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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[311]創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:34:18 ID:k2fTkON3 "../test/read.cgi/morosaki/1267240628/310" >>310 ふっとばしてでも うばいとる
[312]創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:46:09 ID:4+eV3PfU "../test/read.cgi/morosaki/1267240628/309" >>309 ああ、あのどう見ても不審者の…… 納得しましたw
[313]創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 15:53:52 ID:Sas6fB79 若島津は昔からなんだかおかしなセンスしてるからなあ Jrユース終了後、静岡県の新人戦を見に来た時もかなりひどいものだったw
[314]創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 16:59:09 ID:PTIHz2fJ あのサスペンダーのついたアレかw
[315]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:06 ID:ShjjSqVH 約二十分後、翼は早苗に連れられ南葛市を見下ろせる小山に来ていた。 ここは翼が南葛市に引っ越してきた直後に石崎に案内された場所で、 若林邸に挑戦状代わりのサッカーボールを蹴り込んだのもここからである。 翼「うわあ、懐かしいなこの場所も!やっぱり良い眺めだ」 早苗「あら、知ってたの?ランニングで来た事があるとか?」 翼「ううん、ここは南葛市に引っ越してきた日に石崎くんに連れられてきた場所なんだ。 懐かしいなあ…あの後若林くんと勝負して、その後修哲少との対抗戦があって…」 思い出の場所とその光景に翼は頬を緩ませ見るからに機嫌が良くなった。 分かりやすい反応に早苗もクスクスと笑う。 早苗「小学校の頃なのに良く覚えているのね」 翼「そりゃあ、楽しかったし…早苗ちゃんは覚えていないの?」 早苗「いいえ、私もはっきりと覚えているわ。ある日突然転校してきたサッカーの 天才少年が当時全国ナンバー1の修哲少に挑戦状を叩きつけたんだもの。それに…」 翼「それに?」 早苗「それに…その対抗戦が翼くんと出会ったキッカケだし…」 翼「…そ、そうだね。俺も覚えているよ、俺の名前が描かれた手作りの大きな旗を 振り回す女の子が観客席に現れた時は凄くビックリしたし…」 早苗「うっ…と、当時の私って今から考えてみると凄く恥ずかしい事していたのね…」 翼「いや、その…俺も、恥ずかしかったけど嬉しかったよ?」 早苗「そ、そう?それならやった甲斐があったわ」
[316]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:20 ID:ShjjSqVH そのまま二人は甘酸っぱい会話に勤しみ、時に笑いを交わし時に顔を赤らめ 三年ぶりの二人きりの時間を楽しむ。今ここに居るのは翼と早苗とサッカーボールだけだった。 翼「南葛少と言えば、あの頃の皆は今どうしている?学とか」 早苗「皆受験したり就職活動をしたり様々だわ。小田くんみたいに実家の稼業を継いだ人も居るし」 翼「そうか…もうサッカーしていないのかな?」 早苗「大学でもやるって言っているのは南葛高に進んだ長野くんと岩見くんだけね。 大川くんも高校ではサッカーをやっていなかったし、4月からは普通のサラリーマンよ」 翼「ううん、長野と岩見だけなのか…日本にプロリーグがあれば皆も プロ選手になれたかも知れないのに(世界には通用しないだろうけど)」 早苗「そうね。今の所は翼くんみたいに海外でプロになるしかないみたい」 翼「…そうだね。日本にプロリーグが出来るにはまだ数年かかるらしいよ。 日本サッカー協会の人に聞いた話では水面下で色々進めているらしいけど…」 早苗「(………あら?)」 翼「…?どうかしたの、早苗ちゃん?」 早苗「え?い、いえ、なんでもないわ(翼くんだったらブラジルのプロリーグがどれだけ素晴らしいか 凄い勢いで話し始めると思ったのに…なんだか顔が曇っている?)」 だが二人の青春丸出しの語らいは徐々に明るくなくなっていった。 話題が現実的になってきたせいもあるが、それ以上に何故か 翼の顔から微笑みが徐々に消え早苗がそれに違和感を感じ始めたのだ。
