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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[452]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:23:14 ID:G+D4BlBJ そして後半は全日本ユースに取ってとても残酷な、オランダユースの一方的なペースに終始した。 全日本のキックオフで始まったにも関わらずボールはほんの数分で奪われ、 そこからクライフォートに代わってCMFになったクリスマンが使い出した連携に誰も太刀打ち出来なかったのだ。 クリスマン「行くぞレンセン、カイザー!」 レンセンブリンク「分かった」 カイザー「カモーン!」 パンッ!ポーン!ダダダダッ!バコォン!ダダッ!パンッ! 全日本メンバー「な、なにィ!?」「は、早ェエエ!!」「なんだよこれ!?」 松山「くっ…まだこんなコンビネーションがあったのか!?」 クリスマン、レンセンブリンク、カイザーの3人が絶えず走り続けながら行う 3人がかりの連続ノートラップパス。彼ら自身がトリニティブレイクと名付けた この連携に圧倒された全日本は前半以上に攻撃権を取れなくなってしまう。 早田「レンセンブリンクだ!ポストプレイをしてくるぞ!」 レンセンブリンク「バカめ」 バッ!クルッ! バシュゥウウウウウウウウウウウウウウウッ!! 若島津「な…こ、これは三杉の!」 中山「ハイパーオーバーヘッドだ!」 赤井「(やべっ、ビデオで見てたのに!)」
[453]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:23:31 ID:G+D4BlBJ バスッ! ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! レンセンブリンク「俺の武器はポストプレイだけではない」 そしてそのまま切り込まれた後半5分にレンセンブリンクのハイパーオーバーヘッドが決まる。 全日本ユース 1−3 オランダユース スタタタタタタタッ! パシッ! 政夫・和夫『あああっ…!』 イスラス「遅い遅すぎるぞもう見飽きたワンツーならもっと速くやれそれで速攻のつもりか!」 キックオフからのジェミニアタックもイスラスにあっさりとカットされた全日本は それ以降完全に受身になり、自陣のゴール前をひたすら固めこれ以上の失点を 防ぐ事しか出来なくなった。そしてそれさえも満足に出来る事ではなかった。 カイザー「ほれほれほーれ、パスだぜー♪」 早田「畜生がァアアアアアアアアアア!!」 特に大きく響いたのはこれまで大活躍していた早田が悉くパスで翻弄され 何の役にも立たなくなった事だった。これは展開への影響以上に全日本の士気を下げた。
[454]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:24:27 ID:G+D4BlBJ 葵「くそーっ!まだ俺は諦めないぞ!」 ディック「早く楽になれよチビ!」 ズザザッ! バゴオッ! 葵「ぎゃあ〜!」 中里「中の里が奥義が一つ、分身の…」 イスラス「スピードだけで勝てると思うな!」 レンセンブリンク「単純過ぎる」 バチイッ! 中里「なんと!?」 貴重な攻撃チャンスも敵陣にボールを運び込む事すら出来ない始末で、 頼みの綱の葵と中里のサイドアタックも通用しない。これにより オランダのシュート数が増え、全日本の守備陣にかかる負担も増していった。 ボグゥヲォオオオッ!! 石崎「ぶふぇああっ…!も、もうダメだ…」 ドサッ… 葵「石崎さーーーん!!」 後半12分、脳震盪を起こした石崎が山森と交代。
