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【さらば】キャプテン森崎29【友よ】
[405]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 12:46:39 ID:??? そしてビクトリーランを終えベンチに戻った全日本Jrユースの前に予期せぬ客が現れた。 元ブラジルナショナルチームセンターフォワード、日系3世のロベルト・本郷である。 翼「…ロベルト!」 ロベルト「翼…良くやったな」 森崎「えっ…」 石崎「ロ、ロベルトだ!」 岬「なんでここに…」 若林「ブラジルに帰った筈じゃ?」 日向「誰だ、あのオヤジは」 三杉「元ブラジル代表、ロベルト・本郷…だと思う」 松山「えっ!?そんな大物と知り合いだったのか、翼は!」 見上以外はロベルトの登場に面食らったが、当人の翼は皆に気を配る余裕は無かった。 幸か不幸か、事情を知っている者達は3年ぶりの再会だと勘違いしていたので邪魔は入らず、 事情を知らぬ者はなおの事介入する理由が無かったので翼はロベルトとの会話に集中する事が出来た。 翼「ロベルト…俺、やったよ。この大会で優勝してみせたよ」 ロベルト「ああ。この試合のパフォーマンスなら誰も文句は言わないだろう。約束通り、お前をブラジルに…」 お前をブラジルに連れていってやる、とロベルトが発言しようとした正にその瞬間。 歴史が動いた… 「ユーゾー・モリサキ!私と一緒にブラジルに来ませんか?」
[406]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 12:46:59 ID:??? 翼「………?」 突如訳の分からないセリフで邪魔が入った翼はポカンと呆け。 ロベルト「!?あ、貴方は…!何故ここに!」 同じく邪魔されたロベルトは見覚えのある顔の登場に混乱し。 全日本メンバー「え?今度は誰だ?」「また知らないオッサンが…」「森崎の知り合いなのか?」 相次ぐ急展開についていけない選手達はただただ騒ぎ。 見上「(このタイミングでスカウトか。てっきりホテルに先回りしてくると思っていたが)」 唯一事情を知っている見上は無表情に沈黙を守り。 森崎「えっ…えっ?俺?ブラジル?」 そして声をかけられた森崎は容姿と服装がミスマッチしている中年男に対し、目を白黒させる事しか出来なかった。 場の流れを一声で持っていったルーカスは愉快そうに笑い、森崎に名刺を差し出す。 ルーカス「ホッホッホ、突然失礼しました。私はこういう者です」 森崎「あ、どうも…バウミール・ルーカス、SEパルメイラスのスカウト…パルメイラス!?」 翼「えっ、パルメイラスって…サンパウロ市内の名門クラブだよね?」 ロベルト「あ、ああ…そしてルーカス氏はそこの現役スカウトだ」
[407]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 12:47:30 ID:??? ルーカス「おや、これは…妙なタイミングに失礼しましたロベルト・ホンゴー。貴方もスカウトの最中だったとは露知らず」 ロベルト「いえ…貴方も、と言う事はまさか森崎を…」 ルーカス「YES!私はユーゾー・モリサキにパルメイラスのジュペニール、つまり15〜17歳のチームに入って欲しいのです!」 森崎「俺が…ブラジルのクラブチームに…」 夢にも思っていなかった話にさしもの森崎と言えども圧倒され、思考が麻痺しかけてしまう。 森崎はまだ何処の高校を受験するかも決めておらず、なんとなく地元の南葛高校が良いかなと思っていた位だった。 西ドイツに渡れた若林やブラジルに行くつもりの翼を羨ましいと思った事はあったが、 現実的にそれらは金持ちの家に生まれた上に特殊なコネがある彼らしか見る事を許されない夢だと割り切っていた。 だがたった今、現実としてブラジルのクラブチームからスカウトが来ている。ロベルトの反応を見る限り 正真正銘の本物のスカウトであって詐欺等ではないのだろう。それがますます森崎の脳をかき乱す。 パニックを起こしかけた森崎と、驚きから覚めなんとも言えない表情になった翼の視線が交差した。 森崎「………」 翼「………」 数秒後、ルーカスと向かい合った森崎は普段の落ち着きを取り戻していた。 森崎「ルーカスさん…でしたね。お世話になりますよ」 迷いの無い瞳で即断即決。いかにも森崎らしかった、とは当時の全日本Jrユースメンバーの内の一人の談である。
[408]マロン名無しさん:2008/11/20(木) 12:47:52 ID:??? 泣くのが選んだ人じゃなく選ばなかった人だから揉めたんだろうね
[409]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 12:51:06 ID:??? 一旦ここまで。いよいよ終わりが見えてきた!
