キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/10(木) 23:11:09 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。

内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
また、ストーリーやカードの展開次第で、いくつかのキャプテン森崎のキャラクターも、
それぞれの思惑を持ちながら、幻想郷の住人との交流を通じてサッカーを極めていくことになるでしょう。

他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【私のお小遣いは】鈴仙奮闘記10【53万です】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1379590471/

☆攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

(※このスレの目標や今後の予定、ゲーム進行の流れなどが分かります。
  過去ログもありますので、初めて来て下さった方は、一読すればより楽しめると思います!)

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

妖怪の山FCとの試合は、反町一行の愛の力による覚醒、椛のスーパープレー(ヨーヨーの)、
雛の的確なパスカル潰し、そして――我らが射命丸文の後半の復調によって大きく盛り上がるも、
最終的にはにとりがボロボロになった事で守備は決壊。4−2の大差でルナティックスの勝利となった。
(鈴仙はなんか最大ガッツ減らしたり反則したりしてた)
そんな中、試合終了後、悩みを見せる中山さんがわさビーフに導かれて姿をくらましてしまう。
慌てる鈴仙だったが、今度は紅魔館のメイド長・十六夜咲夜が現れて永琳と会談。
そして、永琳から告げられたのは―――名門・紅魔スカーレットムーンズとの練習試合の決定!
果たして鈴仙は、そして中山達は――真の一流の壁を超えられるのか!?

724 :森崎名無しさん:2013/11/11(月) 23:20:43 ID:???
はなしにならない
せめてもう少し頑張ってほしい

725 :森崎名無しさん:2013/11/11(月) 23:30:31 ID:???
この際光(希望)を相手にする地獄幻想チームでも作ろう
鈴仙、佳歩、マミゾウ(代表)、文、にとり、もうFWそろったよ。やったね!

726 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 23:45:52 ID:tfgrelO+
★鈴仙→戦闘力 6 + ( スペード9 )+( クラブA )=16★
★こころ→戦闘力 5 + ( ハート8 ) + ( 1 )+(優勢補正+2)+(昂揚の神楽獅子+4)=20★
≦−2→敗北。 鈴仙、粘り負けしてしまう。

鈴仙とこころの一進一退の攻防は、永遠に続くかとも錯覚させられたが――。
やはり勝負が長引く事で鈴仙は本来の実力差が、こころは戦闘経験と力の制御の不慣れさが
少しずつ浮き彫りになろうとしていた。

鈴仙「はぁ、はぁ…!(だ――駄目! あっちは疲れてもすぐに復帰できるだけの妖力が有る一方、
こっちはどうしても限界がある! このままじゃあ、押し負けちゃうわ――)」

そうして、この窮地で真っ先に弱気が出てしまうのは鈴仙の悪い癖である。
自分では、やはり勝てないのではないかという絶望が心をもたげてしまい、
どうしても弾幕の威力の維持が難しくなってしまう。 そしてそれは、こころにとって絶好のチャンスだった。

こころ「フフ――焼き払ってあげる♪」

ゴオオッ!

鈴仙「あ――あああっ!?」

そして……熱線を直に浴びた鈴仙は――哀れにもその場に崩れ落ちてしまう。

こころ「――可哀そうな子。 偽りの希望しか持っていないのに、貴女はそれを認めようとしなかった。
だけど――この結果が証拠。 貴女の希望は、偽者だということの」

中山「――ち、近寄るなっ!」

老練な表情で鈴仙を憐れんだこころは、その表情を変えぬままに中山へと近寄る。

こころ「私が希望を失ったせいで、人里の人間達もまた、永らく『希望』という感情を失っていた。
それには貴方のような希望溢れる人間が欲しかったけど―――もう大丈夫」

727 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 23:48:15 ID:???
こころは、中山に話しかけているのか、それとも別な誰かに話しかけているのか。
それすら分からぬ程虚ろな表情で、ふらりふらりと再び歩き始める。
先ほどは一転、中山にはほぼ全くの興味が失せているようにも見えた。

中山「―――結局、彼女の素性はほぼ謎のまま、か。
そして……俺の希望は本当に本物なのかな? こころさんとやら。
――安っぽい受け売りで、森崎に並び立とうと考えていたこの俺の希望が」

中山はスッと鈴仙を抱き起こしながら、ふと考えを馳せる。
この前の妖怪の山FC戦後に対峙した時の、森崎の不敵な笑みが浮かんでくる。

中山「――本物の希望。 真なる希望。 それを持つ人物は俺は知っているが……
知っているだけじゃあ、何も変わらないさ」

最後にそう呟いて、中山(と伸びている鈴仙)は人里を後にするのだった。

*中山の評価値がやや上がりました。(憐れみ的な意味で)

728 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 23:51:07 ID:???
〜8月4週・固定イベントフェイズ〜
【面霊気の行方】

そして、中山と鈴仙が去った後の人里。
こころはふらりふらりと歩き、そして…目的の場所へと辿り着いたのだった。

??「――遅くなってすまないね」

こころ「――希望の面は? 作ってくれたんだろうなァ!?」

??「心配には及ばないさ。 少々時間は掛かったが――問題は全然無い。
だから……これからは私達と一緒に練習に参加するんだよ。 いいね?」

こころ「うん……いいよっ♪」

こころは、薄い金の髪を振りかざした一人の女性と会話をしていた。
その女性は尊大ながらも優しく、まるで愛娘に話しかけるかのようにこころへと語りかける。

神子「(――誰が希望の面を失くしたのかは知れないけれど――資源は有効に使わなくてはね。
この子のお陰で、我々の勝利という『希望』の価値はより大きくなるでしょう。
大会名簿には、あらかじめ名前を書いてあるし。 後はこの子をどう育てるか、ね)」

――もっとも、その聖人は、表情の裏で常に打算を練り続けていたのであるが。

豊聡耳神子。遥か昔にこころの存在の元となる66の面を形造った彼女は、
その地位を利用して、早速も彼女を抱きこんでいたのだった。

*こころが聖徳ホウリューズに入団している事が判明しました。

729 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 23:56:25 ID:tfgrelO+
〜8月4週・練習フェイズ〜
鈴仙「話の流れ的に固定イベントフェイズ一部を前倒ししちゃったけど、今日も練習よ! 試合まで後2回の練習を有効に使いましょう!」

現在の能力値
選手   ド  パ  シ   タ  カ   ブ  せ  総   高/低 
鈴仙  48  49  50  47  46  43  47  330  2  2 

所持中のフラグ:パスカット(10/20)、てゐとのコンビプレイ(8/20)、
オフサイドトラップ(9/20)、タックル(10/20)、(浮き玉成長フラグ・空中プレーでの覚醒時に判定で回収)

最大ガッツ:850

ルナティックレッドアイズ(1/4でドリブル+2)
ラビットスターター(1/4でドリブル+2、吹飛2)
マインドシェイカー(シュート+5、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))160消費 
マインドブローイング(シュート+7、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛5)200消費
マインドスターマイン(空シュート+4、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))200消費
月人師弟コンビ(パス+2の連続ワンツー、要永琳)60消費
タイガーバニーシンフォニア(パス+2の連続ワンツー、要星)80消費
スキル・狂気の瞳LV3(全判定につき、スート(色)一致時敵能力−2(マーク一致時敵能力−3と選択可))
スキル・心象操作LV1(自分が反則時の判定1段階緩和)

A:基礎能力を上げる(更に分岐)
B:必殺技の練習をする(更に分岐)
C:スタミナをつける(判定で最大ガッツが上がります)
D:コーチングをする(更に分岐)

☆現在一緒に練習できる選手(()内は所持フラグ、数値は所得経験値(10で技習得))☆
無条件で参加…輝夜、妹紅、慧音、てゐ(パス0、パスカット0)、中山(ドリブル0)、佳歩(ドリブル0、タックル0)、
          ウサギB、ウサギC、ウサギD、ウサギE(ドリブル0、成長ボーナス・タックルorせりあいorガッツ)
コーチングの為不参加…永琳(タックル0、ワンツー0、シュート0)、パスカル(成長ボーナス・守備系、特殊スキル0、空シュート0)
(*パスカルは判定で練習可能)

730 :森崎名無しさん:2013/11/11(月) 23:57:17 ID:atXEBf5A


731 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 23:57:28 ID:tfgrelO+
【補足・備考・注意点】

・一緒に練習したい選手がいる場合、選択肢の後にその選手の名前を記してください。
(例:A(一人で基礎能力練習の場合)、B妹紅(妹紅と必殺技練習したい場合))

・【誰かと一緒に練習をする場合】、もう一人の選手の能力値も上昇し、評価値も上がりますが、
 【鈴仙自身の成長効率は下がります】。
(基礎練習では上がりやすさ1段階ダウン、必殺技練習では! dice→! dice/2に)
なお、もう一人の選手の成長効率には影響がありません。

・コーチングは、鈴仙よりも総合能力の低いキャラを二人まで選び、
好きな能力値を上昇させることが出来ます。ですが鈴仙自身の能力自体は上昇させることはできません。
選択肢の後にその選手の名前を記してください。(例:D 佳歩、ウサギB)

・永琳、パスカルの能力値は基本的に上昇させることはできませんが、代わりに名無しウサギなど
能力値の低い仲間の能力をランダムで少し上昇させてくれます。

・「オフェンス解説書」等のアイテムは、使用できる選択があった場合にアナウンスがかかります。
「使いたい人に手渡す必要のある」アイテムは、練習フェイズでは使用できず、自由時間等での会話時に、
 目の前に居るキャラに対してのみ使用できます。                                   

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
(前のレスとこのレスの間にある選択も有効になります)

732 :森崎名無しさん:2013/11/11(月) 23:59:25 ID:???
本当に引き勝負になるバトルは鬼門だな…作戦も何も立てられないし。
特にうどんちゃんは引き勝負だと本当に鬼門だから、上限決めておいて方が良さそうね。
今回はこころとの面識ができただけでも良し。中山さんの心境に何か与えただけでも良し。

733 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 00:01:47 ID:/X2CY4rE
C 長い勝負になりそうだからガッツが欲しい

734 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 00:02:14 ID:???
――と、言った所で今日の更新はここまでにしようと思います。
日付をまたいだ場合は、御手数ですが再投票をお願い致します。
>>703
フォーメーション提案ありがとうございます!
スカーレットムーンズの情報について、一部は固定イベントでも入手できるようにしようと思っていますし、
来週の自由行動フェイズでも偵察が可能になっております(脳内練習試合も可能です)。
>>724
正直、ここまで引きが酷いとそう考えてしまいますね…。
2D13なのに、13以上の数を引けた回数が少なすぎると思います。
>>725
ふらの高校幻想郷分校が開校する日も近いですね…。

それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。

735 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 00:04:46 ID:W7ghfHvQ
Bてゐ

736 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 00:10:46 ID:8g89eKqU
Bてゐ

737 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 22:21:27 ID:7Ii5F6y6
こんばんは、今日も更新を始めて行きます。
>>732
サッカーは戦術、戦略がメインとなりがちですので
戦闘判定は引き一発勝負! …という分かりやすさを狙ったのですが、
最近は戦闘ばかりだったため、逆にもどかしさを与えてしまったかもしれません。
引きは……本来平等な筈なんですが(汗)

738 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 22:25:21 ID:7Ii5F6y6
Bてゐ

鈴仙「ねぇ、てゐー? 一緒に練習しない?」

てゐ「えー、メンドくさ……って、冗談よ、ジョーダン!」

最初はあからさまに面倒臭そうな態度を見せたてゐだったが……
鈴仙の真剣な表情を見ると、どうにもふざけ続けてはいられないなと真面目に向き直るてゐ。

鈴仙「今日は互いに、基礎を超えた必殺技の練習でもしようかと思ってね」

てゐ「なるほどねぇ…。 技に溺れるなとは良く言ったもんだけど、
鈴仙ちゃんには逆にもっと派手な技があった方が良いかもだし、良いんじゃない?」

鈴仙とてゐは、互いに頷きあいながら必殺技の練習をしようと決める。
そして、その内容は―――。

739 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 22:28:18 ID:7Ii5F6y6
今週重点的に鍛える必殺技を選んでください。カッコ内は現在の経験値です。

