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【真・東洋の】キャプテン森崎36【守護神】
[478]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:03:23 ID:0maQR48I なんとアルシオンはストラットの加入が問題ないと言い切った。バンビーノですら殆ど弁護出来ないこの状況で。 全く予想していなかった援軍の登場にストラットは目を丸くし、彼に向けられていた怒りが今度はアルシオンに向かう。 ジェンティーレ「貴様!今まで何を聞いていたんだ、むしろ問題じゃないのは協会が認めている事くらいだぞ!」 アルシオン「確かに協会は認めている。つまり規律面の処罰はもう十分と判断された訳だ。 それなら選手達が頑固に反対し続け協会に楯突くのは新たな問題を不必要に作り出すだけじゃないのか?」 ジェンティーレ「協会はそれで良いかも知れん、だが現場の俺達はどうなる! 選手として最低限の信用すら置けない奴が居てチームとして機能出来るか!」 アルシオン「なるほど、チームとして機能するには信用が必要か。同感だ。それも大した問題では無いだろう」 ジェンティーレ「何故だ!ここでストラットを疑っていない者などお前とバンビーノだけだぞ!」 アルシオン「俺とバンビーノがストラットを信用していればそれで十分だろう。 試合にはもう1人か2人MFが出るだろうが、どうせゲームメイカーは俺だ。 ラストパスを出す俺がストラットを信用していればチームとして機能するだろう?」 イタリアメンバー「なんだと!?」「こいつ、ミランのトップでプレイしているからっていい気になりやがって…!」 「いや、監督の教え子だからだろ」「もうこのチームのゲームメイカーになったつもりでいやがるぜ!」 アルシオン「では、俺よりも上手くゲームメイク出来る自信がある奴は前に出ろ」 イタリアメンバー『うっ………』 アルシオン「どうした?さっきの威勢は何処へ行った?」 ストラット「(こ、こいつ…何処まで巨大な自信を持っているんだ…確かにこいつに勝るゲームメイカーなんて居やしないが)」 バンビーノ「(アルシオンだからこそ許されるセリフだね…流石にここまで言うとは思って居なかったけど)」
[479]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:04:14 ID:0maQR48I ゲームメイカーの俺が問題視していないのだから問題ない。文句があるMFが居ればかかってこい。 アルシオンの主張は庇われている側のストラットとバンビーノですら呆気に取られる程自信に満ちた物だったが、 それを覆そうとする者は居なかった。代わりに横槍を入れたのはランピオンだった。 ランピオン「MFのお前はそれで良いとしても、FWの俺はどうなる?今のストラットの為にポストプレイをしろと 言われても俺は到底息を合わせられそうにない。そんな俺を未熟と切って捨てるつもりか?」 アルシオン「ふむ…確かにそれはお前のせいじゃない。多少問題ではあるな」 ランピオン「多少…多少だと?」 アルシオン「ああ、多少だ。お前のポストプレイはチームの武器になるが、仕方あるまい。 効率は少し落ちるが俺が絶対にカットされないパスを供給し続け、お前はシュートに専念すれば良い」 ランピオン「…お前、本気で言っているのか?」 バンビーノ「あ、アルシオン。今のは俺も流石にどうかと思うぞ…」 ジェンティーレ「…要はストラットの加入によって起きる問題は全部お前が解決すると言っているのか?」 ランピオンはストラットとは組めないと繰り返し、アルシオンはそれを認めた上で大した問題ではないと切り捨てた。 あくまで「俺が構わないのだから問題ない」と主張し続けるアルシオンに対し ジェンティーレが新たな怒りを燃やすが、それでもアルシオンが怯む事は無かった。 アルシオン「そうだ。ストラットはそこまでする価値のあるストライカーだ」 ストラット「(何故そこまで俺の事を…)」 ジェンティーレ「馬鹿が。例えお前が今吹いたホラを全て実現させてみせても、それでもストラットが加害者で 俺達が被害者である事は変わらん。ストライカーはゲームメイカーにさえ信用してもらえれば 後はどうでも良いなどと言う極論が通るか!こいつは腐ったリンゴだ!一刻も早く除去しなければならないんだ!」
[480]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:04:49 ID:0maQR48I アルシオン「今度は感情論か、それも良いだろう。ならば俺も感情論を使わせてもらおう。 この場で完全な被害者であり何の非も無いと言えるのは俺だけで、他は全員加害者だろう?」 イタリアメンバー「なんだって!?」「貴様、いい加減にしろよ!」「何様のつもりだ!」 アルシオン「事実だ。俺は昔の内紛には全く無関係だ。ただゲームメイカーとして安心して ラストパスが出せるストライカーが居れば嬉しいだけだ。だがそのストライカーは過去の所業で、 そして他のチームメイト達はそれを責めて俺から頼れるストライカーを奪おうとしている。 この状況に置いて俺は被害者じゃないのか?