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【新章】キャプテン森崎30【新天地】
[104]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:27:25 ID:??? パルメイラス修行編:2年目3月その7 2年目3月・イベントフェイズ 3月の中旬のある晴れた日、遂にフラメンゴとの練習試合の日がやってきた。 この日、陽子はTシャツにジーンズと非常にラフな格好で訪れてきた。 森崎「ようこそパルメイラスへ、陽子さん」 陽子「こんにちは、森崎くん。今日は絶好の試合日和ね!」 森崎「ああ、腕が鳴るぜ。フラメンゴだろうがミランだろうがマンUだろうがどんと来いって感じだ!」 機嫌良く強気をアピールする森崎を見て、陽子も楽しそうにクスクスと笑った。 陽子「何時も自信満々ね。今日はスタメンで出られそう?」 森崎「そりゃ、強豪相手に俺を使わなかったら監督はタダのアホだぜ!」 陽子「そうなの?他のキーパー達…えっと、名前はなんだったかしら?」 森崎「サルサノ、ガディス、ピアッツィって言うんだよ。どいつもこいつもどんぐりの背比べで、 最近GKの出番は俺ばっかりだよ。いやー、お陰で恨まれて恨まれて」 陽子「それなら安心ね。ところで、フラメンゴの選手達はまだ来ていないの?」 森崎「ああ、バスで来るらしいからもうちょっとかかるんじゃないかな?」 陽子「そう。じゃあ私は今の内に観客席で場所を確保しておくわね。頑張ってね♪」 陽子は短く手を振ってから観戦用のスペースに向かった。森崎も手を振ってベンチに向かうと、 案の定ニヤニヤしたネイや羨ましそうな視線をぶつけてくるチームメイト達に迎えられる。
[105]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:28:41 ID:??? ネイ「かーわいい娘じゃん、ヨーコだっけ?」 オルヘス「一体何処で知り合ったんだよ?」 森崎「騒ぐなアホ。日本サッカー協会の人だから、色々世話になったんだよ」 ミラ「なんだ、つまらん」 ブランコ「でもネイが二人に増えるよりは良いけどな」 ネイ「俺が二人?それは俺もイヤだな、困っちゃうな〜。アッハッハ!」 森崎「(皮肉られた事に気付いて…いる上でスルーしてやがるんだろうな。全く食えない奴だ)」 ブロロロロ…キキッ。 トニーニョ「ムダ口はそこまでだ。フラメンゴのバスが来たぞ」 森崎「ほう…」 トニーニョがフラメンゴの到着を告げると、皆の視線も引き締まりフラメンゴのバスに向けられた。 パルメイラスの選手達と観客達が見守る中バスのドアが開き、まず監督が降りてくる。 その次に降りた人物が視界に入った時、何処からとも無くどよめきが走った。
[106]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:29:26 ID:??? 森崎「(出たな、カルロス・サンターナ!…ん?あいつ、何持ってるんだ?)」 オレンジに近い茶髪が軽くアフロになった少年が静かな自信のオーラと共に監督の後をついてくる。 彼は右腕にキャプテンマークを付け、左肩にフラメンゴのロゴが入ったスポーツバッグをかけ、 更にどういう訳か右手には見るからにボロボロで使い古されたボールをネットに入れて下げていた。 カルロス・サンターナの後には金髪の白人少年と黒く長い髪の黒人少年が続いていた。 森崎はすぐにその二人が去年予習しておいたサンタマリアとジェトーリオだと思い出す。 森崎「(あの3人がフラメンゴの注目若手選手だったな…)」 程なく両チームの距離は縮まり、互いの監督が挨拶を交わし始めた。 カルロスとトニーニョもキャプテン同士握手をかわす。 カルロス「久しぶりだな、トニーニョ。今日は良い試合をしよう」 トニーニョ「ああ、お互いベストを尽くそう」 森崎「(白々しい…って訳でもないな。トニーニョだけじゃなくカルロスも真面目くんか)」 A ここは黙って成り行きを見守ろう。 B カルロスに話しかけ自己紹介しよう。 C いきなり挑発をかまして注目を集めよう。 D カルロスよりも他の二人が気になるな… http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1225823590/l50にて ☆2008/12/26 08:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 15 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を 止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[107]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:34:21 ID:??? パルメイラス修行編:2年目3月その8 >A ここは黙って成り行きを見守ろう。 森崎は口を挟まず周りのやり取りを観察する事にした。