戦えないのが惜しいな、本当に

414 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 19:23:27 ID:ypq0h2L+
しかし若林はどんな補正が入ってるんだw

415 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:47:27 ID:7F7HdRKn
翼がいろいろ悩んでたのはやはり負けフラグだたのか

416 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 20:55:50 ID:zrr3LmIR
ストラットがいるよ

417 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:04:13 ID:mPwQnbcC
翼も若林も申し分ない活躍してるのに森崎と日向がパッとしない
日本にいた日向はともかく森崎・・・

418 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:54:00 ID:oWucgVRb
トルネード完封は評価されてると思うが
倍速はまあ・・・仕方ない

419 :創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 21:59:16 ID:mPwQnbcC
いや一回はポストになったけどパンサーストリームに実質二度とも負けてることね

420 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 02:17:49 ID:kvBl9yVW
まだストラットが居る。

421 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 05:05:51 ID:vH91Zwla
キャプ翼の若林だったら台詞はともかく実力は今のままで普通なのだが
ここまで若林が確変するとなんか違和感がある
今後の展開が気になって仕方ない

422 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 09:04:30 ID:1uEEsTC/
わかった!サイボーグ化だ

423 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 09:49:54 ID:J+gNkoCe
本気で真面目に取り組めば若林だってここまでできるって事なのかも
例の件で序盤で退場したけど永遠のライバルの一角なんだから

424 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:42:33 ID:B1N3p1Oo
放送「こ…これは…これはあっ!?し、失礼しました!どうやらポブルセンくんのシュートを
翼くんが撃ち返し、更にその撃ち返されたシュートを若林くんが利き腕を叩きつけて防いだ様です!
あまりにもダイナミックな攻防があまりにも瞬時に行われた為私は言葉を失ってしまいました!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「なんだあれ!なんだあれ!?」「サ、サッカーってこんな事が起きるのか?」
「ボ、ボールが目で見えなかった…音だけ聞こえた…」「今のどうやって防いだんだよおい!?」

シュナイダー「(ワカバヤシ…そんな力があるのなら俺が居た内に発揮して欲しかった物だ。全く)」

片桐「な、なんたるシュートだ…!」

賀茂「そしてあれを防いだ若林…とんでもねえな」

三杉「…ハイレベル過ぎる。攻撃も、守備も…」

石崎「さ、流石は翼と若林ってか…?」

葵「凄い!凄いです、凄すぎます!日本が世界に誇る二大巨頭ですね!」

日向「(………畜生………)」

森崎「(なんで…なんで若林なんかがアレを防げるんだよ!クソッタレ!)」

想像を絶するプレイの応酬に観客席は素人選手問わず半ばパニックじみた熱狂に陥った。
だが彼らが騒ぐ事に集中出来た時間は長くなかった。

カルツ「良くやったァワカバヤシーーーーッ!!」

試合はまだ終わっていなかったからだ。

425 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:43:05 ID:B1N3p1Oo
放送「そして弾き返されたボールはカルツくんがフォロー!すぐさまストラットくんがチェックに行きます!」

ポブルセン「ぐ…ぐぉおおお…う、動け!動きやがれェ!」

翼「あ、足が…皆、なんとかしてくれ!守りきってくれ!」

体力が尽きた上に利き脚が痺れて立てないポブルセンと翼を他所に試合はクライマックスに向かう。

ストラット「まだだァ!そのボールを寄越せ!」

カルツ「そいつは…」

ドガアッ!

ストラット「ぐあっ!?」

カルツ「虫が良すぎるお願いだっての!」

放送「ストラットくん止められない!カルツくんの独走を許してしまいます!
あっと言う間にセンターサークルへ来ましたが…ここでドトールくんとバビントンくんがやってきた!」

ドトール「これ以上お前の独走は許さん!」

バビントン「ここで止める!」

カルツ「………」

ガコッ!

ドトール「何!?」

バビントン「あっ!」

426 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:43:20 ID:B1N3p1Oo
メッツァ「カペロマン、後は任せたよー」

バシュウウッ!!
ギュルルルン!

放送「カルツくんここで勝負を避け、メッツァくんにパス!すかさずメッツァくんのサイドチェンジ!
これが上手くカペロマンくんに渡ったーっ!サンパウロの陣形はズタズタだーっ!!」

カペロマン「よし、美味しい所を貰うぜ!ラストサイドワインダーだ!」

放送「カペロマンくん振りかぶる!出た〜、サイドワインダーだァ!今度こそサンパウロ絶対絶命ーーーっ!!」

グワアッ…
バシュウウウウウウウウウウウウウウッ!!
ギュンギュンギュンギュン…!

翼「く…うああっ!」

ポブルセン「あっ、てめえ!待て!」

アマラウ「(大丈夫だ…奴のシュートはブロッカーを避ける様に狙って撃たれる!
リマ、マリーニ、マウリシオの立ち方をイメージして…後は山勘で!)ここだああっ!!」

バッ!
バチッ!

カペロマン「なにィ!?」

放送「おーーーっと、これはアマラウくんの大ファインプレイ!目一杯高く飛び
サイドワインダーを頭頂部で受け流しました!ハンブルグ、3点目はならず…いや!?」

427 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:43:38 ID:B1N3p1Oo
両チームの死力の絞りあいは最終的にボールをカルツに託した。
そして彼の前には震える脚を叱咤しながら走る翼が立ちはだかっていた。

放送「カルツくんだ!カルツくんがつめている!そして翼くんが側に居る!
試合終了間際、両チームのキャプテンの激突だーーーっ!!」

翼「ハァ…ハァ…最後の勝負だカルツ!」

カルツ「…ツバサーーーーーッ!!」

ダダッ!
ダダッ!

サンパウロメンバー『ツバサ!』
ハンブルグメンバー『カルツ!』

翼「(俺は…負けない!負けたくないんだァ!)」
カルツ「(俺は…勝つ!勝つんじゃあ!)」

森崎・シュナイダー『………!』

ガチィイイイッ!!

