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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[416]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:26:18 ID:jeXBTP58 同点ゴール後の全日本は目に見えて息を吹き返した。 ゲームの主導権は握られたままだったが堅守を保ちオランダにシュートを撃たせなかったのだ。 バシッ! 放送「三杉くんまたしてもパスカット成功!オランダのチャンスの芽を未然に摘み取りました!」 三杉「(よし。大分彼らのパスパターンを読める様になってきたぞ)」 特に目覚しい働きをしたのは三杉で、全日本ユースのメンバーの内ただ一人だけ オランダのパスワークについていき大事な場面でのパスを次々とカットしていった。 バチィ! 中里「ぬわっ!」 ドカッ! 葵「うわあ!」 ただし、中里と葵のサイドアタックも全く通用していなかったので全日本ユースにも チャンスは全くなかった。見ているだけの森崎にはじれったい展開である。 森崎「チッ。搦め手で一点取ったは良いが、元々の戦力差は変わらないな。 オランダも全然焦らってないし、ゆっくりじっくりいたぶるつもりか?」 シュナイダー「…そうだと良いんだが」 森崎「ん?何か心配なのか、シュナイダー?」 シュナイダー「ブライアン・クライフォートは…敵と味方をハッキリと分けるタイプだ。 あいつの傲慢さも確固たる信念に基づいた物だ。ミスギにゴールされた事はあいつにしてみれば 自分とオランダに泥を塗る失態だった筈。このまま何もせず普通に勝つだけでは良しとしないかも知れん」 森崎「…おいおい…」
[417]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:28:12 ID:jeXBTP58 いったんここまで。
[418]2 ◆vD5srW.8hU :2010/03/29(月) 16:29:26 ID:jeXBTP58 誤字訂正: × オランダも全然焦らってない ○ オランダも全然焦ってない
[419]創る名無しに見る名無し:2010/03/31(水) 00:15:53 ID:AvLkBAgZ 乙です。 これはまさか三杉がMに目覚めるフラグでは!? 弥生ピンチ!!
[420]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:07:30 ID:rpfx2XZy シュナイダーの懸念は当たっていた。一度クライフォートと戦った事がある彼は 自分とは違うタイプの強さを持つ彼の性格を全日本ユースメンバーより把握していた。 パチッ! クライフォート「”そろそろ本気を出すぞ皆”!!」 オランダメンバー『おう!!』 全日本メンバー「なにィ!?」「今まで本気じゃなかったってのか?」「ハッタリだ、惑わされるな!」 前半終盤突入直後、クライフォートは指を頭上で鳴らしながら高らかと宣言した。 待っていましたとばかりに大声で呼応するチームメイト達の様子に 全日本ユースの選手達もこれを警戒し、お互いを鼓舞しながら集中力を高める。 折角同点に追いついたまま耐えているのだからここでゴールさせてなるものかと。 だがクライフォートの目的はゴールを奪いに行く事ではなかった。 それはただの手段であり、結果でもあったが目的ではなかった。 クライフォート「(ミスギの位置は…よし、良いぞ。このタイミングとスピードだ!)イスラス!」 バコォッ! ダダダッ! バシッ! 三杉「………?」
[421]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:08:11 ID:rpfx2XZy 自陣側に走りこむ形でクライフォートのパスをカットした時三杉はなんとも言えない違和感を覚えた。 今までよりも読みやすくカットしやすいパスに見え、そしてその通り簡単にカット出来た事に。 放送「三杉くんまたしてもパスカット!全てを見通すかの様なナイスディフェンスの連発で あれほど激しかったオランダの攻撃を不自由で不揃いな物に変えています!」 全日本メンバー「良いぞ三杉ー!」「中里だ、近くの中里に渡せ!」 だが彼にそれ以上を訝しむ余裕は無かった。キャプテンとしてチームを率いるだけでも 多大な重圧がかかるのにオランダユースのハイレベルなパスワークを必死に読み当てていた 今の彼は精神的にかなり消耗していた。無論肉体的な消耗も軽視出来ない域に達している。 葵「あっ!三杉さん前、前〜〜〜っ!!」 三杉「!?」 ドドドドッ!! リブタ「オラァッ!」 ディック「さっきのお返しをしてやるぜ!」 ドガガガァッ!! 三杉「ぐわぁあああっ!!」 ドタッ! この状態でオランダ陣側に向き直った瞬間目の前に迫ってきていたリブタとディックをかわせと言うのは無理だった。
[422]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:08:44 ID:rpfx2XZy 放送「あああ〜っとしかしここでリブタくんとディックくんが大胆にも二人がかりのオーバーラップ! 示し合わせたかの様なタイミングの二方向からのタックルで三杉くんを吹き飛ばしたァ!!」 弥生「キャアア〜〜〜!!(ご主人様〜!)」 観客「ああっ、三杉さんが〜〜〜!!」「な、なんでセンターバックが二人もあそこにいるんだよ!?」 森崎「あっちゃあ…やっぱりフィジカルが弱すぎるのを狙われ…ってなんでそれを知ってるんだ!? いくら筋肉が足りてないっつっても初対面の試合中に見るだけで分かる程じゃねーぞ!」 フライハイト「答えは簡単だ。知っていたんだろう」 シュナイダー「クライフォートは相手の研究を怠る愚か者ではない」 森崎「な…なんだと?まさか…」 全日本メンバー「み、三杉がやられた!」「慌てるな、持ち場をしっかり守れ!」「ここを凌ぎきれば前半は終わりだ!」 今まで以上に積極的なDFの攻撃参加とそれによって三杉が当たり負けしたことで 動揺が走る中、ボールを奪ったリブタはそのまま自らのドリブルで中央から切り込んできた。 リブタ「オラッ行くぜ弱小国のDFども!俺がドリブルの仕方を教えてやる!」 赤井「なんだって!?」 早田「良い度胸じゃねーかコラァ!お返しに俺がタックルの仕方を教えてやらァ!」 無謀もしくは挑発的とも取れる中央突破に早田がいきり立ってタックルを仕掛けに行く。 強気な彼らしいアグレッシブさだったが、この場合は完全に裏目に出た。
[423]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:11 ID:rpfx2XZy リブタ「良く覚えておけ!ドリブルをより良くするのは…パスと言う選択肢だ!」 ポンッ。 早田「なあっ!?て、てめえええっ!!」 リブタが軽くボールを浮かせる様に前方に蹴り上げた時早田は何も出来なかった。 放送「そのままリブタくんが前方へのループパス!これにレンセンブリンクくんと次藤くんが飛びつく!」 次藤「こ、このっ…!」 レンセンブリンク「うすのろ」 バッコォン! 放送「次藤くん完全に競り負けた!レンセンブリンクくんが逆側にはたいたボールはPA外でカイザーくんが拾いました!」 そしてレンセンブリンクのポストプレイからカイザーがボールを受け取った時、三杉の運命は決まった。 クライフォート「よしやれカイザー!お前のドリブルで追い討ちをかけろ!」 カイザー「了解だぜ!ヘヘッ、楽しいなァ!」 若島津「1対1を仕掛けてくるつもりか!?」 中山「そうはさせない!赤井気をつけろ!」 赤井「はいっス!…えっ?」 ダダダダッ!!