[455]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:00 ID:G+D4BlBJ レンセンブリンク「フン」 バッ!クルッ! 若島津「二度も同じ技でゴールさせるか!キェエエエエエエエエッ!!」 バッ!グワアアアッ!! バキィイイイイイイイイン!! レンセンブリンク「!?」 若島津「(しまった!このままだと弾ききれな…!)」 バィーーーーン!! カイザー「ラッキー!ごっちゃんゴールいっただきィ〜〜!!」 バッ! バシュゥウウウウウウウッ!! 中山「くそぉおおおおっ!!」 赤井「ゼー、ハー、ヒー…す、済みません。もう無理っす…」 バスッ! ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! 後半29分、負担が大きすぎた赤井が倒れるのと同時にカイザーのジャンピングボレーが入る。 代わりに入った高杉が出番を喜ぶ気になれなかったのは言うまでもない。 全日本ユース 1−4 オランダユース
[456]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:28 ID:G+D4BlBJ 松山「(頼む、せめてキーパーまで届いてくれ!)」 バゴォオオオオオオオオオオン!! ヒュゥウウウウウウウウウウウ… リブタ「おいおい、冗談きついぜ!」 バシッ! 松山「(くっ…何故だ!何故俺はこんなに無力なんだァアア!!)」 松山がやけくそにキックオフからの北国シュートを撃っても通用する訳が無い。 政夫「せめてもう一点取ってやる!」 和夫「くらえオランダユース!」 ドールマン「遠慮しとくぜ」 バッ! ガシイイイッ! 政夫・和夫『そ…そんなァ!?』 ドールマン「残念でした。俺に通用する威力じゃないよーん」 運良くシュートチャンスまでこぎつけ、万感の思いで繰り出したデルタツインシュートですら 撃つ前に潰された時全日本ユースの闘志は遂に潰えてしまった。
[457]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:25:44 ID:G+D4BlBJ イスラス「トドメだ全日本ユース自らの弱さを思い知れそれが敗北者の義務だ!」 ビュンッ! 若島津「あああ…」 後半37分、イスラスが無気力になった全日本の守りを突破しドリブルゴールする。 全日本ユース 1−5 オランダユース 葵「ハア…ハア…(い、嫌だよ、こんなの…)」 タッタッタッタッ… ギニャーサ「スタミナは大したチビだがいい加減限界らしいな!」 バチイッ! 葵「(こんな…こんなにカッコ悪く負ける為に日本代表になったんじゃないのに… 翼さん達と一緒に世界を目指す為に頑張ってきたのに…こんな負け方、嫌だ…)」 バタッ… ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! 最後まで走り続けた葵もとうとう倒れた時、屈辱に満ちた負け戦は終わった。 シュート数は3対15。支配率は16対83。点差と実力差が残酷なまでに一致した結果だった。
[458]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:26:54 ID:G+D4BlBJ いったんここまで。 ジャパンカップ編もそろそろ終了が近いです。
[459]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:09 ID:hsT78phF 放送「ここで試合終了です。結果は1−5。全日本ユース、大敗を喫してしまいました。 ジャパンカップでの雄姿が今となってはまるで幻の様に思える程の惨敗です。 相手のオランダユースは現在欧州のユース代表としては最強と言われている程の強豪チームですが、 裏を返せば世界を狙えるチーム相手には歯が立たないと言う事でしょう。 第一回フランス国際Jrユース大会で予想外の栄光を手にしたこの黄金世代は ワールドユースで栄光再びを期待されていましたが、それは叶わぬ夢となってしまうのでしょうか…?」 試合終了直後の実況は建前の中立性すら放棄した物悲しい語り口だった。 メキシコ五輪の銅メダル以外はまるで世界的な栄光が無い日本のサッカー界に 突然変異種の如く現れた黄金世代に魅せられたサッカーファンは多かった。 しかし今日の試合は実際に世界トップクラスのチームとぶつかるとどうなるかを残酷な程明らかにした。 主力が数人欠けていたと言う事実も慰めにならない程の大敗の前には どんな楽天家でも夢を打ち砕かれずには居られなかった。 観客「そんな…こんな大差で負けるなんて…」「雨の中必死に応援した結果がこれかよ、くそっ!」 