※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【サッカー少年】キャプテンEDIT【奮闘記】
[817]森崎名無しさん:2010/03/02(火) 22:10:33 ID:??? ★殺伐としたEDITスレに救世主が!→ クラブ5 =★
[818]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:15:41 ID:UqPbtwhE ★殺伐としたEDITスレに救世主が!→ クラブ5 =★ ハート、スペード、クラブ→「うんうん、なかなかイケるぜ」 早瀬が上機嫌に ---------------------------------------------------------------------------- 早瀬「うんうん、なかなかイケるぜ」 大前「お口に合ったようで、ホッとしましたよ」 早瀬「大袈裟だなあ。いきなり押しかけたってのに羊羹まで頂いたんだ、味がどうこうなんてケチ付けるもんかよ」 言いながら、今度は麦茶のコップに手を伸ばす。 グビリと喉を鳴らして冷たい麦茶を飲む早瀬。 早瀬「かーっ! やっぱ夏はキンキンに冷えた麦茶だよなー! 五臓六腑に染み渡るぜ!」 大前「お粗末さまです」 早瀬「へへっ。これだけのもてなしを受けちゃあ、張り切らねえわけにはいかないな。早速、これからの話だけどよ――」 満面の笑みを浮かべながら切り出す早瀬。だが、大前にはその前に聞いておくべきことがあった。 大前「その前に先輩、ちょっといいですか?」 早瀬「――あん? なんだよ、これから本題だっていうのに」 大前「早瀬さん。どうしても今、聞いておきたいんです。答えて下さい。……どうしてここまで、俺に肩入れするんですか?」 早瀬「だから、さっきも言っただろ。選手として見込みが――」
[819]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:17:05 ID:UqPbtwhE 大前「それだけじゃあ、理由には不足でしょう? 俺が――不遜な例えですけど、どれだけ優秀な選手になれるとしても、 今はチーム内で腫れ物扱い、いえ、はっきり言ってチームの癌として見ているヤツもいます。 この状況を何とかするのに、どれだけの労力が掛るか、早瀬さんが分からないはずはないです。 それに、有望な1年ならそれこそ何人もいる。 俺を庇ったり、引き立てるよりも、チームの力を引き上げるならもっと手っ取り早い道があるはずです。 どうして、そこで俺なんですか?」 早瀬「……後ろ向きなことを、よくもまあそこまで捲し立てれるなあ。逆に感心するぜ」 大前「誤魔化さないでくださいよ、早瀬さん」 早瀬「はいはい。お前にゃ敵わんよ」 お手上げだ、と両手を上げる。 それからしばらく、自分の中にある言葉をまとめるように沈黙して、やがて口を開く。 早瀬「……俺はな、勝ちたいんだよ」 大前「……何に、ですか?」 早瀬「全部に。これから当たる、全部の敵にだ」 大前「それって、つまり――」 早瀬「そうだよ。全国大会で勝ちてえ。優勝したいんだよ」 途方も無く大きな言葉が、突拍子もなく出てきた。 大前「そ、それがどうして俺に関わってくるんですか?」 早瀬「まあ、聞け。ちょっと長くなるからよ。ったく、やっと本題に入れると思ったら前置きを増やしやがって。 案外、面倒くせえ野郎だなお前も」
[820]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:19:20 ID:UqPbtwhE 大前「はあ」 早瀬「その前に聞くぞ、大前。県外から引っ越してきたてめえが、鳴紋中に入ろうと思ったのはどうしてだ?」 大前「それは……鳴紋中が、県内じゃ一二を争うサッカーの強豪って聞いたからです」 早瀬「『強豪って聞いたからです』、ねぇ……」 訊ねておいて、あからさまに不機嫌になる早瀬。 大前「な、何ですか? 俺、何か間違ったこと言いましたか?」 早瀬「間違ってねえよ。間違ってねえから……腹が立つんだ」 まるで意味が分からなかった。 早瀬「なあ、大前。外から来たお前にとっちゃ、ウチが強豪校だってのは……聞かなきゃわからないことなんだな?」 大前「え」 その一言の意味を一瞬分かりかねて、大前は目と口とを丸くした。 そんな間抜けな顔が可笑しかったのか、それとも別の理由か、早瀬はくつくつと笑いを漏らす。 早瀬「なぁにハトが豆鉄砲食った顔してんだ、大前。意味が分からねえってのか? ……ようするにだ。俺たち鳴紋中が強豪っていう認識はな、この県内でしか通用しねえんだよ」 違うか? とこちらに水を向ける早瀬。 大前「……た、たしかに小学校の頃は、ほとんど聞いた覚えがありませんでした。 小学校時代はあんなに有名だった小豆沢さんがここにいるのも、会うまで知りませんでしたし」
