キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】
1 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/10/12(月) 23:24:34 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。
☆前スレ☆
【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1440515816/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html
☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
永遠亭ルナティックスがついに迎えた、全幻想郷選抜大会決勝戦・博麗連合との大一番!
友人との距離に悩みつつも依然幻想郷一のプレーヤーたる博麗霊夢、
コンプレックスに自身の力で打ち克ち、夢と共に散る覚悟を決めた霧雨魔理沙、
そしてあらゆる逆境をも笑い飛ばし、自身こそが最強と信じて疑わぬ狂王・森崎有三…
彼らを中心に、技術でも精神面でも優れた博麗連合メンバーに対し、しかしルナティックスも負けておらず、
鈴仙や永琳やカグヤファンなどの力により優位に攻め切り、前半20分で3−0と圧倒的なリードを得た。
一方、そんな中でも新たな計画は着々と進んでいる。
霊夢を倒し、幻想郷の秩序の変革を狙う『プロジェクト・カウンターハクレイ』。
八雲紫が企む『リアル・幻想・セブン』計画に、それを利用した内部改革を意図する紫の式・八雲藍。
そして鈴仙の親友・妖夢をも利用し覇権を握るべく暗躍する、豊聡耳神子を中心とした『アナザーカンピオーネ』計画……。
鈴仙はいずれ、その何れかに与し、あるいは敵対しなくてはならないだろう。
果たして試合の行方は。鈴仙の選ぶ道は。そして幻想郷と外の世界の未来は。
もう昨日には戻れないにも拘わらず、彼女達は何の為に、何を夢見て戦うのだろうか。
524 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:31:37 ID:???
★つかさ→ブロック 50 (
クラブ4
)(
2
+
3
)+(人数補正+1)=
慧音→ブロック 51 (
ハート4
)(
3
+
4
)+(人数補正+1)=★
525 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:31:47 ID:???
★輝夜→たすけてみんな!! 63 (
クラブQ
)(
1
+
4
)=★
526 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:32:06 ID:???
★輝夜→たすけてみんな!! 63 (
ハート6
)(
3
+
2
)=★
527 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:33:33 ID:???
魔理沙がいなくなって森崎も守備では役に立たない
ボール回しでなんとかなるか?
528 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:35:59 ID:???
あらら、決まったか
引きが悪いな
529 :
森崎名無しさん
:2015/11/03(火) 23:40:16 ID:???
ブルノ(吹っ飛び中)「おれならとれたな」
530 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/04(水) 00:26:06 ID:???
魔理沙がとうとうゴールを決め、試合は4−2! しかし魔理沙はプレー続行不可!
……と、言ったところで続きが長くなりそうなので、今日の更新はここまでにします。
>逆転、同点の可能性について
同点になるのは、余程守りが大失敗したとかクラブAが出たとかそんなレベルで、
実際は最悪でも4−3に収まることになると思っています。
4−3になった時点で、パスワークで試合を安全に流せるような選択肢を入れようと考えています。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
531 :
森崎名無しさん
:2015/11/04(水) 01:36:24 ID:???
よかった、一応勝てるんだな
こっから逆転の可能性もあると思ってたから心配してたよ
・・・まぁ今回はどう見ても仕方のない失点だったね
基礎値が高いのにダイス低かったらら止められる気はしたんだけど
532 :
森崎名無しさん
:2015/11/04(水) 03:30:16 ID:???
まりーさ王女がスキル不屈の主人公をもってるなら
森崎も持ってそうな気がする。今はなくてもユースあたりで限界突破も合わせて
533 :
森崎名無しさん
:2015/11/04(水) 23:32:59 ID:???
魔理沙の足が爆死! 魔理沙「うわあああああ!!」ウンメイノー
紫「魔理沙の足が爆死したのも鈴仙って奴の仕業なんだ」
黒幕パスカル「それも私だ」
534 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:08:43 ID:???
こんばんは、更新再開します。
>>531
これで逆転ありだったら、プレイヤー側にかなり不公平なので配慮しました。
今まで2回防いで来たのがかなりラッキーでしたね。
>>532
魔理沙が疲労時に強くなるのは考えてたのですが、森崎は実は考えてませんでした。
限界突破とこのスキルが合わさるとかなり強いですし、森崎が持ってても良さげですね。
535 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:11:42 ID:???
>>533
魔理沙が爆死したのは紫のせいですね…
―――――――――――――――――――――――――
★魔理沙→ファイナルスパーク 65 ( ダイヤ8 )( 4 + 1 )+(補正合計+1)=71★
★つかさ→ブロック 50 ( ダイヤ6 )( 3 + 6 )+(人数補正+1)+(ソウルブロック+8)=68*吹き飛び&減衰!
慧音→ブロック 51 ( ハート9 )( 1 + 1 )+(人数補正+1)=54★*吹き飛び!
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
★魔理沙→ファイナルスパーク 65 ( ダイヤ8 )( 4 + 1 )+(補正合計+1)+(減衰-1)=70★
★輝夜→たすけてみんな!! 63 ( クラブQ )( 1 + 4 )=68★*吹き飛び!
≧2→魔理沙の『ファイナルスパーク』がルナティックスゴールを消し去る!
バギュウウウウウウウウウウウンッ! ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルッ……!
―――カッ! チュドゴーーーーーーーーーーーーーーンッ!
ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ………ンン!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…!!
――その閃光は確かに不格好だったが、それでも一際大きく、美しく輝いた。
真っ白な中に、僅かな虹色を含みつつ、魔理沙の『ファイナルスパーク』は三度放たれた。
人間では間違い無く放てない、いや、鬼や天狗の類であっても撃てばその反動で身体を痛めるであろう
まさしく規格外のシュートを、人間の少女は僅か一時間の内に三回も放った。
その事実だけでも充分驚愕に値するものだったが、そのシュートの威力はそれ以上に恐ろしかった。
セルバンテス「グハァーーーッ!?」
シュタイン「オーノーーー!?」
メッテルニヒ「ニヒィーーー!?」
バギドゴグシャアアアアアアアアアアアアアッ!!
輝夜「わ、私のポスト達がぁぁぁ……ぜ……ぜん……め……めつめつめつ……」
536 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:12:42 ID:???
今までは精々がバキリと二つ折りになっている程度のGK達は、
全生命力をシュート力に換えて放たれた最後の閃光の前に悉く燃え尽きる。
試合前は数千人単位で居たポスト達は、とうとうブルノさん一個のみとなってしまった。
輝夜「ギャアアアアアアア!? さ、サッカーでポスト……じゃなくて人が死ぬとか反則でしょ!?
はんたーい! 反則プレーはんたーい!!」
ブルノさん「そうだそうだー! 俺達は正々堂々と戦ってるんだー! 恥を知れ、恥を!!
勝つためなら何やっても許されると思うなよー、クソが!!!!
サッカーは俺みたいな紳士の為のスポーツなんだよ! ばか! ばか!! うんち!! おしっこ!!」
輝夜「そーよそーよ! ……てなわけで後宜しくね!」
ブルノさん「ハァ? 逆だろ!? お前が俺様の代わりに吹っ飛ばされろよ!!」
輝夜「なんでよ!? 本来これって私の技でしょうが!」
ブルノさん「俺の技だ!!」(驚きつつ手を前に出しながら)
輝夜「違うっての!? ……って、言ってる間にシュートが来たーーー!?」
カッ! チュドーーーーーーーーーーーーーーーン!!
――そして、ブルノさんは他のどのポスト達以上に役立たずだったため、
輝夜は間もなく他のポスト達と同じ運命を辿る事となった。
つまり、超高熱の熱線を受け、細胞すら残らないレベルで粉々に分解されてしまったのである。
バギュン! ――ゴオッ! ――――……シーン。
537 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:14:17 ID:???
慧音「あ……が……!?」
つかさ「そんな。触れられたと思ったのに……!」
……そして、ゴール前には誰も居なくなった。
渾身のブロックでシュートの威力を減衰したつかさと、僅かに出遅れたため為す術なく吹き飛ばされた慧音は、
二人とも等しく平等にフェンス前まで吹き飛ばされ、ポスト達は死に、輝夜は粉々になった。
残されたのはゴール後ろに空いたボール型の風穴と、真っ黒に焦げ付いた金属製のゴールポストのみ。
――ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ……
審判はそれをもって仕方なく、「魔理沙がゴールを決めた」と認めて笛を吹く。
即ちそれは、博麗連合はこうも多大な犠牲を払って漸く、点差を3から2に縮めたという事を示していた。
永遠亭ルナティックス 4 − 2 博麗連合2015
538 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:15:30 ID:???
