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【大空翼VS】TSUBASA DUNK 10【桜木花道】
[961]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:02:33 ID:NylOWdIU しかし、悲劇は起こった。 大きな大会が終了しても、彼のメンタルは弛緩することはなく、動きはいつもどおりだった。 いや、ブラジル行きが決まって以来、彼の動きはいつも以上にキレていた。そのキレが悲劇を 生んでしまったのかもしれない。 自らドリブルで切り込み、サイドに流れたところで一気にボールを逆サイドに送ることで相手の 陣形を崩し、さらにウイングがセンタリングを上げ、ポストプレイからチームの点取り屋が シュートという得意の得点パターンを後輩に受け継がせるべく、手本を見せていた時だった。 「いいか、山森。このプレーの鍵はいかにすばやく逆サイドにボールを送れるかにかかっている。 常に、そのまま切り込むのか、それとも逆サイドにはたくのかという選択肢を持っていることを 相手にも意識させないと効果は薄い。見ていろ」 ドリブルで突っ込み、そのまま相手の陣地奥まで行くかに見えたが、一瞬で体の向きを変えて 逆サイドにパス。見慣れた光景だったが、山森はいつもその動きを美しいと思っていた。授業で ならう、どんな音楽より、絵画より、彫刻よりも。しかし…… 「!?」
[962]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:04:14 ID:NylOWdIU ボールは全速力で走るウィングの滝がギリギリ届く地点に落ちた。そのボールは数メートルの ドリブルの後、ペナルティエリアやや奥にいた井沢に向けての高いパスとなり、ヘディングで 斜め前に落とされたボールに来生が合わせる。 バシュ! と小気味の良い音を立てながら、ボールはゴールネットを揺らす。横で見ていた後輩たちから 歓声が上がる。 「こらこら、感心してどうする。来年からはお前たちがこれをやるんだぞ」 自称ナンバー2の井沢が後輩たちを諭す。 「ま、俺レベルの点取り屋がお前らの代から出られるかは分からないけどな」 空気の読めなさはワールドクラス、来生。 「しかし、相変わらず正確なロングパスだよな……って、おい!」 滝(出っ歯)が逆サイドを振り返ると、そこには呆然と立ち尽くす山森と、腰を押さえながら グラウンドに倒れている少年の姿があった。
[963]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:06:25 ID:NylOWdIU そして、また病院へと話は戻る。 「君は、もう2度とサッカーができないんだ」 医師は3度、同じ言葉をつぶやく。 「君の腰は度重なる激戦で傷を負ってしまっている。正直、現代医学では治しようがないんだ」 「そんな。だって、プロにも腰や脚に爆弾を抱えながらも第一線で活躍している選手はいる じゃないですか。それに、先生に診てもらってからずっと楽になったし、走ったり、ジャンプ したりもできるんですよ」 「そうだ。君の体は日常的な運動はできる。いや、野球やバレーボールといった他のスポーツ ならいくらでもできるんだ。しかし、しかしだ。サッカーだけはできんのだよ」 「意味が分かりません!どういうことですか!?」 「人間の腰には『サッカー筋』と呼ばれる筋肉がある。サッカーボールを蹴る、ヘディングする、 キーパーだったらキャッチするといったときにだけ動く筋肉だ。これは損傷しても日常生活に 支障がないが、決して治ることはない。今まで損傷した事例があまりに少なく、また治療の 必要性も他の怪我に比べて小さかったことから研究が不十分で、世界でも専門家はいない」 「そんな『キン肉マン』みたいな科学を信じろっていうんですか!?」 「信じようが信じまいが、それが事実だ。君が二度とサッカーをできないということは変わらん」 厳しい顔をしながら医師は少年に世界で唯一というサッカー筋の専門書を見せながら症状に ついて丁寧に説明していった。その態度は機械的であったが、どこか優しさが感じられた。それが 同情なのか、憐みなのか、もっと別の感情からきているのか中学生の少年には分からなかったが。
[964]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:07:59 ID:NylOWdIU 医師の説明はこのようなものだった。 サッカー筋はサッカーボールを扱う行動にのみ働く筋肉であること。 大人になってから損傷することはほとんどなく、世界のプロ選手がサッカー筋を損傷した事例は 未だないということ。 体のまだ出来上がっていない小中学生が損傷することがあるが、別の道に進むため困ったことは なかったこと。 正直、他の病気や怪我で手一杯で、サッカー筋に関する研究は遅れている、いや、これからも なされないかもしれないこと。 専門書(民明書房刊)を閉じると、医師はまたあの言葉をつぶやく。少年のサッカーへの気持ちに 静かにとどめをさすかのように。 「最後にもう一度言うよ。君は二度とサッカーができないんだ……翼くん」
[965]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:11:10 ID:NylOWdIU それから少年の生活は大きく変わった。入団予定だったクラブチームと、手続きをしてくれた 昔の恩師に事情を話し、ブラジルに行けなくなった旨を謝罪の言葉とともに伝える。 先日までブラジルから取り寄せたサッカー雑誌が所狭しと広げられていた彼の机の上は、今では 参考書や開きっ放しの問題集に占拠された。中学3年生の彼は受験生である。 季節は巡り、春がやってくる。少年は高校生になっていた。 入学式が終わるとすぐに彼はサッカー部に入部届けを提出した。サッカーボールに触れられない サッカー部員の誕生である。 さらに2年が経つ。少年は熱海温泉高校サッカー部のキャプテンとして、かつての仲間がいる 南葛高校とIH出場をかけた県大会決勝に臨むこととなった。 その控え室…… *** TSUBASA DUNKをやっていなければ描きたかった物語を埋めネタとしてやらせていただきます。 残りのスレでどこまで書けるか分かりませんが……
