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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[434]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:44:15 ID:rpfx2XZy 言い返せなくなったのではなく、相手が何を言っているのか分からなくなった松山はぽかんと口を開けたまま黙ってしまった。 そして代わりに弱弱しい声を出したのは既にタンカに乗せられていた三杉だった。 三杉「彼は、間違って、いないよ…」 中山「み、三杉!」 三杉「クライフを超える為に、トータルフットボールを変える為に…美しいサッカーを敗因にしない… その信念も…ラフプレイに弱いと言う僕の弱点を、容赦無く突くプロ精神も…間違ってはいない、さ… ただ、トータルフットボールと言う先入観を、幻想を…僕たちが彼らに、勝手に抱いていただけ、だ…」 松山「…そんな…」 三杉「もっとも、クライフが認めるとは、思えないし…僕も、好きなサッカーじゃない、けどね…!」 クライフォート「フッ…頂点の目指し方は一つではないと分かっている分 お前は大した物だよ。それだけのセンスとメンタルを持ちながら プロリーグの無い日本と言う国に心臓病と言うハンデ付で生まれたのが実に惜しいな」 早田「ちょっと待った!なんでてめえが三杉が昔心臓病だったって事を知ってんだ!?」 まさか三杉がオランダのやり方を認めるとは思って居なかった松山はまたもや絶句し、 代わりに今度はクライフォートの一言に驚いた早田が口を挟む。 それに答えたのはクライフォートではなくイスラスだった。 イスラス「お前達は俺達が傲慢だと感じている様だが…本当に傲慢なのは俺達が下調べを怠り 油断する様な無能だと見下しているお前達じゃないのか?タックル以外は何も出来ないソーダよ」 早田「な…なんだと…!?」
[435]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:47:25 ID:rpfx2XZy クリスマン「油断しているフリを本当の油断だと思っていた様だな。俺達は実際はちゃんとお前達を研究してきたぞ」 カイザー「ハッハッハー、あっさり騙されてやがんの!」 レンセンブリンク「愚鈍め」 ディック「なんならこの場でお前ら全員の弱点を言ってやろうかァ?」 リブタ「よせよせ、どうせすぐに思い知らされるんだしさ」 そして場の雰囲気は完全のオランダ側に飲まれた。形としては松山が先に食ってかかった為 審判もどちら側を注意して良いか判断がつかず、不快な空気のまま三杉がタンカで運ばれていく。 ややあって松山がキャプテンマークを腕にはめながら再び口を開いた。 松山「…さっき言った事は謝る…理解も共感も全く出来ないが、 それでもお前達を否定するのは俺の考えを押し付けているのと変わらない…」 クライフォート「ほう…」 松山「…だがお前達が三杉にした事は許さない!この試合、勝たせてもらう!」 クライフォート「面白い、出来るならやってみろ…出来るのならな。フフフ…」 放送「あっと、ようやく試合が再開しそうです。先ほどまで三杉くんがクライフォートくんのシュートで 負傷させられた事に怒った全日本ユースがオランダユースと言い争っていた様ですが、 なんとか収まった模様。乱闘が起きなくてなによりでした」 森崎「汚え…訳じゃないんだよな(俺も結構手段を選ばないしな)」 シュナイダー「シュートで相手DFを負傷させて何が悪い?無論、反則なら話は別だが」
[436]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/01(木) 22:55:54 ID:rpfx2XZy 今日はここまで。また明日お会いしましょう。 予想以上に賛否両論になったオランダユースの性格設定ですが、彼らはもともと 登場するタイミングと実力設定を特別編に準拠するとどう転んでも全日本にとっては 憎まれ役にしかならないので徹底して悪役チームになってもらいました。 さもないとただの「物語後半で当たるそこそこ強いけど印象が薄い敵チーム」で終わってしまいますしね。 どうやってもある程度は嫌われ者になってしまう存在なので受け付け辛い人も居る様ですが、 「魅力的な悪役」を描いていける様努力していきますので辛抱強くお付き合い頂けたら嬉しいです。
[437]創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 23:10:47 ID:nH05hpCc 乙です 続き楽しみにしてますー
[438]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:25 ID:xYawRjUv 前半43分のオランダの追加点と三杉の負傷交代。 これを皮切りに松山達の絶望的な戦いが始まった。 松山「皆…前半終了間際だ。”アレ”を使うぞ」 中山「”アレ”…?あ!そうか!”アレ”はJrユース大会で使っていないな」 松山「ああ。そして俺も高校時代使っていない。奴らが俺達の事をいくら 研究していても、流石に”アレ”だけは予想していない筈だ」 政夫「よっしゃ、やろーぜ!」 和夫「まずは俺達が切り込んでやるぜ!」 クライフォート「(何か仕掛けてくるつもりの様だな。さて、どの程度の物か)」 ピィイイイイイイイイイイイイイ!! 松山「みんな上がれ!全日本のなだれ攻撃だ!」 松山がまず試したのはキックオフと同時のなだれ攻撃だった。 全日本メンバー『おう!!』 ドドドドドドドドッ!! クライフォート「ん?」
[439]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:41 ID:xYawRjUv 放送「お〜〜〜っと、これは全日本ユースのキックオフ直後の全員攻撃! 先陣を切る立花兄弟を筆頭に雪崩の様にフィールダー全員がオランダ陣内に 押し寄せていく!これは松山くんが中学時代ふらので使っていたなだれ攻撃か!」 観客「おーっしゃ、良いぞ!」「三杉の仇を取りに行けーっ!」 政夫「もうお前らの好き勝手にはやらせねェぞ!」 和夫「一気に攻め込んでやる!」 パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ! カイザー「しゃらくせーっ!」 レンセンブリンク「ここだ」 バチィッ! スルバラン「よし!俺がフォローを…」 松山「いいや、まだ俺達のボールだ!」 バシッ! スルバラン「なにィ!?」 ずっとベンチでオランダの戦い方を見ていた松山は一つの策を持っていた。 トータルフットボールの影響でセカンドボールを悉く押さえられるのなら、 同じくセカンドボールを確保する事を目的としたなだれ攻撃で対抗出来るかも知れない。 そしてその見込みは見事に当たり、松山はスルバランよりも早くボールに飛びつく事が出来た。
[440]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:17:57 ID:xYawRjUv 放送「立花兄弟突破ならず!しかしこぼれ球は松山くんがフォロー! 松山くんこれを右サイドの葵くんにはたきます」 松山「頼む葵!(それから中山、上がっておけ!)」 葵「は〜い!葵、いっきまーす!」 ダダダダッ! クリスマン「そう易々と通すか!」 ザザッ! バチィツ! 葵「わっ!」 中山「まだだ!」 バシッ! 放送「葵くんもクリスマンくんにボールをこぼされましたがすかさず中山くんがフォロー! 怒涛の勢いの攻め上がりによって攻撃権を維持し続けるなだれ攻撃が効果を発揮しています!」 クライフォート「(これは…フォローしやすいポジショニングを意識した全員攻撃か。 守備的なリスクを抱えてはいるが、悪くない連携だ。だが…)」 中山「中里ォ!」 バッコォオオン!! ヒューン!
