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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[350]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:55:58 ID:kMe4/qku 悩み事が解決された森崎が立ち直るのは速かった。出世払いの様な物だと促されても 平気で巨大な目標をぶち上げ、周りが苦笑しても全く悪びれようともしない。 ルーカス「良いメンタルです。何時までも勇敢なキーパーのままで居て下さいよ」 森崎「当然!で、もう一つのリクエストはなんです?」 ルーカス「ええ、こちらの方がより大事なリクエストなのですが…」 それも束の間の事で、ルーカスがより真剣な表情になると森崎も笑顔を引っ込めた。 ただならぬ様子に見上、賀茂、片桐兄妹までも沈黙したのを見計らい、ルーカスは口を開き… ルーカス「ギロッポンのGEISHAガールと遊びたいので良いお店を紹介してください」 ニマーっとお世辞にも上品ではない笑みを浮かべた。 森崎「ぎ…ぎろっぽん?何ですかそれ?」 ルーカス「おや?トーキョーのミナトクと言う地域にそういう名前の繁華街があると聞いていたのですが…」 陽子「東京の港区…六本木の事ですか?」 ルーカス「OH!ロッポンギと言うのですか。間違えて覚えていた様ですね、HAHAHAHA!」 陽子「(どうやったら間違えられるのかしら…)」 大真面目な話をしていた筈なのに突然下卑た話題になり、日本人5人は目が点になった。
[351]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:56:17 ID:kMe4/qku 森崎「…えーっと、要はエッチな事が出来る飲み屋に行きたいって事で良いんですか…?」 ルーカス「YES, YES!」 陽子「(なんてワクワクした顔…子供みたいに瞳を輝かせてるし…)」 森崎「(そういや旅先での浮気が趣味だったなこの人…)ルーカスさん、 日本の飲酒年齢は20歳からなんですよ。俺今18歳なんで、そういう店には行けません」 ルーカス「WHAT?それは残念ですね。ではどなたか別の人に案内を…」 年齢の都合で森崎が頼みを断るとルーカスは後ろの4人に視線を向けた。 たちまち同じく未成年でありそれ以前に女である陽子が顔を背け、残りの3人が醜い押し付け合いを始める。 片桐「私はオランダユース戦の準備で忙しいので、見上さんお願いします」 見上「私だって合宿を監督せねばならん!賀茂、ここは頼んだぞ」 賀茂「待て、俺はお前らと違って貧乏人なんだ!金持ちの片桐が行けよ!」 片桐「無理です!私はそんな店に行ったら…私の家庭の事情はご存知でしょう!」 見上「私なんか妻子持ちだ!家庭を崩壊させろと言うのか!」 賀茂「汚えぞてめえら!いくら裏方だからって汚れ役を全部引き受けて堪るか!」 ルーカス「ホッホッホ、遠慮せずに4人で行きましょうよ。皆で楽しく命の洗濯をしましょう」 片桐・見上・賀茂『そういう訳にはいかないんですよ!』
[352]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:56:31 ID:kMe4/qku 陽子「キャバクラの案内を押し付けあう日本サッカー協会の役員達…な、情けないわ」 森崎「つーかルーカスさん、俺がワールドユースのMVPを取るよりも女遊びが大事なのかよ…」 呆れて見ていられなくなった森崎と陽子は廊下に退散し、そのまま病院の庭に出た。 冬を超えて春に備えている桜の木を見ると恥ずかしい気持ちも無くなり二人に笑顔が戻る。 陽子「なにはともあれ、お金の工面がついて良かったわね森崎くん」 森崎「全くだぜ。世の中金だって思い知った。この大事な時期を逃していたらと思うとゾッとするぜ」 A 「ところでさっき片桐さんが言ってた家庭の事情って何なんだ?」 B 「とは言っても、リハビリもしっかりやらないと腕が落ちちまうな」 C 「有難う陽子さん。マジで救世主だったよ、助かった」 D 「ここで一句詠むか。枝折れど 尚も華咲く 森の先」 E 「元気になったらまた海にでも行こうぜ、陽子さん」 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて ☆2010/3/24 11:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 15 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を 止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[353]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 08:58:07 ID:kMe4/qku 投票期間を☆2010/3/24 10:00:00☆からに訂正します。
