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【井の中の虎】キャプテン森崎34【大海を知らず】
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:05:45 ID:pjTM9gq0 日向「気にするな。同点PKとイエロー程度で岬を殺れるんなら安いモンだ。なにせ後は…」 ギンッ! 日向「身の程知らずの雑魚どもを血祭りに上げるだけだからな。ク、クク、ククク…」 ゾクッ! 若島津「(頼もしい以上に恐ろしい…最早この人を止められる者は居ないだろう)」 *日向の岬に対する感情が「疑惑」になりました。 松山「なんとか同点になったけど…岬を失ったのはデカいな…」 三杉「もう南葛は攻撃は出来ない。後は延長戦も含めて後25分強逃げ切るだけなんだが…」 陽子「えーっと、日本の高校選手権の決勝戦では、延長戦は15分ハーフじゃなくて10分ハーフなんでしたっけ?」 見上「そうだ。そして…南葛はもう勝てない」 陽子「そうですね。PK戦だと勝っても引き分け扱いですし…」 見上「違うぞ陽子くん。私はもう東邦の勝ちは決まったと言っているのだ。PK戦は有り得ない」 陽子「え…断言しちゃうんですか?」 見上「ああ。良く見ていたまえ、誇りを傷つけられ、追い詰められた虎の怒りを…」
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:05:59 ID:pjTM9gq0 ピィイイイイイイイイイイイイ!! 日向「…ウォァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」 ダダダダダダッ! 放送「再開のホイッスルと同時に日向くんが突撃開始〜!!あまりにも彼らしいプレイです!」 中山「予想通りだ!全員守備で守り抜けーっ!」 南葛メンバー『おう!!』 岩見「(反則をしてでも止めてやる!くらえ日向!)」 ズザザザザーッ! 日向「フンッ!」 ドガアッ! 岩見「グハアッ!?(あ…足を削ったのに…!)」 日向「オラオラオラァッ!!」 ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガッ! 来生・井沢・滝・山森・新田『ぐわあ〜〜〜っ!!』 ギャルサポ『キャーッ!井沢くん!』 琴音「キャーッ!山森くん!」
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:06:24 ID:pjTM9gq0 放送「日向くんあっと言う間に6人抜き!怒り狂った高校サッカーの君主が 自らの手で南葛の選手達を処刑していっています!残された5人の戦士達は彼を止められるのか?」 中山「皆!ここを守りきれば俺達の勝ちだ!」 高杉「おう!分かってる!」 石崎「岬の犠牲は無駄にしないぜ!」 中里「正念場でゴザル!」 一条「な…なんとかするんだ…!」 日向「ほざけ…そして後悔しろ!」 グワアアアアアアアッ! 放送「そして日向くん早くも振りかぶったーっ!!ネオタイガーショットが火を噴くぞォ!」 松山「頑張れ南葛!」 三杉「最後の勝負だ…」 陽子「………」ゴクリ 見上「決まった」 吉良「殺れ、小次郎!」 岬「(多分ダメだな)」
[59]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:06:42 ID:pjTM9gq0 放送「日向くんあっと言う間に6人抜き!怒り狂った高校サッカーの君主が 自らの手で南葛の選手達を処刑していっています!残された5人の戦士達は彼を止められるのか?」 中山「皆!ここを守りきれば俺達の勝ちだ!」 高杉「おう!分かってる!」 石崎「岬の犠牲は無駄にしないぜ!」 中里「正念場でゴザル!」 一条「な…なんとかするんだ…!」 日向「ほざけ…そして後悔しろ!」 グワアアアアアアアッ! 放送「そして日向くん早くも振りかぶったーっ!!ネオタイガーショットが火を噴くぞォ!」 松山「頑張れ南葛!」 三杉「最後の勝負だ…」 陽子「………」ゴクリ 見上「決まった」 吉良「殺れ、小次郎!」 岬「(多分ダメだな)」
[60]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:07:00 ID:pjTM9gq0 日向「くたばれ南葛!これが俺のネオタイガーショットだ!!」 バッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!! 中里「(中の里が奥義が一、変わり身のじゅ…)つべっ!?」 ドガッ! 高杉「ぐ…わーーーっ!!」 ドゴッ! 石崎「くそったれーーーっ!!ぶふぉぁああっ!」 バギイッ! 中山「(俺はもう負けない!森崎に置いて行かれるのは…)もう沢山なんだァーーー!!」 ブゴォッ! ギュルルルル! 中山「ああああああああ…!」 バィイイイイン! ドッ…ザザザザァ… 日向「………!」 放送「は、は、跳ね返ったァーーー!!ネオタイガーショットのシュートコースに割り込んだ 南葛の猛者達4人の内3人はなぎ倒される様に吹き飛ばされましたが、最後の中山くんが 後方に吹き飛ばされながらもなんとかボールを跳ね返しました!ボールは大きく宙に浮かび…!?」
