キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
キャプテン森崎まとめ掲示板TOP

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 最新50
【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】

1 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/22(金) 19:35:21 ID:PrCX1H7o

この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションで…
  とある貴公子と仲間達のサッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。

415 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:19:03 ID:???

そんな事よりも、この後 三杉ら今日の2戦目を観戦する事になっており、試合開始までは
まだ1時間弱の余裕があった。 次の組み合わせは・・・と、三杉は思い出そうとした。
だがそれをどうしてか思い出す事が出来ない。

三杉「ところでバンビーノ、次の試合の組み合わせはどうだったかな・・・?」

バンビーノ「ふぅ・・・何故お前はそういう目の前の重要な事を覚えていない・・・。
       キャプテンなら、いや、キャプテンじゃなくたって覚えている筈だろう?
       お前は思考力は抜群なのに、これは一体どういう事なんだ?」

三杉「うむ・・・しかしだねバンビーノ、ユーヴェ戦中に1ヶ月も中断が入り、しかも再開と同時に
    昔話を長々とやっていたんだ。 これは記憶が曖昧になっても仕方がないと思わないか?」

バンビーノ「そんな言い訳・・・  う、うむ・・・いや、すまん。」

三杉「うん? 何故君が謝るんだい?」

バンビーノ「何となく・・・だ。 と、ともかくトーナメント表がここにある。」

そう言うと、バンビーノは持っていたトーナメント表を広げて見せた。
三杉は何故自分がこれを持っていないのか不思議に思ったが、考えても仕方がない気がした。
そう、まるで自分の考えが及ばない領域の出来事なのではないか・・・と。


416 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:20:06 ID:???

フィオ ――┐        
         ├―┐      
ユーベ ――┘  │     
            ├―┐
ローマ ―─┐  │  │   
         ├―┘  │ 
ミラン ――┘     │ 
               ├― 優勝
パルマ ――┐     │   
         ├―┐  │   
サンプ ――┘  │  │  
            ├―┘  
ナポリ ――┐  │     
         ├―┘      
レッチェ――┘  


バンビーノ「・・・この通り、次の試合はASローマ・ユースvsACミラン・ユースだ。」

三杉(フィッツウォルタのローマ、それからバンビーノの古巣のミランか。
    おそらく勝つのはローマだと思うけど・・・何か聞いておく事はあるか?)


A 三杉「バンビーノはどちらが勝つと思う?」
B 三杉「古巣が暗黒時代な今ってどんな気持ち?」
C 三杉「そう言えば、昨日あった用事(関連スレ4 >>753)って何だったんだい?」
D 三杉(バンビーノよりマルコにローマの事を聞くべきだろうか?)
E その他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

417 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:22:03 ID:pxLrhMos


418 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:23:14 ID:un6i9bpk


419 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:51:12 ID:???

>C 三杉「そう言えば、昨日あった用事(関連スレ4 >>753)って何だったんだい?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ふと、三杉は昨日の事を思い出した。
ユヴェントスの参考VTRを見せて貰うべく、2人でアンザーニ監督の部屋を訪ねたのだが、
ドアの前まで来ておきながら「用事を思い出した」の一言で踵を返して行ってしまったのだ。
サッカーに関してあれほどストイックなバンビーノにしては妙だとも思ったが、
その時はミハエルのドリブルに思考が占められており、すぐに忘れてしまったのだ。
だが思い出してみると、ヤハリ妙だな、と改めて感じられた。
そこで三杉は思いきって聞いてみる事にした。

三杉「そう言えば、昨日あった用事って何だったんだい?」

バンビーノ「・・・随分と話が飛ぶんだな、情緒不安定なんじゃないか?」

三杉「ふむ・・・実は僕もそんな気がしている。

バンビーノ「だろう!? 気を付けた方がいい、気持ちがナーバスになっているのは良くない。」

三杉「助言感謝する、ありがとう。 ・・・で、昨日あった用事って何だったんだい?? 」

バンビーノ(流石に誤魔化されんか・・・)

バンビーノは軽く溜息を吐き、話し始めた。


420 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 16:52:27 ID:???

先着で
 ★ミアータから連絡があったのです→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。
スペード、クラブ→実は妹に呼び出されていたんだ。
JOKER→実は親友の恋人から愛の告白を受けていた・・・    バンビーノ ニゲテー!


421 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:52:57 ID:???
★ミアータから連絡があったのです→ ハート10


422 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 16:55:35 ID:???
バンビーノがいい船に乗ってしまう展開だけは勘弁wwww

423 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/05(日) 17:18:20 ID:???
無難な展開になったところでまた次回です。
ではまたー。

424 :森崎名無しさん:2010/12/05(日) 18:58:39 ID:???
遅れましたが乙でした!


425 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 18:36:41 ID:???
>>422 いやー、ヤンデレって怖いですよね。
>>433 乙有り難うございます^^

===============================================

>ハート→実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンビーノ「まあ、実は親友の恋人に呼び出されていたんだ。」

ほーぉ、と三杉はワザとらしく笑みを浮かべる。
バンビーノの様子から、どうやら話すのは気が進まない事は判っていた。
そこでさらに「親友の彼女と会っていた」という発言が飛び出したのだ。
これは三杉もスキャンダラスな話を期待せざる得ない。
だがそれでもバンビーノの反応はいつもと変わらず冷淡であった。

バンビーノ「残念ながら期待しているような話じゃない。
       ただ事がこの古傷にも関わる話だからな、思い出すとナーバスになる。」

そう言いながらバンビーノは片足を少し上げて顎でクイと示した。
その言葉で三杉は直ぐに察した。 その親友とやらは、いつか話してくれたバンビーノから
サッカーを奪いかけたミランのストライカーだという事を。

426 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 18:37:43 ID:???
三杉「そういう事か・・・なるほどね。 けど、それならばさっきの言葉を返すよ。
    ナーバスになっているのは良くない、一人で溜め込むくらいなら話して欲しいな。
    勿論、無理にでもと言うつもりはないけれどね。」

バンビーノ「そうだな・・・」


先着で
 ★ナーバスって死語かな→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート、スペード→それなら・・・・聞いて貰おうかな。
クラブ→いや、すまないがもう少し自分の中で整理させてくれ。
JOKER→ ガチャッ  ミアータ「バンビーノ、試合お疲れ様。」 ・・・ゲェッ、ミアータ!?

427 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 18:39:52 ID:???
 ★ナーバスって死語かな→ ハート7

nice暴徒と化すのか…

428 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 18:39:55 ID:???
★ナーバスって死語かな→ ダイヤ4

429 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:11:20 ID:???

>ハート→それなら・・・・聞いて貰おうかな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンビーノ「それなら・・・・聞いて貰おうかな。」

そう告げたバンビーノは近くの椅子に腰掛け、ゆっくりと三杉に話し始めたのだった。



〜回想・ユヴェントス戦前日 昼過ぎ〜


カラン・・・

約束の時間キッチリにバンビーノはバールの扉を開けた。
店内を見回すと、店の奥で手を振っている少女が見当たった。
綺麗なブロンドの髪を長く伸ばし、服の色に合わせた紺色のリボンで纏めている。
少しだけ刺々しい雰囲気を宿しているのがアクセントとなり、綺麗な外見を引き立てていた。

ミアータ・コリーニ・・・親友であるチェザーレ・ストラットの恋人。
こうして顔を見るのは2年半振りだが、記憶の中の女性よりも目の前の女性は美しかった。

430 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:12:22 ID:???

