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【月は】キャプテン松山12【出てゐるか】
[770]森崎名無しさん:2009/07/13(月) 22:34:33 ID:rZaLfDGs B
[771]森崎名無しさん:2009/07/13(月) 22:35:21 ID:IPMXjZKs B しかしホント最後まで嫌味な奴だな・・・いつか試合で叩き潰せるといいなぁ
[772]森崎名無しさん:2009/07/13(月) 22:44:57 ID:??? え?カペロマンいいヤツじゃないか…?
[773]森崎名無しさん:2009/07/13(月) 22:49:46 ID:??? さな…
[774]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:50:31 ID:??? 勝負より前、松山が練習場へやってくる前のこと。 夕食を終えてカペロマンは……今日の試合で何もできなかったことを痛感し、自然と練習場へ足を運んだ。 カペロマン「夜間練習……こんな山奥でやるなんざ想像も……ん?」 カペロマンが練習場に赴くと……コートに明かりがついていた。 他ではあまり見ない、河童特性の照明器具が導入されてる為、危なげなく真っ直ぐ歩いていくと…… ボールを蹴る音が耳に届く。誰かが練習している。 カペロマン「(誰だ……?)」 どのみち練習目的なので、近付いていくと、その輪郭がハッキリとしてきた。 緑の長髪、特徴的な巫女服。神社の風祝の東風谷早苗が一人で黙々とボールを蹴っていた。 カペロマン「こんな時間に誰が練習してるかと思えば……早苗さんかよ」 その声が届いて、早苗がカペロマンに気付いた。 何だかぼんやりしてたが、はっとしてから近付いてきて、挨拶を交わす。
[775]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:50:49 ID:??? 早苗「こんばんは。カペロマン君も練習ですか? ……試合のあった日なのに」 カペロマン「あ〜まぁそうだが……(今日の試合は何もできなかったしな)」 そんなことを直接誰かに言うつもりはないので、こっそり心中でぼやくだけにして、別のことを訊く。 カペロマン「……コーチもなく一人で練習か?」 早苗「さっきまで八坂様がいました。もうじき洩矢様がこちらへ来ることになってます」 カペロマン「それだって練習捗らねえだろ? 何ならキャプテンやフライハイトも呼んできてやろうか?」 未経験組が顔を揃えたところで、成果は得られないだろと親切心から言ったが しかし早苗は、どうにも最初から暗い表情をしたまま、その申し出を断ってきた。 早苗「フライハイト君には……最近、すごく心配かけちゃってる。だから……」 カペロマン「心配? ああ……キャプテンとの確執か」 いきなり核心を突かれて、ぐっ、と早苗が唇を噛み、両の手を震わせ握り締めた。 それに気付いてもあえて知らぬ振りで、カペロマンはボールをリフティングしながら、早苗に問うた。 カペロマン「随分長引いてるよな。そんなにキャプテン気に入らないのか?」
[776]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:51:11 ID:??? 沈黙が下りた。 最初は、早苗には答えるつもりはなかったみたいだが…… 今日の準決勝で気持ちに区切りがついたのか、カペロマンに背を向けながら、独り言のように語り始めた。 早苗「気に入らないとか……そういうの今日まで分からなかったです。自分でも。でも……」 カペロマン「でも?」 早苗「……今日やっとわかりました。私の松山君への気持ちが」 言い方が恋の告白みたいだなと思って、茶化そうと考えたが、早苗の声質はあくまで硬い。 その雰囲気から、余計な発言を控えてカペロマンが続きを促すと…… 早苗は短く息を吐き出してから、複雑にもつれた感情を、たった一言に……凝縮した。 早苗「憎い」 カペロマンは、一瞬の反応で、「あん?」と返してしまう。 耳に届いた早苗の呟きが、その意味が理解できなかった。まるで察しがつかなかった。 まさかこの場面で、この人の好い巫女少女の口から、そんな言葉が出てくるとは夢にも思わなかったのだ。 早苗「憎い、です。私は松山君が憎い」