鈴仙の練習は…

A:パスカット(10/20)
B:オフサイドトラップ(9/20)
C:タックル(10/20)
D:てゐとのコンビプレイ(8/20)

てゐの練習は…

A:パス(0/10)
B:パスカット(0/10)

先に2票入った選択肢で進行します。 鈴仙とてゐの練習内容は同時に選択し記入してください。
(例:AA(鈴仙ドリブル、妹紅ドリブル)、CG(鈴仙シュート、妹紅せりあい))
【ただし、鈴仙の練習でDを選んだ場合は、てゐの練習は選択できません。
 間違えた場合は両方とも無効とみなします。(例:DB→×なので、鈴仙のDもてゐのBも無効)】

*この投票は【部分一致制】となっております。各キャラへの投票をそれぞれ独立した物とみなしますのでご注意ください。
(例:@AA、AAB、BBC …といった投票があったとすると、Aの時点で鈴仙のAは確定でBのBは無効、妹紅はABC1票ずつ)

740 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 22:30:17 ID:ZFmldoR6
D

741 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 22:31:13 ID:W7ghfHvQ


742 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 22:57:27 ID:7Ii5F6y6
D:てゐとのコンビプレイ(8/20)

鈴仙「と、いう訳で。 「アレ」の練習、やるわよ!」

てゐ「――た、確かにアレが完成したら派手だろーしなぁ…。
そういうこったら、やってみますか」

鈴仙とてゐは、ゆっくりと基礎からコンビプレーを磨き始めた。

先着1名様で、

★鈴仙とてゐのコンビプレイ練習→! dice★

と書き込んでください。数値の合計が経験点にプラスされます。(現在8ポイント)

743 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 22:58:56 ID:???
★鈴仙とてゐのコンビプレイ練習→ 1

744 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 23:24:42 ID:7Ii5F6y6
★鈴仙とてゐのコンビプレイ練習→ 1 ★
→1ポイント上昇!

しかし、ゆっくりと基礎を固めていく…という考え方は、
この段階の鈴仙達にとっては逆効果であったかもしれない。

バスッ、バスッ、バスッ。

鈴仙「(うーん、こういう普通のパスなら大分良い感じになったと思うけれど…)」

てゐ「(あたしらの目標って、パスを繋ぐ事じゃないし…。 ちょっと、ペース配分間違ったかな)」

既にそこそこの意思疎通と高水準のパス技術を兼ね備えている鈴仙とてゐにとって、
基礎は前の練習一回で充分だった。
確かに、この練習でも鈴仙達は互いにコンビプレーの素地となる連携のセンスを磨いたが、
それはすでにほぼ飽和状態。
神の視点を持たぬ鈴仙達としては仕方が無いとはいえ、何とも勿体ない練習となってしまったのだった。

*コンビプレイの経験値が1上昇しました。現在9/20で、20になると技を未完成状態で習得します。

745 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 23:28:06 ID:7Ii5F6y6
〜コーチング〜

永琳「(もうすぐ、紅魔スカーレットムーンズの試合。 タレントの数ではこちらが上回っているとはいえ…)」

パスカル「(――やはり、勝つにはチームの総合力を高めなくては!)」

先着2名様で、
★永琳のコーチング対象→! card
 永琳のコーチング内容→! card★
★パスカルのコーチング対象→! card
 パスカルのコーチング内容→! card★

と書き込んでください。

○○のコーチング対象のカードの数値が…
JOKER→ウサギ全員(補欠ウサギ(F・G)含む)
K→慧音
Q→てゐ
J→佳歩
8・9・10→ウサギC
6・7→ウサギD
4・5→ウサギE
1・2・3→ウサギB

○○のコーチング内容のカードのマークが…
ダイヤ奇数/偶数→ドリブル+1/パス+1
ハート奇数/偶数→シュート+1/タックル+1
スペード奇数/偶数→パスカット+1/ブロック+1
クラブ奇数/偶数→せりあい+1/最大ガッツ+10
クラブA→効果が無かった…
JOKER→全能力+1

746 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 23:31:53 ID:???
★永琳のコーチング対象→ クラブ9
 永琳のコーチング内容→ ダイヤ9

747 :森崎名無しさん:2013/11/12(火) 23:35:17 ID:???
★パスカルのコーチング対象→ ダイヤ8
 パスカルのコーチング内容→ スペード5

748 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/12(火) 23:46:37 ID:???
ウサギCのドリブルが+1、さらにパスカットも+1!
…と、言った所で今日の更新はここまでにしようと思います。
ちなみに、これでウサギCのドリブルは名無しウサギでトップになりました。
(とはいえ低いですが)これからのテコ入れ次第では、彼女もはっはあ〜なエースになる望みがある!
…かもしれません(汗)

それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。

749 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 22:41:37 ID:???
こんばんは。今日も更新をしていきます。
―――――――――――――――――――――――
★永琳のコーチング対象→ クラブ9
 永琳のコーチング内容→ ダイヤ9 ★
★パスカルのコーチング対象→ ダイヤ8
 パスカルのコーチング内容→ スペード5 ★
→ウサギCのドリブル+1、パスカット+1!

永琳「(今の所、成長が遅れているのは……)」

パスカル「(彼女――だな)」

ウサギC「ほえ〜?」

試合を前にしての、名無しウサギの直前強化。
永琳とパスカルが目を付けた選手は、奇しくも同じだった。

ウサギC「わ、わたし〜?」

永琳とパスカルに同時に呼ばれた彼女――ウサギCはそのただでさえ丸い目を
更に大きくまん丸に変えて、大いに驚愕していた。
……だがしかし、永琳やパスカルが言うように。
現状、永遠亭ルナティックスの名無しウサギの中で最も成長が遅れているのはウサギCであった。

永琳「大丈夫よ。 今日は厳しい練習では無く、貴女の才能を伸ばす練習に終始しようと思うから。
それだったら、気分屋さんの貴女でも音を上げたりはしないと思うわ」

ウサギC「ふ、ふわ〜い…」

パスカル「――君は才能では恐らく、名無しウサギ達の中でも抜きんでている。
だからこそ、その才能を活かせるようになりたいじゃあないか?」

750 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 22:44:20 ID:???
――マイペースで気分屋のウサギCは、
基本的に真面目な優等生肌である、他のウサギ達と比べると随分異質である。
しかし、それでも彼女は持ち前の才能と無自覚の努力で、ここまでやってきたのだ。
だからこそ、彼女の覚醒はきっと様々な意味で重要となると考えられる。

ウサギC「(う〜ん、最近試合出られてないしなぁ。 ここでいっちょ、わたしも頑張ってみたらいいのかなあ)
――じゃあ…おなしゃ〜す!」

そして、ウサギC自身も決して怠惰な性格では決して無かった。
最終的には彼女自身の小さな奮起で、得意のドリブルを伸ばし、パスカットも地道な成長を見せる。

永琳「(――天才肌、とはいえ。 やっぱり彼女の意思に任せっぱなしじゃあ限界があるわね。
試合や日常でも、この子の面倒を見てあげれば化けるのかもしれないのだけれど…。
それは、他の子にも言えることだし)」

だがしかし、それでもまだ一流選手を相手取るにはどれも覚束ないと永琳は感じ取っていた。
彼女が大きく化けるか否かは、まさしく彼女自身の才能の底深さと…周囲のサポートに託されていた。

*ウサギCのドリブルが+1されました。
*ウサギCのパスカットが+1されました。

751 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 22:45:32 ID:???
〜8月4週・固定イベントフェイズ〜
【紅魔の力】

〜人里サッカーコート〜

鈴仙と中山が人里の謎に挑戦している間も、
ライバル達はもう間もなくとなった10月の大会に向けて研鑽を続けている。
――いや、正確には、『研鑽を続けている選手も居る』…という表現が正しいかもしれない。
というのも、幻想郷の名選手の多くは、そう努力せずとも高い実力を保ち続けているのだ。
種族の差か、練習環境の差か、あるいは純粋な才能の差か。
幻想郷においては、強者と弱者との間を隔てる壁は外界以上に大きかった。

レミリア「……退屈」

――そして、日傘を差しながら残暑の残るサッカーコートを睨みつける少女は、
種族・環境・才能共に恵まれた、まさに『皇帝』。――否、『紅帝』レミリア・スカーレット。
その目線には心底からの軽蔑と退屈が渦巻いていたが、
しかしその瞳は余りに美しく、男は勿論、女ですらも魅了されてしまうのでは無いのかと思う程妖しかった。

咲夜「――お嬢様、お言葉ですが。 この試合が白熱していてはそれこそ問題かと。
貴き者は、退屈にこそ彩を見つけるべきと思いますわ」

そんな彼女を凛と窘めるのは、まさしく従者と言った出で立ちの少女。
か弱き人間でありながら、恐怖の吸血鬼に対してこうも口を聞けるのは
彼女を含めても数えるほどしか居ない。『悪魔の荒鷲』十六夜咲夜は、瀟洒な表情を浮かべていた。

752 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 22:47:15 ID:???
レミリア「…咲夜」

レミリアはスッ、と咲夜の方を振り向き――。

レミリア「いいこと言った」

年相応の少女らしい、悪戯っぽい笑みを返す。
咲夜は、大観衆の観客席を仰ぎながらその微笑みを見て…少しだけ笑った。

***********************

実況「え、えー…。 紅魔館の主! レミリア・スカーレット氏の突然の提案により
今日急遽開催されたこの親善試合でありますが……。 ―――なんと、紅魔スカーレットムーンズ!
全幻想郷選抜大会告知から半年近く!大会開会から約一カ月前にして! …これが、初の練習試合となります!
これは、未だ正体を現さない謎のチーム・聖徳ホウリューズを除いて他に例がありません!
しかし一方で、紅魔スカーレットムーンズは来週の末に強豪! 永遠亭ルナティックスとの練習試合を予定しています!
つまりこれは、直前調整という事になるのでしょうか〜〜〜〜〜〜!!??」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」「お、俺ずっとレミリアさんのお姿を生で見たかったんだ!」
「咲夜さーん! 俺だ! 養ってくれーっ!」「フランちゃーん! かわいーい!!」「パッチェさーん! フルタイム出場してー!」
「小悪魔の地味な名プレーにも期待だな」「め、めいりんさんも頑張れー」「でも大丈夫かよ? 流石に試合ボケしてるんじゃね?」

咲夜の仰いだ先――観客席の人間・妖怪達は、名門チームの遅すぎる初陣に期待を膨らませている。
勿論、中にはそれを不安視する者も少なくは無かったが…それらを含めた観客の多さこそが
彼女達の名門・カリスマ性を表すのには相応しいだろう。

753 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 22:50:31 ID:02W4iXHk
レミリア「さて。 今日の試合はどことだっけ。 えっと……美鈴」

美鈴「は、はひいっ!?(お、お嬢様が私の名前を覚えていた!?)」

先ほどまで咲夜と会話を交わしていたレミリアも、この観客にひとまずは満足しており、
やや上機嫌な様子で美鈴に話しかける。
美鈴はやや緊張しながらも、門番以外に与えられた仕事を全力で遂行しようとする。

美鈴「今日の練習試合は、えー……」

先着1名様で、

★やられ役チーム→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

JOKER→美鈴「どうやら、外界のチームみたいですね! 腕が鳴ります!」(*更に選択)
ダイヤ・ハート→美鈴「命蓮寺ロータスですね。 フェアプレーを身に付け、ますます強敵になったと聞きます!」
スペード・クラブ→美鈴「妖怪の山FCですね。 正直、タレントの数と総合力ではウチを超える…かもしれません!」
クラブA→美鈴「露鈴兎ヒャッホーズ…。 何だか明るくて良い名前ですね!」(小並感)

754 :森崎名無しさん:2013/11/13(水) 22:51:27 ID:???
★やられ役チーム→ スペードA

755 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:48:12 ID:???
★やられ役チーム→ スペードA ★
スペード・クラブ→美鈴「妖怪の山FCですね。 正直、タレントの数と総合力ではウチを超える…かもしれません!」

レミリア「知ってる」

美鈴「はぐっ!? じゃ、じゃあ何で聞いたんですかお嬢様ぁ…」

レミリア「……何となく」

パチュリー「(美鈴…哀れな子)」

真剣に仕事を全うした美鈴に対して、レミリアはぞんざいな態度を取る。
『もやしのエース』パチュリーはそんな二人の様子を呆れ半分面白半分で眺めながら…。
自筆のノートに目を落として思考していた。

