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【最初っから】城山正の挑戦13【クライマックス】
[657]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:29 ID:UY/zajDs 訓練所の設備は簡単で質素な物だった。 係員としてお城付の賢者の卵が派遣されており、各々の希望に応じる形で対応してくれた。 体力をつけたいと言ったピノは鉄の塊と自分の腰を縄で結ばれた。 ピノ「……コレを引っ張って走るの?」 次にさらなる筋力をつけたいと申し出たズナッフに渡されたのは両端に岩をくくりつけた竿だった。 ズナッフ「こいつを持ち上げろと」 敏捷性を養いたいドンが申し渡されたメニューは出来るだけ早く3本の線の間をサイドステップでひたすらまたぐ物だった。 ドン「……どれだけやれば素早くなると」 そしてもっと魔力を高めたいチナに渡された物は一枚のムシロだった。 チナ「……コレに座って瞑想をしろということですね」 渋々だがおのおの申し渡された訓練メニューにとりかかる。 ピノは敷地内を走り回り、ズナッフは力の限り岩を持ち上げ、ドンはひたすらステップを繰り返し、 チナは壁に向かって座り続ける。 ピノ「これで」 ドン「ホントに」 ズナッフ「能力が」 チナ「……上がるのか」 5人『ものすごく不安』 不安いっぱいの視線を受けながら賢者の卵はその様子を羊皮紙に書き留めていく。
[658]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:33 ID:UY/zajDs 一方その頃、町で迷子になっている二人は。 城山「そうだ、迷ったときはどちらかの壁に手をつけて進むといいらしいぞ?」 美津乃「ふぅん。やってみよっか」 特に代案があるわけではないので、とりあえず右側の壁を頼りに、 角が来れば右に曲がり、右に曲がり、右に曲がり、右に曲がり、 美津乃「元の場所だね」 城山「……ウン」 数分前に歩いていた道に戻ってくる二人。 美津乃「まあ、いまぐるっと回ってなんとなく雰囲気がわかったから、後は適当に行ってみようか」 町のつくりや漏れ聞こえてくる喧騒、訪れ始めた夕闇に煌々と灯るお城の魔法の光。 おそらくお城付の魔法使いあたりが灯しているのだろう、電気等ない世界にその明かりは一際明るく輝いていた。 お城の向こうに沈んでいく夕日がそこにだけまだ残っているかのようだった。 美津乃「あそこがお城でしょ?ってことはあっちの方が町の中心だよね?」 城山「多分な」 美津乃「で、うち等の台所事情で町の中心部になんか宿が取れるわけないから……」 視線をお城から外し、ぐるっと指を町外れの方角へ動かす。 美津乃「あっちのほうだね。ここまで町を見てきてなんとなくわかってきた」 城山「すげーな」 美津乃「ふっふーん。伊達にしょっちゅう車であちこち行ってる訳じゃないよ」 美津乃に先導されて町を突き進む二人。 目指す方向には、そう冒険者訓練所がある方角である。
[659]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:37 ID:UY/zajDs ピノ「うにゃぁぁぁぁっっっ!!」 土煙を上げて転がる岩塊。 もちろんピノが引っ張っているのである。 ズナッフ「ほいっほいっほいっほいっほいっほいっほいっほいっほいっほいっ」 一心不乱にエニウェア製のバーベルを持ち上げるズナッフ。 その足元には流れて出た汗で水溜りができている。 ドン「うおぉっぉぉぉおっおぉぉっぉぉ!!!」 残像が見えそうな勢いでひたすら反復横飛びを繰り返すドン。 始めた当初から勢いは留まるところを知らない。 そしてチナは。 チナ「…………」 辺りから発せられる雄たけびや奇声、巻き上がる砂埃に邪魔をされて集中できないでいた。 焦れば焦るだけ、邪念が入り、空腹感も増していく。 チナ「……先ほど押さえて来た宿でちゃんとした夕食はでるのでしょうか? 保存食に毛が生えた程度の物や、塩スープなどければいいのですが。 久しぶりにお魚などもいいかもしれません……」 すでに迷走を始めているチナの瞑想。
[660]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:40 ID:UY/zajDs そこへ声がかけられる。 美津乃「……チナさんどうしたの?そんなところに座り込んで。気をつけないとパンツ見えるよ?」 城山「どれどれ」 美津乃「見ないのっ!」 言葉通りに覗き込もうとする城山を蹴り上げる美津乃。 チナ「……ああ、お二人ともご無事でしたか」 城山「心配してたらなら探しに来てくれよ。結構苦労したんだぜ?」 美津乃「シロちゃんはただ後ろにくっついてきただけじゃない。苦労したのは私だよ」 城山「そっか。 んで、なにやってんの?」 蹴り上げられた尻をさすりながら尋ねる城山。 スカートを直しながら立ち上がり経緯を説明するチナ。 城山「なるほどね。オレも訓練したらちっとは戦えるようになるかな」 美津乃「血ヘドを吐くほどの訓練が必要そうだけど」 等と話していると先ほどの賢者の卵が訓練の終了を告げにきた。 動き回っていたメンバーも3人の下へ集まってくる。 ピノ「すっきりしたー」 ズナッフ「久しぶりに筋肉を使ったわい」 ドン「ふぃ〜。さっさと宿へ帰って一杯やろうぜ」 チナ「…………」 充実した表情の3人。 逆にぶすったれた顔のチナ。
