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【高頭を】TSUBASA DUNK12【解雇する】
[305]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 11:31:28 ID:??? >>303-304 有言実行は素晴らしかったんですけどね…… このあとの描写は長く(そして難しく)なりそうなので少々お待ちください。
[306]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 16:55:17 ID:FJ6fBgt2 >桜木のダンク→ クラブ9 +(シュート)49=58 >乾のブロック→ ダイヤ7 +(ブロック)49+(データバスケ)4=60 >(攻撃側の数値)−(守備側の数値)が≦−2→守備側がブロックに成功 乾(フリースローラインを超えたところから跳んでダンクできるジャンプ力はすごいが、データ どおりだ。ならば焦ることはない!) 会場中が桜木の跳躍に驚いている中、乾だけは落ち着いてブロックに向かう。 桜木「うぉおおお!!!」 乾(ボール持ち方、腕を振る軌道とタイミング……データを覆すものではない!) バコッ!! 乾のブロックが桜木の手からボールを弾き出す。弾かれたボールは桜木の後ろを走ってきた 永野がキープした。 桜木「なにィ!?」 乾「フッ……データは俺を裏切らない」 その後も湘北は最後まで諦めることなく果敢に攻め続けた。しかし、得点差を埋めるには時間が 足りなかった…… ビーーーッ!! 翔陽の勝利を報せるブザーは、同時に海南の県大会敗退を告げていた。
[307]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 16:56:42 ID:FJ6fBgt2 観客席からずっと試合を見つめていた海南の3年生たちは一様に目をつぶり押し黙っていた。 神、舘嶋は唇を噛んで悔しさに耐え、田辺は人目を気にせず大粒の涙を流していた。試合に 出なかった下級生たちは、悔しさと無力感にただ呆然とするだけだった。 こうして神奈川で10数年に渡り続いてきた王者・海南の時代は終焉を告げた。 どれだけの時間が過ぎたのかは分からない。客席にほとんど人がいなくなった頃、ようやく 牧が声を発した。 牧「……帰ろう。明日も試合だ」 皆、心の中では『明日の試合になんの意味がある』と思ったが、それを口にする気力もなく、 無言で立ち上がり、のそのそと帰り支度を始めた。 牧は小菅と武藤に部員たちの先導を任せると、自分は最後尾を歩く。体育館を出る時、コートを 振り返る。 牧「こんなんで終われるかよ……くそっ!」 海南大付属高校バスケ部員たちの一番後ろにいたため、そのつぶやきに気付いた者はいなかった。 そして、牧の頬を伝う涙にも……
[308]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:00:09 ID:FJ6fBgt2 翼が翔陽の勝利、つまり海南の県大会敗退が決まったことを知ったのはその夜、舘嶋からの 電話でだった。 翼「……」 他の部員たちと同じように、翼もしばらく身動きが取れなかった。それを察してか、舘嶋は 試合の結果を告げたあと、沈黙を保つ。1分……2分……ようやく翼も我に返る。 翼「舘嶋。明日の試合は絶対に勝とう。3年生たちのために。何より、俺たちのために」 舘嶋「当然だ。このままで終われるかよ」 健闘、いや勝利を誓うとどちらからとなく電話を切る。受話器を置いて翼はつぶやく。 翼「花形さん、俺たちは……海南は負けませんよ。」 自分にとってのバスケの恩人の顔を思い出す。今、こうして自分が海南のレギュラーを張れる までに成長した一因に花形がいたことは間違いなく、そして海南の全国大会出場の可能性の芽を 摘んだのも花形がいる翔陽であり、想いは複雑だった。 翼「いや、考えてもしょうがないじゃないか。俺に出来ることは目の前の一戦を全力で戦う、 それだけだ」
[309]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:03:56 ID:FJ6fBgt2 翌日の第1試合が海南対翔陽だった。同じ会場でこのあと試合を行う湘北、陵南のメンバーや 県内のバスケ関係者らが数多く見守る中、試合が始まる。昨年までは優勝を決める一戦だった この対戦だが、今年は翔陽が優勝を決められるか否かという意味しか持っていない。少なくとも 翔陽や観客たちにとっては。スタメンは両チームともベストメンバーだった。 試合開始前、翼は花形に色々と伝えたいこともあったが、今言うべきことではないとそれらを 呑みこんだ。県大会敗退が決まったとは言え、精神状態は悪くない。それは他の部員たちも 同じようだった。皆、夜の間に気持ちの整理をつけたのだろう。 一方、翔陽の選手たちも今までの屈辱を返そうと闘志を燃やしていた。勝ち星の差からくる 油断はなさそうだった。 試合は一進一退の攻防が続く。センターの花形に対し田辺が執拗に食い下がる。赤木や魚住と いった全国でも高いレベルにあるセンターと闘ってきた田辺。また、彼らはそれぞれのチームの キャプテンであり、彼らが調子を上げれば相手選手全員の士気が上がってしまう。そんな重要な ポジションで健闘を称えられることもあったが、田辺自身は満足のいく結果を出せたとは思って いなかった。その悔しさが田辺をもうひとつ上のステージに進ませたのだろう。
