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【月は】キャプテン松山12【出てゐるか】
[825]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/15(水) 23:55:52 ID:??? A 部屋に戻る 早苗たちの姿も見えなくなり…… さっそくシュート練習に精を出すカペロマンに、松山は声をかけた。 松山「それじゃ俺は先に部屋へ戻るな」 おう、と顔をゴールへ向けたまま、手だけで答えたカペロマンだが……、 松山が引き上げようとすると、思い出したみたいにあわてて引き止めた。 カペロマン「ああ、ちょっと待て待て」 松山「……?」 松山が何かと思い立ち止まって振り返る。 シュート直前でそのままの状態のボールから、強引に視線を剥がしたカペロマンは、ぽつぽつ語り始めた。
[826]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/15(水) 23:56:52 ID:??? カペロマン「さっきの勝負だが……あれはオレの負けだよな」 松山「うん。そうだけど」 カペロマン「(……天然め)でもな、チーム同士の対戦ならまだハッキリはしてねえ」 松山「……?」 だから、つまりな。どうも言語化に苦労してるように、くしゃくしゃと不快そうに髪を掻いて カペロマン「さっきの続きは……お互いのチーム、正式な試合で決着つけようってことだ!」 爽やかに洗練された物言いなんかじゃない。唾を飛ばすように乱暴に叫びをぶつけるように。 けれどそれは……カペロマンなりの別れと激励の言葉だった。 松山はまた、言葉に詰まった。だけど握手なんて手段は用意されてない。苦労してでも言葉を伝える。 松山「わかったよ……必ず、この続きしような」 カペロマン「できりゃ優勝でもかけてな。約束だぜ」 誓いを立てた。だがカペロマンは握手はしようとしなかった。 代わりに、強く握りしめた拳を松山の胸にぶつける仕草をする。 グローブを交える儀式のように、松山とカペロマンは互いの拳を打ち合わせた。 *松山 → (ライバル) ← カペロマン
[827]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/15(水) 23:57:20 ID:??? カペロマン「(にしても……キック力でオレが負ける『三人目』か……)」 最初の一人は、西ドイツの皇帝。 周りから囃し立てられ勝負したものの吹き飛ばされ、焦げ臭い匂いが鼻をついたのをまだ覚えている。 二人目は、ドイツの殺し屋。 相手の挑発に乗り挑んで……敗北。直後に浴びせられた切り裂くような侮蔑の言葉もまだ覚えている。 カペロマン「(あの二人みたいに吹っ飛ばされなかったが……だからこそハッキリした、か)」 互いに最大の力を発揮したあの激突で、足に痺れが残ったのは自分の方。 その事実は、双方のシュート力の、僅かだが誤魔化しようのない差を明確に浮かび上がらせた。 この天然キャプテンは、助っ人の中でも幻想郷に深く順応し、攻撃守備両面で大きく成長を遂げていた。 松山「なんなんだよまた急にぼさっとして」 とぼけた顔して暢気な声。そのすっとぼけた顔を見てる内に、敗北の苦味がせり上がってきた。 カペロマンはへそと口を曲げて、強気にやや邪険にこう答えた。 カペロマン「練習してて分かったが……さっきのでシュート力がグンと上がったみたいでな。今度は……」 松山「カペロマンもなのか! 実は俺もさっきの勝負でシュートのコツを掴んだ気がしてさ!」 カペロマン「……………………天然め。もう帰れ!!」 いきなり怒声を上げたカペロマンに松山は目を剥くが 彼はもう一切取り合わず、猛然とやる気を出してシュート練習に打ち込み始めてしまった。 松山はもう一度、そんな頑張りを見せる彼に戻ると告げて……夜の練習場を後にした。 カペロマン「ったく……こんなだから天然は始末に負えねえ」 ???「同感ですわね」 独りごちに、艶めいた声が返ってきた。 一瞬で、顔色を失ったカペロマンの目の前で……スキマが開いた。
