キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】

1 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/22(金) 19:35:21 ID:PrCX1H7o

この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションで…
  とある貴公子と仲間達のサッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。

344 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 15:54:00 ID:7XZqzcWk


345 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 16:06:40 ID:0CfVHCEg
B

346 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 17:27:59 ID:nwQF328c


自由選択があれば、あの頃の自分を見ているようだった、と告白するつもりだったけど

347 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 17:32:22 ID:bYFHmOGo
C

348 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 17:42:38 ID:7cFJ+Ijo
C
今なら話してくれるよね

349 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 17:51:05 ID:2xDvlteY


350 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/26(金) 19:07:53 ID:???
>B 「早く治して戻って来い、このフィールドでもう一度勝負しよう。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「早く治して戻って来い、このフィールドでもう一度勝負しよう。」

迷っていたが…出てきた言葉は三杉のサッカー選手としての素直な気持ちであった。
それはミハエルへの激励であり、そして自分が勝ったと思っていない事を暗に告げる言葉だった。
この三杉の言葉に対し、ミハエルは僅かに目を伏せ、「そうありたいものです。」と答えた。
微笑んではいたが、その言葉はとてももの悲しく聞こえた気がした。
状況のせいに違いないと三杉は思ったが、本当の所は彼には解らなかった。

それっきりミハエルは口を閉ざし、やがて到着したタンカによって運ばれていった。
三杉もその姿を最後まで見送ったが、結局彼にはミハエルと通じ合えた実感は得られなかった。
何故あれほど敵意を向けられていたのか、そして何故試合の中で和らいでいったのか?

三杉(何か…彼とは通じ合えるものがある気がしていたけれど…
    試合の中で、プレイの中で少しずつ理解していっていた気がしていたけれど…。)

モヤモヤした感情が残ったが、しかしそれを待ってくれる時間はなかった。
ユヴェントスの選手交代が告げられ、試合が再開されようとしていたのである。

351 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/26(金) 19:11:36 ID:???
それから試合終了までの6〜7分…バティンとカルバリョは猛然と抗い続けた。
高い位置からでも懸命にボールを追い続け、フィオレンティーナに最後まで余裕を与える事をしなかった。
ブンナークと新田がガス欠となっていたフィオレンティーナもこれ以上攻める力は無く、
低〜中盤での懸命なボール争いを余儀なくされた。

そして…




ビッッピッッピィィィィィィィィィッッ!!!


観客「負けた…フィオレンティーナに……」「3点差とはなぁ…」「弱く無かったよな、あいつら。」
 「ああ、奴等(フィオレンティーナ)が強かったんだ。」「こうなったら優勝しやがれ、バカヤロー!」

点差を詰められる事なく、三杉達は無事に試合終了の時を迎えられたのだった。
サポーター間では宿敵同士と言われているユヴェントスを相手に貫禄の勝利を収めたのである。



フィオレンティーナ  4 − 1  ユヴェントス

<ゴール> ブンナーク(3)、新田(1)、バティン(1)
<アシスト> 三杉(1)、カルバリョ(1)

352 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/26(金) 19:13:35 ID:???
ユヴェントスとの長かった試合がようやく終了ー
と、言ったところで本日は終了です。
次回からは再び幕間です、相変わらず長くなりそうな悪寒がしています。
それでは皆さん良い週末をー。

353 :森崎名無しさん:2010/11/26(金) 19:14:00 ID:???
乙でしたー

354 :黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2010/11/26(金) 19:18:31 ID:RdI6SA6g
乙でした!

355 :森崎名無しさん:2010/11/27(土) 17:30:25 ID:???
復活してたの知らずに見逃してたー!
乗り遅れどころの騒ぎではありませんが、
ご復帰おめでとうございます&ユベントス戦乙でした!
大好きなシリーズなのでこれからも頑張って下さい!

……しかしレントゥルスさんには一体何が憑いてるんだろうかw

356 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:14:20 ID:???
>>353 乙感謝であります!
>>354 ジノさんありがと! 次スレもガンバなんだぜ!
>>355 どうもです、恥ずかしながら帰ってきてます!
    またこれからも御参加下さると嬉しくてニヤニヤしちゃうのさ!
=====================================


実況「試合終了、勝ったのはフィオレンティーナ! それも3点差のワンサイドゲームでした。
    とにかくシュート数が違いました。 ユヴェントスがたったの3本なのに対し、フィオレン
    ティーナは7本! クリアや反則で阻止された分を合せれば軽く二桁に乗ります。
    まさに中盤争いが勝負を決めた一戦だったと言えます。」

アナウンサーの説明は正しく、試合を決めた要因を的確に示していた。
当然ながらユヴェントスの最終ラインは堅く、ブンナークと新田という性質の異なる
FWが全てを出し切っても実際の決定率は決して高くはなかった。
それでもこの結果を演出できたのは、それを押し切る攻撃の手数による物と言えた。


ヘルマー「…と、言うわけでフィオレンティーナの圧勝なわけだが。」

ランピオン「グッ……クソ…! (ギリギリギリ)」

ヘルマー「怒りの鷹君は放置するとして…これはどうなんだ、フィッツウォルタ?」

この結果には流石に唸らざるを得なかったトーマス・ヘルマーが意見を求めた。
求められた方は顎に手をやりながら、いまだ余裕を崩さず微笑んでいる。
ASローマの看板は、表向きはランピオンとヘルマーの2人であるが、
その実、頭脳としてチームの骨格を決定し、動かす信号を発しているのは間違いなく彼であった。


357 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:16:56 ID:???

フィッツウォルタ「うん、楽しみだねぇ。」

ヘルマーが期待したのと違う答えがフィッツウォルタから返された。
まったくかすりもしない回答に、ヘルマーは頭に痛みすら感じた。

ヘルマー「いや、そうじゃない…こんな試合見せられて不安を覚えたオレの気持ちを察してくれ。」

フィッツウォルタ「ローマにはそんなサービスないよ、普段通りやるだけさ。」

ヘルマー(グッ…理論の塊みたいな人間のクセして、どうしてこうなんだコイツは…!)

聞いた自分が馬鹿だったと、グッと堪えるヘルマー。
いかにもドイツ人気質の彼は、感覚的な物言いが苦手であった。
そんなヘルマーの様子を意地悪そうに横目で覗きつつ、フィッツウォルタは頭の中で思案していた。
ほとんど組みあがっているフィオレンティーナの攻略法、その微調整についてである。


358 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:18:05 ID:???
グラウンドでは、両チームの選手が様々に思うところを留め、あるいは吐き出していた。
ユヴェントスの選手達は当然軒並み突っ伏し、その悔しさと自身への怒りを表している。
ディーノは涙を流し、ジェンティーレは血が出るほどに拳を握っている。
ファケッティやスカラは混乱し、妙な事を口走る。
セザールは黙ってうな垂れ、ユルゲンは炭酸が飛び出るかのように号泣していた。
カルバリョも同様に悔しい思いを抱えていたが、彼はそれを押し殺してダラピッコラに話しかけた。

カルバリョ「よぅっ! 今日はやられたな、ロマーノ。」

ダラピッコラ「ミゲル…。」

カルバリョ「まさか負け越すとは思わんかったけどな、地力は俺の方が上っぽいし。」

ダラピッコラ「チッ、抜けぬけと言いやがるぜ。 …まぁ、本当の事だけどよ。」

痛い所を突かれてムッっとしたダラピッコラだが、結局は「その通りと」頷いていた。
その様子をカルバリョは意外そうに見返した。

カルバリョ「ふーん。」

ダラピッコラ「な、なんだよ。」

カルバリョ「なんか憑きもんが落ちたみたいやんな、試合中はそりゃ凄い顔しとったのに。
       ぶっちゃけ少し引いたで、オレなんかしたんやろかって。」

ダラピッコラ「あっ…」

359 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:19:44 ID:???
言葉が詰まるダラピッコラ。
納得せずに生きた遠く長き日、そこに溜まりきった負の心。
筋違いと理解しつつも目の前の幼馴染を憎み、それをぶつけようとした自分。
だが彼は試合の中で、自分の内なる恩讐を乗り越え、ジョカトーレとして戦い抜いた。
そして今、彼の心にあるのは爽やかな風だった。
ただミゲル・カルバリョ勝つだけで、今のこの気持ちを得られたであろうか?
彼は自問自答する。

ダラピッコラ(きっと…出来なかった。  解らなかった…オレ一人の小さな心では!)

