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【サッカー少年】キャプテンEDIT【奮闘記】
[170]キャプテン霧雨 ◆2pV1gRdG.o :2010/02/18(木) 23:17:09 ID:??? ★U.N.マネージャーはヒロインなのか?→ ダイヤK =★ 来いよ!やってやるぜ!
[171]キャプテン霧雨 ◆2pV1gRdG.o :2010/02/18(木) 23:18:09 ID:??? フッ……私としたことが、本気になっちまったようだな…
[172]森崎名無しさん:2010/02/18(木) 23:18:15 ID:??? やりやがった
[173]キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/02/18(木) 23:33:11 ID:??? 中学生だなあ…いいね
[174]森崎名無しさん:2010/02/18(木) 23:55:03 ID:??? ヒロイン誕生おめでとう!
[175]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:00:33 ID:??? >>170-171 流石は修羅場に定評のある霧雨さんです 自分のスレを見ていて腹筋をやられたのは初めてですよw ★U.N.マネージャーはヒロインなのか?→ ダイヤK =★ ダイヤの10以上→我らが主人公・大前 -------------------------------------------- その日の練習終了後のことだった。 グラウンドで思う存分汗を流した部員らが、部室に戻って着替えようとした時のことである。 大前「ふーっ……今日の練習もキツかったなー」 雪村「その割には楽しそうだよね。大前くん」 大前「ははっ、練習中一番楽しそうにしてるお前にゃ言われたくないなー」 菱野「あ、あのっ!」 談笑中の大前らの間に、菱野が割り込んできた。 普段は大人しくしている菱野にしては、珍しい積極性だった。 大前「ん? どうしたんだい、菱野さん」 菱野「えぇと……皆さん、すごく汗をかかれたようでしたので、その、タオルを用意しております」 まだまだ身だしなみの意識の低い男子中学生である。 タオルを用意せずに運動し、汗で気持ちの悪いまま帰るものも少なくない。それは、鳴紋中サッカー部でも同じことだった。 雪村「うわー、菱野さんって気がきくねー。きっと良いお嫁さんになれるよ!」
[176]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:02:07 ID:??? 菱野「お、お嫁さんだなんてそんな……」 やす子「みんなの健康と衛生のために、私が注文したやつだよー。菱野ちゃんだけの手柄じゃないんだからね?」 早瀬「へえへえ。監督さんは偉い偉い」 比良山「俺はいい。私物のタオルがある」 落田「あ、あは……ありがたく貰っちゃおうかな……ハハハ(フラれた相手にこの対応……我ながら未練がましいぜ……)」 そうこう言いながら、次々に卸したてのタオルを受け取っていく部員たち。 が、 大前「あれ? 俺の前で打ち止めか」 大前は貰いそびれてしまった。 やす子「あれ? ちゃんと全員」 菱野「あ、だ、だ、大丈夫です。私の私物がありますから」 大前「いや、女の子の私物に、男の汗を付けるってのは気が進まな――」 菱野「いいんですっ。その……私の、不手際ですから」 そう言って、バッグからタオルを取り出し大前の汗を拭き始める。
[177]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:03:23 ID:??? 大前「いや、そこまでしなくても……服の下とかも拭かなきゃならんし」 菱野「え、遠慮は要りません。私、マネージャーなんですから……部員の大前さんに尽くすのも、義務のうちなのです」 大前「(菱野さんって、時々大袈裟になるなー。初対面の時も様付けで呼ばれたし)まあ、菱野さんがいいならいいけど」 菱野「……はい。私は、これでいいんです」 ぼんやりとタオルで擦られている大前は気付かなかった。 菱野の目が、どこかうっとりとしたように細められていることに。 小豆沢「……ねえ、早瀬」 早瀬「……何スか先輩」 小豆沢「大前って、ひょっとして気付いてないのかな」 早瀬「気付いてねェんでしょーねー……」 落田(ああ、羨ましい目に遭いやがって大前! ……ところで、菱野さんが好きだっていうのは、誰の事なんだろう?) 部室の中では、大小の囁き声が交わされる。 そんな中、菱野は初めて大前と出会った時の事を思い返していた。