[410]マロン名無しさん:2008/11/20(木) 14:53:47 ID:??? 翼と目が合ってから返事するというのも絵になる! 今後は本物のライバル関係になるんだなあ
[411]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 16:03:06 ID:??? こうして俺の中学最後の夏は熱く激しく、そして最後に大きな転機と共に終わった。 後日、俺と翼は片桐さんにタネ明かしをされた。「プロジェクト・カウンターウィング」…その名の通り 翼に対抗し得る存在を育成し、それによってこの世代の競争を更に刺激し全体の継続的なレベルアップを促す計画。 そして白羽の矢が立ったのがこの俺だったと言う事らしい。素直には喜べないが、片桐さん曰く 「翼が森崎を噛ませ犬にするか、森崎が翼を超えるか、それとも足を引っ張り合っている間に他者に抜かれるか… 全てはお前達次第だ。私達日本サッカー協会はお前たちにチャンスを与えるに過ぎない」だそうだ。 汚い大人の世界を垣間見た気がするが、奇麗事を言うだけで何もしてくれないよりはずっとマシだな。 世界の舞台で海外のサッカーのレベルの高さを肌で感じた今後、日本国内で見知った連中と競い合っているだけでは 物足りないかも知れん。シュナイダーと再戦した時、実力差が開いていましたなんて洒落にもならないしな。 実際にこんな風に割り切れるにはそれなりの時間がかかったが、Jrユース大会後の数ヶ月はあっと言う間に 過ぎていったので気にならなかった。公式戦も大きな大会も無い、厳しい練習も無い平和な一時。実際には… 翼の退部騒ぎがあったり(その頃俺は山森への個人指導に忙しかったので詳しくは知らない)、 大友中との新人戦があったり(山森には是非とも南葛中の最強伝説を発展させて欲しい物だ)、 翼と一緒に実業団チームに入って練習したり(正直西ドイツJrユースの方が強いと思った)、 日本が何時もの如くワールドカップ出場を逃したり(しかも一次予選落ち。情けない限りだぜ)、 その後編成された日本代表のメンバーに俺と翼が選ばれかけたり(結局は監督の判断でナシになった)、 岬がフランスから転校してきたり(南葛中のメンバーは皆南葛高校に進むつもりだから、キャプテンは岬になるかな?)、 と色々あったんだが…その全てが慌しい幻の様に通り過ぎていき、遂にブラジルへ旅立つ日がやってきた。 のは良いんだが…
[412]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 16:03:30 ID:??? 森崎「どうしてお前なんかがここを走ってるんだよ。飛行場からはイヤでも一緒だってのに…」 翼「最後の日だから南葛市を見回っていこうと思ったんだよ。まさかお前にそんなセンチメンタルな神経があるとは思わなかったしね」 何の因果か、森崎と翼はお互いの自宅を出てから間も無くバッタリと出会ってしまった。 悪態をつき合いながらも進路を共にしたのは二人とも未知の世界へ飛び込む不安を紛らわしたかったからだろうか。 まず二人が目にしたのは金網で囲まれた街中の少年サッカー場だった。今は使われていないのか、グラウンドはやや荒れている。 翼「あ、少年サッカー場だ…(ここで若林くんや南葛の皆と出会ったんだっけ。その頃の森崎は何処で何をしていたんだろう?)」 森崎「こんな場所もあったな(修哲小の2軍時代に使っていたっけ。なんか知らない内に使用許可が降りなくなったみたいだが)」 次に通りすがった場所は若林邸の玄関だった。大きな玄関越しに犬がガウガウと吠えている。 翼「こいつ、ジョンって言う名前だっけ。なんだかお前に向かって吠えていないか?」 森崎「知らねーよ。俺はこいつに何もした覚えは無いぜ?」 若林邸から遠ざかった二人は土手の上から川原沿いの南葛市総合運動場も眺めていく。 丁度南葛SCが練習を行っている様で、二人に取って懐かしい男が大声を張り上げていた。 ちなみに岬一郎もすぐ側で富士山の絵を描いていたが、面識が無い二人は気付きもしない。 森崎「お、ありゃあ…し、しろ…城山監督。思い出したぜ、城山監督だ。今も少年サッカーチームの監督やってるんだなあ」 翼「(自分そっくりの顔なのに忘れかけていたのか…)そういえば、あの人仕事は何やっているんだろう?あ、こけた」
[413]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 16:04:24 ID:??? 森崎「そう言えば、今日は南葛高の合格発表が行われるんだったな。石崎とか浦辺とか滑ってるんじゃねえか?」 翼「縁起でもない事言うな。俺はむしろ来生が心配だ、勉強しているのかどうかも怪しかったし…」 〜南葛高校〜 浦辺・石崎「「な…ない!俺達二人だけ…不合格…」」 来生「おいおい、だから言っただろ〜?お前ら頭が悪いんだからその分勉強しろって」 滝「(相変わらず意地でも空気を読まないな。しかもこいつの場合勘で点数を稼ぐから始末に終えん)」 井沢「(まいったな。こんな奴らでも戦力にはなるんだから受かっていて欲しかったんだが…)」 高杉「おい、補欠合格者の1番と2番…あれ、お前らじゃないのか?」 浦辺・石崎「「お、おおおお!やった、やったァアアアアア!!」」 岸田「(入学辞退者が出なかったらどうするんだろ…)」 西尾「あれ、中山が来ていないなそう言えば」 岬「(…不味いな。この年代にはキーパーが居ない。これじゃ小次郎と若島津が居る東邦には太刀打ちできないぞ…)」
[414]2 ◆vD5srW.8hU :2008/11/20(木) 16:09:07 ID:??? 一旦ここまで。無事今スレ中にエンディングが終わりそうでなにより。
[415]マロン名無しさん:2008/11/20(木) 16:15:13 ID:??? >俺はこいつに何もした覚えは無いぜ? ばっくれるな森崎w
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0ch BBS 2007-01-24