キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/10/28(木) 14:54:54 ID:EtOKNCQ2
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1277734341/l50
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルに留学した彼は数々の強敵達と激戦を繰り広げ、宿敵・大空翼への大敗や
腰の負傷等の苦難に見舞われながらも見事復活し、今や全日本ユースキャプテンとして
日本史上初のワールドユースアジア予選突破を目指しているのだ。アジアでは突出した戦力を持つ日本は
予選リーグを圧倒的な戦果で突破したが、ワールドユース出場権を賭けた運命の決戦の相手は
守備力自慢のサウジアラビアユース。鉄壁の守りから虎視眈々とカウンターを狙う彼らの弱点は何処に?
…こんな感じで話は進んでいます。

252 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:53:08 ID:hVGvVKus
ディウセウ「おめえがコインブラか?オラサントスのディウセウ。よろしくな!」

コインブラ「ああ」

トニーニョ「不勉強ですまないが、お前の所属クラブを教えてくれないか?」

コインブラ「俺は無所属だ」

ブラジルメンバー「ハァ!?」「な、なんだって!」「無所属!?」「ほ、本気かよ!」

この時コインブラは何処のクラブチームにも所属していない良く言えばフリーエージェント、悪く言えばアマチュアだった。
ブラジル程プロサッカーリーグが発達した国で何処のクラブでもプレイしていない無名選手が
代表選手になるなど考えられない事である。現にコインブラ以外の選手たちはその多くが既に
名門クラブの1軍で戦力として数えられている身分であり、彼らが驚き戸惑うのは至極当然の事だった。

しかし驚き以外の反応を示した者達も4人居た。

253 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:53:21 ID:hVGvVKus
ジェトーリオ「(堂々と無所属だって言い切っちゃったよこいつ…何考えてんの?)」

サンタマリア「(只者ではないと思っていたが、無名クラブですらプレイしていないのか?)」

カルロス「(やはり…俺はずっと昔、こいつと何処かで会った事がある気がしてならない)」

例外の内3人はリオカップ時にコインブラと2度会話した事があるフラメンゴ組の3人。

ゲルティス「(…なんだこの男は。ミランのトップで今すぐプレイできそうなオーラを感じる…!)」

そしてもう一人は面識は無かったが一目でコインブラの脅威を悟ったゲルティスだった。
彼の脳裏には自分が所属する超名門クラブ、ACミランの一軍でプレイしている世界屈指の
名選手たちの姿と力が浮かんでおり、コインブラはそれと同じ物を感じさせたのだ。
過度とも言われる程冷静沈着が売りの筈の彼は今誰にも気づかれずに目を大きく見開いていた。

さして時間がかからずにコインブラからロベルトに注目が移り、暗黙の疑問が投げかけられる。
何故こんな場違いな奴を呼んだ?と。しかしロベルトはそれに答えずに咳払いをした。

254 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:53:34 ID:hVGvVKus
ロベルト「これで全員揃ったな。ではただ今より合宿のスタートを宣言する。
改めて言うまでもない事だが、諸君にはブラジルを代表するに相応しい規律、
パフォーマンス、そして結果を見せて欲しい。この場合の結果とは勿論…世界一だ」

ブラジルメンバー『………』

ロベルト「ブラジルとて敗れる事はある。それでもブラジルは最強かつ世界一でなくてはならない。
何故か?ブラジルだからだ。まるで謎かけの様な物言いだが、これが伝統的にセレソンに求められる覚悟なのだ。
かつて私もセレソンとしてこれを意識しながら戦い、志半ばに倒れ、今度は指導者として
世界一を狙っている。諸君もこの覚悟を胸に今から配るカナリアのユニフォームを着てもらう」

そう言いながらロベルトはユニフォームの束を解き、近くのベンチに並べ始めた。
たちまち選手達に緊張感が走る。誰がエースを象徴する10番を貰えるのか?と。

ロベルト「FWから始める。まずはザガロ、お前は11番だ」

ザガロ「…はい(やっぱりカルロスの野郎かよ…)」

最初に呼ばれたザガロは与えられた11番を不満そうに受け取った。11番はFWとして
主力選手の一人に数えられていると言う証ではあるが、10番の様な特別の背番号ではないのだ。

255 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:53:46 ID:hVGvVKus
ところが次に呼ばれたカルロスに与えられた番号を知った時、ザガロの機嫌は急回復した。

ロベルト「次はカルロス。お前は9番だ」

カルロス「…はい」

ザガロ「(マジか!へっ、ざまあみろ!)」

ブラジルメンバー「(えっ、カルロスじゃないのか?)」「(となると、司令塔になるサンタマリアか?)」
「(監督の構想ではネイが攻撃の軸なのかも…)」「(中盤の要のトニーニョも有り得るな)」
「(大穴で将来性を見込んでマウリシオとか?)」「(流石にDFのディウセウは無いよな…)」

カルロスに渡された背番号は主にエースストライカーを意味する9番だった。
やや驚いた顔でそれを受け取るカルロスの背後で他の10番候補に向かって視線がさ迷う。
続いてオルヘスが12番、プラトンが14番をそれぞれ与えられた後MFの番になった。

256 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:53:59 ID:hVGvVKus
ロベルト「続いてMFだ。サンタマリア、お前は5番だ」

サンタマリア「はい(5番か。まあ悪くはない)」

ロベルト「トニーニョ、お前は8番だ」

トニーニョ「はい(これは本当にネイが…?)」

ロベルト「ネイ、お前は7番だ」

ネイ「えっ?はい…(えーっ!俺でもないのか!?)」

ロベルト「マウリシオ、お前は17番だ」

マウリシオ「はい(ま、俺じゃないよなー…ってじゃあ誰だ?)」

257 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:54:19 ID:hVGvVKus
ディウセウ「(え…?まさかオラ?オラなのか?)」

ところがMFの番になってもカルロス以外に10番候補と思われていた選手達は悉く別の背番号を与えられ、
もしかして守備的な選手には滅多に与えられない筈の10番がディウセウに行くのかと選手達の顔に驚きが走る。



ロベルト「コインブラ、お前は10番だ」

コインブラ「はい」

ブラジルメンバー『な…なにィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!?』



しかし実績が皆無のコインブラが10番を受け取った時に走ったショックはその比ではなかった。

258 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:54:30 ID:hVGvVKus
ロベルト「静かにしろ!次にDF…」

ザガロ「これが静かにしていられるかァ!何考えてやがるんだ!」
ジェトーリオ「そーだよそーだよ!いくらなんでも納得できないよ!」
ドトール「か、監督、これはあまりにも…」
アマラウ「流石に何の弁護も出来ねーぞこりゃ…」
トニーニョ「説明を求めます、監督!」
ネイ「10番を何だと心得ているんですか!」

そして当然選手達は大爆発した。何処の馬の骨かも分からない男を招集した挙句、
よりにもよって10番を与えるとは何事だ!と異口同音の抗議が雨の様に降り注ぐ。
それに対しロベルトは舌打ちをしてからコインブラに目配せをし、彼はそれに頷いてからチームメイト達に振り返った。

コインブラ「かかってこい」

そのシンプルな一言で批判の視線はロベルトからコインブラに移った。

259 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:54:42 ID:hVGvVKus
ザガロ「言ったな?てめえからその10番を剥ぎ取ってやるぜ」

コインブラ「俺に勝てれば文句はない」

ネイ「よーし、やってやろうじゃないか!」

ディウセウ「ヘヘッ、オラワクワクしてきたぞ!」

サンタマリア「(とうとう奴の実力を確認するチャンスが来た!)」

カルロス「(ここで勝負しない手は無いな)」

コインブラ「……………」

10番を欲していた者達もそうでない者達も、10番を受け取って当然だと言う態度のコインブラに詰め寄る。
だが一人だけコインブラに挑もうとしない者も居た。

260 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:54:53 ID:hVGvVKus
ザガロ「手っ取り早くシュート力で勝負だ!GKども、正GK争いのアピールチャンスだぞ!」

メオン「勝手に決めるな。まあいいだろう」

ゲルティス「俺はやらんぞ」

メオン「何!?」

腕組みをしたままフェンスに寄りかかり、一人観客を決め込んだゲルティスだった。

トニーニョ「…良いのか?ザガロの肩を持つ訳ではないが、正GK争いに不利になると思うぞ」

ゲルティス「構わん。この先いくらでもチャンスはある(それよりも奴の力を見る方が有益だ)」

コインブラ「誰が相手でも何の勝負でも良い。早く始めろ」

ブラジルメンバー「なんて態度だ…!」「思い知らせてやるぜ!」「俺たちをナメるなよ!」

261 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 18:56:47 ID:MKdDP3s8
wktk

262 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 18:58:45 ID:hVGvVKus
いったんここまで(必殺・焦らしプレイ!)

263 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 19:43:36 ID:33bEOKZS
く、くやしい… でも感じちゃう!

