キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
【楽な戦い】Another-C_4【なんて無い】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/04(月) 19:14:38 ID:VciPDMqw


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。





…恋愛は二の次に皆サッカーに命を削って頑張ります。(何かに誓う)







829 :森崎名無しさん:2011/04/28(木) 13:09:03 ID:???
★展開はどーですか→ クラブ7


830 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/28(木) 17:49:46 ID:???

> 展開はどーですか→ クラブ7
> 《クラブ》 こぼれ球をパルマが拾って攻めてきた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

このセカンドボールをを拾ったのはパルマのタルデリであった。
左のウイングに位置する彼だが、キックオフ直後でパルマはほとんどラインは上がっていない。
この位置で彼がボールを貰っても仕方ないように思えた。
すぐに中盤のコンティ辺りに渡すだろうと観客は想像したが・・・

実況「おっとレッチェ、こぼれ球を拾ったタルデリくんにフォアチェックをかけにいく!
    押せ押せムードとなっている今、ここぞとばかりに攻めの姿勢だ!」

モゼ「ミケーレ、チェックだ!」
ミケーレ「よし、すぐにボールを奪う!」

タルデリ(おっと、舐めてくれるじゃないか。 だが甘い・・・!)

ザッ! ザッ・・・!


実況「おっとぉ!? タルデリくん、これは見事なボールキープだ!
    2人を相手に粘り強くボールを持ち続ける・・・!」


831 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/28(木) 17:51:05 ID:???

2人がかりで取り囲んだモゼとミケーレだが、彼等はタルデリからボールを奪えなかった。
ウイングに位置する選手としてはそぐわないボールキープ技術で溜めを稼いだのである。
その間に中盤の選手達はググッとラインを上げており・・・

タルデリ「そら、走れシル!」

ポンッ!


隙を突いて左サイドにハーフポジションのディモスを走らせた。
そして先のスペースに向けて意外なほどテクニカルにボールを蹴り出す。
モゼとミケーレがタルデリに吸い付いて居ただけに、ディモスはほぼフリーで上がっていける状態だ。

ディモス「ナイスパス、流石だね!」

ミケーレ「ゲエッ!」
モゼ「や、ヤバっ・・・」

ディッテンベルガ(やはりサイドを狙われているか・・・。
          リベリ達に流動性が許されないだけに、対応が厳しい。)


832 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/28(木) 17:52:08 ID:???

どうしても左右のいずれかは薄くなりやすいレッチェのサイド。
フォーメーション的にサイドへ人数をかけられるパルマは積極的に攻めて来ていた。
これをどうにか守らなければ、レッチェはどう足掻いてもパルマには勝てない・・・

三杉(この苦しい状況を・・・ディッテンベルガはどう守る?)


先着で
 ★苦渋の決断→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 最終ラインをゴール前まで下げた
《スペード、クラブ》 ディッテンベルガが再びサイドをケア
《JOKER》 イスラスを下げた急造の4バックでゴール前を固める


833 :森崎名無しさん:2011/04/28(木) 17:57:48 ID:???
 ★苦渋の決断→ ハート4

834 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/28(木) 18:02:00 ID:???
短いですが一旦ここで切ります。
色々予定が立て込みましてGW中は更新が停滞しがちになりそうです。
人気投票中で盛り上げていくべきところなのに申し訳ありません。

ではまたー

835 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 18:06:11 ID:???

> 苦渋の決断→ ハート4
> 《ハート》 最終ラインをゴール前まで下げた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ディモスの突破力を推量し、ディッテンベルガは打つべき手のリスクを評価した。
ここからはリスク軽減がどれほど出来るかの選択しか彼には残されていない。

ディッテンベルガ(オレがチェックに向かうとしよう…勝負してくれば良し、まずいのは逃げられる手だ。
          逆サイドを抜けだされよう物なら失点は確実、それだけは避けなければならない。
          奴(ディモス)にそれだけのパス技術がない保証はないからな…)

苦渋の選択になるが、彼に出来る事は一つしかなかった。
それはディフェンスラインを最後尾まで下げる事である。

ディッテンベルガ「チェーザレ、ドメーニコ、ゴール前を固めるぞ!」

チェーザレ「わかった!」
ドメーニコ(クッ、大丈夫なのか…!?)


836 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 18:07:44 ID:???

三杉(なるほど…確かにフリーで抜けだされるよりはゴールを固めた方がまだマシだ…
    後はシニョーリのダイレクトシュートをDFが止められるか…かな。)

状況は三杉が予測した事態へと正しく進行していった。
レッチェが最終ラインを下げた事でディモスはそのままサイドを走り切り…
そして当たり前のようにクロスボールを蹴り込んだ。

ディモス「それ、追加点を決めてやれ!」

バシュッ…!


ディッテンベルガ(当然そう来るだろうな… だがシニョーリへのマークはガッチリと着いている…!)

実況「さあレッチェゴール前にクロスボールが上がります! これをシニョーリくんが待ち構えますが…
    リベリくん、ジャシントくん、チェーザレくんの3人が彼を自由にはしていません!!」

ジャシント「大人しくしてやがれ、このガキ!」
リベリ「ジャシント、チェーザレもこっちにくる! お前はクロスのコースへ!」

中々の連携でシニョーリを取り囲むレッチェの3名…
しかしシニョーリは、こんな状態で尚も余裕で笑って見せていた。

シニョーリ(へへっ、こーゆーのって何て言ったかなあ…?)


837 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 18:09:26 ID:???

先着で
 ★シニョーリvsクリア要員→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ絵柄》 シュートは威力を大きく減衰された 
《ダイヤ数字、ハート》 シュートは威力を少し減衰された 
《スペード、クラブ》 シュートは邪魔される事なく放たれた
《クラブ5以下》 シニョーリ(スルーとかしちゃったりして…?)
《JOKER》 レッチェボールになった


838 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 18:12:51 ID:???
★シニョーリvsクリア要員→ スペード3

839 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 18:37:31 ID:???

> シニョーリvsクリア要員→ スペード3
> 《スペード、クラブ》 シュートは邪魔される事なく放たれた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シニョーリ(こーゆーの…オレがちょっと本気でジャンプすると、
       だーれも競り合って来れないこの感じ… そうそう、確か…!)

高々と上がったクロスボール…これに対してシニョーリとクリア要員3名は飛び上がる。
しかしリベリ達は驚愕させられる事となった。
身体の小さなこの少年の異常なまでの跳躍力に…

リベリ「なんだその高さは…!」
ジャシント「さ、サルかよお前は!?」
チェーザレ「と…ともかく競り合えないよ、こんなの!」

シニョーリ「鎧袖一触とかって言ったかな!」

バシュウゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!


840 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 18:38:37 ID:???

実況「おおっと! これはシニョーリくんの得意技! オーバーヘッド、バイシクルシュート!!
    レッチェの3人による囲みを物ともしないで放ちました!! これは凄い!!」

ディッテンベルガ「チイッ、止める!!!」


先着で
 ★ディッテンベルガvs高い必殺シュート→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ絵柄》 シュートを止めた
《ダイヤ数字、ハート》 ボールをこぼれ球にした…セカンドボールはレッチェ有利にランダムだ 
《スペード》 ボールをこぼれ球にした…セカンドボールはパルマ有利にランダムだ 
《クラブ》 シュートを止められない…これはゴールだね、うんゴールだ
《JOKER》 ディッテンベルガ「オレにはもう弱点は無い、そんなシュートが通用するか!」


841 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 18:38:58 ID:???
 ★ディッテンベルガvs高い必殺シュート→ ダイヤQ

842 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 18:41:44 ID:???
ディッテンベルガさんマジイケメン

843 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 18:43:09 ID:???
粘ります!

844 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 19:07:40 ID:???

> ディッテンベルガvs高い必殺シュート→ ダイヤQ
> 《ダイヤ絵柄》 シュートを止めた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シニョーリのシュートは足を交差させたバイシクルシュート…
ただのオーバーヘッドとは威力が違った。
おまけに高度から撃ち降ろされるシュートはディッテンベルガにとって鬼門である。
しかしディッテンベルガはこの場面で無様を晒すわけにはいかなかった。
それは、ただシュートを防げなければ失点確率133%だからという理由ではない。

ディッテンベルガ(イスラスが意地を貫いて縮めた点差だ…
          オレも意地を、ゲルマン魂を貫かぬわけにはいかないんだよ!!)

スッ…
 ガシィッ…!!!

実況「おおっと、止めた! ディッテンベルガくん、この急角度のシュートを見事なダイビングで抑えました!
    絶体絶命のレッチェ、しかしまだ勝負を決めさせなーーい!」

シニョーリ「ゲッ! ま、マジでぇー!?」

ディッテンベルガ「(どうだイスラス、オレも止めたぞ…! お前だけ孤軍奮闘なんてさせやしない…)
          そして右サイドの裏がスカスカだ! いけミケーレ!!」


845 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 19:08:53 ID:???