ドッと巨大な感情の波が押し寄せ、彼の心の防波堤を崩壊させた。
涙が溢れ、なおも次から次からと零れ落ちていく。
彼は今、心の中の両親にサヨナラを告げ、そしてこれから先…
一生を掛けて戦っていくべき敵を見定めたのである。

カルバリョ「おおお、おい! なんなん!? オレなんかした!?」

ダラピッコラ「ちが……お前、は…悪くね…。」

右手で嗚咽を押し殺し、ダラピッコラは泣いた。
ひとしきり涙を流し、落ち着いてから再び口を開いた。


ダラピッコラ「また…勝負しような、ミゲル。」

360 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:20:58 ID:???
笑顔でそう言われたカルバリョは、頭上に疑問符を沢山浮かべていた。

カルバリョ「解らん奴やな…今度はそんなイイ顔しおって。」

ダラピッコラ「へヘッ…お前には解んねーさ。」

カルバリョ「へーへー、好きにしたらエエがな。 ほんじゃまたな。」

ダラピッコラ「ああ、“また”な…。」

カルバリョは呆れつつも、毒気の抜けた幼馴染の様子に満足して去っていった。
彼は彼なりに、幼き日を共に過ごした相手を心配していたのだった。
安心してリベンジを心に誓う事が出来た…というわけである。

ダラピッコラ(オレが憎む敵、闘うべき敵はお前じゃなかったよ、ミゲル。)

振り返り、ダラピッコラは三杉の元へ駆け寄った。
今の思いを聞いて欲しかったのだ、恩人とも呼べるキャプテンに。


三杉「もういいのかい、ダラピッコラ?」

ダラピッコラ「ああ…グラッツェ、ディ・モールト・グラッツェ!
        お前のお陰でオレはオレの行く道が見えた!」

三杉「おめでとう…その行く道とやら、もしや僕に聞かせて貰えるのかな?」

ダラピッコラ「ああ…聞いて欲しいんだ、お前に。」

361 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:23:18 ID:???
一旦息を吐き、笑うなよ、と一言前置きしてからダラピッコラは再び口を開いた。

ダラピッコラ「今までオレは生きていく為にカルチョをしてきた、それしか選択肢が無かったから…。
        生きていく為に、食っていけるようになるためにと必死でやって来た。
        でも今日からは違う…オレはカルチョでスター選手になるんだ。」

子供が夢みがちに口にするような事をダラピッコラは言った。
それを聞いた三杉に、そんな彼の言葉を笑いたい気持ちはなく、ただ静かに頷いた。

ダラピッコラ「それでな、いつかオレは稼いだ金を使って基金かなんかを立ち上げるんだ。
        麻薬撲滅とか、中毒者を更生させるような…って、笑うなよ!」

三杉「ハハッ、いや違う、これは違うんだ。 なんだか嬉しくなったんだよ。
    って、痛いな! はたくな、悪かったからはたくな!」

麻薬は間接的にも人の人生を狂わせる…ダラピッコラの人生がまさにそうだった。
そして、その彼が人生を掛けて戦う事を決めたのは“麻薬”その物だった。
ダラピッコラは過去の鎖から一つ解放され、新しき道を歩もうとしていた。
その道は当然険しいだろうと予想されたが、それでも彼は既に誇り高い精神を宿していた。
そんな彼の行こうとする未来への軌跡が、三杉には眩しく映ったのである。

362 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:24:48 ID:???
ダラピッコラ「あ、そうだ…!」

三杉「うん、まだ何かあるのかい?」

ダラピッコラが思い出したように声をあげた。
一通り話す事は終わったと思っていた三杉は「はて」と聞き返す。

ダラピッコラ「いや、実は今日の試合で学んだ事が凄くあるんだ。
        明日からそれを物にしようと思っているんだけどよ…。
        お前はオレに当面どんな事を望む?」

三杉「望むと言うのは…つまり、どういう事だい?」

ダラピッコラ「ああ、すまねぇ…具体的には選手としての方向性だよ。
        それを選択できるくらい、今日の試合は学ぶものがあったって事さ。
        チームとして、オレはどんな成長をするべきだ?」

そう言って、ダラピッコラは今自分が掴めそうな方向性を4つ挙げた。
三杉は暫し思案し、ダラピッコラに答えを告げた。

三杉「そうだな、チームとして必要なのは…」


A タックルのスペシャリスト(スキル・タックル+2取得)
B 頼りになるブロッカー(ブロックフラグA回収&ブロック値+1)
C オーバーラップが出来るSB(スキル・サイドアタック+2(通常は+1)取得)
D 状況を打破するコンビプレイ(レントゥルスとのワンツー技が進化&ツインタックルフラグ取得)

3票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
当然ながらこれはダラピッコラのお願いを聞いて勝利した事へのボーナスです。

363 :森崎名無しさん:2010/11/29(月) 20:26:25 ID:NpHcJ1+c
A

364 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 20:29:45 ID:???
現在Aが1票かな。
はい、今日はこれだけなんです。


関係ないけれどウイイレ11が発売になったので、型落ち値下げの10を買いました。
今回はWiiのプレーメーカーですけどね。
操作が難しいけれど、これまでの感覚を一新する斬新なゲームですね。
これはハマッてしまいそうな悪寒です。
そんな感じで、早速EDITで選手をつくりまくってますw

というムダ語りでした、ではまた次回。

365 :森崎名無しさん:2010/11/29(月) 20:47:06 ID:8CS1d8NU


366 :森崎名無しさん:2010/11/29(月) 20:48:19 ID:PpEEsFg6


乙でした。
そういえばウイイレ10を使って、ゲームキャプ翼の続編っぽいのを作ったという動画があったなぁ。

367 :森崎名無しさん:2010/11/29(月) 20:51:06 ID:???
Aは即効性があるのが嬉しい
レントのタックルが低いから尚の事
でもコンビプレイも攻撃参加、守備参加、レントとのダブルボランチ可と夢が広がるんだよな

368 :森崎名無しさん:2010/11/29(月) 21:24:08 ID:AnFph9HA
A

369 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/11/29(月) 22:05:47 ID:???
>>366
キャプテン翼Rockですねわかります。
大好きなシリーズでしたよー、実に良かった。
噛み噛みさんまた新しいシリーズやらないかなー。

370 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/01(水) 19:03:54 ID:???
>>366 改めて乙感謝でーす
>>367 色々考えてくれて嬉しいです。
===============================================

>A タックルのスペシャリスト(スキル・タックル+2取得)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ダラピッコラ「タックルのスペシャリストか…」

三杉「そう、今日の試合でキミがこなした役割その物さ。」

答えを反芻したダラピッコラに対し、三杉は大きく頷いた。
この答えはダラピッコラも満更でもないようだった。

三杉「今日の試合でもハッキリしたからね・・・君のタックルへの適正と、その重要性が。」

カルバリョの速攻を止めた3手、そしてミハエルの突破を阻止した1手。
これらがバティンのシュートをたった2発に抑え込んだ大きな要因になっているのは明らかだった。
敵のドリブラー、あるいはサイドアタックを抑えられる存在の意義は余りに大きいという事である。

三杉「それに・・・この分野だったら誰にも負けないと言える武器を作っておく事は重要だよ。
    ・・・さっき、君が目指すと言っていたスター選手になるためにはね。」

ダラピッコラ(なるほど・・・。)

・・・こうしてダラピッコラは、タックルのスペシャリストを目指すようになった。
彼のタックルへの適正は疑う所がないと言えるが、それでもまだ道は険しいと言わざるを得ない。
トッププロの中でタックルの名手と言われる存在には、敵のエースを抑え込む“エースキラー”や、
サイドアタックを確実にシャットアウトする“S.A.キラー”のような者達がいる。
彼がその高みにまで達する事ができるのか・・・それはまだ誰にも分からなかった。

※ダラピッコラがスキル・タックル+2を取得しました。

371 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/01(水) 19:05:35 ID:???
ダラピッコラが開花しかけている才能の行く末を見定めていた頃、
少し離れた場所でも小さなドラマがあった。


先着で
 ★な、なんぞ?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→バンビーノがユヴェントスのベンチを見つめていた。
ハート→マルコが自分のプレイについて悩んでいた。
スペード→小柄な少年が目をキラキラと輝かせていた。
クラブ→バティンが地面に拳をくように悔いていた。
JOKER→スレ主が自棄になった! 上の全部書いちゃうぜ!