264 :創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 20:10:43 ID:f2YRQXLx
2さんの大きい(容量)の(更新)が…早く欲しいよう… ビクンビクン

265 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:28:02 ID:hVGvVKus
余談だが、ロベルトはこの日の合宿風景を一切の取材禁止にしていた。
勿論コインブラ絡みでこの様なトラブルが起きるだろうと予測していた為である。
十数分後、彼は心底そうしておいて良かったと安堵していた。



ブラジルメンバー「ゼエ、ゼエ…」「ち、畜生…」「ば、化け物だ…」

コインブラ「……………」



驚愕、疲労、屈辱、そして絶望感に打ちのめされた選手達を冷たい目で見下ろすコインブラ。
こんな絵がマスコミにすっぱ抜かれていたらブラジル全土が蜂の巣を叩いた様な騒ぎになっていただろう。

266 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:28:15 ID:hVGvVKus
ザガロ「う、ウソだ。有り得ねえ…有り得ねえ…」

サンタマリア「(こんな…こんな実力の持ち主が、ユースレベルで存在するなんて…)」

トニーニョ「(何なんだ奴は!何故ここまでの選手が無名なんだ!)」

ネイ「…は、ハハ。悪い夢かよ、これ…笑えないぞ…」

マウリシオ「何コレ…一体何が起きてるの…?誰か教えてよ…」

ディウセウ「ま、まいったな。つええぜ…手も足も出ねえや」

アマラウ「信じられねェ…いくらなんでも信じたくねェ…」

ドトール「(一体監督は何処からこんな奴を…?)」

ジェトーリオ「おかしいな〜、何度頬をつねっても目が覚めないぞ〜…」

267 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:28:26 ID:hVGvVKus
ドリブル。パス。シュート。タックル。パスカット。ブロック。競り合い。空中戦。スタミナ。
およそ思いつく限りのサッカーの実力の主な要素全てにおいてコインブラは
ブラジルユースに選ばれた猛者達の1番と同等か、それ以上を行った。
ほんの少し前コインブラに食って掛かって行ったフィールダー達は例外なくプライドを粉々にされていた。

メオン「……………」

レナート「こ、怖い…ボールが、怖いんだ…」

ゲルティス「(俺の直感は正しかった…奴は今すぐセリエAで、それもミランクラスで通用する。
一体奴は何者…?該当データが一切無いとはどういう事なんだ…理解不能、理解不能!)」

勿論GKも無事では済まず、メオンは何も言えない程のショックに四つんばいのまま硬直しており
レナートに到っては吹っ飛ばされた際の打ち所が悪く顔面に氷嚢を乗せながら呻いていた。
唯一被害を免れたゲルティスですら動揺しており、彼には非常に珍しく冷や汗をかいていた。

重く苦しい沈黙が練習場を支配する。それを破ったのはコインブラの無遠慮な一言だった。

コインブラ「…やはりこんなものか」

268 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:28:37 ID:hVGvVKus
カルロス「くっ…!」

完全に見下したセリフに誰もが顔を歪める。しかし言い返せる者など存在せず、
誰もが薄く笑うコインブラの言葉を黙って聞く事しか出来なかった。

コインブラ「お前達でもなれる可能性があるのなら、さぞかし世界一とやらは価値が低いんだろうな」

ブラジルメンバー「(こいつ…!)」「(まるで他人事みたいに…!)」

コインブラ「それともこの世代のブラジル代表は世界的な恥さらしなのか?
確かリオカップのMVPと得点王はそれぞれ日本人とイタリア人だったな」

カルロス「(…なんだろう。笑っているのに…何か悲しそうだ)」

傷口に塩をなすりこむどころか硫酸をかける様な言葉を続けるコインブラの笑みは
何処か空しそうで不満そうだったが、それに気付けたのはカルロスだけだった。
他は皆絶望に押しつぶされているか、悔しさに歯軋りをしつつ復讐を誓っているかのどちらかだった。

269 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:28:49 ID:hVGvVKus
ロベルト「ゴホン!…もうコインブラが10番を着る事に文句は言わせんぞ
(まさかこれ程までとはな…う〜む、喜ぶべきなのか悩むべきなのか…)」

ロベルトが咳払いをした所でようやくコインブラのワンマンショーは終わった。
その時殆どの選手がコインブラから目を背ける中、カルロスだけはコインブラの背中を見続けていた。

カルロス「(思い出せ、俺!あいつのプレイを何処かで知っている筈なんだ!
コインブラ…アルツール・アンチネス・コインブラ…ダメだ、コインブラなんて全く覚えが…
ん?アルツール?つづりは…Arthur………ま、まさか!?)」

コインブラ「………」

カルロス「アーサー?」

コインブラ「!」

ピクリ。

そしてカルロスがボソリと呟いた時、コインブラは肩を少しだけ震わせた。だがそれだけだった。

カルロスが引退後に語ったこのエピソードの為、ブラジルユースは信じられない程の
パワーアップを遂げる事になる。だがそれはもう少し後の話である。

270 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:29:57 ID:hVGvVKus
リベリオ「(そんな事より読者の皆よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとちょっと関係あるけどさ。
今日、ブラジル代表合宿参加したんです。ブラジル代表合宿。
そしたらなんか必殺技持ちキャラがテクモ版2より増えているんでスタメンになれそうにないんです。
で、よく見たらなんか顔無し台詞無しだった筈の連中が喋りまくっているんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。お前らな、どうせどんどん弱体化する分際で5では来れない
ブラジル代表合宿に来てんじゃねーよ、ボケが。弱体化だよ、弱体化。
なんかマウリシオとかもいるし。先輩後輩でブラジル代表合宿か。おめでてーな。
よーし俺ジョルトシュート撃っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、バナナシュートやるからその枠空けろと。
ブラジル代表合宿ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
自分を差し置いてシュートを撃ちやがった奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。別世代は、すっこんでろ。
で、やっと合宿が始まったかと思ったら、コインブラの奴が、かかってこい、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。あのな、かかってこいなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、かかってこい、だ。お前は本当に無双したいのかと問いたい。
問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、かかってこいって言いたいだけちゃうんかと。
ブラジル代表合宿通の俺から言わせてもらえば今、ブラジル代表合宿通の間での最新流行はやっぱり、
キーガン、これだね。オルヘス、キーガン、ゲレーロ。これが通の選び方。
キーガンってのはブロックが高めに設定されてる。そん代わりガッツが少なめ。これ。
で、それにオルヘスとゲレーロ。これ最強。しかしこいつらを選ぶと次から
オリキャラ厨としてマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、ゲルティスでも使ってなさいってこった)」


初音「ただいま大変微妙で問題がありそうなネタをかましたのをお詫びします。
この物語のリベリオくんは出番の少なさ故ちょっとアレなので、生暖かい目で見守ってあげて下さい。
実際のリベリオくんはセリフも顔グラも無い無害な存在なので、ご安心の程を…」


271 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/11(木) 20:31:07 ID:hVGvVKus
沢山更新したので今日はここまで。
やっとブラジルユースを再登場させられた…

272 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:23:58 ID:mpF7cUoO
〜ブラジルサンパウロ州、サンパウロ市〜

そしてもう一つのドラマの主役は翼だった。

今日彼は数日前出会った日本人学校の少年チームの下を再び訪れていた。
大喜びの子供たちは彼を質問責めにしたり指導を求めたり技の披露をせがんだりと大忙しである。

子供達「ねえねえ、好きな食べ物とかある?」

翼「う〜ん、これと言った好き嫌いは無いな。体に良い物なら何でも食べる様にしていたよ。
ああでも、生のセロリだけは苦手だなあ。サラダで出てくる度にウンザリしているよ」

子供達「中々スタミナがつかないんだけど、どうしたらいいかな?」

翼「それなら水泳がお勧めだよ。水の中で動くだけでもエネルギーを使うし、ケガをしにくいのも有難いんだ」

この何でも無い会話は翼にとって程よい心のリハビリとなっていたし、翼自身もそう認識していた。
だが一人の子供が発した何気ない一言が彼の運命を大きく変える事になる。

273 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:09 ID:mpF7cUoO
子供達「翼さん、サイクロンやってみて!」「あ、見たい見たい!」

翼「へ…?サイクロン?」

子供達「知らないのー?ジャイロの必殺技だよ!」

翼「いや、ジャイロもサイクロンも知っているけど、俺は一度もそんな技使った事はないよ?」

ジャイロ。ペレより前の世代のサッカー選手であり、未公認記録も含めると20年近い
キャリアの中で1000近いゴールを入れたと言われる伝説のプレイヤーである。
当時まだサッカー強豪国と認識されていなかったブラジルの地位を向上させた功績を称えて
スーパーストライカーと呼ばれる彼の代名詞が彼が編み出した必殺シュート、サイクロンである。

子供達「えー?翼さんなら撃てると思ってたのにー」

翼「ジャイロは謎の多い選手でね。サイクロンも資料らしい資料が残っていなくて、どんな撃ち方をすれば
出来るのか誰も知らないんだ。現にジャイロ以外サイクロンを撃てる選手は未だかつて現れていないそうだよ。
以前聞いた話では、ドライブシュートみたいに上から急激に下に落ちるらしいけれど…」