シュパァァァン!!

すかさずディモスの裏へとロングフィードを放つディッテンベルガ。
守備でのピンチは一転して攻撃のチャンスとなる…この表裏一体がサッカーの醍醐味である。
観客達はこのスピーディーな展開に酔い痴れようとしていた。

シル「…なんて甘いぜ! 悪酔いにさせてやるよ!!」

ミケーレ「っとと、そりゃあフォローに来るよな…だが!」
モゼ「今度はこっちが2対1なんだよ!」


先着で
 ★逆の人数差→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 モゼとミケーレが二人で抜けだした 
《ハート》 モゼが一人で抜けだした
《スペード》 ボールをこぼされてマンチーニとコンティが競り合う
《クラブ》 ボールをこぼされてスローイン、カウンターならず
《JOKER》 シル「オレって結構パスカットが得意だったりするんだぜ!」 ボールは奪われた。


846 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 19:12:35 ID:???
 ★逆の人数差→ スペード4

847 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 19:16:19 ID:???
どうにもイスラス、ディッテンベルガvsパルマの感が強い試合。
カウンターになりそうになく…というとこで一旦ここまでです。

848 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/29(金) 19:38:14 ID:???

第三回キャプテン霧雨キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2n/bbs.cgi

第二回ラインライダー滝キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2o/bbs.cgi

第二回ファイアーモリブレムキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2q/bbs.cgi

アナザーカンピオーネキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2p/bbs.cgi


ブルノ「やっほーみんな! キミ達のブルノさんだよ!
     沢山の投票マジで感謝だってばよ、まさにオレのための人気投票だよな!」

ブルノ「まあね、オレも昔からスター街道突っ走ってきた身だけど…
     やっぱり人気が一目で分かるってのは嬉しいもんだわ。
     分身の術でポストの票もオレの物…合計既に80票オーバー!
     スゴい、流石はブルノの兄貴! オレ達に出来ないことをやってのける!
     そこに痺れる憧れるぅー!って、オレだけどねぇー!!」

ブルノ「そんなオレは霧雨スレのサルバトーレ、滝スレのシャドームーン、
     それからモリブレムスレの若島津を応援してるんだぜ!みんなも応援してやってくれよな!」

サルバトーレ、シャドームーン、若島津「おい、反感買うから余計な事しないでくれ。」

849 :森崎名無しさん:2011/04/29(金) 19:42:14 ID:???
ポスト乙でしたwww

850 :森崎名無しさん:2011/04/30(土) 13:16:15 ID:???
シャークの人気も意外に高いw

851 :森崎名無しさん:2011/05/01(日) 23:14:02 ID:???
書き込み時点でポストとブルノ合わせて全投票数の8分の1か
なんという人気者

852 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 12:01:45 ID:???

>>849 SGGP乙感謝でしたー!
>>850 シャークは全日本ユースで活躍する予定ですよw
>>851 ブルノさんとポストさんは完全にメインキャラを食いにきましたねw
=============================================

> 逆の人数差→ スペード4
> 《スペード》 ボールをこぼされてマンチーニとコンティが競り合う
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ディッテンベルガのフィードによって2対1の有利な勝負をしかける事が出来たミケーレ達。
ここを抜ければカウンターはほぼ成功、サイドを畳み込んだ得点チャンスが広がっていた・・・
しかし不運に依るものか、実力が不足していたのか、パルマのシルは2人を先に進ませなかった。


ポーン

ミケーレ「そら、ワンツーだ!」
モゼ「よしミケーレ、奴等のお株を奪ってお前が抜け出せ!」

シル「甘々のソゥスイーツ(笑)だ、存在が20年早いんだよ!」

パシィッ!


実況「おっとシルくん見事な反応、素早い展開を許しません! そして中央にこぼれたボールが・・・
    さあこれはマンチーニくんとコンティくんが同時に走り込む!」


853 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 12:02:57 ID:???

マンチーニ(これをキープすればまだ望みはある・・・!)

コンティ(・・・と思っちゅうがやろが、その様にゃさせんきに!)


先着で
 ★確率現象→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 マンチーニがキープ 
《スペード、クラブ》 コンティがキープ
《JOKER》 マンチーニ(日本の漫画を見て編み出した必殺の競り合い技を見せてやる・・・!)


854 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 12:04:17 ID:???
★確率現象→ スペード2

855 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 13:55:31 ID:???

> 確率現象→ スペード2
> 《スペード》 コンティがキープ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

マンチーニ「うおぉぉぉぉっ!!」
コンティ「負けちゃるかい!」

両者のフィジカルはほぼ互角だった。
貧しい南イタリア特有の泥臭さ、執念を考えればマンチーニの方がやや有利だったかも知れない。
しかし運命は残酷だ・・・芝のギャップがボールをコンティに有利な位置へバウンドさせるとは。

実況「さあ、中盤の骨子となる2人がセカンドボールを競り合う!
    このタイミングだとワンバウンドした後にぶつかり合うかー!?」


ボスッ・・・

マンチーニ「ぼ、ボールが遠く・・・!?」
コンティ「おうおう・・・まっこと運がしょうえい!」

実況「ああっと、バウンドの軌道がややズレた!? 芝目のイタズラか・・・!!
    これはポジショニング的にコンティに有利に働きそうだが・・・」


856 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 13:56:49 ID:???

マンチーニ(な、何でだよ!? クソクソッ・・・!)

実力が近い者同士の競り合い・・・ポジショニングの有利という項目を覆す要素は他になかった。
レッチェの泥臭さを嘲笑うかのように、残酷なボールはパルマへ尻尾を振ったのだ。

コンティ「っしゃあ! おまんら、ココからはユルリと攻めるがぜよ!」

そしてコンティはレッチェが最も嫌がる選択をした。
このままリードを保ったまま、リスクを負うような攻め方をせず時間をかけて崩すという方法だ。
決勝に向けて手の内を晒さずに勝ちたいという意図が明白だった。
またこれは、無理にでも攻めなければならないレッチェのメンタル面からも有効な手となる。
レッチェとしては無理矢理にでもボールを奪わなければ話にならず、その為に体力を消耗させられ・・・
早くボールを奪わなければならないという観念に駆られれば駆られるほど動きは単調に陥るのである。
このままの展開では、最後の最後で時間と体力が不足する怖れもあった。

・・・パルマの中盤はコンティを中心としてよく纏まった崩しを見せていた。
レッチェはこれに抗うが、どうしてもボールが奪えない。
やはりシニョーリにジャシントとリベリを割かれている人数の不利が効いていたのだった。
そして時間はゆっくりと、だが着実に積み重ねられて行き・・・後半も早30分を迎えようとしている時。


857 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 13:57:49 ID:???

先着で
 ★どっちがボールを持って何がどうなった?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 レッチェの見せ場
《ハート》 レッチェがボールを奪った所から
《スペード》 パルマがレッチェを崩し始めた所から
《クラブ》 パルマの見せ場
《Joker》 レッチェが同点ゴール


858 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 13:58:01 ID:???
 ★どっちがボールを持って何がどうなった?→ クラブQ

859 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 16:55:01 ID:???

> どっちがボールを持って何がどうなった?→ クラブQ
> 《クラブ》 パルマの見せ場
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

イスラス「遅い・・・!」

ザザァァァァァ!!


フェラーリ「嘘だろ・・・!?」

スルー気味のパスから抜け出そうとしたフェラーリだったが、これはイスラスが良しとしなかった。
フェラーリの足を完璧に上回るイスラスの高速タックルがここで飛び出したのだ。

イスラス「・・・」

ポーン


イスラスはすかさず前線へとボールを回した。
フェラーリへとパスを流したコンティの裏手、隙が出来たスペースをマンチーニは抜け出す・・・


860 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 16:56:03 ID:???

マンチーニ(サイドに広がってもう一度カルネバーレに出す!
       そして上がってきたイスラスにボールを落とせれば・・・!)

数手をかけた崩しを頭の中で練りつつ、マンチーニはサイドへと広がっていった。
シルとディモスが当然プレスに詰めてくるが、絶妙なタイミングで・・・

マンチーニ「スライドパスだ!」

スパァァァァン


実況「おっと、マンチーニくん上手いぞ! 回転によって地表を飛び石のように少しずつ曲がるパスだ!
    これは中盤を越えてモゼくんに渡るぞ・・・!?」

マンチーニ(出せ、トラップしないで直接上げるんだ!)

モゼ(オーライ!!)

ポーン!!


マンチーニの期待通りにカルネバーレへと出された浮き球・・・
飛び出せそうで飛び出せない、判断が難しい位置・タイミングで上がった。
当然この位置からパワーヘッドを撃ってもシューマッハからゴールを奪える可能性は低い・・・
ならば狙いはポストプレイである。


861 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 16:57:06 ID:???

カルネバーレ「うおぉぉぉぉぉ!!!」

トリノ「させるかよ!」 スルスル・・・


ガシィ!