短くてすみませんが今日の更新はこれだけです。ではではー

372 :森崎名無しさん:2010/12/01(水) 19:06:30 ID:???
 ★な、なんぞ?→ スペードK
おーつ

373 :森崎名無しさん:2010/12/01(水) 21:18:31 ID:???
おつ
これはもしかして、少年にサッカーボールじゃなくトランペットをあげるフラグだねw

374 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 12:16:18 ID:???
>>372 あざーす
>>373 ざんねーん、違うんですねこれがぁ
===============================================


>スペード→小柄な少年が目をキラキラと輝かせていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

それはスタンドの隅っこでの事、大きな瞳を輝かせて立っている少年が居た。


少年(やっぱり凄かったなぁ、フィオレンティーナの10番。)

160cmに達しているかどうかという小柄で華奢な体躯、まるで少女のような顔立ち。
黒に近いダークブラウンの髪の毛は少しだけクセが付いており、瞳の色はブルーであった。
どうやら彼は今日の試合を観て、三杉のプレイにドキドキと胸を弾ませたようである。

ちょっとばかり顔立ちが良いのを除けば、どこにでも居そうな少年・・・
だがこの少年の全体像には違和感を感じさせる要素が一つあった。

それは、その細い外見に似つかわしくない服装である。
紺地に黄色のラインが入ったジャージ・・・知る人が見れば一目で判るその服は、
うまりACパルマの公式ジャージであった。

375 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 12:17:20 ID:???
??「おぉい! こんな所に居たのか!」

ボケーッと立ち尽くしている少年を呼ぶ声が、少し離れた場所から聞こえてきた。
声の方に目をやると、弱った表情した男が駆け寄ってきていた。
ストレートブラウンの髪を少しだけ伸ばした相手は、少年と同じジャージを着ていた。
身長は172cmと一回り以上大きく、肉付きも大分ガッシリとしている。
少年は相手の事をよく知っていた。
同郷ナポリでストリートサッカーを一緒にしてきた長い付き合い。
少年は相手の名前を口にした。


少年「あれ、ファビオ?」

ファビオ「“あれ?”っじゃねぇよ・・・トイレに行ったっきり何十分帰ってこないつもりだ?
      シューマッハの奴もカンカンだぜ、団体行動を乱すなーーって。」

少年「ハハッ。 ごめん、つい見入っちゃってた。」

ファビオ「はぁ〜、頼むぜ・・・。」

ファビオと呼ばれた男は呆れて溜息を吐きながら、だが少しばかり意外さを感じていた。
目の前の少年が口にした、「試合に見入っていた」という言葉にである。
ファビオは少なくとも、この少年が試合に見入ったり誰かのプレイに夢中になる姿を知らなかった。
昨年、ジュニアユースで欧州No.1に輝いた時の大会でだって、こんな反応を見せなかった。
ファビオは知りたくなった、この少年を魅了した物を。

『イタリアの恋人』と呼ばれ、若干15歳にしてイタリアサッカー界を背負って立つと言われている、
この少年・・・・・・ マルコ・クオーレが注目した物の正体を。


※いったんここまでー

376 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 19:37:34 ID:???
ファビオ「なあマルコ・・・さっき見入ってたっつってたけどよ、
      お前が気にするような奴なんて居たか?」

クオーレ「え・・・?」

そんな選手、ファビオにはミハエル・ドノヴァンくらいしか思いつかなかった。
予選リーグの最終戦で、信じられないくらい抜かれまくった屈辱は記憶に新しい。
あの時は自分の後ろをクスタがカバーし、さらにシューマッハが神セーブを連発した
お陰で1失点で済んだが、本来はもっと競った試合になってもおかしくなかったと思っている。

ファビオ(流石にあの時は世界は広いと思わされたが・・・)

それでも試合を動かすファンタジックな力は、ミハエルよりもクオーレの方が上と思っていた。
だからこそファビオは気になった。 クオーレの注目しているのが何なのかを。

クオーレ「うん、フィオレンティーナの10番。」

ファビオ「そうか・・・フィオレンティーナの、って、えっ?」

思わずファビオは聞き返していた。 フィオレンティーナの10番、確かジュン・ミスギと言った。
思い出してみて、ファビオは軽く唸った。 アシストを決めた時のパスは確かに非常に鋭かったと思う。
だが同じくジュニアユースで共に戦った、ミランのアンドレアも近いレベルのパスを出していた筈。
同じ年代であれば、きっとアンドレアの方が上であろうと彼は信じていた。
またドリブルについて言えば、これは前述の通りミハエルの事を彼は評価していた。

377 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 19:40:44 ID:???
イマイチ合点がいかず戸惑い気味なファビオとは対照的に、クオーレは若干興奮気味に頷いていた。

クオーレ「うん、凄いよあの人。」

ファビオ「まあ・・・レベルの高い選手だとは思うけどよ、お前がそんな風に言う選手かなぁ・・・。
      それだったら、アンドレアやミハエルの方がスゲェかもと思うンだけど。」

クオーレ「そうそう、アンドレアみたいな感じでもあるよね。
      でも、何だろう・・・それでいてアンドレアとは違うんだよねぇー。」

話がイマイチ噛み合っていない事で、ファビオはガクッ膝を折った。
どうやらクオーレの頭は目の前の会話ではなく、未だにさっきの試合にあるようだった。

ファビオ(アンドレアみたいで違う・・・か、、意味が解らん。)

クオーレ「ほら、インテル戦でフィオレンティーナがPKを貰った時の事を覚えてる!?」

ファビオ「う・・・いや、確かそん時って居眠りしちまってたっけ・・・。」

クオーレ「あー、そっか。 ファビオは観てなかったんだっけね。」

そう言って頬を膨らますクオーレだが、別にそう気にした様子はなかった。

378 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 19:42:42 ID:???
クオーレ「ま、いっか・・・とにかく今日もPK貰うプレイをしてたけど、
      その時やっぱり思ったんだよね、インテル戦の時と同じ・・・
      あの10番の“時間”になっているんだって。」

ファビオ(!?)

その言葉を聞いてファビオは仰天したと言っていい。
“〜の時間”だなんて、それはまるでクオーレの事を言っているようではないか。
クオーレの事を特別な存在と、憧れさえ抱いているファビオが聞き逃せる話ではなかった。

ファビオ「そ、そんな事ねぇよ!! そんな影響力を持った選手のわけねぇって!」

クオーレ「え? ・・・・・・そうかなぁ、凄いと思うんだけどなー。」

ファビオ(マルコみたいな“ファンタジスタ”が他に居るって!?
      そんな事・・・絶対に有り得る筈がねーぜ!)

ファビオはギロリと視線をフィールドに向け、紫色をしたユニフォームの10番を探し・・・
そしてそれはすぐに見つかった。 少し赤みを帯びたダークブラウンの髪、ジュン・ミスギの姿を。


379 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/02(木) 19:44:12 ID:???

