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【貰うぜ】キャプテン森崎31【ブラジルNo1】
[571]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/10(日) 14:27:59 ID:4liEXi53 今日一日で大きく名を上げた森崎率いるパルメイラスだったが、 彼らに誰よりも熱い視線を送っていたのはやはり次の対戦相手のフラメンゴだった。 特にチーム内のブレインのサンタマリアはデータ収集に余念が無く、 結構な値段がするであろう業務用ビデオカメラを大切に専用ケースに収めていた。 またジェトーリオが呆れた顔でパラパラとめくっているバインダーも 非常に細かい線引きが為されているルースリーフ用紙や方眼紙だけでなく フィールドの図面コピーなどサンタマリアがわざわざ自作したデータ記録用紙が何十枚も入っている。 ジェトーリオ「何時もの事だけど、よく試合を見ながらここまでビッシリと… ちょっとは作業分担しようとか思わないのかい?」 サンタマリア「何時もの事だが勝手に触るな。それに前のカメラを壊したのは誰だ?」 ジェトーリオ「ちゃんと弁償したじゃ〜ん!あれで僕3ヶ月も寮のまっずいメシに 耐えないといけなかったんだぞ〜!カルロスも全然助けてくれなかったし〜!」 カルロス「自業自得だろう?それより俺は次の試合の前に腹ごしらえをしようと思う。お前達はどうする?」 サンタマリア「ああ、いこう。ジェトーリオ、お前も来い。勝手にカメラを弄られたらかなわん」 ジェトーリオ「ちぇっ、信用無いなァ〜」 サンタマリアのビデオとノートとカルロスのボール(「アーサー、ちょっと待っててくれ。 あれ?二人とも、まだ時間はたっぷりあるんだからそんなに急がなくても大丈夫だぞ」)を チームメイト達に預けた3人はスタジアム内の売店に向かい始めた。 すると何の因果かコインブラが通路の壁に寄りかかりミネラルウォーターを飲んでいた。 彼はフラメンゴの3人組をチラと見ただけで話しかける気は無かった様だが、 めざといジェトーリオが彼を発見しわざわざ話しかけに行く。
[572]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/10(日) 14:28:39 ID:4liEXi53 ジェトーリオ「おやおや、先日の大先生じゃないですか」 コインブラ「……………」 ジェトーリオ「今日はご高説を聞かせて下さらないのですか?よろしければ 我々下々の者に御身の打倒サンパウロ用のお知恵を授けて頂きたいのですが〜」 サンタマリア「ジェトーリオ…」 またトラブルを起こすのか、とサンタマリアは顔を手で覆いカルロスはコインブラの反応を観察する。 そして当のコインブラは三者三様の態度も何処吹く風でゆっくりと面倒臭そうにしゃべり始めた。 コインブラ「中盤をコンパクトに保ち攻撃頻度を高める事だな。パルメイラスのキーパーは体格が無い。 中々の瞬発力の持ち主だが、ロングシュートでも良いから短時間で畳み掛ければ奴の体はボロボロになる」 サンタマリア「(こいつ…!モリサキがスタミナに不安があると言う事を見抜いたのか? だが奴はこのリオカップの今までの試合ではそんな様子は伺わせていない! まさか体格と瞬発力だけで判断できたと言うのか?あいつの 全日本Jrユース時代のビデオを分析した俺でさえ未だ半信半疑なんだぞ…)」 自分が悩みぬいた末に考え出した攻略法をコインブラにいともあっさりと言い放たれた サンタマリアは脳天を殴られた様な衝撃を味わった。目を見開き絶句する彼の横で 彼ほどデータには拘らないジェトーリオは動揺せずに皮肉の度合いを深めて続ける。 ジェトーリオ「キープ率を高めろ、かい?流石だねえ、サッカーの基本にして極意をしっかりと 心得ていらっしゃる。じゃあ攻撃時だけじゃなく守備時のアドバイスもオマケしてくれるかな?」 コインブラ「守備も同じだ。高めの位置で奪ってシュートを撃たせるな。お前達のチームのキーパーでは 奴らのシュートを防ぎきるのは無理がある。それが出来なければお前達はサントスの二の舞を踏むだけだ」 サンタマリア「(これも俺の分析通りだ…!うちは今大会楽勝試合を繰り返してきて敵には無理やりな ロングシュート以外撃たせていないのに、それでもうちのキーパーの能力を把握できたのか!?)」 ジェトーリオ「………!」
