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【絶対に】森崎in異世界8【負けられない戦い】
[729]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:26:44 ID:??? シュナイダー「マリー…俺は…」 ミューラー『分かったらさっさと試合を決めて来い!まさか右足一本駄目になった位でどうにかなる貴様でもあるまい?』 シュナイダー「…随分と簡単に言ってくれるな…」 カルツ『いつもスパルタでやられてるからなぁ…ここぞとばかりににお返しってわけさ。まぁ言わばこれが俺達の 皇帝カール・ハインツ・シュナイダーに対しての信頼の証って所かな?』 シェスター『そういう事さ…それにお前の右足には色々助けられたからな…』 マーガス『だったら今度は俺達がお前の右足と成り代わって助ける番だろ?』 シュナイダー「…そうか…フッ…ならば遠慮なくお前達の力を貸してもらうぞ…そして奴らに見せてやる…俺達のゲルマン魂をな!」 最愛の妹の言葉、仲間達の激励。それを受けシュナイダーの両目にそれまで浮かんでいた悲壮感ではなく、 彼を彼たらしめる覇気が浮かび上がる。その瞳を見てマリー達は安心したような表情を見せ、役目を果たしたとばかり ゆっくりと姿を消していく。 マリー『お兄ちゃん…』 シュナイダー「マリー…ありがとう…見ていてくれ…お兄ちゃんは今度こそ約束を守る…!」 シュナイダーの最後の言葉にマリーは大きく頷き、再び笑顔を見せ姿を消した。気が付けばいつの間にか シュナイダーの右足の痛みは治まっていた。
[730]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:27:52 ID:??? グラウンドを覆いつくす光は更に拡がりを見せている。その光は様々な形で人の心の中に具現化されていく。 ピエールの元には… ナポレオン『オイオイ…なんだァ?そのザマは?それでも仮にもフランスのキャプテンかよ?』 ピエール「ナ、ナポレオン!?何故お前が…」 フランスJrユースでの相棒の姿に驚きを見せるピエールだったが、彼を驚かす存在はそれだけでは無く… ボッシ『ピエール…お前は俺達フランスJrユースの希望なんだぜ?』 アモロ『そ、そうだよピエール…お、俺は…ピエールのそんな姿は見たくないよ…』 ピエール「ボッシ…アモロまで…」 ボッシ『確かに…俺達じゃ頼りないかもしれないけどさ…』 アモロ『で、でも…それでも力になりたいんだ…!ピエールの…』 ともすればボッシ、アモロの言葉はある意味信頼を通り越しピエールに対する依存の現われといってもいいかもしれない。 フランスJrユースというチームはナポレオンが加入するまでは相手チームはおろか、自国のマスコミ、サポーターすら ピエールのワンマンチームと揶揄していた位である。しかしそんな状況であってもピエールという人物だけが足手纏いであるはずの 自分達を信頼し続けていた。だからこそ彼らもエル・シド・ピエールという人物の底力を無条件で信じているのだ。
[731]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:28:55 ID:??? ナポレオン『全くどいつもこいつもピエール…ピエールと…とんだ甘チャンどもだが今回ばかりは同意せざる得ないな。 というかお前までヘタレちまったら誰がこの甘チャンどもを率いて行くって言うんだよ?…悪いけど俺は真っ平ゴメンだね』 そして更に両手を大げさに広げナポレオンがいつもの憎まれ口を叩きながらもその言葉の裏に隠されている真意は ボッシやアモロと同種のものだと言う事が分かると、ピエールは笑顔を湛え… ピエール「ありがとう…お前達が俺のチームメイトで良かった…俺は今、心の底からそう思っている…!」 ナポレオン『チッ…全く今のをどこをどう聞いたらそういう結論になるんだか…まぁいい…それよりさっさと決めて来い! ちゃんと見ててやっからよ!!』 ピエール「ああ…見ていてくれ…お前達から受けた信頼という名のパス…絶対に無駄にはしない!」 そうナポレオン達に力強く宣言するピエールの表情は一切の迷いが無く、晴れ晴れとしたものになっていた。
[732]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:29:57 ID:??? ???『リンダ…リンダ…』 聞き覚えのある声。最初は幻聴かと思っていた。その声はもはや聞く事が叶わぬはずの声だったからだ。しかし幻聴ではなく はっきりとその声はリンダに優しく呼びかけ続けている。そしてその声に誘われるようにゆっくりと目を開いた。 リンダ「お父様…」 その人物を見て両手を口元に信じられないとばかりに呟く。リンダの目の前に立つ人物はかつてガーネフに殺されたはずの リンダの父親であるミロアであった。 リンダ「………」 何から話せばいいのか、言いたい事、伝えたい事はいくらでもあったはずだったが、感極まって何も口にすることが出来ない。 ミロア『すまない…私が不甲斐なかったばかりにお前には色々辛い思いをさせてしまった…』 そんなリンダを見つめながらミロアが口にしたのは謝罪の言葉だった。仕方が無かった事とは言えオーラを託した事で 娘に過酷な運命を背負わせてしまったのではないかという懸念があったからだったが…しかしそんなミロアの考えは杞憂に終わる。 ミロアの謝罪に対しリンダは首を振り…