[354]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:27:34 ID:kMe4/qku >C 「有難う陽子さん。マジで救世主だったよ、助かった」 陽子「どういたしまして。でも実際に助けに来てくれたのはルーカスさんとパルメイラスよ。 私はただの連絡員だからあんまり胸を張れた事でも無いわ」 森崎「まあ、そうなんだけどさ。連絡が遅れていたらそれだけで俺どんどん嫌な気持ちになっていただろうよ。 それに上司…じゃないけど敬わないといけないおっさん4人に囲まれていたらそれだけで気がめいるし」 早苗「あら、森崎くんはまだ良いわよ。私なんかそういうおじさん達と日常的に顔を会わせているんだから。 いやらしい目で見られる事も珍しくないんだから、ホントいやんなっちゃう」 森崎「そりゃあ、陽子さんのナイスバディじゃなあ…」 陽子「あら、硬派な学生時代を過ごした森崎くんとは思えないセリフね」 森崎「俺だって女に興味はあるさ。っていうか俺の学生時代まで調べているのか? (まさか俺が覗き好きだって言うのまではバレていないよな…)」 陽子「あくまで学校側の報告を聞いた程度よ。浮ついた話が無く、更にかなり腕白だったらしいわね? パルメイラス時代もGK達と殴り合いをした事があったって聞いているわよ」 森崎「ちぇっ。有名税って奴かよ」 森崎と陽子はしばし散歩しながら他愛の無い会話に花を咲かせた。 しかし病院の庭は狭く、見られる物も少ない。 森崎「そろそろ中に戻るか?」 陽子「う〜ん…兄さん達がまだまだケンカしていそうでちょっとイヤね…」
[355]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:27:50 ID:kMe4/qku 森崎「確かに…って言うか片桐さんこんな所でノンビリしていて良いのか? オランダユース戦が急に決まったから不眠不休で走り回っているって聞いたけど」 陽子「それは今朝までの事よ。もう60時間くらい寝ていないそうだけど、それだけ 頑張った甲斐あって急ピッチで手続きが進んだんだって。今日の午後からは明日の朝まで休みよ」 森崎「そうか。しかしこんだけ迷惑をかけるなんてオランダユースもふてえ奴らだな」 陽子「全くね。ただ、彼らはそれだけ自惚れる資格のある強さを持っているかも知れないわよ」 森崎「西ドイツユースを4−1で倒したってアレか?一体どうすればそんな事が出来るんだか…」 陽子「私もビデオを見た事が無いから詳しい事は分からないんだけれど… どうやら彼らはトータルフットボールと言う戦術を使い、試合の主導権を握ったそうよ」 森崎「トータルフットボール…?」 陽子「私はその単語を聞く事自体初めてでどんな戦術か知らないんだけど…森崎くんは知ってる?」 森崎「なんか何時かのオランダ代表がワールドカップで使っていた戦術…だったと思うが詳しい事は知らん」 陽子「そう…試合で実物を拝むしかなさそうね」 二人の会話は自然とサッカー関係の物に移り数日後に行われる全日本対オランダの話題になる。 例え森崎が参加出来ない試合であっても、二人が安息を得られる時ではなかった。 ちなみにルーカスの案内は結局マスコミに見られてもスキャンダルの心配が無い賀茂が 金は見上と片桐が半分づつ出すと言う条件付で押し付けられる事になった。 「クノイチは何処ですか?」などと日本文化誤解を繰り返すルーカスにさぞや手を焼いたとの事である。
[356]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 12:28:28 ID:kMe4/qku いったんここまで。
[357]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:16 ID:kMe4/qku そして試合の三日前、オランダユースは来日した。 彼らは試合前の二日間を都内の練習場で調整に費やした後試合前日の夕方に記者会見を開いた。 ただでさえジャパンカップの成功でサッカー熱が高まっている時期に 間違いなく強豪国と言えるオランダがやってきた為マスコミの注目度は高く、 記者会見にはスポーツ関係に限定されない大手新聞やテレビの記者が詰め掛けた。 記者会見に出席したのはデニス・クラマー監督とキャプテンのブライアン・クライフォート。 全日本ユースも見上と暫定キャプテンの三杉が出席した。 まずはオランダユース側へのインタビューが行われた。 記者A「クラマー監督、日本の印象はどうでしょうか?」 クラマー「実はわしは以前何度か日本に来た事がありまして、これが一度目では無いんですよ。 日本は過ごしやすくて良いですね。ラッシュアワーの電車だけは疲れますが」 記者A「ではクライフォートくん、君は日本は初めてかな?」 クライフォート「ええ。感想を言うと…ハシが使いにくくてしょうがありませんね。テンプラは気に入りましたが」 記者B「来年のワールドユースに向けて、ヨーロッパ予選を突破出来る自信はありますか?」 クラマー「それは勿論。予選にも強いチームは沢山出てきますが、我々は一位突破を目指します。 皆さんが来年の4月ブラジルに赴けば、そこで凄く強いオランダユースを見られると思いますよ」 最初は当たり障りの無い質問から始まり、クラマーとクライフォートもニコニコと友好的に答える。 だが質問が明日の試合に関係する様になると途端に二人の態度は豹変した。