翼「!?………〜〜〜〜っ!!」

ドガアッ!
ドサッ…

そして軍配はカルツに上がった。皮肉にも今まで思う様に活躍できていなかった事で、彼の体力は有り余っていたのだ。

放送「つ、翼くん吹っ飛ばされたーーーっ!!カルツくん誰も止められないままPAに侵入ーーーっ!」

428 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:44:00 ID:B1N3p1Oo
サンパウロメンバー「そ、そんな!ツバサが!?」「レナートなんとかしろー!」

レナート「分かっている!うぉおおおおおおお〜っ!!」

カルツ「………」

ニヤア。

そしてレナートと一対一になった時カルツは笑った。ハリネズミドリブルに負けまいと全力で突進する姿に笑った。

ブンッ…
ガスッ。

レナート「え…?」
サンパウロメンバー『あ…』
ハンブルグメンバー『おお…』

ポーン…
ヒュゥウウウン…
ポン…コロコロ…ピタ。

全力と見せかけた大きな振り足から放たれたとは思えない緩く大人しいシュートがまるで夜空の満月の様に
儚げにゆっくりと宙を舞い、ゴールバーの下を名残惜しむ様に潜り抜けてからゴールラインを割った。

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

ピッ!ピッ!ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

カルツ「…よっしゃぁああああああああああああああああああああああ!!!」



ハンブルガーSV 3−2 サンパウロFC

429 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:44:19 ID:B1N3p1Oo
翼「え…?」

立て続けに鳴った二つの笛が二つの事実を告げる。

カルツのゴール。
試合終了。

そしてそれらが意味する事も二つ。
ハンブルガーSVの勝利。即ち、サンパウロFCの敗北である。

放送「…ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオルゥウウウウウ!!!?
そ、そしてなんとここで試合終了!何時の間にか試合時間は後半ロスタイムに突入していたのです!
3−2!サンパウロFCが、大空翼くんが破れました!彼らを打ち破ったのは西ドイツのハンブルガーSV!
そして決勝点を決めたのが今諸手を天に突き上げ喜びに叫んでいるキャプテンのヘルマン・カルツくんです!!」

観客「な…なんだってーっ!?」「な、何がどうなったんだよ!」「訳が分からない程凄いプレイばっかりでもう何がなんだか…」
「決まったんだ!あのカルツって奴がゴールしたんだ!」「マジかよ…あんなに強い翼が、サンパウロが負けたのか…」

カルツ「(やった…俺はやったんだ!やったんだぜ、シュナイダーちゃん!)」

カペロマン「くそーっ、美味しい所持って行きやがって!」
ヤラ「珍しくキャプテンらしい仕事をしやがったな!」
クラウス「何時もこうしておけよ全く!」

ポブルセン「チッ…つまんねー勝ち方だ…」
若林「…やった。俺はやったぞ」

サンパウロメンバー「そ、そんなあ…」「後ちょっとだったのに…」「なんでだよ、くそっ!」

実況と観客の狂った様な叫びも、勝利の美酒の蓋を開けるカルツ達の歓喜も、崩れ落ちる仲間達の悲哀も
翼には何処か非現実的な物にしか映らなかった。それらに向ける意識等残っていなかった。

翼「負けた…?俺が、負けた…?」

大空翼18歳。2度目の公式戦での敗北だった。

430 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/12(金) 15:46:25 ID:B1N3p1Oo
いったんここまで。

431 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 16:07:07 ID:uA8WBRvz
やべええ、すげえ名試合を見てしまった!
2ねいさん、お疲れ様です!

432 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 16:15:57 ID:LeY+aqtk
熱い戦いでした。
お疲れ様です!

433 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 16:29:35 ID:TyD+CiDM
おもしれえええええ!!乙!乙!

434 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 18:16:19 ID:DjY6wuTc
よくサンパウロ負けさせたな・・・
こっちのほうが面白いと思ってたけど、意外だった

435 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 18:35:12 ID:J+gNkoCe
宿命のライバル翼と実力を取り戻した若林の対決を観客席で…複雑
今度は翼が観客席か、もっと大きくなるといいな
両方と戦えないのが残念だったけど凄い試合で満足、さすが2さんだ

436 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 20:41:00 ID:6oZFzdB3
翼にリベンジさせないのは予想してた
それよりシュナイダーが若林を評価してるのがショックだ…


437 :創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 21:23:00 ID:1sxGolt2
決勝戦はキーパー対決ですな

438 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/13(土) 15:32:26 ID:GXxy+1Jx
フライハイト「嬉しそうだな、シュナイダー」

シュナイダー「嬉しいさ。幼馴染が得意技で決勝ゴールを決めたのだから」

フライハイト「確かに。ただのループシュートだが、タイミング、高さ、軌道、コントロール、スピード、
シュートフォーム…全てが無駄なく完成されたループシュートだった。正に職人芸だな」

シュナイダー「…あれは、俺がケガをして出場出来なかったシーズンにあいつが編み出した技だ」

フライハイト「ほう」

シュナイダー「俺が出場出来なくなってチームの得点はガタッと落ちた。そして非難は
中盤の要でありながら得点力の無いカルツに降り注いだ…俺も奴を責めた者の一人だった。
だがあいつは腐らずに、自分が得点出来る方法を…自分にしか出来ない方法を編み出した。大した奴だよ」

フライハイト「………」

カルツのロビングシュート開発の経緯を嬉しそうに語るシュナイダーと、そんなシュナイダーを
無表情で見守るフライハイト。この二人は純粋にハンブルガーSVの勝利を喜ぶ事が出来た。

この二人以外はそうは行かなかった。

観客「なんてこった…とんでもないモンみちゃったよ…」「ブラジルでナンバー1になった翼が負けるなんて…」
「翼は先月森崎に勝っているんだろ?じゃあ…あの若林って奴が一番強い事になるのか?」

観客の大多数はサンパウロの、ひいては翼の敗北を目の前で見せられてショックを受けていた。
森崎達の世代の選手達に惚れこんだ者にとって翼は森崎と並んで国内最強の象徴だった。
日向も高校サッカーの頂点に立つ存在ではあったが、その日向を倒し続けた翼と森崎は特別な存在である。
更に翼はごく最近森崎を大差で下しており、この大会を見に来た者達は森崎が翼に
リベンジを挑むと言う構図を期待する余り無意識にそれが予定された未来の様に思い込んでいたのだ。

439 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/13(土) 15:33:58 ID:GXxy+1Jx
だが現実として翼は破れ、森崎のリベンジのチャンスは失われた。
この現実は観客達を大いに動揺させたが、それ以上に動揺したのは全日本ユースの選手達だった。

