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【大口叩くと】森崎が幻想入り 6話目【ダイス行き】
[855]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:41:24 ID:ngVzCkUI 七花「……それで、私たちは何故こんな所に……?」 5分後。七花はレミリアに引きずられて紅魔館の厨房に立っていた。 七花「お腹が空いたのでしたら私が何かお持ちしますから、お嬢様はどうぞお部屋でお待ちになられ……」 レミリア「違ーう!」 レミリアが大きな声で七花の声を遮り、さらに指をビシッと突きつける。 レミリア「今日は……ほら、アレよ。世間ではバレンタインとかいうイベントがあるそうじゃない」 七花「はぁ……?」 レミリア「聞けば、バレンタインというのは女性が男性に手作りのチョコレートを贈ると、 男性には必ずその恩を三倍にして返さなければならない義務が発生する日だとか」 七花「……どこで得たんですか、その知識」 レミリア「昨日、あの隙間妖怪が言ってたわ。本来なら咲夜に作り方を教わるところだけれど、 咲夜は今日休暇取ってどこかに行っちゃったし。 ……という訳で貴方、私にチョコレートの作り方を教えなさい」 そこまで一気にまくし立てると、さあ、と流し台を指差すレミリア。 人に物を頼んでいるにも関わらず、どこまでも尊大である。
[856]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:41:48 ID:ngVzCkUI 七花「(また妙に偏った知識を……)えっと、チョコレートを渡す相手って……」 レミリア「森崎の他に誰が居るっていうのよ。まさかあの褌にでも渡せと?」 あの褌、と心底嫌そうな顔で吐き捨てるレミリア。 七花「誰もそんなことは言ってませんけど……」 レミリア「自分で菓子を作るなんて面倒この上ないけれど、 その程度の手間で森崎に恩を売れるなら安いものだわ。……という訳で、早く始めましょう」 七花の手を引き、あくまで強引に事を進めようとする。 七花「(微妙に趣旨が間違ってる気がするけど)まぁ、構いませんよ。私も六花ちゃんに作るところでしたし。 確か、材料はこのあたりに大量にあったはず……」 そういって備え付けの大きな業務用冷蔵庫の中身を漁りだす七花。 そしてしばらく後、その材料を両手に抱えて戻ってくる。 レミリア「……それは?」 七花「え? 材料……というか板チョコですけど」 レミリア「私は手作りの、と言った筈だけれど?」 七花「お嬢様……。手作りの、っていうのは大抵はこれを溶かして型に流し込んだものを言うんですよー」
[857]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:42:09 ID:ngVzCkUI レミリア「……え?」 自分の無知を晒してしまったためか、レミリアが僅かにうろたえる。 七花「まさか、豆から作ろうと思ってました? それは流石に咲夜さんでもないと無理ですよ」 レミリア「そ、そうなの……。ならそれで良いわ。それで、次はどうするのかしら?」 七花「えっと、まずは板チョコを溶かさないといけないので……それじゃあお鍋にお湯を沸かしてください。 私はそのあいだに型とか探してますので」 これです、と七花が大きな鍋を戸棚から取り出す。 レミリア「鍋に水を入れて、火にかければいいのね?」 確認して、蛇口を捻るレミリア。 七花「あれ? そういえば吸血鬼って水とか……!」
[858]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:42:48 ID:ngVzCkUI 慌ててレミリアの方を振り返る七花。しかし、そこではすでにレミリアが鍋を火にかけ終わっていた。 レミリア「……あら、何か言ったかしら?」 七花「いえ、何でも……(そういえば、日光も日焼け止めで克服してたし……吸血鬼の弱点って一体……)」 レミリア「それで、次は何をすればいいのかしら?」 手持ち無沙汰になったレミリアが七花に問う。 七花「うーん、とりあえず沸騰するまで待つのでしばらくは…… あ、そういえば。お嬢様はどのようなチョコレートを作るおつもりですか?」 レミリア「どのような……?」 予期しない質問に、レミリアが再び戸惑う。 七花「その様子では何も考えていらっしゃらなかったようですね……。 まぁ、バレンタインデーに贈るチョコレートの基本といえば……」 A 「ハート型のチョコレートですね」 B 「自分に溶けたチョコレートをかけて『食・べ・て♪』ですよね」 *投票は受け付けておりません。あしからず