274 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:22 ID:mpF7cUoO
サイクロンを取れるキーパーは誰も居なかったとすら言われる。
しかし今では誰も撃てない幻のシュートと言われ、何時しか知られざる伝説となった。
翼もロベルトから”ブラジルでは半ばお伽噺さ”と雑談として聞いた事しかない。

子供達「う〜ん、サイクロン…どんなシュートなんだろう」「そもそもサイクロンってどんな意味?」

翼「暴風…つまり、嵐の事だね。ひょっとしたら竜巻みたいにグルグル回りながら落ちるドライブシュートなのかもね」

子供達「あ、じゃあ横回転をかけた浮き球でドライブシュートを撃ったらそうなるんじゃないかな?」
「おおー、お前頭良いじゃん!」「やってやって!翼さんやって!」

翼「えっ!?」

子供達からの突飛な発想から生じた可愛いリクエスト。ただそれだけの筈なのに。

ドキン。

翼の胸は急に高鳴りを覚えた。

275 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:33 ID:mpF7cUoO
先生「ちょ、ちょっと!無茶な事を言って翼さんを困らせるんじゃないの!」

翼の動揺を無理難題を押し付けられたせいだと思った先生が慌ててやってくる。だが今の翼には彼女の言葉は届かなかった。

スクッ…

翼「横回転をかけた浮き球で、ドライブシュートを撃つ…」

先生「え?つ、翼さん?」

子供達「おおー、やる気だー!」「頑張ってー!」

この時翼を動かしていたのは彼が忘れて久しかった感情だった。
初めてオーバーヘッドキックやドライブシュートに挑戦した頃の懐かしい気持ち。
何時の間にか失くしてしまっていた感情が今一度翼の心の中で静かに燃えていた。

彼はごく自然に自分のボールの前に立ち、当たり前の様に足を振り上げていた。

276 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:43 ID:mpF7cUoO
                               バシュン!!
                               ヒュルルルル!

                強烈な横回転をかけられたボールが翼の上空に上がり、勢い良く落ちてくる。
                  翼はそれを迷いなく渾身の力を込めたドライブシュートで撃ちぬいた!

                翼「…うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

             バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

                   ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

                ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!

                  ヒュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…

                                翼「あ………」

       そしてボールは天高く飛び、いくつもの建物を超えながら視界から消えていった。螺旋状の軌道を描きながら。

277 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:57 ID:mpF7cUoO
子供達「あー!凄ーーーい!!」「飛んでった!竜巻みたいに飛んでった!」
「でもあれじゃゴールに入らないじゃん」「コントロールがしっかりしてればちゃんとゴールに行くって」

好き勝手に騒ぐ子供達の声が何処か遠くから聞こえてくる様だった。

先生「あ…ああ〜、ボール、飛んで行っちゃいましたね…」

呆気に取られた様な先生の呟きもロクに耳に入らなかった。

翼「…すいません、ボールを回収しないといけないので今日はこれで失礼します!」

ダダダダダダッ!!

先生「あ………」

子供達「バイバーイ!」「また来てねー!」「今度は完成版サイクロン見せてー!」

その時の翼の表情は、どんな子供達の物よりも子供らしく見えたと言う。

278 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:26:53 ID:mpF7cUoO
いったんここまで。

279 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 19:35:28 ID:2FPDbd4K
元祖サッカー小僧を救ったのはまたサッカー大好きな子供たち。
胸熱ストーリーですな

280 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:33 ID:mpF7cUoO
翼は走っていた。ボールを回収する為ではなく、チームの練習用グラウンドに向かって。
あのボールは彼のサイン入りだったので、痩せても枯れても名門サンパウロFCのプロ選手である
彼のボールはそれなりの値段で売れてしまう。故に翼は最初からボール探しは諦めていた。

それよりも早く、一秒でも早く、もう一度あのシュートを撃ちたかった。
息を切らせても、脚が震えても、翼は走り続けた。ただただサッカーを求めて。

翼「ハアッ、ハアッ…」

もどかしい時間の後練習場にたどり着いた翼は汗を拭く事すらせず
シュート練習に入ろうとしたが、既に先客が居た。チーム1のベテラン、ネルソンである。

ネルソン「ツバサ…?」

翼「どうも、こんにちは」

281 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:46 ID:mpF7cUoO
挨拶もそこそこにさっさとボールを用意する翼の姿にネルソンは目を丸くするしかなかった。
これがあの日夜悲壮感と無気力に苦しむ若者と同一人物なのか、真剣に疑いたくなる程だった。

だが次に彼の目の前で行われた風景は更に信じがたい物だった。

翼「(ボールにスピンをかけて自分の真上に蹴り上げる!)」

バシュン!!
ヒュルルル!

翼「(そして落下するボールにドライブシュートをかける!!)」

グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

翼「(蹴り上げた時の回転力、ボールのスピードと高さ、そしてドライブシュートのパワー!
4つの力が1つになる時、ボールは無敵の力を秘めたサイクロンになる!!)」

バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

282 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:02 ID:mpF7cUoO
ネルソン「なにィ!!」

ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!

ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

ヒュー…
ポトッ…
コロコロコロ…

翼「くっそ〜…ポストか…」

ドライブシュートの様に上空から急降下しながら、横倒しの竜巻の様に螺旋状に回転する。
そんな軌道の超高速シュート。非常識としか言い様が無い光景をネルソンは目の辺りにした。

283 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:13 ID:mpF7cUoO
翼「もう一度…あれ?」

グラ、グラ…
ヨロッ…
バタン。

ネルソン「…当たり前だよ。高速で回転する物体はエネルギーが増す。あんな超高速回転をかけた
ボールを蹴ったらインパクトの瞬間に足首に伝わる衝撃は普通のシュートの比ではないだろう。
ましてや何があったか知らないが、長距離を全力疾走したらしい後で体力が尽きない訳が無い」

翼「ハ、ハハ…言われてみたら当たり前ですね…俺ってバカだなあ…」

ネルソン「湿布と水を取ってきてあげよう。休憩しながら話を聞かせてくれ」

翼「はい…」

284 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:27 ID:mpF7cUoO
数分後、翼はネルソンにほんの少し前の経緯を話していた。

ネルソン「君がオフの度に何処に行っているのかと思ったら、そんな事があったのか」

翼「はい…あの」

ネルソン「何だね?」

翼「サイクロンって…あれで良いんでしょうか?」

ネルソン「…知らんよ。もし原理を知っていたら私だって挑戦していただろう」

翼「そうですか…ネルソンさんならひょっとしたら、と思ったんですが」

ネルソン「本当に知りたかったらジャイロに聞くしかないだろうが…あの方は引退後は世捨て人の様な
暮らしをしたらしい。そして数年前病気で亡くなった。今となっては真相を知る者は恐らく居ないだろう」

285 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:51 ID:mpF7cUoO
翼「………」

ネルソン「ただ、私は今君が撃った物は本当のサイクロンにかなり近いと思う」

翼「えっ?」

ネルソン「ドライブシュートの様な落ち方と言う条件を果たしているし、サイクロンと言う単語から
イメージされる螺旋状の回転もある。なにより、足に尋常ではない負担がかかる事だ」

翼「足への負担が?何故ですか?」

ネルソン「ストライカーは誰しも必殺シュートによる体へのダメージに悩まされる。
当のジャイロも選手生活の晩年はサイクロンが撃てなくなり、それでかなり叩かれたらしい。
これは私が以前聞いた説なのだが…サイクロンの伝承者が一人も現れなかったのは
ただ単に撃つのが難しいだけでなく、撃ったらどんどん体を痛めてしまうからでは?と言う説だ」

286 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:07 ID:mpF7cUoO
翼「そういえば…さっきからずっと冷やしっぱなしなのに、まだ足が痛いままです」

ネルソン「やはりな。そこで一つの疑惑が生まれてくる。サイクロンの撃ち方は誰も知らないのではなく、
知る者は皆口を閉ざしたのではないか?いくら数十年昔の話とは言えど、
不自然な位情報が残っていないのはそんな事情があるのでは…まあ、検証のしようもない話だ」

翼「……………」

ネルソン「いや、むしろ…本当のサイクロンは誰も撃てないのかも知れない。
サイクロンはジャイロが自分の選手生命を賭けて編み出した奇跡のシュートだ。
そんなジャイロの命とも言えるサイクロンを誰が真似など出来るだろうか?」

翼「ネルソンさん…」

ネルソン「だが君は偶然とは言え…いや、まるで運命に導かれる様に自力でサイクロンに近づき、
ついにスーパーショットを編み出した。それは君が編み出した新しいサイクロンなんだ。時代は代わった。
ジャイロの時代より人体は強くなり、医療技術も進歩し、サッカーも新しいステージに入っている。
サイクロンも墓の中から蘇り、新しい伝説を築いて良いのかも知れん。君がその使い手となってな」

287 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:49 ID:mpF7cUoO
長々と熱弁をふるったネルソンはここで息をつき、じっと翼を見つめた。
彼と出会って以来まるで見せなかった炎を瞳に灯している翼を。