三杉「…負けた。翼くんが、サンパウロが、破れた…」

岬「(これがサッカーの恐ろしさって奴だね。最強でも勝利の保障は無い)」

松山「あれだけ強いサンパウロよりハンブルガーは更に強いと言うのか…」

葵「え…ウソ…そんな…」

日向「若林の野郎、何時の間にこんなに強く…」

中山「(勝てるのか?こんな強敵に本当に…勝てるのか?)」

石崎「つ、翼が…負けた。相手が若林とは言え、あいつが負けるなんて…」

来生「ヒャッホウ!流石若林さんだぜ!」

井沢「(翼は良い気味だが…少し複雑な気分だな)」

滝「これが本来の若林さんの力なのか…」

高杉「(翼と若林さんが潰しあったのは少々残念だが…若林さんが森崎より上な事を証明すれば問題ない!)」

日本の高校サッカーを3年間に渡って制し最強の名を欲しいままにした日向。
その日向を合宿開始早々に力で捻じ伏せ国内組の自信を粉々に砕いた森崎。
その森崎とブラジルのユースレベルの頂点を競い合い大差で勝った翼。
その翼のスーパープレイの連発をスーパーセーブで跳ね返し勝利を掴んだ若林。

実力と実績による全日本ユース内の暗黙の権力ヒエラルキーが目まぐるしく変わった事で
ある者は喜び、ある者は驚き、ある者は混乱し、ある者は恐怖した。
だが立場や感情の違いはあれど、彼らは皆一つの概念に置いては共通していた。

若林の評価の急上昇である。

440 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/13(土) 15:34:22 ID:GXxy+1Jx
*翼を破った事で若林の支持率が+10され、また彼に対するメンバー全員の感情値が+1されます。
滝と高杉は既に+5だったのでその分支持率に更に+2されます。

若林チーム内支持率:12→24

-------------------------------------------
☆現在のキャプテン候補に対する各選手感情値☆
名前 || 森崎 || 大空 || 若林 || 日向
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
政夫 || − 2 || + 3 || + 1 || − 2
和夫 || − 2 || + 3 || + 1 || − 2
新田 || − 3 || + 1 || + 1 || + 1
反町 || + 3 || + 4 || + 2 || − 2
来生 || − 2 || + 3 || + 5 || − 1
  滝 || + 4 || + 2 || + 5 || − 1
  岬 || + 2 || + 5 || + 2 || + 3
三杉 || + 4 || + 2 || ± 0 || + 1
松山 || + 1 || + 5 || + 2 || ± 0
沢田 || + 1 || + 2 || + 2 || + 5
山森 || + 4 || + 4 || + 2 || − 1
井沢 || + 1 || − 1 || + 5 || − 1
  葵 || + 4 || + 5 || + 2 || + 2
次藤 || + 4 || + 3 || + 2 || + 2
早田 || + 4 || + 4 || + 2 || + 1
中里 || + 5 || + 3 || + 1 || + 3
石崎 || − 4 || + 5 || + 3 || ± 0
高杉 || − 4 || + 3 || + 5 || − 1
赤井 || + 3 || + 2 || + 1 || ± 0
中山 || + 4 || + 4 || + 3 || ± 0
若島 || ± 0 || + 1 || + 1 || + 5
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
総合 || 2 7 || 6 3 || 4 8 ||  1 1
-------------------------------------------
−5〜+5まであります。+5で全面的支持、−5で明確な敵意と言う状態です。

441 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/13(土) 15:34:47 ID:GXxy+1Jx
そして森崎はこの現実に対し、以下の反応を示した。

A 「俺に勝った翼を倒すとはな…若林もやるじゃないか」余裕を装う。
B 「翼対若林は引き分けだが、チームとしてハンブルグが勝ったな」戦力分析を行う。
C 「翼!何故負けやがった、バカヤローーーッ!!」激昂してフィールドに駆け込む。
D 「若林がマグレで勝ったか!こりゃ良い、決勝が楽だぜ!」大声で挑発する。

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    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

442 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/14(日) 21:29:43 ID:6Sm6RTG+
>B 「翼対若林は引き分けだが、チームとしてハンブルグが勝ったな」戦力分析を行う。

葵「えっ?」

早田「そりゃどういう事だ?」

突然両チームの戦力分析を始める森崎にそう言った思考が得意ではない者達が怪訝な声を上げる。
こういう時に言われてみれば当たり前の事を述べて場の空気を落ち着かせ、信頼を勝ち取るのは森崎の18番である。

森崎「翼は若林相手に1ゴールしか上げられなかった。フィールダーとGKの勝負としては引き分けってのが妥当だろう。
だがチーム対チームではそうじゃなかった。チームの総合戦力では僅かながらハンブルグが勝っていたんだ」

岬「…そうだね。付け加えるのなら、両チームの特徴の違いがそのまま戦況の流れになっていったと思う」

松山「そう言えば、ハンブルグはMFは凄いけどFWとDFは平凡な感じが拒めなかったな…」

中山「逆にサンパウロはFW、MF、DFにそれぞれ中心選手が居た。GKは若林に比べると大分見劣りしたが」

三杉「そうだ。ハンブルグが序盤と終盤以外はサンパウロにペースを握られていたのがその証拠だ。
サンパウロはFWのストラットの体力が尽きた時点で攻め続ける事が出来なくなった。
そして翼くんがカウンターシュートで体力を使い果たした時…彼らの負けは決まっていたのかも知れない」

次藤「なるほどのう。そいぎんた、ワシらのハンブルグ攻略のヒントにもなりそうじゃな」

山森「ええ。この総力戦を徹底的に分析する事が決勝戦を制する鍵になるかも知れません」

そして戦術議論が好きな者達が後に続き、目の前で行われた激戦の衝撃が建設的な意見交換に
変わっていく。森崎の目論見通りチームの雰囲気が変わったと言う功績は彼の物になった。

森崎「(…翼の首を横取りしやがって…若林め)」

ただ、その行動自体が若林に対する危機感の表れだったのかは森崎自身にも分からなかった。

森崎チーム内支持率:45→46

443 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/14(日) 21:29:59 ID:6Sm6RTG+
ここで負けたサンパウロにもう一度スポットライトを当てておこう。
彼らは皆敗戦により落ち込んでいたが、その心境には個人差があった。

