キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
【楽な戦い】Another-C_4【なんて無い】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/04(月) 19:14:38 ID:VciPDMqw


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。





…恋愛は二の次に皆サッカーに命を削って頑張ります。(何かに誓う)







871 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:58:52 ID:???
この判定でピンポイントでゴールを決められちゃうのかw
レッチェ……無念……。

872 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 18:59:16 ID:???
こりゃ……もう逆転の目はなさそうだな

ブルノが超覚醒してドリブル王にでもならん限りは

873 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/02(月) 19:01:26 ID:???
これにて終戦確定・・・! と言ったところで本日は終了です。
散発的な更新が暫く続くかと思いますが、どうぞ御勘弁をー。

見事に低確率シュートを決めたタルデリはシュート力が少し上がります。
ディッテンベルガのブローーックを越えたシューターなので。


874 :アナカン:2011/05/02(月) 19:19:19 ID:???

第三回キャプテン霧雨キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2n/bbs.cgi

第二回ラインライダー滝キャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2o/bbs.cgi

第二回ファイアーモリブレムキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2q/bbs.cgi

アナザーカンピオーネキャラクター人気投票
http://capmori.net/vote/vote2p/bbs.cgi



ルーベン「さてと…人気投票祭も大詰めだな。 まさかオレにこんな票が入るとは思ってなかったぜ。」
フィッツウォルタ「それについて解析してみた……ふむ、体育座り票だな、」
ルーベン「待てぇい! なんだその体育座り票ってのはよ!?  ふざけんのも大概にしろよ!?」
フィッツウォルタ「まあ正確には同情票とpgr票だが…ボクなりに表現してみた。 お気に召さないかい?」
ルーベン「ったりめーだ! この引き弱ヘタレ策士!」
フィッツウォルタ「ムカッ)IND…!」※訳:乾汁飲んで死ね


ミハエル「OMG…皆さん、醜い争いを見せてスミマセン、2人に代わって謝ります。
      そんなボクが応援するキャラは霧雨スレのカナちゃん、モリブレムスレのヤマザルくん…
       それから滝スレのフジー・マッケンジーです。
       特にマッケンジーはイイですね、そのネーミングは10点です。」

875 :森崎名無しさん:2011/05/02(月) 22:46:47 ID:???
乙でした!

876 :森崎名無しさん:2011/05/03(火) 11:51:32 ID:???
レッチェは大事なところで働けるのがたったの2人しかいないのが痛かったわ…

877 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:06:17 ID:???

>>875
乙感謝ですだ

>>876
ずばりそこですね。
選手層の差、戦術の替えの利かなさなど…チームとしてレッチェは負けました。
戦術は高度でも、相性が悪い相手に他の戦い方が出来ないのは流石に厳しい。
=========================================

> ディッテンベルガ(達)vs地上シュート→ クラブ4
> 《クラブ5以下》 ゴールを決められました
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

実況「さあバイタルエリアでパスを受け取ったタルデリくん、ここは絶好のシュートチャンス!」

コンティのパスはサイドを抉りきる前に出されたパスだった。
レッチェの最終ラインがゴール前まで下がっているので、これは易々と通るが...
ディッテンベルガはこのパス種から、自身の考えた最悪の想定よりもマシだと判断する。

ディッテンベルガ(高度から撃ち下ろす類のシュートではない...と。
          ...ならばまだ望みはある、ここを守り切って再度!)

彼ほどのDFならばそう思って当然であった。
そう期待して良かった…何しろシュートを撃つのは得点ランキングに入っていないFWだ。
ここまでの動きから、多少競り合いが強くテクニックのある選手なのは判っていた。

878 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:08:40 ID:???

ディッテンベルが(…つまりはシニョーリをより活かす為のFW…!
          幾らフリーで抜け出した言えど、そんなFWのシュートを通させるか!)

トルシア(…と、ディッテンベルガは思っている。 彼だけじゃない、観客だってそうだ。
      タルデリは主力が抜けたイタリアのFW、所詮は3番手以下の元MFだ…とね。
      ふふ…今こそ見せ付けてやれタルデリ、実直なお前が磨いて来たその実直なシュートを!)

そう…ディッテンベルガの想定は大きく外れていた。
それは観客の想定でもあり、また三杉の期待も同じであった。

三杉(この場面でディッテンベルガを抜いてゴールを奪われる場合…
    それはレッチェだけでなく“僕達にとっても最悪”な事態を意味している。)

このシーンは三杉が最も知りたかった事が判明する場面だったのだ。
つまりはタルデリがストライカーとして力を持っているか否か…
シニョーリ以外に決定的な得点力をパルマが有しているかという点である。

タルデリ「さあ行くぜ、ショットガンシュートだぁっ!!」

バキュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!


ゴールの右上隅…守備陣が最も反応し辛いコースを狙ったシュートが撃ち放たれた。
ディッテンベルガはこのシュートに対して確かな反応を見せる。
しかしそれは彼の想定よりも確実に鋭く、十分な体勢でのブロックとはいかなかった。

879 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:10:47 ID:???

ディッテンベルガ(嫌なコースを狙ってくるが…その程度のスピードの直球は通さn…)

バキィィィィィっ!!!

捉えた…と確信したディッテンベルガは天地がわからない状態に陥っていた。
まるでダンプカーに跳ねられたかのような衝撃と共に宙を舞ったのだ。

三杉(見たぞ…!)

重量感を宿したボールはそのままゴールに吸い込まれ…
そしてネットをも突き破って、パルマの3点目を告げた。


レッチェ  1−3  パルマ
=========================================

前半3分  シニョーリ ドリブル→シュート (通算15得点)
前半27分 フェラーリ ドリブル→シュート (通算2得点)
後半8分  イスラス  こぼれ球→シュート (通算5得点)
後半34分 タルデリ  コンティ→パス→ショットガンシュート (通算1得点)※アシスト:コンティ

880 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:13:45 ID:???

実況「決まったあぁぁぁぁ! 3点目、試合を決定づける追加点がパルマに入りました!
    決めたのはなんとタルデリくん、大会初得点ですが…これは驚きのキック力です!」

観客「な、なぁ…今のタルデリが撃ったのか?」「ああ、まさかとは思ったけど…」「す、すげぇじゃん!」
  「イタリアユース、いけてるかも!?」「ランピオンしか得点力ないって思ってたけど、こりゃあ…」


ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

一拍置いてから、スタジアムを吹き飛ばすような歓声が舞い荒れた。
ブラジル人のシニョーリが凄いシュートを見せたのとは全く違う意味を持った歓声だった。
さっきまでは誰もがイタリアユースはランピオンの1トップとカテナチオという形を想像していた。
ある理由で不足しがちになってしまった得点力を堅守でカバーする、イタリアの姿とともに。
だが今日ここに新しい風、得点力が期待できるFW、タルデリが現れたのだ。

タルデリ「やった! やったぞ! オレは決めたぞおぉぉぉっ!!」

タルデリは喜びを爆発させながらサポーターにアピールするために駆けていた。
そんな男の姿をフィオレンティーナの面々は押し黙りながら見つめていた。

881 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:16:55 ID:???

バンビーノ「…まさかディッテンベルガの壁を抜く程のシュートを撃つとはな…」

三杉「守備陣にとって嫌なゴールの隅を確(しっか)りと狙って撃っていたね…
    スピードは然程ではないが、球の質は重そうだ…コントロールがまぐれでないとすれば…」

かなりの威力を持ったシュートであると断言できるだろう。
三杉は続く言葉を言わず、バンビーノの返答に期待した。

バンビーノ「…まぐれじゃないだろう、タルデリは実直な男だ。
       急造でボランチからFWに遷されても、文句一つ言わずにやり遂げた程だからな。
       キック力はともかく、シュートコントロールにまぐれなのは奴に限って、ない。」

三杉「…なるほど、実直ね。」


トルシア(そう、実直なお前らしいシュートだったぞタルデリ。 まさに鳥撃ち銃の名を冠するに相応しい。
      最初は欠点だらけだったお前のシュートは、まさに散弾銃の進化の歴史と同じに成長した。
      単純な発想から試行錯誤と実直な努力を積み重ね、今それは大きな武器として完成した。)

パルマのもう一つの得点力に激しい警戒の目を送るフィオレンティーナの選手が居て…
自分が育ててきた選手の開花を喜び誇るパルマの監督も居た。 そして…
絶望的な状況を突きつけられて項垂れるレッチェの選手達もそこに居た。

882 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 00:18:55 ID:???
半端で選択もカードも無かったですが一旦ここまでです。
続きは明日以降に。
ではでは。

883 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 00:30:07 ID:???
実直に乙!

884 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 13:00:26 ID:???
>>883 乙いつもありがとうございます!
=========================================

イスラス「顔を下げるな・・・」

マンチーニ「イスラス・・・」
モゼ「イスラス・・・」
チェーザレ「・・・」

既に地に膝を着き、頭(こうべ)を垂らす仲間にイスラスは声をかけた。
しかし彼に向けられた仲間の表情から戦意は見受けられなかった。
この戦況で残り時間は10分・・・逆転は勿論、同点にする事もほぼ不可能に近いからか。
しかしイスラスはそんな彼等に尚も強く鼓舞を続ける。

イスラス「黙れ・・・・・・まだ、まだ最後の笛は鳴っていないぞ!」

ジャシント「・・・」
マンチーニ「・・・」

ディッテンベルガ「ゴホ・・・その通りだ、まだオレ達は負けていない。
          どれほど絶望的な状況であろうと勝負を捨ててはいけないんだ。」

カルネバーレ「けどよ、もう・・・」

ディッテンベルガ「諦めなければ・・・勝てる確率はゼロじゃない! いつだってそうだ!」

イスラス「そして苦しい生活の中、南から応援に来てくれたサポーターに恥を掻かせるな!」


885 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 13:02:50 ID:???