大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
15ゴール 鈴仙
13ゴール レミリア
10ゴール 魔理沙
9ゴール フランドール、射命丸
7ゴール 勇儀
6ゴール 来生、屠自古、霊夢
5ゴール 星、諏訪子
4ゴール 森崎、神子、反町
3ゴール 早苗、謎の向日葵仮面
2ゴール 神奈子、ピエール、メルラン、天子、赤蛮奇、空、佳歩、岬、永琳
1ゴール 妹紅、咲夜、美鈴、サニー、リリーB、ぬえ、響子、萃香
影狼、藍、幽々子、幽香、針妙丸、パチュリー、小田、椛、パスカル
大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
7アシスト 霊夢
6アシスト パチュリー
5アシスト 小町
4アシスト てゐ、神子
3アシスト 早苗、ピエール、小悪魔、マミゾウ
2アシスト 森崎、反町、はたて、岬、空、お燐、霞、レミリア、アリス
1アシスト 鈴仙、影狼、大妖精、橙、諏訪子、佳歩、パスカル
衣玖、針妙丸、リリーW、ルナサ、ぬえ、永琳、妹紅
539 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 00:15:53 ID:???
持っててよかった。スキル・ギャグキャラ補正。
540 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:16:58 ID:???
魔理沙「―――――――」
そして、魔理沙は騒然とする観客を目にしたにも関わらず、
決して歓喜の雄叫びを上げる事も無ければ、静かにガッツポーズをして喜びを噛み締める事も、
仲間に対して檄を飛ばす事すらしなかった。
フラリ……バタン。
――彼女はシュートを撃つ直前の爽やかな笑顔のまま、横に倒れ込んだ。
霊夢「……魔理沙ッ!」
タタタタタッ……!
霊夢は魔理沙に駆け寄った。倒れる彼女を抱き留めたい思ったからだ。
しかしそう思ったのは霊夢だけでは無く、近くにいた針妙丸や、
友達が欲しいアリスは勿論、ものぐさな小町すら慌てて魔理沙へと駆け寄った。
魔理沙「……はは。シュートは……シュートは決まったか、霊夢?」
霊夢「――決まったわ。輝夜は十回位同時に死んで、今リスボーン中」
魔理沙「十回死ぬって何だよ。本当にあいつ等宇宙人は訳わからんな」
魔理沙はいつも通りの悪態を吐きながら、笑って霊夢の呼び掛けに応える。
今のシュートで本当に死ぬかもしれないと誰もが思っていた中、
こうして魔理沙が生きているだけでも奇跡なのかもしれない。
541 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:19:09 ID:???
アリス「魔理沙。……本当に死ななくて良かった」
小町「で、でもさぁ。……そりゃ、命あっての物種とはよく言ったモンだけど。アンタ、本当に良いのかい?」
魔理沙「……良かったさ。サッカーがダメでも、生きてさえいれば、魔法の研究は出来るし、
箒に乗れば、弾幕ごっこだって続けられる。今までと、殆ど変わらないぜ」
針妙丸「で、でもさ! そんな事言っても……!」
霊夢「――魔理沙」
しかし、それでも魔理沙がこれ以上のプレー続行が不可能である事は、
誰の目から見ても明らかだったし、かくなる本人すらも、それを否定しないでいた。
霊夢「魔理沙。本当に……これで良かったのね」
魔理沙「……勿論だ。後悔なんて、どこにも無い」
霊夢「……! ――馬鹿。もう知らない!」
魔理沙は決然とそう言い放った事は、霊夢の心を逆撫でさせた。
――あんたが良くても、私が良くないのよ。そう言いたかったが、霊夢は結局言わなかった。
言う事ができなかった。魔理沙の、……その大きすぎる『シュートの代償』を直視した後では。
森崎「(……馬鹿だぜ。アイツ。――いや。俺も同じ穴のムジナか? ……まさかな)」
森崎は魔理沙の右脚を見て、他のどのメンバーとも違う反応を示した。
恐怖でも哀しみでも無い、理不尽ながらもどこか理解できる、納得できるような。
そんな同情の気持ちを抱きながら、もう一度倒れた魔理沙の全身を見る。
――彼女の右脚は、昔からそうであったかのように、きれいさっぱりと消滅していた。
542 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:20:23 ID:???
*****
鈴仙「し、師匠ぉ……! もう試合続行不可ですよ! 早く魔理沙を治療しないと……!」
永琳「――この場においては、私が居たところで、医務室の天狗以上の施術は出来ないわ。
それに、彼女が命にも近い右脚を賭けて挙げた得点を、没収試合とする事で無に帰す事こそ、
霧雨魔理沙に対する愚弄となるのではなくて?」
鈴仙「そ、それは……」
――魔理沙はあの後、騒然とする観客の悲鳴をBGMにして、派手な退場を遂げた。
博麗連合に代わりに入ったのは名無しの妖精であり、
見るに何の特徴も無く、数合わせ要員である事が明らかに見て取れるが――今はそんな事は重要ではない。
鈴仙達ルナティックスメンバーもまた、目の前で起きたライバル選手の散り際を直視し、
失点以上に驚きと動揺を隠せないでいた。
中山「――サッカーは危険なスポーツだ。
力を欲した者はしばしば、彼女のような末路を辿る事は少なくない。……俺も、紙一重でああなっていた」
パスカル「……エイリンさんの言う通り。マリサが倒れたところで、試合は終わらない。
俺達は、前に進み続ける必要があるんだ」
鈴仙「な、中山さん。……パスカル君。わ、分かったわよ」
しかし、サッカーの厳しさを知る中山やパスカルは、鈴仙程には動揺していなかった。
あるいは、内心で動揺していつつも、そうする事の無意味さを理解していたのかもしれない。
543 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:31:46 ID:SBjDZhCc
永琳「――試合は現在後半20分。試合は4−2で、私達のリード。
次のキックオフは当然に私達から。だから、私達には豊富な中盤と、
相手前線選手の退場及び負傷を活かして、ゆっくりとパスワークを続ける事ができる。
だから、博麗連合が攻撃チャンスを得られるのは後1回か……良くて2回程度。
私達がひたすら鳥かごを続けるならば、その2回目の攻撃チャンスすら、ままならないでしょうね」
鈴仙「…………」
そのため、鈴仙は依然変わりなく、これからの試合展開を決定する事を強いられた。
魔理沙の在り方に想いを馳せる事も、迷う事も許されずに。
しかし、それが強さと鈴仙は思う事にして、溢れる疲労感を堪えつつ、次のキックオフの大まかな動きを決定した。
それは――。
A:安定重視で、パスワークを主体に試合を構築していく。
B:追加点重視で、パスワークを主体としつつ、隙を見つけて攻勢に出ていく。
C:攻撃重視で、キックオフと同時に攻勢に出て、得点を狙っていく。
D:その他 具体的な戦術があれば極力反映します。
鈴仙のガッツ:90/980
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
※選択肢について※
*Aの場合、博麗連合には1回のシュートチャンスが発生します。
*Bの場合、博麗連合には1回のシュートチャンスと1回の攻撃チャンスが発生します。
その代わり、ルナティックスにも1回の攻撃チャンスが発生します。(攻撃方法は選択可)
*Cの場合、博麗連合には1回のシュートチャンスが発生します。
その代わり、ルナティックスにも2回の攻撃チャンスが発生します。(攻撃方法は選択可)
ただし、ルナティックスの攻撃が失敗した場合は、そのまま敵の攻撃チャンスとなります。
*いずれの場合も4−3となった時、(クラブAを引かない限り)安全に試合を流せるような選択肢が発生します。
*試合の勝敗よりは、「○○(キャラの名前)を活躍(覚醒)させたい!」「姫様を最優秀GKにしたい!」
……などのような感じで選んでくだされば幸いです。
544 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 00:33:41 ID:5LA9PjEs
A
サッカーって足が吹っ飛んでしまうような身体欠損の可能性のあるスポーツだったのか・・・!
(テニヌを見て)・・・何も可笑しくは無いか。
545 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 00:34:12 ID:KBdSdKws
A
546 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 00:34:36 ID:Im0kxiPI
A
547 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/05(木) 00:34:45 ID:???
…と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
>>539
姫様が持ってるのはスキル・蓬莱人であって、断じてギャグキャラではないから…
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
548 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 00:35:34 ID:???
鈴仙とウサギD交代で合体パスカットで霊夢へのパスをぶんどるとか?
さすがに鈴仙はお役御免
549 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 05:59:42 ID:???
そういえばうどんちゃんの耳も1回無くなってたような気がする
サッカーとは過酷なスポーツなんですなぁ
550 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 08:07:07 ID:???
D 「ドールマンを覚醒させてドーベルマンにしたい!」「姫様とブルノさんを最優秀カップルにしたい!」
「メオンの弱点のダイレクトシュートを治さず放置したい!」
551 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 10:35:07 ID:???
そんなまりーさ王女もヒューガーに任せれば
以前より強靭な足も生やすことができます!
こんな、広告がでてそう
552 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 12:10:38 ID:???
ヒューガースタッフ「また壊してもいいようにサービスで足を3本生やしました!」
553 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 13:45:06 ID:???
足なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ
554 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 19:40:52 ID:???
キャタピラにするのもありかもしれない
555 :
森崎名無しさん
:2015/11/05(木) 22:49:55 ID:???
>輝夜「わ、私のポスト達がぁぁぁ……ぜ……ぜん……め……めつめつめつ……」
ブルーアイズ3枚持ってそう。融合カードも持ってそう。
そのうち、持ってるポスト全部を融合させてアルティメットポスト出そう。
ブルノアイズアルティメットポスト!
