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【新章】キャプテン森崎30【新天地】
[476]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 00:06:02 ID:??? エベルトン「よぉーし、耳ん中かっ穿ってよーく聞けてめぇらァア!!」 スタジアム内の控え室の一つ、パルメイラス用のロッカールームではエベルトン監督の 罵声じみた号令が轟いていた。選手達も一年弱の付き合いで慣れたので、黙って続きを待っている。 エベルトン「長距離バスで疲れただなんてほざく愚図が居たら今すぐ名乗り出ろ、 サンパウロ市行きのバス代を片道分だけ出してやる!疲れていない奴は今からアップしていろ、 俺達の試合は2試合目…約3時間後だ!ボサッとしているヒマはねえぞ!」 森崎「(確か、オープニングゲームはフラメンゴがどっかのザコチームとやるんだったよな)」
[477]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 00:08:20 ID:??? ここで今回のリオカップについて説明しておこう。今大会は各州の強豪チームを16チーム集め、 それを4つのグループに分けて競わせ上位2チームに決勝トーナメント出場権を与えるのである。 各グループの組み合わせは以下の通りとなっている。 A:フラメンゴ、スポルチ、クルゼイロ、アトレチコ B:サンパウロ、コリンチャンス、ボタファゴ、グアラニ C:パルメイラス、グレミオ、パイサンドゥ、フルミネンセ D:サントス、バスコ・ダ・ガマ、ブラガンチーノ、SCインテルナシナオル そして各グループの上位2位が決勝トーナメントで以下の様に振り分けられる。 A1位−| |−| B2位−| | |−| C1位ー| | | |−| | D2位−| | |−優勝 B1位−| | |−| | C2位−| | | |−| D1位ー| | |−| A2位−| エベルトン「今日の獲物はグレミオだ!Cグループの中では一番マシな相手だが、こんな所で てこずっていたら優勝なんざ笑い話でも狙えねえ!良いか、圧勝出来なけりゃ死ぬと思え!」 パルメイラスメンバー『サーッ!』
[478]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:49:33 ID:??? エベルトン「オープニングセレモニーまではまだ間があるな…今のうちに ミーティングを済ませておく!まずはスタメンとフォーメーションからだ!」 エベルトンがサインボードにサインペンで描いた図は以下の様な物だった。 −J−H− Jオルヘス Hサトルステギ −−−−− E−−−F Eリンコン Fゲレーロ −I−G− Iトニーニョ Gネイ −−−−− A−−−B Aミラ Bブランコ −C−D− Cキーガン Dアレクセイ −−@−− @森崎 森崎「(結局ジュニオールに上がった時から固定のメンバーだな。後から上がってきた サブ連中が揃いも揃って使い物にならないから当然と言えば当然だが)」 エベルトン「今更それぞれの役割なんかゲロが出る程分かっているだろうからわざわざ説明なんか しねーぞ。それより大事なのは敵の情報だ!ちゃんと予習はしてきただろうな、モリサキ?」 森崎「はい。グレミオは…」 A 「GKメオンとMFダ・シルバが要注意のチームです」 B 「GKメオンにおんぶにだっこの守備型チームです」 C 「MFダ・シルバしかマトモな奴が居ない弱小チームです」 D 「あまりにも弱すぎて調べる必要が無いと言う所まで調べました」 ※投票の結果【D】に決定しました