カルネバーレ「な、なにぃっ!?」

実況「おおっと、これは滑らかなポジション取り・・・そして長い脚でガッチリとボールを挟んだ!
    トリノくんがカルネバーレくんに競り勝っ・・・たと言えるのでしょうかこれは!?」

力に力で対抗せず、トリノは撃たせる前のポジショニングで勝負を決めた。
そしてクリップタックルに似たような体勢でボールを確保すると、着地もキレイに決めて叫んだ。

トリノ「ようし、TC2だ!」

スパァァァァァァン!!


イスラス「!!」

号令と同時に大きく放たれたフィード・・・
これは前線の右サイド、深い位置に蹴り込まれた。
イスラスがボールを受ける為に上がった隙・・・戻らせる前にその裏を突く。


862 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 16:58:16 ID:???

実況「おぉーーっと! またユックリした展開が始まるかと思えば、ここでカウンター!
    一瞬でボールは前線の逆サイドへと走る! そしてこれを受けるのが・・・何故かコンティくん!」

ディッテンベルガ(な、なんて事だ! このカウンターは・・・!)

中央のコンティが右サイドでボールを受けた・・・
攻めている時は良いが、万が一通らなかったら守備に大きな穴を空ける筈のこの一手。
だがパルマには中央に穴は空いていなかった・・・このスペースを埋める選手が居たのだ。

シニョーリ「ヘヘッ・・・お前等こんな所に居ていいの?」

ジャシント「い、いつの間にこんな位置に・・・!」

シニョーリがジワジワと位置を下げていたのである。
マーカーとゾーンの混乱がここに来て起こった・・・いや、起こされた。

トルシア(シニョーリはピッチに存在しているだけで価値がある、そういう選手だ。
      向こうのイスラスくんも同種の価値を持つ存在だが・・・残念だったね、その怪我は。)

パルマは守備に穴を空けず、レッチェは守備に穴を開けさせられる・・・
このような理不尽な現象が起こってしまうのは、シニョーリという選手を上手く使いこなしている結果だろう。
ともかくレッチェにはボランチと最終ラインの間にぽっかりと距離が空いてしまった。


863 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 17:00:32 ID:???

ガリバルディやディモスがそのスペースに走りこむとすれば、ディッテンベルガは無視できない。
しかしボールはサイドにあり、それを受け取ったのはコンティである・・・。
ディッテンベルガはサイドも無視する事が出来ないのだった。

ディッテンベルガ(またゴール前で勝負するしかないのか・・・!)

全ての隙を埋める方法は無く、苦渋の選択を再度強いられるディッテンベルガ。
それを確認し、コンティは悠々とフィニッシュを考える余裕を得た。


先着で
 ★どうしますか?→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ》 イスラス「おめーに余裕とかねえがら!」
《ハート》 フェラーリにパスしましょうか
《スペード》 自分で行きましょうか
《クラブ》 タルデリにパスしましょうか
《クラブA》 おっと、シニョーリのマークが外れたようなのでパスしましょう
《JOKER》 ブルノ「コンティ! オレだ、オレにもってこい!」 ブルノが裏切った!


864 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 17:04:25 ID:???
★どうしますか?→ クラブJ


865 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 17:05:48 ID:???
カードが黒ばっかだね…

866 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 17:28:46 ID:???
データが揃っているとはいえあれだけ苦戦したレッチェをこうも容易く…

867 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 18:20:46 ID:???

>>866 容易くと言うより本当に相性最悪なんですよね・・・シニョーリ、クスタ、シューマッハと。
=============================================

> どうしますか?→ クラブJ
> 《クラブ》 タルデリにパスしましょうか
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

コンティ(ま、わのFWもちくとは点を取っとくげな・・・)

ポーン!


実況「おっと、コンティくんのパスが通る! これはタルデリくんへのラストパスか!?」

どの攻め方でも、結局は最後にディッテンベルガとの勝負が待っている。
だがその中でも相性というのがある・・・コンティはそれを見定めたフィニッシュ選択をしていた。
適当に決めているようで、確(しっか)りと焦点が合っているのが不思議なところではあるが・・・

タルデリ「よし、この時間帯で1点突き放せば勝負は決まりだ・・・
      ならばここは出し惜しみ無しだ、必殺シュートで決めてやる!!」


先着で
 ★タルデリの必殺シュートは何かな→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 キャプ翼VSでジェディーノが使っていたショットガンシュートだ!
《スペード、クラブ》 5でエドゥアルドが使っていたローリングヘッドだ!
《Joker》 どうやら両方使えるぜ、だがここはショットガンシュートでいく!
《クラブA》 どうやら両方使えるぜ、だがここはローリングヘッドでいく!


868 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:26:23 ID:???
★タルデリの必殺シュートは何かな→ ハートK


869 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 18:54:46 ID:???

> タルデリの必殺シュートは何かな→ ハートK
> 《ハート》 キャプ翼VSでジェディーノが使っていたショットガンシュートだ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

実況「さあバイタルエリアでパスを受け取ったタルデリくん、ここは絶好のシュートチャンス!」

コンティのパスはサイドを抉りきる前に出されたパスだった。
レッチェの最終ラインがゴール前まで下がっているので、これは易々と通るが・・・
ディッテンベルガはこのパス種から、自身の考えた最悪の想定よりもマシだと判断する。

ディッテンベルガ(高度から撃ち下ろす類のシュートではない・・・と。
          ・・・ならばまだ望みはある、ここを守り切って再度!)


グォォォォォ・・・

タルデリ「さあ行くぜ、ショットガンシュートだぁっ!!」


先着で
 ★ディッテンベルガ(達)vs地上シュート→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 シュートを止めたぜ!
《スペード》 ボールがこぼれた…! セカンドボールはブルノがクリア! 
《クラブ6以上》 ボールがこぼれた…! セカンドボールにはフェラーリが・・・!
《クラブ5以下》 ゴールを決められました
《JOKER》 ブルノが見事な飛び出し! 勿論ハンド!


870 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:56:41 ID:???
★ディッテンベルガ(達)vs地上シュート→ クラブ4

871 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:58:52 ID:???
この判定でピンポイントでゴールを決められちゃうのかw
レッチェ……無念……。

872 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:59:16 ID:???
こりゃ……もう逆転の目はなさそうだな

ブルノが超覚醒してドリブル王にでもならん限りは

873 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 19:01:26 ID:???
これにて終戦確定・・・! と言ったところで本日は終了です。
散発的な更新が暫く続くかと思いますが、どうぞ御勘弁をー。

見事に低確率シュートを決めたタルデリはシュート力が少し上がります。
ディッテンベルガのブローーックを越えたシューターなので。


874 :アナカン:2011/05/02(月) 19:19:19 ID:???

第三回キャプテン霧雨キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2n/bbs.cgi

第二回ラインライダー滝キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2o/bbs.cgi

第二回ファイアーモリブレムキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2q/bbs.cgi

アナザーカンピオーネキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2p/bbs.cgi



ルーベン「さてと…人気投票祭も大詰めだな。 まさかオレにこんな票が入るとは思ってなかったぜ。」
フィッツウォルタ「それについて解析してみた……ふむ、体育座り票だな、」
ルーベン「待てぇい! なんだその体育座り票ってのはよ!?  ふざけんのも大概にしろよ!?」
フィッツウォルタ「まあ正確には同情票とpgr票だが…ボクなりに表現してみた。 お気に召さないかい?」
ルーベン「ったりめーだ! この引き弱ヘタレ策士!」
フィッツウォルタ「ムカッ)IND…!」※訳:乾汁飲んで死ね


ミハエル「OMG…皆さん、醜い争いを見せてスミマセン、2人に代わって謝ります。
      そんなボクが応援するキャラは霧雨スレのカナちゃん、モリブレムスレのヤマザルくん…
       それから滝スレのフジー・マッケンジーです。
       特にマッケンジーはイイですね、そのネーミングは10点です。」

875 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 22:46:47 ID:???
乙でした!

876 :森崎名無しさん:2011/05/03(火) 11:51:32 ID:???
レッチェは大事なところで働けるのがたったの2人しかいないのが痛かったわ…

877 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:06:17 ID:???

>>875
乙感謝ですだ

>>876
ずばりそこですね。
選手層の差、戦術の替えの利かなさなど…チームとしてレッチェは負けました。
戦術は高度でも、相性が悪い相手に他の戦い方が出来ないのは流石に厳しい。
=========================================

> ディッテンベルガ(達)vs地上シュート→ クラブ4
> 《クラブ5以下》 ゴールを決められました
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

実況「さあバイタルエリアでパスを受け取ったタルデリくん、ここは絶好のシュートチャンス!」

コンティのパスはサイドを抉りきる前に出されたパスだった。
レッチェの最終ラインがゴール前まで下がっているので、これは易々と通るが...
ディッテンベルガはこのパス種から、自身の考えた最悪の想定よりもマシだと判断する。

ディッテンベルガ(高度から撃ち下ろす類のシュートではない...と。
          ...ならばまだ望みはある、ここを守り切って再度!)

