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【ポストプレイヤー】キャプテンEDIT3【大前】
[759]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:28:04 ID:??? 息を飲んで、キックオフの時を待ちわびる。 眼下のピッチでは、両校の選手がそれぞれのポジションに着き始めていた。 忠賢 −−@−− − A B − D−−−C −−−−− G−I−E −−−−− J−−−F −−H−− −H−J− J氷潤の11番 −−−−− −−I−− F−−−G −−E−− E六波羅 A−−−D A二岡 − B C − B三井寺 −−@−− 氷潤 大前「氷潤は4−4−2。あの時と同じフォーメーションだな。オーソドックスで汎用性の高い布陣だ」 菱野「対する忠賢は、3トップと随分と攻撃的ですわね。 中盤はフラットにして攻めにも守りにも参加しやすい形ですが、どちらかというとFWの補佐を目的にしていそうです」 大前「お? 良い読みだね、菱野さん」
[760]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:29:19 ID:??? 菱野「まあ、私もサッカー部のマネージャーですから。監督も色々ご教授してくださいますし……」 照れ臭そうに笑う菱野。 大前(菱野さんの言う通り、忠賢はかなり攻撃重視の布陣だ。ガンガン点を取りに攻めていく構え。 ……聞いた話だと、そこまでアグレッシブなチームではなかったはずだ。それなのにこのフォーメーション。 何の理由があるんだ?) そう訝しむ大前。 実況「コイントスの結果、忠賢の先攻と決まったようです。そして今、キックオフ!」 忠賢の9番が軽くボールを横に流し、ウイングの7番に渡す。 忠賢の7番「よしっ、速攻だ!」 忠賢の9番「おうっ!」 キックオフボールで、即座にワンツーで切り込む姿勢を見せる忠賢攻撃陣。 だが、 氷潤の11番「ハァ……だりぃ……」 気だるい雰囲気を漂わせた氷潤の11番が、即座にカットする。 忠賢の7番「なにィ!?」
[761]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:30:19 ID:??? 氷潤の11番「ぬるいパス出してんじゃねえよ……やりたくもねえのに、思わずカットしちまったじゃねえか」 忠賢の9番「くっ、だったらボールを返しな!」 すぐさま奪い返そうとするが、 氷潤の11番「相手をするのも面倒くせえな……六波羅っ!」 ボランチへのバックパスで逃げられる。 大前「……トップ下じゃなく、ボランチに戻した? まだ序盤だって言うのに、後ろに回し過ぎじゃないのか?」 菱野「うぅん……中盤でショートパスで繋ぎながら、遅攻でも掛けるつもりなのでしょうか?」 あまりにも消極的な態度に、そう判断する二人。 だが、パスを受けた氷潤ボランチ・六波羅は、 六波羅「やれやれ……少しは自分で切り込んでいって欲しかったんだがな」 ボールを持ったまま、上がっていく。 実況「おっと六波羅くん。戻されたボールをキープして上がっていきます! 積極的な姿勢ですが、中盤の守備は大丈夫なのか?」 忠賢の11番「へっ! わざわざ上がってきてくれて、ありがとよ! そのボールを取って攻撃再開だぜ!」 六波羅「……」 挑発的に笑いながらチェックに来る相手に対し、六波羅は意にも解さぬような無表情のままドリブルする。
[762]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:32:12 ID:??? 忠賢の11番「ちっ! スカした顔してんじゃねえ!」 スライディングでボールを奪いに行く11番。 六波羅「ふん……」 だが、六波羅は軽く鼻を鳴らしながら回避する。 忠賢の9番「やるな六波羅! だが一人で駄目なら、二人だ!」 忠賢の7番「これでどうだ!」 続けて、残ったFW二人もチェックに行くが、六波羅の涼しい顔は崩れない。 六波羅「おっと? 流石にキツイな……」 後ろ足でボールを捏ね、身体を入れ替えて守り、巧みにキープする。 早瀬のように速いわけではなく、瀬川の様に問答無用に突破するわけでもない。 長池や雪村、あるいは大前の様にフェイントを駆使するという訳でもない。 だが、六波羅は粘り強くボールを離さずにおり、徐々に前に進んでいた。 忠賢の10番「くそっ! 何やっているんだ!」 取れそうで取れない。そんな状況に苛立ったのか、10番もボール奪取に参加しようとする。 六波羅「……ここだな」 それを見て、六波羅も動いた。 無理に三人を相手にキープし続けようとせず、サイドにはたく。