パチュリー「(――けれどレミィ。 実際にあのチームはそこそこの強敵よ?
私や助っ人が居れば負ける事は無いとは言え、それでも私達の初陣を飾るに
相応しく無い勝負になるかもしれないわ)」

あくまで余裕を決め込むレミリアだったが…一方でパチュリーは内心、
相手の実力を高く評価していた。
幻想郷最速のドリブルを持つ射命丸は、パチュリーの芸術的ドリブルにも匹敵する実力を持っているし、
反町やはたてや椛、それに合体技を持つ秋姉妹と言った中堅選手を小悪魔一人で対処させるのは厳しい。
美鈴の守備力では、2点か3点は覚悟せざるを得ないだろう。…と、パチュリーは推測する。

756 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:50:13 ID:???
フラン「ねぇねぇ! あの妖怪の山FCのゴールキーパー、ふっ飛ばしても良いかな、お姉様!」

そして、パチュリーが推測を重ねる一方で、『狂気のストライカー』フランドール・スカーレットは
無邪気かつ無思考に、ただただ相手を吹き飛ばしてゴールを決める自分の姿を夢想していた。

レミリア「ええ…。 今日は久しぶりの点取り合戦で遊びましょうか、フラン」

フラン「わーい♪」

そして、姉であるレミリアはそんなフランを止めようとはせず、むしろ自由に振舞えと指示する。

レミリア「(フランは大分良くなったけれど…それでもあの子は狂犬。だけど、敵に噛みつかせれば十二分に役立つものね)」

その内心には勝利への打算も含まれてはいたが、
笑顔を爆発させるフランの姿を見て、レミリアは幾ばくかの愛しさを籠めた微笑みを浮かべていたのも事実だった。

757 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:51:45 ID:???

??「…………」

そして、彼女達が思い思いに時間を過ごしている中、『助っ人』である彼は独り無言。
それこそ、心の底から退屈そうに腕を組み、試合が開始されるのをジッと待っていた。

小悪魔「あ、あのぅ……。 パチュリー様に聞いたんですけど。 今日、出番があるかもって…。
ただ、まずは様子見としてベンチスタートとのことでしたが」

居た堪れなくなった小悪魔は、ふとその少年に話しかけるも。

??「――……ある」

小悪魔「へ?」

短髪のやや小柄な少年はボソボソと話すだけで、その態度を決して軟化させたりはしない。
しかし、それは彼が寡黙な性格であるからでは無い事は、小悪魔は実は知っていた。

小悪魔「(――あまり表に出る事はするな、極力口も開くな…っていうのがパチュリー様の命でしたっけ。
情報を開示させないというのは重要としても、少しやり過ぎなような気が…)」

――その為、小悪魔はそれ以上彼と接触する事は避け、
緊張を隠せない様子である、妖精メイド達の方へと向かうのだった。

758 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:52:47 ID:???
実況「さあ〜! そして試合開始まであと5分を切りました〜!
両チームともに控室からフィールドへと堂々と出て行きます!」

はたて「きょ…今日は宜しくねっ!」

小悪魔「ええ、宜しくお願いします(少しきょどきょどしてるように見えるけど…人見知りなのかな)」

フラン「えへへ〜! 今日はハットトリックを取らせて貰うから!」

にとり「ひゅ、ひゅぃいい…(私、天国行けるかなぁ……)」

雛「(ご冥福を祈るわ、にとり……お葬式はきっと来るからね……)」

椛「ストリングプレイ・スパイダーベイビー!」

美鈴「す、凄い腕前です…! 貴女は一体何者…!?」

反町「よ、よろしくおねがいします(こ、怖い女性だなぁ……)」

咲夜「勝負の場だもの。 馴れ合いは必要ないわ」

穣子「う、浮気なの一樹君!? あんな女性に話しかけて!?」チャキッ!

静葉「駄目よ穣子! 幾ら貴女でも私のネタを奪うのは許せない!」チャキッ!

フィールドにて、紅魔スカーレットムーンズのメンバーは思い思いのメンバーに話しかける。
そしてそんな彼女達の様子に、曲者揃いの妖怪の山FCといえども気押されがちであった。(ただし椛は除く)

759 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:54:22 ID:???

射命丸「(この試合で恐らく下調子のレミリアさんを打ち倒し、私の名を内外へ売り込みたい所ね)」

レミリア「(フン。 不確かな地位と権力に縋る狗が。 ……貴女の欲望、叩き折ってあげるわ)」

そして、両チームのキャプテン同士の睨みあい。
栄光の座を夢見る射命丸と、既にその座に腰掛けているレミリアの感情は似ていながらも
全くの対比であり、それ故に無言でも両者の温度は灼熱のように熱い。

パチュリー「…………」

しかし――その様子をベンチから見ていたパチュリーの目線は、氷のように冷たい。
何故なら、彼女は完全に理解していたからである。 
この試合の真の意味を。そして、この試合が辿るであろう結末を。

パチュリー「(私はさっきこう考えた。 『私達の初陣を飾るに相応しく無い勝負になるかもしれない』と。
しかしそれはあくまでも物理的、理論的に起こり得る可能性について述べたのみ。
実際は、私達が強者の地位に溺れ、全くの油断を見せ続けた結果生じるもの。
つまり、レミィの気高きメンタリティ。 そして運命を操るまでのプレーをいつも通り見せていれば、
きっと試合は、レミィの望んでいた通りの試合となる。 即ち――――)」

ピイイッ!

実況「おっと! ここで試合開始です! 妖怪の山FCが先攻でボールを持った〜〜〜!!」

パチュリーの思考を置き去りにして、試合開始の笛がけたけましく鳴り響く。
実況の怒号とタイミングを同じくして……パチュリーはこの試合の真の意味。
そして恐らく訪れるであろう結末を提示する。

パチュリー「(永遠亭ルナティックスに対する、最も性質の悪い宣戦布告……ね)」

760 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/13(水) 23:57:05 ID:???
…と、いったところで今日の更新はここまでです。
明日、明後日くらいまではこんな感じのほぼ無判定パートが続く…かもしれません。ご了承ください。
長くなり過ぎない程度に、白熱した試合展開を描写していきたいなぁ…と思います。
それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。

761 :森崎名無しさん:2013/11/14(木) 00:17:37 ID:???
悪魔の荒鷲……名づけたのは誰だろう

762 :森崎名無しさん:2013/11/14(木) 01:26:32 ID:???
乙でした。順当にいけば必要なのはブロッカーだから、短髪でやや小柄…石崎君?
JYで考えると後はカルツぐらいしか思いつかない、一応ボッシや小田もいるけど。

763 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:38:31 ID:???
こんばんは。今日も更新をしていきます。
>>761
メタ的に言うと作者のノリですが、多分紅魔館の広い地面で鍛えられた足腰が
まるで荒鷲のように強靭だったんだと思います。
>>762
乙ありがとうございます。
守備力を補強してくれる選手であるのは間違いないです。
ただ、ここまで勿体ぶっておいて何ですが、正体がわかった時「ハァ?」ってなると思います(汗)。

それと、本当は昨日の更新終了時に載せようと思った両チームのフォーメーションを書かせて頂きます。
名無しは基本記載しておりませんが、先日の試合でブロックフラグを習得した河童Aだけは名有り?扱いです。

−−@−− @にとり
C−B−A B穣子 A河童
−−−−−
−−D−− D静葉
G−−−E G雛
−−I−− Iはたて
F−−−− F射命丸
−−H−J H椛 J反町
妖怪の山FC:3−4−3
紅魔スカーレットムーンズ:4−4−2
−J−−− Jレミリア
−−−H− Hフラン
−−−−− 
GI−FE I小悪魔
−−−−−
−−D−− D咲夜
−ACB−
−−@−− @美鈴

764 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:39:34 ID:???
しかし―――前半開始直後は、パチュリーの予言とは違った方向に試合が展開していた。

射命丸「(後半になると、あのスペランカー魔女が出て来ちゃうもの。 ここは…)
――早速のフルギアで行きますよっ!」

ギュウウウウウン!!

フラン「アハハハッ! ねえお姉様、一緒にあの烏撃ち落としましょ!」

レミリア「ええ、フラン」

実況「さあ〜! はたて選手からボールを受け取った射命丸選手! 
一気に全速力のドリブルで、プレスを掛けるレミリア選手とフラン選手とを抜きにかかる〜!
幻想郷最速は、幻想郷最狂の姉妹に太刀打ちできるのか〜!?」

荒削りながらも強力なチャージで射命丸に向かうフランと、
洗練された剣の一閃の如く鋭いスライディングタックルで射命丸に向かうレミリア。
その両者による洗礼は余りに凄惨な物であったが――。

射命丸「見なさい!―――これが幻想郷最速のドリブルですッ!」

シュン! ……ッザアアアアアッ!

射命丸とて、伊達に幻想郷最速の名を冠してはいない。
得意の高速ドリブルに、付け焼刃で身に付けたフェイントを全力で駆使して
猛攻を蝶のように受け流す事に成功する。

765 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:40:40 ID:???
レミリア「……おっと、逃しちゃったか」

フラン「むーっ! もっと楽しませてよぉー!」

実況「おおお〜っ! 射命丸選手! あの二人を前にして全く物おじせず、
あくまで自らの長所をふんだんに活かしたドリブルで突破〜!!これは、早くも番狂わせが期待できるか〜〜〜!?」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアア!!」「しゃめっいまっる! しゃめっいまっる!」
「おい、射命丸って案外大した事あるんじゃ…」「シッ、まだ黙ってろ」「(この人達何なんだろう…?)」

パチュリー「(これはレミィ達のミス…というよりは、相手のドリブルが一段上だったという事かしら。
これで中盤は、突破されてしまったも同然ね)」

そして、パチュリーの指摘するとおり。
レミリアとフランが突破を許した以上、紅魔スカーレットムーンズの中盤は一瞬で壊滅状態に陥る。

射命丸「さて…大分視界が開けてきましたねぇ」

小悪魔「め、メイドの皆さん! 人数を掛けてタックルに…」

射命丸「おっと、それは望む所です! ―――とか、言うと思いました?」

バシュウン!!

小悪魔「あ、ああっ…!?」

メイドF「と、取れませ〜ん!?」

反町「ナイスパス、射命丸さん!」パシッ!

射命丸はドリブル突破を匂わせて、小悪魔達MF陣の注意を惹きつけてからのロングパス。
妖精メイド達の能力では、射命丸の正確なパスには触れる事すら叶わず…。

766 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:41:44 ID:???
実況「さあ! 反町選手が早くもバイタルエリア手前でパスキャッチ!
射命丸選手もゴール前に全速力で駆けこみ、ねじこみを狙う格好となっております!
紅魔スカーレットムーンズ! ここでパチュリー選手抜きの中盤の弱さを明らかにしてしまった〜!」

前に走り込んでいた妖怪の山FCのストライカー・反町にボールを持たせてしまう。

反町「(この前の試合は、俺はノーゴールだったんだ! 穣子と静葉さんの頑張りに応える為にも、
今日の試合こそはゴールを挙げてみせる!)――アキュラシーシュートだっ!」

グアアアアッ…バッシイイイン!!

そして、反町は牽制も兼ねてミドルシュートを放つ。
その威力は小さく纏まってはいたが、決して低い訳では無い。
前情報通り、美鈴が二流のGKであるならば充分入り得るシュートであると反町は確信していたが…。

咲夜「――悪いけど、こんなつまらないシュートを許してしまい。
お嬢様の顔に泥を塗る事だけはさせないわ。 ―――時符・プライベートスクウェア!」

バッ! ―――バッ…チイイイイイイン!

反町「し、しまった! (だけど、ボールはまだ死んでいない! この位置なら、椛さんが…!)」

この試合、CBとして先発していた咲夜の渾身のブロックによって威力を大きく削がれてしまう。
だが、威力を完全に殺しきれた訳ではなく。
ボールはセンタリングのようにフワリと浮いて、PA内の上空を彷徨っていた。

椛「し――しめた! 行くぞ、ストリングプレイ・スパイダーベイb……」

それを絶好のチャンスと感じ、椛は高く跳び必殺のシュートを繰り出さんとするが…。
それは大きな間違いであった。

767 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:42:45 ID:???
美鈴「しめたのはこっちです! 空中戦なら―――負けないっ!」

バッ…! グワアアアアッ!

