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キャプテン森崎外伝スレ3
[373]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:52:12 ID:??? 「分かっている。で、その記念すべき任務の内容は?」 「・・・うむ」 上司は本題に入る前に背筋を正し、語り始めた。 「・・・3年前、ブラジルのある元代表選手が日本への逃亡を申し出た。我々の潜伏工作員を通じてな ロベルト・本郷 元ブラジル代表の10番であり、ブラジルの日系人サッカー選手の草分け的存在だ」 「ロベルトというとあのドライブシュートで有名な?」 瞬少年が己の記憶と照らし合わせ、該当した人物像を挙げる。 「そう、そのロベルトだ。」 上司は知っているのなら話は早いとばかりに話を進める。 「1970年、ブラジルは3回目のワールドカップ制覇を成し遂げた。」 「ブラジル代表は最強だった、だがジュール・リメ杯は無くなった」 瞬少年が合いの手を入れると上司は軽くうなづき更に続ける。
[374]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:52:39 ID:??? 「そのブラジル代表を優勝に導いたのがペレ、通称サッカーの神様だ ロベルトはそのペレを支えたチームメイトの中で最も功績のあった人物とされている そして現役引退後、ロベルトはサンパウロJrユースのコーチになった」 「日系人がサンパウロのコーチに? 大した出世じゃないか、なぜ辞任を?」 「日本人にダイヤモンドの原石をみつけた、とのことだ」 「原石を見つけた?」 「日系人セレソンの罪の呵責だよ」 「その為に地位も名誉も捨て、来日を?」 「ああ、そして協会が手廻しをして入国ビザを発行させ来日させることに成功した その来日作戦の指揮を取ったのがこの私だった」 「まだ入国審査が甘かった頃だ。それで?」 瞬少年の疑問に一つ一つ答えながら上司は淡々と言葉を発する。 「ロベルト来日からわずか3ヶ月後だ、あの一大事件が起こったのは」 「極東危機か・・・」 瞬少年は苦虫をつぶしたように呟く。
[375]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:53:09 ID:??? 「全国小学生サッカー選手権最中、日本を除いたアジア各国に 国内でくすぶっているブラジル人サッカー選手を帰化させるという情報が日本サッカー協会会長の下へと届けられた 会長は帰化計画の撤退を要求し、同時に安易な帰化をさせないためにFIFAに提言すると宣言した だがブラジルはそれに応じず帰化の準備を進めた 選手を乗せた飛行機も依然アジア各国に飛び続けた 日・伯両協会はFIFAでの臨戦態勢に突入 一触即発のにらみ合いの中 FIFAや非公式の接触を通じた必死の交渉が行われた そしてついにブラジルはアジアへの選手の帰化計画の撤回に同意 日本はアジアサッカー界からの脱落の危機を脱した だがブラジルが選手を引き上げさせた裏にはある取引があったんだ」 「日本もプロリーグを作り、ブラジル人選手の招聘を積極的に行うという話か?」 瞬少年がそれなら知っているとばかりに口を挟むが上司の次の言葉はそれの否定であった。 「いや、日本の今の実業団ではサッカーレベルの向上は限界で いずれにせよプロリーグは作られる予定だった 日伯双方にとって政治的な効果はあまり無い プロリーグの件は偽装だ サッカー界の政治的な者達へ流す 囮(カバーストーリー)だったんだよ」 「では本当の条件とは?」 瞬少年が今までの話を聞けば誰もが考える当たり前の疑問を口にする
[376]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:53:46 ID:??? 「ロベルトだ 日本に指導者として来日したロベルトの帰国だ」 「アジアサッカー界全域を巻き込んだ帰化騒動の原因は ロベルト一人を手に入れる為だったと?」 瞬少年は信じられない面持ちで聞き返す。 「そうだ」 当たり前だ、と言わんばかりに頷く上司に向けて瞬少年は更に疑問をぶつける。 「彼は一体、どれほどの指導力があるというんだ?」 「その時の我々は何も分からなかった、タイムリミットは迫っていた ロベルトという一人の指導者か?アジアサッカー界からの孤立か? 選択の余地はなかった 会長はブラジルの要求をのんだ 翌日私はロベルトを決勝戦のスタジアムから連れ出し ブラジル船籍の船に引き渡した ロベルトは翼に会わせてくれと叫び続けていた、見えなくなるまで」 その時の光景を思い出したのか、上司は首を軽く横に振るが すぐに話を続ける。
[377]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:54:17 ID:??? 「そして1ヶ月前、我々の潜伏工作員から再び情報が入った ロベルトはサンパウロに連れ戻され ブラジル協会の監視下である選手の育成をさせられているらしい しかもそれは代表入り直前ということだ」 「で、その選手とは? わざわざ彼に指導させたと言うことは日系の選手なのか?」 「いや、それどころか人間といえるかも微妙なところだ」 「どういうことだ??」 「詳しい詳細は分からんが、サイボーグ技術の粋を集めた改造人間の一種らしい この半年、サンパウロでは頻繁に非公開練習が繰り返されている」 「その選手に関係すると?」 「ブラジル協会があんな無茶なやり方をしてまで取り返したかった 指導者に教わる選手だ」 「そのユースチームに今もロベルトがいる?」 「いや、情報によると郊外のトップチームの合宿場にいるらしい そこでトップの選手を相手に練習してるらしい だがこれは奪還のチャンスともいえる 郊外なので人目に付かん。 ロベルトもこれが最後のチャンスと思って連絡をしてきたのだろう。」