ストラット「(たった1点…たった1点か)」

ストラットはチーム全体の敗北以上に自分がエースストライカーとして最低限の結果しか出せなかった事に打ちのめされていた。
敗戦の責任を一人で被るつもりは無くても、自分がもう1点決めていれば…そう思わずには居られなかったのだ。

ストラット「(俺はウルグアイのヒノや西ドイツのシュナイダーの様な万能タイプのFWじゃない。
ウルグアイのビクトリーノやブラジルのカルロスの様に自力で切り込める程の突破力も無い。
あくまで味方から受けたパスで確実にゴールする純粋な点取り屋なんだ。このままではいけない…)」

イタリアの主砲を目指すチェザーレ・ストラット。彼は今自らの力を高める必要をひしひしと感じていた。



ドトール「3点…か」

アマラウ「くそっ!プライドがズタズタだぜ…」

一方守備側では今まで堅守を誇ってきた筈のDFコンビが過酷な現実に猛省を迫られていた。
リオカップでは6試合通じてたった1失点しなかった。そんな実績も今となっては空しい。

ドトール「この結果は謙虚に受け止めなければならない。俺達が更なる高みを目指すならな」

アマラウ「当たり前だ!この試合で俺達の弱点はハッキリしたんだ。ここで立ち止まっていられるかよ!」

ブラジルユース選出は間違いなしと言われるワグネル・ソアレス・アマラウとマグノ・ヴィエイラ・デ・オリヴェイラ(ドトール)。
この二人もこの試合から自分の至らぬ所を思い知り、再起と躍進の為の教訓にしようと誓い合っていた。

444 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/14(日) 21:30:28 ID:6Sm6RTG+
彼らを含むサンパウロの選手達はベンチに向かいながら口々と反省と後悔を口にする事で互いを励ましあっていた。
友情で一丸となっているとは言い難いチームだが、それでも彼らの間には数々の激戦を共に潜り抜けてきた絆があった。

しかし翼だけはこの輪に加わろうとせず、俯いたまま無言で歩いていた。

翼「(なんなんだよこれは…なんでこんなに気持ち悪いんだ!これが負けるって言う事なのか?)」

バビントン「(ツバサ…)」

敗北がどうにも否定できない事実となった今、翼の顔は衝撃と落胆ではない別の感情で歪んでいた。
それは悔しさや後悔ではなく翼にも何と呼べば良いか分からない不快感の賜物。
リオカップの頃から少しずつ膨れ上がっていた不快感が膨大な波となって翼を襲っていた。その影響で
翼は凄まじい程の焦りと苛立ちに顔を歪ませており、チームメイトはおろか監督のロベルトですら彼に声をかける事ができない。

ロベルト「(ど、どうしたんだ翼、確かに負けはしたが試合内容は決して悪くなかった…よな?
お前がそんな調子だったらチームの雰囲気まで暗くなってしまうのに…)」

サンパウロメンバー「監督…」「申し訳ありません監督」「負けてしまいました…」

ロベルト「(むむっいかん、俺がここで黙っている訳にはいかない。よし、とっておきの
”監督らしいセリフ:敗戦バージョン”だ!)皆…今日、我々は負けた。それはもう永遠に変わらない。
だが君達のサッカーはここで終わりじゃない。それどころかプロデビューと言うスタートが目の前にあるんだ。
今日の敗北は紙一重の差だった。その紙一重を乗り越えるにはどうすればいいのか?
それを考え、答えを出せばこの遠征試合は決して無駄にはならない筈。それを心がけてくれ」

サンパウロメンバー『…はい!』

翼「(そうだ…これで今までの全てを失う訳じゃない。取り返しがつかない訳じゃない。負けたのなら次に勝つ為に
更に努力すればいい。言うまでもなく当たり前の事だ!…なのに、何故…何故その当たり前の事が…怖いんだ…)」

参加者と観察者達に多大な影響を与え続けるジャパンカップも残るは決勝戦のみ…

445 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/14(日) 21:32:22 ID:6Sm6RTG+
今日はちょっと早めに寝たいのでここまで。
また明日お会いしましょう。

446 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 21:38:36 ID:E3QWG22s
ロベルト乙でしたww

447 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 21:44:47 ID:KjBgD9Ub
結構勉強していると思われるロベルトは実は名監督なのでは?w

448 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 21:45:15 ID:ZcALnmzP
言う事だけはいいなロベルト
そして翼はサッカーを楽しむっていう根本的なトコが欠落しちゃってるっぽいな

449 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 21:50:14 ID:m9+4gJ/4
キャプ森でサッカーを楽しんでる奴僅かしかいないけどなw

450 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 22:12:11 ID:vf7G8kPO
>>448
カルロスに会ったら
「お前にサッカーの楽しさを教えてやる!アーサーと一緒に!」
って言われるかもしれん

451 :創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 22:47:38 ID:9zJqBowE
>>447
>>448
「名選手は名監督になれない」と言う皮肉めいた言葉があるから
あながち間違いじゃないね
でもこのロベルトは凡人になってしまったからこそ
こういう対応ができるようになったとも言えるね

452 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/15(月) 16:02:36 ID:wmMqi5TA
『衝撃!大空翼率いるサンパウロFC破れる!』

『突如現れた凄腕GK、その名は若林源三』

『大空翼へのリベンジの機会が失われた森崎有三、若林源三にも負けたら全日本ユース正GKの座は危うい?』

翌日の新聞やテレビにはこんなフレーズが飛び交っていた。
メキシコ五輪以来低迷し続けていた日本サッカーにとって希望の星であるこの世代の注目度は高く、
またプロリーグ設立やワールドカップ招致の噂などタイムリーな話題が日本に置けるサッカー熱を今までにない程高めており、
スポーツ関連の新聞や番組だけでなく全国紙や一般ニュース番組まで森崎と若林の対決を煽りに煽っていた。