[479]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:50:20 ID:??? >D 「あまりにも弱すぎて調べる必要が無いと言う所まで調べました」 ざわっ… トニーニョ「!?」 ネイ「おいおい…」 サトルステギ「そりゃ〜いくらなんでもないだろ〜」 森崎「…あれ?」 自信満々に言い放った森崎の余裕宣言はチームメイト達の呆れを招いた。 エベルトン「クズ野郎!敵を知り己を知れって言葉にケンカ売ってんのかテメェ!」 森崎「えええっ!?ちょっと待った、監督だって圧勝して当然って言ってたじゃないですか!」 パルメイラスメンバー『(おお、監督が珍しくマトモだ)』 エベルトンもたちまち青筋を作り大きく息を吸い込んでから怒鳴りだし、森崎を正論で叱咤する様に 選手達が感心する。だがエベルトンの次のセリフで彼らは一瞬だけでも感心したのを後悔した。 エベルトン「だからこそだ!弱い相手なら徹底的に叩き潰す為に調べとけってんだ! 格下の相手ってのは自分の強さを他者に見せ付ける為に居るんだ、 折角のチャンスを利用しないでどうする?アーン?雑魚はしっかりと虐殺しとけ!」 パルメイラスメンバー『(………やっぱりマトモじゃない)』 森崎「うっ…(い、言い返せねえ…こんなやりにくい監督、初めてだ…)」 自分の理論を逆手に取られた森崎が悔しさに押し黙り、エベルトンも言いたい事を言い尽くしたのか 言葉を途切れさす。そして訪れた白け気味の沈黙を破ったのはトニーニョだった。
[480]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:52:00 ID:??? トニーニョ「あ〜…とにかく、敵の主力選手はMFのダ・シルバとGKのメオンですよね?」 エベルトン「そうだ。ダ・シルバはハッキリ言ってドリブルしか出来ない一芸野郎だが、 その分ドリブル突破には要注意だ。メオンは今大会ナンバー1GKだとかなんとか言われてるが、 お前らが大量得点すりゃあその看板も今日限りの物になるだろうよ」 ネイ「簡単に言ってくれますねえ。大量得点出来るかどうかは分かりませんよ?」 サトルステギ「いいじゃん、別に!要は撃って撃って撃ちまくれば良いんだろ?」 エベルトン「そう言う事だ。以上でミーティング終了!殺ってこい、貴様ら!」 ネイ「いやいやいや、これからオープニングセレモニーですから…」 エベルトン「ウルセー、戦争はもう始まってるんだ!口でクソを垂れる前にサーと言え豚ドモ!」 パルメイラスメンバー『サ、サーッ!』 エベルトンの号令で微妙な気合が入ったパルメイラスメンバーが部屋の外に向かう。 ガタン。 森崎「…あれ?い、何時の間にミーティングが終わってたんだ!?」 そして最後の者がドアを後ろ手に閉めた音で森崎はようやく我に返った。 *失言をした森崎でしたが、それ以上にエベルトンの変人ぶりが目立った為 支持率の変化はありません。
[481]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:53:25 ID:??? 数分後、エスタジオ・ド・マラカナンは更なる興奮の坩堝と化した。 オープニングセレモニーが始まったのだ。 ワァアアアアアアアアアアアア…! 放送「大変長らくお待たせ致しました。ただいまより本年度のリオカップ開会式を開始します。 まずは選手達の入場です。ブラジル全土から集まった16の若き精鋭達が今登場します!」 放送に促された様なタイミングで各チームがチームフラッグを掲げながら入場してくる。 先頭を切ったのはやはりフラメンゴであり、観客の歓声も一際大きくなる。 放送「早速入ってきたのはフラメンゴ!今大会MVP候補筆頭と呼び声が高いカルロス・サンターナ 率いるこのチームは間違いなく優勝争いに絡んでくるでしょう!果たしてこのチームに土を つけられる新たなる強豪は出てくるのか、それとも前評判通りフラメンゴが優勝してしまうのか? 全ては他チームがサッカーサイボーグたる彼に対抗出来るかどうかにかかっています!」 カルロス「(やるぞ…俺がブラジルNo.1、そして世界一になるんだ!見ていてくれアーサー!)」 フラメンゴの後に数チーム続き、しばらくしてからサンパウロが入場するとまた歓声が上がった。 放送「ここで入ってきたのがサンパウロ州の雄、サンパウロFC!なんとこのチームは 日本人MFの大空翼がキャプテンを務めているのです!しかしその背中の10番は伊達ではなく 人によってはカルロス・サンターナに匹敵するとも言われます!彼の活躍は要チェックです」 翼「(憧れ続けてきたブラジルの大舞台だ。ここで俺は俺の夢への第一歩を踏み出す!)」 放送「どんどん行きましょう!10番目に入ってきたのはサントス。スイーパーのディウセウが 圧倒的な存在感を放つこのチームもフラメンゴへの対抗馬と評されます。彼らの未来は如何に?」 ディウセウ「(うひぇー、強そうな奴がいっぺぇいんぞ!オラぁワクワクしてきた!)」