ファビオは自身が意識するしない如何ではなく、三杉の事を意識してしまった。
もしもフィオレンティーナと当たる事になったら絶対に止めてやる、と。
マルコ・クオーレが誰より上なのだと信じているが故に・・・である。


※パルマに所属しているマルコ・クオーレいうファンタジスタの存在が明らかになりました。
※パルマに所属しているファビオ・カステッリーニいう選手の存在が明らかになりました。
※マルコ・クオーレが三杉に興味を持っている事が明らかになりました。
※ファビオ・カステッリーニが三杉の事を意識しました。


※原作から、三杉にはロジックだけでなくイマジネーションも有るとスレ主が思っているため、
 今回のように表現しました。・・・が、今作では三杉にスキル・ファンタジスタの適正はありません。
 どうぞ御理解をお願い致します。
 あと、本日の更新はここまでです。次回も宜しくお願い致します。

380 :森崎名無しさん:2010/12/02(木) 22:30:33 ID:???
ゲェー!?ファンタジスタ二人目!?
ファンタジスタのデメリット次第だがパルマ戦はヤバい事になりそうだ
そういえばパルマって監督の元ネタがアレでDFが三人ってことはフラットスリーってやつなのかな
サッカー詳しく無いんで単語しか知らんのだが

381 :森崎名無しさん:2010/12/02(木) 23:45:24 ID:???
ファンタジスタではないレジスタだ!


ハイ強がりです…ファンタジスタ怖いです
早急に強くならねばフィオレンティーナ

382 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 13:18:04 ID:???
>>380 パルマの監督の元ネタから戦術を割り出すのはgoodな感じです。
    対策を考える参考になるかと思いますぜw

>>381 そうそう、レジスタなのです。
    パルマ戦は断然きつくなる予定なので御覚悟をー!


ちなみに今回登場したマルコ・クオーレ及びファビオ・カステッリーニは漫画“ファンタジスタ”の登場キャラです。
以下にwikiのURLを示しますので、御参考にどうぞ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%BF_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)

時間軸としては今回、ファンタジスタ作中での彼らの初登場時(JYカップ)よりもさらに1年以上前を想定して考えております。

383 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 13:22:26 ID:???
〜フィオレンティーナ 控え室〜

その後 三杉らは控え室に戻り、アンザーニに迎え入れられていた。
前半終了時には皆どうなるかと思っていたが、無事勝利でここに戻る事が出来、安堵していた。

アンザーニ「皆さんお疲れ様でした。ユヴェントスを相手に3点差で勝利、素晴らしい結果です。」
       だが気を緩めるのは少しお預けにし、まずは統括といきましょう。」

アンザーニの言葉に選手達は喜びのザワメキを止め、再び気持ちを戻した。
まだこの試合で終わったわけでなく、戦いは続くのである。
今日の経験を後に残す為、記憶の新しい間にミーティングをする必要を誰もが理解していた。

アンザーニ「さて・・・今回このような圧勝で試合を終える事ができたわけですが・・・
       正直に言えば、私は個人レベルの力ではユヴェントスの方が上だと思っていました。
       そして、今でもそうだと考えています。」

ザワザワと選手の間で驚きの声が上がった。
3点差をつけた相手に個人レベルでは劣っていると言われれば、流石にどよめきも起ころう。
構わずアンザーニはゴホンと咳き込むと・・・


先着で
 ★白髪鬼のターン?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→ブンナークの方に身体を向けた。 ゴゴゴゴゴ
スペード、クラブ→そのまま皆を見回し、話を続けた。
JOKER→ブンナーク、マルコ、ミュラー、スペルマンに体を向けて白髪鬼ターイム! ジャンジャンバリバリいくよー!

384 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 13:26:47 ID:???
★白髪鬼のターン?→ スペードQ


385 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 14:27:05 ID:???
ダイヤかハートでブンナークのシュート2万本特訓だったのかー?

386 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 15:28:50 ID:???
いつかバンビーノが言ってた一世代下のイタリア勢ってファンタジスタの面子だったのか
ファンタジスタのキャラが参戦しているってことは、ミランにはアンドレアがいるのが確定でひょっとしたら坂本やトトがいるかもしれんのか
…あれ?強くね?ミラン


387 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 16:33:50 ID:???
ブンナーク、マーク判定に限って引きが悪いw

388 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 16:45:27 ID:???
>>386
ファンタジスタよりも前の話みたいだから坂本もトトもいないでしょ
安心したけどちょっと残念

389 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 17:00:41 ID:???
>>385 アンザーニ「ほっほっほ、秘密ですよ。」
>>386 轍平「俺? 俺はまだ島におるとよー。」
    ・・・って思ってたら関連スレ4の697に巨大なミスがーーー!!!
    バンビーノ「その後 日本で行われた大会でも優勝。」←これ嘘、嘘です!
    やっちゃったーーー! この大会まだ行われてません! なんてこったーーー!

         ,r_.ェ-_、_
          /::と Z つ:::`ヽ、
         /::::::::::::(._フ" ):::::::::ヽ
       ':::::::/:::::::::`'''´::::::::::::tタ',
       l:::::::f:::(((ぅ:::l::::i:::l::::::l:::l:::',
       l:::::::i:::::::l:_:_:|_:_凵⊥l-|:l::|
      ',:::::::!::::::|で6ラ')ノィ5ラ川
       ヽ::::i::::::l  ''"'( ::{;i::::j::リ`二ヽ-、 __  
       {ヽ::l::::::l     、.ノ::://ニ二:.eヽ ヽ‐=' O)  
       ハ \:::::l  ∈=':〃ニニニ::.’i }e、ヽ ̄
      ム e,\ヽドェ.、二ノ=-‐'`iニFl |  e、\
     /ヾ〉  e、`r― - = 二⌒i lニF|e|、_e、
   /e、 ヾ〉 e、  \ _/ (r \| |-F|’| \ e、
  /  e、  ヾ〉  e、 //"   \rぅ|eF|el   \
 {e、\  e、ヾ>、/ l |l  \_.ノ´l’E|’!
  \._ `ミ>、/ ,イ[|l ll 、ヽ、.ノ, ,' 〃| l
   ヽ ,e´//e' rタ´e' `7''`r'' // (()j l
    \ /´{ rタ'´e' e'/ e、∨/ e、 ¨ l
なめた事してんじゃあねーぞッ! このクソスレ主がッ!
もう一ペン同じ事をやりやがったら てめーをブン殴るッ!!


>>387 ブンナークはスキル・ハートが弱いを持っていてもいいかもですねw
>>388 はい、その通りですが上記のミスが過去にあったのですよーーー。
    すみません色々ーーーーー。

390 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 17:01:47 ID:???
>スペード→そのまま皆を見回し、話を続けた。

ブンナーク(確かに・・・CFWとしてはバティンの方が実力が上だったかも知れねえ・・・)

個人の力ではユヴェントスが上だったという言葉に、ブンナークの表情には動揺が浮かんでいた。
前半終了間際、バティンが決めたシュートの威力に自信を奪われかけた事を思い出した。
最終的に自らの脚で自信を取り戻す事ができたが、そのせいでハーフタイム中は回復に専念できず、
後半途中からほとんど足が止まる羽目になったのだ。 この試合ハットトリックを挙げたとは言え、
2点目以外は満足できる物でなかった以上、彼は胸を張れていなかった。
そんなメンタル面の弱さを含め、彼はバティンより劣っていたと思わざるを得なかった。

ブンナークだけでなくマルコやミュラー、スペルマンらも、個人での実力で勝てたと思っていない。
またこの試合は大活躍であったダラピッコラですら、自分がカルバリョより上とは到底思っていなかった。
これらの反応から『個人の力で勝ったのでは無い』これを理解していると察したアンザーニは頷く。


アンザーニ「そう、個人の力では確かにユヴェントスは格上だったのです。
       ではそんな相手に何故3点差も離す事が出来たのか・・・解りますか?」

三杉(圧勝する事が出来た理由・・・か。)