[763]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:33:26 ID:??? 氷潤の7番「へへへっ! ど真ん中が、がら空きだぜ!」 そしてそれを、スペースに走りこむ氷潤の10番に渡した。 氷潤の10番「ナイスパスっ」 実況「おっと、これは上手い連携だ! 六波羅くんがキープして相手フィールダーを引きつけ、サイドにはたく。 そうして生まれたスペースに、トップ下の10番を走らせて折り返すように渡す。地味ではありますが、効果的です!」 忠賢の8番「ちっ! させるか!」 氷潤の10番「おおっと! 怖い怖い!」 そして10番も相手に着かれる前にパスを出した。 今度は後ろでも横でもない。前方を走るFWへの――ラストパスだった。 氷潤の9番「よっしゃあ! 先取点のチャンスだっ!」 パスを受け、即座にシュートする。 忠賢のキーパー「ぐっ……こっちの先攻なのに、もう撃たれたのか!? えぇいっ!!」 利き手の逆、しかもその隅を狙ったシュートを、なんとか弾くキーパー。 どうにか先取点を防いだ……そう一息吐いたのも束の間、 氷潤の11番「キッチリ決めろよな……まったく。それっ!」 ツートップのもう一方に、すかさず押し込まれた。 ピィイイイイイイ! ホイッスルが、氷潤の先取点を告げる。
[764]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:35:01 ID:??? 実況「決まりました! 前半3分、氷潤中が早くも先取点です! ボールを戻し遅攻を掛けるかと思われましたが、六波羅くんのボールキープで相手を引きつけ、逆に速攻! 鮮やかにゴールを奪います!」 大前「上手いな。派手さは無いけど、巧みに練られた攻撃だ。ボールキープにパスワーク。いずれも相当な練習の後が見える。 サッカーの基本に、愚直なまでに忠実って感じだな」 菱野「それに今の11番の方のシュート……見た感じですが篠田先輩のものと同じぐらいの威力はあると思います。 あのボランチの方といい、選手層も浪野中より一枚上手というかんじですわ」 偵察する二人も思わず唸る。 忠賢の10番「ぐっ……しまった、何が何でも前半の内に1点入れるつもりが……」 忠賢の9番「逆に向こうに取られちまった。恐れていた展開になったな……」 大前(? 忠賢の連中、ヤケに動揺しているように見えるな。先取点を取られたにしても、焦り過ぎじゃあ――) 実況「さあ、早くも忠賢二度目のキックオフです。このビハインドをどう返すのか?」 忠賢の9番「こうなったら、丁寧にパスを回して隙を伺うしかない……何とか1点を取って前半を折り返さないと……」 氷潤の11番「無理無理。付き合うのもダルいから、早く諦めろって」 忠賢の7番「うるせえ! お前の挑発には乗らんぞ! もうカットされてたまるか!」 がなりながら、11番にカットされないよう別コースでパスを回す忠賢勢。 氷潤の11番「一応、本気で言ってるんだけどな……ま、俺が動かなくて良いなら、かまわねえけど」 その後、前半のほとんどを空費して、パス回しで氷潤陣内を切りこんでいく忠賢攻撃陣。 前半18分、ようやくシュートレンジまでボールを運ぶことに成功する。
