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【新章】キャプテン森崎30【新天地】
[394]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 17:07:48 ID:??? 井沢「…ハァ〜ア。こんなにうれしくない優勝は初めてだ」 滝「不可抗力とは言え、スッキリしないな…」 山森「(確かに…中学でV4を成し遂げた時の様な満足感が無い)」 中山「冬の全国選手権まで、”日向が出ていれば”って言われるだろうな」 大半のチームメイト同様複雑な表情をした中山が東邦側のベンチに視線を向ける。 そこには彼の予想通り、ジャージ姿の日向がチームメイト達に怒鳴り散らしていた。 日向「若島津!何たるザマだ、そんなんじゃ森崎に勝つなんて到底不可能だぞ!」 若島津「未熟の至りです…申し訳ありません」 日向「タケシと反町も!あんなクズキーパー相手に1点しか取れないとはどういう了見だァ!」 沢田「ごごごごごごごごめんなさぃいいいい!!」 反町「…返す言葉もありません(慣れない1トップをやらされた俺の身にもなってみろ!)」 日向小次郎、18歳になったばかりの現役高校生にして株式会社・ヒューガーの代表取締役。 彼はイエローカードの累積でこの決勝戦では出場停止中だった。
[395]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 17:29:31 ID:??? 2009-01-27-00-33-15 パルメイラス修行編:3年目8月その7 来生「全国制覇を祝って〜…かぁああああんぱぁあああああああああいっ!!」 南葛メンバー『かんぱ〜い』 高杉「(高校3年間過ぎたけど、こいつのバカさは変わらない…)」 石崎「(なんでコレが進級出来てるんだ?俺は補習を避ける為に毎回ヒーコラ言ってるのに)」 仲間達の盛り下がりも何のその、来生は今日も来生節全開で勝手に祝勝会の音頭を取る。 岬「(やれやれ…この3年間、小次郎の引き立て役にしかなっていないなあ。 せめて1回は勝たないと”岬太郎はその他大勢”と見られる危険性が高いのに…)」 岬もまた不本意な形の優勝に灰色の脳細胞を悩ませていたが、 彼の思考を断ち切るタイミングで女子マネージャー達が声をかけてきた。
[396]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:09:25 ID:??? 早苗「あのう、岬くん」 岬「うん?どうしたの?」 早苗「岬くんに会いたいって言う中学生位の女の子が…」 石崎「おいおい、岬の女子ファンなんていっぱい居るだろ。一々取り次いでたら埒が明かないぜ?」 ゆかり「それがどうも、岬くんの知り合いっぽいのよ。”事情は話せませんが、会わせて下さい”って 繰り返すばっかりで。今までは追い返してきたんだけど、これでもう3回目で…」 岬「僕の、知り合い?」 久美「はい。山岡美子って名乗ってましたけど」 岬「!?」 ガタッ。 早苗「…えっ?」 ガチャリ。 突如立ち上がった岬に皆の注目が集まる。しかし岬は彼らしくなくあわてた様子で 部屋の外へ出て行った。初めて見る岬の姿に来生すら異変を察して静まり返る。 中山「なんだなんだ。あの様子じゃタダの知り合いじゃなさそうだが」 新田「名前を聞いただけですっ飛んで行くなんて…」
[397]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:10:06 ID:??? 岬「(まさか…そんな…)」 廊下に飛び出た岬を出迎えたのは彼が恐れていた通り、何処となく彼の面影がある 年下の少女だった。それも、花束を持って瞳をキラキラと輝かせている少女だった。 美子「!…やっと…やっと会えた…!岬様…!(私の運命の人!)」 岬「(やっ、やっぱりぃい〜!?ってなんだよその表情は!)」 山岡美子。岬とは異父兄妹の関係に当たる夢見る少女である。 ここで少し説明しておこう。岬の両親は岬が物心つかない頃に離婚しており、 流浪の画家となった父・一郎が彼を引き取っていた。