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【貰うぜ】キャプテン森崎31【ブラジルNo1】
[624]がんばりセービング!:がんばりセービング! がんばりセービング!
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[627]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:17:44 ID:8/6BKXL2 数分後、ストラットとドトールの相部屋には6人の姿があった。 ベッドに腰掛け俯くストラット。彼を腕組みして静かに見詰めるバンビーノ。 ドトールとアマラウに引っ張られて退出させられるマウリシオ。 そしてカフェインレスコーヒーを淹れている翼である。 マウリシオ「なんでキャプテンだけ!ずるいっしょー!?」 ドトール「部外者と二人きりにする訳にもいかんだろうが」 アマラウ「お前が居ると進む話も進まんしな」 ズルズルズル…バタン。 翼「すまない、騒々しい連中で…ブラックで良いかい?デカフェだから味は保障しないけど」 バンビーノ「ああ、ブラックが好みだから有難いよ。サンキュー」 ストラット「…俺の重荷を背負うつもりは無いんじゃなかったのか?」 翼「その通り。俺はキャプテンとして揉め事が起きない様に監視しているだけだよ。 万が一このバンビーノと言う男が君を負傷させたりしたら一大事だしね」 バンビーノと友好的に会話する翼の存在が気に食わないストラットは文句を言う。 しかし今の彼と翼では精神的な余裕の度合いに圧倒的な差があり、シレッと模範解答で 返されると何も言い返す事が出来ない。そんな彼の姿を見てバンビーノはクスクスと笑った。 バンビーノ「サンパウロの天才MFはキャプテンとしても優秀みたいだね、ストラット」 ストラット「……………」
[628]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:18:00 ID:8/6BKXL2 バンビーノ「遅れたけど自己紹介するよ。俺はジョバンニ・マンフレディーニ。バンビーノって呼んで。 四年前、ストラットに選手生命が絶たれかける程のケガを負わされたMFさ」 ストラット「ぐっ…!!」 翼「大空翼、ツバサで良いよ。しかしなんとも風変わりな自己紹介だな」 バンビーノ「これはストラットに対する嫌がらせだよ。四年間待ち続けてきたんだ、 恨み言の一つや二つは言わせて貰わないと割に合わないよ」 翼「四年か…時期的にJrユース大会の数ヶ月前かな?」 バンビーノ「正確には四年より少し短いよ。俺はJrユース大会の2ヶ月前の練習試合で ストラットに誤って負傷させられてしまったんだ。そしてストラットはそれを気に病み イタリアJrユース合宿で暴力沙汰を起こし、主力選手数人を負傷させた挙句追放されたんだよ」 翼「なるほど。色々と納得が行ったよ」 押し黙るストラットを他所にバンビーノと翼は遠慮無しに話を進めていく。 やがてストラットが目に見える程震えだしたのを見てようやくバンビーノは翼からストラットに向き直った。 バンビーノ「さて…正直まだまだ言い足りない気分だけど…不毛だからこれ位にしておくよ」 ストラット「…え?」 バンビーノ「俺がここに来た目的は三つ。最初の一つがお前に恨みをぶつけさせてもらう事。 二つ目の目的は…チェザーレ・ストラットのイタリアユースへの参加を要請する事だ!」 ストラット「な…なんだってっ…!?」
[629]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:18:43 ID:8/6BKXL2 バンビーノ「これがイタリアサッカー協会からの正式な書状だ。きちんと会長のサインもついているぞ。 お前を説得出来るのは俺だけしかいないと言われて、遥々大西洋を越えてきたんだよ」 ストラットは震える手でバンビーノが差し出した書状を受け取り、何度も何度も目を通す。 そして彼は大きく息を吐き恐る恐るバンビーノを見上げた。 ストラット「バンビーノ…俺を、俺を…許してくれると言うのか?」 バンビーノ「いいや、許さない」 ストラット「!?」 バンビーノ「俺を負傷させた事自体は良いんだ。あれは完全に事故だ。俺が許せないのはその後お前が イタリアJrユースをメチャクチャにした事だ。何故俺の分まで戦ってくれなかったんだ?」 ストラット「………」 バンビーノ「だが、あの時…病室で許しを請ったお前と口を利かなかった俺にも責任があると言えばある。 だから、お前を許す事は出来なくても…イタリアユースには参加してもらいたい。もう一度共に戦いたいんだ」 ストラット「バンビーノ…」 翼「………」 己の心を包み隠さずぶつけてくるバンビーノに揺り動かされるストラット。しかしこれだけで 折れた心を繋ぎなおすには彼の今まで積み重ねてきた後悔と自己嫌悪はあまりにも大きすぎた。 ストラット「だが…俺にもう一度アズーリを名乗る資格があるとは思えない。 例えお前やサッカー協会が言ってくれても、ジェンティーレやランピオンはきっと…」