A 僕が攻守に渡って活躍したからかな。
B ハットトリックを決められるブンナークの存在があったからかな。
C ダラピッコラが敵のサイドアタックを何度も止めたからかな。
D ミハエルを抑える事ができたからかな。
E 一度もリードされずに済んだからかな
F ユヴェントスが自身の実力を活かす戦術を選んでいなかったからかな。
G その他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

391 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 17:19:09 ID:bL3DOXAc


392 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 17:20:25 ID:CA9aKO6w
F

393 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 17:20:43 ID:PRIGI9fk


394 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 17:27:36 ID:TkswlGG2
E
2点のリードで無理に攻め込む必要がなく、腰を据えた守備ができたのがでかいと思う。
ユヴェントス十八番のカテナチオからのカウンター対策が自然とできていた
これが勝因かと思われる。
無論三杉、ブンブン新田、ダラピの存在も非常に大きかった。

395 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 18:21:35 ID:OvVFBOAk
G 一度も後手に回らなかった事。
相手の人数差を消せる新田で崩して破壊力のあるブンブンが詰めるパターンがハマったから。
そしてファケッティさんの活躍が勝負の鍵を握っていた。

396 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 18:22:55 ID:jOMteAbo
G>>395

397 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 18:28:02 ID:cx5mXLQg
E

398 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 20:12:54 ID:???
あれれ、2票だったのに沢山入ってる。
ですがまあ、真っ先に2票入ったFを有効とします。
ですが>>394さん、>>395さんもありがとうございました、実に慧眼です。
===============================================


>C→ユヴェントスが自身の実力を活かす戦術を選んでいなかったからかな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フム・・・と三杉は検討してみた。
ダラピッコラやFW達の活躍など、各シーンでの成功も理由にはなる。
けれども監督が求めている答えは、違う所に在る気がしていた。

三杉(例えば戦術面・・・彼等は有効な戦い方が出来ていただろうか?)

ユヴェントスの実力は確かに間違いのない物だった。
しかし結果としてシュートまで持ち込めたのは、たったの3度きり・・・
その辺りについて考えてみて、三杉の口からはこの答えが導かれていた。

三杉「ユヴェントスは、自身の実力を活かす戦術を選べていなかったのでは・・・?」

アンザーニ「ほう、その根拠は?」

三杉「そうですね・・・例えばユヴェントスは執拗にカルバリョのオーバーラップを使ってきました。
    確かに彼の攻撃力は一目を置く価値はありますが、その反面で守備陣はカテナチオを組めず、
    最終ラインが脆くなっていました。 また僕達は彼のオーバーラップを視野に入れており、
    二段構えで備えていた事が功を奏し、逆にカウンターで得点を重ねています。」

399 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 20:14:15 ID:???

アンザーニ「ふむ・・・ではユヴェントスはどのような戦術を採るべきだったと思いますか?」

三杉「ミハエルによる単独突破です。」

三杉の答えは明朗であり、それは彼自身がミハエルのドリブルを抑え切れなかった事を示していた。
そして三杉は続けて言葉を紡ぐ。

三杉「・・・ミハエルの突破は想像以上でした。 ハッキリ言って戦術が通用しない。
    恥ずかしながら、彼の突破を一度止められたのは偶然うまくいったからです。
    ユヴェントスがシュートまで持っていけた3度中、2度はミハエルだけの力です。
    ユヴェントスが彼をもっと上手に使っていれば・・・いや、彼をもっと自由にしていれば、
    僕達のピンチのシーンはもっと増えていた筈です。」

アンザーニ「そうですね、確かにそれは否めません。
       ミハエルくんには何度も脚を酷使できない事情があったようですが・・・
       それでも後半は彼の突破を選ぶシーンが少なかったように思えます。
       またマークをしていても気付けばフリーになっている、という彼の特技も
       結局息を潜めたままでした。 けれども・・・それだけでは80点ですね。」       

アンザーニはもう一つ有効な選択肢をユヴェントスはほとんど使わなかったと言った。
それを使っていれば、カルバリョのオーバーラップを多用する必要はなかったとまで言い切った。

400 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/03(金) 20:20:15 ID:???

アンザーニ「そういう選択肢もある・・・と警戒を誘うだけで十分だったのです、
       カルバリョくんのオーバーラップはね。 それだけリスクが大きかった。
       そしてそれに代わるべき選択肢・・・判りますか、三杉くん?」

当然フィオレンティーナもそのプレイは十分ケアしていましたが・・・と、
イタズラっぽい笑みを浮かべながらアンザーニは再び問いかけてきた。

三杉(ミハエルの突破、カルバリョのオーバーラップ以外の有効な手・・・なんだ?)


A ファケッティの縦パス。
B バティンのロングシュート。
C シレアサイドのオーバーラップ
D ジェンティーレのオーバーラップ
E わからない、わからないぞ!

※本日はここまでなので、「3」票選ばれた選択肢で続行します。
 (投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


今日もお付き合い頂きありがとうございました。 なんか過去に大きな間違いがあったり恥ずかしいです。
それから選択は、基本2票、次の更新が翌日以降と時間が空く場合は3票としていました。
この辺は厳格に決めずともいいかなと思ってたんですが、混乱させてしまったようでゴメンなさいです。

401 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 20:43:52 ID:???

実はですね、2票決と分かってて投票しましたwww
他の方もそうかとww

A・ファケさんのパスはカットできずともバティンやミハエルが競り勝つ保障は…
とここまで書いてミハエルはフリーになる天才だったか。

B・後半ラムパンチなら入るけど、中山と見せてないけどシャドーシールドは無理か

C・バンビ抜けば三杉も無視できないから中央やダラピサイドは緩くなる。
けどそういう時こそのスペルか?…バンビ(新田orレント)相手はきついか

D・守備の要の要だからそう何度もできる物でもないよね。

402 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 20:45:27 ID:CA9aKO6w
A

403 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 20:49:19 ID:OvVFBOAk
後半なら一発一発が脅威なAが上策。
前半ならBが有効、リスクを負ってまでカテナチオを崩すDは下策か?

でも振るわない連中に奮起を促す意味でも敢えてCを挙げたい。

404 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 20:52:13 ID:TkswlGG2
A
ここは素直に元祖ピンポイント→レオヘッドの極悪コンボを押す

405 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 22:45:06 ID:CA9aKO6w
未定あげ

406 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 22:51:12 ID:???
後半ラムカーネが弱ったならバティンのロングでも危険でしょうがAが堅い。
ファケッティェ…がヘタレ引きでなければ嫌な場所に居る前線に高確率で渡る脅威のピンポイントパスですし。
加えてミハエルのドリブルがあるので狙いが絞れなくなり守備が分散される。

対策としてはオフサイドトラップじゃないかと思います。
後ろから前線へのスルーパスならタイミングも丸見えだし引っ掛け易いってのもありますが。

407 :森崎名無しさん:2010/12/03(金) 22:54:00 ID:pMrXA00M
A
バティンにボールがもう少し回れば点は取られただろうしなぁ
ミハエルは>>401さんが言ってる通りだろうし

408 :森崎名無しさん:2010/12/04(土) 11:16:30 ID:UGAt4N4Q


409 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/04(土) 17:30:32 ID:???
>>401 乙感謝ですー。 って、分かっていただって!? 謀ったな、シャア!
===============================================


>A ファケッティの縦パス。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「そうか、ファケッティの縦パスですね?」

この問いに多少戸惑った三杉であるが、今度はそう時間を必要としなかった。
こちらが戦術として警戒していながら、相手が然程使わなかった戦術と言えばコレである。
もしも自分がユヴェントス側ならば、バティンのロングシュートという選択肢も考えられた。
後半はラムカーネが大きくパワーダウンするからであり、実質最終ラインは中山になるからだ。
だがユヴェントスがその事を知っている訳ではないので、正解とは思えなかった。
また逆サイドからのオーバーラップも、一・ニ度そのカードを見せる事に意味があったとしても、
多用するほどの選択肢では無いと思われた。