彼ほどのDFならばそう思って当然であった。
そう期待して良かった…何しろシュートを撃つのは得点ランキングに入っていないFWだ。
ここまでの動きから、多少競り合いが強くテクニックのある選手なのは判っていた。

878 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:08:40 ID:???

ディッテンベルが(…つまりはシニョーリをより活かす為のFW…!
          幾らフリーで抜け出した言えど、そんなFWのシュートを通させるか!)

トルシア(…と、ディッテンベルガは思っている。 彼だけじゃない、観客だってそうだ。
      タルデリは主力が抜けたイタリアのFW、所詮は3番手以下の元MFだ…とね。
      ふふ…今こそ見せ付けてやれタルデリ、実直なお前が磨いて来たその実直なシュートを!)

そう…ディッテンベルガの想定は大きく外れていた。
それは観客の想定でもあり、また三杉の期待も同じであった。

三杉(この場面でディッテンベルガを抜いてゴールを奪われる場合…
    それはレッチェだけでなく“僕達にとっても最悪”な事態を意味している。)

このシーンは三杉が最も知りたかった事が判明する場面だったのだ。
つまりはタルデリがストライカーとして力を持っているか否か…
シニョーリ以外に決定的な得点力をパルマが有しているかという点である。

タルデリ「さあ行くぜ、ショットガンシュートだぁっ!!」

バキュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!


ゴールの右上隅…守備陣が最も反応し辛いコースを狙ったシュートが撃ち放たれた。
ディッテンベルガはこのシュートに対して確かな反応を見せる。
しかしそれは彼の想定よりも確実に鋭く、十分な体勢でのブロックとはいかなかった。

879 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:10:47 ID:???

ディッテンベルガ(嫌なコースを狙ってくるが…その程度のスピードの直球は通さn…)

バキィィィィィっ!!!

捉えた…と確信したディッテンベルガは天地がわからない状態に陥っていた。
まるでダンプカーに跳ねられたかのような衝撃と共に宙を舞ったのだ。

三杉(見たぞ…!)

重量感を宿したボールはそのままゴールに吸い込まれ…
そしてネットをも突き破って、パルマの3点目を告げた。


レッチェ  1−3  パルマ
=========================================

前半3分  シニョーリ ドリブル→シュート (通算15得点)
前半27分 フェラーリ ドリブル→シュート (通算2得点)
後半8分  イスラス  こぼれ球→シュート (通算5得点)
後半34分 タルデリ  コンティ→パス→ショットガンシュート (通算1得点)※アシスト:コンティ

880 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:13:45 ID:???

実況「決まったあぁぁぁぁ! 3点目、試合を決定づける追加点がパルマに入りました!
    決めたのはなんとタルデリくん、大会初得点ですが…これは驚きのキック力です!」

観客「な、なぁ…今のタルデリが撃ったのか?」「ああ、まさかとは思ったけど…」「す、すげぇじゃん!」
  「イタリアユース、いけてるかも!?」「ランピオンしか得点力ないって思ってたけど、こりゃあ…」


ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

一拍置いてから、スタジアムを吹き飛ばすような歓声が舞い荒れた。
ブラジル人のシニョーリが凄いシュートを見せたのとは全く違う意味を持った歓声だった。
さっきまでは誰もがイタリアユースはランピオンの1トップとカテナチオという形を想像していた。
ある理由で不足しがちになってしまった得点力を堅守でカバーする、イタリアの姿とともに。
だが今日ここに新しい風、得点力が期待できるFW、タルデリが現れたのだ。

タルデリ「やった! やったぞ! オレは決めたぞおぉぉぉっ!!」

タルデリは喜びを爆発させながらサポーターにアピールするために駆けていた。
そんな男の姿をフィオレンティーナの面々は押し黙りながら見つめていた。

881 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:16:55 ID:???

バンビーノ「…まさかディッテンベルガの壁を抜く程のシュートを撃つとはな…」

三杉「守備陣にとって嫌なゴールの隅を確(しっか)りと狙って撃っていたね…
    スピードは然程ではないが、球の質は重そうだ…コントロールがまぐれでないとすれば…」

かなりの威力を持ったシュートであると断言できるだろう。
三杉は続く言葉を言わず、バンビーノの返答に期待した。

バンビーノ「…まぐれじゃないだろう、タルデリは実直な男だ。
       急造でボランチからFWに遷されても、文句一つ言わずにやり遂げた程だからな。
       キック力はともかく、シュートコントロールにまぐれなのは奴に限って、ない。」

三杉「…なるほど、実直ね。」


トルシア(そう、実直なお前らしいシュートだったぞタルデリ。 まさに鳥撃ち銃の名を冠するに相応しい。
      最初は欠点だらけだったお前のシュートは、まさに散弾銃の進化の歴史と同じに成長した。
      単純な発想から試行錯誤と実直な努力を積み重ね、今それは大きな武器として完成した。)

パルマのもう一つの得点力に激しい警戒の目を送るフィオレンティーナの選手が居て…
自分が育ててきた選手の開花を喜び誇るパルマの監督も居た。 そして…
絶望的な状況を突きつけられて項垂れるレッチェの選手達もそこに居た。

882 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:18:55 ID:???
半端で選択もカードも無かったですが一旦ここまでです。
続きは明日以降に。
ではでは。

883 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 00:30:07 ID:???
実直に乙!

884 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 13:00:26 ID:???
>>883 乙いつもありがとうございます!
=========================================

イスラス「顔を下げるな・・・」

マンチーニ「イスラス・・・」
モゼ「イスラス・・・」
チェーザレ「・・・」

既に地に膝を着き、頭(こうべ)を垂らす仲間にイスラスは声をかけた。
しかし彼に向けられた仲間の表情から戦意は見受けられなかった。
この戦況で残り時間は10分・・・逆転は勿論、同点にする事もほぼ不可能に近いからか。
しかしイスラスはそんな彼等に尚も強く鼓舞を続ける。

イスラス「黙れ・・・・・・まだ、まだ最後の笛は鳴っていないぞ!」

ジャシント「・・・」
マンチーニ「・・・」

ディッテンベルガ「ゴホ・・・その通りだ、まだオレ達は負けていない。
          どれほど絶望的な状況であろうと勝負を捨ててはいけないんだ。」

カルネバーレ「けどよ、もう・・・」

ディッテンベルガ「諦めなければ・・・勝てる確率はゼロじゃない! いつだってそうだ!」

イスラス「そして苦しい生活の中、南から応援に来てくれたサポーターに恥を掻かせるな!」


885 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 13:02:50 ID:???

ドイツ人とオランダ人、それぞれのメンタルから吐き出された生の言葉。
誰が見ても勝ち目なんて99%残っていない状況、彼等はそれでも仲間に闘う事を求めていた。
それはこの試合においては悲しく惨めな足掻きにしかならないかも知れない・・・。
だが2人にとって、そんな事は些細な事だった。
最後の笛を聞くまで勝つために足掻くのは、二人にとっては息をするように当たり前だからだ。

その後・・・レッチェの選手達が2人の言葉に応えられたかと言うと・・・


先着で
 ★最後の判定→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、JOKER》 レッチェが意地で1点を返した
《ハート、スペード》 なんとか立ち直り、最後まで堂々と闘った
《クラブ》 レッチェの戦意は崩壊したまま・・・シニョーリがダメ押しで4点目


886 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:03:19 ID:???
 ★最後の判定→ ダイヤ4

887 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:04:17 ID:???
 ★最後の判定→ ハートA

888 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:13:53 ID:???
最後にブルノ以外がんばったか

889 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 18:41:56 ID:???
ポストさんもがんばったんだよ

890 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:31:52 ID:???
>>888-889 ブルノとポストさんは別の場所(投票所)で頑張っていますよ!
=========================================

> 《ダイヤ》 レッチェが意地で1点を返した
> 最後の判定→ ダイヤ4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ビッッピッッピィィィィィィィィィッッ!!!


審判が3度続けて笛を鳴らし、試合終了の刻を告げた。
その甲高い音色を聞きながらイスラスは目を閉じた。

イスラス(負けた・・・か・・・・・・。 だが悔いはない、オレ達は最後まで抗った・・・・・・
      そうだろう、ディッテンベルガよ。)

ディッテンベルガ(ああ・・・そうだなイスラス。 オレ達は全力を出して、そして負けた。
          オレ達はこの敗北を糧に進もう、次のステージで勝つために・・・。)

実況「試合終ーー了! パルマがレッチェを下して決勝進出を決めました!!
    決勝のカードは古豪フィオレンティーナと新進気鋭のパルマです!
    残念ながら南イタリアの雄、レッチェは準決勝で敗れましたが・・・
    しかし試合終了間際まで喰らいつく戦い振りは、人々の心に残るものでした・・・!
    まだまだ経済格差や選手層で劣りますが、レッチェの躍進はきっと南に勇気を与えるでしょう!」


891 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:33:03 ID:???