「オ、オランダって強いんだな…」「森崎や翼が居ても勝てなかったんじゃね?」「所詮日本サッカーなんてこんなモンだろ」 「ワールドユースに出ても今日みたいなチームが相手だとボロ負けするって事だよな…あ〜あ」 観客の反応は怒りよりも落胆が大きかった。これは日本がまだまだサッカー弱小国である自覚と それ故に黄金世代と言えども高望みはしてはいけないと言う哀れみの産物だった。 逆に言えば、観客の思いを裏切っても激情される可能性は無い程度の期待しかされていなかったのだ。 選手達にはそれがなによりも辛かった。いっそ激しくブーイングされた方がマシだったかも知れない。 政夫「この程度…俺達って、この程度だったんだな…」 和夫「ハハッ…弱かったんだな、俺達…」
[460]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:27 ID:hsT78phF 葵「くそう、くそう、くそう!こんなの悔しすぎるよーっ!」 中里「無念どころではない…無様にも程がある…」 早田「クソッタレがーっ!今まで何をやってきたんだ俺は!」 次藤「…またじゃ。また、世界相手に何も出来んかった…」 中山「(ウジウジ悩んでいた結果がこれだ!何が森崎の力になりたいだ!)」 若島津「(昔と同じだった。俺はキーパーとしては世界を獲れない…)」 ベンチに戻る彼らの表情は惨めとしか言いようが無かった。過酷な現実に夢を打ち砕かれた 若者の顔はどんな芸術家でも描き表せないであろう程の悲哀に満ちており、 特にキャプテンマークを汚れた手で握り締める松山の顔は雨と涙と泥でぐしゃぐしゃになっていた。 松山「監督…皆…すみません!」 見上「…お前一人のせいではない」 松山「分かっています…でも、でも、こんなの!」 三杉「…オランダユースは僕たちより圧倒的に強かった…それ以上でもそれ以下でも無いさ」 松山「くそっ…!」 泣き濡れた松山と淡々と語る三杉の視線が自然とフィールドの逆側にあるオランダベンチに向かう。 距離がありすぎて会話は聞こえる筈も無かったが、彼らの明るく爽やかな雰囲気はとても忌々しい光景だった。 さして難しくもない仕事を予定通りに終えたからこれから祝杯でも上げよう…そんな表情だった。
[461]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:43 ID:hsT78phF 松山「…三杉」 三杉「なんだい?」 松山「やっぱり俺はあいつらが許せない…大敗したのはこっちが弱いからだ。それは俺達のせいだ。 だがあんなに強いのに!あんな凄い全員サッカーが出来て、しかもそれを個人技と両立させているのに! わざわざ必要の無いラフプレイで相手をいたぶる様なサッカーなんて…俺は認められない!」 三杉「………」 松山「サッカーは奇麗事だけじゃ済まないのは分かっている。お前があいつらを責めていないのも、 ああいうやり方も一つの強さだって言うのも分かる。だけど…あんなサッカーに負けるのなんて、もう絶対に嫌だ!」 やがて松山は吼えた。涙を流し続けながら。そんな彼に注がれる三杉の視線は どちらかと言えば冷ややかな物だったが、三杉が返答する前に岬が口を挟んだ。 岬「それで良いと思うよ、松山」 松山「岬…」 岬「小次郎とかを見ていると、オランダが間違っていると断言は出来なくなるけど…僕は奇麗事の方が好きだし、 奇麗事で勝ちたい。そう思う事も決して間違っていない筈なんだ(汚い事は他人にやらせるに限るしね)」 松山「ああ…!そうだよな、岬!」 三杉「…人にはそれぞれの道がある。君は君に出来る努力をすればいいさ。 僕は僕で力を求めるとするよ。結果的には僕たちの道の目標地も同じになるだろう」 松山「…そういう所も本当にお前らしいな、三杉」 その後三杉も淡々と相槌を打ち、彼らしい答えに松山も涙を止め苦笑する事が出来た。 *松山のクライフォートに対する感情が「許さない!」になりました。 *三杉のクライフォートに対する感情が「借り」になりました。
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0ch BBS 2007-01-24