椛「って…ふえっ?」

美鈴「ホアチョ〜〜〜〜〜〜!!」

 バアアアアアアアアアアン! バシュウウウッ!

実況「出た〜っ! 美鈴選手の秘儀・浴びせ蹴り…じゃなくて彩虹風鈴だ〜!
紅魔スカーレットムーンズ! ここで早速のピンチを脱します!」

射命丸「(あやや…やはりそう簡単には上手く行きませんね)」

はたて「い――急いで守備に回らなくちゃ!」

パチュリー「(やはり美鈴の空中戦は安定しているわね…。 ダイレクトシュートに関しては、現状でも中々の出来だわ。
――ただ、それでも強豪選手相手だったら微妙だけど)」

美鈴「さあ、ここから反撃ですよ、皆さん!」

バッゴオオン!

実況「そして美鈴選手、大きく前線へとフィードバック! ここから紅魔スカーレットムーンズの反撃となるか!
それとも妖怪の山FCの第二陣となるか! 勝負はこれで、全くわかりませ〜〜〜ん!!」

美鈴の放った正確なフィードは、彼女の心根のように真っ直ぐと前線へと伸びて行き…
そして、目当てであるレミリアの少し手前で落下していく。

768 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:43:46 ID:???
レミリア「さて……雑魚を散らしてから、悠々とトラップさせて貰うわよ」

静葉「み、みのみのみのみのみの…りりりりりここここここここ? い、いいいいい行くわよよよ???」

穣子「く、くくくりくくりくりくりあーだだだね? お、おおおおおおお姉ちゃん!??」

不幸にも彼女と競り合う相手となってしまったのは、中盤底で待機していた穣子と静葉。
彼女達はなけなしの勇気を振り絞り―――。

穣子「い、行くよ!? おおお姉ちゃん!?」

静葉「え、ええ! ……反町君バンザーイ!!」

ガシッ! バアアアアアアアアアン!!

実況「静葉選手! オータムスカイラブで飛ぶ〜〜!!」

競り合いが比較的強い静葉による、オータムスカイラブクリア。
前の試合では、この合体技で鈴仙などの格上選手とも互角に渡り合って来たが…

レミリア「ええ…私を畏れて居ながらも、勇気を出して最高のパフォーマンスを発揮した事。
それを私は、高く評価する。 だけど―――」

バアアアアアン! ガシッ!

静葉「!?」

レミリアは、その小さい身体からは想像がつかないまでの跳躍力で静葉の身体の間にボールを挟み込み。

レミリア「力無き勇気。 人をそれは『蛮勇』と呼ぶわ…!」

ドッ…ゴオオオオオオオオオオオオン!!!!

769 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:45:10 ID:os2HUax6

静葉「キャ…キャアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

静葉のその華奢な身体を、空中から地面へと思いっきり叩き落とす。
銃弾を撃たれた鳥のように、静葉はヒラヒラとフィールドに舞い落ちて行く。

実況「レミリア選手! 美鈴選手のナイスフィードに対して…競り勝った〜〜!!
まるで身にたかる蠅を蹴散らすかのような勢いで、静葉選手を大地に張り付けました!
しかしこれはボール越しの為反則ではありません!」

穣子「お、おねえちゃーん!? 死なないでぇー!?」

まさに悪魔の力を体現したかの如くに圧倒的な競り合い強さを魅せたレミリア。
彼女は悠々とゴールからおよそ30メートル程の位置でボールを確保し……。

レミリア「(さて……1点目はどうしようかしら)」

強者としての余裕を持ちながら、グルリとフィールドを見渡した。

先着1名様で、

★まずは1点目→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

JOKER→雛「(相手はよそ見をしている! 今の内に…)」パシッ! レミリア「あ、あれ!? ボールが無い!? うー!うー!」
ダイヤ・ハート→フラン「もー! 早くシュート撃ちたーい!」レミリア「(今の内に、あの子に撃たせてやろうかしら)」
スペード・クラブ→レミリア「――まずは決めさせて貰うわ。 悪く思わないでね、フラン」
クラブA→小悪魔「こい! 私に持ってこい!」レミリア「(随分と偉くなったなコイツ…。 でも、あの表情は本物ね)」

770 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/14(木) 23:46:15 ID:???
…と、言った所で今日の更新はここまでにしようと思います。
皆さま、本日もお疲れさまでした。

771 :森崎名無しさん:2013/11/14(木) 23:49:30 ID:???
★まずは1点目→ ハート5

772 :森崎名無しさん:2013/11/15(金) 00:49:00 ID:???
乙です。
JOKER見たかった(笑)

773 :森崎名無しさん:2013/11/15(金) 20:41:18 ID:???
サッカー少女 壊し屋フラン はじまるよ

774 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:47:22 ID:???
こんばんは。遅くなりましたが今日も更新を始めて行きます。
>>772
乙ありがとうございます。JOKER出てたら今までの描写が全てパアになるので少し怖かったですが、
その時はびっくりJOKER大賞狙いでしたねw
>>773
姫様はケガしないので壊れないよ!やったねフランちゃん!輝夜「おいやめろ」

★まずは1点目→ ハート5 ★
ダイヤ・ハート→フラン「もー! 早くシュート撃ちたーい!」レミリア「(今の内に、あの子に撃たせてやろうかしら)」

レミリアはふと周囲を見渡し……

フラン「お姉様ーっ! 早くあの河童をふっ飛ばしたーい!」

にとり「あ、あわわわわ…! や、やいお前らDF共! 皆でゴール前を固めるんだよぉ〜!?」

河童A「りょ…了解よにとり!」

河童C「(河童ってにとりの事かな、それとも私達の事かな。 それとも…どっちもかな)」

彼女のやや前方で、妹であるフランドールが早くもPA内でむくれている様子。
そしてそのついでに、GKのにとりが慌てふためいている様子が見て取れた。

レミリア「(フラン。 ――そうね、相手GKはPAをガチガチに固めているようだから、
センタリングに邪魔が入る事もなさそうだし。 あの子のガス抜きの為にも、まずは…)
――みっともないわよ、フランドール。 ボールならあげるから……」

そこからレミリアは少しだけ前方に上がり――。

レミリア「全力で行きなさい」

バシュウウッ!!

775 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:48:30 ID:???
実況「さあ〜!! レミリア選手、やや右サイド寄りに切り込んでから低いセンタリングを出した!」

雛「だ、ダメ…! ここを通したら――!」

天狗E「雛さん、お手伝いしますっ!!」

フランに向かって、やや低い弾道のセンタリングを放つ。
鋭くも正確な、並みのゲームメーカー顔負けのパス力を誇るレミリアのパスは、
カットに向かう雛と天狗Eを自在に翻弄して、触れる事すら許さない。

フラン「やったぁー! お姉様大好きッ!」

ブウン! グワアアアアアアッ!!

無邪気な嬌声と共に、フランはおぞましいまでの轟音を立ててそのローボールに飛び付く。
背丈の低い彼女であるが、低空であれば関係が無い。
自慢のキック力を活かした、文字通りの必殺ダイレクトシュートが今、飛び出そうとしていた。

にとり「き、来たァッ!?(のびーるアームは改良したけど…ここは飛び出す!
そっちのがまだ弾ける可能性が高い筈だかんね!)」

河童A「ここはにとりの応援よ、河童C!」

河童C「もし万一弾く事が出来れば、相手のフォロワーが他に上がってない以上有利だもんね!」

妖怪の山FCの守備陣は、僅かな望みを持ちながらもそれぞれ飛び出し、クリアへと向かうのだが…。

フラン「―――皆、吹き飛んじゃえ! QED……495年の波紋ッ!」

ギュウウン! バッ!

776 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:49:30 ID:???

フランは相手の動きを全く気にせず、反則すら厭わぬと激しくボールへと飛び着きながら、
地面スレスレの場所で大きく態勢を低くする。
そしてフランがほぼ地面から平行の位置にまでたどり着いたところで……。


       フラン「うぉあああああああ〜〜〜〜〜〜!!!」


グワアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! バシュウウウンン!!
    ズゴオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!

777 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:50:43 ID:???
ピッチの芝生を刈り取り焼き尽くすかの如くに、速く豪快なシュートを天空に向かって撃ち抜く。
そのシュートと形容すべきかも不明な何かは、まさに閃光のようにキラリと煌めきながら、
妖怪の山FCのゴールを抜けようと突き進み……。

河童A「――キャアッ!?」

河童C「う、うわああああああ〜〜っ!!」

にとり「(は…早いし、強いし……怖い!)ひゅおぇえええええええええ〜〜〜〜!!!」

バゴオッ! ドガバキズゴッ! バキュウウウウウン!!

 ―――――ズバアッ! シュウンン……  ―――ドゴオオオオオオン!

観客「う…うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ネットを軽く突き破ってゴールするだけでは飽き足らずに、
ボール越しににとりをも天空へと運び去り、観客席のど真ん中へと連れて行く。
天からにとりが降ってきた後の観客席周辺は、悲鳴と怒号とが入り混じり、逃げ惑う人々の姿は
まるで水面に石ころを投げた後の波紋のようにも見える。

一瞬で阿鼻叫喚の図へと陥る観客席。
しかし、それでも試合は続いている。審判はヒッ、と怯えながらも笛をもう一度くわえ直して…。

ピッ、ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

紅魔スカーレットムーンズ 1 − 0 妖怪の山FC

フラン「えへへ…やったぁ!!」

778 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:51:51 ID:???
実況「―――え、えー。 観客席の皆さま! 逃げないで下さい! 
破損してしまった座席につきましては、只今係員が修復に移ります! 繰り返します!…」

可愛らしくガッツポーズを天に掲げ、ゴールの喜びを体感するフランだったが…。
通常ならばシュートに対する評価や選手の好プレーを褒めたたえるべき場面にて、
実況はひたすら事務連絡を発するに留まる。

レミリア「ナイスシュート、フラン。 だけど、私だってまだ負けないからね」

フラン「ウフフ! お姉様はアシストだけでも良いんだよ?
この調子で、私がハットトリック…。 ううん、ダブルハットでも狙っちゃうんだから!」

レミリア「あらあら、御言葉ね。 けれど、飛ばし過ぎで後半出られなくなっても知らないわよ」

フラン「まだ大丈夫だってば! ――だけど、次はスターボウブレイクにしよっと。
すぐに壊れちゃったらつまんないし」

レミリア「そうね――貴女だったらそのシュートでも充分だもの。
そうやって、ペース配分を考えるのも、一流たる選手になるには重要よ」

フラン「はーい」

そんな周囲の状況を全く気にも留めず、すぐ近くのレミリアはフランのゴールを祝福する。
しかしその一方で、彼女の悪癖でもある飛ばし癖をやんわりと修正していた。
フランという暴れ馬の舵取り役は、一挙にレミリアが引き受けているのだった。

779 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:52:52 ID:???
パチュリー「(相変わらずエグイシュートね……)」

そして、紅魔スカーレットムーンズのベンチにて、パチュリーは思わず悪態を突く。
だがしかし、それだけフランドールの放ったシュートは規格外だったのだ。

パチュリー「(もっとも、あれ以上の決定力を持ったストライカーも幻想郷や外界には居るでしょうけど…。
あの子程、軽々とそれを放てる選手となると――他に居ないかもしれないわね)」

パチュリーが考察するように、フランドールのキック力は非常に高い。
その反面で、レミリアと比較しテクニックやスピードで大きく欠けている点もあるのだが…
その何にも縛られないパワーによる必殺シュートは、高度なテクニックで補おうとする他の選手のそれよりも
遥かに燃費の面で優れている。

パチュリー「(彼女が前線に存在している。 それだけで敵チームには圧倒的な絶望感を与える事が出来る筈よ)」

780 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:54:13 ID:???