[661]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:42 ID:UY/zajDs 賢者の卵「またのお越しをお待ちしております。 特に今回訓練の効果が顕著だったので次回も無料で結構です」 美津乃「だって。次は私たちも参加しようね」 城山「ん?ああ、そうだな」 ピノやズナッフがやっていたメニューを想像しただけでげっそりした表情の城山。 ただ、自分でやるのは真っ平ごめんだが、島崎辺りにやらせたら喜んでやるかもしれない。 ピノ「お腹空いたし、宿へ帰ろうよ」 ズナッフ「そうじゃな」 チナ「……私、魚がいいですね」 美津乃「いいね。お魚」 わいわいと夕食について話しながら冒険者訓練所を後にする6人。 ドン「今日は飯食ったら一杯やって明日また改めて町の探索や仕事のことは考えようぜ」 とっぷりと日も暮れ、月明かり星明りを頼りに宿まで戻る。 振り仰げばお城のそこかしこに魔法の明かりが灯っている。 その輝きは天に浮かぶ月や星に勝るとも劣らない。 城山「お城か。今度はちゃんとした王様がいるといいな」 誰にともなくつぶやく。 視界が歪み、捻れ、七色のマーブル模様に変わって行く。
[662]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:20:46 ID:UY/zajDs クリスの教会で目を覚ます。 どうやら今週のエニウェアでの活動時間の限界がきてしまったらしい。 クリス「今週はどうでしたか?」 城山「ん〜。大きな町へ行ってきたよ。訓練所はみつけたけど、他はまだ」 クリス「そうですか。2つ目の次元石は手に入りましたか?」 城山「ああ、手に入ったけど……」 1つ目の次元石を持つ美津乃に視線をやる。 その視線の意味を汲み取りポシェットに入れてある次元石を確認する美津乃。 先着1名様でこのスレに 次元石の安否→!card と(!とcardの間の)スペースを埋めて書き込んで下さい。 マークがクラブだと次元石はただの石ころになってしまいます。 ジョーカーが出たら2個に増えます。
[663]森崎名無しさん:2009/08/07(金) 23:24:56 ID:??? 次元石の安否→ ハート9
[664]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/07(金) 23:51:36 ID:UY/zajDs 次元石の安否→ ハート9=大丈夫だった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 美津乃「大丈夫だよ」 そう言いながらポシェットから鈍く輝く石を取り出す。 クリスともどもホッと胸をなでおろす。 クリス「それでは、その次元石は私がいただいてもよろしいですか?」 微笑を浮かべてはいるが目は笑っていない。本気の頼みのようだ。 城山「……」 A 別に悩む必要はない。わたそう B 他に連れて行きたい人がいるから、また次ね、と断る。 C 美津乃を連れて行くのに予備は必要だから渡せない、と断る。 先に2票入った選択肢で続行。age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
[665]森崎名無しさん:2009/08/07(金) 23:52:14 ID:q+ZVXREc A
[666]森崎名無しさん:2009/08/07(金) 23:55:23 ID:zNe5ABNk A
[667]城山正 ◆2veE6wGXw2 :2009/08/08(土) 00:40:33 ID:/Y8/NUd2 A 別に悩む必要はない。わたそう −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 城山「はい」 無造作に2つ目の次元石をクリスに渡す。 クリス「ありがとうございます。来週からは私も一緒にエニウェアに参ります」 美津乃「よろしくね」 城山「よろしく」 3人で手を重ねて来週からの健闘を誓い合い、今日は解散となる。 教会からの帰路。 美津乃「シロちゃんよかったね。両手に花じゃん。 いやいや、ピノちゃんやチナさんもかわいいし綺麗だから両手どころか両足まで花じゃん」 城山「……クリスさん、チナさん、ピノ。確かに片手じゃ足りないけど両足はいらんだろ」 美津乃「だぁれぇが、入ってないのかなぁ?」 はんにゃの形相で城山をにらむ美津乃。この顔では落選しても無理はない。 城山「うは。冗談だよ冗談!」 美津乃「待てー!逃げるな!逃げると酷いよ!」 城山「待ったら?」 美津乃「追いついて酷くする!」 城山「じゃあ待たない」 こちらの世界でも夕方になり、月が顔を出し始めた空の下。 いい年下大人二人の追いかけっこはしばらく続いた。
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0ch BBS 2007-01-24