ミアータ「久し振り・・・。」

バンビーノ「ああ、久し振り、ミアータ。 少し痩せた?」

ミアータ「まあ・・・少し。 ごめんねバンビーノ、明日試合なのに呼び出しちゃって。」

バンビーノ「構わないけれど、どうしたんだい?」

そう訊ねたバンビーノに返されたのは、パァッと明るく広がったミアータの笑顔だった。
この笑顔が全てを物語っていた。
バンビーノもまさか、という思いとともに息を呑んだが、次の言葉は直感が示した通りだった。

ミアータ「ストラットが見つかったの!」

バンビーノ「ストラットが・・・そうか・・・・・・・・・見つかったん、だね。」

ミアータ「ええ、ブラジルのクラブチームに居るんですって!」


かつてバンビーノに再起不能寸前の怪我を負わせた友。
それは事故だったのだが、気に病み、チーム内で暴力事件を起こして追放された・・・

431 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:14:08 ID:???
・・・許せなかった。
何故自分の分も世界を相手に闘ってくれなかったのか、と・・・。
その後、毎日謝りに来たが、一度の面会も許さなかった。
目の前にした時、どんな言葉を浴びせるか自分でも分からなかったからだ。
だが、彼はいつしか姿を見せなくなり、行方も知れなくなった。
そして・・・フィオレンツェの地で脚を完治させた後も姿を消したままだった。

バンビーノ(教会で祈るようになったのも、ストラットの事が切っ掛けだったっけ・・・。)

伝わって欲しいと願いを込めて祈っていた。
この脚はもう大丈夫だ、と・・・・・・お前はオレからサッカーを奪っちゃいないんだ、と。

バンビーノ(そのストラットが無事見つかった・・・しかもブラジルでサッカーを続けている。)


先着で
 ★この引きを乗り越えろ、バンビーノ!→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート、スペード→良かった・・・と、安堵の心に包まれた。
クラブ→良かった・・・という安堵の心と共に、別の感情も存在している事に気付いた。
JOKER→バンビーノ(そんな事より、オレは実はミアータの事が好きだったんだ・・・昔から。)

432 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:15:39 ID:???
 ★この引きを乗り越えろ、バンビーノ!→ クラブ3

433 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:22:24 ID:???
三角間系
真っ当な青春で終わることを願って…

434 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/06(月) 20:32:29 ID:???
無事、niceボートな運命を逃れたバンビーノ。
だが彼は苦悩する。
ずっと見えていなかった自身の感情に、再確認させられた己の心の小ささに。
少年達は自分の進む道に、救いを願わずにいられらなかった。

次回 Another Campione
『奇跡の価値は』


次回更新も、サービス サービスゥ!





…ではまた。

435 :森崎名無しさん:2010/12/06(月) 20:52:15 ID:???
nice乙でした

436 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:22:52 ID:???
>クラブ→良かった・・・という安堵の心と共に、別の感情も存在している事に気付いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何よりも先んじて現れた感情は安堵であった。
親友の無事を祈っていたバンビーノにとって、その感情は至極自然だったと言える。
だが直後にバンビーノは冷静を取り戻した。 ひどく冷めた冷静さであった。

バンビーノ(ストラットにサッカーを止めて欲しいなど考えた事は一度もな無い・・・無い筈だが・・・。)

ブラジルのクラブチームでサッカーを続けている、という言葉が胸の奥に引っ掛かった。
ストラットは結局何をしたかったのか?
怪我を負わせ、チームを崩壊させ、許してもらう事を諦め、誰にも何にも告げず姿を眩ませ・・・
挙げ句、ブラジルに渡りサッカーを続けている。 サッカーに縋(すが)っている、と言うべきか。
そこまで考えて、慌ててバンビーノは考えるのを止めた。
それ以上は今ここで考えてはいけないと思ったのだ。
面会を許さず、失踪の後押しをした自分が考えてはいけないと思ったのだ。

バンビーノ「そうか、ミアータも安心したろう?」

ミアータ「ええ。 あ、でもでもまだ安心なんて出来ないわ。
      きっとストラットは罪の意識で今も悩んでる筈だもの。」

437 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:26:20 ID:???

ズキッとバンビーノは胃の辺りに痛みを感じた。
胃液が過剰に分泌されている気がした。
だがバンビーノはそれを顔に出さず、ミアータの話に合わせて相槌を打つ。

バンビーノ「そうなんだろなぁ・・・。」

ミアータ「ストラット・・・約束してくれたもの。 5年以内に・・・って、このペンダントをくれたの。
      そんなストラットの事を嘘つきになんてしちゃいけないと思うの。」

バンビーノはミアータの事を見た。
美しい彼女にも欠点・・・と言うより(非常に)難しい部分がある事は彼も承知している。
言葉の端々に、自分の思い込みで視野を狭めてしまう癖は今も健在だ。
けれどもミアータの一途さには疑いの余地が無い。
何より、彼女は少なくともストラットへの想いという一点において、誰よりも誠実であった。

バンビーノ(だからこそ男の立場からすると大変なんだが・・・そこはこの際、置いておこう。)

バンビーノは苦笑を堪え、真顔を保つ努力をしたのであった。
そしてその後、今後の事についてミアータと話す事にした。


438 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:32:02 ID:???

バンビーノ「それで、ミアータ・・(聞くまでもないかも知れんが)これからどうするつもりだい?」

ミアータ「勿論、直ぐにブラジルへ渡るつもりよ。 早くストラットを安心させたいもの。
      お金なら大丈夫、こんな日の為にって16の頃から旅費を貯めていたし・・・」

バンビーノ「うん、分かった。 でもミアータ、それは少し待ってくれないか?」

ミアータ「え・・・! ど、どうして!?」

バンビーノ「ストラットは今も罪の意識を抱えている、それはキミの言った通りだ。」

ミアータ「え・・・? うん、そう思うけど・・・。」

バンビーノ「そう、そしてそれはあの日から何一つ解決していないんだ。
       ストラットが戻ってこれる土台が何一つとして出来ていない。」

ミアータ「あたしは・・・ストラットが戻って来てくれるなら、もうこれまでの事は
      何も気にしないつもりよ? パパの事も説得するわ?」

バンビーノ「うん・・・だけど彼はイタリアサッカー協会から追放された立場も同然だ。
       いま戻って来ても、彼の居場所は何処にも存在しないに等しい。
       これでは結局、彼はキミとの約束を果たせる見込みは無く・・・
       それを理解している彼は、結局戻ってこれやしないだろう。」

ストラットが戻って来るシナリオは、バンビーノの頭の中で容易にまとまっていった。
だがそれをする事で、彼は考えたくなかった事も考えざるを得なかった。

439 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:34:03 ID:???

バンビーノはミアータに対して、そのシナリオをプレゼンを行った。
その内容を端的に言えばこうである。

まずイタリアサッカー協会にストラットの無事と居場所を連絡し、視察を促す。
その結果、彼の実力が錆び付いていなければ、そのストライカーとしての力は
イタリアにとって喉から手が出るほど貴重であり、当然必要な人材として判断される筈である。
来年のWT(ワールドトーナメント)で威信を取り戻したい協会は、過去の処分の終了と、
WTの召集をストラットに告げる事であろう。
自分やミアータが過去を水に流してストラットを迎え入れるのは、まさにその時なのだ。

ミアータに説明している間、バンビーノはまるで機械のように無感情にふるまった。
説明中、ミアータは何度か「でも・・・」と、口を挟んできたが、最終的には渋々と頷いた。
出来る限りストラットが安心して戻れる環境を作るという意図は重々理解していたのだろう。

ミアータ「ありがとう、バンビーノ。 貴方が言ってくれなかったら、直ぐに飛行機に乗るところだったわ。」

バンビーノ「いや・・・オレもあの頃みたいで楽しかったよ。」

ストラットとミアータの間で調整役のような事をやっていた時の事を言っていた。
「もう別れる」と頭を抱えるストラット、「解ってくれない」と泣きついてくるミアータ、
うんざりしながら2人の話を別々に聞くバンビーノ・・・懐かしい思い出だった。

またあの頃と同じに戻れたらいいな、とミアータは零し、2人は話を終えた。
バンビーノはイタリアサッカー協会に連絡する事を約束してミアータと別れた。
そして帰りの道・・・バンビーノは堪えられなくなり、裏道に入って嘔吐した。
彼は口の中に広がる胃液の苦味に咽(むせ)ながら、考えまいとしていた我慢をかなぐり捨てていた。

440 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:35:29 ID:???