にとり「ひゅいい…今日も酷い目にあったよ」

雛「お疲れ様、にとり(この子、厄い……厄すぎるわ……)」

そして何とか観客達の混乱が収まったところに、奇跡的に負傷の無い状態のにとりが
妖怪の山FCのゴールへと帰還してくる。

はたて「――正直、予想以上に相手が格上だったわねぇ。 妖精メイドばっかりのチームだから、
その穴を突けば何とかなるかと思ったんだけど」

射命丸「GKの美鈴さんを正直舐め腐っていましたね…。 彼女、空中戦限定とは中々やりますよ」

反町「とはいえ、下手なミドルシュートを撃ってもCBの咲夜選手がブロックをしてくる。
一体どうすれば―――」

椛「あっ、反町さんはご存知なかったかもですけど、あの咲夜さんは本職はボランチなんですよ。
だから、ブロックについてはそう得意じゃない筈ですし、私や反町さんが何度も撃てば、いつかは入ると思います!」

静葉「……結局。 こちらはひたすら手数で押すしか無いという事ね」

穣子「私たちのチーム力で、勝利しかないわね!」

フランドールがゴールを決めたのが、前半5分の出来事。
まだまだ逆転は可能であると、この時点の妖怪の山FCメンバーは諦めてはいなかった。

781 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 00:55:18 ID:???
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

実況「さあ! 気を取り直してキックオフです! 妖怪の山FCはまずはたて選手がボールを確保!
落ち着いたボールキープとパスワークで、試合を落ち着けようと躍起になっております!」

はたて「(文のドリブル突破も、それほど分が悪くない勝負だと思うけど……
さっきので点が取れなかった以上は、一旦打ち止めね。
これ以上慌てて突っ込んでも、それだけ敵のカウンターの機会を与えてしまうだけ! ここは我慢するのよ……)」

フラン「むーん、つまんないの」

レミリア「(……当然の戦法だけど、私達相手にいつまでそれが通用するかしら?)」

はたては勝負を急がず、無難なパスワークでレミリアやフランの牽制程度のプレスをパスで交わして行く。
無為なカウンターを防ぐためでもあったが、サポーターの手前、大量失点は避けたいという打算も無いでは無かった。
そして、充分な時間を牽制に使った妖怪の山FCは……。

フラン「えーいっ! ボール頂戴よー!」

はたて「(近づかれる前に――)雛、一旦お願いっ!」バシュッ!

雛「(――J番(フラン)が中央に寄って来たわね…。 ここは――攻め時!)
――ブロークンアミュレットよ……!」

バチッ! ギュウウウウウウウウン!!

左サイドの雛を起点に、攻勢を開始する。
まず雛は、フランが中央に寄った隙を狙って、パスを前方の射命丸へと通していき…。

射命丸「ナイスですよ、雛さん!」

782 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 01:01:00 ID:ch7K5P1E
実況「おおっと! ここで雛選手が際どいコースを縫ってパスを放つ!
辛うじてカットに向かったメイドG選手を弾き飛ばして……射命丸選手がパスキャッチです!」

射命丸「(幻想郷最速の私と言えども、咲夜さんのタックルはぶっちゃけ危険ですからね。
ここは適度に上がって、椛あたりにでも渡すのが理想ですが――――)」

タタタタッ!!

射命丸は、FW陣と共にそのまま左サイドを掛け上がっていく。
先程の全力には及ばないとはいえ、それでも幻想郷最高峰クラスのドリブル力を誇る彼女は脅威であり、
中盤の小悪魔やメイドFのタックルを余裕で回避し、PA付近まで駆けあがる。

実況「さあ! 妖怪の山FC! いよいよ本格的な反撃態勢に持っていきました〜!
射命丸選手がボールを持ちつつも、PA内には椛選手に反町選手!
そしてその後ろにははたて選手もフォローに備えているため、まさに攻めは盤石!
先ほども後一歩まで追い詰めた妖怪の山FC! ここで今度こそ、1点を決める事が出来るか〜!?」

射命丸「(さて――相手はどう出るかしらね?)」

先着1名様で、

★2回目のチャンス→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

JOKER→謎の向日葵仮面「突然だけど能力値吸い取んぞゴルァ!」おっと、ここで咲夜のボランチに必要な能力が減少だ!
ダイヤ→メイド妖精達に囲まれた! 3人が一斉にタックルに向かう!
ハート・スペード・クラブ→パスを出す前に、咲夜が猛然とタックルに向かう!
クラブA→咲夜「ちょっと待ってなさい…はっ!」咲夜のスキル・ワイルドメイドが発動!

783 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/16(土) 01:02:10 ID:???
…と、いったところで今日の更新はここまでです。
それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。

784 :森崎名無しさん:2013/11/16(土) 01:03:51 ID:???
★2回目のチャンス→ スペード2

785 :森崎名無しさん:2013/11/16(土) 02:14:11 ID:???
乙でした。
能力は高い2トップだから攻め方は多用と、ただ過剰とも取れなくも無い。
とりあえず守備固めは悪手になりそうだな、せりあい勝負は不利だからラインは高めかな。
直接蹴り飛ばして怪我を悪化させた兎がいることを思うと、フランはまだ可愛い方。

786 :森崎名無しさん:2013/11/16(土) 12:14:39 ID:???
どこかの兎さん
直接蹴り飛ばしたが、不慮の事故。ちゃんと反省しており、普段はもちろんそんなこと考えない。

フラン
吹き飛ばしたいと発言しており、シュートであればどれだけ吹き飛ばそうと問題ないと考えている。
というか日常的に吹き飛ばしている。そして喜ぶ。

うん、兎さんの方が良心的さ!

787 :森崎名無しさん:2013/11/16(土) 12:44:35 ID:???
どこかの兎さんは師匠の真似しなくてもいいところを真似るタイプだから。
何気にエグイスキルを持ってるし。
「ふっ飛ばしたやるタイ!」とか「土手っ腹抉ってやるぜ!」とかも言ってる紳士もいるんです。
あれ? フランが普通に感じて…あれ? コレが常識の喪失か…はたまた狂気か…。

788 :森崎名無しさん:2013/11/16(土) 17:26:39 ID:???
どこかの兎さんは反則しても審判に洗脳するからね。
プレスとサイドアタックの両立、美鈴の飛び出しもあるからゴール前は分散させないといけないっと。


789 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:23:10 ID:???
こんばんは。今日も更新をしていきます。
>>785
乙ありがとうございます。
今までのチームと違い、絶対的なストライカーが2人(+α)いるのは結構きついんじゃないかと思いますので、
色々と戦術について考察して頂ければ幸いです。

>どこかの兎さんについて
よく色々としょっぱい事をやったりしていますが、ああ見えて実力はかなり高いですね。
スキルもかなり優遇されてますし、ああ見えても主人公補正は充分じゃないかと思います。
どこかの兎「(ああ見えてが多すぎるよ……)」
>試合に向けての戦術について
考察ありがとうございます。
数値は見えずとも、こうして考察や推理をして頂ければありがたいと思い、
イベントを挟みましたのでとても嬉しく思います。 
紅魔スカーレットムーンズは戦術面でも中々の高水準を誇っていますので、
勝つのは難しいと思いますが、全力で挑んで頂ければと思います。

790 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:25:05 ID:???
★2回目のチャンス→ スペード2 ★
ハート・スペード・クラブ→パスを出す前に、咲夜が猛然とタックルに向かう!
咲夜「(相手――射命丸は恐らく、私のタックルを極力避けたいと思っている筈。
それよりも、まだまだ余力有り余るFW陣へのアシストに回りたいと。
……ならば、それを徹底的に邪魔するのが、私の務めですわね)」

ダッ! ――ズザアアアアアッ!

実況「おっと! ここで咲夜選手、前がかりに飛び出した!
ここはブロックやパスカットよりも、先に射命丸選手を抑えようとしたのでしょうか!」

射命丸「ちいっ、流石に読まれていますか。 ――ですが、それはそれで好都合!
幻想郷最速のドリブルで、貴女なぞちょちょいのちょいで……!」

射命丸の思考を先読みし、予めPA内やや高めの位置についていた咲夜は、
彼女が左サイドに切り込もうとするのを見計らい、猛然とプレスを掛けに向かっていた。
射命丸は、その強靭な足腰から放たれるタックルの鋭さに一瞬だけ目を瞠り、

射命丸「…抜きさって差し上げましょう!」

ダッ! ビュウウウウウウウウウウウン!!

――風のような速度の高速ドリブルで、咲夜の進行方向とは逆へとターン。
そのまま悠然と抜き去ろうとするも――――。

咲夜「……貴女がどんなドリブルをしようが、関係ないわ」

クルッ! スッ―――ズッ、ザアアアアアアアアアアアアアアッ!!

咲夜は全く慌てる様子もなく、紅魔館の広い空間(咲夜自身の能力が原因だが)で、
鍛えられた下半身の力を存分に使い、左脚を軸にして大きく月時計のように回転。
そしてそこから、さっきとは全くの反対方向――即ち、射命丸の進行方向へと、二度目の強烈なタックルを放つ。

791 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:26:06 ID:???
射命丸「さて、ここは一体誰に……」

咲夜の強烈なプレッシャーを一旦はくぐり抜けた射命丸はその時、
安堵からアシスト先の選定に思考を奪われてしまっており――。

咲夜「あら、ボールなら私に寄越して頂戴な」

ズザアアアアアアアアアッ!

射命丸「(に、二度めのタックル!? それも、相当無理な方向から!?
これじゃ、この位置でも―――!)く、くぅううううっ!?」

タッ! ビュウン!

咲夜の気配に気づいて再び高速ドリブルを始めようとした時には、
既に咲夜は射命丸のすぐ近くにまで到達しており、回避するスペースを完全に奪われていた。

射命丸「は――はたて! すみませんが頼みます!」

バシュッ!

はたて「え、ええっ、ちょっと、文!?」

咲夜「(……詰めが甘かったわね。 私の悪い癖だわ)」

それでも咄嗟の判断で、何とか後方のはたてにバックパスを送る事には成功した射命丸。
本来ならば咲夜に奪われていた筈の局面から、瞬時に次善の判断が出来たのは
射命丸の判断能力・身体能力の高さと評価しても差し支えはないだろう。
だがしかし、スカーレットムーンズ側もそれで攻撃の手を緩める事は無く――。

792 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:27:17 ID:???
メイドA「ぼ、ボールを!」

メイドB「よこして!」

メイドC「くださーい!」

咲夜の後ろに控えていた、妖精メイドのDF3名が素早くはたてに対してプレスを掛けに来る。
タックルが比較的得意な者が多い紅魔スカーレットムーンズのDF陣にとっては、
撃たせる前に取る方が安全だという判断に基づいていた。

はたて「(こ、ここはドリブル突破も良いけど、弾いてからのねじ込みを期待して―――!)
寄越す前に―――決めちゃうんだからッ!」

グワアアッ! バシュウウン!

そして、前線に攻撃陣を多く置いている妖怪の山のFCのトップ下・はたては
彼女達のねじ込みに期待して、短い振り足から素晴らしい速度を誇るシュート「ラピッドショット」を放つ。
その速度とシュート精度は、反町や椛のミドルシュートと比較するとかなり見劣りするものであったが、
それでも弱小〜中堅選手クラスの選手相手には中々の威力であり。

美鈴「な、舐めないでくださいっ!? この位は私でも――って、早いっ!?」

ブウン! チイィッッ!

セービングにおいては(これでも努力はしていたのだが)3流に近い実力しか持たぬ美鈴は、
そのシュートを完全にパンチングする事に失敗してしまい―――。

793 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:28:43 ID:???
実況「あ…ああっ! はたて選手の放つミドルシュートを――美鈴選手は弾き切る事が出来なかった!
こうなると、事態は非常に深刻であります! 反町選手、右サイド側に跳ねたその低弾道のこぼれ球に動きを合わせ…!」

反町「――このチャンスで、決めなくて……どうするッ!」

グワアッ! バシュウウウウウウウン!!

