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【正常期よ】キャプテン森崎37【永遠なれ】
[48]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 14:00:08 ID:Z/8rfEjq 翌日の全体練習は前日の発表通りコンディション調整とチーム練習に費やされた。 と言ってもこの世代はほぼ同じメンバーで何度も組んでいる為初日から連携に目だった問題は無い。 必然的にチーム練習は組織プレイを洗練させるよりもここ数ヶ月の成長ぶりをアピールする機会となり、 見上もそれを明言こそしなかったものの選手達の進歩を観察しやすいメニューを組んでいた。 最初に誰もが度肝を抜かれたのは集合の時だった。 何故ならキーパー用のユニフォームを着ている者が森崎一人だけだったからだ。 松山「えっ!?若島津、お前それ…」 次藤「フィールダーのユニフォームやっか!」 もう一人のGKである筈の若島津は青いシャツと白のズボンを着ていた。 どこからどう見てもGKではなくフィールダーである。 若島津「そうだ。これからは俺はDFだ」 赤井「マジッスか!あ、でもそういえば西ドイツJrユース戦ではDFとして出ていましたね」 新田「じゃあこのチーム、今GK一人だけじゃないですか!」 若島津「紅白戦や森崎の負傷などの場合はGKになるさ。だが基本はDFだ」 高杉「(なんてこった…また俺の出番が減りそうだ…)」 森崎「(こいつは有難い…って訳でもないな。元々こいつじゃ俺の相手にならないし)」 若島津のDF転向は多くの驚きと不安を持って受け止められた。いくら適正があったとは言え、 つい先日まではGKとして戦ってきた選手がそう簡単にフィールダーにコンバート出来るのか? 浴びせ蹴りに寄るクリア要員としては優秀かも知れないが、それしか出来ないんじゃないか?と。 結果としては、その心配は杞憂に過ぎなかった。
[49]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 14:00:20 ID:Z/8rfEjq 若島津「ハッ!」 バシュッ! 沢田「わぁ!」 若島津「抜いてやる!」 ババッ、ダダッダッ! 次藤「うぬおっ!?」 見上「ほう…大した物だ、数ヶ月でここまでになるとは(吉良氏が教えたのだろうか?)」 住友「凄いですね!タックルでどんどんボールを奪えていますし、ドリブルはMFとしても通用しますよ!」 見上「ドリブルはな。だがパスとパスカットはダメだ、フィールダー経験の少なさが読みの下手さ、 視野の狭さとしてくっきりと出ている。FWもシュート精度が無いから無理だ。当分DFとしてしか使えないな」 住友「当分…と言う事は将来的には?」 見上「そこは私にも分からん。GKとフィールダーを兼任する選手など世界的に見ても稀だから 全く予測が出来ない。この先若島津がどんなタイプの選手になるかはまだまだ未知数だ」
[50]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 14:00:37 ID:Z/8rfEjq 当初、チームの注目は予想外にも即戦力級のDFに変身した若島津に集まっていた。 しかしそれは次のより大きな変貌を遂げた存在によって一気に掻っ攫われていった。 それは見違える程動きが良くなっただけでなく、数々の新技を引っさげてきた中山だった。 中山「知り難き事陰の如く!」 クルッ…パッ! 森崎「(なにィ!?ネイの消えるフェイントみたいに相手の視線を釣って…いや、消えるフェイントそのものだ!)」 ドリブルでは森崎のみが見慣れている筈の数々のトリックスタイルを披露してみせ。 中山「静かなる事林の如く!」 バシュッ! ビュゥウウウウウウン…! 山森「おおおっ…!」 パスを出せば山森のそれに勝るとも劣らない精度とタイミングを見せつけ。 中山「侵し掠める事火の如く!」 ズザァアアアアアアッ!! バギャッ! 滝「ちょっ、中山、本気でやるなぁああ!いてっ!」 タックルは地面を薄く削る程の勢いと鋭さを誇り。