お前たちは加害者じゃないのか?」 ストラット「(そうか…新参者だからこそ見える物もあるんだな…)」 アルシオン「もう一つ。俺は過去のストラットが加害者である事は否定しない。だが悪いのはストラットだけか? 叱咤激励に失敗しストラットを自棄にさせたと言うジェンティーレ、お前に責任は一切無いのか? その意図が純粋な善意や正義感に基づいていたとしても、失敗と言う結果は結果だぞ?」 ジェンティーレ「 き、 さ、 ま… !! 何処まで屁理屈をこねれば気が済む!」 バンビーノ「…いや。今の主張には賛成だ」 ランピオン「バンビーノ!?」 バンビーノ「イタリアJrユースを滅茶苦茶にしたのはストラット一人だけのせいじゃない。 三年間かけてそう考えられる様になったからこそ俺はストラットを迎えにブラジルに行ったんだ」 アルシオン「そういう事だランピオン。お前もジェンティーレと同罪だろう」 ランピオン「くっ…!」 アルシオン「何よりも一番悪いのは…一番責任があるのは…」 イタリアメンバー『??』
[481]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:05:08 ID:0maQR48I ここでアルシオンは今まで口を挟まなかったただ一人の男を指差し声高に非難した。 アルシオン「キャプテンのお前じゃないのかジノ・ヘルナンデス!!」 ヘルナンデス「……………」 アルシオン「Jrユースの時もそうやって黙って見て見ぬフリをしていたのか? 自分には関係ない事、自分が干渉してはいけない、自分は無言の圧力をかけるべき… 当時のお前がどんな判断を下したのかは知らんが、結果は見ての通りだ。 お前はまた同じ判断を下すのか?それでこの状況を解決出来るのか?」 ヘルナンデス「…キャプテンとはつくづく割に合わない役目だな」 アルシオン「俺が代わっても良いぞ。その事で俺はお前を責めたりはしない」 ヘルナンデス「いや、遠慮しておく。割に合わなくてもキャプテンをやる理由はあるからな」
[482]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/06(火) 20:07:07 ID:0maQR48I いったんここまで。 雑談スレも含め、一気読みの方が良いと言う意見ばかりで 小分けの方が良いと言う意見は皆無なので今まで通りで薦めます。
[483]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:32:26 ID:7WHCqVvl チーム全体の敵意とアルシオンの意志力が衝突した結果 場には息苦しい程の重い重い沈黙が訪れた。 それを破ったヘルナンデスの声はとても固い物だった。 ヘルナンデス「俺はずっと悩んでいた。何が正しく、何をすべきなのかを」 イタリアメンバー『…………』 ヘルナンデス「行き着く答えは毎回同じ。イタリアユースをワールドユース優勝に導く事。 だがそこに辿りつく為の手段が真っ二つに分かれる。ストラットを呼び戻すか否かでな。 いくら考えてもどうしても分からなかった。だがもう俺に迷う時間は無い様だ」 ストラット「ヘルナンデス…」 ヘルナンデス「現実的な物の見方をすればアルシオンが正しい。だがサッカーは理屈だけじゃない。 チームの為に過去を水に流せ、それがプロ精神だと言う考え方も出来るが…最初にプロ失格の 振る舞いをしたのはストラットなのにそれを見逃すのがプロ精神か?と言う疑問にぶち当たってしまう。 チームメイトに納得の行かないまま試合に挑むのは弱点を放置したまま戦うのと同じ事だ」 アルシオン「では、どうするのだ」 ヘルナンデス「…俺達はジョカトーレだ。百の言葉よりも一のプレイが大事だ。 ストラットに示してもらおう。過去を償えるだけの力があるかどうかを。 お前が世界を制する力があるストライカーならば、再びイタリアを代表する資格がある」 ランピオン「それをどうやって判断するんだ?」 ヘルナンデス「ジェンティーレと俺相手にFKを撃ってもらう。それで良いだろう」 ジェンティーレ「面白いぞ!ストラットがアズーリに相応しくない弱者と 証明してしまえば下らん議論を繰り返す必要も無くなる!」
[484]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:07 ID:7WHCqVvl バンビーノ「待ってくれ!それじゃあ2対1じゃないか!いくらなんでも…」 ヘルナンデス「それも考えてある。勝負は3回だ。その内1回でもゴールすればストラットの勝ちとする。 FKをたった3回防げない様では俺もジェンティーレもまだまだカティナチオを極めていないと言う事だからな」 ジェンティーレ「フッ、3回でも5回でも10回でも構わん!こんな奴にイタリアゴールを割らせるか!」 ストラット「…分かった。その勝負を受けよう」 ヘルナンデスの下した判断は「力を示せ」だった。考え方次第で善悪がどうにでも変わるこの状況では これ以上議論を尽くすよりもストラットのプレイこそが彼の今までの生き様と未来を切り開く信念を否応が無く表せる。 そして自分とジェンティーレもカティナチオを背負う者達として自分達の全てをぶつければ納得出来る。 