[828]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/15(水) 23:58:04 ID:??? 【幻想郷・26日目・深夜】 練習場から、境内、社務所と来た道を引き返して、松山は部屋に戻ってきた。 シャンハイ「光様、おかえりなさいませー」 松山「っ、た、ただいま」 いきなり留守にして体力も消費して引け目を感じてたが…… シャンハイは、松山の帰還に喜びを見せるだけだった。今日の補給は無理と伝えても変わらない。 松山「(主人に仕える人形……もしこんな彼女が捨てられたら、どんな感情を人間に抱くんだろうな)」 シャンハイの笑顔を前にして、考えてることじゃないなと思いながら……松山は更に深く考えてしまう。 大きく信頼を寄せてる者を裏切ればどうなるか、今の松山には察しはつく。苦くとも経験を重ねてる賜物だ 捨てた者を怨むのか、憎むのか忘れるのか? ……お話で知るホラーの人形への見方が変わった気がした。 シャンハイ「どうかしましたか? ……お顔、悪いです」 松山「顔色って言ってくれ……まあ十人並みだけど。さて……」
[829]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/15(水) 23:58:20 ID:??? どうしますか? A シャンハイと話す B 萃香の謎かけについて考える C イーグルスメンバーの分析をする D 相手チームメンバーの分析をする *先に3票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。 帰宅が遅れてしまったので……今日はここまで。 お疲れ様でした。
[830]森崎名無しさん:2009/07/16(木) 00:08:37 ID:Ch9wap+o A
[831]森崎名無しさん:2009/07/16(木) 00:11:54 ID:1Rf46DFQ A
[832]森崎名無しさん:2009/07/16(木) 00:13:53 ID:dm1MEqYw B
[833]キャプテンレミリア ◆t2UAZ3G5UI :2009/07/16(木) 00:14:37 ID:ftLgJLTU A
[834]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/16(木) 17:51:25 ID:??? A シャンハイと話す 松山「(よし、眠くなるまでシャンハイと話すか。あ、そういえば)」 松山は、シャンハイの睡眠や休息について改めて聞いてみた。 するとシャンハイは、アリスから予め言い含められてたと明かして、両手に一冊の本を抱えていた。 シャンハイ「アリス様からマニュアル預かってます」 松山「あ、ありがと。(えっと……?)」 どこに隠してたか釈然としないが、マニュアル本を渡され、回復に関した項目に目を落とす。 アリスの人柄を物語る流麗な文体が書き記されていた。内容は…… 松山「(最初に……『最後まで全部読むように』か。どれどれ……)」 アリス『シャンハイの精神構造(自我イド超自我)は総じて人間とは非なるもの。そも人形なのだから 当然の帰結ね。メラトニンやセロトニンといった分泌も無いから眠るという発想や欲求自体が シャンハイには備わってないと考えてもらって構わないわ。私自身いろいろ試してみたけれど 魔法によって浅いレム睡眠状態(に近しい機能不全状態)に陥らせることは可能だったわ。 ただしそれも回数をこなすうちに耐性をつけることまで実証を得てる。よってシャンハイには 睡眠とは蓄積された疲労回復の有効な手段たりえない。ただし近くの人間が眠る際に抜け出る アストラル体から要素を供給(吸収、摂取)される事によって回復するのだから一概にそうとも 言えないのかしら? 頑強ながら精神的要因に左右される点など、妖怪と相通じるところが』
[835]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2009/07/16(木) 17:51:43 ID:??? 松山「……」 その後も、長文考察が続き、まともに読む気になれない文量だった。 でなくともこれから眠ろうという松山は速やかに読破を諦めて、終わり締めの三行まで読み飛ばした。 アリス『シャンハイは眠らない。 疲れたら勝手に回復する。 あなたが疲れてたら遠慮しちゃうから注意してね』 松山「うん。理解した!」 シャンハイ「さすがです光様!」 褒めるシャンハイに照れくさそうに応じて…… そこで松山は本を閉じて、眠気が何倍にも増したのを自覚して欠伸をした。 布団を敷いて、いつでも飛び込めるようにしてシャンハイの前で胡坐をかく。 松山「(……眠くなるまで誰かと話せるってなんか幸せだな。シャンハイと何話そうかな?)」
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0ch BBS 2007-01-24