[51]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 14:01:02 ID:Z/8rfEjq 中山「疾き事風の如く!」 ダダダダダッ! バシッ! 三杉「(以前よりずっと判断速度も速力も上がっている…)」 パスカットではパスコースにちょうど良いタイミングと速さで走りこみ。 中山「動かざる事山の如く!」 ボゴッ!ズズッ… ポトッ。 新田「(俺のファルコンクロウが…流石中山さんだ!)」 ブロックをやらせれば崩れる事の無い壁と化した。 森崎「(す、すげえじゃねえか中山…意地を張っている理由はこれと関係あるのか?)」 その余りの獅子奮迅振りにはチームメイト達も舌を巻き、見上と住友までもが圧倒されていた。 見上「これは…!」 住友「す、凄いじゃないですか!もう以前とは完全に別人ですよ!」 見上「キッカケがあれば成長すると思っていたが…これは成長どころの話ではないな… (しかも恐ろしい事に未だ発展途上の様にすら見える。これはひょっとすると…)」
[52]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 14:01:24 ID:Z/8rfEjq いったんここまで。
[53]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:14:41 ID:Z/8rfEjq 岬「(へえ、やるね中山くん。何時かは復活するだろうと思っていたけど予想よりずっと早く、 そしてずっと強く復活したな…じゃあ僕もそろそろ新しい武器のアピールを始めるか)」 バシュウッ! ギュゥウウーーーン!! 早田「…な、んだと…」 松山「おおっ!凄いぞ岬!」 岬「ブーメランシュートをパスに応用してみたんだ。名付けてブーメランパスって所かな」 次に注目を集めたのは岬のブーメランパスだった。文字通りブーメランの様な軌道を描く様に カーブをかけられ守備側の選手を避けてから目的地につくパスが岬の視野の広さと協調性も相まって 反則的な成功率を見せ付けたのである。事実1回だけでもカットに成功したのは三杉だけで、 他は赤井、中山、中里らがかすらせるのが精一杯と言う有様だった。 見上「(ほう、良いな。パスとパスカットに特化した選手は貴重だな)」 その次に魅せたのは立花兄弟だった。ブーメランパス一本で存在感を出した岬とは対照的に彼らは これでもかと多くの技をアピールした。特筆すべきはその多くがいままでとは違い一人で出来る技だった事である。 政夫「へへへ…取れるモンなら取ってみな!」 カササササッ! 高杉「…え?こんなのアリか?」 四つんばいになって足だけでなく手も使い、二足歩行では有り得ない移動パターンで 相手をかく乱するドリブル。立花兄弟曰く「山猿キープ」である。
[54]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:14:56 ID:Z/8rfEjq 和夫「ほーれ、取ってみろよ!」 バッ! クルッ! バコォオオン! 井沢「…非常識さに磨きがかかってる…」 飛びあがりながら踵と腿にボールを挟み、そのまま前転して空中でパスを出す「ムササビジャンプパス」。 政夫「これがホントのポストプレイって奴だぜ!」 バッ! ガィイイイイン! バコッ! 若島津「(ゴールポストを利用したポストプレイか。俺もやろうと思えば出来るが、 俺とあいつらではパスの上手さがまるで違うから比べ物にならないな…)」 ゴールポストを蹴って高く飛んで行うポストプレイ、その名も「デルタポストプレイ」。 更に彼らはこれと同じ事をゴールポストではなくスカイラブハリケーンを使って行う「スカイラブポストプレイ」も披露した。 石崎「(あいつら、ホントは猿呼ばわりされるの嫌じゃないんじゃないか?)」 見上「ますます曲芸らしさが増しているが、彼らはあれで良いかも知れんな。なにより一人で起用する目処が 立ったと言うのはかなり大きい。今までは二人同時で起用しなければいけないのが非常にマイナスだった」 住友「キープ力が増し、ボール回しにも参加出来る様になった分FWとMF両方で使えそうですね」 見上「後者の場合は地上戦のディフェンスではまるで役に立たないのが欠点だがな」