ワアアアアアアアアアアア
     パチパチパチパチパチ

観客「ようやったぞレッチェ!!」「ベスト4なんて夢みたいだぜ!!」「トップに上がって来いよ!!」
  「決勝も勝てよパルマー!」「いやあ今夜の酒は美味いな、こりゃあ。」

実況が興奮気味にパルマの勝利を告げた後、レッチェの敢闘を評したように・・・
観客もトップチームが強豪の仲間入りをして間もないパルマの決勝進出を喜び、
そして最後まで試合を捨てる事なく戦い抜いたレッチェを温かく賛美したのだった。

シューマッハ「2失点か・・・フン、折角の勝ちに埃がついちまったな。」

クスタ「勝負とはこういう物です、何が起こるか判らない・・・だから全て最善を尽くす。
     最後の1点も、怖れず果敢に止めに行ったのだと考えれば悪くありません。
     怖れ、足を出すのを躊躇しての失点よりはずっと・・・ねえ、ファビオ?」

カステッリーニ「うぐぐ・・・すみませんでした・・・・・・。」

シューマッハ「いいさファビオ、クスタの言う通りお前の思い切りの良さは悪くない。
        だから決勝でこれを引き摺るなよ、頼むぜ。」

カステッリーニ「は、はいぃっ!!(あーもーマジ怖ぇよ・・・下手なマフィアよりヤバイってこの圧力・・・)」


892 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:34:23 ID:???

三杉「レッチェが負けたか・・・」

中山「ああ・・・負けたけど、でもあいつら最後まで諦めなかったよな。」

三杉「そうだね、最後の1点は間違いなくレッチェの気迫がパルマを圧倒した結果だよ。
    全員が何がなんでもゴールに押し込もうっていう攻撃的な姿勢が、DFを焦らせたんだ。」

中山「流石にクスタもシューマッハもPKじゃあ遣り様がないって事か・・・」

三杉「うん。(結局パルマの最終ラインに弱点は何も見つけられなかったか・・・。
    まあ、CBとGKの圧倒的な個に依る強さだからね、目に見える弱点など期待出来なくて当然か。)」

試合を観戦していた三杉達は次戦を見据えて兜の緒を締め直していた。
予選で激戦を繰り広げ、戦友のような感覚が芽生えていたレッチェの敗退を惜しむ彼等だったが・・・
まだフィオレンティーナの大会は終わっていない、明後日にはあの強敵パルマを倒さなければならないのだ。

三杉「さあ皆、ホテルに戻ってミーティングだ。」

フィオ選手「「「おう!」」」

三杉達は席を立ち、次の戦いに向けて歩みを進めたのだった。
そしてレッチェの健闘を讃える意外な人物は他にも居た・・・・・・ジョアンである。


893 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:36:34 ID:???

ジョアン(・・・見事だったぞイスラス、ディッテンベルガ。
      負けるべくしてレッチェは負けた・・・だがお前達もレッチェも恥じる所は何処にも無い。
      よくぞ最後まで心を折らずに戦い抜いた、その精神があればレッチェはまた強くなる。)

口にこそ出しはしなかったが、ジョアンは小さく拍手を送り、口許には満足気な笑みが零れていた。
だが彼の隣に座る少年・・・アルシオンは冷めた目でグラウンドの敗者の顔を観ていた。
そしてジョアンに向けてこのように口にしたのだった。

アルシオン「3−2か・・・スコアこそ競っているように見えますが、ワンサイドゲームでしたね。」

ジョアン「むっ・・・・・・アルシオン・・・?」

アルシオン「パルマはまだ他に出来る事があった・・・だが決勝を見据えて全てを出し切らずに終えた。
       対してレッチェは全てを出し切り、その得点はPKと偶然性の高いゴール・・・
       結局、ポゼッションサッカーと言ってもこの程度という事ですね。
       中盤を制しても個の力が足りなければゴールは奪えず、最後には逆に奪われる・・・」

ジョアン「・・・・・・そうだな、個の力が足りている事はある意味前提だ。
      個の力が足りなければ工夫するしかないが、まずそこを満足させるのがプロの選手だ。
      だが個の力が満たされた時、そこで初めて戦術が輝く。
      チームの強さは個の力と戦術の融合だ、レッチェはイスラスとディッテンベルガ以外の
      選手の差・・・特に最終ラインの大きな差で負けたと言うべきだな。」

アルシオン「・・・・・・」

ジョアン「どうした、アルシオン?」

アルシオン「・・・・・・・・・いいえ、なにも・・・」


894 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:37:42 ID:???

ジョアン「そうか・・・ではそろそろ行こうか。」

アルシオン「はい・・・。 この後の予定は変わらず・・・?」

ジョアン「ああ、これから会ってくる。 先にホテルへ戻っていると良い。
      遅くなるだろうから、夕食も好きに済ませてしまって構わん。」

アルシオン「了解、では先に休ませて頂きます。」

2人は席を立ち、スタンドから姿を後にした。
別れ際、ジョアンは今しがた別れたばかりの少年がこちらに振り返り、
自分の背中に何事か目で語りかけていた事には気付かなかった。
それよりもジョアンはこれから会う相手との事に頭を痛めていた。

ジョアン(・・・あ奴もアルシオンに会いたがっていたが、付き合う事もあるまい。
      商戦は下らぬ面倒事・・・私ひとりで十分だ。)

ジョアンは足早にスタジアムを抜け、タクシーを拾い・・・そして運転手に告げたのだった。
ミラノ・マルペンサ国際空港に向かってくれ、と・・・。


895 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:38:49 ID:???

<PM6:30 ミラノ市・ブレラ地区>

ジョアンと別れたアルシオンは、人気の少ない通りを一人で歩いていた。
地下鉄で一駅とやや辺鄙な場所に在るホテルへの帰路だ、タクシーを拾っても良かった。
しかしアルシオンは気分が乗らず、時間をかけて歩きたかった。

今日は少し天候が優れない。
いつもならばまだ太陽が出ている時間帯だが、今日は雲がかかり普段よりも暗がりが早く訪れた。
暗がり・・・夜道・・・真っ暗闇・・・少なからず治安の悪い部分もあるイタリアでは、
人通りの少ない道を暗くなってから歩こうとする人間は少ない。
自然、アルシオンの行く道にも人の姿はほとんど見えなかった。
進む道の端っこ・・・ドリンクの自動販売機がちょこんと置かれているのにアルシオンは気付いた。
それと同時に、彼は自分の喉がカラカラに乾いている事を思い出した。

アルシオン(・・・水でも買っておくか・・・・・・。)

帰るための歩みを止め、ノロノロと思い動作で自動販売機へと向かう。
ガスの入ったミネラルウォーターとコーク、それからオレンジジュース以外は売り切れていた。

アルシオン(炭酸の入った水しかないのか・・・好きではないが、無いよりはマシか。)

何でもないような下らない事をわざわざ考えながら、アルシオンは買う物を選んだ。
余計な事を考えていなければ、出所のよく判らない苛々が襲ってくるからである。


896 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:40:05 ID:???

アルシオン(あれ以来か・・・。)

5日前、女性と食事をしている時に聞こえてきたラジオ・・・アナウンサーが告げた言葉。
これを耳にした瞬間、アルシオンは異様な不安と悲しみと・・・そして怒りに襲われた。
思わず店を飛び出した彼だが、その後も気分が落ち着くことはほとんどなかった。
それなのに、何故自分がこのような状態に陥ったのか、アルシオン自身は何も分からなかった。

ホテルに戻ってからずっとラジオを聞いた。
毎日時間が許せるだけ夜が更けた後もずっと聞き続けた。
しかし原因はわからなかった。
感情を揺さぶったニュース、それが一体何だったのかを知る事が出来ずにいた。


ヒヤリ・・・

アルシオン(・・・?)

自販機の前で考え込んでしまっていたアルシオンは、ふと背中に冷たい感覚を覚えた。
何事か頭では理解が届かなかったが、直後に彼の防衛本能は生命の危機を感じ取った。
だがアルシオンは無闇に動く事はしなかった。

アルシオン(殺意があるならば、既にオレは死んでいる筈・・・強盗の類か・・・・・・)

金銭・・・財布やカードを要求される事を想像し、アルシオンはゆっくりと両手を挙げた。

897 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:41:58 ID:???

金で済むならば良い、命に換えられる物ではないと考えた結果である。
・・・しかし直後に起こった出来事はアルシオンの想像を大きく逸脱していた。


バンッ!!!

人通りの見えない路地に1発の銃声が鳴り響いた。
周りに響き共鳴する事の無い、一瞬で弾ける火薬の鈍い爆発音。
アルシオンにとって初めて聞く銃声の筈だが、何故だか聞き覚えがあったような気がした。


898 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:43:22 ID:???