556 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 00:45:13 ID:???
こんばんは、今日はあまり書けず、描写だけになりましたが更新再開します。
>>548
ああ、そう言う戦略の幅があっても良かったかもですね。
ただAの場合はイベント描写の後にシュート判定1回なので、
ぶっちゃけ鈴仙達のガッツやら能力やらはあまり関係ないです。
>>550
メオンは結局ダイレクト以外でもやられちゃってるんですが、それは…
>>555
ブルノアイズは場に召喚されたら強制敗北ですね。
>魔理沙の脚について
姫様あたりが死に過ぎてるせいで悲壮感がないかもですねw
557 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 00:47:06 ID:???
A:安定重視で、パスワークを主体に試合を構築していく。
鈴仙「――これ以上攻める必要は無い……と思います。
私達以上に相手は疲弊していますし、何より戦意を喪失している。
そんな中でてゐや中山さん、師匠やパスカル君と言ったメンツでパスを繰り返すだけでも、
充分な時間を稼げると思います」
てゐ「まぁ、それが無難かねぇ。無理に攻めに行くにも鈴仙がガス欠で、
佳歩とかで攻めるにしても、伊吹萃香はかなりの実力者だし。
攻撃失敗でカウンターを食らって逆転されたら意味が無いもんね」
つかさ「……お恥ずかしいですが、私も少し消耗してしまいました。
多分試合終了直前まで待てば、また普段のパフォーマンスが出来ると思うのですが」
輝夜「私もダメね。ブルノさんと喋ってたらノドが枯れちゃって」
妹紅「いや、その位がんばれよ! というかブルノさんって誰!?」
慧音「姫君は私達とは似て非なる世界の住人だから。あまり気にしない方が良いと思うぞ……」
永琳「――決まりね。私も反対しないわ」
鈴仙「……ありがとう、ございます」
鈴仙の提案に永琳を始めとするチームメンバーは同意し、試合は再開に向かって動き出す。
しかしそんな中で、鈴仙だけはやはり魔理沙の姿が目に焼き付いて離れないでいた。
鈴仙「(師匠に並び立とうと努力して。その結果足を奪われたとしても……。
私は、魔理沙みたいに笑っていられるのかな)」
魔理沙は苦痛に顔を顰めるでもなく、自分の呪われた才能を恨む訳でもなく。
単純に、爽やかに笑っていた。……鈴仙には、それがどうしても理解出来なかったからだ。
558 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 00:50:47 ID:???
……――ピィイイイイイイイイイイイイイッ!!
試合再開のホイッスルが鳴っても尚、鈴仙の思案は止まらない。
鈴仙「(――もしも中山さんやパスカル君が、今の魔理沙みたいな事が起きたらどうなるかな)」
中山ならば、笑うよりも先に、足を取り戻す手段を画策するだろう。
パスカルならば、色々と考えて、最初から足を失わず成功する手段を思いつくだろう。
では、鈴仙ならば。自分だったらどうするだろうか。
鈴仙「(……うん。やっぱり私は、そこまで割り切れない。
きっと途中で逃げ出すか、逃げる隙すら見失って。それからウジウジ後悔してそう)」
――そう考えて、鈴仙はこれまでの成長を経てもなお、自分は中山やパスカルのように強くないと思った。
鈴仙「(――そもそも私がここまで努力して来れたのも。
この大会においてここまで目覚ましい成績を挙げられたのも、全部他の誰かのお蔭だもの)」
鈴仙は魔理沙や森崎達のように、自分一人だけで強くなった訳ではない。
中山とパスカルに導かれ、てゐや佳歩達と共に成長した鈴仙は、
仲間との結束というある意味では大きな力を得るに至ったが、しかし仲間は永遠に鈴仙の傍に居るとは限らない。
鈴仙「(――プロジェクト・カウンターハクレイだとか、リアル・幻想・セブンだとか。
この大会が終わった後にも色々な道があるけれど……そのいずれを選ぶにしても、
今の永遠亭ルナティックスのメンバーでサッカーをする事はできない。その時に、私は――大丈夫なの?)」
鈴仙は強くなった。それは間違いない。
しかしその強さは、中山や森崎が伝え、魔理沙が実践しようとしていた強さとは少し異なっていた。
魔理沙の姿を見てそれをハッキリと悟った鈴仙は、自分の進むべき道を見失いかけていた。
559 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 00:54:12 ID:???
――バシッ、バシッ、バシッ。
てゐ「これが最後だ。いくよ、『エンシェントデューパー』!」
バシュッ、ギュンギュンギュンッ!
アリス「……と、取れないわ!」
衣玖「やはり駄目……でしたね」
鈴仙がこう思いを馳せる間にも、パスワークは恙なく継続している。
途中アリスや衣玖によりパスをカットされる事も数度あったが、
その度に厚くした中盤の守備陣でボールを奪い返していたため、
ルナティックスが窮地に陥る事はほぼ全くと言って良い程無かった。
霊夢「…………」
また、魔理沙を失った霊夢のプレーが明らかに精彩を欠いていた事が、
ルナティックスのこうした状況を大いに支えている事も明らかだった。
バシッ、バシッ、バシッ……。
――そして、時間は流れて後半戦も残り僅かとなっても尚、
博麗連合は決定的なチャンス一つすら作れないでいる。
試合は既にクライマックスを終え、後は消化されるのみとなっていた。
560 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 00:55:16 ID:???
――と、言ったところで非常に中途半端ですが、今日の更新はここまでにします。
明日はシュートシーンをやって、出来れば試合終了までやっていきたいと思います。
それでは皆さま、本日もお疲れ様でした。
561 :
森崎名無しさん
:2015/11/06(金) 18:54:36 ID:???
姫様、カグヤファンと遊びすぎて疲れるの巻
562 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/06(金) 22:00:02 ID:???
すみません、今日は早く帰ってこれたのですが、ちょっと風邪を引いたので更新お休みします(汗)
>>561
そういや実際姫様ってポストを呼ぶ以外ほぼ何もしてないですね…w
563 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/07(土) 23:36:44 ID:???
そして、ここまでの一連の流れを見た、試合を観戦していた多くの観客達はと言うと。
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!
観客「なんだよ博麗連合!」「もっと頑張れよ!」「博麗の巫女って案外大したことなくね?」
「時代はやっぱり鈴仙とか中山さんとか……だな!」「おいおい、パスカル君忘れんなって!」
「俺達人間も、頑張ればああなれんのかな」「私達妖精も?」「頑張れば鬼とかに勝てる……?」
「ああ! サッカーに人間も妖怪も、種族の貴賤も関係ないって事だ!」「このまま勝てー! ルナティックスー!」
――耳をつんざく様な歓声と、耳をつんざくような罵声を交互かつ同時に行うのみとなっていた。
そして歓声の全てはルナティックスに向けられており、罵声の全ては博麗連合に向けられていた。
それも当然だった。
博麗連合は既にキャプテンの霊夢を始めとして、多くのメンバーが既に戦意喪失状態。
この中で唯一最後まであがきそうな選手である森崎は極度の疲労。
その一方で、ルナティックスの選手達は未だ高いモチベーションで精度の高いパスワークを行っている。
実況「試合は……間もなくロスタイムに入ります!
幻想郷のあらゆる勢力が結集し、そして力を競い合った全幻想郷選抜大会!
その決着が、もう間もなく、後5分足らずで決してしまうのです!
しかもその決着は恐らく前代未聞! なんと常勝・博麗連合では無く……永遠亭ルナティックスが!
博麗の巫女が率いないチームが、大きな大会において優勝の栄冠を勝ち得るという歴史的瞬間を、
我々幻想郷のあまねく人間、妖怪、妖精、妖獣、その他種族からなる観客達は見る事になるのです!」
――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
モリヤスタジアムに萃まった数千数万ものあまねく種族達は、
もはや感情すら置いてけぼりにして、歴史が、幻想郷が変わる瞬間を心待ちにしていた。
564 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/07(土) 23:38:03 ID:???
〜モリヤスタジアム・上空〜
藍「紫様、もはや結界の歪み、ズレ、破綻は無視できないレベルです!」
紫「……そう」
藍「無礼は承知で申し上げますが、紫様の計画は……完璧に破綻しました」
紫「…………」
観客達の熱狂は、幻想郷と外界とを隔てる結界にも干渉し始めていた。
そもそも幻想郷の結界というものは常識の境界。
外界において常識があるなら、非常識が幻想郷の理となり。
外界において否定された存在があるなら、それは幻想郷において肯定され存在し得る。
そして外界において、ある常識や存在の否定の度合いが強くなれば強くなるほど、幻想郷の境界は強くなる。
藍「異変の元凶である中山政男は当初、外界における常識――努力の概念や種族間の平等――を幻想郷に持ち込んだ。
鈴仙・優曇華院・イナバは中山政男が持ち込んだ常識を拡散・強化させた。
アラン・パスカルがこの二人を強化したという件については、今回は据え置くとして。
それら一連の行為は、幻想郷と外界との常識の均一化を図るという時点で、結界の弱体化に繋がりました」
藍は黙して動かぬ主に対し、これまでの現状を整理するかのように語りだす。
藍「また、中山政男の思想は、幻想郷の人間と妖怪の在り方についても変革を及ぼすものでした。
努力すれば、弱い人間でも、強い妖怪に勝てるという思想は、
人間は妖怪を恐れ、妖怪は人間を襲う。そして異変は巫女が解決するという、幻想郷における秩序に影響を来します。
そうなるといずれ人間は成長し、内側から結界の破壊を行う事になるでしょう。今の観客達のように……。
――結界そのものへの直接攻撃と、結界の内側に暮らす住人を介した間接攻撃。
この二つの力により、幻想郷の秩序と、それを支える結界には大きな負荷が掛かっております」
565 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/07(土) 23:39:30 ID:???