[573]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/10(日) 14:29:04 ID:4liEXi53 フラメンゴが意識して隠していた自チームの穴を指摘してみせたコインブラにサンタマリアは再び戦慄してしまった。 ジェトーリオも今度はコインブラの眼力に驚きを隠せず押し黙り、代わって今まで沈黙を保っていたカルロスが話し始める。 カルロス「なあ」 コインブラ「なんだ?」 カルロス「お前の名前を教えてくれないか?」 コインブラ「………」 カルロス「どうした?」 コインブラ「…アルツール・アンチネス・コインブラだ」 カルロス「…アルツール…か。なあ、お前は俺と以前会った事があるんじゃないか?」 ピクリ。 カルロスが質問したその時、今まで無表情を保ってきたコインブラが初めて表情を見せた。 眉が僅かばかりに揺れただけだったが、それは明らかに戸惑いと苛立ちだった。 コインブラ「…何を言っている。つい先日ここで会ったんだろう」 カルロス「そうじゃなくて…ずっと前だ。俺はお前を知っている様な気が…」 コインブラ「知らん」
[574]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/10(日) 14:30:39 ID:4liEXi53 スタスタスタ… カルロス「あ…」 これ以上会話する気は無いと言わんばかりにコインブラは足早に立ち去った。 後に残されたフラメンゴの主力3人は彼を追いかける気にはならなかった。なれなかった。 ジェトーリオ「…結局なんなのあいつ?口先だけじゃないみたいだけど…」 サンタマリア「只者じゃないのは確かだが…アルツール・アンチネス・コインブラ?」 サンタマリアはポケットサイズのバインダーを取り出し物凄い勢いでページをめくりだした。 ジェトーリオが後ろから覗き込む中彼はアルファベット順に整理された 有力選手の自作メモをしきりに調べたが、求める情報は一切無かった。 ジェトーリオ「…ダメか?」 サンタマリア「ダメだ。何処にも名前は載っていない。同年代の有力選手なら 南米中をチェックしている自信があったんだが…まいったな」 ジェトーリオ「そっか…まあ、気にすんな」 落ち込むサンタマリアをトラブルメーカーのジェトーリオが慰めると言う実に珍しい現象が 起きている間、カルロスはただただ黙ってコインブラの名前を頭の中で転がしていた。 カルロス「(コインブラ…Coimbra、か。この名前には何も覚えが無いな…)」
[575]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/10(日) 14:32:19 ID:4liEXi53 いったんここまで。また夜に来れたら来ます。
[576]創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 18:51:44 ID:6TBdC8Xv 乙です。 NPCシーンも面白いっす
[577]創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 22:53:08 ID:2DLURIGh そういえばカウンターシュートの ブロック力+10で成功時は敵シュート力+10で撃ち返す って敵シュート力+10で威力固定でカードの値は足さないと考えていいんでしょうか
[578]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/11(月) 07:12:17 ID:BKRqxfrg "../test/read.cgi/morosaki/1234851455/577" >>577 いえ、違います。 例を挙げて説明してみますね。 シュート力50のシュナイダーがシュート力+8のファイヤーショットを撃ち、これを ブロック力49の翼がカードでダイヤを引いてカウンターシュートを発動させたとします。 カウンターシュートはブロック力に+10されるので、翼のブロック力は59になります。 シュナイダーのファイヤーショットの達成値(シュート力58+カードの数字)を 翼のカウンターシュートの達成値(ブロック力59+カードの数字)が2以上上回れば カウンターシュートは成功し、(シュート力68+カードの数字)の威力のシュートが 西ドイツゴールに向かって飛んでいきます。 これだけ見ると凄まじく強力なシュートで防ぎ様が無い様に思えますが、 シュナイダーのファイヤーショットが余程遠距離から放たれていない限り カウンターシュートはかなりの距離ペナルティが課せられます。 世界トップクラスのGKなら低確率ですが防げる可能性があります。 またカウンターシュートは発動確率が低い上ガッツを300も消費するので 発動したが失敗してガッツ大損の危険性も孕んでいます。 要は滅多にお目にかかれない超大技と言う事です。