[765]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:36:59 ID:??? 忠賢の9番「……この時を待ちに待ったぜ! 喰らえ!」 ミドルシュートを放つ9番。だが、その前にいたのは、 三井寺「やっと俺の出番か。退屈していたところだぜ!」 大前「! アイツは――」 かつて大前のヘディングを防いだ氷潤の3番――三井寺。彼がシュートをブロックに行く。 そして、 ポスン。 そんな軽い音が聞こえてきそうなほど、簡単にブロックする。 三井寺「なんだこりゃ? シュートにしちゃ威力が無いけど、俺へのパスかい?」 ニヤリと笑う三井寺。嘲られた9番は、睨み返すことすらも出来ない。 忠賢の9番「うぅ……」 大前「……なるほど、忠賢が攻撃重視の布陣を敷いた理由が分かったよ」 菱野「え?」 ポツリと呟いた大前に、菱野が弾かれたように振り向く。 大前「あのブロックの上手い3番、アレがゴール前に張り付いている限り、忠賢は二人のキーパーを相手にしているに等しい。 そんな相手にFWにタレントのいない忠賢が点を取るには、一縷の望みに賭けてシュートを数多く撃つしかないんだ。 だから3トップにして、とにかく攻撃の機会を増やそうとしたんだろう。……あいにく、実を結んでいるようには見えないけどね」 菱野「なるほど……」
[766]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:38:04 ID:??? 三井寺「やれやれ、歯ごたえが無いねえ。じゃあ、折角ボールを貰ったことだし――それっ!」 受けたボールを、強く前線に蹴り出す。その先に佇んでいたのは、先程に先取点を挙げた11番だった。 パスワークで攻めこむために、前掛かりになっていた忠賢中。チェックにいけるのは、ラインを上げていたDFのみである。 忠賢の5番「野郎! 追加点は入れさせねえぞ!」 忠賢の4番「そいつをこっちに寄越せ!」 氷潤の11番「やだね」 軽々とDFをかわし、相手陣内に切り込んでいく11番。 彼の目の前に広がるのは、無人のフィールド。だが、その背に必死で追いすがろうと、忠賢のフィールダーが駆け戻ってくる。 忠賢の6番「ま、待てェ!!」 氷潤の11番「はぁ……こんどは追いかけっこか? 付き合ってられねえな……」 背後から聞こえる声に鬱陶しそうにしながら、フリーの内にシュートへ行く。 実況「氷潤の11番、まだ距離があるが撃ちに行きます! ゴールは遠いがフリーだ! これはもしかして追加点のチャンスか!?」 氷潤の11番「そらよっ!」 ゴールまで、およそ30mのロングシュート。距離があるにも関わらず、それは狙いを過たず枠内に飛んでいく。
[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:39:04 ID:??? 忠賢のキーパー「舐めやがって……そんな距離からのシュート止めてや――!?」 バチィ! 発奮してキャッチにいったキーパーだが、思った以上の威力にボールを押さえきれず、弾いてしまう。 そこへ氷潤ツートップのもう一方が、こぼれ球へ走りこんでくる。 氷潤の9番「へへっ! ごっつぁんゴール、頂きだぜ!」 バランスを崩したところへ、近距離からのシュート。追加点は決まったものと誰もが思ったが、 忠賢のキーパー「ぐぐぐっ! ――――このおっ!!」 倒れこみながらのパンチングで、なんとか防ぐ。 氷潤の11番「……だっせえ」 氷潤の9番「う、うるせえよ!」 忠賢のキーパー(や、やった! 何とか防いだ! このまま1点差で折り返して、後半なんとか逆転を――) ホッと安堵の息を吐くキーパー。しかし、 氷潤の10番「ま、こういう時のために――」 忠賢のキーパー「――え?」 バコンっ! ザシュっ! 氷潤の10番「――トップ下ってポジションがあるんだよな」 氷潤の10番が、もう一度ねじこんでゴールを奪った。
[768]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/09(金) 01:40:04 ID:??? ピィイイイイイイイイ! 実況「氷潤中、ここで追加点を奪います! 前半終盤の今、ゴールを奪えたのは大きい! 後半は後攻の氷潤ボールから始まるのです! 追いつくために、それを奪いに行かなければならない忠賢には、厳しい展開だ!」 大前「浪野とほとんど同クラスの忠賢に、これだけ一方的な展開か……パワーアップした氷潤中、こいつは手強い相手になりそうだぞ」 菱野(大変ですわ……これはしっかりとデータを取らないと!) … … … その後、試合は氷潤優勢のまま推移した。
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0ch BBS 2007-01-24