紫「藍。話が長い。……それでどうして、私の計画が破綻と言うのかしら?」
藍「――失礼しました。紫様の計画について、話を戻します。
紫様の計画は、先程に申し上げた二つの力を防ぐために設けられたものです」
紫の発言には普段の叡智に溢れる鋭さは無かった。
しかし彼女からの鈍い叱責を受けてもなお、藍は主への忠誠を失う事なく続ける。
藍「紫様は、中山政男の思想が陳腐なものであると認定するため。
そして『異変は巫女が解決する』という、幻想郷の秩序の形を再現するため、この、全幻想郷選抜大会を開催しました。
……いや、当初はもっと大きな計画だった筈です。
世界の強い人間を集めた大会を更に開き、それを霊夢率いる幻想郷選抜メンバーが倒す。
それにより、幻想郷の秩序を再確認し、結界をより強固なものにするという」
紫「……そうね。そうだったかしらね」
藍「――ですが、現実は違った。
中山政男の思想は受け入れられ否定されず、巫女は異変を解決できなかった。この試合展開が、全てを物語っています。
また、それだけではありません。私達の敵は、中山政男だけではありませんでした。
豊聡耳神子が中山政男の思想を一部利用し人間を煽り立て、
日向小次郎がヒューガーという企業を介し、幻想郷の資本主義化――外界の常識との同化――を助長した事実は、
中山政男程の影響力こそ無いにせよ、結界と幻想郷の住人に大きな影響を与えています」
藍は紫の衰弱は、乱心はヒューガーが原因であると断じた事もある。
彼らの高い科学技術が、幻想と現実との境界を誤らせ、恐怖を否定したのではないか――と。
確かにその側面は否定できないにせよ、今の彼女はそれだけでは説明が付かないまでに衰弱しているのだが。
566 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/07(土) 23:41:29 ID:???
藍「私の計算では、……幻想郷と外界とを隔てる結界は、この大会が終了した後、恐らく間もなく崩壊するでしょう。
そこから先、妖怪達は、人間達は……どうなるか、私には皆目見当がつきません。
外界の富を得て、新たな進化を遂げるか、新たな文化と常識に適応できず消え去るか。
――いずれにせよ分かる事はただ一つ。
紫様が愛し、私もまた愛した。そしてもしかしたら、他の皆が愛した幻想郷は、その形を大きく変える事になるという事のみです」
紫「……もう昨日には、戻れないのね」
紫は先程までよりは穏やかな口調で、藍の結論を一言で纏めた。
藍は静かに頷きつつ紫に近づき、彼女の自分以上に細い身体を静かに抱き寄せようとした。
そうでもしないと、彼女がどこかへ消え失せてしまいそうだったからだ。
主に対する無礼だとか、そうした事を考える余裕は今の藍には無かった。
――しかし。
紫「――藍、待ちなさい。貴女の発言はおよそ正解だけど……間違いが一つある事に気付いたわ」
藍「……!?」
その折、紫が下界を見下ろしながら、かつての煌めきを取り戻しつつそう言い放った。
唐突に覚醒したように、ビクンと体を震わせた彼女の姿に、藍は思わずたじろぐ。
動揺を見せた藍に対し、紫は上機嫌で――遥か下界のフィールドを指差した。
紫「貴女は私の計画が『完璧に』破綻したと言ったけれど。正確には――『半分は』破綻しただけだったみたいよ?」
紫が指差した先には――博麗の巫女が居た。
しかし彼女は魔理沙を失って以降プレーに精彩さを欠き、観客から罵詈雑言を浴びせられていた筈だ。
それにも関わらず何故、主は博麗の巫女を見て『半分は』成功したと言えるのだろうか。
藍「――こ、これは。彼女が放たんとしているシュートは、もしや……!?」
藍が抱いたその疑問への答えは、巫女の表情と――彼女が試合終了間際に放ったシュートが、的確に表していた。
567 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/07(土) 23:45:16 ID:???
藍「中山さんとか鈴仙とかパスカルのパワーで幻想郷がヤバい」
――と、いった所で短いですが今日はここまでです。
これまでのまとめ的な話も多かったですが、これだけ長く続いた(2年半以上)話だと、
適度にこうしたまとめシーンを入れた方が、展開が分かり易くなっていいかなと思っています。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
568 :
森崎名無しさん
:2015/11/07(土) 23:50:46 ID:???
乙でしたー
分かってたけど妖怪側から見たら暢気で穏やかな幻想郷がなくなるのはなんか寂しいなぁ
どうなるかは鈴仙の行動次第だけどエンディングでは皆がハッピーになれたらいいな
569 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 17:03:48 ID:???
サッカーでみんなを……笑顔に……(ナス)
570 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 20:55:39 ID:???
こんばんは、更新再開します。
>>568
乙ありがとうございます。
人間の側からしても、妖怪の管理下に置かれていたとしても、
ある程度自由に独立して生活できている分、完全なる不幸ではないのかもしれないですね。
正解が無い問いだとは思いますが、上手いところ落としどころを見つけていければと思います。
>>569
最後の最後は翼くんよろしくサッカーで世界平和的な感じになると良いなと思ってます。
571 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 20:56:47 ID:???
*****
〜モリヤスタジアム・フィールド〜
鈴仙「(――もうすぐで終わる。私達永遠亭ルナティックスの、長い戦いが……!)」
試合時間がロスタイムを残すのみとなり、ルナティックスメンバーはいよいよ、
優勝の二文字が現実味を帯びて来た事に対し、静かに色めき立っていた。
試合は現在4−2。万一、ここで仮に失点をした所で次にボールが渡るのはルナティックス。
そしてその時、試合時間は恐らく3分と残されていない。
鈴仙「(最初はどうなるかと思った。純粋な強敵も居れば、搦め手を使ってくる敵も居た。
だけど、……そのどれにも、私達は結束して、辛うじてでも勝ち抜いて来た)」
サッカーにおいて、最後の1秒まで気を抜いてはならない。
そう知っている鈴仙でもこうしてパスを回している最中、脳裏にこれまでに対戦したライバルとの思い出が浮かんでくる。
初戦ながらも、大会トップクラスの実力を持つ風見幽香とレティ・ホワイトロックを擁する、雑魚妖怪チーム。
古明地さとりを中心に、尖りつつも団結した結束を見せルナティックスを苦しめた、地霊殿サブタレイニアンローゼス。
自らの進むべき道に思い悩み、最後には鈴仙と袂を分かつ決心をした妖夢が属した、西行寺亡霊連合。
帰って来た中山により勝利こそしたが、決して一筋縄では行かなかった、守矢みらくるず。
一芸特化の選手や場外戦術を活かし、ルナティックスを一度は敗北の窮地にまで追い込んだ、聖徳ホウリューズ。
そして――。
鈴仙「(――そして。私達は今、博麗連合にすら勝とうとしている。
博麗霊夢を中心とする圧倒的な中盤を制し、霧雨魔理沙による爆発的なシュートを二度も防ぎ、
森崎有三の超強力なセービングを掻い潜り4得点を挙げ――この大会に、優勝しようとしている!!)」
――これまで鈴仙が辿って来た道は決して平坦では無く、途中には数多くのスランプ、挫折、仲間への不信があった。
しかしそれでも、鈴仙は自分の力で、時には仲間の力を借りて、ここまでやって来た。
そして、一旦のゴールは……今、目前に迫っていた。大会優勝という、未だかつてない大きなゴールが。
572 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 20:58:41 ID:???
パスカル「ヘイ、レイセン!」
バシュッ……パシッ。
鈴仙「ありがと、パスカル君! ……それじゃ、てゐっ!」
バシュッ……。
パスカルの巧みなパスを鈴仙は難なくフォローし、それを後方のてゐに渡す。
博麗連合はもはや満身創痍。疲労がまだ取れない鈴仙であっても、パスを通す事は容易だった。
――容易だった、筈だった。
シュンッ!
霊夢「―――――」
フワリ、――パスッ……。
鈴仙「!?」
鈴仙がこれまで辿り、そしてこれから辿るべき道。その一旦のゴールまでの僅かな距離。
――そこには、もう一つ大きな壁があった。
実況「――……!? れ、霊夢選手がここに来て俊敏な動きを見せて、鈴仙選手のパスをカットしてみせた!
