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【覚醒祭】キャプテンEDIT4【開催!?】
[510]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:07:25 ID:??? 実況「場内は割れんばかりのブーイングに包まれております! 負傷者を相次いで出しての退場となれば致し方ないかもしれません!」 柿原「……向こうの応援も、良く言えたものだ。清栄側こそ、わざと相手の骨を折りに行った選手を抱えていたくせにな」 小豆沢「まったく……嫌な事件だったね」 夏の苦い経験を思い出して顔を伏せる、観客席の小豆沢。 金成「おやおや。夏の大会での立場が、逆になっちゃったかな? もっとも、アイツら程度ならいくら怪我しようとも替えが利くし……鳴紋と違って、俺らは圧勝するがねえ?」 嘲笑う金成。 菱野「あ、ああ……!」 チームの危機に、顔を青くする菱野。 そして、一気に不利になった展開に、首が冷たくなっているはずの飯地は、 やす子「菱野ちゃん菱野ちゃん。ボサっとしてないで、救急箱持ってきて。長池くん、怪我したまま戻ってくるからさ」 まったく平静に、菱野へ指示を飛ばした。 菱野「え?」 渡会「か、監督?」 国岡(この女、今がどういう状況か分かってるのか?) 危機感、というものが感じられない言葉に、指示を受けたのみならずベンチの部員たちも目を瞬く。
[511]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:08:34 ID:??? 菱野「か、監督。慌てたりなさらないんですか?」 やす子「何で?」 菱野「い、今はチームがピンチなのですよ? 前半で退場者が出て、これから10人で戦わなければいけなくなって――」 やす子「ええ、大変ね。けど、それで私が慌てて、何か良いことがある?」 菱野「はあ……無い、でしょうけど」 やす子「だったら、慌てなくてもいいじゃない。……長池くん、夏をスランプで棒に振ったみたいにメンタル弱いからね。 今、ちゃんとケアしないと本格的に立ち直れなくなるわよ。裏方の私たちがしっかりしとかないと。ね?」 菱野「監督……」 そう言う飯地を、菱野は眩しそうな目で見る。 菱野(監督は……怖くはないのでしょうか? この試合に負けたら、監督は――) やす子(とはいえ、結構ピンチよね……とにかく、もう一度ボールを取り戻して先に1点を取らないと、ズルズルと負け一直線だわ。 頼みの綱は大前くんの『クリアボム』だけど、そう何度も使えないし――) 当然、飯地とて切羽詰まっている。だが、それでも彼女は冷静さを保っている必要があった。 飯地やす子は、鳴紋中サッカー部の監督である。監督が危機に選手と一緒におたおたしていては、残っている勝ち目も潰れてしまう。 大人としても指導者としても、断じて狼狽するわけにはいかなかった。 大前「長池さん、その、なんて言ったらいいか……」
[512]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:09:45 ID:??? 長池「ごめん、大前……」 大前「え」 常ならば自分のことを相棒と呼んで憚らない長池。それなのに、急に名前で呼ばれて、大前は言葉に詰まってしまった。 長池「すまない、折角の大舞台でこんなことになっちまって――」 大前「な、何を言っているんですか! 俺たちは負けてません。それどころか、まだ1点も入っていないじゃないですか。 ネガティブになるには、早すぎますよ」 瀬川「そうそう! この俺もいることだし、ドーンと構えて結果を待ってな! 一時間後には特大の吉報を持っていくからよ」 長池「大前……瀬川……俺は――」 観客「何チンタラ残ってるんだ! 早く引っ込め!」「この野郎、俺たちの長池を馬鹿にする気か!?」「あぁん、やんのかコラ!」 審判「……(チラリ」 観客の罵声と、審判の視線。それが長池の言動を遮った。 長池「――スマン。後は頼んだ……」 大前「はい。任せておいてください」 実況「長池くん、観客席のどよめきを背負いながら、今退場しました。 この秋季地区大会、要所要所で活躍していただけに、この退場は惜しまれるところではあります。 しかし、前半戦で対戦相手に負傷者二名という事態とあっては、仕方の無いことではあるでしょう!」 やす子「お疲れ様。残念だったわね、長池くん」
[513]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:10:48 ID:??? 長池「監督……すいません」 やす子「ま、今は何も言わなくても良いわ。怪我もしていることだし、ゆっくり休んでいてね」 菱野「控え室まで、付き添いますわ。どうぞ」 長池「……」 救急箱を手にした菱野に連れられて、長池はテクニカルエリアを後にする。 やす子「さて……ここからが正念場ね」
[514]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:11:48 ID:??? 〜控え室〜 菱野「さ。お手当いたしますわ。まずはソックスをお脱ぎください」 長池「ああ……」 ほとんど為されるがままに治療を受けながら、長池は考えていた。 何故、こんなことになったのか。 自分はスランプを克服し、かつて以上の実力も身に付けたのではなかったのか。 失調の原因だった氷潤中にも、借りを返せたのではなかったのか。 それなのに何故、決勝の大舞台でこんな事態を引き起こしてしまったのか。 長池(分不相応に、光なんて求めたからなのか? ……どぉせ俺なんか――) どうせ自分なんか。あのスランプ以来、何度も口にした言葉だった。それが今、胸中に重く圧し掛かってきていた。 菱野「……いけませんわ、長池さん」 長池「え?」 菱野の言葉に、思わず顔を上げる。 菱野「今の長池さん、とてもヤケになられているお顔でしたわよ?」 長池「……分かるのか」 菱野「ええ。何だかこの世の終わりが来たみたいな表情です」 長池「……この世の終わりかどうかは分からんが、少なくとも俺は終わりだな。 大事な決勝戦だというのに、前半が始まってすぐに退場だ。……負ければ間違いなく戦犯扱い。 どの面を下げてサッカー部にいればいい?」