練習を禁じられ(ただし、他の選手達もコンディション調整以外は許可されなかった)部屋に
閉じこもるしか無かった森崎にとって不愉快な一日だったのは言うまでもない。

三杉「機嫌悪そうだね?」

森崎「…ケッ。マスコミなんぞ騒いでナンボの商売だろ」

三杉「ああそうだ。ただ、正GKの座を賭けた戦いだと言うのはあながち間違いじゃないだろうね」

森崎「どいつもこいつも五月蝿いんだよ。ちょっと活躍したからってサブキーパーを褒め称えやがって」

苛立たしげに新聞をゴミ箱に捨てテレビまで消す森崎を見て三杉は苦笑いを抑え切れなかった。
その傍らで葵はベッドに腰掛けたまま壁をぼんやりと見つめている。

三杉「しかしハンブルガーSVは紛れも無く強い。主力以外の選手達のレベルではウルグアイユースが
勝っている感もあったが、若林の存在がそれを補って余りあるだろうな。苦戦は必至だ」

森崎「…丁度良いじゃないか。前にやった時は乱打戦の末に引き分けになったんだ。
今回キッチリ勝っておけば、全日本ユースにとって大きな手柄になるぜ」

三杉「前向きと言うか、貪欲と言うか…だが、確かに決して勝てない相手ではないな」

453 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/15(月) 16:03:35 ID:wmMqi5TA
葵「…あの」

森崎「ん?」

三杉「どうした?」

そのまま二人が戦術談義に明け暮れていると途中で葵が口を挟んできた。
そして葵は森崎の顔をじっと見つめると、何時に無く真剣な表情で質問をぶつけてきた。

葵「森崎さんに質問があるんです」

森崎「なんだ?ドリブルテクでも知りたいのか?」

葵「いえ、違います…翼さんの事です」

森崎「………」

葵「同じGKの若林さんとは立場上親しくは出来ないって言うのは何となく分かるんですけど…
翼さんとまで仲が悪いって言うのは本当ですか?どうしてそうなっちゃったんですか?」

三杉「(へえ…気付いた、と言うよりは誰かから教えられたのかな?)」

森崎「(コイツ、バカかと思ってたら一応そう言う事も理解出来るのか。さて、どう答えるべきか…)」

A 「ああ、本当だ。理由は…長い間に色々あってなあ」
B 「なんだ、ようやく気付いたのか。だがお前には関係無いだろ?」
C 「さて、どうだかな。どうしても知りたきゃ、自分で観察しな」
D 「誰の入れ知恵だ?お前が自分で思い当たるとは思えねーな」
E 「いや、別にそんな事は無いぜ。サッカー選手としては認め合っている」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50にて
            ☆2010/2/15 17:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を
         止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

454 :創る名無しに見る名無し:2010/02/15(月) 18:29:36 ID:Er6p2Y60
森崎板死んでる?

455 :創る名無しに見る名無し:2010/02/15(月) 18:33:24 ID:bzJGFpnX
移転したから正確なアドレスはこっちなのでは?
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50

456 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/16(火) 00:51:52 ID:8aZtiVfu
>A 「ああ、本当だ。理由は…長い間に色々あってなあ」

葵「色々…?どんな事ですか?」

森崎「ガキの頃からキャプテンの座を争っていたのが一つ。それから…あいつの態度だな。
あいつがさも自分は選ばれた天才でござい、お前ら凡人どもをワールドカップに連れてってやるよって
言わんばかりの振る舞いをしておきながら口ではサッカーはチームスポーツだの何だのほざきやがる。
俺はそういう奇麗事を言いながら内面他者を見下している奴が大嫌いなんだよ。
他者を見下すんなら建前なんか使わずに堂々としている日向とかの方がまだマシだ」

森崎は己の翼に対する嫌悪感の理由を(その才能に対する劣等感だけは隠して)
葵に包み隠さず教えた。歯に衣を着せない物言いに葵は顔を顰めていったが、
反論が思い浮かばなかったのか何も言い返さないでいると代わりに三杉が口を挟んだ。

三杉「そして翼くんは恐らく、自分の夢の実現に横槍を入れようとする森崎の存在が気に入らないんだろうね。
特に森崎は彼のサッカーの真面目さに対して茶々を入れる様な奇行を取る事も多いから」

森崎「うるせえよ。俺は俺の哲学に基づいて真面目にやってるんだ、文句は言わせないぜ」

三杉「フフッ、そうだったね」

葵「(昔からこうだったのか…俺は翼さんも森崎さんも尊敬していたのに、それは勝手な幻想だったのかな…?)」

*葵の森崎・翼両者に対する感情値が1ずつ下がりました。

457 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/16(火) 00:52:53 ID:8aZtiVfu
短いですが今夜はここまで。また明日お会いしましょう。

>>455
有難うございます、訂正を忘れていました。URLを全部張り替えなくっちゃ…

458 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/16(火) 14:50:05 ID:8aZtiVfu
森崎「さて…」

話が一段落したと見た森崎はベッドから立ち上がった。

三杉「そろそろ行くのかい?」

森崎「ああ、これ以上遅くなったら悪いしな」

葵「へ?何処か行くんですか?」

森崎「キャプテンらしくしに行くんだよ」

葵「???」

三杉「それじゃ森崎、僕から一つリクエストを」

森崎「あん?図々しい奴だな」

三杉「承知の上さ。次の試合、僕はFWで出たいな」

森崎「FWだァ?」

葵「えっ、三杉さんFWも出来るんですか?」

彼の行方に葵が首を傾げる中、目的を察している三杉はこれ幸いとばかりに次の試合の希望ポジションを遠慮無く述べた。
あからさまな口添えの依頼に森崎は顔を顰めたが、三杉は開き直っているのか気にする様子は無い。

三杉「出来なくは無いよ。色々計算したけど、やっぱりそれが一番勝ち易そうなんでね。それじゃ、また後でね」

459 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/16(火) 14:50:27 ID:8aZtiVfu
こうして森崎は悪びれない三杉と疑問符を顔に貼り付けた葵に見送られて部屋を出た。
当然目的地は見上の部屋である。

コンコン。

森崎「森崎です。今よろしいですか?」

見上「入れ。ちゃんとカギをかけろよ」

森崎「有難うございます。お邪魔します」

見上の部屋は彼らしく様々な書類やノートが程ほどに散乱したデスクとその上に置かれたタバコの灰皿以外は
目を引く物が無い殺風景な部屋だった。寝室は別に用意してあるらしくベッドは置いていない。