魔理沙選手の退場以降今まで、ハッキリ言って精彩を欠いた動きの多かった霊夢選手ですが、
しかし今回に限っては異様なまでに正確かつ高速! ここに来て、無慈悲な巫女の顔を再び覗かせました!」
573 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 20:59:44 ID:???
鈴仙「そ……そんな。どうしてよ。さっきまで、あんなに取り乱していたのに。どうして、そんなに突然――!」
これまで普通の少女らしく、魔理沙の喪失に涙していた霊夢の顔を覗き込んで――鈴仙は思わず息を飲んだ。
そこには一切の感情の類が抜け落ちていたからだ。
異変を解決する際、霊夢は時たま感情を希薄にさせる事を鈴仙は知っていたが、
あくまで希薄なだけで、ある程度の怒りだとか義務感だとか、そうした感情は充分に残っていた。
少なくとも今の、顔があるのっぺらぼうのような。そんな怖くて寂しい表情では無かった。
霊夢「―――――……!」
戸惑う鈴仙に対して何の感情を見せずに、彼女はまるで機械のように淀みなく、次の行動に出た。
だが、その行動の真意を掴める者はこのスタジアムには居なかった。
ガシッ。ポーーーーン! ……ギュルルルルルッ!
佳歩「な、なんですか……!?」
パスカル「ヒールリフト? ……だがしかし、どうしてこんな真上に飛ばす必要が?
しかも、今はまだ誰もプレスにすら向かえていないと言うのに」
永琳「只のヒールリフトじゃないわね。強烈なバックスピンが掛かっている。これは……?」
霊夢は両脚を器用に使って、ボールを真上に蹴りあげた。
それは永琳が言う通り強いバックスピンを伴いながらハイスピードで落ちて行く。
ルナティックスのメンバーは、博麗連合のメンバーは、その様子を棒立ちで眺める事しか出来ない。
果たして霊夢は――いや、感情を亡くした博麗の巫女は、……そのボールに対し、ドライブシュートの構えを取った。
574 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 21:04:46 ID:???
中山「(――ボールを蹴りあげた時の回転力。そのスピードと高さ。そして、ドライブシュートのパワー!
これはもしや……!? いや、しかし……そんな事が……そんなシュートが、あるのか……!?)
皆、構えろ!! 試合終了前だがもう一発大きいのが――来る!」
鈴仙「!!? な、中山さん!?」
妹紅「えっ……? な、何!?」
慧音「まさか……これが、博麗の巫女の奥の手だと言うのか!?」
つかさ「でも、ゴールまで距離が50メートル程……!」
霞「データ計測します……! け、計測不可能! スカウターが全く反応しません!?」
てゐ「――ま、そうカンタンには勝たせてくれないってか。幸い、壁は多そうだし、
姫様も最近色々神がかっているから、多分大丈夫だとは思うけど……」
霊夢「……唸りなさい」
グワァアアアアアアアアッ!!
輝夜「……え? 何? またシュート……!?」
そして霊夢は、無感情のままに小さくそう呟くと
――足元に落ちたボールを、天生に従うまま、夢想の中に撃ち放った。
575 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 21:06:27 ID:QDEnGUqU
☆どのセービングをしてもらいますか?
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
A:たすけてみんな!!(セーブ力に固定で+10されます)200消費
超必殺キャッチです。強力ですが、「(えーりんが)とめる!」は発動しません。
使用時獲得カリスマポイント:−1(0以下にはならず、ポイントが0でも使用可です)
B:たすけてえーりん!(セーブ力に固定で+8されます)150消費
必殺キャッチです。1/4で「(えーりんが)とめる!」(+3)が発動します。
成功(=こぼれ球以上)時獲得カリスマポイント:0
C:パンチング(セーブ力に固定で+4されます)80消費
ボールを弾きます。勝利しても自陣深くにボールが残ることが多いです。
1/4で「ブリリアントドラゴンバレッタ(+2)」が発動します。
成功時獲得カリスマポイント:1
D:キャッチング(セーブ力に固定で+2されます)40消費
ボールを掴みます。成功率が低い分、勝利時はこちらにより有利な判定となります。
成功時獲得カリスマポイント:3
E:カリスマセーブ(セーブ力に固定で+0されます)40消費
カリスマにワンハンドキャッチします。属性はキャッチと同じですが、成功したらカリスマ度が急上昇します。
また、JOKERが出た場合は数値差に限らず強制勝利となります。
成功時獲得カリスマポイント:5(失敗時でも+1)
F:ライフスプリングインフィニティ(セーブしません)100消費
輝夜が何か凄いオーラを発し、2/13(+JOKER)でシュートを防ぎます。吹き飛び判定はなく、ポスト判定は存在します。
成功時獲得カリスマポイント:4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
輝夜セーブ力:53+(ガッツ300未満ペナ-1)
霊夢の『夢想天生』の威力:65
輝夜のガッツ:260/730
輝夜のカリスマポイント:0/10(ポイントが溜まると難題が解放され、輝夜がパワーアップします。現在:LV2)
576 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 21:07:55 ID:???
※補足忘れですが、霊夢の『夢想天生』は距離補正が無効です。
577 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:08:17 ID:xrcm5HOM
F
578 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:10:10 ID:fM7Ylu/c
A
579 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:10:13 ID:3IJpwWAo
A
580 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 21:11:42 ID:???
A:たすけてみんな!!(セーブ力に固定で+10されます)200消費
先着5名様で
★霊夢→夢想天生 65 ( ! card )( ! dice + ! dice )=★
★鈴仙→ブロック 46 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)+(ガッツ200未満ペナ-2)=
てゐ→ブロック 44 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)=
中山→ブロック 51 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)=★
★妹紅→ブロック 47 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)=
霞→ブロック 48 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)=★
★つかさ→ブロック 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)+(ガッツ300未満ペナ-1)=
慧音→ブロック 51 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+4)=★
★輝夜→たすけてみんな!! 63 (! card)(! dice + ! dice)+(ガッツ300未満ペナ-1)=★
と書き込んでください。カードやダイスの結果で分岐します。
【シューター】−【ブロッカー】
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして試合終了。
≦−2→ルナティックスボールに。そして試合終了。
【シューター】−【キーパー】
≧2→霊夢の「夢想天生」がルナティックスゴールに突き刺さる。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして試合終了。
≦−2→ルナティックスボールに。そして試合終了。
【補足・補正・備考】
(次レスに続きます)
581 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 21:13:15 ID:QDEnGUqU
【補足・補正・備考】
霊夢の「夢想天生」は距離補正を無効化します。
更に、霊夢とブロッカーのマークが一致した場合、ブロッカーは強制的にブロックに失敗します。(GKに対しては無効)
霊夢はスキル・博麗の巫女により、ダイスで2が出た場合数値を12、3が出た場合数値を11とします。
霊夢のスキル・博麗の巫女は中山相手には通用せず、正規のダイス目を適用します。
鈴仙のスキル・狂気の瞳は霊夢のスキル・空を飛ぶ程度の能力により無効化されます。
中山のマークがダイヤで、「ソウルブロック(+8、250消費)」が発動します。
中山のマークがハートで、「フォーリングブロック(+6、150消費)」が発動します。
中山はスキル・後天性ファンタジスタにより、ダイスが2の時数値を10、3の時9とします。
つかさのマークがダイヤで、「ソウルブロック(+8、250消費)」が発動します。
つかさのマークがダイヤで、「顔面ブロック(+6、150消費)」が発動します。
慧音のマークがダイヤで「三種の神器 鏡(+4、100消費)」が発動します。
輝夜はスキル・蓬莱人により絶対に負傷しません。
582 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:15:23 ID:???
★霊夢→夢想天生 65 (
ハート8
)(
1
+
1
)=★
583 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:15:53 ID:???
★鈴仙→ブロック 46 (
クラブ9
)(
4
+
4
)+(人数補正+4)+(ガッツ200未満ペナ-2)=
てゐ→ブロック 44 (
ハート9
)(
4
+
2
)+(人数補正+4)=
中山→ブロック 51 (
ダイヤ8
)(
5
+
2
)+(人数補正+4)=★
584 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:16:51 ID:???
★妹紅→ブロック 47 (
ハートJ
)(
4
+
5
)+(人数補正+4)=
霞→ブロック 48 (
スペードJ
)(
1
+
1
)+(人数補正+4)=★
585 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:16:59 ID:???
★妹紅→ブロック 47 (
スペード8
)(
5
+
2
)+(人数補正+4)=
霞→ブロック 48 (
ハートK
)(
3
+
2
)+(人数補正+4)=★
586 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:18:40 ID:???
★つかさ→ブロック 50 (
スペードK
)(
4
+
5
)+(人数補正+4)+(ガッツ300未満ペナ-1)=
慧音→ブロック 51 (
クラブ5
)(
5
+
3
)+(人数補正+4)=★
587 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:19:37 ID:???
★輝夜→たすけてみんな!! 63 (
ハート7
)(
5
+
1
)+(ガッツ300未満ペナ-1)=★
588 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:19:56 ID:???