失踪してから今まで、ストラットは何と向き合って来たのだろうか?
結局のところストラットは何にも決着をつけずにイタリアを去ったのだ。
罪の意識や後悔がそれをさせた事は想像がつく。

だが彼がやった事は『現実から逃げた』、只々それだけである。
そこに自らの罪と向き合い、現実と闘おうという意志はない、断じてない。
自分の心が少しでも楽になるように、考えずに済む様にという意識があるのみである。
彼自身は「自分など居ない方が良い、その方が周囲の為にもなる」と自らの行為を正当化し・・・
それ故、2年半経過した今まで『彼からは連絡手段があるにも関わらず』何も言ってこなかったのだ。

またストラットは残された人間の悲劇という物を一点も考えなかった。
よしんば考えたとしても、それからはずっと目を逸らし続けてきた。
彼ののやった事は周囲の不幸を更に拡大させるだけの行為だったのに。


――――――ストラットの行為を一言で表すならば、そこに『卑怯』以外の言葉はなかった。


だが・・・面会を許さなかった自分が、その後押しをしてしまったのも理解している。
そして、彼の無事を祈ってきたにも関わらず、今更こんな事を冷静に考えている自分が心底嫌だった。
親友に対する自分の思いは誠実でなく、真摯な物ではなかったのだ。
彼は自分に対して吐き気をもよおすほど嫌な気分だった。
これほど自分の心はちっぽけな物だったのかと・・・情けなくなり、彼は涙を零したのである。


441 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/08(水) 18:37:14 ID:???
〜回想終了・フィオレンティーナ控え室〜

バンビーノ「・・・と言う訳だ。」

最後にバンビーノは溜息を吐き、自嘲を浮かべていた。
これ程の悩みを抱えていたとは流石に三杉も予想していなかった。

バンビーノ「一昨年の冬、ドゥオーモの上でお前に語った言葉の成れの果てがこれだ・・・。」

勿論、三杉も覚えていた。
初めてバンビーノに心を打ち明けた時の事を。
そして、その時にバンビーノが漏らした親友への思い。

バンビーノ「・・・幻滅したか?」

三杉「いや・・・そんな単純な話じゃない事は僕にだって解るさ。」

理屈や真実がどうであれ、当事者にしか見えない世界が世の中にはある。
感情やそれにより歪む視点という点において、第三者は決して当事者とは同じ場所に立てない。
だが今 目の前のバンビーノが、自分でどうにか出来ない物に呑み込まれ掛けているのは確かな現実・・・
三杉は、ただ「はい、そうですか」と終わってイイとは思えなかった。


A (けどダメだ・・・何を言うべきか思いつかない。)
C 「最低だね、そのストラットって彼・・・・・・バンビーノは何も悪くないよ。」
B 「僕は・・・冷静に考えて許せない、という事が間違っているとは思わない。」
D 「バンビーノ・・・流石にその考えは間違っているよ、ストラットが可哀相だ。」
E 「結局・・・許すしかないんだろうね。 戻ってさえくれば、いつかきっと納得出来る日も来るし。」
F 「しかし・・・よく試合中に動揺を見せなかったものだね。 凄い事だよ、それは。」
G  そ の 他

重い話なんで『4』票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

442 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 18:49:25 ID:kav63x0c

時間の力を信じるんだ

443 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:00:03 ID:8N+EEmy2
B 「僕は・・・冷静に考えて許せない、という事が間違っているとは思わない。」

BとCの順番が逆なのは何か意味があるのだろうか?

444 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:07:29 ID:Cqk5DcMo


445 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:10:06 ID:TLWdXHKQ

「ただ待つ…或いは言葉を交わすだけじゃ君は納得できそうにないね…
 ならサッカーで決着をつけるのはどうかな、君と彼も…僕と同じサッカー馬鹿なら良い案だと思うよ
 馬鹿は馬鹿らしくボールを追いかけるのがお似合いさ」
意訳(ストラット、サッカーしようぜ!)

446 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:11:43 ID:+otCAvdM
>>445

447 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:17:48 ID:dafXsWFY

「選手としては許したいが、人としてはまだ許し切れない……という所なのかな。
それだけなら、特に問題はないだろうね。共に時間を過ごすことで癒える傷もある。
ただ一つ気になるとすれば……君は彼を『男』としてどう思うかだ。
ストラットが、ミアータさんを置き去りにして多大な苦痛を負わせていることを、許せるか、否か」

448 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:38:53 ID:u9m9PTok
E

449 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:51:42 ID:kD2cVVzw
B

450 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 19:53:52 ID:62pkfh4c
>>445


451 :森崎名無しさん:2010/12/08(水) 23:59:32 ID:cfeILPS+
E

452 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 13:54:37 ID:???
>>443 あひ、どうしてこうなった!? 違うんだ、こんなはずじゃ〜
>>445 反町と早苗さんもこれで上手くいきましたしね!
>>447 バンビーノ「どうしてもオレをnice boatさせたいらしいな」
===============================================

>E 「結局・・・許すしかないんだろうね。 戻ってさえくれば、いつかきっと納得出来る日も来るし。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「結局・・・許すしかないんだろうね。 戻ってさえくれば、いつかきっと納得出来る日も来るし。」

三杉はの言葉は、サッカー選手として振り切るべきだと。
しかしその言葉は何処か他人事のように聞こえてしまっていたかも知れない。
何故なら、三杉には自らの言葉に対する実感をまるで持っていなかったのだ。

三杉は自らのハンデであった心臓病に対し、自分や運命以外の誰かを呪った事はない。
そもそも彼にその身を与えたのは両親なのだ、許すも許さないも彼には最初からなかった。
彼は心臓病を呪い、憎み、そしてそれを排した結果、この場に立っているのだ。
それゆえ、バンビーノの静かな怒り(?)に対しても、深い共感は得られていなかった。

また戻って来さえすればいつか納得できる、という言葉にも言霊は宿っていない。
近くに居さえすればギスギスしていた者達の仲が改善するだろうか?
確かにこのイタリアでは初期にあったわだかまりが徐々に改善された経緯がある。
だがそれは各自に学んでいく意志、融和する意思が確実に在ったからだ。
日本にいた頃はどうだったか?
不仲だった者達は、融和どころか蹴落とす事に没頭していたのだ。

453 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 13:55:56 ID:???
人同士はそれぞれ何らかの意志なくば、関係が変わる事はない。
もし変わるとすれば、外部からの切っ掛けに依る物・・・そんなのは奇跡に縋るような物だ。
三杉は自らの経験でそれを知っていたし、彼はそんな奇跡に頼る事を善しとする人間ではなかった。
自分の運命を変える為なら、人生を売る事も、自らの才を強者との取り引き道具にする事も辞さない。
奇跡の価値は自らの意志・行動で起こしてこそ意味がある物だと、彼の本能は解っていたのだ。

即ち三杉が今彼に口にした言葉はあくまで慰めの言葉、気休めの言葉であった。
しかし三杉にとっては、仲間であるバンビーノが心を痛めているからこその純粋な労わりの言葉。
少しでもバンビーノの心が軽くなるようにと希望を投げかける意図だったのだ。


先着で
 ★バンビーノに伝わるかな→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→バンビーノ「グラッツェ、なるべく前向きに考えるようにするさ。」
ハート→バンビーノ「すまないな・・・心配掛けて。 だが話して少し心が軽くなった気がする」
スペード→バンビーノ「そうであって欲しいが、な・・・・・・・」
クラブ→バンビーノ「すまない、胃が痛くなってきた。」
JOKER→ジェンティーレ「話は聞かせて貰ったぜ!」 ヘルナンデス「オレ達に任せろ!」 なにィッ!?