そして、これを聞いたアンザーニも満足気に頷き、その答えが正解だと示していた。

アンザーニ「その通り、ファケッティくんの縦パス…これが多用されていれば危なかったでしょう。
       その鋭さは理解のうちと思いますが、ユヴェントスが厄介なのはカットが失敗した後…
       バティンくんはシュートについては言わずもがな、競り合いにも滅法強い。
       またトラップと同時に振り切る技術も持っており、出してしまえば何となる技術があった。
       そしてミハエルくんは前述の通り、マークがほとんど無意味です。 これに対して、唯一
       有効な手立がオフサイドトラップですが、それを失敗したら完全フリーにしてしまうという
       リスクを我々も負います。 ユヴェントスとしては分が悪いとは言えません。」


410 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/04(土) 17:32:06 ID:???
選手達は、その顔を徐々に凍りつかせていった。
後の祭りではある物の、もしもそれが現実となっていたらと思うと、そう冷静では居られなかった。
バティンのシュート、ミハエルのドリブルについては今でも背筋が冷える思いがした。

アンザーニ「ファケッティくんは序盤こそ縦パスを使いましたが、その時は調子が悪く機能しなかった。
       けれども、他の選手との連携で徐々に調子を上げ、最終的には同点弾の起点となった。
       …にも関わらず、その後も彼は仲間との連携を多用する選択をしました。
       そして、自分よりも好調だったカルバリョくんのサイドアタックを多用したのです。」

「それ以上に絶好調だったダラピッコラくんが止めてくれて助かりましたがね」…と、
アンザーニは話の腰を折り、皆の笑いを誘った。 だが直ぐに口調を堅く戻して言った。

アンザーニ「つまりユヴェントスは、最もシンプルで、最も力強い戦術をみすみす使わなかったのです。
       スター軍団と呼ばれた彼らは、なまじ良いメンバーが揃っているため、
       なまじ選択肢が多いため、そしてジェンティーレくんさえ居れば守備が回ると思ったため、
       後半のあの失態を演じる羽目になったのです…!」

アンザーニはいつになく厳しい口調でそう言い放っていた。
サッカーは、スターを集めれば…上手い選手をかき集めれば勝てる物ではないと訴えていた。
場面場面で、選手達がより良い戦術と連携を選択できなければいけない、と…。

選手達は知らないが、そこにはかつて自分が目を掛けて育てていた選手をチームの事情で放出させられ、
しかも新天地ではその選手を活かす戦術を未だ理解されていなかった事へのやりきれなさがあったのだ。

411 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/04(土) 17:33:22 ID:???
アンザーニ「次の相手が何処になるかは判りませんが、ユヴェントスよりも個人の力では劣るでしょう。
       けれど決して油断してはいけません、個の力はチームの力とイコールではないのですから
       …私が伝えたかったのはこの事でした、長く話してすみませんでしたね。」

最後はいつものアンザーニの声で各選手に労いの言葉がかけられた。
優しい声であった。 けれど、選手達は先程の厳しい言葉こそを心に刻み込んでいた。
優勝候補筆頭と言われたユヴェントスに圧勝し、些か気を緩めかけた自分達を戒めたのだった。
そして…


アンザーニによる試合の総括が終了し、三杉達はユニフォームからウェアに着替えていた。
その時の事である。

先着で
 ★その時歴史が動いた→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→中山が話しかけてきたぞ。
ハート、スペード、クラブ→なーんてね、ふふ。 なにもないよ!
JOKER→ダイヤ+???

※本日の更新は以上です。 どもどもでしたー。

412 :森崎名無しさん:2010/12/04(土) 17:34:44 ID:???
 ★その時歴史が動いた→ スペードK

413 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 01:08:17 ID:???
乙でした〜

414 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:17:22 ID:???
>>413 いつもありがとうで〜す
===============================================

>スペード→なーんてね、ふふ。 なんもないよ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ックシュン!!!」

イタリア・ミラノ市から遠く離れた日本の地では、一ノ瀬明という少年が、
質の悪い夏風邪にかかり、床に伏していた。 

一ノ瀬「ゲホゲホッ・・・うう、弥生のやつ見舞いに来ないとは・・・。
     愛しの彼氏がこんなに苦しんでいるのに・・・ちくしょう・・・・・・。」

だがそれは、この物語とは何の関係も影響もない、些末な出来事であった。
SIMPLE2000 THE.天誅 発売中。 


・・・・・・

三杉「・・・?」

バンビーノ「どうした、ミスギ?」

三杉「いや・・・何故だか分からないが、胸がスッとした気がして。」

バンビーノ「風邪でもひいたか・・・?」

三杉「いや・・・大丈夫だ、問題ない。」

そう・・・何の関係も影響もない、些末な出来事であった。 (一ノ瀬「三杉死ね!」)」

415 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:19:03 ID:???

そんな事よりも、この後 三杉ら今日の2戦目を観戦する事になっており、試合開始までは
まだ1時間弱の余裕があった。 次の組み合わせは・・・と、三杉は思い出そうとした。
だがそれをどうしてか思い出す事が出来ない。

三杉「ところでバンビーノ、次の試合の組み合わせはどうだったかな・・・?」

バンビーノ「ふぅ・・・何故お前はそういう目の前の重要な事を覚えていない・・・。
       キャプテンなら、いや、キャプテンじゃなくたって覚えている筈だろう?
       お前は思考力は抜群なのに、これは一体どういう事なんだ?」

三杉「うむ・・・しかしだねバンビーノ、ユーヴェ戦中に1ヶ月も中断が入り、しかも再開と同時に
    昔話を長々とやっていたんだ。 これは記憶が曖昧になっても仕方がないと思わないか?」

バンビーノ「そんな言い訳・・・  う、うむ・・・いや、すまん。」

三杉「うん? 何故君が謝るんだい?」

バンビーノ「何となく・・・だ。 と、ともかくトーナメント表がここにある。」

そう言うと、バンビーノは持っていたトーナメント表を広げて見せた。
三杉は何故自分がこれを持っていないのか不思議に思ったが、考えても仕方がない気がした。
そう、まるで自分の考えが及ばない領域の出来事なのではないか・・・と。


416 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:20:06 ID:???

フィオ ――┐        
         ├―┐      
ユーベ ――┘  │     
            ├―┐
ローマ ―─┐  │  │   
         ├―┘  │ 
ミラン ――┘     │ 
               ├― 優勝
パルマ ――┐     │   
         ├―┐  │   
サンプ ――┘  │  │  
            ├―┘  
ナポリ ――┐  │     
         ├―┘      
レッチェ――┘  


バンビーノ「・・・この通り、次の試合はASローマ・ユースvsACミラン・ユースだ。」

三杉(フィッツウォルタのローマ、それからバンビーノの古巣のミランか。
    おそらく勝つのはローマだと思うけど・・・何か聞いておく事はあるか?)


A 三杉「バンビーノはどちらが勝つと思う?」
B 三杉「古巣が暗黒時代な今ってどんな気持ち?」
C 三杉「そう言えば、昨日あった用事(関連スレ4 >>753)って何だったんだい?」
D 三杉(バンビーノよりマルコにローマの事を聞くべきだろうか?)
E その他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

417 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:22:03 ID:pxLrhMos


418 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:23:14 ID:un6i9bpk


419 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:51:12 ID:???

>C 三杉「そう言えば、昨日あった用事(関連スレ4 >>753)って何だったんだい?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ふと、三杉は昨日の事を思い出した。
ユヴェントスの参考VTRを見せて貰うべく、2人でアンザーニ監督の部屋を訪ねたのだが、
ドアの前まで来ておきながら「用事を思い出した」の一言で踵を返して行ってしまったのだ。
サッカーに関してあれほどストイックなバンビーノにしては妙だとも思ったが、
その時はミハエルのドリブルに思考が占められており、すぐに忘れてしまったのだ。
だが思い出してみると、ヤハリ妙だな、と改めて感じられた。
そこで三杉は思いきって聞いてみる事にした。

三杉「そう言えば、昨日あった用事って何だったんだい?」

バンビーノ「・・・随分と話が飛ぶんだな、情緒不安定なんじゃないか?」

三杉「ふむ・・・実は僕もそんな気がしている。

バンビーノ「だろう!? 気を付けた方がいい、気持ちがナーバスになっているのは良くない。」

三杉「助言感謝する、ありがとう。 ・・・で、昨日あった用事って何だったんだい?? 」

バンビーノ(流石に誤魔化されんか・・・)

バンビーノは軽く溜息を吐き、話し始めた。


420 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:52:27 ID:???