すると早速一つおかしな事に気付いた。 森崎「(ん…?ネイのあの表情、なんだ?何時もと違うぞ?)」 ネイは笑顔だった。しかしその笑顔は何時ものニヤニヤ笑いとは程遠い、侮蔑と嫌悪を 半々で混ぜた敵意たっぷりの奇妙な笑顔でありネイの端整な顔を不気味に歪めていた。 そしてその笑顔の矛先は実に愛嬌たっぷりの満面の笑顔で見つめ返しているジェトーリオだった。 更にその隣ではサンタマリアが「早速始まったか」と言い出さんばかりにため息をついている。 森崎「(なんだこりゃ…妙な雰囲気だぞ)」 ジェトーリオ「お久しぶり、”魔術師”ネイくん!元気してたかい?」 ネイ「ああ、お前が居なかったお陰でな。”外道”ジェトーリオくん」 森崎「(外道?そんな異名持ちなのか、こいつは?)」 森崎は何時もとは違うネイの言葉に首を傾げる。しかしその程度で済んだのは最初だけで、 二人の舌戦が激しくなるに連れどんどん目を大きくさせずには居られなかった。
[108]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:36:35 ID:??? ジェトーリオ「またまたぁ〜、そんな事言っちゃって〜。相変わらず素直じゃないんだから〜♪」 ネイ「俺は素直だぜ?それと近寄らないでくれ、ゴキブリの臭いが移ったら女の子に嫌われるからな」 ジェトーリオ「大丈夫!僕は君に会いたくって念入りにコロンをつけてきたんだよ」 ネイ「それは悲劇だな。歩く排泄物につけられるなんて、どんな安物コロンにも残酷すぎる仕打ちだ」 ジェトーリオ「いや〜、ネイみたいなセンスは無いからさあ。ねえ、今度オススメの店に連れてってよ」 ネイ「嫌だね。アンデス山脈のツンドラに引っ越して一生禁欲生活を送るよりも嫌だ」 森崎「(なっ…なんだこりゃ!?一体この二人に何があるって言うんだよ!)」 一方が硫酸の様な笑顔で次から次へと毒を吐き、もう一方がそれを物ともせず人懐っこい笑顔と 言葉を送り続ける。この不気味な光景がしばらく続いた後、ようやく他者が口を挟んできた。 トニーニョ「ネイ…もうやめておけ」 ネイ「………」 森崎「(ネイが口をへの字に結ぶのなんて初めて見るな…)」 ジェトーリオ「え〜?もっとネイくんとお喋りしたいよ〜」 サンタマリア「いい加減にしろジェトーリオ!遠征試合でトラブルを起こすな!」
[109]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:52:47 ID:??? トニーニョがネイをたしなめ、サンタマリアがジェトーリオを叱り付けた事で秩序が回復しつつも 険悪なムードが流れ始める。ところが次のカルロスの発言で場の空気は一変した。 カルロス「そうだぞジェトーリオ、俺達はプロのサッカー選手なんだ。それに彼らとは3年後の ワールドユースでもチームメイトになる可能性が高い。無意味に関係を悪化させるんじゃない。 アーサーだってそう言っているぞ? 」 トニーニョ・ネイ・ジェトーリオ・サンタマリア『………』 森崎「(ん?急に黙ったぞ…それにアーサーって誰だ?)」 カルロスの発言の影響か先ほどまで騒いでいた4人は一瞬で不自然な程に黙りこくった。 森崎はカルロスがチームメイトの誰かに話しかけたのかと思いカルロスの視線を追ってみる。 しかし彼の視線の先には誰も居らず、右手から下げたネット入りの古いボールがあるだけだった。 森崎「(誰も居ないじゃないか)」 カルロス「うん、そうだなアーサー。君の言う通りだ」 森崎「…ハ?」 カルロス「大丈夫、今日も勝ってみせる。君の前で無様なサッカーは出来ないしな」 森崎「(ちょっと待て…)」 カルロス「有難う、アーサー!」 森崎「(こいつ…ボールに話しかけてるぅううううううううう!?!)」
[110]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:53:32 ID:??? A 「な、なあ、アーサーって…そのボールの事か?」 B 「さ、さあ、ネイ!トニーニョ!アップを始めようぜ!」 C 「凄いな…お前、ボールと会話出来るのか!」 D サンタマリアに同情の視線を向けてみる。 E 見ざる聞かざる言わざる見ざる聞かざる言わざる! http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1225823590/l50にて ☆2008/12/26 13:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 15 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を 止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[111]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:54:28 ID:??? パルメイラス修行編:2年目3月その9 >D サンタマリアに同情の視線を向けてみる。 森崎「(ジェトーリオはよく分からんがトラブルメーカーらしい。