[777]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:51:45 ID:??? 重ねて強調されたので、さすがに本音だと認識せざるを得ず……カペロマンがとりあえずで問い質す。 カペロマン「そこまで言う程か? キャプテンちゃんと筋は通してきたじゃねえか」 松山の行動は問題あったが、少なくとも大会から途中離脱などしておらず、チームのために尽力している。 間違っても、自分が抜けるから後はどうでもいい、などという選択はしてないのだ。 早苗がそこまで言う理由がカペロマンには判らなかった。 早苗「神様は……人に忘れられるとどうなるか……知ってます?」 全く関係ない処に話が飛んだ。さすがにカペロマンも顔をしかめて、少々語気を荒げてしまう。 カペロマン「おいおい、突然何を言って」 早苗「消えちゃうんです」 会話にはなっていなかったが、早苗が重ねてきた言葉は流石に無視できなかった。 カペロマンが口をつぐむと、その沈黙を埋めるみたいに早苗が話す。 早苗「科学が発達して、信仰が失われて……八坂様も、洩矢様も……外の世界にいたままだと」 カペロマン「消える……ってのか」
[778]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:52:24 ID:??? あのフランクな姉ちゃん(神奈子)と、見た目と裏腹に貫禄ある少女(諏訪子)の姿を頭に浮かべる。 人間妖怪とも打ち解けてて、明るく笑ってる二神の突然のヘビーな事情を明かされ、返答に詰まる。 そこでカペロマンも、早苗の声も震えてることに、やっと気がついた。 早苗「結構悩んだんです。外の世界から幻想郷へ来るとき……お友達とかそれなりにいました」 それでも天秤にかけた時、早苗にとって真に大切で大事なのは神奈子と諏訪子で…… 二神が消えぬよう、仕える風祝として幻想郷で信仰を集めようと決心した。 早苗「でも貧乏くじなんかじゃありません。それが風祝で、東風谷早苗の当たり前だったから」 カペロマン「……」 早苗「それでですね。勢い込んでやってきたはいいけど、幻想郷では空前のサッカーブーム!」 外の世界でサッカーは知ってても、積極的に知識を取り入れたりはしてこなかった為…… サッカーの知識も経験も無いでは、山の妖怪から信仰も得るのは難しく、途方に暮れていた。 そんな折。二神はある行動に踏み切った。 カペロマン「そこで苦肉の策で、キャプテンが外の世界からお呼ばれした……そういうわけか」 早苗「びっくりしました。神徳も得られてないのにお力を使って。それも……」 外の世界から無関係の少年を巻き込んだことに、当初はかなり憤りを覚えたと打ち明ける。 それでも紆余曲折あって、その少年は信仰を得られるよう尽力すると約束してくれたわけだが……
[779]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/13(月) 22:52:37 ID:??? カペロマン「そこで目的を変えた。だから憎いって?」 それならまぁ憎む理由として通る気がして、確認してみたが、早苗は静かに首を振り否定した。 早苗「残念だったけど……それはしょうがないです」 幻想郷に触れて、色々なことがあって、松山の望みは変わった。 それは仕方ないこと、そう言いながらも早苗は(寂しげにだが)それについては納得してると話した。 黙って話に付き合ってきたが、カペロマンはそろそろ焦れてきた。 カペロマン「……ハッキリしねえな。それなら何が理由なんだ?」 早苗「……」 そこで夜空の月を見上げるようにして、月明かりに照らされた横顔を見せながら、早苗は話を再開した。 口調は重い。できれば言葉にしたくないという想いがありありと伝わってきた。 早苗「準決勝の時。松山君が幻想郷屈指の選手を抑えた時に、こう思っちゃったんです。 どうしてあそこにいるのが私じゃなくて、チームを離れる松山君なんだろう……って」
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0ch BBS 2007-01-24