一方母・由美子は後日 別の男性と結婚し、岬にとって父違いの妹となる美子を産んだ。 更に彼女は岬が12歳の時彼を引き取る事を一郎に提案したのだが、既に独自の人生学で 強い絆を培っていた岬とその父は話を受けるフリだけしてフランスへ飛び立った。 その際岬は写真で美子の名前と顔だけは覚えていたが、実際に会う事は無いと考えていた。 一方美子の方は自分に兄が居る事を知る前に、フランス国際Jrユース大会開催中に テレビの中で見ただけの岬に惚れてしまった。 彼女の親はどうせフランスに居るのだからと言う理由で放っておいたが、その後 南葛高校で活躍する岬の事を聞きつけた美子が止める間も無く彼を追いかけたのである。
[398]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:10:26 ID:??? ギュッ… 岬「あ…」 美子「もう離さない…やっと、やっと…(岬様が迎えに来てくれたんだから!)」 岬「(そうか…自分に兄が居るって知って、会いたくてたまらなかったんだろうな…)ごめんね…」 感極まった美子に抱きつかれた岬は兄妹の再会を喜んでいるのだと勘違いし、 そっと美子の小さな体を抱き支えた。そのまま数分間水入らずの時間が流れる。 そして数分後、岬はこの時美子を突き放さなかった事を一生後悔し続ける事になる。
[399]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:11:19 ID:??? 2009-01-27-11-40-07 パルメイラス修行編:3年目8月その8 ガチャッ。 中山「おい岬、いったい何が…って…」 岬の様子が気になった中山が見た物を客観的に描写しよう。 照れながらも穏やかな笑顔の岬と、彼の腕の中で嬉し涙を流している年下の少女。これを見て 中山が導き出した結論はそれなりに妥当な物であり、誰にも彼を責める事は出来ないだろう。 中山「す、すまん!邪魔するつもりは無かったんだ!」 岬「あ、いいよ別に。気にしないで(そろそろ離れたかったしね)」 中山「そ、そうか。しかし、お前もやる事はやってたんだなあ…しっかり年下の彼女を作っていたとは」 即ち、岬は妹ではなく彼女と抱擁していたのだと。ここで岬は一つ目のミスを犯した。 岬「え?」 実の妹を彼女扱いされた事に驚き戸惑ってしまったのだ。ここで笑いながら 「やだなあ、この娘は妹だよ」とでも返しておけば直後の悲劇は回避できたかも知れない。
[400]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:12:09 ID:??? ガタガタガタッ! 来生「なにィ!?この来生哲兵さまを差し置いて抜け駆けしやがっただとォ!」 井沢「へー、可愛い娘じゃん。お前年下趣味だったのか」 滝「年齢差的に少々不味く無いか?まあ後数年経てば大丈夫か」 高杉「くっ…素直に羨ましい。俺もイケメンに生まれたかったぜ!」 岬「は?」 岬の第二のミスは大挙して飛び出てきた南葛メンバーを止められなかった事だった。 今まで女子からの人気が高かったのにまるで女の影を窺わせなかった岬にまさかの彼女が居た! この急展開に南葛メンバーの今までのモヤモヤした雰囲気は吹き飛ばされ、 本人そっちのけで勝手に盛り上がっていく。 石崎「いや〜、ちょっと悔しいけどそれ以上に安心したな。岬ってなんだか女に”良い人”扱いされて 割を食いそうなタイプだと思ってたけど、杞憂だったんだな。ホントによかったよかった!」 岬「あ、いや、その…(その扱いが理想なんだけど)」 長野「おいおい皆騒ぎすぎるなよ。岬が困ってるぞ」 岩見「いや、こうなったらしばらく収拾つかないだろ」 浦辺「畜生!世の中やっぱりイケメンが贔屓されるのか!」 岸田「フッ、俺達のルックスじゃいくら活躍したってモテる訳無いもんな…」 西尾「うわーん!青春のばっきゃろー!」 新田「なあ、キャプテンってフランスに彼女が居たんじゃなかったか?」 山森「うん…でも多分この場でそれを言い出すのは野暮なんだと思う」 岬「(な、なんなんだこの流れは!?冗談じゃない、早く訂正しないと…) 待ってよ皆、僕と美子は…話を聞いてよ、ねえ!美子は僕…の…」