★輝夜→たすけてみんな!! 63 (
スペード9
)(
6
+
4
)+(ガッツ300未満ペナ-1)=★
589 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:20:30 ID:???
★つかさ→ブロック 50 (
ハートA
)(
2
+
4
)+(人数補正+4)+(ガッツ300未満ペナ-1)=
慧音→ブロック 51 (
ハート7
)(
6
+
5
)+(人数補正+4)=★
やっぱ中山さんは強いな
590 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:23:41 ID:???
唯一スキルの通用しない中山さんがダイヤ出すとは
中山さん持ってるわー
591 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:25:12 ID:???
まさに流れも時代もすべてが味方したって感じだな
592 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:27:25 ID:???
とち狂ったような性能だけど勝った!
593 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:32:20 ID:???
紫「『半分』の成功なんてなかった!のも鈴仙って奴の仕業なんだ」
594 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 21:58:37 ID:???
ここは霊夢に、博麗連合に、そして旧秩序に対し徹底的に敗北しろという
何らかの意思がある。そう思えるような負けっぷりだ。
595 :
森崎名無しさん
:2015/11/08(日) 22:39:45 ID:???
敵エースの距離補正無視の超シュートを中山がブロック、アナカンスレでもあったなぁ
596 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:42:29 ID:QDEnGUqU
※結果には関係ありませんが、中山さんのブロック値は51でなく52でした。修正します。
それと人数補正は7人なので+4では無く+3でしたので、こちらも合わせて修正します。
★霊夢→夢想天生 65 ( ハート8 )( 1 + 1 )(スキル・博麗の巫女により12扱い)=77★
★鈴仙→ブロック 46 ( クラブ9 )( 4 + 4 )+(人数補正+3)+(ガッツ200未満ペナ-2)=56
てゐ→ブロック 44 ( ハート9 )( 4 + 2 )+(人数補正+3)=×※ブロック失敗!
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!
★霊夢→夢想天生 65 ( ハート8 )( 1 + 1 )(スキル・博麗の巫女は無効)=67★
中山→ブロック 52 ( ダイヤ8 )( 5 + 2 )+(人数補正+3)+(ソウルブロック+8)=70★
≦−2→ルナティックスボールに。そして試合終了。
霊夢「……身体が、軽い」
霊夢はこの時、全ての思考を放棄していた。そうなれば楽になれると考えて。
そして事実、友人の喪失やら巫女の責務やらチームの皆の事やら、
仕事をする上で余計な事ばかり考えていたさっきと違って、考えないでいると自分は自在に動ける事が分かった。
霊夢「私とした事が、ホントにバカだったみたいね。……最初から、こうしてれば良かったのに」
バッギュシュワァアアアアアアアアアアッ!!!
ギュィインギュィインギュィインギュィインギュィイン!!!
溜息を吐きながら、しかし霊夢はごく自然な体勢でボールを蹴り出すと、
そのボールは唸るような轟音を上げながら上空へと舞い、
そこから急激に落下しつつ螺旋状の軌道を描き、ルナティックスのゴールへと襲い掛かる。
アリス「し、信じられない……! 何、このシュートは……!?」
針妙丸「まるで……空を飛ぶ鳥みたいだ、あれ! 重力にも、何者にもとらわれてないよ!」
パスカル「――これはシュートじゃない。彼女が呼んだ、極上の嵐〈サイクロン〉だ……!」
597 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:43:42 ID:QDEnGUqU
*****
ギュウウウウウウウン……!
藍「何だこのシュートは……! 化け物染みた威力もそうだが、この実体の無さは……恐ろしい!」
霊夢が起こした大旋風は、スタジアムの上空数百メートルにまで届いていた。
上空で紫と共に試合を観戦していた藍は、自身の足元近くにまで舞い上がったボールを見て、改めて驚嘆する。
紫はその様子を見て、満足気に頷き……彼女が成し遂げた、『半分』の成功について言及し始めた。
紫「――霊夢の才能は、これまでの博麗の巫女の中でも最高クラスだった。
だけどその一方で、あの子は博麗の巫女として、やや人間的過ぎるきらいがあったのよね。
あれじゃあ見ず知らずなルール違反の易者を殺す程度ならともかく。
自分の友人とかが相手だと、ルール違反をしても、巫女としての仕事を全うできない可能性があったもの」
藍「紫様、まさか。 貴女が達せられようとしていた、もう半分の計画と言うのは……!」
紫「ええそうよ、藍。私は貴女が言うように中山政男を押さえ、幻想郷の秩序を守ろうと奔走していた。
その結果は殆ど失敗に終わったけれど。でも、もう一つの計画は無事に成功――いや、予想以上の成果が出たみたい」
藍「貴女はそれすら見越して、博麗連合に森崎有三を置いたのですね……!
霧雨魔理沙共々、危険性の高い彼を捨て駒に堕すだけではなく。
森崎有三によって霧雨魔理沙の破滅を促し、その絶望によって、博麗霊夢に巫女の本分を思い出させる為に……!」
紫「さてね。全ては偶然のフリをした必然よ。――それより藍。このシュートを御覧なさい?
あれが博麗の巫女の本来の力よ。あれさえあれば、ここから巻き返す事も。
全てを無かった事に出来るのも、意外と容易い事だと思わないかしら?」
598 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:45:03 ID:???
そうおどけてみせる紫だったが、藍は思う。
もしもこれら一連の計画が完全に紫の掌の上だと言うならば――この方は、衰弱してもなお、恐るべき智恵を持っている。
霊夢と深く親しくなりすぎた人間、中山以上に幻想郷の秩序を乱し得る人間を排除すると同時に、
その排除をきっかけに、霊夢を巫女としてより純化した存在へと昇華させる。
それこそが紫の目的の半分にあるとすれば――確かに、彼女の目論見は成功だ。
紫「今の『夢想天生』は、どうもあの子の思いつきで今作ったシュートみたいだけど。
あのシュートはまだまだ発展性がありそうね。前転でボールを蹴ったり、オーバーヘッドの体勢で蹴ったり……。
後、霊夢程の才能の持ち主だったら。地面にバウンドさせた後、不規則な軌道を描かせたりも出来そうかしら?」
藍「……………」
しかし同時に藍は、紫がにべも無く残酷な策を打った事に対し、少なからず落胆していた。
昔の主ならば、口調こそ残酷であっても、その実際には確かな遊び心があった筈だ。
これでは、まるで――
藍「(――まるで、今の貴女は外の世界の住人のようだ)」
藍は内心でそう主に対し毒づく。
目的の達成を急ぐばかりに無駄を省き効率を愛し、不要なものを躊躇なく切り捨てる。
外界と幻想郷との境界は既に希薄である事を、幻想郷の賢者は皮肉にも如実に示していた。
そして、この異変の元凶は容赦なく、紫が抱く最後の幻想すらも否定しに向かっていた。
599 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:46:24 ID:???
*****
ギュンギュンギュンッ……!
中山「成程。――このシュートからは、何の雑念や欲も感じない。
ただ単に、シュートを撃つ必要があるから撃った。それ以上でもそれ以下でも無いシュートだ。
そしてそれ故に、俺は君に問いたい」
霊夢「――黙りなさい。お前に話す事など何も無いわ」
空から大きな竜巻が降って来る。しかもその風には触れる事ができない。
そこにありこそすれ、その風はこの世の何からも浮いている。
あり得ない程に真っ白で真っ新なシュート。それはあまりにも美しすぎた。
――中山は霊夢と対峙しながらそう考えていた。
中山「君は全ての思考を停止して、完全なる自然――才能からこのシュートを撃ち放った。
それは充分に称賛されるべき事だし、現に先にブロックに向かった鈴仙さんとてゐさんは、
二人ともボールに触れてすらいない。……なんせ、このボールはどうしようも触れないのだから」
霊夢「何が言いたいの」
中山「――一つだけ、君に教えてあげたい事がある」
バァァァァッ……!
霊夢の機械的な問いかけに対し、中山は大きな跳躍を交えて大声で答えた。
中山「――サッカーは才能だけじゃない。……努力が必要だ!」
600 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:47:52 ID:???
――― バ ン ! ……ガシッ、ポロン。
その宣言の後、中山が突きだした足がボールの軌道を正確に捉えた。
それは一度、実体無く中山をすり抜けるかと思われたが、
中山はすり抜けた先にもう片足を用意する事で防いだ。
そして、中山の強い信念に呼応するかのようにボールは次第に勢いを弱め……地面へと落ちた。
霊夢「…………!」
この時、一度は感情を失ったように見えた霊夢の目が僅かに開いた。
当然決まるべきシュートが何故か決まらなかった事に対しての疑問に見えたため、
中山は地上に着地してから、その原理を簡単に説明する。
中山「……螺旋型のシュートは確かに経験が無い。
しかしツインシュートのように、不規則なブレを示すシュートは数億回程度見て来た。
後はその中で、今回のシュートに近いパターンを抽出して合成し。
最後は、溢れる信念の力でボールを『この世界』まで引き出すだけだよ」
霊夢「溢れる、信念の力……?」
――霊夢は問い返す。
思考を停止した今の彼女にとって、中山の発言は理解不能なものとして映った。
しかし、この単語はどこかで聞いた事――いや、感じた事がある筈だった。
それも、ごく最近。自分のごく近くの場所で。そう、それは――。
……ピィイイッ!