先着で
 ★ミアータから連絡があったのです→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。
スペード、クラブ→実は妹に呼び出されていたんだ。
JOKER→実は親友の恋人から愛の告白を受けていた・・・    バンビーノ ニゲテー!


421 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:52:57 ID:???
★ミアータから連絡があったのです→ ハート10


422 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:55:35 ID:???
バンビーノがいい船に乗ってしまう展開だけは勘弁wwww

423 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 17:18:20 ID:???
無難な展開になったところでまた次回です。
ではまたー。

424 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 18:58:39 ID:???
遅れましたが乙でした!


425 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 18:36:41 ID:???
>>422 いやー、ヤンデレって怖いですよね。
>>433 乙有り難うございます^^

===============================================

>ハート→実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンビーノ「まあ、実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。」

ほーぉ、と三杉はワザとらしく笑みを浮かべる。
バンビーノの様子から、どうやら話すのは気が進まない事は判っていた。
そこでさらに「親友の彼女と会っていた」という発言が飛び出したのだ。
これは三杉もスキャンダラスな話を期待せざる得ない。
だがそれでもバンビーノの反応はいつもと変わらず冷淡であった。

バンビーノ「残念ながら期待しているような話じゃない。
       ただ事がこの古傷にも関わる話だからな、思い出すとナーバスになる。」

そう言いながらバンビーノは片足を少し上げて顎でクイと示した。
その言葉で三杉は直ぐに察した。 その親友とやらは、いつか話してくれたバンビーノから
サッカーを奪いかけたミランのストライカーだという事を。

426 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 18:37:43 ID:???
三杉「そういう事か・・・なるほどね。 けど、それならばさっきの言葉を返すよ。
    ナーバスになっているのは良くない、一人で溜め込むくらいなら話して欲しいな。
    勿論、無理にでもと言うつもりはないけれどね。」

バンビーノ「そうだな・・・」


先着で
 ★ナーバスって死語かな→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート、スペード→それなら・・・・聞いて貰おうかな。
クラブ→いや、すまないがもう少し自分の中で整理させてくれ。
JOKER→ ガチャッ  ミアータ「バンビーノ、試合お疲れ様。」 ・・・ゲェッ、ミアータ!?

427 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 18:39:52 ID:???
 ★ナーバスって死語かな→ ハート7

nice暴徒と化すのか…

428 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 18:39:55 ID:???
★ナーバスって死語かな→ ダイヤ4

429 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:11:20 ID:???

>ハート→それなら・・・・聞いて貰おうかな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンビーノ「それなら・・・・聞いて貰おうかな。」

そう告げたバンビーノは近くの椅子に腰掛け、ゆっくりと三杉に話し始めたのだった。



〜回想・ユヴェントス戦前日 昼過ぎ〜


カラン・・・

約束の時間キッチリにバンビーノはバールの扉を開けた。
店内を見回すと、店の奥で手を振っている少女が見当たった。
綺麗なブロンドの髪を長く伸ばし、服の色に合わせた紺色のリボンで纏めている。
少しだけ刺々しい雰囲気を宿しているのがアクセントとなり、綺麗な外見を引き立てていた。

ミアータ・コリーニ・・・親友であるチェザーレ・ストラットの恋人。
こうして顔を見るのは2年半振りだが、記憶の中の女性よりも目の前の女性は美しかった。

430 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:12:22 ID:???

ミアータ「久し振り・・・。」

バンビーノ「ああ、久し振り、ミアータ。 少し痩せた?」

ミアータ「まあ・・・少し。 ごめんねバンビーノ、明日試合なのに呼び出しちゃって。」

バンビーノ「構わないけれど、どうしたんだい?」

そう訊ねたバンビーノに返されたのは、パァッと明るく広がったミアータの笑顔だった。
この笑顔が全てを物語っていた。
バンビーノもまさか、という思いとともに息を呑んだが、次の言葉は直感が示した通りだった。

ミアータ「ストラットが見つかったの!」

バンビーノ「ストラットが・・・そうか・・・・・・・・・見つかったん、だね。」

ミアータ「ええ、ブラジルのクラブチームに居るんですって!」


かつてバンビーノに再起不能寸前の怪我を負わせた友。
それは事故だったのだが、気に病み、チーム内で暴力事件を起こして追放された・・・

431 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:14:08 ID:???
・・・許せなかった。
何故自分の分も世界を相手に闘ってくれなかったのか、と・・・。
その後、毎日謝りに来たが、一度の面会も許さなかった。
目の前にした時、どんな言葉を浴びせるか自分でも分からなかったからだ。
だが、彼はいつしか姿を見せなくなり、行方も知れなくなった。
そして・・・フィオレンツェの地で脚を完治させた後も姿を消したままだった。

バンビーノ(教会で祈るようになったのも、ストラットの事が切っ掛けだったっけ・・・。)

伝わって欲しいと願いを込めて祈っていた。
この脚はもう大丈夫だ、と・・・・・・お前はオレからサッカーを奪っちゃいないんだ、と。

バンビーノ(そのストラットが無事見つかった・・・しかもブラジルでサッカーを続けている。)


先着で
 ★この引きを乗り越えろ、バンビーノ!→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート、スペード→良かった・・・と、安堵の心に包まれた。
クラブ→良かった・・・という安堵の心と共に、別の感情も存在している事に気付いた。
JOKER→バンビーノ(そんな事より、オレは実はミアータの事が好きだったんだ・・・昔から。)

432 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:15:39 ID:???
 ★この引きを乗り越えろ、バンビーノ!→ クラブ3

433 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:22:24 ID:???
三角間系
真っ当な青春で終わることを願って…

434 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:32:29 ID:???
無事、niceボートな運命を逃れたバンビーノ。
だが彼は苦悩する。
ずっと見えていなかった自身の感情に、再確認させられた己の心の小ささに。
少年達は自分の進む道に、救いを願わずにいられらなかった。

次回 Another Campione
『奇跡の価値は』


次回更新も、サービス サービスゥ!





…ではまた。

435 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:52:15 ID:???
nice乙でした

436 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:22:52 ID:???
>クラブ→良かった・・・という安堵の心と共に、別の感情も存在している事に気付いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何よりも先んじて現れた感情は安堵であった。
親友の無事を祈っていたバンビーノにとって、その感情は至極自然だったと言える。
だが直後にバンビーノは冷静を取り戻した。 ひどく冷めた冷静さであった。

バンビーノ(ストラットにサッカーを止めて欲しいなど考えた事は一度もな無い・・・無い筈だが・・・。)

ブラジルのクラブチームでサッカーを続けている、という言葉が胸の奥に引っ掛かった。
ストラットは結局何をしたかったのか?
怪我を負わせ、チームを崩壊させ、許してもらう事を諦め、誰にも何にも告げず姿を眩ませ・・・
挙げ句、ブラジルに渡りサッカーを続けている。 サッカーに縋(すが)っている、と言うべきか。
そこまで考えて、慌ててバンビーノは考えるのを止めた。
それ以上は今ここで考えてはいけないと思ったのだ。
面会を許さず、失踪の後押しをした自分が考えてはいけないと思ったのだ。

バンビーノ「そうか、ミアータも安心したろう?」

ミアータ「ええ。 あ、でもでもまだ安心なんて出来ないわ。
      きっとストラットは罪の意識で今も悩んでる筈だもの。」

437 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:26:20 ID:???