[966]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:46:21 ID:NylOWdIU 翼「南葛の布陣はおそらくこうだろう」 ホワイトボードに慣れた手つきで南葛のフォーメーションを書き込む。 ――――H―― ――J―――― ――――――― ―――I――― ―G―――F― ―――E――― ――――――― D―BA―C ―――@――― H来生 J長野 I岬 G浦辺 F山森 E中山 D石崎 C滝 B井沢 A高杉 @一条 翼「静岡だけでなく、この世代を代表する選手たちが勢ぞろいしている。特に攻撃力は全国でも トップクラスだろう。FW、MFだけでなく、ほとんどDFの選手がオーバーラップして攻撃に 参加できる。しかし、逆に言えばDFを誘い出し、カウンターを狙えば簡単に点が取れるという ことだ。この試合もいつもどおり守備を固めて、カウンターで点を取りにいくぞ」
[967]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 12:50:10 ID:NylOWdIU 翼「点を取るのは1トップの新田、お前に任せたぞ。俺たちは全員で守る」 新田「任せてくださいよ。俺の隼シュートでアイツらをぎゃふんと言わせてやります」 翼「こちらの布陣はいつもどおりだ」 ――――――― ―――H――― ――――――― ――――――― ―――J――― G――I――F ――E―F―― ―D―B―C― ――@―A―― H新田 J味方J I味方I G味方G F味方F E味方E D味方D C味方C B味方B A翼 @味方@ 翼「味方Iが岬を、味方Jが中山をマーク。簡単に前にパスを出させるな。それ以外はボールを 持っている選手を2〜3人で囲め。人数差をつければボールを奪えないことはない」
[968]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 13:02:06 ID:NylOWdIU 両チームの選手がフィールドに入ってくる。南葛の選手たちは翼の方を複雑そうな表情で見ている。 翼(こんな体になっても……俺はサッカーを捨てられない。俺にはサッカーしかない!例え、 相手選手や観客に嫌われるようなプレーしかできなくても) コイントスのために翼は南葛のキャプテン・石崎と向かい合う。 石崎「つ、翼ぁ……」 翼「……」 主審の手の上で、コインが高く舞う。 先着1名で コイントス→ !card と(!とcardの間の)スペースを削除して書き込んで下さい。 なお、> やスペースが文章の前にあった場合も無効になります。ご了承ください。 行の上下に書き込みがあるものについては有効とします。 カードのマークが…… ダイヤ・ハート→南葛ボール! スペード・クラブ→熱海温泉高校ボール! JOKER→飛んでいるのはコインじゃない、コンバインだ!?
[969]森崎名無しさん:2009/08/25(火) 13:15:04 ID:dU1tfazc コイントス→ ダイヤ8
[970]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 13:53:36 ID:NylOWdIU 両チームのフォーメーションにちょっと間違いがありました。正しくは以下です。 南葛 ――――H―― ――J―――― ――――――― ―――I――― ―G―――F― ―――E――― ――――――― D―B―A―C ―――@――― 熱海温泉 ――――――― ―――H――― ――――――― ――――――― ―――J――― G―――――F ――E―I―― ―D―B―C― ―――@A――
[971]TSUBASA DUNK:2009/08/25(火) 13:54:37 ID:NylOWdIU >コイントス→ ダイヤ8 >カードのマークがダイヤ・ハート→南葛ボール! コイントスの結果、南葛ボールとなった。両チームの選手が自陣に散らばる。キックオフまで 翼が南葛の選手たちに声をかけることはなかった。南葛の選手たちもなんとなく気まずくて 翼に声をかけられないでいた。 そして、試合が始まる。ボールは中盤の底、中山に渡される。南葛はこの中山か岬のどちらかが ゲームメイクをするのが基本的なパターンである。それ以外にも高校からDFにコンバートされた 滝のサイドアタックや、さらに最後列からゲームメイクもこなせる井沢のオーバーラップなど 多彩な攻撃があった。 翼(味方J、いけ!) 味方Jは翼の方を見て、自分のすべきことを確認するとそのまま中山に向かって走っていく。 そして、近づくと今度は距離を保ったまま中山のやや前を並走する。 中山(ボールを奪いにこない?) ボールを奪いに来る気配がないので、余裕を持って前線を確認すると左サイドの浦辺がフリーに なっていた。 中山(ペナルティエリア付近を固めすぎたか?浦辺のマークがいない) センターライン付近から大きく山なりのパスを出すと、簡単にパスが通る。しかし、浦辺が トラップした瞬間、熱海温泉高校の選手たち3人に囲まれていた。
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0ch BBS 2007-01-24