ドイツ人とオランダ人、それぞれのメンタルから吐き出された生の言葉。
誰が見ても勝ち目なんて99%残っていない状況、彼等はそれでも仲間に闘う事を求めていた。
それはこの試合においては悲しく惨めな足掻きにしかならないかも知れない・・・。
だが2人にとって、そんな事は些細な事だった。
最後の笛を聞くまで勝つために足掻くのは、二人にとっては息をするように当たり前だからだ。

その後・・・レッチェの選手達が2人の言葉に応えられたかと言うと・・・


先着で
 ★最後の判定→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、JOKER》 レッチェが意地で1点を返した
《ハート、スペード》 なんとか立ち直り、最後まで堂々と闘った
《クラブ》 レッチェの戦意は崩壊したまま・・・シニョーリがダメ押しで4点目


886 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:03:19 ID:???
 ★最後の判定→ ダイヤ4

887 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:04:17 ID:???
 ★最後の判定→ ハートA

888 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 13:13:53 ID:???
最後にブルノ以外がんばったか

889 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 18:41:56 ID:???
ポストさんもがんばったんだよ

890 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:31:52 ID:???
>>888-889 ブルノとポストさんは別の場所(投票所)で頑張っていますよ!
=========================================

> 《ダイヤ》 レッチェが意地で1点を返した
> 最後の判定→ ダイヤ4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ビッッピッッピィィィィィィィィィッッ!!!


審判が3度続けて笛を鳴らし、試合終了の刻を告げた。
その甲高い音色を聞きながらイスラスは目を閉じた。

イスラス(負けた・・・か・・・・・・。 だが悔いはない、オレ達は最後まで抗った・・・・・・
      そうだろう、ディッテンベルガよ。)

ディッテンベルガ(ああ・・・そうだなイスラス。 オレ達は全力を出して、そして負けた。
          オレ達はこの敗北を糧に進もう、次のステージで勝つために・・・。)

実況「試合終ーー了! パルマがレッチェを下して決勝進出を決めました!!
    決勝のカードは古豪フィオレンティーナと新進気鋭のパルマです!
    残念ながら南イタリアの雄、レッチェは準決勝で敗れましたが・・・
    しかし試合終了間際まで喰らいつく戦い振りは、人々の心に残るものでした・・・!
    まだまだ経済格差や選手層で劣りますが、レッチェの躍進はきっと南に勇気を与えるでしょう!」


891 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:33:03 ID:???

ワアアアアアアアアアアア
     パチパチパチパチパチ

観客「ようやったぞレッチェ!!」「ベスト4なんて夢みたいだぜ!!」「トップに上がって来いよ!!」
  「決勝も勝てよパルマー!」「いやあ今夜の酒は美味いな、こりゃあ。」

実況が興奮気味にパルマの勝利を告げた後、レッチェの敢闘を評したように・・・
観客もトップチームが強豪の仲間入りをして間もないパルマの決勝進出を喜び、
そして最後まで試合を捨てる事なく戦い抜いたレッチェを温かく賛美したのだった。

シューマッハ「2失点か・・・フン、折角の勝ちに埃がついちまったな。」

クスタ「勝負とはこういう物です、何が起こるか判らない・・・だから全て最善を尽くす。
     最後の1点も、怖れず果敢に止めに行ったのだと考えれば悪くありません。
     怖れ、足を出すのを躊躇しての失点よりはずっと・・・ねえ、ファビオ?」

カステッリーニ「うぐぐ・・・すみませんでした・・・・・・。」

シューマッハ「いいさファビオ、クスタの言う通りお前の思い切りの良さは悪くない。
        だから決勝でこれを引き摺るなよ、頼むぜ。」

カステッリーニ「は、はいぃっ!!(あーもーマジ怖ぇよ・・・下手なマフィアよりヤバイってこの圧力・・・)」


892 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:34:23 ID:???

三杉「レッチェが負けたか・・・」

中山「ああ・・・負けたけど、でもあいつら最後まで諦めなかったよな。」

三杉「そうだね、最後の1点は間違いなくレッチェの気迫がパルマを圧倒した結果だよ。
    全員が何がなんでもゴールに押し込もうっていう攻撃的な姿勢が、DFを焦らせたんだ。」

中山「流石にクスタもシューマッハもPKじゃあ遣り様がないって事か・・・」

三杉「うん。(結局パルマの最終ラインに弱点は何も見つけられなかったか・・・。
    まあ、CBとGKの圧倒的な個に依る強さだからね、目に見える弱点など期待出来なくて当然か。)」

試合を観戦していた三杉達は次戦を見据えて兜の緒を締め直していた。
予選で激戦を繰り広げ、戦友のような感覚が芽生えていたレッチェの敗退を惜しむ彼等だったが・・・
まだフィオレンティーナの大会は終わっていない、明後日にはあの強敵パルマを倒さなければならないのだ。

三杉「さあ皆、ホテルに戻ってミーティングだ。」

フィオ選手「「「おう!」」」

三杉達は席を立ち、次の戦いに向けて歩みを進めたのだった。
そしてレッチェの健闘を讃える意外な人物は他にも居た・・・・・・ジョアンである。


893 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:36:34 ID:???

ジョアン(・・・見事だったぞイスラス、ディッテンベルガ。
      負けるべくしてレッチェは負けた・・・だがお前達もレッチェも恥じる所は何処にも無い。
      よくぞ最後まで心を折らずに戦い抜いた、その精神があればレッチェはまた強くなる。)

口にこそ出しはしなかったが、ジョアンは小さく拍手を送り、口許には満足気な笑みが零れていた。
だが彼の隣に座る少年・・・アルシオンは冷めた目でグラウンドの敗者の顔を観ていた。
そしてジョアンに向けてこのように口にしたのだった。

アルシオン「3−2か・・・スコアこそ競っているように見えますが、ワンサイドゲームでしたね。」

ジョアン「むっ・・・・・・アルシオン・・・?」

アルシオン「パルマはまだ他に出来る事があった・・・だが決勝を見据えて全てを出し切らずに終えた。
       対してレッチェは全てを出し切り、その得点はPKと偶然性の高いゴール・・・
       結局、ポゼッションサッカーと言ってもこの程度という事ですね。
       中盤を制しても個の力が足りなければゴールは奪えず、最後には逆に奪われる・・・」

ジョアン「・・・・・・そうだな、個の力が足りている事はある意味前提だ。
      個の力が足りなければ工夫するしかないが、まずそこを満足させるのがプロの選手だ。
      だが個の力が満たされた時、そこで初めて戦術が輝く。
      チームの強さは個の力と戦術の融合だ、レッチェはイスラスとディッテンベルガ以外の
      選手の差・・・特に最終ラインの大きな差で負けたと言うべきだな。」

アルシオン「・・・・・・」

ジョアン「どうした、アルシオン?」

アルシオン「・・・・・・・・・いいえ、なにも・・・」


894 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:37:42 ID:???

ジョアン「そうか・・・ではそろそろ行こうか。」

アルシオン「はい・・・。 この後の予定は変わらず・・・?」

ジョアン「ああ、これから会ってくる。 先にホテルへ戻っていると良い。
      遅くなるだろうから、夕食も好きに済ませてしまって構わん。」

アルシオン「了解、では先に休ませて頂きます。」

2人は席を立ち、スタンドから姿を後にした。
別れ際、ジョアンは今しがた別れたばかりの少年がこちらに振り返り、
自分の背中に何事か目で語りかけていた事には気付かなかった。
それよりもジョアンはこれから会う相手との事に頭を痛めていた。

ジョアン(・・・あ奴もアルシオンに会いたがっていたが、付き合う事もあるまい。
      商戦は下らぬ面倒事・・・私ひとりで十分だ。)

ジョアンは足早にスタジアムを抜け、タクシーを拾い・・・そして運転手に告げたのだった。
ミラノ・マルペンサ国際空港に向かってくれ、と・・・。


895 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:38:49 ID:???

<PM6:30 ミラノ市・ブレラ地区>

ジョアンと別れたアルシオンは、人気の少ない通りを一人で歩いていた。
地下鉄で一駅とやや辺鄙な場所に在るホテルへの帰路だ、タクシーを拾っても良かった。
しかしアルシオンは気分が乗らず、時間をかけて歩きたかった。

今日は少し天候が優れない。
いつもならばまだ太陽が出ている時間帯だが、今日は雲がかかり普段よりも暗がりが早く訪れた。
暗がり・・・夜道・・・真っ暗闇・・・少なからず治安の悪い部分もあるイタリアでは、
人通りの少ない道を暗くなってから歩こうとする人間は少ない。
自然、アルシオンの行く道にも人の姿はほとんど見えなかった。
進む道の端っこ・・・ドリンクの自動販売機がちょこんと置かれているのにアルシオンは気付いた。
それと同時に、彼は自分の喉がカラカラに乾いている事を思い出した。

アルシオン(・・・水でも買っておくか・・・・・・。)

帰るための歩みを止め、ノロノロと思い動作で自動販売機へと向かう。
ガスの入ったミネラルウォーターとコーク、それからオレンジジュース以外は売り切れていた。

アルシオン(炭酸の入った水しかないのか・・・好きではないが、無いよりはマシか。)

何でもないような下らない事をわざわざ考えながら、アルシオンは買う物を選んだ。
余計な事を考えていなければ、出所のよく判らない苛々が襲ってくるからである。


896 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:40:05 ID:???