[310]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:05:19 ID:FJ6fBgt2 翼は高野を相手に互角以上にやり合っていた。高野もまた、翼が高校進学前に面倒をみてくれた ひとりである。翔陽バスケ部の全員が翼にとっては恩師である。だからこそ、成長した自分の 姿を見せたいと奮起することが出来た。 舘嶋は、昨日の湘北戦でスーパールーキーと呼ばれる流川をほぼ完璧に封じた塔矢のマッチ アップに苦しむ。しかし、自分だけでどうにかしようとせず、味方のフォローに期待しながら 状況を打開する。味方を活かし、味方に活かされる。それが意識して出来るか否かが流川と 舘嶋の差だろう。 SGの神は長谷川とのマッチアップ。湘北の三井に比べ調子の波の小さい神。感情の起伏も 少なく、淡々とプレーをするイメージだが今日は違う。表情はいつもと変わらないが、どこか プレーに怒りを含んだかのような動きである。神にとって海南の県大会敗退は許せない失態 であった。そして、それを呼び込んだ自分自身にも怒りを覚えていた。果敢なプレーで得点を 重ねる。3Pシューターという印象の強い神だが、この試合では積極的にゴール下に切り込む 場面も多く見られた。
[311]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:11:29 ID:FJ6fBgt2 このままでは終われないという意地を見せる海南に、翔陽も負けていない。ここまでの勢いを 殺すことなく好プレーを連発する。何年も県内2位に甘んじてこさせられた屈辱を晴らそう という気持ちも強かったのだろう。互いの意地と意地、技術と技術がぶつかり合い素晴らしい 試合になった。 そして、この試合で最も注目を浴びていたのは言うまでもなく牧対藤真だろう。1年の頃から 神奈川の高校バスケを牽引してきた2人の高校時代最後の対決。どちらかにボールが渡る度に 客席から息を呑む音が聞こえた。 ほぼ互角の2人だったが、今日は僅かながら藤真が押しているように見えた。チームの勢いが そのまま2人の差になったのかもしれない。 全てが複雑に因果関係を結び、残り時間数秒で翔陽が2点リード。しかし、ボールを持つのは 海南の牧だった。
[312]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:12:47 ID:FJ6fBgt2 このままでは終われないという意地を見せる海南に、翔陽も負けていない。ここまでの勢いを 殺すことなく好プレーを連発する。何年も県内2位に甘んじてこさせられた屈辱を晴らそう という気持ちも強かったのだろう。互いの意地と意地、技術と技術がぶつかり合い素晴らしい 試合になった。 そして、この試合で最も注目を浴びていたのは言うまでもなく牧対藤真だろう。1年の頃から 神奈川の高校バスケを牽引してきた2人の高校時代最後の対決。どちらかにボールが渡る度に 客席から息を呑む音が聞こえた。 ほぼ互角の2人だったが、今日は僅かながら藤真が押しているように見えた。チームの勢いが そのまま2人の差になったのかもしれない。 全てが複雑に因果関係を結び、残り時間数秒で翔陽が2点リード。しかし、ボールを持つのは 海南の牧だった。
[313]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:14:48 ID:FJ6fBgt2 藤真「ここで止めて俺たちの勝ちだ!」 ドリブルで進む牧を藤真が止めにくる。 牧「負けられるかァ!!」 鋭いドライブで藤真を抜き去る。藤真を抜き去った牧は視線を前に向け。パスを出せる相手を 探す。そして、視線の先にゴール下に侵入しようとしている翼の姿を見つけた。 牧「翼!!」 牧からのパスを受け取ると翼は得意のクライフターンで途中出場の永野を抜き去る。 永野「ちぃっ!!(コイツ、上手くなってやがる!!)」 翼「うぉおおお!!!」 ゴール下まで進むとダンクに向かう。しかし、花形もブロックに跳ぶ。 花形(これは……不味い!?) 翼のダンクは今までで最高のものだった。高さ、速さ、タイミングの全てが完璧に近い。 花形(予想以上だ!ぶつかる!?) ドン…… 翼の体に花形の体がぶつかる。しかし、翼はそれに怯まずリングにボールをねじ込む。 ズバァ!! 花形(同点……そしてワンスロー……残り時間2秒で)
[314]TSUBASA DUNK:2009/11/27(金) 17:22:17 ID:FJ6fBgt2 少し遅れて審判がファールを告げる。だが、告げられたのは翼のファールだった。 翼「えっ……」 今のプレーではジャンプした翼の進路に後から花形が割り込んできた。間違いなく花形の反則の はずだった。しかし、審判の角度からは花形が横に移動したようには見えず、翼が突っ込んで いったように見えたのだった。 花形(意識した訳ではないが、ポジショニングがミスジャッジを呼び込めたのか。翼には気の毒 だが、運も実力のうちってことだな) 会場内でも審判のミスに気付いている者は何人もいたが、彼らの誰もが審判のジャッジが覆る ことがないことも熟知していた。 翼(また審判のミスジャッジで……) 翼の頭には数か月前、まだサッカーをしていた頃に日本代表としてアルゼンチンと試合した 時のことを思い出していた。あの時はアルゼンチンの選手の罠に嵌まり、反則退場させられた。 愕然とする翼が我を取り戻し、なんらかのアクションを起こす前に試合が再開し、そしてすぐに 終了した。 この瞬間、翔陽の優勝が決まった。
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0ch BBS 2007-01-24