[733]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:30:59 ID:??? リンダ「そんな…お父様が謝る事なんて何もない……確かお父様が言うように辛い事もあったし…苦しい事もあったし… 寂しくて泣いた事もあったわ……でも…」 一旦言葉を切った後ミロアに見せた表情は感謝の笑顔。 リンダ「私はお父様の娘で本当に良かったと思ってます…」 ミロア『…そうか…(全く…励ましに来たつもりが逆に励まされるとは…いつまでも子供だと思っていたが…)』 リンダの言葉に今度は逆にミロアの方が感極まって何も言えなくなってしまった。そしてそんなリンダを愛おしそうに見つめた後、 リンダの持つオーラの魔道書にミロアは右手を添えると魔道書が淡く輝きだす。そして同時にミロアの姿が徐々に薄くなっている。 ミロア『…これがお前にしてやれる最後の事だ…』 リンダ「お父様…」 ミロア『ありがとうリンダ…私もお前の父親で良かったよ…私はいつでもお前を見守っているよ…』 そう言い残しミロアの姿は完全に消えた。ミロアが託してくれたオーラの魔道書を胸に抱えると今までとは違う ぬくもりが感じられた。まるで父の中に抱かれているようなそんなぬくもりが。 リンダ「ありがとう…お父様…」
[734]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:32:01 ID:??? ???『ドーガッ!いつまで寝ておるのだ!』 ドーガ「…!?あッ!うぇ!!……へッ?……嘘……だろ?」 元の世界ではいつも聞いていた自分を怒鳴る声に思わず条件反射的に飛び起きる。そして目覚めた視線の先には… ジェイガン『全く…そのザマは何だ?それでも栄えあるアリティアテンプルナイツの一員か?』 カイン『そうだぞ。一応お前は俺達の代表なんだ。そんな事では困るぞ!』 アベル『オイオイ…一応って…まぁとは言え確かにお前には俺達の分まで頑張ってもらわないとな…』 ゴードン『そうだよ。それに一緒にサッカーチームを作るって約束しただろう?』 ドーガ「隊長…カイン…アベル…ゴードンまで…」 元の世界でドーガの所属している騎士団アリティアテンプルナイツの面々が次々にドーガに声を掛けてくる。 そして無論ドーガの目の前に立つ人物はこれで終わりではなく、彼にとっては己の命より一番大事な人物が… ドーガ「マルス様…」 マルス『ドーガ…僕達はアリティアテンプルナイツという騎士団である以前に家族なんだ…だから君一人にだけ 苦労を掛けてしまっている状況はすまないと思っていた…それは騎士団の皆も同じ気持ちだ…だけど…』 そしてマルスはドーガに向かって右手を差し出す、その手には神々しく輝きを見せる一本の槍が握られている。
[735]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:33:05 ID:??? ドーガ「これは…グラディウス…?」 マルスの手に握られていたのはドーガの世界では三種の神器とも言われる神槍グラディウス。しかし姿形は確かに グラディウスなのだが、どこか違和感を感じる。そしてそれはマルスから受け取った際に確信に変わった。 “それ”はただ単にグラディウスという形を取っているに過ぎない。マルス達がドーガに本当に託したかったものは グラディウスなどではなく… ドーガ「マルス様…皆…俺は…」 グラディウスを通してマルス達の思いがドーガに伝わる。マルス達が本当に託したかったもの、それは… アリティアテンプルナイツとしての誇り、絆、そして信頼。 マルス『アリティアの王子マルスが命ずる!そのグラディウスを持ってこの戦いに終止符を!』 ドーガ「はッ!」 マルスのはっきりと凛々しい口調の勅命に対しドーガはマルス達から託されたグラディウスを掲げ、力強く返事を返す。 ドーガのその瞳に浮かぶのは強固な決意の色。マルス達はそれを見届けると満足そうな笑みを浮かべゆっくりと姿を消した。
[736]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:34:11 ID:??? さっきから息が妙に苦しい。どうも誰かに自分の口と鼻を抑えられているようだった。内心このような手段をとった輩に 苛立ちながらも流石にこのままでは窒息死しかねないので無理やり意識を覚醒させる。 ジェクト『よぉ…ようやくお目覚めか?』 ティーダ「…え?…あれ?…はぁ!?」 そして目を覚ましたティーダの目に映るのは、今現在敵としてあいまみえているはずのジェクト。しかし先程までと違い 表情には生気が宿っており、今もいたずらっ子のような不敵な笑顔を見せている。これだけでも十分に驚いていたのだが、 ジェクトの隣に佇んでいる人物を見てティーダは驚きを通り越しその人物に指を刺し口をパクパクさせ絶句する。 ???『何をそんなに驚く事がある?』 ティーダ「い、いや…普通驚くだろッ!?