美鈴「い、いけない! セーブに向かわないと……!?」

反町が、至近距離からボレーシュートを放つ。
一旦バランスを崩してしまい、その上飛び出しにも行けないタイミングで放たれたそのシュートに、
美鈴は……触れる事すら出来なかった。

   ――――――ズバアアッ!
ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

紅魔スカーレットムーンズ 1 − 1 妖怪の山FC

794 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:30:19 ID:???
実況「き、決まった〜〜〜! ゴ〜〜〜〜〜ル!! 妖怪の山FC! 前半15分にして
待望の同点弾です! 雛選手を起点とし、射命丸選手が駆けあがった上で、
はたて選手がフォローしシュ−ト! そしてそれを反町選手が正確にねじ込むという、
まさに高度なチームプレーを魅せました〜!
レミリア選手とフラン選手の圧倒的個人技により挙げられた1点目とは全く正反対のこの展開!
果たしてどちらが勝つか、いよいよ分からなくなってまいりました〜〜〜〜!!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」「何だ、意外と良い勝負するじゃん」
「いや、お嬢様の様子が怖いよ……」「というか美鈴さんの命が心配だ……」

レミリア「………ふう」

咲夜「…………」

美鈴「あ……あわわわわ……ごご、ごめんなさい、咲夜さん、お嬢様……」

――早速、点を決められてしまった。
その事実に罪悪感と処罰への恐怖を浮かばせた美鈴は、逃げ場を失った子羊の如くに
プルプルと痙攣し、消沈した表情で自軍へと歩み戻るレミリアと、
氷のような無表情を貫く咲夜へ向かい、全力で許しを乞う。

レミリア「―――この程度の失点自体は、試合開始前から予測出来ていた事。
それよりも貴女は、次の失点を如何に防ぐか。 これのみを念頭に考えなさい」

レミリアは、美鈴の謝罪に対して極めて冷淡に応じる。
そもそもとして、紅魔スカーレットムーンズというチームは
個人個人の実力の高さに反して、チームとしての総合力はそう高くない。
FW・MF・DFの各箇所に当て嵌められるだけのタレントは揃ってはいるが、
今回の失点のように、その隙を狙われた上で猛攻を掛けられると非常に脆い。

795 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:32:43 ID:???
そんなチームの弱点を良く理解していた以上、
レミリアは美鈴の失態を想定の範囲内と捉え、あまり気にしてはいなかった。
ただし当然、敗北を甘んじて受け入れる程、レミリア・スカーレットはか弱くない。

レミリア「(見事なプレーだった、妖怪の山FCよ……。 だが――次は無いぞ)」

彼女は心の中で小さくそう宣言して、再びキックオフへと備えるのだった。


咲夜「(――今の失点は、私の原因ね。 あの天狗に、僅かながらも逃げ道を残してしまっていた)」

一方で、咲夜は冷静さを装いながらも、内心では自分の失策を恥じていた。
自分が最も得意とするタックルで、ギリギリであるとはいえ射命丸にバックパスの猶予を与えてしまった事に。

咲夜「(……だけど。 時を止める事は出来ても、時を戻す事はできない。 ここは――)
覆水盆に返らず。 次のプレーで挽回しましょう」

だがしかし、瀟洒な従者である彼女には後悔をする暇は与えられていない。
彼女は、自分自身にも言い聞かせるように美鈴に短く告げる。

美鈴「(咲夜さん、そしてお嬢様も……皆、打ち震えている。 私だけじゃない)
――は、はいっ! 紅美鈴! 次こそは全力を尽くしますッ!!」

そんな二人の様子の真意を汲み取った美鈴は―――改めて、自分に与えられた責務を
遂行する、しなくてはならないのだと決意を固めるのだった。

796 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:33:54 ID:???
そして一方妖怪の山FCは、自分達の一連の攻撃が完全に嵌った事による
華麗な同点劇に盛り上がり、その士気を少なからず高めていた。

穣子「一樹く〜ん! ナイスシュートだよ〜!」

静葉「フフ…流石ね。 これでこそ、頼りがいがあるというものだわ」

反町「よ、良してくださいよ静葉さん、穣子……。 今のはただのごっちゃんゴールですから」

椛「でも今は、巧く私達の連携が続きましたよね! やっぱり、ウチのチーム力は強豪相手にも通用しますよ文様!」

射命丸「……だと良いのだけどね。 相手はまだ切り札を温存しているでしょうし、油断は禁物ですよ皆さん」

――とはいえ、彼女達は自分達の状況は依然危ういという事実を良く理解しており、
キャプテンの射命丸を筆頭に、浮かれ過ぎを自重する雰囲気がチーム内で上手く熟達している。

はたて「(なんだか、皆良い雰囲気! このまま私達のサッカーだって、捨てたもんじゃないってことを見せつけるのよ!)」

永らく幻想郷を支配してきた、圧倒的な個人によるサッカー。
自分達中堅チームがそれに打ち勝つ事こそが、幻想郷サッカーの新たな時代の幕開けとなる――。
はたては一人そう夢想し、引き籠っていた時には決して見せる事の無かった満面の笑みでキックオフへと向かう。
試合の流れは、必ずしも紅魔スカーレットムーンズのみが支配出来るものでは無くなっていた。

797 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:35:05 ID:???
…と、言った所で今日の更新はここまでです。
皆さま、本日もお疲れさまでした。

798 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:51:38 ID:???
こんにちは、今日も更新していきますが…。
>>763のフォーメーションに一部誤りがありました。
正しくは、

−−@−− @にとり
C−B−A B穣子 A河童
−−−−−
−−D−− D静葉
G−−−E G雛
−−I−− Iはたて
F−−−− F射命丸
−−H−J H椛 J反町
妖怪の山FC:3−4−3
紅魔スカーレットムーンズ:4−4−2
−J−−− Jフラン
−−−H− Hレミリア
−−−−− 
GI−FE I小悪魔
−−−−−
−−D−− D咲夜
−ACB−
−−@−− @美鈴

になります。レミリアとフランの場所が逆になっておりました。失礼いたしました。

799 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:52:38 ID:???
ピイイイイイイイイイイイッ!!

実況「さあ、そして試合再開のホイッスル! 紅魔スカーレットムーンズのキックオフです!
レミリア選手がここでボールを持ちますが―――」

はたて「皆! 紅魔スカーレットムーンズはFWの二人を封じてしまえば怖くない!
だから前線の二人を徹底マークよ!」

反町「了解!(これだよ……。 これが俺が求めていたサッカーなんだ……!
圧倒的な個の力を、和を大事にした全員プレーで覆すっていうサッカー。
ああ、身体が軽い。 もう何も怖くない―――!)」

椛「了解です、はたて様!(反町さん、生き生きとしてるなぁ…)」

実況「レミリア選手やフラン選手のドリブル突破を警戒し、
妖怪の山FCは人数を掛けたマークを実施! 再びチーム力で、紅帝を封じようとしている〜!」

紅魔スカーレットムーンズは幻想郷きっての名門チームであるが。
その内情は、かつての永遠亭ルナティックス程ではないにしても……
一部のトッププレイヤーに頼った、バランスの悪さがやはり目立つ。
その逆にトッププレイヤーは居らずとも、そこそこの能力を持った選手が多数所属する
妖怪の山FCとしては、人数を掛けたプレーでの戦況打破こそが勝利の鍵となっていた。

レミリア「(けれど、私とて自らの力を過信し崩れる程愚かでは無い。
むしろ、相手が私達をそう過小評価してくれているのは好機と捉える)」

だがしかし、レミリアはそれを受けてなお、自分の力を誇示しようとはしなかった。
暫くの牽制の後、大量のマークが付き、前線で苛立っていたフランを尻目に―――。

レミリア「(なら……私達のチーム力も、見て頂こうかしら)――メイドE、そのまま駆けあがりなさい!」

800 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:53:38 ID:???
バシュウウウン!

メイドE「ふ――ふえっ?」

レミリアは、中央に警戒が集中したせいで若干手薄となっていた、右サイドへとボールを流した。

はたて「(う、うそっ…! 流すとしても、I番の子(小悪魔)か、
その子とワンツーの出来る、左サイド側のG番だと思っていたのにっ!?)」

パチュリー「(レミィは今でこそ、卓越したシュート力を誇るFWとして持て囃されてはいるけれど。
彼女は本来、MFやDFもこなせる才能と能力がある。
ここで瞬時に最善の手を打てたのは、相手にとって少なからず動揺を与えられる筈よ)」

反町「(くっ! サイドまで距離があるせいで、満足にボールカットに行けないが――それでも止めてみせる!)」

妖精メイドEから最も近い位置にいた反町のみは、
態勢を崩しながらも、辛うじて彼女のボールをカット出来る位置にまでたどり着くが…。

メイドE「(こ、こーいう時は……)――F番ちゃん!」

バシュッ!

実況「メイドE選手、パスを出した! 反町選手がそれに向かっていくが……」

反町「(くそっ! 態勢が悪くなければ容易にカット出来たパスなのに!?)」

実況「身体に当てて、僅かにその勢いを減じたのみにとどまります!
それをメイドF選手、一旦メイドE選手にリターンして……」

小悪魔「――E番さん、私に! 前線へと繋いでみせます!」

801 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:54:47 ID:???
メイドE「は、はいっ! お願いしますッ!」

バシュウウウウッ!

実況「メイドE選手は、向かってくる天狗E選手に捕捉される一歩手前で再び中央へとパス!
スカーレットムーンズの司令塔・小悪魔選手にボールが渡ります! そしてぇ〜!」

小悪魔「(大丈夫。 パチュリー様と練習してきたみたいに―――)行きます!」

グワアッ!

はたて「ま――まずッ! カットに行かなくちゃ――文!」

射命丸「(マークの為とはいえ、少し下がり目の位置に居といて正解だったわね)
ええ――ここで通させる訳には行きません!」

小悪魔「トップスピンパスよ!」

バシルルルルルルュウッ!

実況「小悪魔選手のトップスピンパスだ!」

先ほどの妖怪の山FCの得点を再現するかのように、選手と選手の隙間を縫って
ボールを前に運んできた紅魔スカーレットムーンズは……ここでようやく堂々とした中央突破へと躍り出る。
しかし、その主役は先ほどまで警戒をされ続けたレミリアでも、圧倒的な突破力を持ったフランでも無く…
これまで、他の妖精メイドと然程変わらぬ動きしか出来て居なかった小悪魔。
能力的に、スカーレットムーンズの主力に大きく劣る彼女はしかし、ことパス一芸にかけてはパチュリーにも次ぐ実力者。
その独特の回転がかかったパスは、決死のカットに出たはたてや射命丸をも超えて――無事にレミリアの足元へと届く。

レミリア「御苦労さま、皆」

802 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:55:47 ID:???
実況「あっ……ああ〜〜〜!? そして小悪魔選手の見事なパスは残された中盤をも
いとも容易く突破してしまい……バイタルエリア付近にてボールを確保します!」

静葉「(ここはブロックよりも、撃たせる前に取る方が勝機がある筈!)――穣子!」

穣子「ええ、お姉ちゃん! 次は私に任せて!」

ガシッ! バアアアアアアアアアアアアアアン!!

穣子「サッカーは……勝った芋が強芋よ〜〜〜!!??」

実況「そして足止めをすべく、穣子選手がオータムスカイラブで飛びますが――!」

レミリア「――邪魔よ!」

ガッ…… グググッ――――ドゴオオオオオオオオン!!

穣子「ふ、ふんぎゃあああ〜〜!?」

実況「レミリア選手の必殺ドリブル・不夜城レッドには敵わない〜! そのまま進撃を許してしまいます!」
そしてここから――レミリア選手がこのまま決めるのか!? それともフラン選手か!?
はたまた上がって来ているメイドF選手に渡してからのスルーやポストプレイか!?
攻撃手段にかけては異様なまでに恵まれている紅魔スカーレットムーンズ!
ここはやはり、2点目を決めてしまうのか〜!?」

803 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:56:47 ID:???
レミリア「フラン、ここは私が決めるけれど良いかしら?」

フラン「むー……。 さっきボールくれたし別に良いよ」

にとり「ぐぬぬぬ……なーにが多様な攻撃手段だよ。 目の前で悠々と作戦会議なんかしちゃってさぁ。
耐久性を改良したこの『のびーるアーム・改』のサビになっちゃうかも知れないよ!」

河童C「(どうしてにとりは、あれだけ吹っ飛ばされたのに元気なんだろう…)」ヒソヒソ

河童A「(うーん。 へこたれない性格っていうのもありそうだし、発明品に自信があるっていうのも
ありそうだけど――こういう境遇に『慣れて』しまったというのが大きいのかも)」ヒソヒソ

ここまでくれば後は余裕と言わんばかりに、レミリアとフランは
ゆったりとした日常会話のような雰囲気で次の得点者について話し始める。
そこには、にとりというGKの存在は完全に眼中に無いように見えた。

レミリア「貰ったわ、妖怪の山FC!」

グワアアアアアアアッ!!