[482]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:54:17 ID:??? 放送「お次はパルメイラスです。ここもサンパウロ同様日本人選手がキャプテンを勤めている 異色のチームです。GK森崎有三の腕前は果たしてリオカップで通用するレベルなのか?」 森崎「(勉強不足な実況だな。翼なんかより俺の方をチェックしとけよ!)」 放送「パルメイラスの後に入ってきた最後のチームはグレミオ。今大会ナンバー1キーパーと 評されるクラウディオ・メオンが守るゴールは果たして破られるのでしょうか?」 メオン「(フッ、今年こそはグレミオが優勝だ。この俺の力でな!)」 選手達が歓声で迎えられる最中、観客席の比較的空いた場所に二人の日本人が居た。 一人は森崎と顔見知りである片桐陽子。兄に代わって森崎と翼の成長振りを見届け、 逐一記録を取り日本サッカー協会に報告する責務を任されてここに居る。 そして彼女の隣にはやや太り気味だががっしりとした体格の中年男が立っていた。 ややみっともない髭が顎と頬を薄く覆っており、今着ている窮屈そうな茶色のスーツよりも 何かしら作業着を着せた方が似合うであろう風貌の彼の名は賀茂港。 日本サッカー協会の役員ではあるが、具体的に何をしているかは陽子も知らない謎が多い男だ。 賀茂「どうだい、片桐妹。森崎と翼は」 陽子「私の知る限りではコンディションは万全の筈です。と言っても二ヶ月前の話ですけどね」 賀茂「コンディションの話じゃねえって。焦らすなよ」 陽子「二人のどちらが上か、ですか?それを確かめる為の大会視察でしょう?」 賀茂「おうよ。だがお前さんの予想も聞いておきたくてな」
[483]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 18:58:18 ID:??? 陽子「そうですね…才能で言えば間違いなく翼くんが上だと思います。だけど…」 賀茂「だけど?」 陽子はニッコリと笑い、高らかに言い放った。 陽子「私は森崎くんの勝ちに賭けます」 賀茂「ほー。じゃあ俺は翼の勝ちに賭けとくか」 賀茂も釣られてニヤリと笑い返した。 陽子と賀茂が賭けに興じている頃、スタジアムのほぼ反対側では一人の青年が立ったまま フィールドを茶色い前髪の隙間から睨みつけていた。白いタンクトップに迷彩模様の半ズボンから覗く 茶色い肌の肉体は見る者が見れば超一流のサッカー選手の物だと分かっただろう。 だが周りの観客は皆自分の贔屓のチームの選手に熱い視線を注いでおり、 彼は誰にも気付かれずただただ試合が始まるのを待っていた。 ピィイイイイイイイイイイイイイ!! やがてオープニングセレモニー終了後待つ事数分、ようやくフラメンゴ対スポルチの オープニングゲームが始まる。そこでようやく彼は一言だけ、誰にも聞こえない要な小声で呟いた。 コインブラ「始まったな。低レベルな戦いが…」 彼の名はアルツール・アンチネス・コインブラ。今はまだ誰も彼の事を知らない。
[484]マロン名無しさん:2009/02/04(水) 21:00:16 ID:+n6f3fWF コインブラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
[485]マロン名無しさん:2009/02/05(木) 01:54:37 ID:??? ブラジルはテクモ準拠になるらしいから、ラスボス登場ってとこだな。
[486]マロン名無しさん:2009/02/05(木) 18:01:13 ID:??? 原作ゲームオールスターじゃないのか、かなりのガッカリ宣言だな
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0ch BBS 2007-01-24