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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[458]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/03(土) 18:26:54 ID:G+D4BlBJ いったんここまで。 ジャパンカップ編もそろそろ終了が近いです。
[459]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:09 ID:hsT78phF 放送「ここで試合終了です。結果は1−5。全日本ユース、大敗を喫してしまいました。 ジャパンカップでの雄姿が今となってはまるで幻の様に思える程の惨敗です。 相手のオランダユースは現在欧州のユース代表としては最強と言われている程の強豪チームですが、 裏を返せば世界を狙えるチーム相手には歯が立たないと言う事でしょう。 第一回フランス国際Jrユース大会で予想外の栄光を手にしたこの黄金世代は ワールドユースで栄光再びを期待されていましたが、それは叶わぬ夢となってしまうのでしょうか…?」 試合終了直後の実況は建前の中立性すら放棄した物悲しい語り口だった。 メキシコ五輪の銅メダル以外はまるで世界的な栄光が無い日本のサッカー界に 突然変異種の如く現れた黄金世代に魅せられたサッカーファンは多かった。 しかし今日の試合は実際に世界トップクラスのチームとぶつかるとどうなるかを残酷な程明らかにした。 主力が数人欠けていたと言う事実も慰めにならない程の大敗の前には どんな楽天家でも夢を打ち砕かれずには居られなかった。 観客「そんな…こんな大差で負けるなんて…」「雨の中必死に応援した結果がこれかよ、くそっ!」 「オ、オランダって強いんだな…」「森崎や翼が居ても勝てなかったんじゃね?」「所詮日本サッカーなんてこんなモンだろ」 「ワールドユースに出ても今日みたいなチームが相手だとボロ負けするって事だよな…あ〜あ」 観客の反応は怒りよりも落胆が大きかった。これは日本がまだまだサッカー弱小国である自覚と それ故に黄金世代と言えども高望みはしてはいけないと言う哀れみの産物だった。 逆に言えば、観客の思いを裏切っても激情される可能性は無い程度の期待しかされていなかったのだ。 選手達にはそれがなによりも辛かった。いっそ激しくブーイングされた方がマシだったかも知れない。 政夫「この程度…俺達って、この程度だったんだな…」 和夫「ハハッ…弱かったんだな、俺達…」
[460]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:27 ID:hsT78phF 葵「くそう、くそう、くそう!こんなの悔しすぎるよーっ!」 中里「無念どころではない…無様にも程がある…」 早田「クソッタレがーっ!今まで何をやってきたんだ俺は!」 次藤「…またじゃ。また、世界相手に何も出来んかった…」 中山「(ウジウジ悩んでいた結果がこれだ!何が森崎の力になりたいだ!)」 若島津「(昔と同じだった。俺はキーパーとしては世界を獲れない…)」 ベンチに戻る彼らの表情は惨めとしか言いようが無かった。過酷な現実に夢を打ち砕かれた 若者の顔はどんな芸術家でも描き表せないであろう程の悲哀に満ちており、 特にキャプテンマークを汚れた手で握り締める松山の顔は雨と涙と泥でぐしゃぐしゃになっていた。 松山「監督…皆…すみません!」 見上「…お前一人のせいではない」 松山「分かっています…でも、でも、こんなの!」 三杉「…オランダユースは僕たちより圧倒的に強かった…それ以上でもそれ以下でも無いさ」 松山「くそっ…!」 泣き濡れた松山と淡々と語る三杉の視線が自然とフィールドの逆側にあるオランダベンチに向かう。 距離がありすぎて会話は聞こえる筈も無かったが、彼らの明るく爽やかな雰囲気はとても忌々しい光景だった。 さして難しくもない仕事を予定通りに終えたからこれから祝杯でも上げよう…そんな表情だった。
[461]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:09:43 ID:hsT78phF 松山「…三杉」 三杉「なんだい?」 松山「やっぱり俺はあいつらが許せない…大敗したのはこっちが弱いからだ。それは俺達のせいだ。 だがあんなに強いのに!あんな凄い全員サッカーが出来て、しかもそれを個人技と両立させているのに! わざわざ必要の無いラフプレイで相手をいたぶる様なサッカーなんて…俺は認められない!」 三杉「………」 松山「サッカーは奇麗事だけじゃ済まないのは分かっている。お前があいつらを責めていないのも、 ああいうやり方も一つの強さだって言うのも分かる。だけど…あんなサッカーに負けるのなんて、もう絶対に嫌だ!」 やがて松山は吼えた。涙を流し続けながら。そんな彼に注がれる三杉の視線は どちらかと言えば冷ややかな物だったが、三杉が返答する前に岬が口を挟んだ。 岬「それで良いと思うよ、松山」 松山「岬…」 岬「小次郎とかを見ていると、オランダが間違っていると断言は出来なくなるけど…僕は奇麗事の方が好きだし、 奇麗事で勝ちたい。そう思う事も決して間違っていない筈なんだ(汚い事は他人にやらせるに限るしね)」 松山「ああ…!そうだよな、岬!」 三杉「…人にはそれぞれの道がある。君は君に出来る努力をすればいいさ。 僕は僕で力を求めるとするよ。結果的には僕たちの道の目標地も同じになるだろう」 松山「…そういう所も本当にお前らしいな、三杉」 その後三杉も淡々と相槌を打ち、彼らしい答えに松山も涙を止め苦笑する事が出来た。 *松山のクライフォートに対する感情が「許さない!」になりました。 *三杉のクライフォートに対する感情が「借り」になりました。