[401]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:12:35 ID:??? 岬の第三のミスは「美子は僕の妹だ」の台詞を途中で途切れさせてしまった事である。 マネージャー達と美子の会話が耳に届いた瞬間、彼は気づいてしまったのだ。 早苗「ごめんなさい!まさか本当に岬くんの彼女だと思わなくって!」 美子「いえ、いいんです…(むしろ勘違いしてくれてありがとう!)」 ゆかり「意外だったわ〜、彼てっきり恋愛とか興味無いと思ってたから」 美子「エヘヘ(どうやって仲良くなればいいかわからなかったけど、これで…)」 久美「応援するわ!これからは貴女は南葛高校サッカー部には顔パスよ!」 美子「ありがとうございます!(まずは形からよね!岬様と私は運命で 結ばれているんだから、交際し始めればすぐに相思相愛になる筈だわ!)」 人徳とコネを手足の様に操る事で磨かれてきた彼の観察力と判断力が告げていた。 山岡美子は彼を兄と認識していない事に。そして、彼を恋愛対象として捉えている事に。 岬「(ちょっと待て…まさか…僕が兄だと知らないのかーーーっ!?)」 実の妹の恋人に仕立て上げられ、しかも肝心の妹が血縁関係を知らずにそれを喜んでいる。 冗談の様な現実に岬は思考が麻痺しかけるが、チームメイト達と美子は意味深な台詞を 途切れさせたままの彼を放っておいてくれなかった。
[402]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:13:00 ID:??? 石崎「美子は僕の…なんだ?」 岬「あ…だからね…その…」 中山「(ん?岬がモゴモゴと口ごもるなんて珍しい…と言うか、初めてじゃないか?)」 ギュッ。 岬「!!!」 美子「………」 南葛メンバー『おおお〜!』 美子はおもむろに何も言わず抱きついた。その大胆な行動に南葛メンバーが盛り上がる中、 岬は硬直しながらショートしかけの頭を必死にオーバークロックさせていたが 自分が袋小路に追い詰められた事に気付くのに時間はかからなかった。 岬「(この場で強引に暴露…ダメだ、信じられなくても信じられても人望が墜落する! 後で美子だけに打ち明ける…これもダメだ、ショックを受けた美子が何をするか分からない! 後日別れた事にする…それでもダメだ、美子の目は絶対に諦めない痛い女の目だ! …まさか僕はこのまま何も知らないフリをして実の妹を恋人扱いしないといけないのか!?)」 中里「(はて、岬殿の顔がまるで拷問耐久訓練時の忍の様に見えるのは何故なのだ?)」 今ここに岬太郎の受難の日々が始まる。
[403]マロン名無しさん:2009/01/27(火) 18:13:38 ID:??? 2009-01-27-12-28-22 パルメイラス修行編:3年目8月その9 〜ブラジル、サンパウロ市パルメイラスクラブハウス〜 陽子「…と言う訳で、今年のインターハイは南葛が優勝したわ」 森崎「そうか…よかったと言えばよかったのかなあ」 森崎は去年と一昨年の8月と同様に陽子と電話で話していた。 陽子「冬の全国選手権では日向くんが出ている東邦との最終決戦を見たい所ね。 あ、そうそう。私、これからまた日本に飛ばないといけなくってね…」 森崎「え、そうなのか?仕事関連?」 陽子「うん。日本にプロリーグを作るのならブラジルリーグも参考にしておきたいって言われてね。 ホラ、私の仕事の内にブラジルサッカーの運営面の研修があったでしょ? その成果を見せなくちゃいけないのよ。だから来月会うのは無理なの、ゴメンね」 森崎「いや、仕事ならしょうがないだろ。気にしないでくれ」 陽子「その代わりと言ってはなんだけど、11月に会えるかしら?」 森崎「うん、オフの日なら大丈夫だよ」 陽子「オッケー、決まりね。スペシャルゲストも呼ぶから楽しみにしていてね!」 森崎「スペシャルゲスト?」 陽子「誰かは当日のお楽しみ♪それじゃ、おやすみなさーい」 森崎「ああ、お休み」
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0ch BBS 2007-01-24