――霊夢にとって不幸だったのは、この時、再び動きかけた思考が、
けたけましい審判の笛の音で中断させられた事だった。
審判はセンターサークル――霊夢がシュートを撃ったすぐ傍で、まず一度大きく笛を吹き。
601 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:49:24 ID:???
――ピィイッ、ピィイッ。
……ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!
そこから力強く短く2回。最後に、高らかに1回だけ、長く笛を鳴らし続ける。
中山「……終わった、か」
鈴仙「終わっ、た……?」
それは、鈴仙達永遠亭ルナティックスがこれまで願い続けて来た勝利の福音。
霊夢達博麗連合が聴きたく無かった破滅の喇叭。大会終了のホイッスル。
そう、勝負はこれで――完全に決したのだ。
静まり返るスタジアムの中、実況の男性は満を持してこう宣言する。
実況「試合、終了……! 試合は、4−2で、永遠亭ルナティックスの勝ち!!
長く続いた全幻想郷選抜大会! その優勝チームは、永遠亭ルナティックスに決定しました〜〜〜!!」
――ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
瞬間、観客席は爆発した。いや、フィールド上も同時に爆発していた。
博麗連合のメンバーの悲鳴と、永遠亭ルナティックスの歓声によって。
鈴仙「――やった。やったよ。私でも……私達でもやれたんだ……!」
最後の大きな壁であった霊夢を乗り越えて、鈴仙は自分が山の頂上へと上り詰めたのを感じた。
いや、正確には自分「達」だ。自分一人では、間違い無くここまで来れなかった。
魔理沙の、森崎の存在の大きさを実感し、そこに至らず思い悩む自分はまだ残っている。
しかし、自分達が上り詰めたこの山の高さは、そしてそこから見える光景の美しさは変わらない。
602 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:50:53 ID:???
鈴仙「私達は……勝ったんだ……! 博麗連合を下して。幻想郷で一番のチームになれたんだ……!」
グッ……。
鈴仙は自然と零れる涙を止めもせず、ただ余韻を噛み締めるかのように右腕を握りしめ、天へとかざした。
黄昏の光が鈴仙の手を。フィールドを。スタジアム全体を金色に染める。秋の風が鈴仙の頬を撫でる。
観客の混沌とした声の嵐が、やがて大きな歓声へと収束していく。
何もかもを捨て置いて。鈴仙は今、この瞬間がどうしようも無く心地よかった。
――幻想郷第百××季、神無月の三。
永遠亭ルナティックス、全幻想郷選抜大会優勝。
永遠亭ルナティックス 4 − 2 博麗連合2015 試合終了!
603 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/08(日) 23:58:31 ID:???
……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
明日はベストイレブン発表とかMVP決定とかを、一部判定を交えつつやっていきたいと思います。
>>589-590
霊夢がピンゾロ出した時はもしやと思いましたが、中山さんがピンポイントで活躍してくれました。
>>591
文句の無い勝利だったと思います。おめでとうございます。
>>592
シュート力+14、1/4で敵ブロック無効、距離補正無効、ガッツ450消費の超技でしたね。
本スレのサイクロン以上の性能です。
まあガッツ消費250で運が良ければGK相手にシュート力実質+15出せる鈴仙も実は大概だったりしますがw
>>593
ま、まあ一応霊夢の才能は解放されたから…(震え声)
>>594
幻想郷はこれからどうなるのでしょうね(無責任)
>>595
あの試合は本当に熱い試合でしたね…。
ファンタジスタはあまり知らないのですが、マルコ・クオーレの凄さだけはありありと伝わりました。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
604 :
森崎名無しさん
:2015/11/09(月) 00:59:38 ID:???
乙でした
心を消した霊夢に対し中山さんがソウルで勝つ展開はかなり粋でしたね
605 :
森崎名無しさん
:2015/11/09(月) 14:46:17 ID:???
ベストイレブンときたらミサキーヌ
606 :
森崎名無しさん
:2015/11/09(月) 19:59:17 ID:???
乙なのです! 勝った、第二章完!
なのはいいけど、博麗の癒し枠だった霊夢さんもなにやら不穏で怖いのう……
紫も土壇場で以前の紫しゃまに戻ったと思ったら、結局狂ったままだったという
607 :
森崎名無しさん
:2015/11/09(月) 20:41:54 ID:???
岬くんがベストイレブンになれたらボーナスとして矢車の弟にしてあげて
608 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/10(火) 00:40:45 ID:???
すみません、今日まだ帰れないので明日更新します(泣)
609 :
森崎名無しさん
:2015/11/10(火) 08:29:34 ID:???
あまりのショックに紫が白髪になって記憶からこの事が抹消されてよぼよぼになってそう
610 :
森崎名無しさん
:2015/11/10(火) 23:45:16 ID:???
紫「スレ主さんがなかなか帰れなかったのも鈴仙って奴の仕業なんだ」
パスカル「それも私だ」
611 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/11(水) 01:42:08 ID:???
こんばんは、今日は早く帰ってこれましたので、ちょっとだけ更新再開します。
>>604
さん、
>>606
さん。乙ありがとうございました。
>>609
最近は紫より先に私の頭が白髪になってよぼよぼになりそうですw
それでも日々の更新同様楽しいからなんとか続けられてますが。
>>610
パスカルはわりかし要領よく仕事終わらせてそうなイメージですね。
612 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/11(水) 01:43:12 ID:???
――永遠亭ルナティックスが優勝した。
その単純だが偉大な事実に、鈴仙の仲間達も喜びや感動や達成感。
それだけでは語れない様々な想いを噛み締めていた。
佳歩「凄いです、鈴仙さま! 私達、勝った! 勝っちゃいました!! し、信じられなくて涙がでそうでずっ!」
てゐ「出そうじゃなくて、涙が出てるってのに。……ま、これには私も驚きだわ。またこれで長生きできそ」
ツートップとして鈴仙の相棒を自称し続けて来た佳歩は、
今回の大舞台で鈴仙の隣に立ち戦い、勝利を遂げた事に感極まって泣き出して。
それをやれやれと窘めるてゐもまた、その言葉とは異なり興奮を隠せないでいる。
パスカル「凄い歓声だ。やっぱり、大会で優勝するってのはこれ以上に無い何かがあるな。
……と。こうした時でも冷静で居たい俺だが――正直、我慢できないな。叫ぶか」
中山「おう、叫べ叫べ!(――そういや、大会で優勝したのは小学生の時以来か。
あの時は森崎が隣に居たが、今あいつは敵陣に居て。そして――何を考えているのだろうか。
……なんて、そんな事を考えている時点で、アイツへの良い侮辱になるかな)」
パスカルは努めて冷静に振る舞おうとするも、年相応の少年に戻り、最後の方は兎に角喜びの雄叫びを挙げるのみで。
中山はそんなパスカルを見て笑いながら、一方で自分とは向こう側のフィールドで蹲る親友に想いを馳せている。
妹紅「凄いよ、慧音。こんなに人が居て、こんなに人が叫んで。皆も頭がおかしくなっちゃって。
……これが、生きてるって事なのかしら」
慧音「――そうだよ。妹紅。そして私もお前も生きているんだ。こんな時位は、堅い事は抜きにして喜ぼう」
妹紅は観客の、チームメイトの感情の高ぶりを感じて引いた視線を投げかけるも。
慧音はそんな妹紅の肩に手を当て、悪戯っぽくそう提案をして。
613 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/11(水) 01:45:13 ID:???
霞「ハッキリ言って、勝率は30%位かと思っていました。それをこんな大差で勝てるなんて。
やっぱり現実は、計算式では分からない事だらけですね」
つかさ「やったーーー! やったーーーーー!! ……べ、別に。今くらいは、はしゃいでも構わないですよね?」
霞は謙虚に自身の好きな統計や確率分析では表せられない運命の大きさに感嘆し。
つかさはもっと分かり易く、やや恥じらいつつも子どもらしく喜びを全身で表現している。
輝夜「この私に掛かれば、ファイナルスパークも案外大したこと無かったわね!