ズキッとバンビーノは胃の辺りに痛みを感じた。
胃液が過剰に分泌されている気がした。
だがバンビーノはそれを顔に出さず、ミアータの話に合わせて相槌を打つ。

バンビーノ「そうなんだろなぁ・・・。」

ミアータ「ストラット・・・約束してくれたもの。 5年以内に・・・って、このペンダントをくれたの。
      そんなストラットの事を嘘つきになんてしちゃいけないと思うの。」

バンビーノはミアータの事を見た。
美しい彼女にも欠点・・・と言うより(非常に)難しい部分がある事は彼も承知している。
言葉の端々に、自分の思い込みで視野を狭めてしまう癖は今も健在だ。
けれどもミアータの一途さには疑いの余地が無い。
何より、彼女は少なくともストラットへの想いという一点において、誰よりも誠実であった。

バンビーノ(だからこそ男の立場からすると大変なんだが・・・そこはこの際、置いておこう。)

バンビーノは苦笑を堪え、真顔を保つ努力をしたのであった。
そしてその後、今後の事についてミアータと話す事にした。


438 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:32:02 ID:???

バンビーノ「それで、ミアータ・・(聞くまでもないかも知れんが)これからどうするつもりだい?」

ミアータ「勿論、直ぐにブラジルへ渡るつもりよ。 早くストラットを安心させたいもの。
      お金なら大丈夫、こんな日の為にって16の頃から旅費を貯めていたし・・・」

バンビーノ「うん、分かった。 でもミアータ、それは少し待ってくれないか?」

ミアータ「え・・・! ど、どうして!?」

バンビーノ「ストラットは今も罪の意識を抱えている、それはキミの言った通りだ。」

ミアータ「え・・・? うん、そう思うけど・・・。」

バンビーノ「そう、そしてそれはあの日から何一つ解決していないんだ。
       ストラットが戻ってこれる土台が何一つとして出来ていない。」

ミアータ「あたしは・・・ストラットが戻って来てくれるなら、もうこれまでの事は
      何も気にしないつもりよ? パパの事も説得するわ?」

バンビーノ「うん・・・だけど彼はイタリアサッカー協会から追放された立場も同然だ。
       いま戻って来ても、彼の居場所は何処にも存在しないに等しい。
       これでは結局、彼はキミとの約束を果たせる見込みは無く・・・
       それを理解している彼は、結局戻ってこれやしないだろう。」

ストラットが戻って来るシナリオは、バンビーノの頭の中で容易にまとまっていった。
だがそれをする事で、彼は考えたくなかった事も考えざるを得なかった。

439 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:34:03 ID:???

バンビーノはミアータに対して、そのシナリオをプレゼンを行った。
その内容を端的に言えばこうである。

まずイタリアサッカー協会にストラットの無事と居場所を連絡し、視察を促す。
その結果、彼の実力が錆び付いていなければ、そのストライカーとしての力は
イタリアにとって喉から手が出るほど貴重であり、当然必要な人材として判断される筈である。
来年のWT(ワールドトーナメント)で威信を取り戻したい協会は、過去の処分の終了と、
WTの召集をストラットに告げる事であろう。
自分やミアータが過去を水に流してストラットを迎え入れるのは、まさにその時なのだ。

ミアータに説明している間、バンビーノはまるで機械のように無感情にふるまった。
説明中、ミアータは何度か「でも・・・」と、口を挟んできたが、最終的には渋々と頷いた。
出来る限りストラットが安心して戻れる環境を作るという意図は重々理解していたのだろう。

ミアータ「ありがとう、バンビーノ。 貴方が言ってくれなかったら、直ぐに飛行機に乗るところだったわ。」

バンビーノ「いや・・・オレもあの頃みたいで楽しかったよ。」

ストラットとミアータの間で調整役のような事をやっていた時の事を言っていた。
「もう別れる」と頭を抱えるストラット、「解ってくれない」と泣きついてくるミアータ、
うんざりしながら2人の話を別々に聞くバンビーノ・・・懐かしい思い出だった。

またあの頃と同じに戻れたらいいな、とミアータは零し、2人は話を終えた。
バンビーノはイタリアサッカー協会に連絡する事を約束してミアータと別れた。
そして帰りの道・・・バンビーノは堪えられなくなり、裏道に入って嘔吐した。
彼は口の中に広がる胃液の苦味に咽(むせ)ながら、考えまいとしていた我慢をかなぐり捨てていた。

440 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:35:29 ID:???

失踪してから今まで、ストラットは何と向き合って来たのだろうか?
結局のところストラットは何にも決着をつけずにイタリアを去ったのだ。
罪の意識や後悔がそれをさせた事は想像がつく。

だが彼がやった事は『現実から逃げた』、只々それだけである。
そこに自らの罪と向き合い、現実と闘おうという意志はない、断じてない。
自分の心が少しでも楽になるように、考えずに済む様にという意識があるのみである。
彼自身は「自分など居ない方が良い、その方が周囲の為にもなる」と自らの行為を正当化し・・・
それ故、2年半経過した今まで『彼からは連絡手段があるにも関わらず』何も言ってこなかったのだ。

またストラットは残された人間の悲劇という物を一点も考えなかった。
よしんば考えたとしても、それからはずっと目を逸らし続けてきた。
彼ののやった事は周囲の不幸を更に拡大させるだけの行為だったのに。


――――――ストラットの行為を一言で表すならば、そこに『卑怯』以外の言葉はなかった。


だが・・・面会を許さなかった自分が、その後押しをしてしまったのも理解している。
そして、彼の無事を祈ってきたにも関わらず、今更こんな事を冷静に考えている自分が心底嫌だった。
親友に対する自分の思いは誠実でなく、真摯な物ではなかったのだ。
彼は自分に対して吐き気をもよおすほど嫌な気分だった。
これほど自分の心はちっぽけな物だったのかと・・・情けなくなり、彼は涙を零したのである。


441 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:37:14 ID:???
〜回想終了・フィオレンティーナ控え室〜

バンビーノ「・・・と言う訳だ。」

最後にバンビーノは溜息を吐き、自嘲を浮かべていた。
これ程の悩みを抱えていたとは流石に三杉も予想していなかった。

バンビーノ「一昨年の冬、ドゥオーモの上でお前に語った言葉の成れの果てがこれだ・・・。」

勿論、三杉も覚えていた。
初めてバンビーノに心を打ち明けた時の事を。
そして、その時にバンビーノが漏らした親友への思い。

バンビーノ「・・・幻滅したか?」

三杉「いや・・・そんな単純な話じゃない事は僕にだって解るさ。」

理屈や真実がどうであれ、当事者にしか見えない世界が世の中にはある。
感情やそれにより歪む視点という点において、第三者は決して当事者とは同じ場所に立てない。
だが今 目の前のバンビーノが、自分でどうにか出来ない物に呑み込まれ掛けているのは確かな現実・・・
三杉は、ただ「はい、そうですか」と終わってイイとは思えなかった。


A (けどダメだ・・・何を言うべきか思いつかない。)
C 「最低だね、そのストラットって彼・・・・・・バンビーノは何も悪くないよ。」
B 「僕は・・・冷静に考えて許せない、という事が間違っているとは思わない。」
D 「バンビーノ・・・流石にその考えは間違っているよ、ストラットが可哀相だ。」
E 「結局・・・許すしかないんだろうね。 戻ってさえくれば、いつかきっと納得出来る日も来るし。」
F 「しかし・・・よく試合中に動揺を見せなかったものだね。 凄い事だよ、それは。」
G  そ の 他

重い話なんで『4』票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

442 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 18:49:25 ID:kav63x0c

時間の力を信じるんだ

443 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:00:03 ID:8N+EEmy2
B 「僕は・・・冷静に考えて許せない、という事が間違っているとは思わない。」

BとCの順番が逆なのは何か意味があるのだろうか?

444 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:07:29 ID:Cqk5DcMo


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