[178]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:05:03 ID:??? 菱野は大前の事を初めて見たときのことを鮮明に覚えている。 それは、マネージャーとして入部するより以前のこと――大前が、雪村に引っ張られるようにして乱入に加わった際の事だ。 子どもの頃から華道や茶道など、親に押し付けられた窮屈な稽古ごとに追われていた。 だから、自己の肉体を駆使して他者の思惑を超えていくようなスポーツ選手は、憧れの対象だった。 中学に上がったら、運動部に入部したい。 そう思うようになるのに対して時間はかからなかった。 だが、運動神経に恵まれない菱野は、選手としての活躍は望めない。周囲の足を引っ張るおそれがあった。 そんな周りとの軋轢を生みかねない道は彼女には耐えられない。 だから、マネージャーになろうと思ったのだ。 憧れの対象の近くに侍り、その力添えとなる。 妥協の産物の様な願望であるが、菱野本人の気性もあって、それはやがて、胸中で強い願いに育っていった。 (マネージャーになるなら、サッカー部にしよう) (野球ほどメジャーじゃないから、マネージャーにも事欠いているだろうし) (それに、これから行く学校ではサッカーが強いみたいだし) だからサッカー部が当時、マネージャーを募集していなかったことは、菱野を落胆させた。 子どもらしい小さな打算を孕んだ願いを打ち砕かれ、トボトボと帰路に着く。 そこで、サッカー部のグラウンドを見たのは未練のなせる業だろうか。 そこに、一人の少年がいた。 少年は、友人(この時点では行きずりだったのだが)と一緒にサッカー部へ挑み、無残に敗れた後だった。 遠目にも、自信を無くして落ち込んでいるのが分かる。 ああ、彼は入部を諦めるだろうな。 沈み込むような目線から、自分ならそうするだろうと考え、その日はそのまま家に帰った。
[179]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:06:05 ID:??? ―― 一週間がたった。 他の部活のマネージャーになる気も起きず、嫌々続けていた稽古を思い出す文化系クラブには入れず、 まんじりと入部期間を潰していた。 そこでたまたまサッカー部の練習に通りすがったのは、どういう気まぐれだったろうか。 一週間前の少年が、ボールを蹴っていた。 周りにいるのは自分より格上の選手たち。それを相手に、何度も無様にボールを奪われ、何度も滑稽にボールを求めた。 その顔は、何度も悔しさを滲ませたが、同じ回数、笑顔も浮かべる。 一週間前の挫折を忘れたように、その少年はサッカーに打ち込んでいた。 (ああ、サッカーって、そんなにいいものなんだ) 少年の姿からそんなことを思って、マネージャーになれなかったことを、またぞろ悔んだ。 サッカー部が、マネージャーの募集を始めたのは、その翌日のことだった。 発案者は、スタッフワークの不備を指摘した1年生だという。忙しいと評判の主将にそんな注文をつけるとは、大した度胸だった。 ともかく、菱野の願いの筋から言えば、その1年生には感謝の意を伝えるべきだろう。 小豆沢『え? その1年にあってお礼が言いたいって?』 キャプテンの小豆沢に申し入れた願いは、二つ返事で叶えられた。大した手間では無かったからだろう。 入部初日のあいさつの前に、偶然を装って個人的に時間を作ってくれるそうだ。 そうして、三度、彼の顔を目にすることになった。 小豆沢『――全員に紹介する前に、彼にくらいは先に会っておいた方がいいと思ってね。 彼が、マネージャーの募集を提案した大前だよ』 ……驚きを顔に出さなかったのは奇跡だった。 自分と同じ日に入部を諦めかけ、自分とは違って諦めなかった少年。 そんな彼が、如何なる配剤か、自分をサッカー部に引き合わせた。 まだ十二歳の少女は、そこに運命を感じたのだった。
[180]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/02/19(金) 01:07:08 ID:??? そんなことを回想していると、既に粗方汗を拭い終っていた。 大前は、自分から離れようとしない菱野を不思議そうに見つめている。 大前「どうしたんだい、菱野さん? 何かボーっとしてたけど」 菱野「ああ、申し訳ありません。その、大前さんの身体つきも、やはり殿方なのですね、と思いまして……」 大前「俺のプレイは、せりあいに強くなきゃやってられないからね。もっとも、まだまだ足りないみたいだけど」 比良山「確かに。今日の練習みたいに、自分より華奢な雪村にせり負けるようではな」 大前「うぅ……」 比良山の言に、大前は軽くしょげかえる。 得意のポストプレイさえ絶対の武器になりえない現状に憂鬱を感じていたのだった。 そんな大前を、菱野は優しく見つめた。 菱野「……大丈夫ですよ」 大前「え?」 菱野「大前さんは、頑張れる人ですから。きっと今に、すごく上達いたしますわ」 大前「美人のマネージャーさんに言われちゃ、仕方ないな。そうなるように頑張るよ」 菱野「え? び、美人だなんて、そんな――」 大前「さて、そうと決まっちゃこうしてられないや! 帰りついでに、ロードワークにでも行ってきます!」 小豆沢「あ、ああ。オーバーワークには気をつけるんだよ」 戸惑う菱野には目もくれず、大前は部室を飛びだしていった。
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0ch BBS 2007-01-24