翼「…ネルソンさん。俺、やります。俺の新しいサイクロンで新しい伝説を作ってみせます。
今までサンパウロにかけた迷惑の分も…俺はやってみせます」

ネルソン「その言葉を聞ければ、喉が渇くまで長話をした甲斐があったと言う物だ」

翼「有難う御座います…色々と」

ネルソン「ならば早速恩返しをしてもらいたいな。さしあたっては、私だけペラペラ喋るのは公平ではない。
一度君とじっくり話し合いたいと思っていたし、君について聞かせてくれないか?」

翼「俺について?」

ネルソン「ああ。無礼を承知で言うが、サッカーに関しては論外だと思っていた日本人の君に
どうしてここまでの力を得たのかに興味は尽きない。はっきり言って突然変異の珍獣同然だ」

翼「珍獣って…酷いですよ」

苦笑と共に翼はゆっくりと語り始めた。自分の生い立ち。サッカー後進国である日本。
出会ってきた敵と友。今までの激戦。味わってきた苦難と栄光。そして自分がそれらをどう感じたかを。

288 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:50:00 ID:mpF7cUoO
この時翼は気付かなかった。練習場のすぐ外に居たオリベイラとバモラが一部始終を見ていたのを。

バモラ「ん〜、何て言ってるのカナ。ここからじゃ聞こえないネ」

オリベイラ「あの顔を見れれば十分だ。もう行くぞ」

バモラ「ちょっとツマンナイけど、そうしようか。オリベイラの教育方針は上手く行ったみたいダネ」

オリベイラ「全く、手間をかけさせてくれた物だ。スーパールーキーはこれだから困る」

バモラ「そう思うんならネルソンさんに後始末押し付けるんじゃないヨー」

オリベイラ「俺は鞭担当だ。飴はネルソンさんに任せるさ」

バモラ「物は言い様だネー」

289 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:51:13 ID:mpF7cUoO
いったんここまで。

>>279
キャプ森でもたまには(たま、と言う程でもない?)王道があっても良いと思うのです。

290 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 20:58:23 ID:045r9X2U
森崎にもこういうイベントありますか?

291 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:59:58 ID:mpF7cUoO
>>290
別タイプのイベントを用意してあります。ただし選択や乱数に
影響されるので、どうなるかはまだ私にもわかりません。

292 :創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 21:55:37 ID:znJ8SUTA
dです
これは慎重に行かないといけませんね

293 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:13:22 ID:S7luakBp
翼「…そして、今に到ります」

翼の話は小一時間にも及んだ。ネルソンは時折相槌を打ちながら熱心に耳を傾けていたが、
終盤に近づくにつれ段々呆れた表情になっていき、終わった時に深々とため息をついた。

ネルソン「君は実に馬鹿だな」

翼「うっ」

ネルソン「愛妻家の私としては、君がそのサナエと言う少女にした事は許されざる事だ。
自分自身が作り上げた問題を助けてくれようとした想い人に罪をなすりつけるとは何事だ。
タイミングが悪い失言だったとしても、彼女が言わなければ別の誰かが言っていただろう。
もう君は彼女の前に立つ資格は無い。謝罪すらしない方が良い。彼女が早く忘れられる様にな」

翼「…返す言葉も、ありません…」

ネルソン「確かに何も言えんだろうな。愛する女性を失い、更にサッカーまで
自ら手放そうとしていたのだ。これを愚かと言わずに何と言おうか」

294 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:13:35 ID:S7luakBp
容赦の無い言葉に翼は縮こまる事しかなかった。温厚なネルソンをしてこうまで言わせるのだから
第三者の目から見れば自分が早苗にした事は言語道断なのだろう。

ネルソン「だが…君は男としては言い訳のしようが無いが、サッカー選手としてなら同情の余地はある」

翼「…同情、ですか」

ネルソン「同情だ。哀れみとも言う。要は見下しているだけだが、拒絶よりはマシだろう?」

翼「具体的に、どんな所が同情に値すると感じたんですか?」

ネルソン「………」

ここでネルソンは一旦言葉を切り、空に目を向けてから物憂げに話を再開した。

295 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:01 ID:S7luakBp
ネルソン「サッカーには嫌な事、苦しい事、醜い事が沢山ある。一つ一つ述べるのも嫌になる程な。
私自身失敗と後悔続きだよ。サッカーを止めたくなった事も何度もある。そこに同情した」

翼「………」

ネルソン「君はそう言ったサッカーの嫌な部分から目を逸らそうとして潰されかけていた。
パルメイラスのモリサキに勝てば何かが変わると信じて、実際に勝ったのに何も変わらなかった。
当然の話だ。プロサッカー選手のキャリアは長い…18歳でデビューしたとして、28歳で引退しても10年。
33歳なら15年。私の様に20年以上続けている者すら居る。たった一人のライバルに
たった一回勝つだけで燃え尽きてはプロは務まらない。どんなに特別な相手でもな」

翼「(何か言い返したいけど、何も言えないってこういう時なんだろうな…)」

ネルソン「だが…今の君の瞳には闘志が戻っている。辛くても、上手く行かなくても、
サッカーをしたい、続けたい、戦いたい…そんな気持ちが篭った良い目だ。
その気持ちを大事にしたまえ。そうすれば君はもう迷う事は無いだろう」

翼「………はい!」

そして彼の話が終わった時、翼は力強く頷く事が出来た。
ネルソンも優しく微笑む事が出来たが、内面では割と不謹慎な事も考えていた。

296 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:15 ID:S7luakBp
ネルソン「(く〜…これだ。ダンディなベテランと悩めるルーキーの交流とはかくあるべきだ。
決まった。今の私はとてつもなく渋い!渋すぎて自分が怖い位だ)」

翼「ネルソンさん?」

ネルソン「(おっといかん、ダンディなナイスミドルはニヤニヤしたりせん)何だね?」

翼「そろそろ練習に戻ろうかと…」

ネルソン「いや、焦るな。今日はもう止めて、明日から怪我防止の準備を山ほどしてから習得に励みなさい。
あのシュートは君ですらコントロール出来ない程の超難度だが、本当に恐ろしいのは足に来るダメージだ。
なまじバランス良く恵まれた君の足首だと、気付かない内に巨大な爆弾を抱える事になりかねない。
時間をかけてサイクロンを撃てる技術だけでなく、サイクロンに耐えうる肉体を作り上げなさい。
さもなくば君は折角会得した超大技を封印するか、選手生命を削って戦うかの二択を迫られてしまうよ」

翼「なるほど、確かに。これからもご指導よろしくお願いします」

297 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:26 ID:S7luakBp
こうして翼は幻のシュートを編み出し、それを切欠にスランプから脱出した。

これだけで終わっていれば美談なのだが、そうは上手く行かないのが人生である。



ジウ「ハアハア、ツ、ツバサー!ここに居たのかー!」

翼「へ?どうしたんだ、そんなに慌てて」

ジウ「どうしたも何も…クラブに警察が来てるんだよ!お前を探して!」

翼「えええっ!?な、なんで警察なんかが俺を!」

ジウ「だって、どっかの駐車場の道路に大穴が開いてるんだよ!そしてその穴の底にお前のボールがあったんだ!」

翼「……………え゛」

ネルソン「…君は、一体、何をしたのかね…」

298 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:41 ID:S7luakBp
翌日、サンパウロのマスコミはこの珍エピソードをこぞって騒ぎ立てた。幸い人的被害は出ていなかった為
笑い話で済んだが、翼は相当な額の罰金と修理代を取り立てられたと言う。
無論クラブ幹部や監督から大目玉を食らったのは言うまでもない。

以下はサンパウロの人気選手3人のコメントである。

ネルソン「ルーキーはこれだから困る」

オリベイラ「サンパウロの恥さらしめ」

バモラ「危ないから街中でシュートしちゃダメだヨ!バモラとの約束ダ!」



翼「おかしいな…これじゃまるで俺がギャグキャラみたいじゃないか…グスッ」




299 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:18:09 ID:S7luakBp
いったんここまで。

300 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:25:53 ID:S7luakBp
宣伝です。

ただいま以下のURLにて、『キャプテン森崎外国人キャラクター人気投票』を行っております。
http://capmori.net/vote/vote13/bbs.cgi

○投票期間 2010/11/13(土)00:00〜2010/11/26(金)23:59
○一人一日、異なる項目に一票ずつ入れることができます。
 同じ項目に再度投票するには24時間空けてください。
○新しい項目は一人いくつでも追加することができます。
 対象は「『キャプテン森崎』本編に登場した外国人キャラクター名」のみです。
 日本人キャラ・未登場キャラは含みません。

沢山の人に投票して頂けると嬉しいです。また、今回は結果発表の形式の
提案なども受け付けます。上手く出来そうな物があったらそれを採用しますので、
ご遠慮なくここに書き込みをどうぞ。

301 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 10:36:25 ID:7sE92u3S
翼復活キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
サッカーサイボーグとしてじゃなくてサッカーバカとしての復活なら大歓迎だぜ

302 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:48:10 ID:S7luakBp
〜インドネシア〜