[859]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:43:10 ID:ngVzCkUI 七花「……ハート型のチョコレートですね (Bはあとで私が六花ちゃんにやっ……たら、間違いなく引かれるわね。うん、おとなしく私もAにしておこう)」 七花が思いついた二つのうち、控えめな方の案を勧める。しかし、それに対してレミリアは…… レミリア「ハ、ハート型……?」 思いっきりうろたえていた。 七花「あれ、どうしました?」 レミリア「ね、ねぇ。ハート型は……ちょっと違わないかしら?」 七花「……え? 何がですか?」 何を言っているのかわからない、という風に首をかしげる七花。 レミリア「それじゃあまるで私が……」 七花「バレンタインにハート型のチョコレートを贈る! これは定番です。これを貰って喜ばない殿方は居ません!」 レミリア「そ、そうなの? 喜ぶかしら……?」 七花「ええ。むしろ、ハート型じゃなかったら義理だと思われてガッカリされるかも……」 レミリア「(ぎ、義理……?)ん……ゴホン。……そう。貴方がそこまで言うのならハート型にしましょうか」 咳払いを一つし、冷静さを取り戻すレミリア。
[860]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:43:26 ID:ngVzCkUI 七花「判りました。それじゃあハート型の型を……っと、そろそろ沸騰してきましたね」 鍋の蓋がカタカタと震える音を聞いて、七花が言う。 レミリア「そうね。……それで、これをどうするの?」 七花「この板チョコをそこにある金属製のボウルに入れて、湯せんしてください」 レミリア「湯せん?」 聞きなれない単語に、思わずレミリアが聞き返す。 七花「あー……チョコの入ったボウルを、沸騰したお湯に浮かべてください」 レミリア「なるほど。こうかしら……あら?」 レミリアがボウルをお湯に浮かべると、見る見るうちにチョコが溶け出してゆく。 レミリア「……ふーん。こうやって溶かすのね」 初めて目にするその光景が面白いのか、じっとチョコレートが溶け出す様を眺める。 七花「あはは……。その中にお嬢様の血をちょっと混ぜておけば、 森崎様もすぐにお嬢様の物になっちゃうような気がするんですけどねー」
[861]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:43:47 ID:ngVzCkUI レミリア「ふむ……?」 レミリアが少しの間押し黙って一言、 レミリア「それはやめておくわ」 七花「……え?」 レミリア「そこには森崎の意思が無いもの。……強制的にじゃあ駄目なのよ」 七花「そうですか……そうですよね」 失礼しました、と頭を下げる七花。 レミリア「……さて、綺麗に溶け切ったわよ。……それから?」 七花「あ、それじゃあ後は型に流し込むだけです。ゆっくり、慎重にですよー」 そういって、七花がハートの形をした型を差し出す。 七花「ボウルを両手で持って……あ、そうですそうです。零さないようにお願いしますね」 レミリア「こ、こうかしら……? 結構難しいのね……」 ぎこちない手つきながらも、何とか全てを型に移すことに成功する。 レミリア「ふぅ……。何とかなったわ」 別に汗をかいているわけではないのだが、無意識に額の汗を拭う仕草をするレミリア。
[862]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:44:00 ID:ngVzCkUI 七花「はい! それじゃあ後は冷やすだけですので。お疲れ様でしたー!」 レミリア「……え、もう終わりなの? 随分簡単なのね」 七花「そんなものですよー。冷やすのは私がやっておきますから……そういえば、いつ渡しに行くんですか?」 レミリア「今夜よ。……間に合うかしら」 レミリアが壁にかかった時計を見ながら言う。 七花「大丈夫ですよー。 それでは夕方ごろ、完成した物を包んでお嬢様の部屋にお届けしますから。お嬢様は暫くお休みください」 レミリア「そう、助かるわ。それじゃあまた今夜……あ、そうそう」 背中を向けて去ろうとしたレミリアが、ふと足を止める。 レミリア「ありがとうね。付き合ってくれて」 それだけを言うと、今度こそ厨房の扉を開けて外に出て行く。 七花「ふふ、お嬢様も結構可愛いなぁ……」 その後姿を眺めて、七花がこっそりと呟く。 七花「……それじゃあ、私も気合を入れて六花ちゃんへのチョコレートを作ろうっと!」 他に誰も居ない厨房に、七花の声が大きく響く。 ……レミリアがバレンタインデーの本当の趣旨を知るのは、これより少し後の事となる。
[863]森崎in幻想郷 ◆WoDqDt9wrk :2009/02/14(土) 16:44:34 ID:??? え、恥ずかしさ? とうの昔に捨てました。本筋の方書いてきます。
[864]森崎名無しさん:2009/02/14(土) 16:45:20 ID:??? ト…ニヤ
[865]森崎名無しさん:2009/02/14(土) 16:47:33 ID:??? 恥ずかしさから逃げないことに賛辞を。 ただ…急ぎすぎないほうがいいかも。
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0ch BBS 2007-01-24