[579]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/11(月) 09:18:32 ID:BKRqxfrg カルロス達とコインブラの二度目の対面から数十分後、 この日の第三試合目、サンパウロVSグレミオが間も無く行われようとしていた。 陽子「次は…9割方サンパウロの勝ちですよね」 賀茂「同感だな。だが一つ気になる事もある」 陽子「なんですか?」 賀茂「サンパウロの監督、ロベルト・本郷だよ。昔はセレソンのCFWまで行った御仁だろ? で、こういう選手には良くあるんだよ。”現役時代は名選手だったが引退してからは…”って パターンが。俺も指導者失格の烙印を押されたからなー、そういうのには同情しちゃうんだよ」 陽子「(さりげなく自分を名選手扱いしているわね…)指導者の点ではサンパウロは心配無いと思いますよ」 賀茂「そうなのか?最初の数年は苦労してたって聞いたんだがな」 陽子「ええ、なにせ元セレソンでサンパウロにとっても英雄ですから最初はいきなりジュニオール部門を 任されたそうなんですが…過去の自分が上手すぎたせいでしょうか、ダメ出しを頻繁に繰り返してし過ぎて 選手達の心を掴めなかったそうです。そこで今度はデンチ・デ・レイチのチームを任され、 今度は問題なく行ったみたいですが…如何せん、要求されるコーチ技術が低いとされる少年チームですからね。 ”基礎体力や基本技術をつけさせるだけなら誰でも出来る”と言う評価以上はしてもらえませんでした」 賀茂「だよなー。世間様ってのは結果を出さないとどんなコーチング理論も認めてくれないからなー」 陽子「(何をさも共感出来る様にうんうん頷いているんですか超危険人物・選手潰しの賀茂さん) ですが翼くんをサンパウロに連れてきた頃から評価が変わりました。当初ロベルトさんは翼くんを 連れてきた事自体は評価されても教え子を贔屓し却って監督としての評判を落とすのではないかと 囁かれていましたし、私自身その可能性は大いにあると思っていました。ところが…」
[580]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/11(月) 09:19:00 ID:BKRqxfrg 賀茂「そんな心配が良い意味で予想を裏切られたってトコか?」 陽子「はい。ロベルトさんは翼くんに個人的なコーチングをせず、プライベートの時も アドバイスの様な事は滅多に言わないそうです。精々自分の現役時代のビデオを与えたり ブラジルでの生活を手伝ったりした位で、後は全て翼くんの自主性に任せる方針だと公言しています。 またその態度を翼くんだけでなく担当する選手達全てに適用してチーム内の競争性を高め、 実力が強制的に上がっていく環境を整えた…それが今のロベルト監督が受けている評価です」 賀茂「ほーう…そういや予選グループ突破の時のインタビューで言ってたな。 『監督の仕事はどっしりと構えている事』だの『私以上の選手になりたい者は私に教えを請うな』だの」 陽子「あえて何もしない事で常に選手達に無言のプレッシャーを与え続ける。 そんなタイプの監督なんでしょうね。中には『自分の無能さを隠しているだけ』とか 『いざとなったら選手のせいにする為の方針だ』とか酷評する評論家達も居ますけど…」 賀茂「そういうやっかみをぶつけられ易いタイプだな。でも結果が出ている間は文句なんかいえねーだろ」 陽子「ですね」 今大会優勝候補の一角を率いるロベルト・本郷は一部の者からはその手腕に疑問視されているが、 現実としてチームが連戦連勝を繰り返しているので彼を名監督と称える者も決して少なくない。 ではそんな彼はどんな風にチームを率いているのか?少し覗いてみよう。
[581]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/11(月) 09:23:39 ID:BKRqxfrg 短いですが今はここまで。今日中にまた更新したい所です。
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0ch BBS 2007-01-24