加茂「っつー訳で、ワールドユースに出る16チームは以上だ。
そして抽選は一ヶ月後に行われるんだが、それはこういう仕組みになっている」

地球のほぼ反対側で数々のドラマが起きていたが、全日本ユースの祝勝会は平和なままだった。
今は賀茂が予め用意しておいたらしいポスターを広げて抽選の方式を説明している所である。

第1ポット:ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル(南米4チーム)
第2ポット:オランダ、ドイツ、イタリア、フランス(欧州1位4チーム)
第3ポット:イングランド、ポーランド、メキシコ、アメリカ(欧州2位2チーム+北中米2チーム)
第4ポット:カメルーン、ガーナ、日本、韓国?中国?(アフリカ2チーム+アジア2チーム)

賀茂「4つのグループに各ポットから1チームずつ振り分けられるって寸法だ。
強豪チームや弱小チームばっかりのグループが出来ない様にする事と、
出来るだけ違う大陸同士のチームを戦わせる事を両立させる為の仕組みだな。
ちなみにブラジルは開催国特権でA組に配置される事が決まっている」

石崎「(ポットってなんだっけ…確か、壷?いや違う、箱だ!そうだ思い出したぞ、箱だな)」

若島津「ふむ…この仕組みだと俺たちはアフリカのチームと対戦する可能性はないんですね」

賀茂「まあな。実績面で言えばアフリカとアジアがビリだからなあ。それで、だ」

303 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:48:20 ID:S7luakBp
バサッ。

賀茂が裏返したポスターの裏には下の様なトーナメント表が書かれていた。



             優勝
       ________________|________________
   _______|_______         _______|_______
 __|__     __|__     __|__     __|__
|   |   |.   |   |.   |   .|   .|
A   B   C   D   B   C   D   A
組   組.   組   組.   組.   組   組.   組
1   2  . 1   2   1   .2   1   2
位   位  . 位   位  . 位  . 位   位  . 位



賀茂「決勝トーナメントはこうなっている。出来る限り1位で勝ち上がって準々決勝を有利にしたい所だな」

304 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:48:40 ID:S7luakBp
全日本ユースが気楽に先の話に興じる事が出来たのはそこまでだった。

バタン!

井出「ゼエゼエ、ハアハア…」

突如汗だくでパーティ会場に乱入してきた井出の様子が予想外の事態の発生を物語っていた。

井出「た、大変なんだな!大変なんだな!」

見上「どうした、騒々しい」

三杉「なんだい、韓国対中国の観戦で何かあったのかい?」

井出「は、はい!中国が勝ったんです!」

森崎「それがなんだよ、どっちが勝ってもおかしくなかったじゃないか。大体同じ位の戦力で…」



井出「中国が…5−2で圧勝したんです!」

全日本メンバー「…なんだと!?」「なにィ!」「俺たちは2−1だったのに!」




305 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:49:05 ID:S7luakBp

初音「物語途中で失礼します。作者の分身、塩田初音です!
いよいよ終盤が近くなってきたWY編の特別企画として、こんな物を用意しました!

題して…ワールドユースの抽選を予想しちゃおう大会!
既に組み合わせはこっちで全て決めてあり、ランダム要素は一切ありません。
完全にあてずっぽうだとブラジルのA組配置確定を考慮しても8万以上の組み合わせが
考えられるけど、今までの2の作風やストーリー展開を参考にしてみると大分絞り込めるかもよ!

まずは書き込む前にトリップ付のハンドルネーム(他の人に被らなければなんでもいいよ!)を決めて下さい。
トリップのキーは重複を避ける為に長くして、単語などの使用は避けてね。
勿論一人で複数のハンドルネームを名乗っちゃ駄目よ!そこは参加者の良心任せね。

ハンドルネームを決めたら、こちらのスレに以下の形式で予想を書き込んで下さい。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1289630555/

A組:ブラジル、(第2ポットから1国)、(第3ポットから1国)、(第4ポットから1国)
B組:(第1ポットから1国)、(第2ポットから1国)、(第3ポットから1国)、(第4ポットから1国)
C組:(第1ポットから1国)、(第2ポットから1国)、(第3ポットから1国)、(第4ポットから1国)
D組:(第1ポットから1国)、(第2ポットから1国)、(第3ポットから1国)、(第4ポットから1国)

306 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:49:17 ID:S7luakBp
ちなみにポットの組み合わせはこうなっているから間違えないでね。

第1ポット:ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル(南米4チーム)
第2ポット:オランダ、ドイツ、イタリア、フランス(欧州1位4チーム)
第3ポット:イングランド、ポーランド、メキシコ、アメリカ(欧州2位2チーム+北中米2チーム)
第4ポット:カメルーン、ガーナ、日本、中国(アフリカ2チーム+アジア2チーム)

予想は同じハンドルネームなら何回変更してもいいけど、一番最後の予想が当たらないと
”当選者”と見なされないから注意ね!予想の内容自体は他の人と重複しても良いわよ。

そして見事予想を当てた人には賞品として…2にリクエスト権を差し上げます!
ファンベルグの能力値を見せて欲しい!とか森崎くんと陽子さんがちゅっちゅする話を見たい!とか
IFの展開や主人公交代を見てみたいとか、可能な範囲で短めの物を書き上げましょう!
複数の当選者が居たら勿論その分リクエストに応じます!

締め切りは物語中で抽選が発表されるまで。大体1ヶ月位先になるかしら?ふるってご参加下さいねー!」


307 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 15:50:01 ID:S7luakBp
いったんここまで。

308 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 16:07:18 ID:KOTbp8Sp
ファンベルグの能力値って別に本編で出てくるわけじゃないですよね?
変に新章突入あるんだと期待して違うとショック大きいので・・・

309 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 16:14:35 ID:S7luakBp
>>308
出てきませんね。WY編以降も考えた事はあるのですが、
流石にネタ切れ気味な事、構想の難易度が跳ね上がる事、
キリの良い所で終わらせた方が作品として完成度が見込める等の理由で
WY編以降は続ける予定はありません。
やりたい気持ちはあるんですが、しっかりとした構想を練られないと
無理やりやってもグダグダになるのが怖くて…

310 :創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 16:24:18 ID:KOTbp8Sp
ありがとうございます
森崎達がいきなりトッププロ相手に通用してもなんだかなあという感じですしね

311 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 00:24:31 ID:BYrvMYkU
2ねいさんのおっぱいを見たいというのはありですか?

312 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 03:38:57 ID:KR/NmU6x
にねいさんの おつぱいは

313 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 10:46:28 ID:DY00Gq5v
                                ,.´ ̄ ̄` 、
             ★                  |  こ  |
                        ◆       |  の   |
      ☆     _,,.. --─- 、..,,_               |  ロ  |
        ,. '"´           `'ヽ.,        |  リ   |
 l>    ./                 ヽ.  ,ヘ    |  コ  |
      /   /               、 ヽ/∧',   |  ン  .|
     ,'   i /   ;'  /i   ,   ヽ.r‐┐///、_   |  ど  |
     i  i /|‐ハ-、| / | /_|_    Yニi' ニ二7/  |  も   |
     | ノ ! ,ノY ヽ|/  |/  | ` i   i___,!`"''r-'   |  め . |
      レヘ  ハ _  '   '   Y ' l   | .|  |    .i ___ノ
 ○    ,ヘ .7 " `ヽ    , ‐-、_  |  / /  |    ノノ  o
     /  ,ハ ""  '     ,,,,,,,` ノ|/|/   |
     ,'    ヽ、  rァ--、    /  . |  i.  |  ○
     |へ/| / \   _ノ   ,.イ   i |   |   |      ☆
       レヽ, /´ i`''ーr‐ァ ´/ / ,ハ|、 ハ  ノ
           ,'ヽ.i::::::::|Y___/!/レ'::/ヽ. イ
   ★      |  |::::::,レへ/ /::::::/   _,.':,        o
          ', |:::::LOO___/::::::::i  /  ',
           ',.|:::::::〈/ヽ〉:::::::::::::::',/    |
          ,':::::::::::::i::::::::::::::::::::::',      |
          /::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :',     ,'    <l
     ____  _k、:::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::;ゝ、  /
   rノ´__;;:::二ニ=-:>、!__::::::::::::::::::::_;:イ、ヽイ
 r-'''"´:::::::_,,.. -‐'":::/::::7 ̄`i´ ̄:::::::ヽ、:::`ヽ、__
r/::::::::-‐''"::::::::::::::::/:::::::,':::::::::::|:::::::::::::::::::::',:::::::::ヽへ

314 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 12:49:32 ID:pVR6NGeI
なっ……!?
ロ、ロリ2ねいさん、だと……っ!?