[821]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:21:01 ID:UqPbtwhE 早瀬「だろう? 俺らが強いのはここら一帯だけの話。全国に出りゃあ――十把一絡げのどこにでもあるサッカー部だ。 たとえるなら、そうだな、ファミコンにドラクエってゲームがあるだろ。ちょっと前に、ニュースでやってたよな? あのシリーズ最新作を買うのに行列ができたってヤツ。やったことあるか?」 大前「この前、落田に借りましたよ。……練習試合の後で、やっぱり返せって言われましたけど」 早瀬「そりゃ悪いことを思い出させちまったな。――でな、初心者がアレをやるとな、最初はスイスイ進むんだわ。 序盤は簡単なんだよな。それですごくいい気分になる。自分の分身がスライムだのアリクイだの雑魚を蹴散らして、気分は爽快。 けど、話が進んで次の舞台に行くと――レベルが足りなくて、そこいらの雑魚敵にも勝てなくなる。あんな感じだ」 大前「つまり、ウチのチームは全国で戦えるレベルにない、ってことですか? けど、そんなの信じられませんよ。 小豆沢さんなんか、めちゃめちゃ上手いじゃないですか」 早瀬「まあ、そう言うと思ったよ。そこでまたドラクエのたとえなんだがな」 大前「またですか」 そんなにドラクエが好きなんだろうか。 早瀬「まあ聞け。仮にウチのチームをドラクエのパーティ――主人公一味にたとえるとする。 勇者あずきざわとその愉快な仲間達だ。想像してみろ」 大前「ドラクエじゃ、勇者の名前は四文字までだったような――」 早瀬「細かいな、オイ。たとえなんだから聞き流せ。まあ、本題前の口上だから、結論から言うぞ。 ……ウチのチームはな、言うなれば勇者だけが強いパーティと同じなんだ。 ライデインを憶えてるくらいレベルの高い勇者と、さまようよろいを狩るのが精々なのに『自分は強い』って勘違いしてる連中。 なまじ優秀なリーダーがいて、その上辺りに自分より強い敵がいないから、大部分の連中は自分たちは強いって思い上がってる。 そんな状態さ」 大前「そ、そんな、ことは」
[822]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:23:06 ID:UqPbtwhE 早瀬「そんなことはないってか? じゃあ、去年の全国大会の話をしてやる。一回戦でボロ負けだったよ。 敗因は、小豆沢さんが徹底してマークされたことだった。 小豆沢さんは当時2年生だったが、やってることは今と変わらない。ゲームメイカーでなおかつ得点源、おまけに中盤の守備の要だ。 そんな重要な選手を封じられちゃ、手も足も出ないよな。 けどな、大前。一人がゲームメイカーと得点源と守備の要を兼ねるチームって、……お前だったらなんて呼ぶ?」 大前「ま、まさか――」 答えには、即座に行きあたった。だが、今はそれを信じたくない。 そんな思いが大前の口を閉ざす。 しかし、早瀬は続けた。 早瀬「そうさ、ウチは小豆沢さんのワンマンチームなのさ。少なくとも、全国レベルの試合ではな」 恐らく、口が腐る思いで言ったのだろう。早瀬はすっかりぬるくなった麦茶を口に含むと、濯ぐようにしてから飲み干した。 早瀬「信じられねえ、っていうツラだな。なら、もう少し詳しく教えてやろう。 あの日戦った相手はな、別に全国屈指の名門とかいう訳じゃなかった。 東京の武蔵や東邦みたいに全国から選手を選りすぐったスポーツ強豪私立でもなく、サッカー王国・静岡の代表でもねえ。 この日本のどこにでもある、どっかの県のどっかの学校のサッカー部さ。もう名前も忘れそうなくらいの、普通のチームだった。 そんなところに小豆沢さんを止められるやつがいるわけがない。あの人は前半に二得点上げて、リードしたまま折り返したよ。 1年だった俺は、あの頃はボンクラでな。ベンチにも入れずに観客席で応援してたっけか。 ……勝てる、と思った。前半が終わったときには、な。問題は後半さ」 そこまで言って、早瀬は無言でコップを掲げた。おかわりの要求である。 すぐさま冷蔵庫から麦茶を詰めた瓶を持ってきて注ぎ直した。 早瀬はもう一度唇を湿らせてから、訥々と語り直す。