そしてカルロスはボールと 会話する男か…じゃあ、間に挟まれたコイツはどうなんだ?)」 森崎は変人に向ける視線をサンタマリアに移した。サンタマリアはもう一度ため息をつき、 それから森崎と視線を絡み合わせる。その瞳には複雑な疲れがこもっていた。 サンタマリア「(やめてくれ…俺までそんな視線で見ないでくれ)」 森崎「(コイツは…別に変な所は無さそうだな。あった方が楽だったかも知れんが)」 サンタマリア「(俺は常識人なんだ、その証拠に何時もあの二人の尻拭いをさせられているんだ)」 森崎「(…なんだかかわいそうになってきたぞ。ウチはネイだけで済んでよかったって事か)」 今この瞬間、二人の男達は分かり合ったのであった。 *ネイのジェトーリオに対する感情「汚物」が発覚しました。 *森崎のサンタマリアに対する感情が「憐憫」になりました。 両チームの選手達の友好的とは言い難い交流も終わり、数十分後パルメイラスメンバーは ベンチ前でウォーミングアップをしながら監督の話を聞いていた。 監督「よしみんなきけ。フラメンゴは言うまでもなく強敵だ。その強敵相手にどんな結果を出せるかを 見せてくれ。今日使われる選手は無様なプレイをしたらそれ相応の評価を下されるぞ」
[112]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:55:12 ID:??? ゴクリ… 監督の脅迫めいた台詞に誰かが唾を飲み込んだ。その音が聞こえた訳では無いが、 誰もが緊張を露にした真剣な表情になる。ネイやトニーニョ、そして当然森崎も例外ではない。 森崎「(逆に言えばここで活躍すれば俺が正GK確定って事だろ…やってやろうじゃねえか!)」 監督「ではスタメンを発表する。今日は4−4−2で行くぞ。FWは左にオルヘス、右にレネ!」 オルヘス・レネ『はい!』 監督「MFは中央左にトニーニョ、中央右にネイ!右サイドにゲレーロ、左サイドにリンコン!」 トニーニョ・ネイ・ゲレーロ・リンコン『はい!』 監督「DFは中央左にキーガン、中央右にアレクセイ!右サイドにブランコ、左サイドにミラ!」 キーガン・アレクセイ・ブランコ・ミラ『はい!』 森崎「(ガチガチにベストメンバーで組んできているな。当然次は…)」 監督「GKは…」 森崎「(お、来た来た!………あれ?)」 森崎もチームメイトの殆ども次に続く言葉は「モリサキ」だと思っていた。しかし監督は何故か 急に口を閉ざし、葛藤を伺わせる表情になる。そして選手達が怪しみ始めた頃、監督は宣言した。 監督「サルサノ!」
[113]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:56:34 ID:??? ざわっ…! 森崎「(な…なにィィイイ!?)」 ネイ「(え?モリサキじゃないのか?)」 トニーニョ「(…もしや…あり得るな、おおいに)」 サルサノ「…えっ?」 チーム内が驚きに固まり、選ばれた当人のサルサノでさえ声を失う。 しかし監督はそんな雰囲気には構わず喝を飛ばした。 監督「返事はどうした、サルサノ!」 サルサノ「は、はいっ!」 森崎「(じょ、冗談じゃねえ!なんで強敵相手に俺を使わないんだ!?)」 A 納得できん!抗議する! B 納得できんが、大人しくしておこう… http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1225823590/l50にて ☆2008/12/27 00:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 10 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を 止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[114]マロン名無しさん:2008/12/28(日) 18:57:59 ID:??? パルメイラス修行編:2年目3月その10 >A 納得できん!抗議する! 森崎「監督!」 監督「!」 ネイ「(あ〜、やっぱり爆発した)」 トニーニョ「(早速俺の仮説を確かめられそうだな)」 森崎「俺はもう数ヶ月前から一番多くの出番を得ていました!そしてそれに見合う結果も態度も 見せてきたつもりです!それなのに、何故この大一番で俺がスタメンじゃないんだ!」 ざわっ… フラメンゴメンバー「な、なんだ?」「向こうで怒鳴ってる奴が居るぞ?」 観客「ん?今のモリサキの声だよな?」「何を言ってるんだろう?」 不満の余り最後は敬語を忘れてまで抗議する森崎の姿は正に鬼気迫る物があり、 その声の大きさにフラメンゴベンチや観客まで驚きだした。しかし監督は一瞬怯んだ物の、 すぐに冷たい声で逆らい様の無い命令を下してきた。 監督「これはクラブの上層部からの指示だ…文句があるなら今すぐ退団しろ」 森崎「ぐっ…!」
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0ch BBS 2007-01-24