アルシオン(あれ以来か・・・。)

5日前、女性と食事をしている時に聞こえてきたラジオ・・・アナウンサーが告げた言葉。
これを耳にした瞬間、アルシオンは異様な不安と悲しみと・・・そして怒りに襲われた。
思わず店を飛び出した彼だが、その後も気分が落ち着くことはほとんどなかった。
それなのに、何故自分がこのような状態に陥ったのか、アルシオン自身は何も分からなかった。

ホテルに戻ってからずっとラジオを聞いた。
毎日時間が許せるだけ夜が更けた後もずっと聞き続けた。
しかし原因はわからなかった。
感情を揺さぶったニュース、それが一体何だったのかを知る事が出来ずにいた。


ヒヤリ・・・

アルシオン(・・・?)

自販機の前で考え込んでしまっていたアルシオンは、ふと背中に冷たい感覚を覚えた。
何事か頭では理解が届かなかったが、直後に彼の防衛本能は生命の危機を感じ取った。
だがアルシオンは無闇に動く事はしなかった。

アルシオン(殺意があるならば、既にオレは死んでいる筈・・・強盗の類か・・・・・・)

金銭・・・財布やカードを要求される事を想像し、アルシオンはゆっくりと両手を挙げた。

897 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:41:58 ID:???

金で済むならば良い、命に換えられる物ではないと考えた結果である。
・・・しかし直後に起こった出来事はアルシオンの想像を大きく逸脱していた。


バンッ!!!

人通りの見えない路地に1発の銃声が鳴り響いた。
周りに響き共鳴する事の無い、一瞬で弾ける火薬の鈍い爆発音。
アルシオンにとって初めて聞く銃声の筈だが、何故だか聞き覚えがあったような気がした。


898 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 19:43:22 ID:???

またまた分岐やカードの無いところで中断致します、すみません。
次回は明日以降になると思います。

899 :森崎名無しさん:2011/05/06(金) 20:03:05 ID:???
シリアスなアルシオンパート乙

900 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/06(金) 20:04:23 ID:???

第三回キャプテン霧雨キャラクター人気投票
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第二回ラインライダー滝キャラクター人気投票
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第二回ファイアーモリブレムキャラクター人気投票
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アナザーカンピオーネキャラクター人気投票
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レントゥルス「やっほう、みんな〜 春の人気投票祭も大詰めだね〜」
ダラピッコラ「オレ達にも結構な票数入れてくれてありがとさん、感謝してるぜ。」
カルバリョ「あー、でもオレの票がちぃと少ないんちゃう? もうちょっと頼むわぁ〜」
ダラピッコラ「…と、まあコメントが一つも無い悲惨なエセ関西弁は気にしないでくれよな。
        さて、オレ達の所じゃあ何故かポストとザルという無機物が人気だが、他のスレはどうだ?」
レントゥルス「うんっと…魔理沙のところは名無しさんと不憫さんがラブラブワンツーを決めようとしてるよ。
        それから滝さんは…地獄兄貴と主人公がデッドヒートかなぁ〜。
        それから可愛いデビルニャンコは三位で安定か〜、残念〜。」
ダラピッコラ「そういやお前ネコ好きだもんな。」
レントゥルス「まーねー、スレ主もネコ好きだしね。
        あとあと、モリブレムさんのとこは…おっぱい大きな可愛こちゃんが一位取りそうー!」
ダラピッコラ「本能丸出しは止めとけ、それに一位を取りそうなのは主役もだ。」
カルバリョ「…っつー訳で、人気投票祭は今夜11時59分までや!
       心残りないようジャンジャンバリバリ投票しときぃっ!?」

901 :森崎名無しさん:2011/05/07(土) 00:08:38 ID:???
100票到達できず残念ナリ

902 :森崎名無しさん:2011/05/07(土) 00:10:29 ID:???
人気投票始まる前はまさか主人公がポストに負けるなんて粉微塵も考えなかったなーw

903 :森崎名無しさん:2011/05/09(月) 05:31:41 ID:???
ここのフィオレンティーナと滝スレ生田が試合やればどうなるのやら
結構いい感じで接戦になるような気がする


904 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:29:30 ID:???
>>899
感謝でーす。本当はアルシオンの一人称パートは作品を通して入れる予定はありませんでしたー。
でもここばっかりは必要かナーと思ってアルシオンパーーート。

>>901
楽しんで頂き、そして盛り上げて下さり本当に感謝!
ポストさんは永遠のヒーローだ!

>>902
はっはっは、私もですww

>>903
vs生田高校ですかー、これは楽しそうな試合っす!
どうなりますかねー・・・少なくとも滝のサイドアタックにはケチョンケチョンにやられる気がしますよw
個人的には天道vs三杉の中盤争いが熱そうに思いますw

905 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:30:36 ID:???

<同時刻 ミラノ・マルペンサ国際空港>

アルシオンと行動を一時別にしたジョアン、彼はタクシーを走らせて最寄の国際空港まで来ていた。
空港にやって来た理由・・・それは彼自身がこれからフライトという訳ではない。
6時20分に着陸した、エミレーツ航空、エールフランスの共同便に乗ってきた人物を出迎えに来たのだ。

ジョアン(さて・・・と、何処に居るやら。 もう入国手続きも荷物回収も終えている頃だろうが・・・。
      金持ちは金持ちらしく、召使でもゾロゾロ引き連れていれば判り易いのだがな。)

そんな事を考えながらジョアンは周囲を見渡すと・・・
威容が背広を着て歩いているような人間が、こちらに近付いてくるのが見えた。
1年と数ヶ月前のフランス以来だが、相変わらずの野心に満ち満ちた顔、鋭い目つきである。

ナジーブ「久方ぶりだなジョアン、見ない間に呆け老人になっていはいまいな?」

ジョアン「ああ・・・相変わらず荒々しいほどの活力を撒き散らしているな、ナジーブよ。
      どうやら長旅の疲れはなさそうだ。」

2人はアラビアの作法に則り、互いをフランクにファーストネームで呼び合い、軽口を叩き合った。
この男はナジーブ・ユブンタイ、ジョアンにとってはパトロンに当たる人物である。
ジョアンとナジーブ・・・この2人にはそれぞれ為したいと思う目的があり、互いに手を組んでいた。
大まかな計画立案と実行はジョアンが、資金提供と政治的架橋はナジーブが行うという関係だ。


906 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:32:07 ID:???

ジョアン「しかし驚いたぞ、決勝戦を観る為にやってくるとはな。
      10日後の本命がそれほど待ちきれなかったか?」

ナジーブ「そんなところだ。」

今日から丁度10日後に実施を予定している、計画の1次総括・・・
明後日の試合もそれに大いに関わってくるとは言え、ナジーブは極めて多忙の身であった。
『そんなところだ』と簡単に済ませられる程、今回の来伊は軽くないと思われるが・・・

ジョアン(それを追求したところで素直に話す男でもないからな・・・。
      何を企んでるかは知らんが、儂の予定には影響させん。)

油断ならぬビジネスパートナーに対し、ジョアンは改めて警戒をセットし直した。
目的の為なら強引な手段を辞さない目の前の男は、心を許すには危うい。

ナジーブ「ところで聞きたい事が2つある。」

ジョアン「何事だ?」

ナジーブ「一つは私が口を利いた移籍の話だ、問題なく進んでいるか?」

ジョアン「ああ・・・まあゴーリ財団には既に選択の余地はないからな。
      選手も反発していたが、ここに来て何とか収まりを見せている。」


907 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:33:17 ID:???

ナジーブ「当て馬達は穴を埋められそうか?」

ジョアン「成長次第・・・というところだな。 珍しいな、貴様がそんな後の事を気にするとは。」

ナジーブ「まあな、伝統が朽ちてゆく姿はあまり見たくない。」

ジョアン「なるほど・・・」

『伝統を破壊したがっている人間がよく言う』とジョアンは内心思ったが、これを口に出すのは控えた。
ことサッカーに関しては、あまりに直線的で純粋・・・子供の駄々のような行動原理を持つ相手だ。
そういう人物だからこそ、ある程度は言葉を選ばなければならなかった。

ナジーブ「それからもう一つ・・・どちらかと言えばこっちが本題だ。
      アルシオンはどうした? 来ていないのか?」


ジョアン「あ奴は先にホテルへ帰っている。 我々の話に必要であるまい?」

ナジーブ「ふむ・・・迂闊だなジョアン、そういう事ではない。」

ジョアン「・・・言うと?」

ナジーブ「ユーゴの情勢が不安定になっているのを知らん訳ではあるまい?」

ジョアン「ああ・・・その事か。」


908 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:34:43 ID:???