アーロン…あんたまで現れたらさぁ…」 アーロンと呼ばれた偉丈夫のさも当然といったような態度な言葉に思わず状況も忘れ呆れたようにぼやくティーダ。 しかしティーダとしてはその反応も仕方が無いものである。どちらの人物ももはや会うことが適わない人物だったはずだからだ。 最も自分も二人と似たような状況ではあるのだが。 ジェクト『はぁ〜それにしても…泣き虫とは思ってたが…おめぇがあそこまで情けないとは思わなかったぜ… 何だ?あのザマは?いくら俺様の姿をしてるといってもあんな偽者にいいようにやられるたぁなぁ…』 ティーダ「に、偽者ぉ!?…い、いや例え偽者だとしてもそれ以前にいいようにやられてなんかねぇだろうが!?」 ジェクト『あ〜ん?情けない顔して『オヤジィ〜〜』とかピーピー言ってじゃねぇかよ』 ティーダ「うッ…ぐッ!あ、あれは…!!」 ジェクトのずけずけとした物言いに言葉に詰まるティーダだったが、内心は喜びを抑えるので必死だった。それによって 確かに目の前に居るのが紛れも無くジェクトだと確信したからだった。だとすると今相手をしているジェクトは一体何なのだろうと 当然の疑問が沸くのだが、その心内を見透かしたようにアーロンが答える。
[737]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:35:14 ID:??? アーロン『アレはお前の記憶の中のジェクトを具現化したのものだ』 ティーダ「俺の中のオヤジ…?そんな事が…」 アーロン『出来るから、今お前はこの世界に存在している』 アーロンの言葉にハッとするティーダ。言われてみれば自分の存在は元の世界ではすでに亡き者となっているはずである。 それが今こうしてあり続けているという事を鑑みればそういった事も可能なのだろうと勝手に納得する。どちらにせよ余り理屈を 考えたところで自分には理解出来ないだろうし、ティーダにとってはあのジェクトは偽者。その事実さえ分かれば良かった。 そしてティーダの表情に彼らしい明るさが戻りつつあった。その様子にジェクトとアーロンは顔を合わせた後頷き合い… ジェクト『全く世話の焼けるボウズだぜ。大体があんな程度の実力を俺様と思い込む方がどうかしてる。それに顔だって もっとハンサムだろうが?ええ?…そして一番腹が立つのはそんな偽者をちゃっちゃと倒せないお前に腹が立つんだよ! …てっぺんとりてぇんだろうがよ?だったら…さっさとあんなの倒して見せろよ?』 アーロン『お前の物語はまだ終わってはいない。そしてあの時も言ったが、もう一度言う…これからは、お前たちの時代だ。 さあ行け!行って俺たちにお前の無限の可能性を見せてみろ!』 ティーダ「オヤジ…アーロン…」 ジェクトとアーロンの言葉に知らず知らずのうちにティーダの頬に涙が伝う。 ジェクト『全く…泣くぞ泣くぞと思ってたら本当に泣きやがるからなぁ』 ティーダ「うっせえよ!…全くあんた達二人してさぁ…お節介過ぎんだよ!!」 ジェクトの憎まれ口に声を嬉しそうに声を張り上げるティーダ。そのティーダの瞳を見て二人は安心したように頬を緩ませると、 二人の姿が徐々に遠のいていく。 ティーダ「ありがとう…オヤジ…アーロン…」 二人が完全に消えるまでティーダはその箇所をずっと見つめていた。
[738]キャプ森ロワ:2010/05/28(金) 13:36:21 ID:??? ギリアム『どうした光太郎?お前の底力はそんなものではあるまい?』 倒れ伏す自分に厳しくもどこか温かく呼びかけてくるのは準決勝で戦った相手ギリアム・イェーガーだった。 彼とはそこまで長い時間を共有したわけでもないが、まるで昔から知り合いだったかのように、その声には 何故か心を激しく揺さぶられるものを感じる。そして自分を呼ぶ声はそれだけではなかった。その声の主は自分にとって 忘れえぬものであり、同時に一生背負っていくべき十字架とも言えた。 光太郎「信彦…」 目の前に立つ青年、秋月信彦の姿を見て即座に悟る。今戦っていたシャドームーンが本物ではなく、目の前にいる人物こそ 光太郎が知る秋月信彦なのだと。皮肉にもそれが分かったのは自分の体内に宿るキングストーンのお陰でもあるらしかった。 信彦『俺たちは同じ日、同じ時間に生まれ兄弟同然に育ってきた。しかし運命の悪戯か俺はシャドームーンとして、 光太郎…お前はブラックサンとしてゴルゴムに改造され、お互いの血で血を洗う事を義務付けられてしまった…』 光太郎「……」 信彦の言葉に思わず視線を逸らすRX。その脳裏にはシャドームーンの言葉が思い浮かぶ。 シャドームーン『だめだ……もう力が入らない……ブラックサン、俺は死ぬ……だが、勝ったなどと思うな…… お前は一生苦しむことになるんだ……親友を…… この……信彦を……抹殺したんだからな…… 一生後悔して生きていくんだ……ハッハッハッハ……』 ゴルゴムとの戦いは凄惨を極め光太郎は家族、仲間を全てを失い、最後には親友すらこの手に掛けなければならなかった。 そしてシャドームーンが放った自分への呪詛の言葉は今でも光太郎の心にしこりとして残っていた。
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0ch BBS 2007-01-24