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【サッカー少年】キャプテンEDIT【奮闘記】
[968]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:16:59 ID:??? やす子「パーフェクトかどうかはともかく、良く出来た作戦だわ。 チームではなく、個人の力で成り立っているところに目を瞑ればね。でも――」 一旦言葉を切って、飯地監督はフィールドを見やる。 やす子「――ウチのキャプテンに、火が着いちゃったみたいよ? もう向こうの思い通りにはならないわ」 小豆沢は怒っていた。 それは鳴紋の選手を嘲笑うかのように点を決めた金成にではなく、それを止められなかったチームメイトにでもない。 他ならぬ、自分自身への怒りだった。 小豆沢(何をしていたんだ、僕は……! 金成の言動からダーティプレイの匂いを感じただけで格下と決めつけ、 結果出し抜かれてしまった。挑発へ精神的に追い込まれていた雪村のケアを怠って、むざむざとそこへつけこませた。 ディフェンスへも全然指示が出来ていなかった……! 全国へ行くことだけを考えて、県大会を軽視した結果がこれだ。 もう……これ以上はやらせない!) 早瀬(お? 小豆沢さん、本気だな……全国まで見られないと思っていたが) 振り向くと、まだ気落ちしているフィールダーが目につく。 小豆沢は、声を張り上げた。 小豆沢「落ち込んでいる場合か! 相手は毎年決勝で戦っている清栄だ! 一点程度、取られないとでも思っていたのか! そんなに先取点を取られたのが悔しかったら、全力で取り返せ! そんなに守れなかったのが腹立たしいのなら、次の攻撃は粉砕しろ! 僕らはまだ負けていないし、――最後には勝つ!」
[969]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:18:03 ID:??? 豊原「きゃ、キャプテン……」 柿原「……そうだな。少し相手を見縊り過ぎていた。小豆沢がいれば、県大会はどうにでもなるなどと……。 目が覚めたぞ。今度は止める!」 本多「相手は同じ1年……決して、歯が立たないほどの差は無い」 比良山「取られたら取り返す……FWの本懐だ」 早瀬(へへっ……やっぱりアンタ、最高だぜ。色々足りてないところもあって、全国で戦うにゃ頼りないチームだけど……、 キャプテンだけはナンバーワンだ!) 気力を充溢させ、戦意を取り戻す鳴紋中の選手たち。 小豆沢はそれに満足げに肯くと、次いで暗い顔のままの雪村を見る。 小豆沢「雪村」 雪村「は、はい!」 弾かれたように顔を上げる雪村。 小豆沢「君の本分を思い出せ。サッカーを楽しむ、だろう? わざわざ挑発に乗って相手の土台でプレイせず、自分なりにやってみるんだ。頭の中で描く、一番楽しそうなプレイを、ね」 雪村「―― 一番楽しい、プレイ」 小豆沢「それが出来れば、金成なんて怖くないさ。失敗を恐れて縮こまるサッカーは、雪村らしくないよ?」 そう言って肩を叩くと、キックオフに備えてセンターサークルへ戻る。
[970]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:19:16 ID:??? 実況「清栄の先取点で波乱の幕開けとなりました、県大会決勝戦。鳴紋中も王者の誇りに賭けて巻き返しを図りたいところ。 さて、一体どう出る!?」 金成(へぇ……もうちょっと深いショックを与えたと思ったんだが、もう全員立ち直っている。やっぱり小豆沢は厄介だな。 選手としても、キャプテンとしてもな。これは早いところ本命の策で仕留めないと……) ピィイイイイイっ! ホイッスルの後のキックオフ。ボールを受けたのは、 小豆沢「行くぞ!」 実況「おっと! 鳴紋中、キックオフでボールを受けたのは、キャプテンの小豆沢くん! 猛然と疾走し、清栄ゴールを目指します!」 金成「パスが止められるなら、ドリブル突破ってか!」 小豆沢「……来い! 金成!」 金成「(マリーシアは、完全なブラフってわけじゃないんだぜ?)面白ェ! 行くぜェ!!」 あわよくばプッシングの濡れ衣を着せようと考えながら対決に臨む金成。 だが、その余分な思考が仇となった。 金成(へへ、進行方向を見切って、身体を入れて少し大袈裟に――) 小豆沢「感心しないな」 金成(――あん?) 小豆沢「ボールから目を離すなんてね!」