無論この勝負に負けたとしてもイタリアサッカー協会に召集された以上ストラットが即時追放される訳ではないが、 チームメイトの誰もが彼を信じなくなったら遅かれ早かれ監督や首脳陣もストラットを構想外とした チーム育成方針に切り替えなければならなくなる。ストラットは負けたら全てを失うと言っても過言ではない。 こうしてストラットの一世一代の大勝負が始まろうとしていた。かつて自分が壊して脱走し、 今戻ろうとする自分の前に立ちはだかる祖国の鍵をこじ開ける事が出来るかどうか? 一度ルールが決められた後は言葉は要らなかった。ヘルナンデス、ジェンティーレ、ストラットの3人が フィールドに向かいそれぞれの位置につきその他の選手達がフィールド外からそれを見守る。 一本目。 ダダッ! グワァアアアアアアアアアッ!! ヘルナンデス「右だジェンティーレ!」 ジェンティーレ「おう!!」
[485]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:25 ID:7WHCqVvl ストラット「!?」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!! バッ!ブォン… バキィイイイイイイイイイン!! ジェンティーレ「ぐ…ぉ…お…!」 ギュンッ! ヘルナンデス「必ず止める!」 バッ! バシィイイイイイイイイイイイッ!! イタリアメンバー『ぉおおおおおおおおおおお…!!』 バンビーノ「メ、メガロゾーンシュートが…!」 ストラットの一本目のシュートはジェンティーレのジャンピングボレーの形のブロック、 通称反転ブロックによって威力を弱められた後ヘルナンデスの黄金の右腕にキャッチされた。 それだけでも驚異的だが、ストラットをより驚かせたのは自分のシュートコースを完全に読まれていた事だった。 ストラット「(ヘルナンデスの奴…何時の間にあんな洞察力を…)」 二本目。 ダダッ! グワァアアアアアアアアアッ!!
[486]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:33:54 ID:7WHCqVvl ヘルナンデス「撃ち返せ正面だ!」 ジェンティーレ「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!! ダダッ! ブォオオオオオオン!! ストラット「なんだと!?」 ブワッグワッシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!! ギュワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!! ドガァアアアッ!! ストラット「ぐわぁああああっ!!」 ドタッ! バンビーノ「ストラット〜〜〜ッ!!」 アルシオン「(…どうした。その程度じゃないだろう?)」 どうせコースが読まれるのなら最短距離を突き進め、ジェンティーレの体でヘルナンデスの 視界がさえぎられる事も期待出来る正面に撃つ。そのストラットの判断は完全に裏目に出た。 ジェンティーレに撃ち返されたボールは彼を軽々と吹き飛ばしてみせたのだ。
[487]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:34:10 ID:7WHCqVvl 三本目。 ヘルナンデス「後一球だ!絶対に止めるぞジェンティーレ!」 ジェンティーレ「当然だ!俺達の守りは誰にも破らせない!」 ランピオン「(これがストラット無しでも世界を獲ると決意した二人が培った力だ。 ブラジルに逃げた挙句幼馴染と女に懇願されただけで戻ってきた腰抜けが勝てる相手じゃない!)」 ストラット「(強い…これこそが、カティナチオ…!今までの俺では絶対に破れない。 ならば一か八かアレに…この一蹴に俺の全てを賭けるしか無い!!頼む、上手く行ってくれ!)」 ダダッ! ヘルナンデス「(!?これは…!)」 ジェンティーレ「(なんだこの震えは…この俺が!)」 追い詰められたストラットの最後のチャンスだった。 その後イタリアユースはヨーロッパ予選の第3グループを全勝無敗無分で突破する事になる。 予選通産失点は0。更にエースストライカーのチェザーレ・ストラットは全グループ規模での得点王となり、 また10番のマルク・アルシオンは同じく全グループ規模のアシストランキングの1位に輝いた。 クジ運に恵まれ格下しか相手が居なかったのも事実だが、それを差し引いても怪物チームである事は間違いない。 欧州はおろか来年のワールドユース開催国のブラジルのマスコミでさえそう褒めちぎったと言う。
[488]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/07(水) 00:37:17 ID:7WHCqVvl 今日はここまで。また明日お会いしましょう。 ラスボスチームが何処かはワールドユース本大会の抽選が決まれば おのずと明らかになりますのでそれまではたっぷりご想像下さい。
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0ch BBS 2007-01-24