数日前にクロアチアとスロベニアがユーゴからの独立を宣言した事件を言っていた。
セルビアは主体とするユーゴ政府は当初軍隊の出動を議決したが、その後の動きは無い。
独裁色の強い現大統領が何を考えているのか不明だが・・・問題はそこではなかった。

ジョアン「確かにアルシオンはここ数日ナーバスになっているようだ。
      記憶が失われているとは言え、奴の母国は彼の国だからな・・・」

ナジーブ「ふむ、ナーバスか・・・・・・まあ仕方のない事だ。
      まあ立ち話も程ほどにするとしよう、恥ずかしながら空腹でな。」

ジョアン「そうだな・・・では馴染みのリストランテに案内しよう。 カツレツは食べられるのか?」

ナジーブ「全く問題ない、ここは郷里(くに)ではないからな。 今日は羽根を伸ばさせて貰うぞ。」

先導するジョアンの話に相槌を打ちながら歩くナジーブ。
だが彼は会話とは全く関係のない事を考えていた。

ナジーブ(驚いたな・・・ジョアンともあろう者がアルシオンの事は何も知らぬか。
      老いか、それとも過信か・・・いずれにせよ、私にとって都合の良い誤算だ。)

彼は腹の中で満面の笑みを湛えていた。
自分の思い描く通りに事を進めるに当り、最後に邪魔となるのはジョアンその人だと彼は考えていた。
そのジョアンを思うように動かす術はないかと密かに頭を痛めていたのだが・・・
それが、考えていたよりも遥かに容易に行える可能性が見えたのだ。

ナジーブ(ふふ・・・老人は長い間見続けてきた夢に溺れているといい。
      そしてこれならばきっと奴が上手くやるだろう・・・クックッ。)


909 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:35:46 ID:???

<再び ミラノ市・ブレラ地区>

アルシオン(焦げ臭い・・・鉄の匂いだ。)

アルシオンは音と匂いに薄っすらと既視感を刺激されていたが、それが何なのか判らずにいた。
それよりも、銃声が響いたにも拘らず自分の身体の何処にも痛みがない事に安堵していた。
アルシオンはようやく、銃声とほぼ同時に大人の男の呻き声が彼の耳に入ってきた事を思い出す。

アルシオン(オレは撃たれず五体満足という事か・・・・・・・・・。)

『良かった・・・』と一応の現状把握に満足し、アルシオンは恐る恐る後方を振り返った。
そこには身なりの汚い暴漢が肩を押さえ、悲痛な表情で唸っている姿があった。
そして直後、複数の人間の気配にアルシオンは慌てて視線を上げる。

??「おうおう、その場で蹲(うずくま)るのかよ。 そこは猛然と走って逃げるとこだろ?
    こりゃあ何にも知らない素人の雇われもんかねぇ〜。」

見るからに屈強そうな男達の中で一人、自分と歳が同じくらいに思える肌の黒い少年がおり・・・
その少年が、おそらく今しがたアルシオンを撃とうとしていた暴漢を見て独り言のように呟いていた。
少年は暴漢からアルシオンへと視線を移し、片手をサッと上げた。
すると屈強な男達が少年の合図に従うかのように、暴漢を取り押さえて連れて行った。
アルシオンにとってはTVの中の事のように現実感のない風景だった。


910 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:37:03 ID:???

アルシオン「・・・・・・」

??「どこにも傷はないか?」

アルシオン「・・・!」

絶句していた所で突然に言葉をかけられ、アルシオンは珍しく慌てた。
だが恐らく目の前の少年は命の恩人と言って良いだろう。
慌てていても最低限の礼くらいはしなければならない。

アルシオン「お陰様で何処にも怪我はありません。 助かった・・・感謝している。」

一言目は一応考えたような文句を言う事が出来たが、二言目は完全に独り言のようになってしまった。
言い直すべきかと一瞬だけ検討したが、すぐに取りやめた。
それよりも先に相手の方が言葉を紡いできたからだ。
そしてその言葉に、アルシオンは警戒と緊張の糸を一瞬で張り巡らせる事となった。

??「無事なら結構だ・・・お前に怪我をされてはたまらないからな、“アルシオン”。」

アルシオン「!!!」

アルシオンは表舞台に立った事がなかった。
常に暗い夜道を歩いて来た人間だ。
特別な知り合いでもない人物が、そんな自分の名を知っている筈が無いのだ。


911 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:38:07 ID:???

それでもアルシオンは思い当たる節を何通りも必死で考えたが・・・
結局解答は目の前の少年には突き当たらなかった。

アルシオン「お前は誰だ? 何故オレを助けた?」

仕方なく、アルシオンは相手へストレートに問いかけた。
考えて判らない事をいつまでも考えているのは無駄だと観念したからだ。

問われた方の少年は一瞬キョトンとし、直後に笑い出した。

??「ハハハッ、そうかお前はオレを知らなかったな。 なるほど、その強張った表情も頷ける。
    そりゃあお前のような生い立ちの人間が、いきなり自分の名を呼ばれれば警戒もする。」

ヒーッ、ヒーッ、と一頻り笑い終えると改めて少年はアルシオンと向き合った。

??「オレはユブンタイだ、ナムリス・ユブンタイ・・・」

アルシオン「ユブンタイ! あの男か・・・・・・!」

あまり良い印象を持っていない・・・どちらかと言うと嫌っている人間の名が飛び出し、
アルシオンは安堵すると共に若干顔を顰(しか)めてしまう。

ナムリス「そう、今思い浮かべた奴・・・お前の爺さんのパートナーの息子がオレだ。 そして・・・」

『お前のチームメイトだ』とナムリスと名乗る少年は言葉を続け、手を差し出してきた。
アルシオンはこれまでの人生の中、少なくとも覚えている限りこんな奴は居なかったと思った。
先程の笑いとは違い・・・これほど邪悪で不敵に笑う人間を、彼は今まで見た事がなかった・・・実際に。


912 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/09(月) 21:43:53 ID:???

本日はここまででーす。
次回は明日か明後日でしょうか…。

取り敢えずそろそろトンデモ展開にレディーゴーです。

913 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:18:27 ID:???

ユブンタイの名は彼にとって好意を抱くような物ではない。
ジョアンと遣り取りをするナジーブ・ユブンタイの姿から、その人となりはある程度理解していたからだ。
目的遂行の為には手段を選ばない、金も人も等しく自分の道具であると固く思い込んだ人間であり・・・
アルシオン自身も彼にそのような目で見下ろされている事には気付いている。

その息子であるナムリス・ユブンタイも父と同様に尊敬できない人間性と直感するが・・・
しかしこの場面においてナムリスはアルシオンにとって命の恩人という事になる。
それゆえアルシオンは目の前に差し出された手を一応握り返した。
だが同時に零れた問いはおよそ恩人に対しては出る事のない、懐疑的な物であった。

アルシオン「何故オレを助けた? ・・・いや、何故都合よくオレを助けられたと聞くべきか?」

だが同時に零れた問いはおよそ恩人に対しては出る事のない、懐疑的な物であった。
偶然の出来事としては考えられないようなシーンにアルシオンは置かれている。
それが全て目の前の少年が・・・いや、彼の父が演出した物ではないのかとアルシオンは考えたのだ。
しかしこの問いに対し、相手は表情を何ら崩す事なく平然と返してきた。


914 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:20:03 ID:???

ナムリス「ふふん、なかなか挑戦的な問いをするんだな、アルシオン。
      けれど・・・お前は“何故自分が命を狙われたのか”とは考えないのか?」

アルシオン「なに・・・?」

意外な返答であった。
“自分が命を狙われる”という現象をアルシオンは予想していなかった。

ナムリス「おかしいじゃないか。 お前は子供の頃から夜を歩いて来た。
      それは歩かなければいけない理由があったからじゃないのか?」

アルシオン「・・・・・・!」

その言葉はアルシオンにとって返答に窮する物であった。
それはジョアンとの長い旅における基本的な決まり事であった。
何故かと聞いてもジョアンは『昼に歩けるようになったら教える』と優しく言うだけ・・・
ゆえに、アルシオンはこの旅路のスタート地点・・・さらにその前については思考を停めていた。

ジョアンに対する信頼と愛情がそうさせて来たわけだが・・・
こうしてジョアンと自分以外の人間が口にする事で、アルシオンは揺らされてしまった。
そして同時に・・・神聖な領域に土足で踏み込まれたような怒りも覚えた。


915 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:22:35 ID:???

ナムリス「ふふ、まあそれは良い。 それよりもオレからお前に聞いてみたい事がある。
      この問いの先に先程の答えもある・・・だから耳を傾けておけ。」

アルシオン(グッ・・・コイツ・・・・・・!)

どうでもいい事の様に話題を変えようとするナムリスの言葉に、アルシオンはいよいよ不快になってきた。
それでもこちらが気に留めるように付け加えられた言葉は、実に効果的にアルシオンの関心を誘う。
アルシオンはその不快感にも拘らず、ナムリスの言葉から耳を背ける事が出来なくなっていた。

アルシオン(クソッ・・・!)

こうなればと腹を据え、何が飛び出してくるのかと身構えたが・・・
ナムリスが口にした問いというのは、アルシオンにとって全く意味の解らない物だった。
その問いとは・・・



ナムリス「“ゲンソーキョー”という単語に覚えはあるか?」




916 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:23:36 ID:???