しかし、前述の通り、レミリアは決して弱者を前にしても油断し手を抜く性格では無かった。
彼女は大きくその細く小さな右脚を振りかぶり、その推進力を余す事なくサッカーボールに叩きつける。


実況「で、出た〜〜〜! レミリア選手のマスターオブレッドサンだ〜〜〜!!」     

                レミリア「  H  A  !!」

        バゴッ……ギュオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!

804 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:57:57 ID:???
フランドールの放った495年の波紋には及ばぬものの、
それでも小さな太陽のように輝き燃えるシュートの推進力はまさに一流。
そしてその圧倒的な実力差を体現するように…

河童A「だ、ダイビングブロックよ! ――って、ぎゃあああああ!?」バギュウウウン!!

河童C「か、河童Aがまるで紙きれのように! って、うわぁあああああああああ!?」ドゴオオオオン!!

ジャンプしてブロックに向かった河童A、河童Cをそれぞれ地面に惨たらしく叩きつける。
しかし、彼女達はそのシュートの被害者としては充分にマシな部類であり―――。

にとり「くらえっ! のびーるアーム・改だ!」

ウイィイイイン! ―――ボンッ!

にとり「へ? ボンッ? ――って、うわあああああああ! 何か引っ張られるぅうううう!?」

ズバアアアアアアアアン! ―――ドゴオオオオオオオオン! メキメキメキッ!
  ……ポン、ポンポン………。
    ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!

レミリア「――貴女は、今までに決められたゴールの数を覚えているかしら?」

にとり「お、おぼへてまへぇえん……ひゅうぃ」

真正面からシュートにぶつかったにとりは、自慢ののびーるアームの腕をもぎとられたばかりでなく。
そのおぞましいまでの推進力に負けてネットを突き破り、
友達であるボールと仲良く、その後ろにあったフェンスに思い切りめり込む事となってしまったのだった―――。


紅魔スカーレットムーンズ 2 − 1 妖怪の山FC

805 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:59:19 ID:???
すみませんが、一旦ここまでです。
試合展開が長くて申し訳ございませんが、多分今日中には終わる…と思います(汗)
それでは、一旦失礼致します。

806 :森崎名無しさん:2013/11/17(日) 14:21:18 ID:???
乙です
妖怪の山は結構お気に入りだから活躍してくれて嬉しいです。
エースなしでも渡り合えるチームってのは燃えるね。
…まぁ、反町くんが盛大に吹き飛ばされるフラグをたてたわけですが


807 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:40:14 ID:???
>>806
乙ありがとうございます。
チームをお気に入りと言って下さるのはやはり作者として嬉しいですし、
書いていて良かったと思えますね、ありがとうございます。
やはり敵となるスカーレットムーンズの強さを描写していきたいですが…
そのためにも、妖怪の山FCの皆さんには極力善戦して頂きたいと思っています。
反町くんはもうちょっとは活躍するので大丈夫です(汗)

808 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:41:22 ID:???
実況「ご…ゴ〜〜〜〜ル!! 紅魔スカーレットムーンズ、今度は個人技に加えて
組織的なチームワークの高さも見せつけました〜!
レミリア選手とフラン選手を封じ込めても、中盤の選手がしっかりとフォローに向かえる!
こうなると、今までチーム力の強さを標榜してきた妖怪の山FCは、
精神的にもかなり苦しいのではないでしょうか〜!?」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」「流石はレミリア様だ!」
「こあちゃーん! アシストおめでとー!」「射命丸って案外…」「それは関係ないだろ! いい加減にしろ!」

はたて「……ごめん、私ちょっと浮かれてたね。 最低限の連携なんて、
どのチームもやっていて当然の事だったのに、警戒を集中させてしまったし」

射命丸「とは言っても、彼女達のチームワークとやら私等のとは違う。
何故なら彼女等は『レミリアさんを中心とした』チームワーク。
警戒が薄い場所へパスを通し、穣子さん達のタックルを掻い潜り、
そして圧倒的なシュート力でゴールを決めたのは、全てレミリアさんじゃないですか。
それで敗れたからと言って、私達が自信を喪失する必要は全くありません」

反町「そうですね。 このまま意気消沈しては、折角応援してくれているサポーターの方々に合わせる顔がありませんし」

椛「何言ってるんですか、反町さん! 合わせる顔はきちんとありますよ!」

反町「えっ? それは―――」

椛「笑顔さ!」(人差し指で自分の顔を指しつつ、張り付けたような表情で)

雛「(…ところで、もう誰もにとりの容態には気にしないのね。 慣れって厄い、間違えた、怖いわ……)」

このレミリアの得点劇に、妖怪の山FCのメンバーは……精神的にはまだ持ちこたえていた。
如何にチーム全体が連携を行えていたとしても、一人の選手を軸にしている連携には限界がある。
だから、このまま相手の隙を突き続ければ―――勝機はまだある。
彼女達はそう信じ、残り僅かとなる前半を戦い抜く事を決意する。 そして……

809 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:42:23 ID:???
ピィイイイイイイイイッ!!

実況「さあ! 妖怪の山FCのキックオフで試合再開です!
前半も残り僅かとなり、互いにこれが最後の攻防となりそうな場面ではたて選手にボールが渡る! そして――」

はたて「(――時間稼ぎは、この残り時間では却って悪手。 だったら…)椛、文! 天狗トリオで中央突破行くわ」

椛「了解です! はたて様!」

射命丸「如何に上手いゲームメイクが出来ても、こうした連携はウチ等の専売特許ですよ!」

バシッ! バシッ! バシッ!!

実況「ここで妖怪の山FCの攻撃的ポジションが総出で中央突破!
妖怪の山FC、今度は精度の高い連続ワンツーで、レミリア選手とフラン選手を抜きに掛かる〜!!」

フラン「へ? 何、コレ? これってサッカーだよね?
サッカーってドリブルとシュートで皆を吹っ飛ばすゲームじゃないの?」

レミリア「(フランには練習よりも、教育が必要だったわね……)けど、ここは私が――!」

バアアッ!   バッチイイイイインン!!

射命丸「くっ…! これを弾きますか!?」

天狗3名の連続ワンツーによる中央突破は、唖然としているフランを悠々と抜き去り、
敵陣へと調子良くボールを流し込む事に成功するが……。
それでも、レミリアの個人技は圧倒的であり。3人がかりで複雑なワンツーのコースを見通して
本職MF顔負けのパスカットでボールを弾く事に成功する。

810 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:43:30 ID:???
小悪魔「れ、レミリア様の動きでも尚、ボールを捉えきれないなんて!
でも大丈夫、ここで私がまたトップスピンパスでフランお嬢様に繋げば―――」

そうして弾かれたボールは小悪魔が運良くフォローするが……
しかし、それは彼女にとってある意味運悪く「厄い」事実だった。

ゴオッ………ゾクッ!

小悪魔「――って、何だか嫌な予感が……!」

雛「悪いけれど、これ以上進むというのなら――容赦はしない! 創符…ペインフロー!」

バシュウッ! ズガアアアアアアアアアッ!

華奢で清楚な彼女には似つかわしく無い、恐ろしげかつ激しい音を立てて雛は小悪魔へとタックルに向かう。
小悪魔もまた、パチュリー仕込みの教科書的テクニックでボールを交わそうとするが―――。

小悪魔「(駄目…! このままでは負傷をするか、ボールを奪われるかのどちらか!
せめてどちらかは回避しないと――)お許しください、パチュリー様、お嬢様!」

スッ……パシッ!

雛のタックルの精度が、自分のドリブルのそれをも上回っていると判断した小悪魔は…
自身の負傷よりも、ボールを奪われる事を選んだ。
彼女は無暗な抵抗を避け、半ば雛にボールを差し出すかのように回避行動に出る。
一見、ボールキープよりも自らの保身を優先した臆病な選択であるようにも見えるが…。

レミリア「(そう……それで良いわ、小悪魔。 流石はパチェの愛弟子、彼女の判断力もまた侮るべきものではない)」

パチュリー「(ボールを奪われても、貴女の代わりにそれを取り返す選手は大勢居る。
だけど―――貴女の代わりに中盤でボールを繋ぐのは、この私を除いて他に代理が効かないの。
だから、ここは負傷による損失を抑えたのは正解よ、小悪魔)」

811 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:45:37 ID:???
彼女の主人と当主は、その判断を高く評価する。彼女達は小悪魔が容易にボールを通す事による失点のリスクと、
小悪魔が負傷する事による突破力の減退とを比較し、
攻撃的チームである自分達にとっては後者が重要であると考えていた。

雛「(これは…絶好のチャンス! ここは必ずモノにしなくては―――!)」

ボールを奪う事に成功した雛は、中盤に残る射命丸の代理として左サイドを駆け上がり――。

雛「……反町君、決めてッ!」

バシュウウウウウウウン!!

反町「了解です、雛さん!」

実況「おっと雛選手! ここで単身前に上がっていた反町選手へとセンタリングです!
普段はマンマーカーとして前に出る事が少ない彼女が、珍しくも積極的にアシストに動いた〜!
美鈴選手の飛び出しは高水準であるとはいえ、この反町選手も知る人ぞ知る名ストライカー!
この勝負、一体どうなるか全く分かりませ〜〜〜ん!!」

反町「(ここで俺は決めて―――俺達のサッカーを、レミリアさん達に見せつけてやるんだ!)」

グワアアアアアアアアアッ! …バッ、シイイイイイイイイイイン!!

センタリングを受けた反町は、低い位置までボールを誘導し……
それをシュートで地面に思いっきり叩きつける。

反町「くらえ紅魔スカーレットムーンズ! これが俺の――トクシックインパクトだ!!」

美鈴「(き、来た! だけどこれはダイレクトシュート! だったら止められます!)
ホ……ホアチョ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

バアアアアアアアン!!

812 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 16:46:56 ID:???
咲夜「美鈴は……言われなくても飛び出しているわね。
妖精メイド達も一緒に飛び出しなさい! 美鈴のフォローに回るのよ!
私は―――ここで身構えてねじ込みに備えるから!」

反町のシュートに対して、ディフェンスリーダーの咲夜はメイド達に指示を出し、
そのまま自分は飛び出した美鈴の代役としてカバーに備える。

咲夜「(美鈴の浴びせ蹴りだったら、恐らくは互角以上の勝負は可能な筈!
それならば、私はここでフォローに回り、反撃に備えるべきね)」

咲夜の期待通り、美鈴は先ほどの椛のシュートにも負けない勢いを付けて力強く飛翔。
これ以上は失点を許すまいとシュートに向かう反町ともども吹き飛ばさんと激しく跳びかかる。

反町「(美鈴さん、凄い勢いだ……! だけど、俺も負けていられない!
俺には、穣子や静葉さんの加護がついている! だから―――)うおおおおおおっ!
愛の力を舐めるなよぉおおおおおおおおおおおおっ!!」

バアアアアアン!! タッ――バッシイイイイイイイイイン!!