またまた分岐やカードの無いところで中断致します、すみません。
次回は明日以降になると思います。

899 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 20:03:05 ID:???
シリアスなアルシオンパート乙

900 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 20:04:23 ID:???

第三回キャプテン霧雨キャラクター人気投票
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レントゥルス「やっほう、みんな〜 春の人気投票祭も大詰めだね〜」
ダラピッコラ「オレ達にも結構な票数入れてくれてありがとさん、感謝してるぜ。」
カルバリョ「あー、でもオレの票がちぃと少ないんちゃう? もうちょっと頼むわぁ〜」
ダラピッコラ「…と、まあコメントが一つも無い悲惨なエセ関西弁は気にしないでくれよな。
        さて、オレ達の所じゃあ何故かポストとザルという無機物が人気だが、他のスレはどうだ?」
レントゥルス「うんっと…魔理沙のところは名無しさんと不憫さんがラブラブワンツーを決めようとしてるよ。
        それから滝さんは…地獄兄貴と主人公がデッドヒートかなぁ〜。
        それから可愛いデビルニャンコは三位で安定か〜、残念〜。」
ダラピッコラ「そういやお前ネコ好きだもんな。」
レントゥルス「まーねー、スレ主もネコ好きだしね。
        あとあと、モリブレムさんのとこは…おっぱい大きな可愛こちゃんが一位取りそうー!」
ダラピッコラ「本能丸出しは止めとけ、それに一位を取りそうなのは主役もだ。」
カルバリョ「…っつー訳で、人気投票祭は今夜11時59分までや!
       心残りないようジャンジャンバリバリ投票しときぃっ!?」

901 :森崎名無しさん:2011/05/07(土) 00:08:38 ID:???
100票到達できず残念ナリ

902 :森崎名無しさん:2011/05/07(土) 00:10:29 ID:???
人気投票始まる前はまさか主人公がポストに負けるなんて粉微塵も考えなかったなーw

903 :森崎名無しさん:2011/05/09(月) 05:31:41 ID:???
ここのフィオレンティーナと滝スレ生田が試合やればどうなるのやら
結構いい感じで接戦になるような気がする


904 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:29:30 ID:???
>>899
感謝でーす。本当はアルシオンの一人称パートは作品を通して入れる予定はありませんでしたー。
でもここばっかりは必要かナーと思ってアルシオンパーーート。

>>901
楽しんで頂き、そして盛り上げて下さり本当に感謝!
ポストさんは永遠のヒーローだ!

>>902
はっはっは、私もですww

>>903
vs生田高校ですかー、これは楽しそうな試合っす!
どうなりますかねー・・・少なくとも滝のサイドアタックにはケチョンケチョンにやられる気がしますよw
個人的には天道vs三杉の中盤争いが熱そうに思いますw

905 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:30:36 ID:???

<同時刻 ミラノ・マルペンサ国際空港>

アルシオンと行動を一時別にしたジョアン、彼はタクシーを走らせて最寄の国際空港まで来ていた。
空港にやって来た理由・・・それは彼自身がこれからフライトという訳ではない。
6時20分に着陸した、エミレーツ航空、エールフランスの共同便に乗ってきた人物を出迎えに来たのだ。

ジョアン(さて・・・と、何処に居るやら。 もう入国手続きも荷物回収も終えている頃だろうが・・・。
      金持ちは金持ちらしく、召使でもゾロゾロ引き連れていれば判り易いのだがな。)

そんな事を考えながらジョアンは周囲を見渡すと・・・
威容が背広を着て歩いているような人間が、こちらに近付いてくるのが見えた。
1年と数ヶ月前のフランス以来だが、相変わらずの野心に満ち満ちた顔、鋭い目つきである。

ナジーブ「久方ぶりだなジョアン、見ない間に呆け老人になっていはいまいな?」

ジョアン「ああ・・・相変わらず荒々しいほどの活力を撒き散らしているな、ナジーブよ。
      どうやら長旅の疲れはなさそうだ。」

2人はアラビアの作法に則り、互いをフランクにファーストネームで呼び合い、軽口を叩き合った。
この男はナジーブ・ユブンタイ、ジョアンにとってはパトロンに当たる人物である。
ジョアンとナジーブ・・・この2人にはそれぞれ為したいと思う目的があり、互いに手を組んでいた。
大まかな計画立案と実行はジョアンが、資金提供と政治的架橋はナジーブが行うという関係だ。


906 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:32:07 ID:???

ジョアン「しかし驚いたぞ、決勝戦を観る為にやってくるとはな。
      10日後の本命がそれほど待ちきれなかったか?」

ナジーブ「そんなところだ。」

今日から丁度10日後に実施を予定している、計画の1次総括・・・
明後日の試合もそれに大いに関わってくるとは言え、ナジーブは極めて多忙の身であった。
『そんなところだ』と簡単に済ませられる程、今回の来伊は軽くないと思われるが・・・

ジョアン(それを追求したところで素直に話す男でもないからな・・・。
      何を企んでるかは知らんが、儂の予定には影響させん。)

油断ならぬビジネスパートナーに対し、ジョアンは改めて警戒をセットし直した。
目的の為なら強引な手段を辞さない目の前の男は、心を許すには危うい。

ナジーブ「ところで聞きたい事が2つある。」

ジョアン「何事だ?」

ナジーブ「一つは私が口を利いた移籍の話だ、問題なく進んでいるか?」

ジョアン「ああ・・・まあゴーリ財団には既に選択の余地はないからな。
      選手も反発していたが、ここに来て何とか収まりを見せている。」


907 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:33:17 ID:???

ナジーブ「当て馬達は穴を埋められそうか?」

ジョアン「成長次第・・・というところだな。 珍しいな、貴様がそんな後の事を気にするとは。」

ナジーブ「まあな、伝統が朽ちてゆく姿はあまり見たくない。」

ジョアン「なるほど・・・」

『伝統を破壊したがっている人間がよく言う』とジョアンは内心思ったが、これを口に出すのは控えた。
ことサッカーに関しては、あまりに直線的で純粋・・・子供の駄々のような行動原理を持つ相手だ。
そういう人物だからこそ、ある程度は言葉を選ばなければならなかった。

ナジーブ「それからもう一つ・・・どちらかと言えばこっちが本題だ。
      アルシオンはどうした? 来ていないのか?」


ジョアン「あ奴は先にホテルへ帰っている。 我々の話に必要であるまい?」

ナジーブ「ふむ・・・迂闊だなジョアン、そういう事ではない。」

ジョアン「・・・言うと?」

ナジーブ「ユーゴの情勢が不安定になっているのを知らん訳ではあるまい?」

ジョアン「ああ・・・その事か。」


908 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:34:43 ID:???

数日前にクロアチアとスロベニアがユーゴからの独立を宣言した事件を言っていた。
セルビアは主体とするユーゴ政府は当初軍隊の出動を議決したが、その後の動きは無い。
独裁色の強い現大統領が何を考えているのか不明だが・・・問題はそこではなかった。

ジョアン「確かにアルシオンはここ数日ナーバスになっているようだ。
      記憶が失われているとは言え、奴の母国は彼の国だからな・・・」

ナジーブ「ふむ、ナーバスか・・・・・・まあ仕方のない事だ。
      まあ立ち話も程ほどにするとしよう、恥ずかしながら空腹でな。」

ジョアン「そうだな・・・では馴染みのリストランテに案内しよう。 カツレツは食べられるのか?」

ナジーブ「全く問題ない、ここは郷里(くに)ではないからな。 今日は羽根を伸ばさせて貰うぞ。」

先導するジョアンの話に相槌を打ちながら歩くナジーブ。
だが彼は会話とは全く関係のない事を考えていた。

ナジーブ(驚いたな・・・ジョアンともあろう者がアルシオンの事は何も知らぬか。
      老いか、それとも過信か・・・いずれにせよ、私にとって都合の良い誤算だ。)

彼は腹の中で満面の笑みを湛えていた。
自分の思い描く通りに事を進めるに当り、最後に邪魔となるのはジョアンその人だと彼は考えていた。
そのジョアンを思うように動かす術はないかと密かに頭を痛めていたのだが・・・
それが、考えていたよりも遥かに容易に行える可能性が見えたのだ。

ナジーブ(ふふ・・・老人は長い間見続けてきた夢に溺れているといい。
      そしてこれならばきっと奴が上手くやるだろう・・・クックッ。)


909 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:35:46 ID:???