そう言った後、ナムリスは付け加えるように続ける。

ナムリス「ファンタジーホームでもネバーランドでも良い、そういった類の言葉だ。」

アルシオン「・・・知らんな、聞いた事もない。
       いや、ネバーランドは映画か何かで耳にしたかも知れない。」

ナムリス「そうか・・・。」

やや落胆した様子のナムリスに、アルシオンは少なからず不思議に思った。
これまで全て意味有り気にアルシオンの興味を(怒り、嫌悪を買いながらも)誘っていたナムリス・・・
その彼が聞いてみたいと宣言し、わざわざ関心を買うように口添えてまで放った問い。
それが意味不明の単語を知っているか否か・・・なのである。
しかも知らないと答えたその反応には実感が伴なっているように思えた。

ナムリス「まあいい・・さ・・・・・。当然と考えていた事が肯定されただけだ。」

アルシオン「なんだ・・・? その・・・ゲンソーキョーとは・・・」

目の前で見せられた反応のせいで思わずアルシオンはそう口にし・・・そして後悔した。
返ってきたナムリスの答えが輪をかけてバカバカしい物だったからだ。


917 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:24:51 ID:???

ナムリス「・・・解明出来ないようなオーバーテクノロジーやオーパーツが存在する場所だ・・・多分な。」

アルシオン「・・・・・・何を言っているんだお前は?」

思わず溜め息を吐いてしまった。
失笑すら出ない・・・不快な思いを我慢して相手をしていた自分こそが馬鹿に思えた。
力も抜け、ホテルに戻っていい加減休みたいという気持ちが生まれてくる。
・・・同時に、この瞬間まで忘れていた数日前からの不安感も再発した。

アルシオン「じゃあな・・・病院は早く行った方がいいぞ。」

ちょっとだけ皮肉を言い捨てて、アルシオンはナムリスに背を向けた。

ナムリス「待てよ・・・。」

アルシオン「悪いがお前の妄想に付き合えるほど元気じゃない。」

ナムリス「数年前、ユブンタイの施設で体力テストをした事は覚えているな?」

アルシオン「・・・・・・」

そのテストについては確かにアルシオンも記憶していた。
確かユブンタイがジョアンに対して破格の出資をする対価の一つとして要求した、データ採取の為の試験だった。


918 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:26:30 ID:???

スポーツ医学、スポーツ科学の一人者と呼ばれる大人達がが何人も見守る中・・・
時に原始的、時に理解不能な装置を用いて言われるままにアルシオンは自らの体力を披露した。
そして一部ではあるがサッカーボールを用いた試験も行われた記憶がある。

アルシオン「それについては覚えがある・・・。
       確か対年齢で世界屈指の身体能力、サッカー技術があると言われたな。」

カール・ハインツ・シュナイダーやファン・ディアスと言った、当時から既に名を上げ始めていた
未来のスターと思しき選手達と比較しても、少なくとも同等以上の実力と断言された結果に、
ジョアンが甚(いた)喜びを示していたのが強く印象に残っている。

アルシオン「それで・・・?」

ナムリス「そのテストの結果において、1点だけ不可解な項目があった・・・。
      どの分野の専門家も匙を投げたほど、文字通り手に余る結果だよ。」

アルシオン「はぁっ・・・?」

ナムリス「オーバヘッドキックだ・・・お前が放つオーバーヘッドキックは人智に余る代物の筈だ。」

アルシオン「・・・・・・!」


919 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:27:33 ID:???

アルシオンは内心ハッとした。
ナムリスが口にしたオーバーヘッドの事はアルシオンにも心当たりがある。
いつからそれが出来るようになったのか分からない・・・
それを実行する時、いつも頭に浮かぶ不思議な言葉・・・
以降、アルシオンはナムリスの言葉を一笑に臥す事が出来なくなった。

ナムリス「ある一定の条件で放たれたお前のオーバーヘッドは、物理学的にも生物科学的にも説明がつかない。
      マグレか何らかの外乱に依って齎(もたら)された結果だと奴等は結論付け、データは秘匿された。」

アルシオン「・・・それで貴様は何が言いたい?」

ナムリス「この世には、何億人か・・・何十億人かに一人、そう言った原理とは外れた人間が存在している。
      何処からか漏れ出したゲンソーキョーのオーバーテクノロジーを手に入れた人間か・・・
      さもなくば、ゲンソーキョーに身を置いた経験のある人間か・・・」

アルシオン「ふう・・・まさかオレがそれに該当するとでも言いたいのか・・・?
       変なドラッグでもやっているんだろ? 本気で病院に行く事を勧めるぜ・・・」

ナムリス「お前はある時期を境にして記憶が無い。
      お前のサッカー技術のほとんどはジョアンコーチに叩き込まれた賜物だろうが・・・
      その才をコーチに見出させる程度には磨かれていなければならなかった筈だ!
      当時生き死人となっていたジョアンコーチに希望を与える程度にな!
      その秘密がきっとお前が失った記憶の中にあるんだ!」


920 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:28:37 ID:???

アルシオン「バカバカしい! 夢物語を語るのもいい加減にしてくれ!
       なんだ貴様は!? 突然計ったかのように現れて、言いたい放題好き勝手に!!」

ナムリス「協力しろアルシオン! オレと一緒に来い! そうすればお前の知りたい事も全て教えてやる!」

アルシオン「黙れ! 貴様はもう喋るな!!」

耳を被う行為の変わりにアルシオンは怒鳴り叫んだ。
行為を実行すれば弱みを見せる事になる、それでは抗えなくなる。
しかしナムリスはアルシオンの叫びに耳を貸さなかった。

ナムリス「オレはお前よりも、ジョアンよりもお前の事を知っている!
      お前が何故命を狙われ、何故夜を生きなければならなくなったかも!
      お前が数日間煩い続けている悩みの原因も! お前が誰を憎むべきなのかもな!!
      その全てを教えてやる! もう一度言う、一緒に来いアルシオン!」

アルシオン「誰が!! 誰が・・・・・・そんな事・・・・・・!」


921 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:29:45 ID:???

反発の言葉にすら窮するようになっていた。
数日前からの自身の変化を、ジョアンですら理解しえなかった心の疾患を話に出されたからだ。
ゲンソーキョーの下りは抜きにしても、ナムリスは何もかもを知っているとアルシオンは確信する。
長年思考を停止する事で抑えていた、知りたいという原初の欲求がアルシオンを黙らせる。
そして長い沈黙の後・・・アルシオンは再び口を開いていた。

アルシオン「憎むべき・・・とは何だ・・・・・・
       この悲しみや怒りのような気分に・・・理由があるというのか・・・・・・」

それはナムリスに問うというより、独り言を呟くように吐かれた言葉だった。
勿論ナムリスがこれを聞き逃す事はなかった。
俯くアルシオンを見下ろすように、ナムリスはニタリと笑みを浮かべていた。


922 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:30:47 ID:???

<フィオレンティーナ寄宿ホテル>

ホテルに戻った三杉達はそれぞれの部屋に戻っていた。
シャワーを浴びる程度のささやかな自由時間の後、夕食とミーティンが待っている。
三杉も自室に戻るや否やシャワーに飛び込み、今日の試合の垢を落としたのだった。

三杉「ふぅ・・・サッパリした。」

この夏の熱気である。
たとえ試合が無かったとしても、今日は体中が汗まみれとなっていた事だろう。
タオルで濡れた髪を拭いながら、三杉はようやく人心地が着いていた。


prrrrrrr・・・

そんな時である、部屋に置かれた固定電話が突然鳴り響いた。
仲間の誰かの呼び出しかと思い、三杉は受話器を取るが・・・
その先で喋る相手は三杉にとって完全に予想外の人物であった。

??「よう、決勝進出おめでとう。」

三杉「むっ、その低くてダンディ☆ズムに溢れた大塚明夫ボイス・・・・・・貴方はまさか・・・」


923 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:32:32 ID:???

A BJ先生!?
B キングスカッシャー!?
C ドーリアン外務次官・・・!
D ガトーーーー!!!
E ティ、ティーチじゃねえか・・・・・・!

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


924 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/10(火) 21:33:10 ID:???

本日はここまでとなります、投票をお願い致しますね。
それではまた次回ー。

925 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:43:38 ID:2VJ/M6Yg


926 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:44:21 ID:a8uvVIfg


927 :森崎名無しさん:2011/05/10(火) 21:46:16 ID:Tdv4yn4s


928 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 15:34:41 ID:???

>A BJ先生!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

間違いなく聞き覚えのある声だった。
TVアニメで耳にしたとか、そういう事ではない。
実際に接した事のある人物の声だと三杉は記憶していた。
その人物の名を三杉は口にし、確認を取る。

三杉「貴方はまさか・・・BJ先生!?」

日本に居た頃、心臓病治療の手術を施してくれた無免許医の名であった。
三杉にとっては術後のリハビリにおいてアドバイスを貰った時以来である。

BJ「ご名答だ、よく声だけで判ったものだな・・・。」

三杉「ええ・・・先生はとても記憶に残る声をしていましたしね。
    それよりも、よく連絡先が判りましたね・・・突然で驚きましたよ。」

BJ「ふふっ、忘れたのか? 君が今イタリアに居るのはそもそも私の手術があっての事だ。
    人脈を辿って行けば、大会中の寄宿ホテルに当たるのはそう難しい作業じゃあない。」

三杉「なるほど・・・言われてみれば、その通りでしょうね。」


929 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 15:35:59 ID:???

