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【新章】キャプテン森崎30【新天地】
[21]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:54:28 ID:??? 焼きあがった肉と共に微妙な沈黙が訪れ、しばし肉を切り噛み締める時間が続く。 そろそろ何かしら話題を振るべきかと森崎が悩みだした頃、陽子が再び口を開いた。 陽子「それで、どうかしらパルメイラスの生活は?練習にはついていけてる?」 森崎「ああ、もう大分慣れたよ。練習でも試合でも結果は出せていると思うし、 チームメイト達の顔と名前とプレイスタイルも覚えた。レギュラー定着だって時間の問題さ」 陽子「流石ね!森崎くんの世代が日本サッカーを生まれ変わらせてくれるのを期待しておくわよ」 森崎「ああ、任せとけよ。ところで…」 A 「陽子さんはどうしてこの仕事を始めたんだ?」 B 「先月日本に行っていたのはどうして?」 C 「陽子さんの方は仕事の調子、どうだい?」 D 「翼の奴はどうしているか、知らないか?」
[22]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:56:02 ID:??? パルメイラス修行編:1年目9月その8 >A 「陽子さんはどうしてこの仕事を始めたんだ?」 陽子「え?私?」 森崎「うん。日本サッカーを変えたくて働いているみたいだけど、何か理由とかあるのかなって」 予想外の質問だったのか陽子は頬を指で数回つつき、それから口を開いた。 陽子「そうねえ…今までの日本サッカーって、世界から見ればお世辞にも褒められない レベルだったでしょ?ワールドカップに行った事もないし、プロリーグも無いわ」 森崎「ああ…そうなんだよな」 陽子「海外でプロになった選手もごく僅か。ちょっと前にサントスでプロ契約した 日本人選手が居たんだけど、戦力外呼ばわれされた挙句別のチームに放出されたそうだわ。 いわば日本サッカーは、土台すらとぼしい、殆ど何も無い状態なのよ」 森崎「確かにな」 日本サッカーの現状を淡々と語る陽子に森崎も返す言葉を知らず、ただただうなずき続ける。 ところが次の瞬間陽子は急に瞳を輝かせ始め、森崎は目を白黒させる羽目になった。 陽子「それって、素敵じゃない?」 森崎「へ?」 陽子「だって、ゼロなのよ?何も無いのよ?先人達の功績に頼らず、しがらみや利権に縛られずに 自分に何を出来るか挑戦出来るのよ。失敗したって今より悪くなる事は無い上、 成功すればこの上無い充実感を味わえる筈よ。私はね、後々のサッカー選手や関係者に 言わせてみたいの。日本サッカーの黄金時代の幕開けに立ち会えなかったのが残念だって!」
[23]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:57:05 ID:??? 森崎「ほお…」 陽子「それが私が日本サッカー協会で働いている理由よ。私は自分の力を試してみたいの」 森崎「ふ〜ん…でも、なんでサッカーなんだ?力を試すんなら他にも選択肢があったんじゃ…」 森崎が熱弁に対して素朴な疑問をぶつけると、途端に陽子の表情は曇った。 陽子「…無かったのよ、これが」 森崎「へ?」 陽子「いや、こっちの話!それより…私、もう食べられそうにないんだけど」 森崎「えっ?も、もう!?」 陽子が早々とギブアップ宣言し、森崎は冷や汗を流さずには居られなった。 運ばれてきた肉類その他諸々はまだまだ2人前近く残っている。 陽子「努力してもムリな物はムリね。これ以上食べるとお腹壊しそうだし、森崎くん頑張って♪」 森崎「頑張ります…(予想以上に小食だった…)」 諦めて肉を切っては口に運ぶ単純作業を繰り返す森崎。彼も既に腹6分目と言った所である。 一方陽子は水の入ったグラスを傾けつつ再び語りだした。 陽子「食べてるままで良いから聞いて。私が先月日本で調べてきた事は森崎くんに 伝えておかないといけない事なのよ。今日森崎くんと会った目的はそれを話す事だったの」 森崎「ング?」 陽子「先月の日本での私の仕事…それは日本のインターハイサッカーの行方の記録よ」