454 :森崎名無しさん:2010/12/09(木) 13:58:19 ID:???
 ★バンビーノに伝わるかな→ クラブ8

455 :森崎名無しさん:2010/12/09(木) 16:25:00 ID:???
バンビーノは代表でいるよりフォオに留まったほうがいい気がしてきたぞ。

456 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 19:19:52 ID:???
>>455 何故だかそんな流れですね、でもストラットの事を乗り越えた方が結局良い方向ではあります。
===============================================


>クラブ→バンビーノ「すまない、胃が痛くなってきた。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

だが、残念ながらバンビーノが欲していたの慰めの言葉ではなかった。
今の彼は冷静そうに見えるが、実は混乱に近い状態に陥っている。
自らの理性が発する命令を、感情が受け付けていないのだ。

本当のバンビーノは解決を真っ先に求めていた。
大事な大会中に、ストレスや思考散漫の種など抱えているべきでないからだ。
ストラットへの気持ちに決着をつける、そんな後押しの言葉が欲しかったのだ。
許すべきでない、でも構わなかった。 逆に、自分が叱責されるでも構わなかった。
その為の標を彼は求めていた。 そういう意味で、彼は三杉とは違うタイプの人種だった。

バンビーノ「すまない・・・何だかまた胃が痛くなってきた。」

三杉「だ、大丈夫かバンビーノ!?」

バンビーノ「ああ、この事は暫く考えないようにする。 その方が良い、きっと・・・・」

三杉「分かった・・・すまなかったね、力になれなくて。」

457 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 19:22:11 ID:???
バンビーノ「いや、元々オレが自分で乗り越えるべき事なんだ。 そう、解っているんだ・・・」

三杉「バンビーノ・・・」

強がるバンビーノだが、纏う空気はいつになく弱々しい物になっていた。
これほどまで覇気を失っているバンビーノを三杉は見た事がなかった。

※バンビーノがローマ戦でペナルティを負う可能性が発生しました。



バンビーノが落ち着きを取り戻した頃、試合開始までの時間は20分ほどに迫っていた。
クールダウンを終えていたフィオレンティーナの選手達は観客席に移動する。

ASローマ・・・ローマの鷹と呼ばれるランピオン、FKの名手でハイレベルなテクニシャンのヘルマー、
そして実力の底を見せないフィッツウォルタを中心とする名門チーム。
対するACミランは、バンビーノら主力を失ったのちは暗黒時代という認識で、
現に今大会も予選でナポリに1位通過を許してしまうなど、奮っていない状態だ。
三杉がこの試合で気にしているのは当然、前者の方であった。

三杉(ローマか・・・不気味なチームだ。 サンプドリアとの試合でも、
    彼等は自分達の強さは見せず、相手の強さを殺して勝っていた。)

458 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 19:23:53 ID:???

岸田と赤井が敢え無く敗れた状況が思い出された。
ヘルマーを抑える為にボランチとして臨んだ赤井、ゴール前でランピオンをマークした岸田。
2人の攻撃を抑えればローマも動揺し、付け入る隙を見出せるという狙い。
だがその作戦は中盤の底にいた筈のフィッツウォルタによって瓦解した。
突然の意表を突いたドリブル突破や、オフ・ザ・ボールでのけん制・・・
如何様にでも動ける彼を赤井も岸田も無視できず、結果 本来のマーカーへのチェックが甘くなった。
そして、まるで相手の動きを予想しているかのように先読みされた中盤勝負。
結果は無残と言うしかなかった。

三杉(今日も同じようにローマペースの展開になるだろうな・・・
    少しでも相手の特徴を掴みたい所だが、正直 期待は出来ない。)

この試合、ミランの健闘を三杉は予想していなかった。
軽い溜息をつく三杉。 だが、その溜息は裏切られる事になるのであった。

459 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 19:28:19 ID:???

〜特殊イベント〜

※ユヴェントス戦での活躍、ダラピッコラへの対応で貴公子ポイントが最終的に24上昇しました。
 しかしながら何度か相手の心の機微を見抜けないなどがあり、9の減少がありました。
 これらを合算すると 59+24−9=74 となりました。
 貴公子ポイント 70 OVER達成! 女性キャラ登場のイベントが発生!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

観客席についた三杉達。 そんな彼等に強い視線を向けている少女が居た。
スカイブルーの瞳、ブロンドのショートカット、少し童顔な顔は可愛い部類に入る。
そして童顔とは対照的に出るところは出ているGoodな戦闘力。
最初は誰も気付かなかったが、やがて三杉らに向けて大きく手を振り始めた。

三杉(え、なんだあの子・・・?)

これは流石に気付かない筈もなく、しかもその激しいアピールに三杉は動揺を強いられた。
三杉だけでなく他の選手達も順に気が付き、男の園であるフィオレンティーナ席は騒然となった。

スペルマン「ん? あれれ、あの子は確か・・・。」

ブンナーク「な、なんだあの女・・・!」

レントゥルス「わ〜、かっわいいーーーー! チュチュチュチュチュ〜」

ダラピッコラ「バーカ、あの子が見てるのはオレに決まってんだろ! チュッ!」

ミュラー「うん、素敵な笑顔です。」

460 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/09(木) 19:29:48 ID:???

男の世界を生きてきたブンナークはドキムネに声を震わせ、レントゥルスは投げキッス乱打、
ダラピッコラは弟に対抗してクールな投げキッスを放ち、そしてミュラーは冷静に感想を述べた。
騒がないのは・・・と言うかこの騒ぎに気付かないのは、目標であるフィッツウォルタの試合へと
100%の意識を向けているマルコ、それからドンヨリした雰囲気を醸し出しているバンビーノだけだった。

三杉(あー、なんだろう・・・ボクも何かするべきなのか?)


A 慌てるな、ここは様子を見るべき。
B おいマルコ、見ろよあの子・・・と、そんな感じ。
C おいバンビーノ、見ろよあの子・・・と、そんな感じ。
D 控えめに手を振ってみようか。
E 郷に入っては郷に従え、ここは僕も投げキッスだ。 
F そ の 他

3票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

※本日はここまでとなります。
 次回また宜しくお願いしますね、チャオ。

461 :森崎名無しさん:2010/12/09(木) 19:31:32 ID:x5NTTeyM


462 :森崎名無しさん:2010/12/09(木) 20:02:25 ID:otvvlHWs


463 :森崎名無しさん:2010/12/09(木) 20:46:08 ID:GPu6+W0Y
D


464 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 03:54:25 ID:ZkaIdY+A


弥生がいるからと無視することも考えたけど

465 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 03:55:36 ID:???
しまった……決まっていたのね……orz

466 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 12:15:41 ID:???
>>465 よくある事です、私の数々のミスに比べれば凹む事はありませんw
===============================================


>D 控えめに手を振ってみようか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

渡伊してからというもの、三杉自身はどんな女性に対しても興味を抱く事はなかった。
彼には青葉弥生との事があったし、基本的にサッカーの事以外を考えられる余裕もなかった。
また彼は小、中学生時代に黄色い声を浴びてきており、女性に対して強力な免疫を持っている。
それゆえ街行く女性の一挙手一投足にも無頓着であり、仮にフィレンツェで誰かから
熱い視線を浴びていたとしても、それに気付く事はなかった。

そんな彼にとって(自分に対してだと決まった訳ではないが)こうして明確にアピールをする
女性の姿を目にするのは久し振り、以前では考えられなかった新鮮さを感じていた。
また一部の仲間達のアピールに対する反応は日本じゃ考えられないようなテンションであり、
なんとなく三杉もあの少女に軽く反応を返してみようかという気分にさせていた。

三杉(まあ・・・少しだけ手を振ってみようかな。)


先着で
 ★孔明「いまです!」→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→三杉が手を振ろうとする直前、隣に座ってたアイツが「あっ!」という声をあげた。
ハート→三杉が手を振ろうとする直前、少女は業を煮やしたような感じでこちらの席に近付いてきた。
スペード、クラブ→手を振ったのに少女は全然喜んだ様子がなく、何やら必死な様相を見せてきた。
JOKER→三杉が手を振ると、少女は大喜びな様子を見せた。 効果は抜群だ。

467 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 12:30:22 ID:Ns/obmaQ
★孔明「いまです!」→ ハート8

468 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:03:18 ID:???
>ハート→三杉が手を振ろうとする直前、少女は業を煮やしたような感じでこちらの席に近付いてきた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

手を振り返す事に決め、身体を少女の方向に向けたその時・・・
彼女は手を振るのをやめ、頬を大きく膨らませて立ち上がっていた。
そして連れと思われる少女2人が制止するのを振り切って、不機嫌そうにこちらに向かってくる。

三杉(おや・・・?)