[823]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:24:42 ID:UqPbtwhE 早瀬「後半が始まるやいなや、小豆沢さんはべったりとマークされた。四枚くらいくっつけられてたっけか。 そんな真似されちゃあ、いくらあの人だって碌に動けねえ。 しかしな、そんなにマークを付けちまったら、相手チームの方だって攻守の駒が不足する。 普通ならそのままウチの勝ち、なんだが」 大前「そこから負けた……んですか? 小豆沢さん一人を、封じられただけで?」 早瀬「そうだよ。そっから立て続けに五失点。こっちは追加点無し。しめて2−5。文句無しの大敗ってわけだ」 もう一度、麦茶を呷る早瀬。まるで大人が酒を飲むような飲み方だった。飲める年ならばそちらを飲みたい気分なのだろう。 早瀬「あの時の悔しさといったら、本当に胸を掻き毟りたくなるような気分だったぜ。 俺はここが地元だからよ、ガキの頃は鳴紋中のサッカー部がヒーローみたいに思えてたんだ。 強くて、格好良くてな。入部出来た時は、本当に嬉しかった。 雑用押し付けられても扱き倒されても、憧れのチームに居れるってだけで報われている気がしたんだ。 けどそれは、よりにもよって全国大会の大舞台で、みっともねえ馬脚を現しちまった。 地区大会でだけ強い内弁慶。全国クラスは一人しかいないワンマンチーム。それが、俺の子どもの頃からの憧れの正体だった。 そして、今もそのままだ。今年も多分全国じゃあ……一回戦負けだろうな」 大前「早瀬さん……」
[824]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:27:27 ID:UqPbtwhE 早瀬「みなまで言うなよ大前。俺だって小豆沢さんは尊敬しているさ。あの人以外のキャプテンや10番なんて想像も出来んほどな。 監督――飯地じゃなくて春に辞めちまった前の監督の事だが――だって、チーム鍛え直すためにさんざっぱら骨を折ってたぜ。 だが、鳴紋中サッカー部はそれに応えられる器じゃないんだ。だから俺は、このチームを変えることにしたんだ。俺は――」 ――この手で作ることにしたんだよ、強くてカッコいい、本物の鳴紋中を。 早瀬「……馬鹿みてえな話だろ? だが、俺は本気だ。幸い、今年の1年はレベルが高い。 来年までの間みっちりと鍛えれば、全国でも勝ち負けできるチームが出来上がると思う」 照れ臭そうに、笑う早瀬。 だが、まだ大前の疑問は半分ほども解消されていない。 大前「……先輩の目標は、大体飲み込めました。けど、それがどう俺に繋がるんです? さっきも言いましたけど、今年の1年を鍛えるっていうなら俺以外にもいるでしょう」 早瀬「もちろんそうだ。それに、お前一人を鍛えたって、もう一遍ワンマンチームを作り直すようなもんさ。それは勘弁願いてぇな。 俺がお前を使ってやりたいことはな、チームの意識を変えることなんだよ」 大前「チームの意識って……俺にそんな大それたことをやれって言うんですか?」 無茶苦茶な注文である。少なくとも、部内で孤立している1年生に頼むことではない。 早瀬「別に特別なことをしろって言ってるわけじゃねえさ。お前がやることは、だ。 まず、部員の信頼を取り戻すこと。信頼を取り戻すために動くってことは、だ。相手を説得したりして意思を伝えるわけだろ? その過程で、チーム全体にもっと上を目指す気持ちってのを伝えていってほしいんだ」
[825]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:28:43 ID:UqPbtwhE 大前「……一石二鳥を狙うのもいいですけどね。それって下手すれば虻蜂取らずになりません?」 早瀬「まあ、こっちは出来ればの話だよ。んで、次。これはまあ、大したことじゃねえ。いつも通りに特訓して、強くなること」 大前「チームを強くするのに、そのチームの中にお荷物がいたら話になりませんもんね」 早瀬「それもある。だが、お前が特訓を重ねることにはもう一つ効果があるんだよ」 大前「? なんです?」 早瀬「分からねえか? 今、お前を敵視しているチームメイトはわんさかいる。 チームメイトとの関係を修復するにしても、後に尾を引く連中は何人かいるだろうさ。