[24]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:57:59 ID:??? 森崎「!」 陽子「結論から言いたいから、まずは口の中を空にして。喉につっかえない様にね」 森崎「…んぐっ。OK、聞かせてくれ」 森崎が肉の塊を飲み込んだのを見計らって、陽子は衝撃的な一言を発した。 陽子「優勝したのは…東邦学園高等部。南葛高校を3−0で下しての圧勝だった」 森崎「さ、3−0だと!?」 陽子「そう。試合内容自体も東邦が押しまくっていて、南葛に良い所は殆ど無かったわ」 森崎「ったく、何やってんだアイツラは…情け無いったらありゃしない」 森崎は旧友達の不甲斐なさに歯を食いしばり、やけ食いで肉を詰め込み始めた。 陽子「最大の原因はキーパーの差だったわね。若島津くんからゴールを奪うのは岬くんや 修哲トリオを持ってしても容易な事じゃない。逆に南葛には日向くんを止められる様な キーパーが居なかった…これじゃ、大差がついてもある意味当然よ」 森崎「まあ、そうだけど…中盤のコマの多さなら勝ってるんじゃ?岬や井沢が居るんだし」 陽子「私もそこが見所だと思ったんだけどね…なんだか南葛は連携が上手く行っていない みたいだったわ。中盤の優位性を活かすにはパスワークが問われるんだけど、そこがどうもね…」 森崎「…じゃあ、中山は?中山はどうしたんだ、あいつならみすみすやられる訳が…」 陽子「中山くん?彼はDFとして出場していたけど、大した活躍はしていなかったわよ」 森崎「マジかよ…(リハビリが上手く行っていないのか?中山…)」
[25]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 12:59:32 ID:??? 少なからずショックを受け、押し黙る森崎。そんな彼を気遣う様に陽子は話題を変えてきた。 陽子「でも、良いニュースもあるわよ。山森くん率いる南葛中は見事V4を達成したわ。 来年山森くんや新田くんが入ってくれば、変わるんじゃないかしら?」 森崎「う〜ん…微妙な所だな…」 その後は二人の間に会話は無く、肉と戦う森崎の奮闘が約15分程続いた。 二人が会計を済ませ、外に出た時空は既に星で一杯だった。 陽子「それじゃ、そろそろお開きにしましょうか。今日は有難う」 森崎「ああ…ホテルまで送っていくよ…」 陽子「大丈夫よ、ここから歩いて5分だし。むしろ森崎くんの方が動き辛そうじゃない♪」 森崎「楽しそうに言わないでくれ…うぷ」 陽子「アハハ、今度は別の場所を選んでよね。それじゃ、またね!レギュラー定着、頑張って!」 森崎「ああ…」 陽子の後姿に手を振りながら森崎は誓った。二度と焼肉屋に陽子さんは連れて行かないぞ、と。
[26]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:00:06 ID:??? パルメイラス修行編:1年目10月その1 1年目10月・基礎練習フェイズ 森崎「秋じゃなくて春だ…う〜ん、違和感バリバリだな」 今月重点的に鍛える能力を選んで下さい。カッコ内は現在の能力値です。 A ドリブル(54) 物凄く上がりにくい B パス(46) 割と上がりやすい C シュート(46) 割と上がりやすい D タックル(45) かなり上がりやすい E パスカット(46) 割と上がりやすい F ブロック(45) かなり上がりやすい G せりあい(49) 少し上がりにくい H セーブ力(54) 物凄く上がりにくい
[27]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:04:21 ID:??? パルメイラス修行編:1年目10月その2 >D タックル(45) かなり上がりやすい 森崎はディフェンス練習に志願しボールを奪う力を磨く事にした。 【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1225823590/l50にて !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。 (ageでもsageでも構いませんが、指定通りに一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です) 先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で 1年目10月のタックル練習→ !card と書き込んで下さい。数値で分岐します。 JOKER→タックル+3&必殺技/スキル習得! 13→タックル+3! 9〜12→タックル+2! 2〜8→タックル+1! 1→効果が無かった。
[28]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:05:12 ID:??? パルメイラス修行編:1年目10月その3 1年目10月のタックル練習→ スペード6 2〜8→タックル+1! ----------------------------------------------------------------------------- 森崎「流石に早田みたいに鮮やかには行かないな…っと」 森崎はディフェンス練習に参加し、それなりの結果を出した。 森崎タックル力:45→46 1年目10月・自由行動フェイズ 森崎「日に日に暑くなってくるな。まだ春の筈なのに」 A ネイに会いに行く。 B トニーニョに会いに行く。 C その他チームメイトと交流する。 D 中山に電話する。 E 街を探検してみる。
