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【サッカーが】キャプテン森崎33【選んだ男】
[830]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/21(土) 21:07:25 ID:KTI/H8nE 松山は弥生の何処か不自然な照れ方に首を傾げたものの、三杉の余裕たっぷりな態度に 気を取られ勧められるままに三杉の横に腰を降ろした。充実しているらしい三杉とは違い 女っ気が無く寂しい高校生活を過ごした松山は僅かな妬みを抑える為にも新たな話題を振った。 松山「それにしても久しぶりだなー!Jrユース以来じゃないか?」 三杉「そうだね。僕はこの3年間表舞台に出ていなかったから、君だけじゃなく当時のメンバーとは 全然会っていないよ。テレビや雑誌で顔を見る事はあったけどね」 松山「ハハハ、お互い背がちょっと伸びた位であんまり変わっていないよな」 三杉「…いや。僕は変わったよ。大きく変わった所が一つある」 松山「えっ?」 三杉は手をポケットから出してポンと胸を叩き、再び手をポケットに収めた。 一瞬遅れて意味を理解した松山の目が大きく丸くなる。 松山「まさか…お前の心臓が!?」 三杉「高校入学してからすぐに心臓の手術を受けてね。それから今までリハビリに費やしてきた…その甲斐はあったよ」 松山「うわあー!凄いじゃん、それって!おめでとう!じゃあ全日本ユースにも入れるんじゃないか?」 三杉「ああ、既に見上さんに連絡はつけてある。特例として入れてもらえるんだ」 松山「まいったなー、お前からハンデが無くなったら森崎も翼も日向も勝てないんじゃないのか?」
[831]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/21(土) 21:08:07 ID:KTI/H8nE 三杉「………」 松山「三杉?」 まるで我が事の様に喜ぶ松山とは対照的に三杉は不意に沈黙した。 その様子を松山が怪訝に思うも、三杉が話題を変えると今度は彼が黙らされる羽目になる。 三杉「(そんな都合の良い話があるか。こういう時は君の単細胞ぶりが少しだけ羨ましくなる) やってみないと分からないだろうね。君の方はどうなんだい?高校サッカー生活に満足は行ったのか?」 松山「俺か?俺は…とりあえず、この大会で南葛と戦えたから、最低限の悔いは…」 三杉「ベスト16で当たって…2−5で敗れたんだったね?2得点は君のロングシュートによる物だった」 松山「ああ…ある程度はやれたけど、やっぱり悔しいなあ」 三杉「負けた事が?それとも、君のワンマンプレイしか通用しなかった事が?」 松山「うぐ…」 痛い所を突かれた松山は沈黙した。チームプレイを重んじる男、松山光はその信条とは裏腹に 高校サッカーの3年間全てを彼頼りのワンマンチームで過ごしており、苦い思い出も多かった。 その表情を少し愉快そうに眺めながら三杉はポケットの中の手を少しだけ動かした。 弥生「ッ!…ぅぅ」 松山「えっ?あ、ゴメン、何か言った?」 弥生「う、ううん…何も…」 三杉「(フフフ…今日は楽しくなりそうだ)」
[832]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/21(土) 21:08:40 ID:KTI/H8nE 今日はここまで。
[833]創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:16:51 ID:iHM3B+lL 三杉はリモコンでも押したのか? あと久しぶりにポイズンの活躍が見れるといいな
[834]創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:24:59 ID:JAnAJcQN なにやってんだ三杉w
[835]創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:44:18 ID:T/LkQ0y3 調教師・三杉w しかし試合自体はこれからのチームメイトを判断する重要な一戦だから困るw
[836]創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:55:42 ID:N3IP4Bhf うおお更新されてた乙です リオカップやったあと時間戻して高校選手権ってのは何気にゲームと同じ流れだな
[837]創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 08:14:28 ID:N/KDk2b3 日向って理事長だったのか、以前見た文章では他に理事長がいたような気がしてたから 筆頭株主かと思っていた
[838]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/22(日) 21:05:53 ID:U1f7kyO+ 〜東邦学園控え室〜 吉良「スタメンは何時も通りじゃ。南葛は流石に他の雑魚チームに比べれば多少歯応えはあるじゃろうが、 戦力差は明らかだ。明らかな失策さえしなければ敗れる事は無いぞ」 東邦学園高等部のミーティング中には独特の雰囲気が漂う。監督の吉良耕三のせいで 酒臭いと言うのも一因だが、それ以上に選手によって士気がまるで違うのだ。 キャプテンの日向小次郎は常に自信満々な笑みを浮かべているが、笑顔で居るのは彼だけである。 GK若島津健は無表情で淡々としている事が多く、MFの沢田タケシは不安そうに視線をさ迷わせる。 日向とツートップを組むFWの反町一樹はやるせなさそうに顔をしかめている事が多い。 そしてその他のメンバーは皆何処か無気力だが怯えている様な表情になっている。 吉良「南葛がこっちに勝っているのは中盤の支配力だけじゃ…今日はタケシには厳しい試合となるだろうが、 気にする事は無い。サッカーは攻撃回数の多さを競うスポーツではなく、点数を競うスポーツなのだからな」 沢田「はい」 吉良「若島津とDF達は練習した通りに対策を実行しろ。自信を持って守りきれ」 若島津「はい」 吉良「攻撃も何も心配する事は無い。向こうのキーパーはカスじゃ。DFはそこそこ骨があるが… 所詮小次郎の敵にはならん。ただし息切れには気をつけろ。反町の攻撃も混ぜていけ」 日向「はい!」 反町「はい…(すっかり日向の露払い役に染まったな、俺…)」 吉良「さあ行け!インターハイの失態を取り戻すのじゃ!」
[839]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/22(日) 21:06:48 ID:U1f7kyO+ 〜南葛高校控え室〜 顧問「あ〜、それじゃ皆頑張ってね。頑張ればきっと結果は出るよ、うん」 南葛メンバー『はい…』「(せめて邪魔にはならないでいてくれてるんだが)」「(結局最後の最後まで監督不在かあ)」 一方南葛高校のミーティングはどうかと言うと、こちらも奇妙である。 校長に半ば無理やり顧問にさせられた老教師はサッカーに対する知識も情熱もゼロに近く、 南葛高校サッカー部とは事実上監督が居ないチームなのである。 代わりにチームを仕切っているのはキャプテンの岬太郎と副キャプテンの中山政男だ。 岬「皆聞いて。スタメンを確認するよ」 キュッキュッキュッと岬の指が規則正しい音を立て、サインボードに今日の南葛のスタメンが記される。 J−H−− J新田 H来生 −−−−F F滝 −−−G− G井沢 E−I−− E山森 I岬 −−−−− −−D−− D中山 −ACB− A中里 C高杉 B石崎 −−@−− @一条 岬「昨夜言った通り、今日はこれで行く。長野くんには悪いけど…」 長野「いや、いいんだ。俺が若島津相手に出来る事は無いもんな…」 中山「岩見や岸田もモチベーションを落とさずに何時でも出れる様にしていてくれ」 岩見「ああ」 岸田「おう」
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0ch BBS 2007-01-24