国岡みてえに何があっても敵でいるのもな。 そういう連中はよ、大前が強くなって活躍しだしたりしたら……どうすると思う?」 大前「よっぽど根性が腐ってなければ……自分も鍛えて対抗してくる、ということですか?」 早瀬「ようやく呑み込みが早くなってきたじゃねーか。ま、そーいうこった。んで、最後の一つ。 ……さっきまでの二つは、お前なら二つ返事で聞いてくれそうなモンばっかだったけど、こればっかは、な」 途端に顔を伏せて声をひそめる早瀬。 ただならぬ様子に、大前もやや慌てる。 大前「な、なんですか?」 早瀬「この夏の大会が終わると、3年の先輩方は部活を引退する。当然、キャプテンの小豆沢さんもな。 その後、何回かの練習試合や秋季地区大会を挟んで、春に新キャプテンの選挙がある」 大前「……」
[826]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:30:46 ID:UqPbtwhE 早瀬「俺は、その時にキャプテンとして立候補するつもりだ。大前、お前にはそれに備えて今から動いて欲しい」 重々しくそう告げる。 チームを抜本的に作り変えようというのである。早瀬にとってはキャプテンになるという選択は、規定の事だったろう。 そして、その為に何人かの1年生を取りこむというのも。 早瀬「コイツはな、大前。お前にとってはメリットもあればデメリットもある。 メリットの方は、俺の派閥に入ったことによって何人かが態度を軟化させて、和解しやすく出来ることがあるな。 瀬川とかその辺か。長池もそうだが……そっちの方は、既に充分仲良くなってるみてェだな」 大前(長池先輩が一方的に近寄ってきたような気もするけどなあ……) 早瀬「デメリットの方は……俺の派閥の連中と関係を強化したり、派閥活動をしたりするのに時間を取られることか。 お前にとっちゃ先輩に当たる2年連中と付き合って、結構出費がかさんだりとかする場合もある。 今回の件で仲違いした連中の中で、優先的に仲直りしたいヤツと話しあうのにも、この頼みが邪魔になるかもしれねえ。 それに、こーいうゴチャゴチャしたのが嫌いなヤツとは、一層疎遠になる可能性もあるな」 大前「それは例えば、チームがごたつくのを嫌がる本多とか――」 ――サッカーを楽しむことが最優先の雪村とか。 そう続くはずの言葉は、途中でピタリと止まった。 大前の心のどこかで、あの日の決別が未だにジクジクと痛みを放っている。 それが、この場で雪村の名を上げさせることを躊躇わせていた。 早瀬「(……やっぱ、立ち直った後も、それは引きずっちまうか)もしかしたら、絶交より悪い関係になるって恐れもある」 大前「そうですね……そういうこともありえますか」 しばらく、二人の間に沈黙が流れる。 それを先に破ったのは早瀬だった。
[827]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/02(火) 22:33:31 ID:UqPbtwhE 早瀬「これまでの話をまとめるとだ、俺が大前に期待している理由は四つ。 一、優秀な選手に育つ可能性のある新人として 二、チームメイトに意識向上を促す声を届けるスピーカーとして 三、チーム内の競争力を高める起爆剤として 四、俺の派閥の構成員として こんな感じだな。このうち一と三は、俺が言うまでもなく黙っていても達成できると思うし、出来なきゃ自動的にお先真っ暗だ。 二は……まあ、優先度は一番低いな。無視できる範囲だ。問題は四だな……お前にとってデメリットも抱えている要素だ。 こんなもんで大体理解したか? 俺がお前に肩入れする理由はよ」 大前「ええ。大まかなところは」 早瀬「で、だ。ここまで俺の話を聞いてどう思った? 素直に言ってくれねえか。 別に、答え次第でお前の敵になる、ってわけじゃねえ。とりあえず率直な意見を聞きてえんだ」 先に『4票』入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 A.「いいと思います。俺も強いチームを求めて、この鳴紋に入りましたから」 協力する意思を示す B.「チームを強くするのはいいことだと思いますが、俺は自分のことで手一杯です」 中立の意思を示す C.「個人の意思でチームを染め変えるのは、良くないと思います」 反対の意思を示す
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24