美鈴「えっ……!(も、もう一回飛んで―――一度跳ね返したボールをさらに叩き付けた!?)」

しかし、愛に生きる反町もまた、この試合にかける意気込みは大きかった。
特に前の永遠亭ルナティックスとの試合にて、穣子達が全力以上の力を発揮して
試合に臨んでいたにも関わらず、肝心の自分はFWにも関わらず無失点で、
特に際立った活躍も出来なかった事を、心の奥底では悔いていたのだ。

813 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 17:01:34 ID:???
穣子「す……凄いよ一樹く〜〜ん!!」

そのシュートは、飛び出した美鈴の脚先を僅かに掠めるものの、
殆どその威力を減じさせる事無くゴールへと向かう。

メイドA「な、何これぇ〜!」

メイドB「無理だよ〜!?」

メイドC「助けて咲夜さ〜ん!?」

咲夜「(なっ……この局面で、限界以上の力が出せたというの!? しまったわ!
この態勢からでは私はブロックに行けな―――い……!)」

そして、最もクリアに長けた美鈴が敗北した以上、
他の妖精メイドにそれを防ぎうる可能性は潰えたと断じるに等しく。
実際に、そのシュートはフォローに回っていた咲夜も触れられずに進み―――。


ガッ……シィイイイイイイイイインン!! ポン、ポンポン……


美鈴「(お、お許しくださいお嬢様ァーッ!? …って、あれ?)」

咲夜「(――瀟洒ではありませんわ)」

反町「(し……し……しまったぁあああ〜!?)」

ボールは勢い良くポストへと激突し、
先ほどのシュートは打って変わっての緩やかなスピードで、咲夜の足元へと転がって行くのだった。

814 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 17:02:35 ID:bzdo6isg
実況「あ……ああ〜〜〜!! 何とここで反町選手、痛恨のミス!
素晴らしい必殺シュートを美鈴選手に放ち! 一度は飛び出しの名手である美鈴選手をも
突破しかけましたが……後もう一歩という所でポストに阻まれてしまいます!!」

レミリア「(――彼には、十二分には活躍出来ない運命にでも操られているのかしら)」

パチュリー「(やはり、助っ人の彼が居ないと…私達のチームは優勝を狙えないわね。
あの程度のシュートを完璧に防げないようでは、一流には敵わないわよ…美鈴)」

美鈴「(うぅ……、今のは防げた筈だったのに……)」

穣子「そ、そんなぁああ……一樹くうん……」

静葉「今のは、美鈴さんの蹴り足に触れて軌道が変わったのが悪かったのかも。 大丈夫よ、穣子」

実況「さ…さあ! 間一髪の所で、再び同点となる危機から免れたスカーレットムーンズ!
ボールはPA内の咲夜選手がキープしているぞ〜! ここでスカーレットムーンズ、どうするか〜!?

咲夜「(……ボールを得るまでの過程は…この際、目を瞑るしかない。
今はただ、ここにボールがあるという事実を重視すべき……と、お嬢様なら仰ってくれるでしょう。 ここは…)」

先着1名様で、

★咲夜の判断→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

ダイヤ・ハート→咲夜「前線の選手に任せましょう」一旦ボールを蹴りだしクリアした。
スペード・クラブ→咲夜「ここよ……ここで決めるのよ!」シュート態勢に出た!?
JOKER・クラブA→咲夜「(ここはまず、GKの美鈴にバックパスをして…)」咲夜、美鈴が飛び出し無人のゴールへとパス!
       そしてそのまま『全幻想郷選抜大会までは代表レギュラークラスでありながら、その後没落した凡手』となる!
       (*クラブAの場合は……?)

815 :森崎名無しさん:2013/11/17(日) 17:05:49 ID:???
★咲夜の判断→ スペード5

816 :森崎名無しさん:2013/11/17(日) 20:44:12 ID:???
平行世界の松山の運命が逆流する呪いが…恐ろしい

817 :森崎名無しさん:2013/11/17(日) 21:43:42 ID:???
A:「メイド業に専念するための抗議です(キリッ」
B:「急にボールが来たので…」
C:「その顔が見たかった」
多重マークは厳禁と…主力の個人プレイはやらせておけと開き直るぐらいは必要かな。
マークつけるなら小悪魔の方が良さそうだね。役割的にてゐかな。

818 :森崎名無しさん:2013/11/17(日) 21:54:43 ID:???
紅魔なら中盤からロングシュートを撃てば入る。点取り合戦に持ち込んで手数を撃った方が勝ち。
って平行世界のえーりんが言ってた

819 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:51:57 ID:???
★咲夜の判断→ スペード5 ★
スペード・クラブ→咲夜「ここよ……ここで決めるのよ!」シュート態勢に出た!?

咲夜「(……前半も既にロスタイムに差し掛かろうとしている局面。
無理に押さぬが道理だけど――お嬢様は、お許しくださらないでしょうね。
『猛獣は、兎を刈るにも全力を尽くす』。 あの方は、それを是とする筈だから。
そして、私自身余力を残している以上――!)」

この短時間で、最も効率よくゴールを挙げる為の方法は何か。咲夜は一瞬の逡巡の後に―――。

咲夜「ここよ………!」

グワアアアアアアアアアアアッ!!

反町「えっ……は? しゅ、シュートォ!? この距離からシュートが――入る自信があるっていうのか!?」

椛「ま――マズイですよ反町さん! これは…咲夜さんのお得意のシュートです!
殺人ドール―――『フィールドのどこから撃っても、その威力が全く衰えない』、
とてつもなく理不尽な超ロングシュートですよ!」

射命丸「み、皆さん! ここは人数を固めて! 人数を固めてブロックですよ!?」

はたて「ここで決められたら――後半は苦しくなっちゃう! 私も行くわ、文!」

静葉「――穣子、オータムスカイラブは……!?」

穣子「駄目よお姉ちゃん! ここで撃ったら…後半持たなくなっちゃう!
だからここは、私がブロックに行くから、お姉ちゃんはフォローを!」

820 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:53:09 ID:???
にとり「だだだ、大丈夫! 吸血鬼相手ならともかくも、あんなメイドの100メートルシュートを受けて
吹き飛ぶ程、私のメカはヤワじゃないよ!!」

河童A「(確かに、あのメイドのシュートは威力自体はそんなに強くないけれど……)」

河童C「(なーんか、嫌な予感が……)」

咲夜「ここで―――決めるのよ!」

バッ……シィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
  ――――ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

実況「で――でた〜〜!! 咲夜選手の必殺シュート・殺人ドールが炸裂だ〜〜!!
地を這い土煙を巻き上げ猛スピードで進むそのロングシュートが、ここで出た〜〜〜!!」

レミリア「(そう、それでいいのよ、咲夜)」

咲夜は、自陣ゴール手前から妖怪の山FCのゴールへと向かって…超ロングシュートを放つ。
外界では勿論、幻想郷でも常識に全く囚われていないそのプレーはしかし、
内実として有効である事をフィールド上の選手達と、一部のサッカー通の観客は理解していた。
そして実際に――咲夜のこの暴挙は極めて有用に働いていた。

椛「う、うひゃあああっ!? ごめんね私のファイヤーボール〜〜!?」バアアアアン!

射命丸「あひいっ! ブロックは苦手です〜!?」バゴオオッ!

はたて「(くっ……やっぱしブロックは無理かぁ。 DF陣、にとり…頼んだわよ!?)」ドゴオオオッ!

821 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:54:17 ID:???

―――地を這うロングシュートのパワーは凄まじく、シュートコースに立ちふさがる幾人ものブロッカーの
真正面を通り……そしてそのブロッカーを遠くへと吹き飛ばしてしまう。

ギュウウウウウ……バチッ! ―――ゥゥゥウウウウウウウウウウウウン!!

穣子「す、すいーとぽてとるー……キャッ!?」

河童A「ダイビングブロックよ! せめて――当たって見せる!」

しかし、その中でもブロックに長ける穣子。そして前の試合でブロックに覚醒した河童Aの二名は、
吹き飛ぶ事なくそのシュートの威力を減じさせ…。

にとり「でかしたぁ、神さま、河童A! これなら取れる筈だぁ〜〜! ――のび〜るアーム・改ッ!」

ウィイイイイイン!   ―――ガシイイッ!!

にとり「ほ、ホントに防げた!? マジで!?」

河童C「(セービング出来た事を驚いているなんて……相当来てるなぁ、にとりも)」

にとりはのびーるアームの出力を最大解放。
この試合で初めて、敵チームのシュートを完全に防ぐことに成功する。

実況「咲夜選手! 凄い勢いのシュートでボールを遥か前線どころか敵のゴールにまで
押し出して行きましたが―――後一歩の所で攻撃成功ならず!
穣子選手や河童A選手のファインプレーにも支えられて、にとり選手がしっかりとキャッチしてみせます!
これで勝負は一旦お預け! 2−1で後半戦突入となるでしょうか〜!!」

822 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:55:29 ID:???
そして咲夜のシュートをキャッチしたにとりが、中盤に大きくフィードを上げた時。
もう既に前半はロスタイムに入っていた。
もしもここからスカーレットムーンズがドリブルやパス突破を図ろうとも…時間はそれほど残されては居ない。 
そのため咲夜のシュートを最後に、スカーレットムーンズも一旦その攻撃の手を休めるだろう。
というのがその場にいる多くの人間・妖怪問わずの総意ではあったが―――。

パチュリー「…馬鹿ね。 あのレミィがそんな手ぬるい事、する訳がないじゃない」

レミリア「(――そう、それで良いわ咲夜。
当然、入れてくれるか、ねじ込みまでに持って来てくれれば良かったのだけれど…
この状態でも、点を入れる事は不可能ではない。 何故なら―――)」

フラン「ぶーっ! もうつまんないよー! 全然私にボールが回ってこなーい!」

レミリア「(あの子は試合開始直後にシュートを撃って以降、そう激しく動いていない。
それならば……最後に一発を撃って貰わないなんて選択肢はないわ。 ……あの子の機嫌的にも)」

レミリアは、最後の1秒まで追撃を続ける決意をしていた。
特に、まだまだ余力を残しているフランを使った形で、点差を広げたいと考えて…

レミリア「フラン! そのボールに飛び付きなさいッ!」

実況「あ…ああ〜っと! レミリア選手、ここは最後まで点差を広げに行きたいのか、
にとり選手のフィードを奪い取るよう、フラン選手に指示します!
失敗すれば、フラン選手の体力を無駄に削ぐのみとなりますが、何か勝機はあるのでしょうか!?」

823 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:56:41 ID:???
はたて「ま――マジ!? こいつら正気なの!? 大体、ここで奪えたって――」

フラン「はーいっ♪」

グワアアアン! バキイッ! バシッ!

フランはレミリアの指示通り、中盤に突っ込んで――パワープレイではたてからボールを奪い取る事に成功する。
しかし、その時点でロスタイムは残り数十秒。
はたてからボールを奪った場所はゴールから40メートル程離れている以上、
フランは、すぐその場でロングシュートを打つ以外行動不能となっている。

はたて「今ここでシュートを無駄撃ちするしかないのよ、ねぇ解って―――って…あ」

グワアアッ!

フラン「? どーしたのかしら、みすぼらしい天狗さん?」

はたてはそう考えて、フランがボールを奪ったという事実を軽視していたが…
ボールを奪ってからノータイムでその右足を大きく振り上げてシュートの態勢に入った時、
はたては思い出した。 ――思い出してしまった。

はたて「この子のシュート力だったら………入っちゃうんだ、ゴール」


フラン「―――アハハ! 皆壊れちゃえ! スターボウ……ブレーーーイクッ!」


バッゴオオオオオオオオオオオオン!
            ズギャアアアアアアアアアアアッ!!

そして、はたてはフランのシュートを遥か中空から見下ろす格好となる。
フランの、ただただ真っ直ぐな。 ただただ相手を破壊する事に特化しているそのシュートを。

824 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 23:57:41 ID:???
穣子「ハァ、ハァ……わ、私も―――!」

静葉「ダメよ穣子! これ以上体力を消耗しては、後半の局所にオータムスカイラブを
使用できなくなってしまう。 私達は今は――どうする事も出来ないわ」

穣子「そ、そんなぁ……でも、悔しいよぉ……!」

静葉「悔しいのは、私だって同じよ……
(――だけど、その借りを後半で返せるかどうかが、とても不安なのだけれども)」

河童A「そ、そんな……もう一回だなんて……!」

河童C「今度は私も手伝うよ、河童A!」

にとり「そ、そんなァ! ええい、もう一辺のびーるアーム・改、だよ……!
(うーん、耐久力を強化した影響で随分と起動コストがかかるようになっちゃったなぁ)」

ウィイイイイイイン!

そして、立て続けに放たれるシュートに少しずつ疲労が隠せなくなったにとりと、
それを守るようにブロックに出るDF陣。彼女達の願いは―――いとも容易く『破壊』される。

ドゴオオオオオオオオオオオオッ!!

河童A「キャアッ!?」

河童C「レッドサンと比べるとマシだけど――どっちも無理よ〜!?」

ドガドガァ!!

フランのシュートは河童Aと河童Cの懸命なブロックをまず破壊し……。

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