315 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:20:47 ID:DY00Gq5v
井出の持ち込んだ衝撃的な知らせはワールドユース出場決定パーティを緊急ミーティングに変えてしまった。
大慌てで運び込まれたテレビとビデオデッキにテープがセットされるのを誰もが固唾を飲んで見守る。

中里「ぬぅ…韓国戦は我々に気の緩みがあったとは言え、2−1と言う接戦であった」

井沢「それが3点差もつけられて負けるなんて、中国は一体何を…?」

賀茂「…ひょっとして、中国の秘密兵器と言われていた肖俊光のせいか?」

井出「はい…あいつが出てきた途端、互角だった試合が一方的に…」

森崎「肖俊光?誰だそれ?」

中山「中国ユースの試合でそんな名前の奴、覚えが無いぞ」

井出「今まで温存されていたんだな。とりあえず奴が出てくるまでは早送りします」

316 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:21:01 ID:DY00Gq5v
再生されたビデオの早送りと共に井出の解説が始まる。

井出「前半は両チームとも一進一退だったんだな。中国ユースが李兄弟の昇竜脚で先制したものの、
韓国ユースも上手くイが敵GKと一対一に持ち込んで同点に追いつきました。すかさず中国ユースが
再び昇竜脚で2点目を奪ったものの、それで李兄弟がバテてしまい前半の残りは得点源が飛だけになったんだな。
ここから両チームが交互に攻撃する展開になり、両方ともGKが奮闘を見せてシュートを何本も
防いでいたんですが…前半終了間際に韓国ツートップのツインシュートが炸裂。2−2でハーフタイムを迎えたんです」

次藤「本当に互角タイ」

松山「だが、その均衡を肖と言う男が崩したのか?」

井出「はい…ここからが肖が出てくる後半です。良く見ていて下さい」



〜韓国ユース対中国ユースのビデオ〜

放送「2−2!全くの互角!ワールドユース出場権を賭けた決戦で両者一歩も譲りません!
この絶対に負けられない意地のぶつかり合いを制するのは韓国か、それとも中国か?
前者はベストメンバーのまま戦い抜こうとしています。一方後者はMFの姜くんに代えて
肖くんを投入してきました。この交代は試合の行方を影響し得るのでしょうか?」

317 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:22:16 ID:DY00Gq5v
中国メンバー「(影響なんてもんじゃないぜ…)」「(肖が出てきたからにはもう俺たちの勝ちは決まりだ!)」

肖「(ヘヘッ…メインディッシュの日向を頂く前に、まずは前菜を貰うとするか)」

問題の肖が登場してきた際の中国ユースの雰囲気は自信に満ち溢れた物になっていた。
肖本人に到っては舌なめずりをしている程である。当然韓国ユースがこれを愉快に思う訳が無い。

チャ「気にいらねえな」

イ「あいつらの態度か?」

チャ「ああ。もう勝った気になってやがる。そんなにあの肖って野郎が頼れるって言うのか?」

イ「ならば奴らの希望を砕いてやろう。行くぞ!」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

318 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:22:27 ID:DY00Gq5v
ドドドドドドッ!

放送「マイボールで後半を始めた韓国ユース、当然と言わんばかりに怒涛の攻めを開始します!
運動量で劣っているのか、中国ユースはこれを上手く跳ね返す事が出来ません!」

呉「(く…やはり中盤で守るのは難しいか。だが肖がきっとやってくれる筈)」

いざ後半が始まると韓国ユースはドリブラーの多さを活かして多方向からの攻めを展開した。
これは前半通りの攻め方であり、中国ユースはシュートを陸が防いでくれるまでボールを取り返せない事が多かった。
よって彼らは当然その攻め方を継続したし、実際に割とあっさりとヴァイタルエリアでチャンスを作り出せた。

それこそが中国ユースの仕掛けた罠だった。

放送「おお〜っと!そうこうしている内にとうとう韓国自慢のツートップがヴァイタルエリアでボールを得た!
出るぞ!韓国ユースの究極奥儀、テェグック・インパクトだ〜〜〜!!」

イ「決めるぞ!」
チャ「ずぇりゃぁあああああああ!!」

グワグワァアアアアアアアアッ!

陸「(来たアル…あの変態の餌食になりに)」

319 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:22:41 ID:DY00Gq5v
シュンッ!
グワァアアアアアアアアアアアッ!!

肖「来た来た来たァアアア!美しい竜を見せてくれェエエエエエエエエエ!!」

PA前正面で、ダブルエースのイとチャがボールを持ち、最終兵器のテェグック・インパクトをぶっ放す。
誰もが韓国ユースの逆転3点目を予感した所で肖は現れた。彼らの目前に猛然と駆け込んだのだ。

チャ「!?上等だ!」
イ「防げる物なら防いでみろ!」

ヴゥワッギィイイイイイイイイイイイイン!!

タイミングを合わせたイとチャの脚がボールを打った刹那の直後。

肖「ハァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

ブゴゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

肖の右足がそのボールを的確に打ち返した。

320 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:22:52 ID:DY00Gq5v
イ・チャ『!?ぎゃぁああああああああああああああっ!!』

ドゴガガガッ!!

結果は目を疑いたくなる様な光景だった。

ズギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

肖「(美しい!三頭の竜が唸りながら飛んでいく…!ああ、ああ!なんたる快感…!)」

ドベギャッ!!

ハン「ぶへあああああああっ!!」

ズバシュッ!
ボゴゴゴゴッ!!

脚を抑えてのた打ち回るイとチャの二人、吹っ飛ばされた先でうずくまるGK、
ポッカリと穴が開いたゴールネット、凹んだコンクリート製の壁。

321 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:30:20 ID:DY00Gq5v
肖「ハア、ハア、うっ!…ふぅ…良い竜が見れたぜ…」

陸「(これだからこいつは嫌いアル)」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

周囲もろとも韓国ユースの全てが打ち砕かれた瞬間だった。

〜ビデオ終了〜



シーン…

肖俊光のインパクト溢れる初プレイとその結果に誰もが黙り込む中、井出の恐る恐るとした解説が続く。

井出「この3点目で韓国は完全に士気を砕かれ、その後は一方的な中国ペースになりました。
無論無抵抗になった訳ではないのですが、肖を避けながら攻撃しようとした結果イとチャの
スタミナが切れてしまい、そのままなす術が無くなってしまったんだな。そして4点目は飛のヘディング、
5点目は肖のジャンピングボレーで決まり…中国が韓国を圧倒してしまいました」

322 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:30:31 ID:DY00Gq5v
森崎「カウンターシュートかよ…」

最初に苦々しげに呟いたのは森崎だった。リオカップとジャパンカップ両方で
この技で翼に苦渋を舐めさせられた彼は忌々しい気分にならずには居られなかった。

三杉「キック力だけでなくシュートとブロック両方の技術、更に一瞬しかないチャンスを見逃さない
センスを要求されるこの大技をここまで使いこなす選手が出てくるとはね…」

岬「中国ユースは超がつく程大きな切り札を隠し持っていたね」

日向「フン…面白えじゃねえか」

井出「結局このカウンターシュートは1回しか見せなかったけど…あんな狙ったタイミングで
出せるなんて、ひょっとしたら肖はあれを何時でも出来るのかも知れないんだな…」

こうして全日本ユースの祝勝会は突如中国ユースが本当の力を見せた事によって完全に水を注されてしまった。

323 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 21:30:55 ID:DY00Gq5v
〜アジア予選開始十三日目の夜〜

森崎「やれやれ。折角気楽なムードだったのに、飯が不味くなっちまったぜ。今夜はどうすっかな〜」

A 何か話題を振る(更に選択)。
B 部屋を出て誰かに会いに行く(更に選択)。
C 今夜はこのままのんびり過ごす。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1287909116/l50にて
            ☆2010/11/14 22:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

324 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 22:02:24 ID:PwspFbYT
決勝はいつなのでしょうか?

325 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 22:56:14 ID:c6xaOFSp
ところで・・・ディアスがダントツ人気な件(>>300

326 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 22:59:57 ID:DY00Gq5v
>B 部屋を出て誰かに会いに行く(更に選択)。

森崎「試合は明後日だけど、もう監督の所に行っておくべきかな?」

101号室
政夫、和夫、次藤

102号室
反町、沢田、若島津、日向

103号室
来生、滝、井沢、高杉

104号室
岬、中里、石崎、中山

105号室
山森、葵、早田、森崎

106号室
新田、三杉、松山、赤井

327 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 23:00:15 ID:DY00Gq5v
107号室
住友、井出

108号室
見上

201号室
賀茂

202号室
片桐

203号室
陽子

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328 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/14(日) 23:04:56 ID:DY00Gq5v
>>324
15日目、つまり明後日です。

329 :創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 23:05:51 ID:PwspFbYT
ありがとうございます

330 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 18:46:29 ID:yh8GgGv7
>108号室 見上

コンコン。

見上「誰だ?」

森崎「森崎です」

見上「…来るのは明日だと思っていたがな。まあ良い、入れ」

森崎「はい、失礼します」

ガチャリ。

中に入った森崎が見たのは様々なノートや図と格闘する見上と言うお馴染の風景だった。
今日は酒を飲んでいないのか側にあるのもミネラルウォーターの瓶である。

森崎「用件は、まあ、中国ユース戦の事です」

見上「当然だろうな」

331 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 18:46:38 ID:yh8GgGv7
森崎「現段階ではどれ位決めてます?(まあまだ一日あるから大して決めていな…)」