尤もらしいBJの説明に三杉は合点がいった。
BJが要求した暴力的なまでのギャランティーが払えぬ三杉は、
その代価としてジョアンの元でサッカーを学ぶ、フィオレンティーナの一員となったのだから。
疑問の一つは解決したが、もう一つ三杉は首を傾げなければならなかった。 それは・・・

三杉「それで先生、何かあったんですか? こんな風に突然連絡してくるなんて。」

全く音沙汰の無かった相手、しかも親交があるわけでもない相手からの突然の連絡である。
BJの事をよく知るわけではないが、気紛れや冗談ではなく何かしら用事があるのだろう。
しかもそれは、自分でなければ対応出来ないような類の物である筈・・・
・・・にも関わらず、三杉には全く心当たりがなかった。

三杉(まさか今更心臓の事とかお金の話をしたりしないだろうな・・・
    であればデートの誘いとか・・・いや、まさか・・・・・・)

ここ数日のスレ雰囲気のせいかネガティブな想像が先行する。
もし心が読める人間が居たとしたら、一瞬で12通りの悪い知らせを仮定した三杉の想像力に感嘆しただろう。
そんなこんなで、三杉は不安に首をもたげながらBJの返事を待った。


930 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 15:37:12 ID:???

先着で
 ★黒医者さんたら御用事なあに→! card
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。

《ダイヤ、ハート》 BJ「実は会って貰いたい人間がいる」
《スペード》 BJ「明日、半日ほど付き合ってくれないか?」
《クラブ》 BJ「・・・付き合ってくれないか?」
《クラブA》 BJ「・・・付き合ってくれないか? 性的な意味で。」
《JOKER》 BJ「大した事じゃあない、ちょっとしたアフターケアだ。」


931 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 15:38:16 ID:???
 ★黒医者さんたら御用事なあに→ ハート10

932 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 18:07:40 ID:???

> 黒医者さんたら御用事なあに→ ハート10
> 《ハート》 BJ「実は会って貰いたい人間がいる」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

BJ「実は会って貰いたい人間がいる。 ・・・まあ私の患者なんだがね。」

三杉「会って貰いたい患者・・・・・・僕にですか・・・?」

BJ「ああ、君と同じサッカー選手でな・・・先日ちょっとばかり大きな怪我を負った。
    手術は成功してリハビリも問題ないが、どうにも心が弱りきっている。」

三杉「はあ・・・。」

想像したような悪い知らせではなかったが、BJの頼みは三杉の理解に及ばなかった。
突然担当する患者に会って欲しいと言うのだが、何故自分に頼むのか・・・
自分に何をさせたいのか、三杉にはBJの意図が全く判らない。

BJ「どうかね、良ければ明日の午前か午後に時間を取って貰いたいんだが・・・」

三杉(明日か・・・一応決勝戦前の休養日で練習も禁止されているが・・・。)


A 「・・・会って僕はどうすれば良いんですか?」 取り敢えず問う。
B 「まあ・・・予定は空いているので別に構いませんが。」 承諾する。
C 「だが断る、この三杉淳の(ry」 だが断る。
D 「それが誰かの助けになると言うなら、喜んで。」 快諾する。

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


933 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 18:08:40 ID:M0ieh3aY


934 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 18:12:39 ID:Y9JoI80+
D

原作三杉で

935 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 18:13:59 ID:RTNNvVGQ
B
心当たりがばりばりーするな(怪我したサッカー選手

936 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 18:55:24 ID:???

> B 「まあ・・・予定は空いているので別に構いませんが。」 承諾する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

判らない頼みではあったが、BJは三杉にとって恩人と言っても良い。
幾ら胡散臭くあろうとも、その患者にとっては必要な事なのだろうと納得出来た。
そして何より、三杉の翌日予定は何もなく、断る理由も思い当たらない。

三杉「まあ・・・予定は空いているので別に構いませんが。」

BJ「そうか、それはありがたいな。 では午前と午後ならどちらをご所望する?」

三杉「どちらでも・・・。」

BJ「ならば明日の朝10時に迎えに行く、ロビーででも待っていてくれ。」

三杉「はあ。 ・・・で、一体僕h」

  ガチャリ! ツー ツー

三杉「・・・・・・ですよねー」

何かしら聞いておこうと思っていた三杉だが、相手は既に受話器を置いていた。
常識的にはおよそ礼儀正しいとは言えない人物である事を、三杉は改めて認識したのだった。


937 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/11(水) 18:57:13 ID:???

三杉「さてと・・・」

BJは嵐のように現れて三杉の予定を埋めていったが、まあそれはそれである。
話が長引かなかったお陰で誰かチームメイトに会いに行ったり考え事をする程度は時間がある。
三杉にとってはこの時間を利用して多少なりともやっておくべき事がある気がした。


A そうだ、弥生に電話をしよう
B アンザーニ監督に言われた事・・・自分なりに考えを纏めてみるか。
C パルマの情報を整理しておくか。
D 誰かチームメイトの部屋に行こう。(さらに分岐)
E ボーっとテレビでも見ていようかな。
F 散歩に行ってみようかな。

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


938 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 19:20:45 ID:v9UeYqiI


939 :森崎名無しさん:2011/05/11(水) 19:20:59 ID:ltiG5Kts


940 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 00:38:39 ID:???
どうもこんばんは。
三杉が進むべき道と向き合おうとする、という所から再開予定でまた明日ですが…

今宵はちょいと早いスレタイ募集だけ仕掛けにきました。
次スレはいよいよ始まる決勝戦、vsパルマがメインとなりそうです。
その前にちこちこ些末なシナリオ進行もありますけどね。
あと人気投票結果発表はまとめ書きしてドーンと載っけるのが良いでしょうか…馴れないので迷ってます。
というわけでテンプレートー

【】Another-C_5【】


宜しくお願い致しまーす。

941 :森崎名無しさん:2011/05/12(木) 00:50:15 ID:???
【決勝の】Another-C_5【先にあるもの】
【ジャイロの】Another-C_5【軌跡】
【黄金の】Another-C_5【精神へ】

942 :森崎名無しさん:2011/05/12(木) 00:52:12 ID:???
結果発表は中の人が一番書きやすいやり方でいいと思いますよ乙でしたー

943 :森崎名無しさん:2011/05/12(木) 06:33:06 ID:???
【妖精さんと】Another-C_5【キャッキャウフフ】
【奇跡の二重壁と】Another-C_5【天才】
【パルマVS】Another-C_5【フィオレンティーナ】
【積み上げてきた】Another-C_5【モノ】

944 :森崎名無しさん:2011/05/12(木) 17:45:37 ID:???
【三杉の】Another-C_5【挑戦状】
【実直と】Another-C_5【才能】
【竜巻】Another-C_5【再来】
【赤い】Another-C_5【サイクロン】

945 :森崎名無しさん:2011/05/12(木) 17:59:21 ID:???
【その人の名前は】Another-C_5【シニョーリ!】
【序章】Another-C_5【クライマックス】

946 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 20:51:36 ID:???

>>941>>943-945
ひゃっほう、スレタイ案ありがとうございます!
燃えるスレタイが多くてとても嬉しいのです。

>>942
乙感謝ですー
助言の通り、やり易い方法を考えてするようにしますね。


947 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 20:52:51 ID:???

> B アンザーニ監督に言われた事・・・自分なりに考えを纏めてみるか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(アンザーニ「どうでしょうかミスギくん、キミが今日まで走り続けてきた道・・・
        その道が何処へ向かっていたのか今一度考えてみては?」)

三杉の脳裏には、ローマ戦後のミーティングでの監督の言葉が思い出されていた。
決勝戦を終えた後・・・更にその先のビジョン、プロになってから為すべき目標・・・。

三杉(・・・・・・)

三杉は今まで走り続けてきた道を振り返っていた。
両親を安心させる為、普通の子供と変わらない事を示す為に始めたサッカー。
最初の目的はとうの昔に果たされ、彼は既に両親の手の中を飛び出している。

心臓の成長が限界を迎えながらも・・・大空翼、森崎有三らとの闘いによって知った、
真剣勝負による充実感を追い求め続けた中学時代。
その先にはピエール、ディアス、シュナイダーら世界の強豪が居た。
伝聞でしか知らなかった欧州のサッカー環境、日本サッカーとの大きな隔たりを知る事が出来たのもこの頃だ。

三杉(心臓により定められし限界・・・この身体ではトッププロを目指す彼等とは闘えなくなると解った。
    そのため この心臓を完治させる方法を探し、形振り構わず奔走もしたっけ・・・。)


948 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 20:54:18 ID:???

これまでも三杉は目的を持って無数の選択と行動を繰り返してきた。
しかしそれらは全て過去のこと、達成してきたこと・・・
もはや三杉がこれから歩んでいく為の目標にはなり得ない。

三杉(・・・・・・・・・)

以前から三杉淳には『これだけは不可能だ』と思っている事があった。
それは何も知らない一般の人々が感覚的に不可能だと思うのとは訳が違った。
あまりに達成まで距離が遠すぎて、夢物語だとして諦めているのとも違った。

三杉は幼少の頃、身体を動かせない分 頭と目を使い、サッカーの見る目を誰よりも肥やしてきた。
小学生時代に一選手でありながらオフサイドトラップを使いこなすほど戦術への関心も理解も深かった。
その土台ゆえか、いつの間にか彼にはサッカー新時代の潮流を見抜く視野が備わっていた。
それはこの時代、日本人の誰もが・・・サッカー協会の人間でさえ持ち得なかった眼力であった。
即ち彼の思う不可能は、達成までの距離を精緻に測り、その為の最大限の努力を実施して・・・
それでも尚、達成する事は無いだろうと判断した物である。



三杉(ワールドカップ・・・優勝か・・・・・・・・・)




949 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 20:55:42 ID:???