見上「そろそろ来るだろうと思っていた。明日のスタメンの事だな?」

森崎「ズバリその通りです。って言っても何でもホイホイ言う事聞いてくれる訳じゃないんでしょ?」

見上「当たり前だ。私は私の戦術とその意図が滞り無く遂行される為に現場指揮官の
お前と意識の共有を図っているだけに過ぎない。そうでなければ私がここに居る必要等無いからな」

森崎「至極ごもっともで…(やっぱり保身に長けた食えねえおっさんだぜ)それでは、監督はどんなプランを考えているんですか?」

見上「…ハッキリ言おう。お前と若林、どちらがより優れたGKかで勝負が決まる」

森崎「!」

ゴクリ…

そしていざ話し始めた見上はこの上無くストレートだった。
森崎は知らず知らずの内に唾を飲み込んでいた。

460 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/16(火) 14:50:55 ID:8aZtiVfu
見上「今の若林から点を取る事はかなり難しい。今のこのチームの戦力では1点が精々、2点取れれば大当たりだろう。
下手をすれば零封も十分有り得る。つまり…お前がどれだけ失点を無くせるかの戦いになるのだ」

森崎「…それなら何の問題もありませんね。俺は元々失点するつもりで試合に挑む気なんかありませんよ」

見上「強がれば良いと言う訳ではないぞ。お前の腰の状態もあるが、それが無くても元々お前は
体力が切れる危険性のあるGKだ。マーダーショットとサイドワインダー、更にロビングシュートを連発されれば
堪った物ではあるまい。物量戦になれば向こうが有利なのが明らかだぞ」

森崎「(何時も何時も人が気にしている事をズケズケと言いやがって)じゃあ、その物量戦にさせない作戦が必要ですね」

見上「うむ。攻撃面と守備面両方で綿密な作戦が必要だ」

森崎「(どっちを先に話題にしようかな?)」

A 攻撃面の作戦を先に話題にする。
B 守備面の作戦を先に話題にする。
C 三杉のリクエストを話しておく。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50にて
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461 :創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 18:35:15 ID:KjqmYkxJ
お前ら本当に三杉に下剤飲ませるの好きなんだなwwwwww

462 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/17(水) 00:04:00 ID:Lbs+zOxw
>C 三杉のリクエストを話しておく。

森崎「(とりあえずこれから片付けておくか)その事なんですが、実は三杉がFWで出たいって言ってたんですよ」

見上「ほう…」

見上は森崎の言葉に眉を動かし、手元のノートブックを見直してから唸った。

見上「三杉もその発想に到ったか。私も選択肢の一つとして考えていた事ではある」

森崎「あいつが日向と組めば得点力はかなり上がるでしょうね。ただし、そうしたら中盤は…」

見上「そう、三杉抜きではただでさえ不利な中盤の守りは最早放棄するに等しいだろう。
葵は守備型の選手では無いし、松山と中山が頼れん以上ボールは最終ラインで奪い返す事になる。
つまりカウンターをメインにして戦う事になるが…ハンブルグの得点源がMFに集中している分、正解かも知れん」

森崎「確かに…ヤラとクラウスでしたっけ?あのツートップ。あの二人は全然怖くないですからね。
これがシュナイダーだったら話はまるで違ってくるんですが」

見上「今のハンブルグにシュナイダーが残っていたら勝ち目はゼロに近いだろうよ。
だが幸いな事にそうではない…よし、本人も希望しているなら三杉FW案を使うとしよう」

森崎「(トントン拍子に話が進んだな。三杉、今度こそしっかり活躍しやがれよ)」

森崎との議論の効果もあり、三杉の希望は無事聞き入れられた。
見上はノートブックに何かを書き込んでからコーヒー缶を一口啜り、それから森崎に向き直った。

463 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/17(水) 00:05:59 ID:Lbs+zOxw
見上「得点力の目処はついた。次は守備だ」

森崎「物量戦に持ち込ませない作戦…ですか」

A 「5バックで徹底的にカウンターを狙いましょうよ」
B 「ポブルセンにマークをつけるって言うのはどうでしょう?」
C 「パスを回しまくって時間を稼ぎながら戦うのもアリじゃ?」
D 「カペロマンにマークをつけるのが良いと思います」
E 「監督はどんな作戦を考えているんですか?」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50にて
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464 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/17(水) 08:17:52 ID:Lbs+zOxw
>A 「5バックで徹底的にカウンターを狙いましょうよ」

見上「5バックか。中盤の守備を放棄すると言うコンセプトにも適っているな」

森崎「相手のMFをひきつけてから最終ラインできっちり止めて、一気にカウンター。
これならハンブルグもやり難くなる筈です。ブロッカーとストッパー両方を増やせますからね」

見上「良かろう。カペロマンの右サイドアタックに備えて…左SBに早田。左CBに赤井。
ボール奪取力が高いこの二人で奴のサイドワインダーを封じるとしよう」

森崎「それじゃ、残りのDFは?」

見上「中央のCBは何時も通り次藤。右CBは…石崎だな」

森崎「ええっ!?石崎ですか!」

見上「…かつてのチームメイトに対して身も蓋も無い反応だな」

森崎「かつてのチームメイトだからですよ!国内ならともかく、世界レベルであいつが役に立った事なんか無いじゃないですか!」

見上「中学生時代はな。今の石崎は日向に対抗しようとした為か、シュートブロックだけはかなりの物になっている。
あくまでブロックだけは、だが明日の試合ではそれだけで十分だ。ハンブルグの主砲は全てミドルかロングのシュートだからな」

見上はこれ以上意見を聞き入れるつもりは無いとばかりにノートにDFの配置を埋めていった。
こうなった時はもう何を言っても無駄だと経験で知っている森崎は諦めるしかない。

森崎「(ホントに大丈夫なのか、石崎なんかで…?)それじゃあ右SBは誰にするんです?」

465 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/17(水) 08:18:23 ID:Lbs+zOxw
見上「…中山だな。ただしハンブルグの左サイドはメッツァだから左サイドアタックを警戒する必要は無い。
あるとしたらカルツのドリブルか、ポブルセンのサイドチェンジ位だろう。実質的にはCBの様な働きをしてもらおう」