[462]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:10:01 ID:hsT78phF そんな3人の輪を少し離れた所で眺め、疎外感を感じている者が一人居た。中山である。 中山「(結局俺が入っても、全日本は殆ど変わらなかったな…)」 日本代表となり3試合連続でスタメンフル出場、しかしそのパフォーマンスは「その他大勢扱い」程度。 中学生時代森崎と共に戦う事を渇望し続けた彼が描いていた想像とはかけ離れた様である。 中山「(この現状は自業自得だ。森崎の力になるには森崎と敵対する覚悟が必要かも知れない? それは日向が歩んだ道だ。俺は日向じゃない。奴の様なFWではなくDFなんだ。DFとGKは敵対関係にはならない。 自分の本分を忘れた奴がいくら悩んだって無駄だ。だけど…だったらどうしたら昔の様に活躍出来るんだろう)」 現状に疲れた中山は遠い昔の栄光に満ちていた頃の記憶を掘り起こしていた。 南葛SCと言う地域の選抜チームでただの補欠だった筈の森崎がガムシャラに力と栄光を追い求め、 それに引っ張られる様に自分も何時の間にか眠っていた力を引き出していったセピア色の記憶を。 中山「(あの時俺も最初は森崎と同じでただの数合わせみたいな物だったんだよな…ん!?)」 そして中山は気付いた。一度再起不能になってから自分がどう変わったかを。 中山「(…今の俺の立場は同じじゃないか!南葛SCのその他大勢だった頃と!じゃあ… 今の俺とあの時の俺の違いは何だ…?決まっている!あの時の俺は失敗なんか恐れていなかった! 結果が出せなかったらすぐ次の挑戦を探していた!何も無かったから一から築き上げるしかなかった! 何時からだ!?何時から俺は過去の栄光に縋り失敗を恐れる様になっていたんだ? そんなの俺じゃない!過去の栄光に縋りそれを取り戻そうとするのは俺じゃない! 自分の未知を探り続け、自分と戦い続ける!それがこの俺、中山政男のサッカーじゃないか! 昔の力を取り戻せばそれで満足するつもりだったのか?ああ、なんて道化だったんだ俺は…!)」 一度視野が開けると気が晴れるのも早かった。笑い出したくなる衝動を堪えなければならない程だった。 世界の壁と言う障害物に何度も突撃を繰り返した結果、中山はようやく己につけていた鎖の存在に気付いた。 中山「(…決めた。過去の力を取り戻すんじゃない、新しい力を得るんだ。俺の力を!)」 今は誰も気付いていなかった。この日の大敗が中山を過去の呪縛から解き放った事を。 全力で全日本を失意の淵に閉じ込めようとしたオランダユースは皮肉にも中山政男と言う一人の逸材を蘇らせた。
[463]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/04(日) 18:12:07 ID:hsT78phF いったんここまで。
[464]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:18:30 ID:dt3FqNV/ チームメイト達が悲痛な雰囲気に包まれていた頃、森崎はどうしていたかと言うと… フライハイト「落胆しているヒマは無いぞモリサキ!正GKでありキャプテンでもあるお前は 誰よりも勇敢であり続けなければならない!それがチームメイトを復活させる最善の…」 森崎「分かってるっつってんだろ!いい加減落ち着きやがれ!(ウゼえ!最初の静かっぷりは何処に行ったんだ?)」 シュナイダー「フライハイト!日本人じゃないお前がわざわざ言う事じゃない!」 唾が飛ぶ程の熱弁をふるうフライハイトに絡まれて辟易していた。 彼のテンションは最早シュナイダーの注意にも耳を貸さない程高まりきっていたが、 試合終了後間も無く文字通り天の助けで森崎は彼から解放された。 サーサー…ポツポツ…ポツ…ポッ… フライハイト「ああ…雨が、雨が行ってしまう…またもや雨と別れなければならないのか…」 森崎「…やっとか。こいつ二重人格か?」 シュナイダー「済まんな…雨さえ降らなければマトモなのだが…」 雨が止み、フライハイトが恋人と引き裂かれる様な痛みに満ちた表情で黙り込んだのだ。 今にも地面に手をつき泣き出しそうな彼を放置し森崎とシュナイダーは談話を再開する。 シュナイダー「ともあれ、今回日本に来たのは有意義だった。今の全日本の弱さをハッキリと見れたからな」 森崎「チェッ。お前だってオランダには1−4で負けたんだろ?」