ブンナーク「ななななにぃっ!? こ、こっち来るぞ!」
ダラピッコラ「っとと、これって・・・」
レントゥルス「なんだかトラブルの予感ー?」
スペルマン「ふふ、面白い物が見れるかもね。」
新田「ブンナーク・・・・・・ダセぇっ!」
中山「おい、そこは得意のスルーにしとけって。」
バンビーノ(ズーーーン)

事態は飲み込めないが、皆それぞれに思う所はあるようである。
三杉は頭上に“?”を浮かべつつ、経過を窺うより他なかった。

469 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:04:31 ID:???

少女はプンスカしながらとうとう三杉達の席までやってきた。
そして三杉の方、いやもう一つ奥の方を見据えてこう言ったのである。

???「もう・・・マーくん! さっきから手を振ってるんだよ!」

マルコ「ハィっ!・・・・・い? えっ! あれ? ナっちゃん?」

ナディア「あれ?・・・じゃない! ヒドイよ!」

ダラピッコラ「マーくん・・・?」
レントゥルス「ナっちゃん・・・?」
スペルマン(やっぱりそうだったw)

手にしていた大事なデータノートを放り投げるくらいに驚くマルコ、そしてニヤつく外野。
こんな感じでフィオレンティーナ選手達の観客席は試合前から騒然となってしまったのである。
(でもバンビーノだけはズーーーン。)


・・・・・・

ナディア「ごめんなさい、お騒がせして・・・(シュン)」

友人A「本当にもう・・・子供なんだから。」
友人B「まったく・・・・・・。」

数分後、後から追ってきた友人二人に(×諭され)○説教され、騒がせた事を謝るナディアの姿があった。
ナディアの友人達も相当呆れているようで、ヤレヤレだわという独り言が丸聞こえである。

470 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:06:31 ID:???

三杉「いや・・・みんな気にしていないから大丈夫だよ、と言うか喜んでいるみたいだし。」
レントゥルス「そうそう!」 ダラピッコラ「一緒に観戦しようぜ!」 

三杉「ハハ・・・バカ兄弟少し黙れ。 ・・・それよりマルコ、折角だからちゃんと紹介してよ。」

マルコ「あ、うん、・・・。 えっと・・・ナディアです。」
スペルマン「そうそう、愛しのナディア。 写真なんかで見るよりも、ずっと可愛いんだよね?」

マルコ「―――――――!!」


ボフンッ

スペルマンの言葉に赤面しながら絶句し、思わず胸倉を掴むマルコ、それを聞いてマルコ以上に
真赤になってしまうナディア、どうやら2人の仲については聞くまでもないようだった。
あからさまな冷かしの歓声が上がる中、哀しき漢はこの空気に耐えられず光の彼方に消え去った。

ブンナーク「ぬ・・・ぬぉぉぉぉぉぉ! 爆発しろォォォォ!」
新田「ああ! ブンナークが走り去ってゆく!」
中山「放っとけ新田、バカが感染るぜ。」
バンビーノ(ズーーーン)

三杉(何だか今日はヤケに皆の意外な一面を見る日だな・・・。 しかしマルコも中々隅に置けない、
    恋人が居るらしい様子はあったが、それがこんなに可愛い子だったなんてね・・・っと?)

471 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:08:37 ID:???
マルコとナディアを微笑ましげに見ていた三杉だが、その時彼は再び視線を感じた。
どうやら今度は疑う余地がない、三杉に対して向けられた熱視線である。
それを放っているのはどうやら、後方で控え目にしているナディアの友人Bであった。
背中まで伸ばしたストレートのブロンドヘアは手入れが行き届いており、スラリとした体型と併せれば
まるでモデルのように感じさせた。 瞳はナディアと同じくスカイブルーなのだが、より一層の深みが
あるように見えた。 だがそれ以上に・・・三杉は不思議と懐かしいような感じが印象的だった。

三杉(あの子・・・見た目は全然違うけれど、なんだか弥生に似ている気がするな・・・)

そしていま2人の目が合った。


先着で
 ★ときめきミスギアル→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→それが契機となったのか、友人Bが控え目に声をかけてきた。
スペード→だが意外にも声をかけてきたのは友人Aである。
クラブ→だが友人Bは三杉の目を逸らすと、バンビーノ(←ズーーン)の方へ歩み寄った。
JOKER→AとBがキッチリ同じタイミングで三杉に声をかけてきた!?


※ところでここで登場したナディアですが、彼女はオリキャラです。
 名前と人間関係には借りている元ネタがありますけれど・・・分かる人はきっと後々分かる筈。

472 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 19:10:10 ID:???
 ★ときめきミスギアル→ スペードJ

473 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 19:10:13 ID:???
★ときめきミスギアル→ スペードJ


474 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 19:28:32 ID:???
いつの間にか競技が変わってるー!?

475 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:57:07 ID:???
>>472-473 Youたち結婚しちゃいなYo!
>>474 これが貴公子ポイントの世界です。
===============================================

>スペード→だが意外にも声をかけてきたのは友人Aである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

だがその時、三杉とBが交わす視線の間に入ってきた者がいる・・・言わずもがな、友人Aだった。
なんと三杉はすでに2人の女性(いずれも美人)の関心を手に入れているようだった。
ヘタなホストだったら「この女 陥落(お)ちた・・・!」と独白するようなシチュエーション。
流石に運動400 文系200 理系350 芸術250 容姿500 根性300の三杉は格が違ったという事だろうか?

Aの姿にハッとしたBは、慌てて視線を他所に向けた。
それはさっきから騒ぎに乗ってこないでズーーーンとしっ放しのバンビーノに対してだった。
そのままBは心配そうな顔でバンビーノの方へと寄って行き・・・対してAは三杉に声をかけてきた。


先着で
 ★ときめきミスギアル2〜伝説の鐘〜→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→A「あの・・・ジュン・ミスギですよね? 私、モニカって言います。」
スペード→A「ふぅん・・・アンタがジュン・ミスギ? アタシはアスカ、アスカ・ラングレー。」
クラブ→A「貴方がジュン・ミスギだったりしちゃったりしますか。
      私の名前はラミア・ラブレスと言いますなのでごわす。」
Joker→A「初めまして、貴方がこのチームのキャプテンですね?
      妾(わたくし)はリリーナ、リリーナ・ドーリアンと申します。」

476 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/10(金) 19:59:01 ID:???
本日はここまでになります。
次回もアナザーカンピオーネに・・・パイルダーオーーン!

477 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 20:04:28 ID:???
 ★ときめきミスギアル2〜伝説の鐘〜→ ハートQ

478 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 20:05:23 ID:???
★ときめきミスギアル2〜伝説の鐘〜→ スペード9

479 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 20:05:46 ID:???
リリーナの相手はラムカーネだろ乙w

480 :森崎名無しさん:2010/12/10(金) 22:50:38 ID:???
Aちゃんだからアスカじゃなければダグラスさんかと思ったけれど、
それじゃあ某敬虔なる〇〇教改め洩矢教のあの御方が黙ってはいるまいと思ったので止めとこう…。

それにしてもマルコがAちゃんなのか…、バカップル爆発しろ。

481 :森崎名無しさん:2010/12/11(土) 01:52:46 ID:???
ちょっと待て、アイビスの綴りはIbisなんだぜよ?

…もしやカップサイズ的な意味でAって事なのか?

