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【井の中の虎】キャプテン森崎34【大海を知らず】
[69]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:12 ID:pjTM9gq0 一方その頃観客席では。 松山「終わったな…って三杉、お前の彼女なんかおかしいぞ!?」 弥生「はっ、はっ、はっ…」 弥生が赤ら顔で瞳を潤ませ、荒い息をつきながら目に見える程ぶるぶる震えていたのだ。 三杉「これは…さっきの日向のゴールの時上げた絶叫で呼吸を乱した時 冷たい風を吸い込んでしまったのが原因だね。ここよりは暖かい通路で休ませるよ。お先に失礼」 松山「あ、ああ…(冷気を吸い込んだだけでああなるのか…?)」 すかさず三杉が弥生を抱き支え、足元がおぼつかない彼女を半ば抱える様にして 競技場内の通路に連れて行く。そしてそのまま売店の前を通り過ぎ、 自動販売機と壁の窪みによって作られた影に彼女を連れ込み壁に背を預けさせた。 弥生が相変わらず妖しい表情をしているのを見て三杉は満足気な微笑を浮かべ、 二人にしか聞こえない程度の音量でささやき始める。 三杉「やっぱり楽しんでいたじゃないか。可愛いね、僕の弥生は」 弥生「はあ…はあ…ご、ご主人様、あんまりです。何時松山くんにバレるかと…」 三杉「それがいいんじゃないか。大丈夫、彼の性格なら気付いても絶対に口に出来ないよ」 弥生「ひ、ひどいです…さっき、破きましたよね?」 三杉「うん。この通りビリビリにしてあげたよ」
[70]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:28 ID:pjTM9gq0 三杉はみせつける様にゆっくりとポケットに手を出し入れし、中から破れた二枚の紙を取り出した。 そして弥生の瞳がますます潤むのをじっくりと鑑賞しつつ広げたそれに書かれていたのは以下の文字だった。 『すしおだ 特上一人前(15000円)すし券 〜静岡一の若手職人が握ります!〜』 弥生「ああああ〜…バイトして、頑張って、買ったのに…」 三杉「うん、それはとても嬉しいんだ。こうやって大事な物を踏みにじられる弥生の可愛い顔も見れるしね」 弥生「ひぅうう…」 何処か恍惚とした目つきになり、頬を染め、膝が笑い始める弥生。 すかさず三杉は彼女の腰を手で支えゆっくりと顔を近づけていった。 三杉「でもね、弥生…一人前が三万円以下の寿司なんて、寿司とは言わないんだよ?」 弥生「はうっ…!」 三杉「落ちぶれたとは言え、僕もそれなりの家柄の者だ。それが分かっていながら 買ってきたのはワザとだろう?弥生は僕にお仕置きされたかったんだろう…?」 弥生「あ、あ、あ、あ………」 そして二人の唇が後少しで重なりそうになった時… ボトッ。 三杉の後ろで何かが落ちる音が響いた。
[71]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:00:43 ID:pjTM9gq0 松山「あ…あの、す、すまん!」 三杉「………」 弥生「………」 松山「いや、だからその…暖かい飲み物を買ってきて…」 三杉「………」 弥生「………」 松山「ジャマするつもりはなかったんだ!本当だ!」 三杉「………」 弥生「………」 松山「えーと…その…二人とも…」 三杉「………」 弥生「………」 松山「ご、ごめんなさい!全面的に俺が悪いです!許して下さ…」 三杉・弥生『反省しているのならさっさと立ち去ったらどう だい/なの !!』
[72]2 ◆vD5srW.8hU :2009/11/30(月) 23:01:00 ID:pjTM9gq0 いったんここまで。
[73]創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 23:14:36 ID:HBPuXhbX 小田は頑張って寿司職人になったようだな 森崎との再開はあると思いたい
[74]創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 12:25:22 ID:Oxmtt/VP 三杉と弥生の関係なんて、こんな描写一度すれば充分だと思うのだが ここまで執拗に繰り返すのは何か意図しての事なのかな
[75]創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 12:34:38 ID:IQTqPdP8 "../test/read.cgi/morosaki/1259449815/74" >>74 最後のオチに繋げるための布石だろ。 別の(今回はエロ鬼畜)方に思考を誘導させて最後にドーンと落とす。たまにある手法でしょ。 俺も見事に引っ掛かったが。