見上「日向、三杉、中山、そしてお前を起用するのは決定済だ」

森崎「えっ?日向、出しちゃうんですか?あの肖とか言う奴が居るのに?」

森崎はまず最初にどれ位考えを決めているか伺おうかとしたが、その答えは彼の期待にそぐわない物だった。
彼の考えでは肖対策で日向をあえて出さないのもアリだったのだが、見上は日向を使う事を決意していたのだ。

見上「だからこそだ。理由は二つある。まずはカウンターシュートはアジアでは出てくるとは思っていなかったが、
ワールドユースなら使い手が出てきても全くおかしくない。その時に日向を引っ込められるか?答えはNOだ」

森崎「(このおっさん正論を盾にしやがるからやり難いんだよなー…)」

見上「そしてもう一つの理由だが…このアジア予選は韓国戦とサウジ戦の限られた時間以外では苦戦らしい苦戦が無かった。
それは想定の範囲内だったが、今こうして中国ユースと言う想定外の強敵が現れてくれたのだ。
ならば全力で戦い、更なるレベルアップを図るチャンスに変えるのが良い…特に森崎、お前にとってな」

森崎「俺ですか?(ああ、なんかどう言うか大体分かったぞ)」

332 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 18:46:52 ID:yh8GgGv7
見上「お前がこのアジア予選、退屈しきっていたのは火を見るよりも明らかだ。
格下ばかりを相手にしていては腕も鈍ろう。またお前の野望を考慮すれば、
そろそろここら辺で存在感を取り戻しておくのも悪くあるまい?翼が合流する前にな」

森崎「有難いお気遣いで…(しかもやたらと挑発してきやがる。全く、俺を見習えってんだ)」

見上「(それに…こいつはジャパンカップ以来限界まで追い詰められた事がない。ほとんどの選手が
功を焦らねばならないこの年代で半年間と言う時間を身体の再調整に費やせた者の
ポテンシャルがどれ程上がっている物か…それを確認するには一度限界に追い詰めねばならん)」

見上は森崎の言う事をホイホイ聞いてくれる事もあるが、自分がこうと決めたら全く譲らない。
長い付き合いでそれが身にしみて分かっていた森崎は日向起用は決定事項と割り切って次の話題に移った。

森崎「じゃあ、日向と組ませるのは誰にするんですか?日向の代わりに得点出来る奴が必要ですよ」

見上「それは正直言って悩んでいる。中国には肖だけでなくGKの陸が居るからな。
生半可な奴に撃たせても跳ね返されるだけだろう…まずは井出が作ったチーム分析を確認しておくぞ」

333 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 18:47:06 ID:yh8GgGv7
李邦内
突破力:B 得点力:A ボールカット:C ゴール前:B スタミナ:B
速攻からのダイレクトシュートが強力な双子FW。守備参加はあまりしない。


突破力:B 得点力:D ボールカット:A ゴール前:B スタミナ:C
中国ユースの中盤の要。地味だが基本を抑えたゲームメイクと守備は侮れない。


突破力:D 得点力:A ボールカット:B ゴール前:C スタミナ:C
ヘディングの一芸のみで戦う選手。他には長い足を活かしたパスカットくらいしかしてこない。


突破力:B 得点力:E ボールカット:B ゴール前:D スタミナ:C
通称センタリングマシーン。彼の右サイドアタックから中国ユースの攻撃の大半が始まる。

李邦坤
突破力:B 得点力:A ボールカット:C ゴール前:B スタミナ:B
兄とほぼ同じプレイスタイルと能力の双子FW。やはり攻撃の専門家と見て良い。

334 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 18:47:24 ID:yh8GgGv7

突破力:B 得点力:B ボールカット:A ゴール前:S スタミナ:A
凄まじい身体能力を持つボランチ。カウンターシュートを大得意とする希有なプレイスタイル。


セーブ力:A 一対一:B 飛び出し:B
脚でセービングを行う異色のGKだが、その実力は間違いなくワールドクラス。



森崎「ふーん…こうしてみると肖と呉以外は守備を得意としていないんですね」

見上「そうだ。そして肖は実質的にDFの様なポジショニングをしてくるだろう。これを考慮すると
こっちの攻撃陣は突破力よりも火力が重要となる。さて、日向の相棒はどうしたものか」

森崎「う〜ん…」

A 「無難に新田にしておきます?」
B 「来生に突っ込ませましょうよ」
C 「立花兄弟両方を使うって手も…」
D 「いっそ滝と組ませてみるのは?」
E 「三杉使いましょうよ三杉」
F 「葵に一対一を狙わせましょう」
G 「山森なんか良いかも知れませんよ」
H 「特にこれと言った案が思いつきません」

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335 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 21:33:55 ID:yh8GgGv7
>G 「山森なんか良いかも知れませんよ」

見上「山森か」

森崎の提案に見上は眉一つ動かさなかった。何時かは言い出すだろうと予想していたのかも知れない。

森崎「今のあいつは中々の得点力を持っていますし、前線からの守備もポストプレイも出来ます。
まあドリブル突破が出来ないって欠点もありますが、そこはMFがボールを運べば問題ないでしょう」

見上「…よかろう。テストにはこの上無い機会だ」

見上は手元のノートのFWの欄に日向、山森と書き加えてから森崎に向き直った。

見上「次はMFだ。中国相手には5人も要らんから4人で行く。三杉を主軸にするのは今まで通り。
実力的に岬と松山も外せん。問題は後は一人を誰にするかだ。既に山森を前で使っている分選択肢は減る」

336 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 21:34:10 ID:yh8GgGv7
森崎「そうですね…」

A 「誰も加えなくて良いんじゃ?中国の中盤相手ならその3人で十分ですよ」
B 「オーソドックスに葵にしましょう。使い道はそこそこ多いですし」
C 「中山を加えてダブルボランチにしましょう。中盤を完全制覇です」
D 「赤井で敵のボール運び役を潰すって言うのはどうでしょう?」
E 「ウィングハーフとして滝なんかどうです?守備は出来ませんが」
F 「MFに関しては特に提案したい所はありません」

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337 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/15(月) 22:41:37 ID:yh8GgGv7
>B 「オーソドックスに葵にしましょう。使い道はそこそこ多いですし」

見上「…ドリブラーをもう一枚増やすと言う意味でも使えるか」

見上は森崎の提案に異を挟まずノートに葵の名前を書き込んだ。

見上「FW2人、MF4人で後はDF4人だ。この内一人は当然中山だ。
後の3人だが、まず中国に空中シュートの多い事を考慮して若島津を出すか否かだ。
今のお前なら若島津の力無くとも空中戦で負ける事はまず無いと思うが…どうだ?
若島津をCBとして使うか、それとも次藤をCBとして使うか。お前が決めろ」

森崎「そうですね…」

A 「若島津を使いましょう。空中戦はあいつの担当です」
B 「次藤を使いましょう。ブロッカーを増やしておきたいです」

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338 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 00:33:15 ID:bmeh/M4T
>B 「次藤を使いましょう。ブロッカーを増やしておきたいです」

見上「よかろう。ではもう一人のCBは次藤だ。そしてSBは…やはり敵の右ウィングの王対策に
左に早田が必要だな。もう一人は…李兄弟の速攻に備えて赤井にしておくか」

森崎の答えを受け入れた見上はさっさと残りのDFを決め、パタンとノートを閉じた。
そしてゆっくりと森崎に向き直り、無表情に森崎を見据える。

森崎「…何ですか?」

見上「一つ話をしておこう…私は一度もアジアの壁を抜けた事がない。日本人のサッカー選手が
誰一人入れなかった未知の世界。お前たちが踏み入れようとしているのはその世界だ」

森崎「そうですね。それが何か?」

見上「その不敵な態度を保ち続けろ。お前に求められるのはその怖いもの知らずの度胸、
そして底無しの野心だ。少なくとも、私を始めとする日本サッカー協会の関係者はその考えだ。
マスコミや大衆はそうはいかん。例え明日負けようと、ワールドユースで予選敗退になろうと、
”ここまでやれれば十分だ、良くやった、夢を有難う”などと言った評価を下すだろう。
それに満足するな、それに慰められるな。お前が何処までも上を目指したいのならな」

339 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 00:33:30 ID:bmeh/M4T
森崎「何を言い出すのかと思ったら…その点なら心配ご無用ですよ。
俺は最初からどんな試合も勝つつもりです。他人に満足しろと言われて満足する訳ないでしょ。
俺は既にJrユース大会でナンバー1の快感を覚えました。もう2番以下じゃ嫌ですよ」

見上「その言葉、忘れるな。では下がれ」

森崎「はい。おやすみなさい(監督なりの励まし方か?でもこのおっさんは
後でどうとでも言い訳出来る事しか言わないからなあ…ま、どうでもいいか)」

バタン。
スタスタスタスタ…

短い説教の後、森崎は監督の真意を量りかねながら部屋を出て行った。
再び一人になった見上はタバコを一本加えながら今まで書き込んでいた物とは別のノートを
取り出し、パラパラとめくる。それは森崎の実績や観察された能力を書き記したノートだった。