<再び ミラノ市・ブレラ地区>

アルシオン(焦げ臭い・・・鉄の匂いだ。)

アルシオンは音と匂いに薄っすらと既視感を刺激されていたが、それが何なのか判らずにいた。
それよりも、銃声が響いたにも拘らず自分の身体の何処にも痛みがない事に安堵していた。
アルシオンはようやく、銃声とほぼ同時に大人の男の呻き声が彼の耳に入ってきた事を思い出す。

アルシオン(オレは撃たれず五体満足という事か・・・・・・・・・。)

『良かった・・・』と一応の現状把握に満足し、アルシオンは恐る恐る後方を振り返った。
そこには身なりの汚い暴漢が肩を押さえ、悲痛な表情で唸っている姿があった。
そして直後、複数の人間の気配にアルシオンは慌てて視線を上げる。

??「おうおう、その場で蹲(うずくま)るのかよ。 そこは猛然と走って逃げるとこだろ?
    こりゃあ何にも知らない素人の雇われもんかねぇ〜。」

見るからに屈強そうな男達の中で一人、自分と歳が同じくらいに思える肌の黒い少年がおり・・・
その少年が、おそらく今しがたアルシオンを撃とうとしていた暴漢を見て独り言のように呟いていた。
少年は暴漢からアルシオンへと視線を移し、片手をサッと上げた。
すると屈強な男達が少年の合図に従うかのように、暴漢を取り押さえて連れて行った。
アルシオンにとってはTVの中の事のように現実感のない風景だった。


910 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:37:03 ID:???

アルシオン「・・・・・・」

??「どこにも傷はないか?」

アルシオン「・・・!」

絶句していた所で突然に言葉をかけられ、アルシオンは珍しく慌てた。
だが恐らく目の前の少年は命の恩人と言って良いだろう。
慌てていても最低限の礼くらいはしなければならない。

アルシオン「お陰様で何処にも怪我はありません。 助かった・・・感謝している。」

一言目は一応考えたような文句を言う事が出来たが、二言目は完全に独り言のようになってしまった。
言い直すべきかと一瞬だけ検討したが、すぐに取りやめた。
それよりも先に相手の方が言葉を紡いできたからだ。
そしてその言葉に、アルシオンは警戒と緊張の糸を一瞬で張り巡らせる事となった。

??「無事なら結構だ・・・お前に怪我をされてはたまらないからな、“アルシオン”。」

アルシオン「!!!」

アルシオンは表舞台に立った事がなかった。
常に暗い夜道を歩いて来た人間だ。
特別な知り合いでもない人物が、そんな自分の名を知っている筈が無いのだ。


911 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:38:07 ID:???

それでもアルシオンは思い当たる節を何通りも必死で考えたが・・・
結局解答は目の前の少年には突き当たらなかった。

アルシオン「お前は誰だ? 何故オレを助けた?」

仕方なく、アルシオンは相手へストレートに問いかけた。
考えて判らない事をいつまでも考えているのは無駄だと観念したからだ。

問われた方の少年は一瞬キョトンとし、直後に笑い出した。

??「ハハハッ、そうかお前はオレを知らなかったな。 なるほど、その強張った表情も頷ける。
    そりゃあお前のような生い立ちの人間が、いきなり自分の名を呼ばれれば警戒もする。」

ヒーッ、ヒーッ、と一頻り笑い終えると改めて少年はアルシオンと向き合った。

??「オレはユブンタイだ、ナムリス・ユブンタイ・・・」

アルシオン「ユブンタイ! あの男か・・・・・・!」

あまり良い印象を持っていない・・・どちらかと言うと嫌っている人間の名が飛び出し、
アルシオンは安堵すると共に若干顔を顰(しか)めてしまう。

ナムリス「そう、今思い浮かべた奴・・・お前の爺さんのパートナーの息子がオレだ。 そして・・・」

『お前のチームメイトだ』とナムリスと名乗る少年は言葉を続け、手を差し出してきた。
アルシオンはこれまでの人生の中、少なくとも覚えている限りこんな奴は居なかったと思った。
先程の笑いとは違い・・・これほど邪悪で不敵に笑う人間を、彼は今まで見た事がなかった・・・実際に。


912 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:43:53 ID:???

本日はここまででーす。
次回は明日か明後日でしょうか…。

取り敢えずそろそろトンデモ展開にレディーゴーです。

913 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:18:27 ID:???

ユブンタイの名は彼にとって好意を抱くような物ではない。
ジョアンと遣り取りをするナジーブ・ユブンタイの姿から、その人となりはある程度理解していたからだ。
目的遂行の為には手段を選ばない、金も人も等しく自分の道具であると固く思い込んだ人間であり・・・
アルシオン自身も彼にそのような目で見下ろされている事には気付いている。

その息子であるナムリス・ユブンタイも父と同様に尊敬できない人間性と直感するが・・・
しかしこの場面においてナムリスはアルシオンにとって命の恩人という事になる。
それゆえアルシオンは目の前に差し出された手を一応握り返した。
だが同時に零れた問いはおよそ恩人に対しては出る事のない、懐疑的な物であった。

アルシオン「何故オレを助けた? ・・・いや、何故都合よくオレを助けられたと聞くべきか?」

だが同時に零れた問いはおよそ恩人に対しては出る事のない、懐疑的な物であった。
偶然の出来事としては考えられないようなシーンにアルシオンは置かれている。
それが全て目の前の少年が・・・いや、彼の父が演出した物ではないのかとアルシオンは考えたのだ。
しかしこの問いに対し、相手は表情を何ら崩す事なく平然と返してきた。


914 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:20:03 ID:???

ナムリス「ふふん、なかなか挑戦的な問いをするんだな、アルシオン。
      けれど・・・お前は“何故自分が命を狙われたのか”とは考えないのか?」

アルシオン「なに・・・?」

意外な返答であった。
“自分が命を狙われる”という現象をアルシオンは予想していなかった。

ナムリス「おかしいじゃないか。 お前は子供の頃から夜を歩いて来た。
      それは歩かなければいけない理由があったからじゃないのか?」

アルシオン「・・・・・・!」

その言葉はアルシオンにとって返答に窮する物であった。
それはジョアンとの長い旅における基本的な決まり事であった。
何故かと聞いてもジョアンは『昼に歩けるようになったら教える』と優しく言うだけ・・・
ゆえに、アルシオンはこの旅路のスタート地点・・・さらにその前については思考を停めていた。

ジョアンに対する信頼と愛情がそうさせて来たわけだが・・・
こうしてジョアンと自分以外の人間が口にする事で、アルシオンは揺らされてしまった。
そして同時に・・・神聖な領域に土足で踏み込まれたような怒りも覚えた。


915 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:22:35 ID:???

ナムリス「ふふ、まあそれは良い。 それよりもオレからお前に聞いてみたい事がある。
      この問いの先に先程の答えもある・・・だから耳を傾けておけ。」

アルシオン(グッ・・・コイツ・・・・・・!)

どうでもいい事の様に話題を変えようとするナムリスの言葉に、アルシオンはいよいよ不快になってきた。
それでもこちらが気に留めるように付け加えられた言葉は、実に効果的にアルシオンの関心を誘う。
アルシオンはその不快感にも拘らず、ナムリスの言葉から耳を背ける事が出来なくなっていた。

アルシオン(クソッ・・・!)

こうなればと腹を据え、何が飛び出してくるのかと身構えたが・・・
ナムリスが口にした問いというのは、アルシオンにとって全く意味の解らない物だった。
その問いとは・・・



ナムリス「“ゲンソーキョー”という単語に覚えはあるか?」




916 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:23:36 ID:???

そう言った後、ナムリスは付け加えるように続ける。

ナムリス「ファンタジーホームでもネバーランドでも良い、そういった類の言葉だ。」

アルシオン「・・・知らんな、聞いた事もない。
       いや、ネバーランドは映画か何かで耳にしたかも知れない。」

ナムリス「そうか・・・。」

やや落胆した様子のナムリスに、アルシオンは少なからず不思議に思った。
これまで全て意味有り気にアルシオンの興味を(怒り、嫌悪を買いながらも)誘っていたナムリス・・・
その彼が聞いてみたいと宣言し、わざわざ関心を買うように口添えてまで放った問い。
それが意味不明の単語を知っているか否か・・・なのである。
しかも知らないと答えたその反応には実感が伴なっているように思えた。

ナムリス「まあいい・・さ・・・・・。当然と考えていた事が肯定されただけだ。」

アルシオン「なんだ・・・? その・・・ゲンソーキョーとは・・・」

目の前で見せられた反応のせいで思わずアルシオンはそう口にし・・・そして後悔した。
返ってきたナムリスの答えが輪をかけてバカバカしい物だったからだ。


917 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:24:51 ID:???

ナムリス「・・・解明出来ないようなオーバーテクノロジーやオーパーツが存在する場所だ・・・多分な。」

アルシオン「・・・・・・何を言っているんだお前は?」

思わず溜め息を吐いてしまった。
失笑すら出ない・・・不快な思いを我慢して相手をしていた自分こそが馬鹿に思えた。
力も抜け、ホテルに戻っていい加減休みたいという気持ちが生まれてくる。
・・・同時に、この瞬間まで忘れていた数日前からの不安感も再発した。

アルシオン「じゃあな・・・病院は早く行った方がいいぞ。」

ちょっとだけ皮肉を言い捨てて、アルシオンはナムリスに背を向けた。

ナムリス「待てよ・・・。」

アルシオン「悪いがお前の妄想に付き合えるほど元気じゃない。」

ナムリス「数年前、ユブンタイの施設で体力テストをした事は覚えているな?」

アルシオン「・・・・・・」

そのテストについては確かにアルシオンも記憶していた。
確かユブンタイがジョアンに対して破格の出資をする対価の一つとして要求した、データ採取の為の試験だった。


918 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:26:30 ID:???