[76]創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 16:32:46 ID:fmr27ooQ 騙されたバカその2がここにいるぜ 2さんの三杉にしてやられたのはこれで二回目
[77]2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:21 ID:bMhN2DVd 東邦が優勝してしまった事で観客席はブーイングや野次に包まれていた。 それはどちらかと言えば東邦の強引さやあくどさを責める物が多かったが、 南葛の不甲斐無さを責める声も決して少なくなかった。 しかしベンチに引き上げる南葛の選手達にとっては観客の声よりも、己の良心の呵責の方が何倍も辛かった。 利き脚に痛々しく包帯を巻いた岬の姿に涙せずには居られなかったのだ。 石崎「すまねえ…岬!お前がくれたゴール、無駄にしちまった!」 最初に耐えられなくなり口火を切ったのは石崎だった。彼にとって岬はある意味翼以上に縁が深い相手であり、 翼より遥かに献身的なプレイスタイルと言動を持つ岬の期待を裏切った事は彼を凄まじく苦しめていた。 中山「……………」 中山は何も言えずにただ腕章を外し震える手で差し出しただけだった。 彼の項垂れた顔とそこから零れ落ちる雫が全てを語っていた。 他の選手達も項垂れ、涙を流し、時折謝りの言葉を耐えかねた様に漏らす。 己の不甲斐無さ、三年間が無駄になった後悔、東邦に負けた悔しさ。 それが岬の負った負傷に象徴され、目の前で彼らを糾弾していた。 丁度岬の望んだ通りに。 岬「皆、謝らないでよ」 ビクッ。 聞きようによっては拒絶する様な台詞に誰もが背筋を震わせる。 すかさず岬は皆と気持ちは一緒ばかりだと言わんばかりに自嘲を滲ませた声を漏らし遠くを見つめる。 岬「そんな事を言ったら、僕は森崎と翼くんに何回謝れば良いんだ?」
[78]2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:40 ID:bMhN2DVd 石崎「み、岬…」 岬「何より…無駄だなんて言ったら、この3年間僕達を応援し続けてくれた人たち。 特に今控え室で僕達を待っていてくれているマネージャー達の気持ちまで無駄にしてしまう…」 共感だけでは現実は否定できない。正論だけでは後悔は解消できない。 それなら感情で相手の傷を癒しつつ理屈で相手の良心の逃げ道を作れば良い。 こうすれば偽善や奇麗事だと反発される事無く相手に”良い人”と無意識のレベルで刷り込まれる。 岬太郎の決して口には出せない持論の一つである。 井沢「そう…だな。準優勝じゃ意味がないなんて言っちゃ、他のチームの存在を否定しちゃうもんな」 滝「結果は残念だったけど、俺達は全力でやった。それだけは確かなんだ」 来生「ここは日向に華を持たせてやるが、全日本ユースでは俺がエースストライカーだぜ!」 高杉「胸を張ってとは行かないけど、頭をしっかり上げて帰るか!」 新田「(そうだ…俺は若島津さんからゴールを奪ったじゃないか!俺のやってきた事は無駄じゃなかったんだ!)」 山森「(すごいなあ岬さん。本当は本人が一番悔しいだろうに、皆をあっと言う間に慰めちゃった)」 誰もが重苦しい雰囲気を拭いたかった。だから誰もが岬が示した空元気に同調した。 中山「………(確かに南葛としてはそれでいいかも知れない。でも、俺は…)」 唯一中山だけは項垂れたまま言葉を発せられなかったが。
[79]2 ◆vD5srW.8hU :2009/12/01(火) 20:07:59 ID:bMhN2DVd 岬「(中山には後で個別のフォローをしておかないとね)さあ皆、そろそろ帰り支度を始めよう」 石崎「そうだな。東邦の表彰式なんて見たくねえしな」 こうして岬は観客からもチームメイトからも敗者としてなじられず、悲劇の英雄として実績を残す事に成功した。 だが人間関係とは非常に複雑な物で、人の頭脳で完全に制御する事は難しい。 岬の様な慎重で計算高いタイプでも見込み違いをする事はある。 ワーワー!ギャーギャー! 長野「あれ?何だ?」 岸田「なんか騒がしいな」 控え室の前では押し問答が起きていた。マネージャーの3人と山岡美子が別の少女と怒鳴りあってたのだ。 少女「とにかく!岬くんと会わせなさいよ!」 早苗「ダメだって言ってるでしょ!岬くんに会いたがるファンなんて沢山居るのよ!」 美子「そもそも貴女誰ですか!岬様に馴れ馴れしい!」 少女「それはこっちのセリフよ!この泥棒猫っ!」 岬「あ、あずみちゃん…?」
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0ch BBS 2007-01-24