[515]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:12:52 ID:??? 菱野「そんなことを仰らないでくださいな。大前さんにも言われたのでしょう? まだ負けていないし、それどころか1点も入れられていないって。ご自分の後輩の言われたことが、信じられませんか?」 長池「だが……」 菱野「もしかしたら、ご自分が退場になったせいで、チームが負けるとでもお思いですか? だとしたら、怒りますわよ。鳴紋中サッカー部は、部員の皆さん全員が力を合わせて、ここまで勝ち進んできたのですよ? 長池さんお一人が抜けたくらいで、負けるチームではありませんわ」 そう言い切る菱野。 だが、長池は感じていた。自分の脚に包帯を巻く菱野の手が、微かに震えていることを。 ――本当は菱野とて不安を覚えている。否が応うにもそれを察してしまった。 長池「……そうだな」 それを敢えて無視して、長池は肯いた。 自分より一歳年下の少女が、虚勢を張って励ましの言葉を口にしている。 地獄に堕ちたと自称する長池ではあるが……それを無下にする所まで堕ちるつもりはなかった。 菱野「――はい。手当ては済みましたわ」 長池「すまん。助かったよ」 菱野「いいえ、お礼には及びませんわ。これが私のお仕事ですから。……出過ぎたことを言って、すいませんでした」 長池「いや……マネージャーに喝を入れられなければ、このまま腐りきるところだった。ありがとう」 菱野「ですから、お礼には及びません。では、私はベンチの方に戻りますね」 長池「ああ。みんなの応援、頼んだぞ」 控え室を出る菱野を見送る。
[516]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:14:21 ID:??? 長池(……出来た娘だ。大前め、うっかりと気付かないまま手放す、なんてことがなければいいが) 長池も、菱野が大前に気があることは察していた。 本人にはあまり縁の無いことではあるが、えらく女性に人気のある瀬川と長年組んでいただけあって、男にその気を抱く女性の素振りには、 否でも精通してしまっている。 長池(それにしても、大前、か。よくよく考えると、俺とアイツとの関係も、妙なものだったよな……) 同じ試合でヘマをして、そこに長池が一方的に共感して、これまた一方的に付きまとったのだった。 初めに合った時は、印象にも残らないただの後輩だったというのに……今では、無くてはならない大事な仲間である。 思えば、長池が今身に付けた技の大半は、大前との特訓で身に付けたものだった。 そして、お互い切磋琢磨して鍛え上げた力で、二人はともにチーム内で復権を果たしたのだった。 考えれば考えるほど、自分には過ぎた仲間に思えてくる。 長池(……頼んだぞ、大前。俺はまだ、お前を相棒と呼ぶ資格を失いたくはない。虫の良い話だが、なんとか勝ってくれ……!) ※ 長池の菱野への感情が、『長池→(応援したい)→菱野』に変化しました ※
[517]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:15:25 ID:??? 控え室から出た途端、菱野は膝から崩れ落ちた。 胸が痛い。不安と焦りが渦巻いていて、心臓が怖いくらいの早さで鉦を打っている。 菱野「う……くっ……」 喉から漏れる嗚咽を、ほとんど必死になって押し殺す。 ――本当は、長池のしたことを怒っていた。 飯地の進退が懸かった試合を、そうとは知らないとはいえぶち壊しにしかけた彼が、憎かった。 傷の手当てを手当てをしながらも、ともすれば恨み言を吐きそうになる自分を、必死に押し隠していた。 菱野(嫌……こんな私、絶対に嫌……!) 黒い感情を『マネージャー』の仮面で覆って澄ました顔をする自分に、嘔吐を催すほどの嫌悪を感じる。 それでも長池に思いの丈をぶつけずに済んだのは、自分の首を賭けながらも努めて冷静に振舞う飯地のため。 そして、長池が大前にとって大事な先輩であるためだった。 菱野(わ、私、大前さんに嫌われたくないからって、あんなに良い子ぶって、自分でも信じきれてないことを口にして……。 こんなの、こんなの私がなりたい私じゃない!) 理想のマネージャー像と今の卑小な自分に感じるギャップ。 部内で最も身近な人である飯地監督がいなくなるかもしれない未来への不安。 思い人である大前が苦境にあるという状況がもたらす苦痛。 心にため込んだ感情を吐き出せない葛藤。 内側から突き上げる様々な感情に、菱野の胸は今にも張り裂けそうになっていた。 菱野「た、助け、てください……。大前さん……おおまえさん……」 子どものように力無く蹲りながら、ついにはそんな祈りめいた言葉が口を吐いたのだった。
[518]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/04/17(土) 23:16:27 ID:keEUnWnU 先着1名様で以下の文の『!』の後のスペースを消してカードを引いてください。 ★おとめのいのり→ !card=★ カードの絵柄で結果が変化します ダイヤ・ハートのJ以上 → 菱野の祈りは大前に届いた! 試合中全判定に+1の補正&ポスト・枠外が発生しなくなる! それ以外 → そんな都合の良いことは起きない。主人公なら実力で勝て! ダイヤのK・JOKER → ダイヤの効果がチームメイト全員に! 大前には更に補正が+2に!
[519]森崎名無しさん:2010/04/17(土) 23:16:49 ID:??? ★おとめのいのり→ ハートQ =★
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0ch BBS 2007-01-24