482 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/11(土) 12:28:11 ID:???
週末は更新できなさそうです。
もしかしたら後ほど少し出来るかも…

コメレスだけ今させて頂きます。


>>479 それはもう。彼女はチームのキャプテンに用があるだけで、三杉の事なんか知りませんw
   まあJOKERですしね!

>>480 Aは只の記号のつもりでしたが、実はアイビスを入れるか迷ってました。何故わかったし。
ってか、マルコとナディアの密かな元ネタに気付いてくれる人が遂に現れた!
>>481 その発想はなかったのですw

483 :森崎名無しさん:2010/12/12(日) 08:38:12 ID:???
マルコとマルオ乙でした。

>>482
それは某音撃スレでスパロボの話題が出た時に
アナカンさんが大食い娘派で64大好きなのが判明したからw
ちなみに私はハーレム推奨派なせいで出撃回数が足りない〇〇力不足なんですけどね。

484 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 12:00:14 ID:???
>>483 どもどもです、流石に>>483氏は洞察力が違った!きたないな483さすが483きたない。
    マルオは進化しまくりんぐですねぇ、マルコもあそこまで行ければ・・・クッ
===============================================

ダイヤ、ハート→A「あの・・・ジュン・ミスギですよね? 私、モニカって言います。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Aは3人の中では最も長身であり、一人だけ黒髪のロングと目を引く要素が多い少女だった。
少女というには大人っぽすぎる雰囲気を備えており、先程のBよりも更にモデルを思わせる。
また寒色のブラウスにスラックスという組み合わせ、加えて切れ長の瞳がどことなく彼女に
クールで中性的な印象を与えていた。
だが、いま目の前の三杉を見ている彼女の表情は、年齢相応のまさしく少女のものだった。

A「あの・・・ジュン・ミスギですよね? 私、モニカって言います。」

顔を少し赤らめ、自分よりも5cmは背の高い三杉の事を見上げるようにしている。
声色は僅かに上擦っており、どうやら緊張している事が窺えた。

485 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 12:01:45 ID:???
三杉「え・・・? うん、そうだけれど。 僕の事を知って・・・?」

モニカ「あの、はい・・・えっとインテル戦からずっとスゴイなって思ってました。
     予想できないようなコースへのパス、トリックスターのようなドリブル、
     周囲に指揮を飛ばすリーダーシップ、それから何より・・・」

ダラピッコラ(OiOi、これって・・・) レントゥルス(wktk・・・)

モニカ「あのロベッシャータの美しさ、目に焼きついて離れませんでした。」

三杉(うーん、ヘルナンデス(6ゾロ)に取られたハイパーオーバヘッドの事を言っているのだろうか?
    と言うかこれはきっと・・・いや、間違いなく好意を持たれているんだろうな。)


A 三杉「うーん・・でもアレはヘルナンデスに取られたからね、まだまださ。」
B 三杉「どうもありがとう・・・っと、モニカさんだっけ? 宜しくね。」
C 三杉「そういう事なら、次の試合は君の為にオーバーヘッドを決めるよ。」
D 三杉(モニカへの挨拶はそこそこにして・・・正直それよりもBの様子が気になる)
E 三杉(勘違いだったら恥ずかしいけれど、ここは弥生の存在を伝えておくべきかな。)

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)

486 :森崎名無しさん:2010/12/13(月) 12:19:09 ID:ycfH5Xsc
A

487 :森崎名無しさん:2010/12/13(月) 12:27:20 ID:/bAcsEU6


488 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 15:21:42 ID:???
>A 三杉「うーん・・でもアレはヘルナンデスに取られたからね、まだまださ。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

称賛されるのは悪い気分ではなかったが、それでも彼はそのハイパーオーバーヘッドで
ゴールを奪えたわけではなかった為、そう誇れる気分にはならなかった。
喩えそれが、自分でも会心の一発と言える物だったとしてもである。
本当に解っているのか、少々買い被られているような気もし、ここは控え目に答えておく事にした。

三杉「うーん・・でもアレはヘルナンデスに取られたからね、まだまださ。」

レントゥルス(ええー、ちょっと素っ気無さ過ぎない?)
ダラピッコラ(ま、ジャッポネーゼだからな。 照れてるんだぜきっと。)

・・・などと、典型的イタリア坊や達は小声でヒソヒソしている。
少し心配そうな目で、このように返されたモニカの方を見るが、別段気にした様子もない。

モニカ「そうですかぁ・・・もっとずっと上を見てるんですね、ミスギさん。
     でもやっぱり、あのロベッシャータは高さも捻りもコースも美しかったですよ。
     あの日の、本当に絶好調だったジノ・ヘルナンデスでなければ決まっていました。」

ナディア「あの試合っからそればっかりだよね、モニカは。
      でも本当にそうだと思います、私達も生粋のロマニスタ(ACミランサポーター)ですからね。
      憎きインテルのヘルナンデスの実力は身に沁みて分かってるつもりですよ?」

489 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 15:23:38 ID:???

食い下がるモニカを、ナディアはそう言って援護射撃した。
「インパクトの瞬間に目隠しされてなかったらねー」と2人はウンウンと頷き合う。
これには三杉も驚かされた。

三杉「(ふぅん・・・流石はイタリア人、弥生と違って目が肥えているんだな。)」


先着で
 ★おっと選手入場か?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ、ハート→ミランの入場だ!・・・っと、皆慌てて席に着く。
         そのドサクサでモニカが三杉の隣席をゲット!
スペード→ミランの入場だ!・・・っと、皆慌てて席に着く。
クラブ→まだでした。 地球を一周して戻ってきたブンナークが三杉達に嫉妬?
クラブA→中山(三杉・・・クソッ、このリア充め爆発しろ!)
JOKER→キュピーン! 弥生「ハッ・・・何処か遠くで良からぬ事が起こっている気が・・・!?」


490 :逆襲の若島津 ◆.0brsTst7A :2010/12/13(月) 15:27:16 ID:da7YQdHA
★おっと選手入場か?→ スペード9


491 :森崎名無しさん:2010/12/13(月) 17:26:05 ID:???
おいィ?それを言うならミラニスタじゃにいか!?


ちょっとわずかに言い方が誤用だっただけで揚げ足取りかよ…

492 :森崎名無しさん:2010/12/13(月) 18:10:51 ID:???
間違えた!アナカンさんはスイーツ娘派だった…。

この海の>483一生の不覚!

493 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 18:59:36 ID:???
>>491 ギャー! なんでこんなん間違えちゃったの!? 何なのこのスレ主!? バカなの?死ぬの?
    という訳でツッコミ感謝です! 超すみませんでしたーーーー!(ジャンピング土下座)
>>492 うひひ、そんなの間違えの部類に入らないZe! 今日は不覚祭りで!w
===============================================

>スペード→ミランの入場だ!・・・っと、皆慌てて席に着く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

観客「来たぞ! ミランの入場だ!」

・・・と、ここで誰かが叫んだ。どうやらACミラン・ユースの選手達の姿が見えたのだ。
その叫びを皮切りにミランコールが沸き上がり、観客席は早くも熱狂に包まれる。
流石は地元チームなだけあり、観客の反応もこれでもかと言う位に大きい。

三杉「皆、雑談はここまでだ! 席に座れ!」

三杉が急いで規律を正すと、選手達も直ちに表情を締めた。
どうやらモニカやナディアらは空いていた近くの席に座ったようだ。
三杉も自らの席に落ち着き、リラックスしていた頭を切り替える。

三杉(さて、ローマの選手は・・・)

バンビーノ「ムッ、あいつは・・・!」

三杉「えっ、バンビーノ?」


494 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:01:06 ID:???
完全無欠のどんよりモードだったバンビーノが、ここに来て突然の発言。
その声には力強さがあり、先程までの陰鬱な雰囲気が全く感じられなかった。
これは三杉もギョッとせざるを得ない。

三杉(え、一体何が・・・? あの子(友人B)? あの子が何かしたの?)