――えっ、ポスト? ブルノさん? 何の事かしら。外人? 歌?」
永琳「(……まさか、ここまでの結果になるとは。しかしこうなると八雲紫は恐らく、私の想定よりも早く……)」
輝夜は観客席のカグヤファンに向かって親指を下げつつ、自身の功績を高らかに主張している中。
並んで歩く永琳は優勝という事実に心を一切動かさないばかりか、俯いて何やら考え事をしている。
ウサギD「つかさちゃん。いいなぁ、私も出たかったなぁ……」
ウサギC「耳のピコピコ力67のわたしはえんちょうせんまでおんぞんかぁ。かんとくもだししぶるなぁ」
ウサギK「Cちゃん。もう試合は終わってるよ……?」
結局最後までベンチを温める事となった永遠亭の名も無きウサギ達は、
大会優勝という事実を喜ぶよりは、自分もあのフィールドに立ちたいという羨望の方が大きい様子だった。
(一部状況を良く分かってない者も居た)
614 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/11(水) 01:48:24 ID:wqoFms/I
鈴仙「…………!」
――そして、試合終了から暫く。
まずは身体全体で勝利の喜びを味わっていた鈴仙は……我に返って周囲を見渡し、
溢れる色々な感情よりも兎に角、優勝の興奮のみが依然溢れる中――こう口を開いた。
A:「皆…有難う。ここまで来れたのは皆の力のお陰よ。感謝してるわ!」とりあえず殊勝に礼を言った!
B:「皆で中山さんを胴上げよ! そーれ、わっしょいわっしょい!」とりあえず中山を胴上げした!
C:「ねぇねぇ、たまにはここで私を胴上げしたりとか……どうですかね」とりあえず自分を胴上げするようお願いした!
D:「よーし、応援しに来てくれたサポーター達に、皆でお礼でもしましょうか!」とりあえずサポーターにお礼を言った!
E:「幻想郷サッカーの伝統、凌辱完了よ!!とりあえず凌辱完了宣言した!
F:その他 自由選択枠 姫様や師匠やパスカルを胴上げしたい場合はこちらで。
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
―――――
…と、いったところで今日の更新はここまでです。明日こそベストイレブン発表になる…と思います(汗)
皆さま、本日もお疲れ様でした。
615 :
森崎名無しさん
:2015/11/11(水) 01:51:07 ID:gDp10Kmg
E
616 :
森崎名無しさん
:2015/11/11(水) 01:52:23 ID:/vKebZDA
D
乙なのです
617 :
森崎名無しさん
:2015/11/11(水) 02:02:45 ID:uGbE4JDE
D
618 :
森崎名無しさん
:2015/11/11(水) 10:53:25 ID:???
サポーター=カグヤファン
619 :
森崎名無しさん
:2015/11/11(水) 17:51:34 ID:???
F:姫様をカグヤファンが胴上げ
あっ、間違えて岩盤に投げちゃった
620 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/12(木) 01:07:48 ID:F2bRHtZM
こんばんは、更新再開します。
>>616
乙ありがとうございます!
>>618
一見模範的な選択に見せかけ、ならず者共との癒着を明らかにしてしまう罠選択肢でしたね(うそ)
>>619
姫様なので月まで投げ飛ばされても平気です。
621 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/12(木) 01:08:51 ID:F2bRHtZM
D:「よーし、応援しに来てくれたサポーター達に、皆でお礼でもしましょうか!」とりあえずサポーターにお礼を言った!
鈴仙「よーし、応援しに来てくれたサポーター達に、皆でお礼でもしましょうか!」
パスカル「お礼だって! やめてくれよ、こんなに叫びたくて堪らない時に!」
中山「だったら叫んで礼を言えばいいだけだろう。パスカル、普段の冷静なお前らしくも無いぞ?」
てゐ「ま、ここで『ルナティックスは私が育てたァ! てめーら私を胴上げしなさい!』……とか言って来てもビックリだけどね。
このヘンに謙虚というか卑屈というか。そんなトコが、鈴仙らしいっちゃらしいじゃないの」
鈴仙「ちょっとてゐ。それって褒めてるの、それともけなしてるの?」
佳歩「褒めてるんですよ。てゐ様って素直じゃないですから」
鈴仙「あはは……それ、言えてるかも」
鈴仙は照れくさそうにしているてゐや周囲の仲間達を筆頭に、チームメンバー全員をフィールド外の観客席側に整列させて。
鈴仙「サポーターの皆さん、これまで応援してくれてありがとーございましたー!」
ルナティックスメンバー「「「「「「「「「「「「「ありがとーございましたー!!」」」」」」」」」」」」
――パチパチパチパチ……!
叫ぶ程では無いが、それでもお腹いっぱいに力を込めて元気にそう挨拶をした。
特にそう申し合わせた訳では無いが、残りのメンバーもそれに続いてペコリと礼をすると、
観客席から溢れんばかりの拍手が贈られる。
622 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/12(木) 01:10:01 ID:F2bRHtZM
鈴仙「(……今日の勝利は、私一人とか、誰か一人とか。そんな勝利じゃなかったと思うし……これが一番よね)」
鈴仙はその拍手を受け、改めて幸せな気持ちが膨らむ。これで良いと思った。
自分はまだ弱い。それはこれまでの試合は勿論、その集大成であった博麗連合との試合でも感じた。
けれど、今この勝利が味わえているのは、自分が弱かったからだとも考えていた。
弱かったからこそ、誰かの力を借りて、信じて。そして自分の持てる全ての力を出せて。
――その結果、勝利を掴めたという事実を、鈴仙は知っていた。
*****
針妙丸「れーむ、お疲れっ! 負けちゃったけど楽しかったよ?」
アリス「――魔理沙は今、医務室で眠っているわ。死んだようにね」
霊夢「……そう」
――そして鈴仙が喜びを噛み締める一方、博麗連合はいよいよ絶望的なムードが漂っていた。
敗北そのものへの絶望では無い。敗北を機に、彼女達は一気に大きく変わりつつあった。
その変化が昨日までの暢気な平穏さを愛す者達にとっては、絶望的なものだったからだ。
森崎「ふん。負けたか。まぁ良いさ、次に勝てば良いだけだ……――ッ!?」
タッ、……グラリッ! ……バタンッ!
天子「ちょ、ちょっとー! 何いきなりぶっ倒れてる訳!?」
小町「……いんや。これは――魔理沙に続き、急患第二号かもしれんな」
萃香「それじゃ、私が医務室まで運ぼうかい?」
623 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/12(木) 01:11:20 ID:???
………グッ。ムクリ。
森崎「……おめーら。本当に大袈裟だな、妖怪の癖してよ。ちょっと眩暈がしただけだってば。
それより、席に戻ろうぜ。俺様の最優秀GK受賞の瞬間が見れなくなっちまう」
ユラリ……コツ、コツ、コツ……。
衣玖「――およよ。行っちゃいました」
天子「全く、人間ってのは一々ぶっ倒れないと気がすまないのかしらね?」
中里「(……いや。森崎は。あやつはそんな眩暈なぞする貧弱な奴ではゴザらん。
恐らくは今も――耐えているのでゴザろう。自分がけが人では無く選手として、1秒でも長く存在したいが為に)」
その絶望の中心は森崎だった。
不退転の精神を持ち、どんな時も決してその不敵な表情を崩さなかった彼が試合後の今、
幾人かのチームメイトに心配される程に衰弱している事は、
霊夢が心を捨て、魔理沙が足を失った状態の博麗連合に、更なる絶望を与えるには充分だった。
コツ、コツ……グラリ……バタン。
森崎「(あれ……? おかしいな。身体に力が入らん。試合中の痛みはもうとっくに消えたのに)」
誰もが否定したがり、また本人はもっとも頑なに否定するだろうが。
――森崎の全身は、今大会における無数の全力プレーの負荷に耐え切れず、壊れつつある。
試合に敗北したとはいえ、霊夢と並び立つという夢を叶えた魔理沙とは違い。
志半ばでの破滅が運命付けられた森崎の方が、今現在、より大きな絶望を秘めているのは皮肉だった。
森崎「(――ま、この後寝れば治るか。……治る、よな? 念を入れて、前夜には病院にも行った訳だし)」
――だけど。次に貴方がサッカーをした場合。貴方の腰は再びその強烈な衝撃によって、間違い無く歪むでしょう。
そう確かに宣告され、自身もまた受け止めていた事実すら嘲笑いながら、亡国の狂王は観客席に着いた。
624 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2015/11/12(木) 01:13:21 ID:???
*****
実況「さあ〜! それでは試合も終了しましたので閉会式!
……の前に、今大会における得点王・アシスト王に加えて、ベストイレブンなどの発表に参りたいと思います!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!
――そして、そんな森崎の絶望だとか鈴仙の成長だとか。
そんな茶番はどうでも良いと言わんばかりに明るい実況の声で、観客は再び湧き――各賞の発表が始まった。
実況「まずは大会得点王ランキング、アシスト王ランキングから見て行きましょう!
大会得点王の栄誉に輝いたのは……鈴仙・優曇華院・イナバ選手です!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!
鈴仙「……って、言われてもねぇ。何だか実感が湧かないわ」
慧音「おいおい。一人で吸血鬼嬢をも上回る、15ゴールも挙げておいてその態度か?
私が何度も、君と敵のチームで無くて良かったという、臆病な心を抱いたと思っているんだ」
輝夜「ま、私が敵だったらその記録も敵わなかったでしょうけどね。
だからイナバは私に感謝して
ドリンクバー
と
コーヒー
と
北京ダック
でも買って来てね! すぐで良いわよ!!」
妹紅「(なんでコイツが偉そうなんだ……。――でも輝夜のセーブ力を考えると、全くの大ボラとも言えないのがムカつく)」
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