森崎「(中山なら何処でも出来るだろうから安心だな)はい。残りは…MFの三人ですね」

見上「うむ。軸にすべきは葵だが、他の二人をどうするかに寄って葵の使い方も変わってくる」

森崎「(葵の使い方か…OMFか、DMFか、CMFか、それともSMFか?)」

A 「葵はOMFとして使うべきだと思います」
B 「葵はDMFとして使うべきだと思います」
C 「葵はCMFとして使うべきだと思います」
D 「葵はSMFとして使うべきだと思います」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50にて
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466 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/17(水) 12:16:40 ID:Lbs+zOxw
>D 「葵はSMFとして使うべきだと思います」

見上「SMFか」

森崎「葵の武器は何と言ってもドリブル突破です。更にハンブルグの中盤はダイヤモンド型です。
そうなれば、薄くなったサイドから切り込むのが速攻への近道になるかと」

見上「その場合、逆サイドにもドリブラーが必要だな。残った選手でSMF向けのドリブラー…
中里だな。左SMFとして起用すればカペロマンに対する守備にも使えそうだ」

森崎「右に葵、左に中里ですね。では最後の一人が中央に来る訳ですが…」

見上「葵も中里も攻撃的な選手である以上、バランスを取って守備力があるMFが欲しい所だな。
カウンターをメインの戦法にするのなら、攻守の繋ぎ役も出来る者が望ましいが…
該当するのは三杉、松山、山森、葵、中山と言った所か。残っている中だと松山と山森の二択だな」

森崎「(今回はやけに選ぶチャンスをくれている気がするな…さて、松山か山森か?)」

A 「松山が良いと思います。山森より守備力が高いです」
B 「山森が良いと思います。正確なパスで一気に前に繋げられます」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1262005834/l50にて
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467 :創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 12:25:48 ID:MmubL0nf
まさかこの二人を天秤にかける日がくるとは
滝川一と佐久間くらいの差があったというのに

468 :創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 17:00:00 ID:cYRSKMZ9
>>462
なぜここで戦国武将なのかと小一時間(ry

469 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:01:42 ID:cT1zv6Kl
>A 「松山が良いと思います。山森より守備力が高いです」

見上「ポブルセンとカルツのドリブルを牽制するつもりか?」

森崎「はい。山森では一対一のディフェンスでは役に立ちませんが
松山ならある程度は止めてくれるかと(今のあいつじゃそこまで期待できんが)」

見上「良かろう。では松山のワンボランチだ」

見上は最後の一枠に松山の名前を書き込み、それからじっと森崎の目を見据えた。

森崎「…何ですか?」

見上「監督のせいで負けた、と言う言い訳は無くしてやったぞ。後はお前次第だ」

森崎「(げっ!ホイホイ言う事聞いてくれてると思ったらやっぱりそういう事か!)」

見上「ではもう帰れ。私はまだ片付けねばならん書類がある」

森崎「はい…(くそっ、古狸め!…って呼ぶにはちょっと若いか?何歳なんだろこの人?)」

この夜森崎は要望を大部分聞き入れて貰えたがその分責任を背負わされた自覚と共に眠りについた。



そして夜が明け、決戦の日になった!




470 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:02:01 ID:cT1zv6Kl
〜東京都新宿区、国立霞ヶ丘陸上競技場〜

放送「2月の冷気を吹き飛ばさんばかりの熱に満ち溢れたここ国立霞ヶ丘陸上競技場は
試合開始30分前にして既に超満員!我らが全日本ユースの相手はブラジルの青年部門で
トップに輝いた大空翼くん率いるサンパウロFC…ではなく、そのサンパウロFCを彗星の如く現れ
打ち破った西ドイツの強豪チーム、ハンブルガーSV!この強敵相手にどんな戦いを見せてくれるのでしょうか?」

観客「全日本ユースには是非とも翼たちの仇を討ってもらわなくちゃな!」「森崎が居るんだ、大丈夫さ!」
「でもあの若林って奴も相当腕利きのGKだぞ」「今日の相手はウルグアイユースよりも強いのかな…」

翼VS森崎と言う夢の対決を目の前で拝むチャンスを逃したファン達は代わりに
翼の弔い合戦及び森崎VS若林と言うテーマに注目し盛り上がっていた。
ただし全日本ユースを応援する者達全てが無邪気に試合を待ち望めた訳ではなかった。

早苗「さあ皆!今日もしっかり応援しましょう!」

ゆかり「(早苗…カラ元気が痛々しいわ…)」

骨川「(ちゃんと勝って下さいよ森崎先輩〜、若林さんは取り入れそうにも無いし)」

長野「なあ岩見、この試合どんな展開になると思う?」

岩見「1点勝負になるんじゃないだろうか?両チーム共凄いGKが居るからな」

小田「先制点を取られた方が一気に不利になりそうだね…」

例えば『全日本ユースを応援する友の会』の発起人の中沢早苗は愛しの翼が敗退した事で気を落としていた。
同じ会の中核を成す骨川は今まで森崎に注いできた忠誠がフイにならない事を祈り、
森崎のかつてのチームメイト達は逆立ちしても楽観できない激戦の予感に戦慄していた。

471 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:02:18 ID:cT1zv6Kl
更に今後を大きく左右する試合の行方をじっと見守る者達も居た。
日本サッカー協会に勤める二人、そして偵察に来た各国のライバル達である。

賀茂「翼に勝ったGKと翼に負けたGKの対決か…この試合はこれだけじゃないが、やっぱりメインの見所はこれだな」

片桐「同時に全日本とハンブルガーSVの再戦でもあります。プロジェクト・カウンターウィングの仕上げとしてはうってつけでしょう」



チャ「この試合で全日本ユースを丸裸にしてやるぜ…」

イ「ああ。総力戦を2回続けて見られるなんてまたとないチャンスだ」



李邦内「アジア予選に向けてしっかりと研究だ!」

李邦坤「先憂後楽って奴だな、フフン」

呉「飛、ちゃんとビデオはついているか?」

飛「大丈夫。王の方はどうだ?」

王「お前じゃないんだから安心しろって」



オワイラン「どちらが勝っても見る者にとっては堪らない試合になりそうだ。これを機に我が国と日本の友好関係を深め…」

バルカン「ストーップ!オワイランそりゃ不味いって!」



シュナイダー「…見ているだけと言うのはストレスが溜まる物だな」

フライハイト「全くだ」

472 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:02:37 ID:cT1zv6Kl
だが一人だけここに居るべきなのに居らず、見ているべきなのに見ていない者も居た。