バンビーノ「アンドレアを出すのか・・・! ミスギ、あいつの事をよく見ておけ。」

三杉(バンビーノ・・・?)

バンビーノが指差した先には銀髪の少年の姿があった。
ローマの選手達を注目する意図にあった三杉は、このバンビーノの言葉に怪訝な表情を返すが・・・。
だがバンビーノのサッカー選手としての目も確か、腑に落ちぬまま再びグラウンドに目を向けた。

495 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:02:07 ID:???

〜ミラン控え室〜

時は少し遡(さかのぼ)る。
ここACミランの控え室では、当然ながらローマ戦に向けたミーティングが行われていた。
しかしその様子は騒然としたもので、多くの選手達の表情は硬く強張っていた。

デ・ニーロ「・・・スタメンは以上だ、質問は?」

選手A「し、質問も何も・・・!」
選手B「監督(ミステル)デ・ニーロ!! どういう事ですか!?
     何故 決勝トーナメントまで来て、こんな変更を!?」

デ・ニーロ「これが最も勝率の高い戦術と考えられるからだ。」

選手A「な、納得できません! 何故オレが外されて、こいつらが!」
選手B「そうです! ファルコーニはともかく、こんなジュニアっ気の抜けない奴等を・・・!」

どうやら自分が起用されない事に、一部のレギュラーが不満をぶつけているようだった。


ピエトロ「まあまあ先輩方、所詮サッカーは実力ですよ。 なっ、ロデオ!」

ロデオ「あ・・・う、うん!(分からないけど・・・チャンス、チャンスなんだ!)」

496 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:03:22 ID:???
挑発的な物言いの少年はピエトロ・バルタリ。 スピード、テクニック、マリーシア・・・
その貪欲なプレイスタイルは、勢いに乗ればレギュラー陣を食う程の実力者である。
そして、怖じ怖じとしつつも懸命に声を張るのがロデオ・ストラーロ。
前線で積極的に走り回り、スペースを作り出す術に長けており、また守備時においては、
この動きで相手の速攻を潰す事も出来る。 またポジショニングやボールキープについても
巧みなセンスを持っており、懐の深いプレイヤーとして期待されている。
・・・が、両者ともそれ以外はレギュラーに劣り、特にキック力では水を開けられている。
だが、それも無理はない。 彼等はまだ若干15歳、本来ならばアッリエーヴィ(プリマの下)の選手なのだ。

選手A「テメェ、ピエトロ!」
選手B「調子に乗るんじゃねえ!!」

ピエトロ「ハンッ! アンタ等じゃローマに勝てねぇって、監督が言ってんだよ!」

マッシモ「ピエトロ、言いすぎだ!」

長身ポストプレイヤーのマッシモがピエトロの挑発を制止する。
ピエトロ、ロデオにこのマッシモを加えた3人が、レギュラーの代わりにFWとしてスタメンを張る。

口汚い罵り合いが飛び出す中、ここまで何も発言していなかった銀髪の少年がここで口を挟んだ。
彼の名はアンドレア・ファルコーニ、銀髪の将軍の二つ名で知られる男である。
ファルコーニは昨年の欧州Jrユース選手権で、キャプテンとしてアズーリを優勝に導いた選手である

497 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:04:44 ID:???

ファルコーニ「起用について疑問はありません。 ですが監督、何故3トップなのですか?」

マッシモ(そ、そうだよな・・・ミランは2トップが伝統。 急に3トップでやれって言われても・・・。)

ファルコーニの問いに、FWとして指名されていたマッシモをはじめとした選手達が首を傾げた。
これに対し、ようやくミランの監督は口を開いた。

デ・ニーロ「まず最初に言っておく事がある・・・。 お前達はグランデ・ミランではない、只の弱小だと。」

選手A「なっ!!」
ピエトロ「ヒデェっ!」

デ・ニーロ「対してこの世代のローマは強豪、真正面から闘っても勝ち目はあるまい。」

選手B「だ、だからってそんな奇策で恥を曝したら、プレス(マスメディア)だって騒ぎ立てます!」

デ・ニーロ「では、この中でランピオンを止められる自信のある奴は居るか?・・・アントニオ、お前はいい。
       ヘルマーに競り勝って中盤を制する自信のある奴は居・・・アンドレア、お前はいい。」

アントニオ&ファルコーニ「Sir.」

498 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:06:05 ID:???

空気を読まず挙手したGKのアントニオ・ダンテ、それから中盤の底のファルコーニに対し、
デ・ニーロは呆れた声を出す。 だがこの2人の他に自信を見せ付けられる者はどうやら居なかった。
その事に対してもデ・ニーロは落胆めいた表情を見せたが、気を取り直して話を続けた。

デ・ニーロ「我々が為そうとしている事は、言わばジャイアント・キリングだ。
       それを成功させるのに、まともな闘い方をしたって到底無理だ。」
       理解しておけ、サッカーの歴史において番狂わせは数多く存在した。
       だがその中に、弱者の工夫が無かった試合は一つとして存在しない!
       弱者の工夫なしにジャイアント・キリングは存在しない!」

繰り返された監督の強い言葉に、選手達は誰もが口を閉ざした。
文句を言っていた選手らも、全員がそれを理解していたのだ・・・自分達の力不足を。
そしてグランデ・ミランとして栄華を極めるトップチームとの差を。

デ・ニーロ「では戦術を説明する、一度しか言わんぞ。」


・・・・・


499 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:07:28 ID:???
〜グラウンド〜

実況「さあ皆さんお待たせしました! 決勝トーナメント第2試合 ミランvsローマ、
    もう間もなく選手入場です。 フォーメーションは以下のようになっております。」


ミラン(4-1-2-3)

−−−−−−− 
−J−−−F− Jロデオ Hピエトロ
−−−H−−− Iマッシモ
−−−−−−−  
−−I−G−− Iディミトリオ Gデヤン
−−−E−−− Eファルコーニ
−A−−−B− Aフィリッポ Bアレッサンドロ
−−C−D−− Cステファノ Dダニエラ
−−−@−−− @アントニオ


ローマ(4-3-2-1)

−−−−−−−  
−−−H−−− Hランピオン
−−−−−−− 
−−I−J−− Iヘルマー Jシニーシャ
−E−−−F− Eヤルニ Fモンドニコ
−−−G−−− Gフィッツウォルタ
−AC−DB− Aグレグッチ Cレビタン Dムッシ Bアンノーニ
−−−−−−− 
−−−@−−− @ジョバンニ

500 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:10:54 ID:???

入場の列の中、ローマの選手達・・・特にDF陣は動揺を見せていた。


レビタン(すためんガコレマデト全然違ウ!?)
ヘルマー(あいつ・・知っているぞ、確かファルコーニとか言ったか?)
フィッツウォルタ(データに無い選手か・・・ふぅん、それなりに小細工を仕掛けてきたんだね。)
ランピオン(ふんっ、相手が誰だろうとやる事は変わらん!)

ピエトロ(ゲゲッ、あれがローマの鷹ぁ!? な、なんつー筋肉だよ!)
ロデオ(プ、プリマデビューがこんな大きな試合か・・・。でもやるしかない、観ててくれ母さん(マンマ))
ファルコーニ(監督の意図が何だって構わんさ、オレがトップに上がる材料の一つになる限りな・・・。)
アントニオ(フンッ、監督はああ言っていたが今日はオレの力を見せ付けてやるぜ!)


・・・各選手の思惑が働く中、間もなくキックオフの時がやってこようとしていた。


501 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/13(月) 19:14:00 ID:???
本日はここまででございます、ありがとうございました。

なんか大変アホな間違いをしちゃって程度が知れたわけで。
どっかのUTSUKIにも厳しい返しを受けましたが、我々の業界では御褒美です。
ではまた次回で〜 NPC戦苦手〜

502 :森崎名無しさん:2010/12/13(月) 21:36:25 ID:???
乙でした〜

503 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 00:03:38 ID:???
モニカたんはオリキャラ?
元ネタがあるのかしら?