[378]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:54:43 ID:??? 回想から帰ると、少年の眼前には薄くなった雲の隙間から緑の大地が見え隠れしていた。 身体を大の字に広げ、降下速度を緩める。 「いいか、君の任務はサンパウロ市の郊外、 サンパウロトップチーム合宿所への単独潜入 ロベルトの安全を確保、日本へ奪還する事だ」 無線の奥で上司が一方的に話し続ける。 「例の改造人間が完成する前にロベルトを奪還しなければ サッカー界のバランス、倫理観が崩壊する 残された時間はわずかだ」 上司の通信を聞いている間に もはや雲を抜け、地上までいくらも無くなっていた。 少年はパラシュートを開き着陸に備え始める。
[379]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:55:02 ID:??? 「ロベルトの救助確認後 回収地点で待て 回収用気球をポイントに投下する また、燃料は予備燃料を入れてももって4時間 まあ、順調に行けば数時間で終わるミッションだ」 「夕食には帰れそうだな。」 「もしスムーズに運ばなければ、 夕食だけでなく朝食ももブラジルで取ってもらうことになる」 軽口を叩き合ってる間に地面は眼前に迫っていた。 少年の身体は木々の多い茂る森林へと飲み込まれていく。 着地自体はうまくいった。 少年はを機材を外し、降下用のマスクを脱ぐ。
[380]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:55:23 ID:??? / │/ ./ ./ .|i' ./.!i |! / !.l | i . i l l _ _,. ,!| .! ヽ _,∠´/_ , ̄`ヽ、 . l .| ! 、._ _,,. ‐''´//´ " ヽ . | l i ト、._ _,.二フ l l (○ヽ ヾ l. `ヽ l、.ヽ、_ ̄ i│ ヽ゚ノ リ、. !、 ヽ、 │ ` ‐-゙=‐ / _/ リ ゙ー=-ラ i| ノ .ヽ.、._,ノ |!! i'⌒`ヽ、  ̄/ /l |.!! _,, __ l 」´ ヽ .l / l l l!.i i´ /(0ヽ ` / / ,. ゝ l/.│.| i、| l l ヽ゚_) =- ノ / / ./| | |l ! ゝ、." ._, 、 / / ./::::::| .!| l、 !l、ト、、ニ ヽ、 \ l ./::::::::::| ゙!!、│ヽト‐  ̄i ヽ、 ` ‐-:イ::::::::::::ゝ ヽ! リヽ ヽ / ヽ:::::::::::// `ヾ ` ー---‐/ ゝ:::::/:ヽ CV 大塚 明夫
[381]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:56:03 ID:??? そこで着地の軌道上にあった木の枝に潜入用の物資が入ったバックパックを引っ掛けてしまったことに気付いた。 回収しよう、とも思ったが無線機の呼び出しに気付き通信を繋いだ。 「聞こえるか?そこはすでに敵地だ。 傍受される危険性がある。今後はお互い 暗号名で呼び合うこととする 君の本ミッションのコードネームは ネイキッド・瞬ネークだ 以降はシュネークと呼ぶ 本名は口にするな」 シュネーク「片桐さん。 そっちは、どう呼べばいい?」 片桐「そうだな、私は・・・ 私は吉良だ。 吉良監督と呼んでくれ。」 お互いの呼び名を確認し終えると、片桐は任務の確認に入った。
[382]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:56:55 ID:??? 片桐「今回の任務は隠密潜入だ 敵に見つかってはならない。潜入の形跡も悟られてはいけない。 分かるか? それが隠密部隊『SOX』の特殊任務だ。 つまり、武器も装備も現地調達・・・食料もだ。 まさに丸裸、ネイキッドの状態だ。」 シュネーク「楽しいキャンプになりそうだな。 で、食料はどうやって調達すればいい?」 片桐「サバイバルサッカーボールと 麻酔針つきサッカーボールを用意した。 バックパックに入っている。 それで捕獲してくれ。」 シュネーク「バックパックか・・・ 降下した時に、木に持って行かれてしまった。」 片桐「では、まずバックパックを回収しろ。」
[383]森崎名無しさん:2008/12/07(日) 21:57:41 ID:??? バックパックの回収が終わると、まるで見ていたかのように通信が入る。 片桐「バックパックは回収したようだな。」 シュネーク「ああ、だが武器は麻酔針付きフットサル用ボールだけか?」 片桐「サバイバルサッカーボールもあるだろう?」 シュネーク「ナイフの柄が刺さったボールのことか? こんなものどこのどいつが作ったんだ? 完全に悪ふざけの結果じゃないか!?」 片桐「そういう文句はもっと上に言ってくれ。 今持っている装備以外は現地調達だ。」 シュネーク「こんな玩具だけで敵地に侵入とは・・・ よくこんな無茶が通ったものだ」
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0ch BBS 2007-01-24