[971]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:20:52 ID:??? 簡単なボディフェイントを交えて横に向かうと見せかけ、その実、真っすぐに抜き去る。 マリーシアを狙っていた金成は、簡単に騙されて抜き去られた。 傍から見れば、金成が棒立ちになっている横を通り抜けただけに見えるだろう。 実況「小豆沢くん、金成くんを抜いた! 先程、金成くんが雪村くんを突破した光景をなぞるかように、硬直の隙をつきました! こころにくいプレイです!」 観客「おお、小豆沢が調子を出してきたぞ!」「行けえ!」「きゃー、小豆沢くーんっ♪」 金成「や、野郎……この俺を噛ませ犬にしようってか!?」 沸き立つ観衆とは対照的に、金成は悔しげに歯噛みする。 だが、それ以上に小豆沢の動きに心を揺さぶられていたものたちがいた。 三年間、小豆沢と対峙し続けていた清栄の選手たちである。 清栄の3番「あ、小豆沢が来る……」 清栄の2番「お、俺たちで止められるのか?」 清栄のキャプテン(GK)「いいから、壁になれ! 少しは止めやすくなる! アイツのシュートは、金成ほど曲げられるわけじゃないんだ!」 清栄の7番「お、おうっ!」 ボランチもエリア内に引き込んで、ミドルシュートに備える。 小豆沢「それに付き合うほど、お人よしじゃないんだ。早瀬!」 ボールが、走りこんでいた早瀬に向けて上げられる。 早瀬(お? エリア内が固まっているのに、ここで俺にボールがくるか。てことは――)
[972]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:22:07 ID:??? 清栄の6番「しめた! 小豆沢が来ないなら、まだ目はある!」 清栄の5番「クリアーしてやる!」 撃たれる前にと、殺到するディフェンス陣。 それを前に、早瀬は笑った。 早瀬「へっ、見当が違うぜ。――瀬川ァ!」 蹴りに行くのではなく、身体を入れてボールを守り、横へ流した。 観客席の大前が、思わず身を乗り出す。 大前「ぽ、ポストプレイ!?」 渡会「あの人くらい浮き球に強けりゃ、出来ない方がおかしいさ」 サイドに散ったボールは、走りこんでいた瀬川へ。クリアーに行った人数分、エリア内には隙が出来ている。 瀬川「キャッホー♪ さっきはガッチガチだったのに、パックリと開かれてるぜ! こりゃあ、突っ込まなきゃ損ってもんだね♪」 中学生らしからぬ嬌声を上げて、瀬川が吶喊する。 清栄の2番「馬鹿にしやがって。俺たちは氷潤みたいな雑魚じゃないんだ!」 清栄の3番「お前くらい止めてやる!」 クリアーに行かず残っていたディフェンダーが、瀬川を防ぎに行く。だが、 金成(……駄目だな。瀬川はもっと人数を掛けなきゃ止められない)
[973]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:24:28 ID:??? 瀬川「――この俺がァ!!」 清栄の2番「ぐはっ!?」 瀬川「――お前らにィ!!」 清栄の3番「ぎゃはあ!?」 瀬川「――止められるものかよォ!!」 たちまち吹き飛ばされる清栄ディフェンス陣。 実況「で、出たーっ!! 瀬川くんの十八番、強引なドリブル突破! 決勝の舞台でも止められるものはいません!」 観客「きゃーっ♪ 素敵ーっ!」「あぁん、私のことも強引に奪ってー♪」「ちくしょう、ムカつくが頼れるやつだぜ」 「瀬川ーっ! 彼女返せーっ!!」 瀬川「絶・好・調♪ 今日も勝利の女神は、俺の前で下着をチラつかせているぜ! さァて、いつもの通りにゴールを供物として捧げるとしますか!」 清栄キャプテン(GK)「と、止める……! 小豆沢のシュートや早瀬のボレーじゃないんだ! ドリブルくらい止めてみせる!」 悲壮な表情で、瀬川との1対1に挑む清栄のキャプテン。ここは瀬川の性格上、必ずドリブルで来ると踏んだ。 思い切り良く飛び出し、瀬川の足元のボールを抑えに行く。 しかし、あるいは瀬川の言う通り、女神は彼に微笑んでいるのだろうか。 瀬川「ハッ! 神の啓示が来たっ! ここは――」 清栄のキャプテン「!?」 瀬川「――シュートだァ!!」