[465]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:18:54 ID:dt3FqNV/ シュナイダー「そうだ。例えミューラーが居たとしても恐らく1−2か2−3で勝敗は変わらなかっただろうな。 中盤を完全に制されて俺は思うようにに攻撃出来ず、むしろ守備に走り回らなければならない程だった。 トップに上がってから壁にぶつかった事は何度もあったが、あれ程屈辱的な負け方をしたのは久しぶりだった…」 話題はやはりオランダユースについてで、己が味わった大敗を振り返るシュナイダーの 横顔は非常に読みづらい物だった。自分は出場していないとは言え全日本も 大敗してしまった以上それを茶化す訳にもいかない森崎は代わりに気になっていた事を聞いた。 森崎「なあ、その右足のケガってのはオランダと戦った時の物か?」 シュナイダー「いや違う。オランダとやった時は絶好のコンディションだった。これはむしろ オランダに負けた後のオーバーワークが原因でな…まだまだ未熟だと思い知らされた」 森崎「そうか。負けた後のオーバーワークでケガってのは珍しくない事なのかもな」 シュナイダー「お前もツバサに負けた後そうなったのか…フッ、お互いバカをやってしまったな」 若気の至りで体を痛めてしまったと言う共通点を見出した二人は僅かな笑いを分かち合った。 だがそんな和やかな会話は差し迫った現実の前では長続きせず、二人は再び深刻な表情に戻った。 シュナイダー「…だが俺は二度とオランダに遅れを取るつもりはない。ヨーロッパ予選では ドイツとオランダが同組になる事はまず無いだろうが、ワールドユース本大会できっちりと借りを返すつもりだ」 森崎「そうか…ん?今、西ドイツじゃなくてドイツって言ったな?まさか…」 シュナイダー「ああそうだ。既にFIFAは西と東のドイツの統合チームの参加を許可している。 つまりそこに居るフライハイトやハンブルグに居るポブルセンを始めとした東ドイツのメンバーも加わる」 フライハイト「…ドイツは今年中に再び一つになると言う見方が強い。そして長年の悲願であった ドイツの統一を記念する栄光に、統一チームによるワールドユース優勝はうってつけのイベントだ」
[466]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/05(月) 16:19:09 ID:dt3FqNV/ 森崎「何時の間に復活してやがったんだお前。しかもあっさり優勝だなんて言いやがって。 政治的に大変な時期に悪いがよ、この森崎有三が居る限り日本以外の国の優勝は有り得ないぜ」 フライハイト「…出来るのか?今の日本で」 森崎「…出来るからやるんじゃねえ。やるから出来るんだよ。日本人ナメんなよ?」 シュナイダー「お前らしいコメントだ。願わくばその言葉通り強い全日本を復活させてくれ」 森崎「…じゃないと、倒し甲斐が無いってか?」 シュナイダー「その通りだ。今日の全日本には何の魅力も脅威も感じなかった。 俺はもう一度戦いたい。そして勝ちたい。俺を熱くさせてくれる全日本ユースをな…」 森崎「………」 フライハイト「シュナイダー、そろそろ戻ろう。万が一フライトを逃してしまったら面倒になる」 シュナイダー「おっと、そうだな。それではまたしばしの別れだ、モリサキ」 森崎「おう…」 A 「予選でコケんじゃねーぞ?そうなったら大笑いしてやるからな」 B 「今度戦う時は新技の一つでも見せないと承知しないぜ?」 C 「ワールドユースではお前が泣きたくなる程強い日本を見せてやるよ!」 D 「しかしお前クソ真面目だな。少しは軟派にならねーと女も出来ないぞ?」 E 「そういや日本来てどうだった?色々勝手が違っただろう〜」 http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1267790375/l50にて ☆2010/4/5 18:00:00☆ から投票期間を設けます。 そこから 15 票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は その次の票をタイブレーカーに使います。どれか一つに確定した場合はその時点で投票を 止めて下さい。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。
[467]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 00:22:44 ID:0maQR48I >C 「ワールドユースではお前が泣きたくなる程強い日本を見せてやるよ!」 シュナイダー「…では俺をそれを更に乗り越えよう。真のドイツの力でな」 森崎「ヘッ、俺達と当たる前に敗退したりするんじゃねーぞ」 グッ。 シュナイダー「お互い様だ。では…ワールドユースでまた会おう!」 グッ。 フライハイト「(この二人、口調や信念は異なる様だが…根は酷似しているな)」 最後にライバル達は互いの拳を突き合わせて別れた。再戦を心から望みながら。 森崎はシュナイダーとフライハイトの後姿を視界から消えるまで眺めていた。 初めて出会った世界の壁の象徴と、時代は変わったと言う生き証人。 彼らが去ってからしばらく経って、森崎はふとため息をこぼした。 森崎「ふぅう〜…倒さなきゃいけない奴らが多くて本当に大変だぜ。 まず腰を治さないといけないし、それが終わったらまた練習と訓練の毎日だ。 その間ずーっと根回しやらアメとムチやらに気を配らないといけないんだから 参っちまうぜホント。なんで俺はこんなに苦労してサッカーなんかしているのかねえ…」 独り言を呟きながら見上げる空は綺麗だった。割れた雨雲の隙間から 隠れていた太陽が顔を出し、光の筋が遠くの空に虹をかけていた。 森崎「…ま、決まってるよな。我ながらバカな疑問だったぜ」
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0ch BBS 2007-01-24