三杉はモニカと交わしたあの夜の会話を思い出していた。


(モニカ「そうですか…でもそれだと日本は世界基準の潮流から取り残されるかも知れないんですね…。
      日本もW杯に出られそうか聞こうと思っていたんですけれど…。
      ほら、ミスギさん達Jrユースで優勝してますし、日本が大舞台に出てきそうかなって。
      もしかして次のアメリカ大会でミスギさんの活躍が観られるかなぁ…なんて思ってました。」)

(三杉「うん…次の大会に間に合うかは判らないけれど、W杯“出場”は決して夢じゃないと思う。
     僕の世代は奇跡的にタレントが揃っているからね、ハッキリ言って個の力ならばイタリアにも
     ドイツにも劣らないと言える。 だからアジアを相手に予選を勝ち抜くのは可能だ。
     でも本戦ではそうはいかない、個の力だけでは本当に強いチームに太刀打ちする事はできない…
     ミランがナポリを倒してセリエAの盟主になった時から、それはもう決定事項だ。」)

(モニカ(……))

(三杉「だから日本が……僕たちが世界を相手にジャイアントキリングが出来るとしたら、
     来年のワールドトーナメントが最後になってしまう可能性が大きい…。」)

そこから先、モニカには言う事の無かった自身の思い・・・三杉は今、向き合っていた。


950 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 21:03:02 ID:???

・・・時のFIFA会長により、日本でのワールドカップ開催が打診されて数年・・・。
日本は昨今に至りようやくサッカーが注目され、プレイ人口が増えてきていた。
その影響はマラドーナやプラティニ、10番をつける選手への憧れからと言って良かった。
つまりファンタジスタの時代が日本サッカーの追い風となっていたのである。
絶望的と言われてきた日本サッカーのプロ化もこの頃急速に進められていた。

森崎有三、大空翼といった少年達の登場も希望を与えていた。
黄金期の彼等は小学生、中学生の全国大会でそのポテンシャルを見せ付け・・・
また規模は大きいとは言えないが、Jrユースの世界大会で優勝するという偉業も成した。

サッカーにそれほど詳しく無い人間ですら、この黄金世代に期待を抱いている。
彼等が成長したら、日本をワールドカップで優勝させてくれるのではないか、と・・・。

三杉「だが・・・無理なんだ・・・・・・・・・」


951 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 21:05:33 ID:???

三杉(日本サッカーへの追い風はマラドーナやプラティニ、10番をつけるMFへの憧れからだ。
    実際、翼くんも才能あるFWだったが、中学時代にはMFにコンバートしている。
    マスコミは司令塔である10番を過度に称賛し、子供達はそれだけ目指すようになる。
    サイドを軽視し、司令塔と・・・有り得て守護神(GK)だけを重要視する潮流となる。
    守護神がゴールを守り、司令塔が中盤を支配すれば勝てるという愚かな夢を見るんだ。
    事実、今のサッカー協会はその方向で進んでいる・・・翼くんと森崎の事からもそれは判る。
    これでは個の力が世界に追いついても、システムで大きく開けられ・・・勝てない。
    そして僕達の後の世代はシステムが定まらない日本、決定力不足の日本となっていくんだ。)

日本のマスコミが作り上げつつあるのは日本だけの潮流…世界の最新の潮流とは真逆を行く物・・・
それによって日本のサッカーは最低20年は世界に遅れを取るであろう。
三杉は彼自身が世界のトップクラスを相手に闘う自信も気概もあったが、
日本というチームがW杯などで世界トップチームを相手に出来る事は半ば諦めている事に気付いたのだ。
聡明すぎるゆえ…そして大好きなサッカーをプレイ出来ない期間、研究に使える期間が長過ぎたゆえ。
三杉には、この時代の日本人に見える筈がなかった世界が見えてしまっていたのだ。

三杉(そうか…片桐さんから全日本ユースに召集された時、受け入れられなかったのはこういう事なのか。
    僕は日本のサッカーが世界に通用しないという未来が薄々見えてたんだな…。
    嫌味のように口から出た言葉も・・・無意識に協会の方針を否定していたからなのか・・・。)


952 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/12(木) 21:07:23 ID:???
相変わらず中途半端ですが一旦ここまでです。
ではまたー。

953 :森崎名無しさん:2011/05/13(金) 11:02:30 ID:???
乙です。
シュスター路線、まっしぐら………。
この三杉は、扱いづらい選手だろうなー。
安西せんせ………ゲフンゲフン、アンザーニ監督クラスなら「頭が良い、可愛い少年」となるんだろうけど…。
『ジョアンの芸術作品』よりは、『アンザーニの秘蔵っ子』というほうが、適当な気がしてきた…。
こんな選手が、三上さんや、賀茂の手に負えるかなぁ…。むしろ、真っ向から対立しそうだ。

954 :森崎名無しさん:2011/05/13(金) 13:48:49 ID:???
ジャパニーズゾーンプレス!とか自信満々で言われたら絶望しそうではあるw
イタリアで名将の指導や歴史上の戦術のエッセンスを身をもって経験してるとどうしてもなぁ。
協会も賀茂を派遣したりと何もしてないわけじゃないんだろうけどピントがずれてるし。
とはいえ三杉も何ができるかは見えてても自身が何を求めるかが定まってないし、どうなるか。

955 :森崎名無しさん:2011/05/13(金) 14:18:48 ID:???
というかこの三杉の独白は完全にジャパニーズゾーンプレスをディスってるよねw
【絶対的な司令塔が中盤を支配すれば勝てる】ってのがあの作戦(?)の肝だもの。

956 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/13(金) 20:15:27 ID:???
本日と明日は更新出来ませんー、コメレスだけしておきます。
それとこのスレはこの時点で閉幕、明後日に新しくスレ立てする事と致します。
またスレタイ募集はまだ継続しますので、テンプレを置いておきます。
【】Another-C_5【】


>>953
乙感謝でしたー。
代表戦に興味がなかったと言われるベルント・シュスター・・・
同じ路線となるかどうかはどうでしょうかね?
まあ選手として本来あってはならないですよね、この三杉みたいには。
こんなに色々考えて背負おうとするべきではないです、選手であるならば。
Play for winを考えるのは監督の仕事、選手は限りなくPlay for teamでないと。
その点、『ジョアンの芸術作品』には成り得ないというのは非常に的を射てる気がします。

>>954
三杉「ジャパニーズゾーンプレス?聞いたことないな・・・それって美味しいのかい?」

いやあ・・・原作三杉はよくあの作戦を認めたもんですよね。
世界のサッカーを観て回ってきてそりゃあないだろう賀茂さんww
でもこのスレの三杉はある意味未来の視点から思考していますからね・・・
そりゃあ反則です、主人公特権です。

>>955
いえいえ三杉はジャパニーズゾーンプレスなんて知らないのでディスっては・・・w
でもスレ主である私は全力でディスってます。
このスレの半分は私の偏った考え方で出来ていますw


・・・エピソード2のサブタイはコードヴィオラ〜反逆の三杉〜とか相応しくなりそう・・・

957 :森崎名無しさん:2011/05/13(金) 20:36:53 ID:???
了解です、協会涙目w
【勝利】Another-C_5【だけでなく】
【序曲の】Another-C_5【終わり】
【ガラスの貴公子】Another-C_5【天使の鳥】

958 :アナカン@出先:2011/05/15(日) 01:31:34 ID:???
私的メモ

バイエルン、螺旋、ハンブルガー、ターンオーバー、
背中、一度目標を持つと絶対に揺らがない

959 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/15(日) 13:02:59 ID:???


『 次 回 予 告 』

コッパ・イタリア・プリマヴェーラ最後の試合を前に苦悩する三杉
自分の本心が目標にと掲げたがっている物の、その絶望的に大きさに…
しかし数々の出会いとその言葉が脳裏に甦る時、彼の心には黄金の風が吹いていた

一方、何も知らないジョアンは思い悩むブンナークに近付く
これもまた終局の一つの形だと呟きながら


次回 アナザーカンピオーネ エピソード1 〜第5幕〜


    決勝の          先にあるもの


この次も サービスサービスゥ!



960 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/15(日) 15:11:58 ID:???

この続きは次のスレで…というわけで建てました。

【決勝の】Another-C_5【先にあるもの】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1305432411/l50

今後も宜しくお願い致しますね。
以降このスレはスレ末外伝をぬっぺりと進行します、こちらも宜しくお願い致します。
また感想や要望、雑談なんかも好きに行って下さって構いません。


961 :森崎名無しさん:2011/05/17(火) 14:20:23 ID:???
乙です!
このスレにちりばめられている「元ネタありネタ」の元ネタが
ほとんどわからないオイラ(アニメ漫画等詳しくないから)も、
フィッツウォルタと、この各スレ末の「次回予告」だけは元ネタがわかる。 
元ネタがわかると楽しいね。

962 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/17(火) 21:43:01 ID:???
>>961
乙感謝です!
元ネタありネタは、あまり直接的に分かるようにしてませんし(?)、バラしてもないですからね。
気付いて楽しめたら少し得した気分、と思って下さると私も嬉しく思いますw
フィッツさんと予告ネタを分かって下さりありがとうございましたw

963 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/23(月) 18:45:45 ID:???