[424]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:35 ID:rpfx2XZy カイザーは走り出した。全日本ゴールに背を向けて。 カイザーはドリブルで向かった。ようやく立ち上がりゴール前の守りに参加しようとしていた三杉に。 三杉「な…なにィ!?」 カイザー「も一回空中遊泳を楽しみなァ!」 ドガアアッ!! 三杉「し…まった…ぐああっ!」 ドタッ! ガキッ! 日向も舌を巻くであろう程の強引なドリブルで吹っ飛ばされた時三杉は理解した。 オランダユースは接触プレイの連発で彼を潰しに来ている事を。そして自分は負傷してしまった事を。 カイザー「ハッハハハァ!すげーだろ俺!」 中里「笑止!」 葵「よくも三杉さんをーっ!」 ズザザザーッ! バチッ! カイザー「うお!?」 クライフォート「全く詰めの甘い奴め」 直後にカイザーは中里と葵にボールを零されていたが、これもクライフォートがフォローした事でなんの救いにもならなかった。
[425]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:09:55 ID:rpfx2XZy 放送「こ、これは一体…?ゴール前に切り込むと思われたカイザーくんが突如逆走し、 三杉くんを突破した後ボールをこぼされました!一体何の作戦なのでしょうかこれは?」 観客「な、なんだァ?」「さっきの絶好の得点チャンスだったよな?」「それより三杉は大丈夫なのか?」 実況と観客は分かっていなかった。オランダが三杉の弱点を狙い彼を潰しにかかった事を。 見上「まさか…!?」 岬「(容赦無いな…恐ろしいチームだ、オランダユース)」 全日本メンバー「また三杉が!」「くそっ、ラフプレイばっかりしやがって!」「クライフォートが来るぞ!」 全日本ユース側は程度の差はあれど気付きかけていた。オランダユースの狙いと恐ろしさを。 森崎「あいつら絶対に狙ってやがる!くそっ、油断していた様に見えたのはブラフか!」 シュナイダー「この試合、ミスギのゴール以外は全てオランダユースの手中にあったと言う事だ」 弥生「あ、ああ…ああ…!いやぁあああああああああ〜〜〜!!」 森崎と二人のドイツ人、そして三杉にもっとも近い少女はオランダの意図に気付いていた。 だが彼らに出来る事は何も無かった。 クラマー「(備えあれば憂い無し。ジュン・ミスギよ、恨むならサッカー後進国に生まれた自分を恨んでくれ)」 オランダメンバー『(よし、ミスギは負傷した!後はトドメだけだ!)』 クライフォート「ジュン・ミスギ!敬意の証に見せよう、このシュートを!」 当然オランダユース側は自分達の狙いを知っていた。前々から準備していた作戦だったからだ。
[426]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 18:10:25 ID:rpfx2XZy ダダダッ! グワァアアアアアアアッ!! 三杉「………!?」 足の痛みを残り少ない意志力で堪えながら起き上がろうとしていた三杉が見た物は 自分の目前で大きく足を振り上げるクライフォートの姿だった。 その時悲鳴を上げなかったのは彼のせめてもの抵抗だったのか、それともそれすら出来なかったのか? その時彼の顔は絶望と恐怖で誰にも見せたくない程歪んだ事を考えれば後者だったかも知れない。 クライフォート「このアキュートシュートで…貴様を貫く!!」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ゴガァアアアアアッ!! 胸部にボールを当てられた彼の体は木の葉の様に宙を舞った。 この時も悲鳴は出なかった。叫べるだけの酸素が無かっただけだったが。 薄まる意識の中で三杉はふと思い出した事があった。それは何時か誰かに言われたセリフだった。 三杉「(そう言えば誰か言ってたな。プロの世界では技術や戦術だけでなく、精神力、スタミナ、フィジカル… 全てが求められる。そして何か弱点があれば徹底的にそこを突かれるって… ハハハ…その通りだった。完全に大当たりだよ…でも誰に言われたんだっけ、これ…)」
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0ch BBS 2007-01-24