[61]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:07:55 ID:pjTM9gq0 ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 観客「良くやった!良くやったぞ南葛!」「なっかやま!なっかや…」 松山「やった!…げっ!?」 三杉「………」ゴソゴソ、ビリッ 弥生「あっ!あっ!あああっ!あああーーーーーっ!!」 陽子「…なるほど」 見上「分かったかね」 中里「ぐふっ…」 高杉「い、痛い…」 石崎「うげええ…」 中山「ボール…ボールを抑えないと…ああっ!」 ガバッ! グワアアアアアアアッ!! 日向「てめえらに勝つ資格は…ねえんだよォオオオオオオッ!!」 バッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
[62]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:08:30 ID:pjTM9gq0 グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…! 中山「うわあああああああああああっ!!」 ドゴォオオオオオオオッ!! 中山「ぐ…あああああっ…!!」 ギュォオオオオオオオオオオオオ…! 一条「中山さん!」 ガシイッ! 一条「う…わああああっ!!」 ドサッドサッ。 ポーーーン… 中山「(ああ…ボールが、こぼれた。クリア…立ってクリアしなきゃ…あれ、体が動かない…?)」 パンッ。 ポーンポンポン、テンテンテン… 中山「(あ、ダメだ!そっちへ行っちゃダメだ!止まれ!止まってくれ!)」 コロコロコロ… ピタッ。 ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! 南葛 2−3 東邦
[63]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 15:09:40 ID:pjTM9gq0 いったんここまで。
[64]創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 15:31:11 ID:Xbzh46nA 「高校サッカーの君主」 いいなあ、この表現…暴君以外の何物でもないけどw
[65]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 16:41:09 ID:pjTM9gq0 日向の残った力全てを込めた2連続ネオタイガーが南葛のDFとGK全員を薙ぎ倒し、 防がれても尚勢いを残していたこぼれ球がゴールラインを割ってから数分後… ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイ!! 観客「ああああああ〜…」「ダメだったか…」「今年こそはって思ったんだけどなあ…」「最後の時に岬が居れば…」 試合終了を告げる笛を待っていたかの様に悲哀交々のため息が観客席で流れ出た。 放送「試合終了〜〜〜!最終スコアは3−2!東邦学園、唯一のライバルであった南葛高校を 激闘の末打ち破り冬の全国選手権の三連覇を達成しました!強い、強すぎる、強すぎた!! 猛虎・日向小次郎くんの無敗天下は遂に崩される事なくフィナーレを飾りました! 逆に打倒・東邦に3年間打ち込んだものの、ほんの僅かの力の差で報われなかった南葛の選手達は 皆打ちひしがれ未だ立ち上がる事が出来ないで居ます…勝敗とはこれ程までに残酷な物なのでしょうか…」 高杉「そ、そんなァ…」 石崎「岬、翼、すまねえ…」 中里「日向小次郎、恐るべし…」 井沢「くそっ!くそっ!くそっ!」 来生「なんでこうなっちゃうんだよーっ!」 滝「俺達の力はこの程度だったのか…」 岩見「結局何も出来なかったか…」 長野「あああ…俺に、俺にもっと力があれば…!」 放送の実況通り南葛の選手達は悔しさに打ちのめされていた。 ある者は無念さに涙を飲み、ある者は後悔に怒鳴り散らし、ある者は己の力不足を嘆く。 中山「何故だ…何故、負けたんだ…今年こそ勝てると思ったのに…」 そして中山は…現実を受け入れられないでいた。 自分はリハビリを終え、かつての力を取り戻せたのではなかったのか? 一体どんな顔をして森崎にこの情け無い結果を報告すれば良いのか?
[66]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 16:41:56 ID:pjTM9gq0 日向「バカかてめえは?なんで勝てるなんて思ったんだ?」 中山「なんだと…」 皮肉にも彼の迷いを断ち切りに歩み寄ったのは他の誰でもない日向だった。 疲労に足を震わせては居るが、その堂々とした振る舞いは勝者の物以外の何物でもない。 中山が手と膝を地に着きながら見上げているのとは真に対照的である。 日向「日本一になって森崎に追いつきたい?胸を張ってあいつと共に戦いたい? 要するにてめえは森崎に勝つつもりも無い負け犬なんだろうが。最初からな!」 中山「な…!」 日向「俺は誰かに負けを認める位なら死んだ方がマシだ。日本一? そんなモノは森崎をブッ倒してから世界一になる前の前菜に過ぎねえんだよ」 ガクリ… 日向「何時までもそうやってレベルの低い場所で這いつくばっていろ。 心配しなくて世界一にはなれるだろうよ…俺に敗れた森崎の金魚のフンとしてな! クククク…フフハハ…ハァーーーーーッハッハッハッハッハァ!!」 ザッザッザッザッ… 日向は言いたい放題にしてから立ち去っていった。中山はそれを見上げる事すら出来なかった。 衝撃が、後悔が、葛藤が、そして恐怖が彼の全身から力と言う力全てを奪い取っていた。 首が重く上がらない。口はくっついて開かない。肩と脚はもう自分の物に思えない。 彼は今涙はおろか言葉の一つも吐き出せない、際限なく落ち続ける絶望の暗闇に囚われていた。 中山「(………俺はこの3年間、何をやっていたんだ………)」
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0ch BBS 2007-01-24