見上「(Jrユース時代と比べて森崎は穴の無いキーパーとなった。ズバ抜けたセーブ力はそのままに、
あの頃は弱点としていた一対一と飛び出し両方がセーブ力に見劣りしない程強くなった。
燃費の悪さも身体の成長に伴いある程度は克服された。実力だけで言えば最早世界中の
ユースチームから警戒されるレベルに達している。今のままでも世界に通用するのは間違いない。
だが…まだだ。まだ伸び代が、短期間で伸びる部分が残っている気がしてならない。
そしてそれが実になれば、ワールドユース本大会で大きな武器となる筈なのだが…)」

340 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 00:33:54 ID:bmeh/M4T
〜アジア予選十四日目〜

大会決勝戦の前日は完全非公開のチーム練習に使われた。
昨日決めたスタメンを予め発表し、連携確認とコンディション調整が行われる。
この時唐突にほとんど経験が無いFWに抜擢された山森は少なからず動揺していたが、
そつの無い能力とセオリーを重んじる本人の性格のお陰で急ピッチで調整する事が出来ていた。

世界に挑戦する前にアジアで頂点に輝く。目標意識の統一がなされる内にチーム内の緊張感は高まっていった。



〜アジア予選十四日目の夜〜

森崎「さてと、やるだけの事はやった…か?今夜でインドネシアともおさらばだぜ」

A 何か話題を振る(更に選択)。
B 部屋を出て誰かに会いに行く(更に選択)。
C 今夜はこのままのんびり過ごす。

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341 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 00:35:08 ID:bmeh/M4T
失礼しました。投票時間は ☆2010/11/16 00:45:00☆からです。

342 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 00:37:47 ID:bmeh/M4T
そして今夜はここまで。また明日お会いしましょう。

343 :創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 01:53:06 ID:cmHnwa3k
FW山森乙でしたー

344 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 07:01:44 ID:bmeh/M4T
>B 部屋を出て誰かに会いに行く(更に選択)。

森崎「今日もぶらつくか。さて…」

101号室 政夫、和夫、次藤

102号室 反町、沢田、若島津、日向

103号室 来生、滝、井沢、高杉

104号室 岬、中里、石崎、中山

105号室 山森、葵、早田、森崎

106号室 新田、三杉、松山、赤井

107号室 住友、井出

108号室 見上

201号室 賀茂

202号室 片桐

203号室 陽子

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1287909116/l50にて
            ☆2010/11/14 23:30:00☆ から投票期間を設けます。
 そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った部屋(と会いに行く人物)で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

345 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 07:02:38 ID:bmeh/M4T
またまた失礼しました。 投票期間は☆2010/11/16 8:00:00☆からです。

346 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 18:09:38 ID:bmeh/M4T
>203号室 陽子

森崎「う〜ん…」

数分後、森崎は陽子の部屋の前で悩んでいた。昨日中途半端に打ち切った会話の後
陽子とは顔を会わせておらず、これ以上棚上げするのも不味いだろうと
再び彼女の部屋の前に来たのだが、ドアをノックする前に悩みこんでしまったのだ。

こういう状況ではコントの様なハプニングがお約束の様に起こる物である。

森崎「まいった…こういう時、どうやって声をかけたら良いんだ…?」

陽子「とりあえずドアの前でウロウロするのは減点!」

森崎「どわあっ!?」

ピョンッ。

迷っていた矢先に急に背後から声をかけられた森崎は奇声と共に飛び上がり、
次いで背筋を縮めながら恐る恐る後ろを振り返った。
勿論その先に居たのは腰の両側に拳を当てて立ちはだかっていた陽子である。

347 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 18:10:08 ID:bmeh/M4T
森崎「よ、陽子さん。部屋に居たんじゃなかったのか…」

陽子「日本サッカー協会へFAXを送っていたのよ。それで?なんで私の部屋の前を不審者みたいにさ迷っていたの?」

森崎「ふ、不審者って…いや、言い返せないけどさ」

陽子「とりあえず、ついてきて。ここじゃ落ち着いて話も出来ないでしょ」

森崎「あ、うん…(何処に行くつもりなんだ?)」

彼女の態度は今までに無い程辛辣で、今までの友好的で親切な態度とのギャップは
森崎を動揺させるのに十分だった。それでも拒絶はされていない分まだマシかな、等と考えている内に
二人はエレベーターを通じて屋上にたどり着いていた。そこは小さめのバーといくつかのテーブルやベンチが
設置されてあり、全日本ユース合宿の為貸し切りとなっている今はバーテンダー以外は誰もいなかった。

森崎「あれ?ここの屋上ってこんな場所になっていたのか」

陽子「万が一にも選手達が飲酒したりしない様に秘密にされていたのよ。
当然森崎くんはただの水よ。私が飲ませたりしたらクビにされちゃうもの」

348 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 18:10:18 ID:bmeh/M4T
森崎「(ちゃっかり自分はビールを貰っている辺り、案外酒好きなのか?それとも飲まないとやってられないって事か?)」

ぎこちない僅かな時間の後、陽子がビールを注いだコップを唇に当てながら
じっと森崎を見据える。「で?」と視線で問われているのは明らかだった。

森崎「(あんまり機嫌は良くないな…どうしたもんか)」

A 「この前、ほったらかしにしてゴメン」
B 「この前の事、考えてくれたか?」
C 「改めて見ると、やっぱり綺麗だな」
D 「明日の試合の事なんだけどさ…」
E 「指輪の石は何が良いかな?」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1287909116/l50にて
            ☆2010/11/16 19:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

349 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 20:22:08 ID:bmeh/M4T
>A 「この前、ほったらかしにしてゴメン」

森崎はとりあえず素直に謝ってみた。陽子の反応は…目を閉じてビールをすすると言う分かり難い物だった。

森崎「これ以上あのままにしておきたくなかったから…今日会いに来たんだ」

陽子「…素直に謝ったのは良しとすべきか、そんなに簡単に謝るなと言うべきか微妙ね」

森崎「(うう〜ん、アタリともハズレとも言い難いかこれは?)」

陽子「森崎くんってさ」

森崎「ん?」

陽子「男同士の付き合いだと、本当に色んなやり方してるよね」

森崎「…ああ、そうだけど?」

350 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 20:22:34 ID:bmeh/M4T
陽子「意地を張り合ったり、下克上したり、嘲ったり、服従させたり…随分荒っぽい関係もあるのに、その一方で
逆にまるでスポ根マンガみたいな友情や信頼関係を作ったり、後輩の面倒見たり、熱いライバル作ったり」

森崎「…まあ〜、長い間に色々な事があったからなあ。でもそれって別に変な事じゃないだろ?
誰とでも仲良くするなんて…岬はやってるから不可能じゃないんだろうが、俺の性には合わん。
だけど俺だってちゃんと仲の良い相手も居る。人が集まれば大抵の奴がそんな感じだろう?」

陽子「うん。それ自体は変な事じゃないんだけど…それ、女の子との関係にはまるで適用できないよね?」

森崎「………へ?」

程なく陽子は呆れ半分怒り半分の表情になり、森崎にとっては突拍子も無い事を言い出した。

陽子「昨日からずっと考えていたんだけど…今まで私と会話した時も、中山くんや早田くんや岬くん辺りと
接する時とほとんど態度が変わらないんだもん。海に誘ったりしてなんだかんだ女扱いしてはくるけど…
ズバリ言って、貴方私を口説くのをチーム内の人望を集めるのと同じノリでやってるでしょ?」

森崎「え?いや、その、確かに人間関係管理の経験は無意識に参考にしているかも知れないが…」

351 :2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/16(火) 20:22:50 ID:bmeh/M4T
陽子「で…それ、役に立ってる?あれおかしいぞ、上手くいかない、なんでなんだ…そう顔に書いてある様に見えるんだけど」

森崎「………マジかよ」

だが彼女が語るに連れ、森崎は自分で思っている程冷静さを保てている訳ではない事を自覚せざるを得なかった。
思えば真剣にガールフレンドを作ろうとした事も無いし、陽子ともロマンチックな雰囲気を作ろうと努力した覚えも無い。
そう分かってくるにつれ森崎は表面的な落ち着きが少しずつ減っていく様な錯覚に囚われた。

陽子「別にそれ、間違った事じゃないと思うけどさ。どう言う”好き”なのか、いまいち分からないのよ
森崎くんは私に何を望んでいるの?私をどうしたいの?私に何をしてくれるの?それが分かんないの」

森崎「(…ううむ、なんか重要っぽいぞ。慎重に答えなくては)」

A 「そうだな…サッカーを理解してくれる女だったらそれでいいのかも」
B 「俺は陽子さんと気軽に話しているのが好きなんだが、それじゃダメか?」
C 「上手く言えないが…俺は陽子さんに嫌われるのは嫌だ」
D 「より深い関係になれる可能性を探りたい…そう言う”好き”かな」
E 「ずっと一緒に居たい。お互いを幸せにしたい。”好き”ってそう言う事だろ?」
F 「悪い。今は上手く言えそうにない。もうしばらく時間をくれないか?」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1287909116/l50にて
            ☆2010/11/16 21:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

352 :創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 22:50:43 ID:cCQGnLaJ
WYの抽選予想は敷居が高すぎたかもね

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0ch BBS 2007-01-24