スポーツ医学、スポーツ科学の一人者と呼ばれる大人達がが何人も見守る中・・・
時に原始的、時に理解不能な装置を用いて言われるままにアルシオンは自らの体力を披露した。
そして一部ではあるがサッカーボールを用いた試験も行われた記憶がある。

アルシオン「それについては覚えがある・・・。
       確か対年齢で世界屈指の身体能力、サッカー技術があると言われたな。」

カール・ハインツ・シュナイダーやファン・ディアスと言った、当時から既に名を上げ始めていた
未来のスターと思しき選手達と比較しても、少なくとも同等以上の実力と断言された結果に、
ジョアンが甚(いた)喜びを示していたのが強く印象に残っている。

アルシオン「それで・・・?」

ナムリス「そのテストの結果において、1点だけ不可解な項目があった・・・。
      どの分野の専門家も匙を投げたほど、文字通り手に余る結果だよ。」

アルシオン「はぁっ・・・?」

ナムリス「オーバヘッドキックだ・・・お前が放つオーバーヘッドキックは人智に余る代物の筈だ。」

アルシオン「・・・・・・!」


919 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:27:33 ID:???

アルシオンは内心ハッとした。
ナムリスが口にしたオーバーヘッドの事はアルシオンにも心当たりがある。
いつからそれが出来るようになったのか分からない・・・
それを実行する時、いつも頭に浮かぶ不思議な言葉・・・
以降、アルシオンはナムリスの言葉を一笑に臥す事が出来なくなった。

ナムリス「ある一定の条件で放たれたお前のオーバーヘッドは、物理学的にも生物科学的にも説明がつかない。
      マグレか何らかの外乱に依って齎(もたら)された結果だと奴等は結論付け、データは秘匿された。」

アルシオン「・・・それで貴様は何が言いたい?」

ナムリス「この世には、何億人か・・・何十億人かに一人、そう言った原理とは外れた人間が存在している。
      何処からか漏れ出したゲンソーキョーのオーバーテクノロジーを手に入れた人間か・・・
      さもなくば、ゲンソーキョーに身を置いた経験のある人間か・・・」

アルシオン「ふう・・・まさかオレがそれに該当するとでも言いたいのか・・・?
       変なドラッグでもやっているんだろ? 本気で病院に行く事を勧めるぜ・・・」

ナムリス「お前はある時期を境にして記憶が無い。
      お前のサッカー技術のほとんどはジョアンコーチに叩き込まれた賜物だろうが・・・
      その才をコーチに見出させる程度には磨かれていなければならなかった筈だ!
      当時生き死人となっていたジョアンコーチに希望を与える程度にな!
      その秘密がきっとお前が失った記憶の中にあるんだ!」


920 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:28:37 ID:???

アルシオン「バカバカしい! 夢物語を語るのもいい加減にしてくれ!
       なんだ貴様は!? 突然計ったかのように現れて、言いたい放題好き勝手に!!」

ナムリス「協力しろアルシオン! オレと一緒に来い! そうすればお前の知りたい事も全て教えてやる!」

アルシオン「黙れ! 貴様はもう喋るな!!」

耳を被う行為の変わりにアルシオンは怒鳴り叫んだ。
行為を実行すれば弱みを見せる事になる、それでは抗えなくなる。
しかしナムリスはアルシオンの叫びに耳を貸さなかった。

ナムリス「オレはお前よりも、ジョアンよりもお前の事を知っている!
      お前が何故命を狙われ、何故夜を生きなければならなくなったかも!
      お前が数日間煩い続けている悩みの原因も! お前が誰を憎むべきなのかもな!!
      その全てを教えてやる! もう一度言う、一緒に来いアルシオン!」

アルシオン「誰が!! 誰が・・・・・・そんな事・・・・・・!」


921 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:29:45 ID:???

反発の言葉にすら窮するようになっていた。
数日前からの自身の変化を、ジョアンですら理解しえなかった心の疾患を話に出されたからだ。
ゲンソーキョーの下りは抜きにしても、ナムリスは何もかもを知っているとアルシオンは確信する。
長年思考を停止する事で抑えていた、知りたいという原初の欲求がアルシオンを黙らせる。
そして長い沈黙の後・・・アルシオンは再び口を開いていた。

アルシオン「憎むべき・・・とは何だ・・・・・・
       この悲しみや怒りのような気分に・・・理由があるというのか・・・・・・」

それはナムリスに問うというより、独り言を呟くように吐かれた言葉だった。
勿論ナムリスがこれを聞き逃す事はなかった。
俯くアルシオンを見下ろすように、ナムリスはニタリと笑みを浮かべていた。


922 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:30:47 ID:???

<フィオレンティーナ寄宿ホテル>

ホテルに戻った三杉達はそれぞれの部屋に戻っていた。
シャワーを浴びる程度のささやかな自由時間の後、夕食とミーティンが待っている。
三杉も自室に戻るや否やシャワーに飛び込み、今日の試合の垢を落としたのだった。

三杉「ふぅ・・・サッパリした。」

この夏の熱気である。
たとえ試合が無かったとしても、今日は体中が汗まみれとなっていた事だろう。
タオルで濡れた髪を拭いながら、三杉はようやく人心地が着いていた。


prrrrrrr・・・

そんな時である、部屋に置かれた固定電話が突然鳴り響いた。
仲間の誰かの呼び出しかと思い、三杉は受話器を取るが・・・
その先で喋る相手は三杉にとって完全に予想外の人物であった。

??「よう、決勝進出おめでとう。」

三杉「むっ、その低くてダンディ☆ズムに溢れた大塚明夫ボイス・・・・・・貴方はまさか・・・」


923 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:32:32 ID:???

A BJ先生!?
B キングスカッシャー!?
C ドーリアン外務次官・・・!
D ガトーーーー!!!
E ティ、ティーチじゃねえか・・・・・・!

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


924 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:33:10 ID:???

本日はここまでとなります、投票をお願い致しますね。
それではまた次回ー。

925 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:43:38 ID:2VJ/M6Yg


926 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:44:21 ID:a8uvVIfg


927 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:46:16 ID:Tdv4yn4s


928 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 15:34:41 ID:???

>A BJ先生!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

間違いなく聞き覚えのある声だった。
TVアニメで耳にしたとか、そういう事ではない。
実際に接した事のある人物の声だと三杉は記憶していた。
その人物の名を三杉は口にし、確認を取る。

三杉「貴方はまさか・・・BJ先生!?」

日本に居た頃、心臓病治療の手術を施してくれた無免許医の名であった。
三杉にとっては術後のリハビリにおいてアドバイスを貰った時以来である。

BJ「ご名答だ、よく声だけで判ったものだな・・・。」

三杉「ええ・・・先生はとても記憶に残る声をしていましたしね。
    それよりも、よく連絡先が判りましたね・・・突然で驚きましたよ。」

BJ「ふふっ、忘れたのか? 君が今イタリアに居るのはそもそも私の手術があっての事だ。
    人脈を辿って行けば、大会中の寄宿ホテルに当たるのはそう難しい作業じゃあない。」

三杉「なるほど・・・言われてみれば、その通りでしょうね。」


929 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 15:35:59 ID:???

尤もらしいBJの説明に三杉は合点がいった。
BJが要求した暴力的なまでのギャランティーが払えぬ三杉は、
その代価としてジョアンの元でサッカーを学ぶ、フィオレンティーナの一員となったのだから。
疑問の一つは解決したが、もう一つ三杉は首を傾げなければならなかった。 それは・・・

三杉「それで先生、何かあったんですか? こんな風に突然連絡してくるなんて。」

全く音沙汰の無かった相手、しかも親交があるわけでもない相手からの突然の連絡である。
BJの事をよく知るわけではないが、気紛れや冗談ではなく何かしら用事があるのだろう。
しかもそれは、自分でなければ対応出来ないような類の物である筈・・・
・・・にも関わらず、三杉には全く心当たりがなかった。

三杉(まさか今更心臓の事とかお金の話をしたりしないだろうな・・・
    であればデートの誘いとか・・・いや、まさか・・・・・・)

ここ数日のスレ雰囲気のせいかネガティブな想像が先行する。
もし心が読める人間が居たとしたら、一瞬で12通りの悪い知らせを仮定した三杉の想像力に感嘆しただろう。
そんなこんなで、三杉は不安に首をもたげながらBJの返事を待った。


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