[630]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:19:04 ID:8/6BKXL2 バンビーノ「確かに…あいつらと話す事は何度かあった。ランピオンはお前の名を 聞きたくも無いと言っていたし、ジェンティーレに到ってはお前が他の国の国籍を 取る事を望んでいたよ。世界の舞台で自分の手で叩き潰す為にな」 ストラット「………」 バンビーノ「だがストラット…これを見てくれ」 ストラット「え?」 バンビーノは持ってきたカバンからいくつかバインダーを取り出し、それを一つ一つ ベッドの上に並べていった。ストラットは訝しげにそれらの一つを手に取り…真っ青になって 次々と目を通し始めた。興味を引かれた翼もストラットが見終わったバインダーを音読し始める。 それはフランス国際Jrユース大会後、当時のイタリアJrユースのキャプテンだった ジノ・ヘルナンデスがその後どんな目に会っていたかを示す記録だった。 翼「これは…イタリアのスポーツ新聞や雑誌のスクラップブックか。 『金メッキの右腕、7失点で剥がされた下にあったのはボロボロの鉄屑』 『これで今後数年はイタリアは守備が堅いなどとは言えなくなってしまった』 『この世代のアズーリはフランス中、否、欧州中の笑い者である』 『インテル、ブラジル人GKの育成開始。ジノ・ヘルナンデスは解雇か?』…」 ストラット「…あああ、ああ、あ…」 翼「そうか、イタリアのGKはあの後こんな目に…見るに耐えないな」 ストラット「う…うぅううう…うぉおおおおお…!!」 想像こそしていたものの実際は確認する勇気が無かった、部外者の翼ですら顔をしかめる程 悲惨な現実。それを直視させられたストラットは額を抱え悲鳴とも号泣ともつかぬ唸り声を漏らした。
[631]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:19:21 ID:8/6BKXL2 流石に同情したのか、バンビーノはいくらか表情と声を和らげて話を再開させた。 バンビーノ「ジノはあの後苦しみ続けたよ。クラブやチームメイト達はまだしも、 マスコミやファンは彼へ怒りを集中させたからね。だけど…それでもジノは諦めなかった。 そこに書いてある通り一時はインテルを移籍寸前まで追い詰められたけど、 なんとか正GKに返り咲く事に成功したんだ。ストラット…お前にも同じ事をして欲しいんだ」 ストラット「同じ、事…?」 バンビーノ「そうだ。イタリアに戻り、イタリアユースのエースストライカーとして活躍して欲しい。 どう考えても簡単には行かないだろうけど、それ以外にお前が罪を償える方法は無いと思う」 ストラット「……………」 泣きたいが泣けない。そんな表情で沈黙してしまったストラットを余所目にバンビーノは スクラップブックを片付け、翼は2杯目のカフェインレスコーヒーを淹れ始めた。 数分後、なおも口を閉ざしたまま動かないストラットに業を煮やしたのかバンビーノが再び口を開く。 バンビーノ「さて…俺はそろそろホテルに戻らないといけない。だから3つ目の目的を果たさせてもらうよ」 ストラット「………?」 バンビーノ「ミアータが、会いたがっている。俺と同じホテルに居るんだ」 ストラット「!!!!!」
[632]2 ◆vD5srW.8hU :2009/05/16(土) 19:19:47 ID:8/6BKXL2 ボトッ、ジャアアア… 翼「…あ〜あ、勿体無い」 ミアータの名を聞いた瞬間ストラットは手の中のコーヒーを落としたが、それに全く気付かずに ガタガタと震えだした。それを面白そうに眺めながらバンビーノは荷物をまとめて立ち上がった。 バンビーノ「ホテルの電話番号をここに書いておくよ。覚悟が決まったら電話してね」 ストラット「あわわわわわわ…」 バンビーノ「言うまでも無いと思うけど…ミアータ、怒ってるよ」 ストラット「ひっ…うぁああああああ…」 バンビーノ「それじゃ、俺はこの辺で。コーヒー有難う、ツバサ」 翼「今度来た時はもっとマシなコーヒーを用意しておくよ。それじゃ、玄関まで送ろう」 バタン。 ストラット「ああああああああああああ…」 バタン。 ドトール「やっと終わったみたいだな…どうした?おい、コーヒーをこぼしているじゃないか」 ストラット「ゆ、ゆるしてくれミアータゆるしてくれミアータゆるしてくれミアータああああああ…」 ドトール「…一体何があったんだ」 ストラット「みあーたコワイヨタスケテゴメンナサイユルシテみあーたカワイイヨサイコーデス」 ドトール「俺はこんなやかましい奴と同じ部屋で寝ないといけないのか…」
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[634]創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 19:33:55 ID:D05p9MzA 乙でーす
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0ch BBS 2007-01-24