[358]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:30 ID:kMe4/qku 記者C「お二人両方に答えて頂きたいのですが、全日本ユースの選手で特に注目している選手は居ますか?」 クラマー「そうですね。やはりツバサ・オオゾラ、ユーゾー・モリサキ、ゲンゾー・ワカバヤシの3人でしょうか。 この3人がいずれもそれぞれの事情で今回の試合に出れないと知って大変残念に感じました」 クライフォート「正直言ってこの3人の内誰も居ないんじゃ負ける気はしませんね」 三杉「!」 ォオオオオオオオオオ… 記者D「で、では他には脅威に感じる選手は全く居ないと…?」 クラマー「前述の3人には劣りますが、コジロー・ヒューガ、シンゴ・アオイ、トメヤ・アカイの3人も中々ですね。 ただヒューガも出場しないそうですし、アオイとアカイはジャパンカップの怪我から回復したてだと聞いております」 クライフォート「そしてそこに居るジュン・ミスギもテクニックは素晴らしい物がありますが…それだけです。 所詮はプロサッカーに縁の無い日本育ちの選手。既にアヤックスの一軍でプレイしている俺の敵ではありません」 三杉「………」 いきなり慇懃無礼になった二人の発言に記者達はどよめき、同席している三杉は目を冷たく光らせる。 更にクライフォートは立ち上がって腕を広げ、黙り込んでしまった記者達にスピーチをする様に堂々と宣言をした。 クライフォート「今のやり取りを聞いて皆さんはどんな感想を抱いたでしょうか?自信過剰、大言壮語、無礼千万… そう言った単語で集約できる感想でしょう。3年前フランス国際Jrユース大会を制した日本を侮ったら後悔するぞ…と。 しかし明日その思いは裏切られ、今我々が言った事はただのシンプルな事実であったと理解出来るでしょう。 我々オランダユースは全日本ユースを敬意を持って大差で倒しますので、一方的な虐殺ゲームをぜひぜひお楽しみ下さい」
[359]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:43 ID:kMe4/qku ザワザワザワ… 記者達「(な、なんて傲慢な…)」「(いくら自信があってもそこまで言うか?)」「(監督もニコニコしてて咎めようともしないなんて!)」 スタッフ「で、ではオランダユースへの質問を終わりにします!続きまして全日本ユースへの質問をどうぞ!」 親善試合に来たとは思えない態度での大勝宣言に場内に不穏な空気が流れ始める。 それを敏感に察したスタッフによってオランダ側への質問時間は打ち切られ、日本側への質問が始まった。 だがスタッフの配慮も空しく記者達はオランダ側の態度に関した質問を我先にと飛ばす。 記者C「見上監督!今のオランダ側の発言をどう思いますか!」 見上「自信があると言う事でしょう。こちらにも自信はあります。自信の無いチーム同士で戦っても意味がありませんから」 記者D「しかし、実際に主力選手が何人も欠けているこの状態では勝利は難しいのでは…」 見上「戦力と勝率が落ちたのは事実です。それをなんとかするのが私の仕事です」 記者E「具体的にはどうするんですか?」 見上「それを今ここで言っては敵に塩を送ってしまうでしょう。明日まで秘密ですよ」 幸い見上は模範的な対応で上手く煙に巻き、自分やチームの立場を危うくする失言を一切しなかった。 それでも特ダネが欲しい記者達は今度は矛先を三杉に向ける。 記者A「三杉くん!クライフォートくんは君の事を格下だと思っている様だけど?」 三杉「その様ですね。実際に実績とコンディションから見れば 僕達全日本ユースはオランダユースにとってかませ犬にちょうど良いでしょう」 クライフォート「(ほう…)」
[360]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/24(水) 15:52:57 ID:kMe4/qku 記者B「そ、それは最初から勝利を諦めているって事!?」 三杉「全然違います。かませ犬にはかませ犬なりの戦い方があります。そして明日の試合に勝つ為に まず必要な事は相手が格上だと認めておく事。次に格下らしく大物食いを狙いに行く事ですよ」 記者達「れ、冷静だ…」「流石貴公子、三杉淳」「こりゃあ良い記事になるぞ!」 クライフォート「(この程度の挑発には乗らないか。頭は良い様だな)」 三杉「ブライアン・クライフォート」 スクッ。 三杉もまた見上同様失言を避けたが、同時にマスコミ受けが良くなる味付けをしたコメントをした。 更に三杉はドラマ性を求めて先ほどのクライフォートに対抗する様に立ち上がりオランダ側を向く。 スクッ。 クライフォート「何かな?」 三杉「明日は良い試合にしよう」 クライフォート「…フフフ、それは勿論。我々サッカー選手はスポーツマンであると同時にエンターテイナーでもある。 明日はお客さん達を退屈させない試合にしよう…それがどんな結果であってもな」 ガシッ。 見上「(似た者同士だな)」 クラマー「(同類嫌悪で絶対に仲良くできない二人だな)」 冷笑に満ちた記者会見は両チームのキャプテンの握手で幕を閉じた。
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0ch BBS 2007-01-24