[974]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:26:34 ID:??? ポーン! 軽く蹴りだされたループシュートが、ボールを抑えようと身を乗り出しているキーパーの頭上を過ぎていった。 瀬川は決してシュートが得意ではない。というよりも、ドリブル以外に得意なものは無い。 だが、ゴールまでの距離が近くて狙いが要らず、また威力も必要ないこの状況。 得意のドリブルが読まれている状況では、苦手のシュートが最善手と化す。 ファサ…… ボールがネットに触れた音はいっそ優しげであったが、清栄のキャプテンにとっては酷く残酷に聞こえた。 ピィイイイイイイイイイイイイイ!! 実況「ゴオォォォォルッ! 瀬川くん、華麗なループシュートを決めました! 小豆沢くんのパスを早瀬くんが繋ぎ、瀬川くんが最後の一押し! 巧みなゲームメイクで、五分もしないうちに同点! 清栄の金成くんによるリサイタルで幕を上げ、次なる演目は鳴紋攻撃陣の壮大なシンフォニー! 県大会決勝戦、これは大会史に残る好ゲームです!」 観客「すげえ、もう同点だ!」「一時はどうなることかと思ったぜ」「やっぱり鳴紋は凄いな」「瀬川くん素敵ーっ♪」 瀬川「さァ、俺に万雷の拍手を送れ……天を貫く喝采を浴びせろ……! 俺は瀬川、女神に愛された男だ!」 早瀬「ハイハイ、試合に勝ったらいくらでもな」 小豆沢(ともあれ、これで同点だ。次は向こうの攻撃だが、中盤でプレスを掛けて金成を封じる方向で行けば何とかなるか?)
[975]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:28:25 ID:??? 息を入れ守備位置に戻っていく鳴紋の選手たち。 一方、あっという間に同点に追い付かれた清栄陣営は―― 清栄の7番「ちくしょう……簡単に返されちまった」 清栄の5番「早瀬のポストプレイに一杯食わされた……単純なストライカーだと思っていたら、足元をすくわれたぜ」 清栄の4番「いや、それよりも小豆沢のゲームメイクが厄介だ。エリア内を固めてダイレクトシュートを撃ち難くしたのに、 早瀬を有効に使う手段を即座に考えてきた。やはり俺たちの優勝を阻む壁は小豆沢だ」 清栄の8番「一体、何度俺たちの邪魔をすれば気が済むんだよ、あいつらは……(ブツブツ)」 金成「あーあ……たった一点でお通夜かよ。不甲斐ないチームメイトだぜ」 清栄の9番「なにィ!?」 毒づいた金成に、反感の表情を浮かべるチームメイトたち。 金成「けっ。負け犬ぶりたいんだったら、そこで仲良く慰め合ってな。俺は一人でもやらせてもらうぜ。たかが同点だ。 俺がまた一点取ってくりゃ済む話なんだからよ」 清栄の2番「か、勝手に決めんな馬鹿! 誰が諦めたなんて言った!?」 清栄のキャプテン「俺たちも、まだ諦めたわけじゃない。三年間、一度も全国の舞台を踏まずに終わるわけにはいかないからな」 金成「ああ、そーかい(よし、そろそろ頃合いだな……)」 自陣営に辛うじて士気が残っていることを確認すると、金成はベンチにいる監督に目配せを送った。
[976]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/07(日) 02:35:20 ID:GE+4f6OQ あら、NPCパートを投下していたら500KBが目前に…… ちょっとキリが悪いですが、ここで次スレのスレタイ案を募集します よろしければ、以下の【】にスレタイ案を記入して書き込みしてください 【】キャプテンEDIT2【】
[977]森崎名無しさん:2010/03/07(日) 02:56:31 ID:??? 【大前よ】キャプテンEDIT2【大志を抱け】
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0ch BBS 2007-01-24