〜静岡県南葛市、大空家〜

奈津子「翼、もうそろそろ試合の時間よ?テレビつけないで良いの?」

翼「…うん、良いんだ」

奈津子「(なんでこんなに暗くなっちゃったのかしら、この子…)」

大地「(兄タンこわい)」

負けたサンパウロFCは翌日の便でブラジルに帰っていたが、翼はこれまでの功績の報酬に
クラブ側から実家で骨休みをする許可が与えられ日本に残っていた。それは決勝戦を生で見たいだろうと言う
配慮も含まれていたが、当の翼は母と弟が憂う程陰鬱な表情で時を浪費していた。



〜全日本ユース控え室〜

見上「よし皆聞け。今日のフォーメーションは5−3−2だ」

ざわっ…

松山「ご、5−3−2ですか?」

岬「と言う事は…カウンター狙いですか?」

三杉「(僕の要望は聞き入れられたみたいだな)」

473 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:02:56 ID:cT1zv6Kl
見上「そうだ。ハンブルグの主力はMFに集中している。ならばそれを逆手に取るまでだ。
ではスタメンを発表する。まずはFW。左に日向、右に三杉!」

どよどよ…

日向「…はい(俺一人じゃ点を取れねえって事かよ。くそっ!)」

三杉「はい(計画通り)」

新田「え…ええええええっ!?」

まさかの三杉のFW起用と新田のスタメン落ちに多くの選手達が目に見える程狼狽する。
そして納得が行かなかった新田はすぐさま反応した。

新田「ちょ、ちょっと待って下さいよ!一昨日俺はゴールしたじゃないですか、なのに何で!」

山森「新田…」

見上「静かにしろ!…新田、今のお前のセリフが正にお前が起用されない理由だ」

新田「なっ…!?」

見上「続けてMFを発表する。右のサイドハーフに葵、左のサイドハーフに中里、ボランチに松山!」

葵「は、はい!(ホントになんで新田くんを使わないんだろ?)」

中里「はい(ぬう、またしてもMFでゴザルか)」

松山「はい(ワンボランチ…と言っても5バックか。実質的にはDFみたいな役割になりそうだ)」

しかし見上がこの程度で怯む訳もなく、スタメン発表は滞りなく行われていく。

474 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:03:44 ID:cT1zv6Kl
岬「(とうとうスタメン落ちか。僕が監督でもそうするけど…このままじゃいけないな)」

山森「(実力不足と言う事か。何を鍛えれば試合に出られるんだろう…)」

見上「DFは左サイドバックに早田、右サイドバックに中山!センターバックは左から赤井、次藤、石崎!」

早田「はい(逆サイド…っつー事はカペロマン対策か。よっしゃ、やってやるぜ!)」

中山「はい(サイドバックか。でもメッツァにミドルシュートは無い…恐らく中央に居る時間帯が多いだろうな)」

赤井「はい!(今日はミドルシュートが多くなる。体を張らなっきゃな!)」

次藤「はい!(ワシは何時もどおりじゃのう)」

石崎「は…はい!(で、出番だ!やっと出番が来た!)」

高杉「(イシザキガデラレテオレガデラレナイイシザキガデラレテオレガデラレナイイシザキガデラレテオレガデラレナイ)」

見上「GKは森崎!」

森崎「はい(さて…正念場だ)」

見上「先ほども言ったが、今日はカウンター狙いで戦う。ハンブルグのMFを引きつけてから止め、
葵か中里のサイドアタックから一気に前線に持ち込め。三杉はセカンドトップとして日向のサポートをし、
二人がかりでなんとしてでもゴールを奪え。守備面ではカペロマンは撃たせる前に止めろ。
ポブルセンはブロックの人数を多くして防げ。カルツの突進も数の暴力で止めろ。
言うまでもない事だが、カウンターを主戦術にするからには先制点を与えたら全てが終わりだ。そのつもりで戦え!」

全日本メンバー『はい!!』

475 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:04:01 ID:cT1zv6Kl
〜ハンブルガーSV控え室〜

同時刻、ハンブルガーSVのロッカールームではスタメン発表の終了と同時にドアが開き誰かが入ってきた。

ガチャリ。

席を外していた若林である。

ハンブルグ監督「戻ってきたか。お前はスタメンだぞ」

若林「はい」

メッツァ「誰だったのあの人達?なんかやたら金持ちっぽそうだったけど」

若林「…親父と兄貴達だよ。奴らのあんなに機嫌が良さそうな顔は初めて見たぜ」

自嘲気味に笑う若林の見るからに苦々しい表情にチーム全体にもどかしい雰囲気が漂う。
それを破ったのはカペロマンの一言だった。

カペロマン「なあ、前々から思っていたんだが…お前の家柄ってやっぱり、
跡継ぎじゃない次男や三男はスポーツや芸術で名を上げろってクチか?」

若林「………フン」

ポブルセン「ケッ。裏を返せば遊んでいても生活は保障されるって事だろ」

カルツ「(金持ちには金持ちの苦労があるって事だな。だが)そんな事はどうでも良いぜよ。
ワシらハンブルガーSVは今日、全日本を倒しこの大会で優勝する。それだけ考えて戦おうぜ」

ハンブルグメンバー『おう!』

若林「(そうだ。今日こそ俺の力を示し、森崎にトドメを差す!翼に勝った俺にもう怖い物は無い!)」

476 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/02/18(木) 21:04:25 ID:cT1zv6Kl

初音「皆さんお待たせしました!作者の代理にしてチーム戦力紹介担当の塩田初音です!
いよいよ若林くんと雌雄を決する時がやってきました!怠け心を克服し原作通りの強さを手に入れた彼は
キャプ森ワールドでも5本の指に入る強大な守護神よ!覚悟を決めて挑んでね!」

全日本ユース 5−3−2
−H−−− H日向
−−−J− J三杉
−−−−−
G−−−F G中里 F葵
−−I−− I松山
A−−−B A早田 B中山
−CDE− C赤井 D次藤 E石崎
−−@−− @森崎

ハンブルガーSV 4−4−2
−J−H− Jヤラ Hクラウス
−−−−−
G−I−F Gメッツァ Iポブルセン Fカペロマン
−−E−− Eカルツ
−−−−−
−−D−− Dマイヤー
−ACB− Aリンツ Cハーネス Bゴンゲルス
−−@−− @若林

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