[29]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:05:48 ID:??? パルメイラス修行編:1年目10月その4 >D 中山に電話する。 先月陽子に聞かされた内容が頭から離れなかった森崎は中山に電話する事にした。 寮長に国際電話の許可を取り(タイマーで計った分の代金を負担させられる条件付だった)、 オフィスの電話機を借り、長々しい番号を打ち込んでようやく日本に電話をかけられる。 プルルル…プルルル…プルルル…ガチャッ。 中山「もしもし。中山です」 森崎「もしもし。その声は中山だな?俺だ、森崎だよ」 中山「え?森崎!?ブラジルからかけてるのか?」 森崎「そうそう。電話代がバカ高いから長話は出来ないけどな」 中山「そうか…半年ぶり、いや、それ以上だな。どうだ、パルメイラスでは上手くやってるか?」 森崎「ああ、GKとしての出番はチーム内で一番多いからな。人数が多いから正GKとは 言い難いが、俺の実力はブラジルでもしっかり通用しているぜ」 中山「そうか!そりゃ凄いな…それに引き換え、ウチは…言い難いんだが…」 森崎「日本サッカー協会を通じて聞いたよ。東邦に負けたそうだな?」 中山「!…もう知っていたのか。じゃあ今日は原因を聞きに来たって訳か?」 森崎「まあな。日向が相手とは言え、俺が鍛え上げた南葛がそう簡単に負けるとは思えなくてな」
[30]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:06:19 ID:??? 中山「………フゥ〜」 中山はいったん深い深いため息をつき、電話越しに気疲れを伝えてきた。 中山「なんとも面目無い…事は結構複雑で、複数の理由があるんだよ」 森崎「聞かせてくれ」 中山「まず…ウチは先輩達と結構ギクシャクしててな。南葛中出身の池上先輩がキャプテンを やっていたんだが、南葛中出身者じゃない先輩達も多くって、俺達の年代に対して決して 友好的じゃなかったんだ。表立ったトラブルは無かったけど、練習の雰囲気が気まずかった」 森崎「なんだそりゃ?器の狭いクソ野郎どもだな」 中山「いや、俺はわからなくも無い…他者の栄光って言うのは本人が自慢していても 謙遜していても扱いづらい物だからな…それが妬み嫉みを正当化する訳じゃないが」 森崎「…それで?他には?」 中山「次はGKの差だったな。若島津はJrユース大会の頃より大きく成長していた。 岬や修哲トリオや池上先輩の力を持ってすれば何点かは奪えるだろうと踏んでいたんだが… 見通しが甘かったといわざるを得ない。ひょっとしたら、日向があれから徹底的に鍛えたのかもな」 森崎「確かに…有り得ない事じゃないな」 中山「逆にウチはその仲が良くない先輩の一人がGKだったんだ。実力で若島津に遠く及ばない上 DFとの連携も上手くいってなかったからな…これで日向を止めようだなんてムシが良すぎた」 森崎「…中盤の連携ミスって話も聞いたが?」
[31]マロン名無しさん:2008/12/21(日) 13:07:52 ID:??? 中山「そこまで知っているのか…こっちは先輩達は関係ないんだ。岬と井沢がさっさと中盤の 主力になった…のは良かったんだが、どうもあの二人は性格はともかくプレイスタイルが 噛み合わなくってな。実力が上の岬が”自分より強い者を補佐する”と言うスタイルだから、 逆に岬には及ばないレベルで万能型の井沢と組むと、お互いの使いどころに困ってしまうんだ」 森崎「なるほどな。それだけ悪条件が揃えば、東邦に勝つのはムリか…」 中山「まあな…冬の高校選手権でも状況はあまり変わらないと思う。正直俺は今年は捨てて 新田や山森が入ってくる来年と再来年に賭けるべきだと思っている位だ」 森崎「おう…ってもう10分も経っているのか。そろそろ切らないといけないが、 その前にこれだけは聞いておきたい。お前のリハビリの調子はどうなんだ?」 中山「あ〜…ようやくまともなプレイが出来る様にはなったが、日向相手には 何の役にも立たなかったな…スタミナが落ちてセンターバックしか出来なかったし」 森崎「そうなのか…」 中山「あ、でも!俺はこのまま終わるつもりは無いぜ、全日本ユースで再会するって約束だったろ?」 森崎「ああ、覚えている。それを聞ければ安心だ。じゃあ、そろそろ切るぜ」 中山「おう!それじゃ、今度話す時には良いニュースを聞かせるよ!またな」 ツー、ツー、ツー…ガチャッ。 森崎「中山の奴…空元気っぽかったな…」 森崎は電話を切った後も、しばらく電話機を眺めずには居られなかった。 *定期的な練習の積み重ねで森崎の全能力値に+1されました。
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0ch BBS 2007-01-24