504 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 13:19:46 ID:???
>>502 乙どもども

>>503 ファンタジスタのイタリア修行編にモブとして登場しています。
    でも作者の愛は受けておらず、絵は安定しない、描写ほとんどないの可哀相な子です。
    17巻のミラノダービーの時はアンニュイで綺麗な表情が描かれ、セリフも多少あったかな。
   
    余談ですが、ナディアという少女もファンタジスタでモニカの友人関係で登場しており、
    今作では名前だけ借りました。今回書いているナディアのキャラのイメージってかモデルは、
    ベイビーステップというテニスマンガのヒロインです。んでその作品の主人公はマルコのモデルと。
===============================================

スクリーンに映し出されたフォーメーションとスタメン。
それを見ていたナディアが素っ頓狂な声を挙げた。

ナディア「あれ!?」

マルコ「んっ? どうしたの、ナっちゃん?」

ナディア「ううん、多分何かの間違・・・・。 あぁ、やっぱり! ピエトロとロデオだよ、あれ!」

モニカ「ヘッ・・・?・・・・・・あ、本当! あの2人が出るの!?」

スクリーンからグラウンドに目を移し、入場した選手達を確認したナディアが再び驚いた。
隣に座ったモニカも手で口を押さえ、ハッと息を呑むような仕草を見せる。

505 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 13:21:23 ID:???

三杉「・・・どういう事なんだい?」

モニカ「あ・・・ハイ。 あの、私達のクラスメートが試合に出るみたいなんです。」

マルコ「えっ! ナっちゃんのクラスメートって事は、まだ15歳とかじゃない?」

ナディア「うん、そうだよ! この前プリマに飛び級したとか聞いたけど、まさか出るなんてビックリ。
      それだけじゃなくって、今日のミランは半分以上レギュラーが出てないし・・・!」

この言葉を聞き、マルコは拳で額を押さえて何やら考え始めた。
またレントゥルスとダラピッコラも何やら慌てた様子で相談している。
三杉もこの驚くべき情報に、フォーメーションと照らし合わせて思考を働かせてみるが・・・


A ナディアが今・・・15歳!? マルコ・・・キミは一体何歳からナディアを・・
B 15歳の選手をここで出してくるのか・・・なるほど、秘密兵器というわけだな。
C 居たんだ、ローマには・・・完成されたスーパー15歳が! アンザーニ「それも・・・2人も同時にだ・・・」
D データに無い選手でローマを慌てさせようと言うのか?
E その2人をFWの両ウイングにか・・・なるほど。
F そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


506 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 14:05:27 ID:5AkXn6DA


507 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 14:25:05 ID:b2PPPzlg
D

508 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 14:38:13 ID:71SJKBwU
E

509 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 15:05:44 ID:???
>C
混ざってる混ざってるw

510 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 15:47:13 ID:???

>E その2人をFWの両ウイングにか・・・なるほど。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ローマの選手が相手の癖やパターンを読む事は、以前の試合から分かっていた。
単純に考えれば、ミランもその事を把握し、対策としてノーデータの選手をスタメンにしたと考えられる。
しかし、果たしてたったそれだけでローマへの対策になるのかと考えれば・・・

三杉(ローマにはランピオン、ヘルマー、フィッツウォルタと縦のラインが完成している。
    そんな相手にベンチウォーマー・・・しかもプリマに上がったばかりの選手を当てる?)

普通に考えれば奇策、破れかぶれとしか思えなかった。
三杉はもう一度フォーメーションを眺めてみた。
問題となる15歳の2人は両ウイングに備えられていた。

三杉(その2人をFWの両ウイングにか・・・なるほど。)

マルコ「え?」

三杉「ん?」

マルコ「ミスギ、何か分かったのかい?」

どうやら考えていた事を口から出してしまっていたらしかった。
マルコをはじめとした選手達、そしてナディアらは興味津々で三杉に注目している。

三杉「ええと・・・」

511 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 15:49:14 ID:???

先着で
 ★その時 三杉の・・・→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

ダイヤ→指はミランのフォーメーションを指していた。
ハート→顔はちょっと赤くなっていた。 そんなに期待しないで!
スペード→胸がドキドキしていた。 素数を数えるんだ。
クラブ→口からは不思議な言葉が飛び出していた。
JOKER→耳には神の御信託が聞こえてきていた。 どっちが勝つかもう分かってしまったよ!

※もしダイヤ以外の結果が出ても、文章で予想を書いて下さり、それが正解か或いは類似する
 考え方ならばダイヤ扱いとして進行します。


>>509 ローマとミランは私の右脳の中で混同されている模様です、すみません(汗)

512 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 16:01:58 ID:???
★その時 三杉の・・・→ スペード10

中央の縦のラインがしっかりしているローマをサイドから崩すことが目的。
若い2人の選手(おそらくスピードと勢いがあり、相手にはデータがない)でDFラインを混乱させたい。
といったところでしょうか?

513 :森崎名無しさん:2010/12/14(火) 17:05:13 ID:???
ローマ
レビタン、ヘルマー、フィッツウォルタ、ランピオン
ミラン
ピエトロ、ロデオ、ファルコーニ、アントニオ
入場のときにセリフがあった奴ら、これが各々の主力か?
ミランFWのマッシモという奴がいない…無名キャラ?・・・
両ウイングは能力不足とのことだし、得点源PKしかなんじゃ・・・

それに、ただの両サイド攻撃が通用する相手ではなさそうだ。

514 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 19:58:37 ID:???
>スペードですが、記述の方がいらっしゃったのでそちらを優先します。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「そう大した事ではないけれどね、ミランの攻撃への意志は何となく分かるかな。」

ナディア「攻撃の意志・・・?」

三杉「ああ、彼等のフォーメーションを見て欲しい。 4-1-2-3・・・逆三角形の中盤に3トップだ。
    1の位置である6番の選手、即ちファルコーニを起点に先へ拡がっていく陣形であり、そして
    最前線の両翼にはデータのない選手を置いている。」

モニカ「あ、データのない選手という意味ならマッシモと、もしかしたらアンドレアもそうかもです。
     2人とも私達の1つ上ですけど、プリマではお互いにベンチウォーマーでしたから。」

マッシモはともかくアンドレアは実力的にスタメンでも不思議じゃない、とモニカは付け加えた。
その言葉に三杉は合点がいったかのように頷いた。

三杉「そうか、ならばよりハッキリした。 おそらくミランは外に拡がる攻撃に主眼を置いているんだ。
    ローマはランピオン、ヘルマー、フィッツウォルタ、それからレビタンと縦のラインに強固な
    ベクトルを有しているが、その反面でサイドは脆弱だ。」

515 :アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/12/14(火) 19:59:38 ID:???

マルコ「その不利を、相手の動きを研究する事で補っているんだね・・・。」

三杉「そう、だからこそ両翼にデータのない選手を置くのは大きい。
    少なくとも両SBの攻め上がりは押さえられ、下手をすればSHの動きもけん制される。
    そうなればローマは縦のラインを崩さざるを得ず、普段の闘い方が出来なくなり・・・
    ・・・試合の主導権はミランの物になる。 また両翼をレビタンとフィッツウォルタがフォロー
    するとしても、中央にはデータのない選手がもう一人・・・ローマはあと一手足りない。」

オォーという皆の声が挙がる中、三杉は苦笑して自論の矛盾点を口にする。

三杉「けれど、これはWGの2人にそれだけの実力が備わっていなければならない。
    ローマのサイドの選手がデータ無しでどれ程の実力か知らないけれど、
    果たして15歳の2人がそれだけの力があると言うのだろうか?」

これも尤もな話であった。
仮に得意分野だけがレギュラー並みとして、それでもローマの選手を圧倒する程だとは想像し難かった。
ピエトロやロデオの実力をある程度知っているナディアらも、確かに・・・と怪訝そうな顔をした。
だがここで今まで黙っていた男が口を開いた。

513KB
続きを読む

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail(省略可)

0ch BBS 2007-01-24