[317]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:10:54 ID:ShjjSqVH 早苗「…ねえ。ブラジルのプロって、やっぱり凄い?」 翼「うん、それは勿論。中学卒業前に実業団のチームの練習に混ぜてもらっていた事があったけど ブラジルに渡ってから実際にプロの試合を見てみたら、実業団の人たちには悪いけど 日本のレベルの低さが恥ずかしくなる位だったよ。これじゃ日本がサッカー後進国なのも当然だってね」 早苗「…そこまで?(昔から実力主義だったけど、そこまでハッキリ言うなんて…)」 翼「うん。日本人って言うだけでバカにされる環境だったよ。だから努力し続けたんだ。 練習は辛くて苦しくて嫌だったけど、バカにされるのはもっと嫌だったから…」 早苗「(れ、練習が辛くて苦しくて…嫌だった?翼くんが…大好きなサッカーの練習が嫌だった!?)」 話題が翼自身のサッカーに移ると、いよいよ早苗は驚きを隠せなくなった。 彼女が一度も見た事も無い程鋭く固い表情の翼から、翼の口から出たとは思えない言葉が出てくる。 翼「その甲斐あって俺をバカにする奴は居なくなったよ。日本人はサッカーが出来ない、 なんて言う奴らも居なくなった。まあ、これは同じ時期に森崎も活躍していたのもあるんだろうけど…」 早苗「(何か相槌、相槌…)森崎くんが…そう言えばリオカップって言う大会で森崎くんに勝ったのよね?」 翼「…うん。ブラジルの強豪チームを複数倒して勝ちあがってきた森崎を大差で倒し、 俺は名実共にブラジルリーグの若手ナンバー1として認められたんだ。マスコミもファンも大騒ぎしてくれた」 早苗「(な…なんで…楽しい話題の筈なのになんで…)」 翼「クラブも手放しで褒めて凄い高額のプロ契約をしてくれたんだ。俺は来月からプロとして戦う。 引退するまでの長い長い戦いの舞台に立てるんだ…なのに」 早苗「(子供の頃の夢が叶ったんでしょう?思う存分サッカーが出来るんでしょう!? なのに…なのになんでそんなに怖い顔をしているのよ、翼くん!)」
[318]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:11:53 ID:ShjjSqVH 話が進む毎に翼の顔と声は固く重くなっていき、それは最早叶い始めた夢を追う若者ではなく 終わりが見えない戦争に徴兵された若者の様な姿だった。三年間思い描いてきた前向きで凛々しい翼とは あまりにも違うその様子に早苗は恐怖で竦み上がり声が出せなくなってしまう。 翼「なのに…(なのに、なんだか不愉快で堪らないんだ。森崎に勝ってプロ選手になれたのに、念願をいくつも叶えたのに)」 早苗「(つばさ、くん、よね…?私が好きな翼くんなのよね?)」 翼「(…ってこんな事早苗ちゃんに言えないよ!何考えているんだ俺!…あれ?)早苗ちゃん?どうしたの?」 ようやく翼が我に返った時、早苗は自分を抱きしめながらガタガタ震えていた。 慌てた翼が普段の顔と声に無意識に戻り、それを見た早苗も怯えが収まる。 だが二人の破滅はここからだった。 翼「ゴ、ゴメン!俺、何か傷つける様な事言ったの!?」 早苗「う、ううん。そうじゃないの。ちょっと怖かっただけ…」 それは、早苗にとってはなんでもない一言だった。 翼「怖かった?お、俺が?」 早苗「うん…さっきの翼くん、なんだか凄く張り詰めた表情と声で…」 目の前の恐怖から解放されて深く考えずに出した素直な一言だった。
[319]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:12:14 ID:ShjjSqVH 翼「そんなに?確かにサンパウロでもそんな事を言われた事はあったけど…」 早苗「きっと私の知らなかった翼くんなんだわ。でも当然よね、私達二人とも大人になったんだもの」 だがそれは翼にとって呪いの一言となる。 翼「そうなのかな…俺、そんなに変わった?」 早苗「うん。そういえば、ジャパンカップでプレイを見た時も、あれ?って思っていたわ」 サッカーと共に育ち、サッカーを愛し、サッカーに人生を捧げるのが当たり前だった翼に。 早苗「今の翼くんって、まるでサッカーが好きじゃないみたい」 彼女はその一言を言ってしまった。 翼「………え?」 傍目には翼は驚きで固まった様にしか見えなかっただろう。 早苗もそう判断し、慌てて弁解を試みた。だがそれが翼の心に届く事は無かった。 早苗「あ、ごめんなさい!私バカな事言ったわね」 翼「(サッカーが…好きじゃない…?)」
[320]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/22(月) 17:12:46 ID:ShjjSqVH いったんここまで。
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