スレ末外伝
Another Campione Episode 0 〜act2〜 《Si Si Chao 》


《あらすじ》
198X年12月 イタリア ロンバルディア州クレモナ…
バロック音楽、ヴァイオリン職人が息づくこの小さな町にジョバンニという少年が暮らしていた。

小心で弱虫なジョバンニは、同年代の仲間達にバンビーノ(おこちゃま)と揶揄されバカにされている。
その事を腹立たしく思いながらも、理由があってなのか彼は行動で示す事をしなかった。

ある日、ジョバンニが手伝いをしている教会で幽霊が出るという噂が立った。
子供、幽霊話とくれば肝試しになるのが当然の3段論法。
夜中に置きだして徘徊してみたら・・・なんとジョバンニは幽霊と思しき存在と本当に遭遇してしまった。
仲間達はそれを観て逃げ散ったが、ジョバンニは逃げる事がなかった。
幽霊と思っていたのは深夜にサッカーボールで遊んでいた少年・・・アルシオンだったからだ。

ジョバンニはアルシオンと友人になり、2人でサッカーを楽しむようになった。
自分よりも遥かにボールの扱いの上手いアルシオンに驚かされる日々が続く中・・・
その日、ジョバンニは遂にアルシオンへ疑問をぶつける事にしたのだった。
そしてジョバンニは話の過程で、常識では考えられないようなオーバーヘッドを見せられ・・・


964 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/23(月) 18:47:09 ID:???


アルシオン「見た、バンビーノ!? すっごいだろー!」

ジョバンニ「す…すごいって言うか……な、なんなの? キミって一体……
       い、今のこれも、そのジョアンさんって人がアルに教えて…?」

あまりの出来事にジョバンニは口を震わせ、ギリギリで言葉を返すが…
それをさせているアルシオンは何食わぬ顔で笑顔のまま答えてくるのだ。

アルシオン「ううん、これはジョアンさんが教えてくれたんじゃないよ。」

バンビーノ「じゃ、じゃあ最初からこんな滅茶苦茶な事が出来たの…?」

アルシオン「最初からって言うか…… あれ…、いつから出来たんだっけ…」

アルシオンは笑顔を失い、自分自身に疑問を投げかけた。
それは演技ではなく、本当の疑問である事がその表情から判伝わってくる。

ジョバンニ(もしかして自分が何者なのかも判らないの…? アル、キミは……)

彼は自分が何者なのか、何故こんな事が出来るのかをどうやら判っていなかった。
ジョバンニは、彼がつい半年ほど前から記憶のほとんどを失っている事を知らない。
そしてジョバンニのこの問いかけはアルシオンに対して自分の中の記憶の断面を…
ポチャン…と記憶の泉に投石され、それによって舞い上がった水底の砂粒を掬うかのように
何かを思い出させようとしていた。


965 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/23(月) 18:49:04 ID:???

> アルシオンは何かを思い出す→ クラブ8
> 《クラブ》 アルシオン「誰かにこの言葉を教えられた気がする…」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アルシオンの頭には言葉が浮かんでいた。
このシューティングスターを放つ時にはいつも浮かぶ言葉・・・
そして撃ち終わったら忘れてしまっている言葉・・・

そう、忘れてしまう筈の言葉をアルシオンは思い出していた。
誰かに教わった気がする・・・不思議な不思議な言葉を。
おぼろげに頭に響く、女性の声を。

アルシオン「空をとぶわけじゃあない・・・  重力と、圧力と、プレッシャーと・・・
       周囲に混在する全ての力から解放され、自由になるだけ・・・。」

ジョバンニ「えっ? なに、なんだって?」

アルシオン「いや、解んない・・・何だろうね・・・・・・。」

演技でなく、本当にアルシオンにも解っていないようだった。
しかしその口から出た呟きは、誤魔化しではなく何かの断片なのだろうとジョバンニは理解した。
そしてジョバンニはアルシオンに問い掛ける。


966 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/23(月) 18:50:36 ID:???

ジョバンニ「アル・・・・・・君は記憶を・・・?」

アルシオン「うん・・・なんだかそうみたいなんだよね。
       別に困った事はないし、気にしてもいないけど。」

ジョバンニ(余程嫌な目に・・・忘れなければ生きていけないような目に遭ったのか・・・。
       ボクよりもずっと悲しいくらい・・・。 だとしたらジョアンさんは良い人・・・?)

色々と頭の中で考えてしまうジョバンニ。
これは今まで生きて来るために必要だった、彼にとっての処世術とも言えた。
しかしそんなジョバンニの考えを知らん事の様に、アルシオンは再びボールを操り始めていた。
それを見て呆れるジョバンニではあるが・・・

ジョバンニ(いっか・・・ボクが知る必要のない事だよね。
       ボクの知っているアルは目の前のアルだ、過去の事はどうだって・・・)

そう考え終えるかどうか判らぬ内に、ジョバンニはアルシオンに飛び掛かる。
そして疲れ果てて道に寝転ぶまで、2人で1対1を続けるのであった。


967 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/27(金) 19:53:30 ID:???

この外伝は一旦中断します。
重要な情報はすでに出てますので、例の企画の方をば・・・。

968 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/27(金) 19:56:56 ID:???

《時の流れや常識に囚われる事の無い某空間》

ピカッ

何も無い空間が突然黄金の光を放った。
目が眩むような光は暫くのあいだ輝き続け、そしてやがて消え去ると・・・
そこには一人の少女の姿が残っていた。

モニカ「えっ・・・あれ? ここ何処? あの・・・えっ? アヤさんの店に居たはずなのに・・・」

弥生「あら、貴女がスレ主に選ばれた二人目の代理人ですか?」

モニカ「キャッ! ええええええええぇと・・・あのののの・・・?」

弥生「うふふ、初めまして青葉弥生と言います。
    そんなに怖がらなくても平気ですよ、夢みたいな物ですから。」ニコリ

モニカ(あ・・・なんだろうこの人・・・・・・すごく優しそうなオーラが出てる。)
     
弥生「大丈夫、ちゃんと解る筈ですから。 でもその前に・・・お名前を教えて頂けますか?」

モニカ「あ・・・はい、あの・・・モニカです。 モニカ・センペルテ・ディマーレ・・・」


969 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/27(金) 19:58:24 ID:???

弥生「素敵な名前ね、モニカちゃんって呼んでもいいですか?」

モニカ「あ、はいっ あの、私も・・・ヤヨイさんって呼んでも・・・?」

弥生「弥生(ヤヨイ)で好いですよ?」

モニカ「あ・・・でも、年上のお姉さんですし・・・
     あれ? 何で年上の人って判ったのかしら!?」

弥生「ふふ、さっきも言った通り夢みたいな物のようですからね。
    なんとなく頭に浮かんで判っちゃうみたいなの。」

モニカ「そ、そうなんですか・・・。」



それからあれこれかれこれ30分―――――

パーン・・・! パーン・・・!
 ドンドンドンドンパフッパフッ

そこには一生懸命クラッカーやティンパニ、サイレンを鳴らす2人の姿があった。
夢と思しき空間という割に、地味な作業を必要とされる理不尽。
しかし2人はこれが自分達の仕事であり使命であると、何ゆえか理解していた。
そして一通り音で盛り上げ終えると、2人は打ち合わせ通りにアナウンスを開始する。


970 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/27(金) 19:59:36 ID:???

弥生「スレ住人の皆さん、お久し振りです。 スレ主の第一代理人こと青葉弥生です。」

モニカ「皆さん初めまして、第二代理人のモニカ・ディマーレです。」

弥生&モニカ「2人合わせて“MCBN(メイド クライ バイ ノーブル)”でーす!」

弥生「・・・・・・」

モニカ「・・・・・・」

弥生「どうしたのかな・・・何故だか涙が出てきちゃった。」

モニカ「私もです・・・このコンビ名、どんな意味なんでしょう?」

弥生「さあ・・・まあいいわ。 モニカちゃん、気を取り直していきましょう。」

モニカ「はい、ヤヨイさん。」

パーン・・・! パーン・・・!
 ドンドンドンドンパフッパフッ


971 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/05/27(金) 20:01:11 ID:???

弥生「えぇと・・・この度は、2011年のGWに実施された“春の人気投票祭”の中で・・・。」

モニカ「第1回アナザーカンピオーネ キャラクター人気投票の結果について発表させて頂きます。」

弥生「今回は登場したキャラクターのうち、多少は人物像が固まった102名について実施されました。
    第1回という事でスレ主が適当に登場させた1発キャラも多く、歴史が浅い割に項目ばかりが
    無駄に多くなってしまった感のある人気投票でしたが・・・。」

モニカ「なななななんと! 総投票数1217票と、(スレ主の)想定の3倍の投票を頂く結果となりました。
     ・・・とは言え、もう少し項目を絞っても良かったのではとモニカは思ったりしてます。」

弥生「いけないわモニカちゃん! 滅多な事を口走ると、また憂き目に遭う気がするの・・・!」

モニカ「えっ、えっ!? ごごごごごめんなさい、私そんなつもりじゃ・・・!」

弥生「(クッ・・・! 大丈夫よ、ここは私が!)さあ先ずは5票を獲得した43位の方々です!
    総勢60名の皆さんが該当しております、それでは御紹介致しますね。」

モニカ(あ、ありがとうございますヤヨイさん、助かりました・・・!)


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