[441]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:18:12 ID:xYawRjUv 全日本ユースは運動量を増やしフォロー率を上げた事でこぼれ球をつかむチャンスを得た。 松山の目論見通りなだれ攻撃はトータルフットボールの優位性を打ち消す事が出来たのだ。 放送「ここで中山くん大きくサイドチェンジ!逆サイドの中里くんにボールを託します!」 中里「任された…ぬおっ!?」 クライフォート「何時まで逃げ切れるかな?」 スルバラン「これ以上はやらせんぞ!」 中里「ぬわっ…!」 ズザザザーッ! バァアーーーン!! 全日本メンバー「またこぼれた!」「確保しろ!攻撃し続けるんだ!」 オランダメンバー「いい加減キープするぞ!「これ以上やらせるな!」 放送「しかし中里くんも攻め込めず!ボールはあらぬ方向に飛んで行き 両チームの選手達が狭い空間でぶつかり合い始めました! 時間は既にロスタイム、ここでキープ出来ればまだ攻撃できます全日本!」 しかしトータルフットボールを完全に打ち消すには到らなかったなだれ攻撃の本来の効果は発揮されず、 やがて中盤での混戦が発生し両チームの選手達がボールを奪い合う様になる。
[442]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:18:44 ID:xYawRjUv イスラス「はっ!」 早田「だりゃっ!」 ガガッ! ディック「どけっ!」 次藤「ふんがっ!」 ボゴッ! 全日本メンバー『く…くそおっ…!』 クライフォート「フッ、悪くない試みだったぞ」 バシッ! そして最終的にボールを押さえたのはオランダだった。個人の能力のみならず チーム全体の運動量とポジショニングが特に作戦が無くても自動的に高い域を維持している トータルフットボール相手にはなだれ攻撃を中断された全日本ユースでは立ち向かえなかった。 松山「まだだ!ここでお前から奪う!」 ズザザーーーッ! クライフォート「だが結局は実力の差を埋める事など出来まい!」 ダダッ、クルッ。ポンッ! 松山「………畜生!」 ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! 最後にクライフォートが松山をクライフターンでかわした所で前半は終わった。 松山がこれしかないと言うタイミングで出した切り札もオランダを脅かすには到らなかった。
[443]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 14:20:53 ID:xYawRjUv いったんここまで。
[444]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/02(金) 17:31:55 ID:xYawRjUv 観客「くそっ、1−2か…」「三杉またケガしちゃったのかよ…」「大丈夫なのか?三杉無しで」 「なあに、松山や早田がやってくれるさ!」「守備は良いとして、攻撃が…日向何処行ったんだよ、全く」 ハーフタイムが始まった時、空は試合のこれからを占うかの様に雲が増え暗くなっていた。 それに影響された様に観客達の表情や雑談も重く暗くなっていき、 心配そうな雰囲気を空元気で吹き飛ばそうとする者達も出てくる。 森崎「ったく、そろそろ雨も降りそうだしいよいよ勝ち目は無くなったな。あーあ」 シュナイダー「そ、そうだな…」 森崎「ん?どうした、シュナイダー…とフライハイト」 空元気など出す必要は無い森崎はイライラと腕を組みながら毒を吐いていたが ふと様子がおかしいシュナイダーが気になって横を向いた。 すると普段の彼からは想像出来ない程なくそわそわしているシュナイダーと 同じく今までとは打って変わって機嫌が良さそうにしているフライハイトが目に入った。 フライハイト「…来るんだ!」 森崎「へ?何が来るんだ?」 フライハイト「雨が来るんだ!雨が来るぞ!」 森崎「はあ?」 ポツ、ポツ、ポタポタポタ、パラパラパラパラパラ、サーサーサーサー… 森崎「あ、本当に降ってき…た、な…?」 フライハイト「雨だ!ああ、雨だ!素晴らしき雨よ、もっと降り注げ!」
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0ch BBS 2007-01-24