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:15:11 ID:Z/8rfEjq 若島津、中山、岬、立花兄弟と派手で強力な成長を遂げた5人がスタメン起用に向けて 強力なアピールをした後は彼ら程ではないが成果を出してきた者達が順番に注目された。 次藤「一本たりとも通さんタイ!」 ボスッ! バコッ! ポンッ! 三杉「(以前よりずっと読みが早く正確になっている。良いぞ次藤)」 重量級の体をより早く、より確実にシュートコースに割り込ませられる様になった次藤。 松山「これが俺のヒグマブロックだァ!」 バコッ! バスッ! 全日本メンバー「(ヒグマ…?)」「(ホントに松山のネーミングセンスと来たら…)」「(ただのダイビングブロックじゃねーか)」 本職のDF並のブロックを連発出来る様になった松山。
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:15:29 ID:Z/8rfEjq 来生「ハッハァ!これが俺の新奥義、ローリングヘッド…」 ダダダッ!バッ! グルンッ! バコォオオオオオオオン!! ズザーーーーッ! 来生「だぐげぎごがぁああああああああ!?」 三杉「(良い威力のヘディングシュートだけど…地面を額で滑るのも技の内なのか?)」 前転した勢いをつけたヘディング「ローリングヘッド」をカッコ悪くアピールした来生。 井沢「それっ!」 滝「おりゃっ!」 来生「そらよっ!」 バシッ!ポーン!ダダダッ!バシュッ! 岬「(あの3人、とうとう連続ダイレクトパスを出せる様になったんだ。ちょっと遅すぎた位だけど、 格別に上手い滝くんが参加している分突破力は凄いな。その割に井沢くんが指揮しているのは効率が悪いけど)」 それに加えて3人がかりの連続ワンツーを公開した修哲トリオ。 彼ら5人は劇的ではないものの目に見える成果を出した事で存在感を増していた。 逆に折角新しい力を身につけたり弱点を克服したものの前述の者達のアピールに 注目を奪われ影が薄くなってしまった者達も居た。その最もたる者が早田だった。 早田「(くっそぅ…パスを磨いたのは無駄だったかな?このままじゃマジでスタメンがやべェ)」
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:15:41 ID:Z/8rfEjq 早田が以前よりも格段にパス出しに置ける状況判断能力を増していたのに気付いた者は少なかった。 精々三杉、岬、山森と言ったパサーや見上監督くらいの物である。そして彼らと早田は気付いていた。 折角パスが上手くなってもそれは所詮三杉、岬、山森の3人に及ぶ物ではなく、更に 中山や立花兄弟がパス能力を開花させた事で彼の成長は実際よりも価値が低い物になってしまっていた。 今まで不動のレギュラーとして、海外の敵にすら警戒される名ストッパーとして かなりの栄光を得ていた早田だったがここに来て彼は初めて自分の立場を脅かされていた。 早田を落ち込ませる遠因の一つになった山森もまた存在価値の希薄化に悩まされていた。 山森「(やっぱりこの程度じゃダメだ。今のままではスタメンとして使ってもらえない…!)」 必死でタックルを練習したは良いが、それでも松山さんには明らかに劣る。 そして岬、中山、立花兄弟が必殺パスを身につけた事でパサーとしての価値も薄れた。 今の山森は良く言えばオールラウンダーだったが、悪く言えば器用貧乏だった。 葵「(折角直角フェイント覚えたのに、皆ちょっとしか驚いてくれなかったなあ)」 対照的にやっと習得した直角フェイントがあまり注目を浴びなかった葵は あまり落ち込んでいなかった。彼の場合ドリブラーとしてスタメン起用確率が高いのもあったが、 それ以上に世の中には直角フェイント以上のドリブルテクがいくらでもある事、 そして以前森崎に「それだけでは足りない」と言われていたのが彼を助けていた。 葵「(もっと凄い技じゃないとダメって事か。じゃあどんなのが良いんだろう?)」
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2010/04/18(日) 18:17:30 ID:Z/8rfEjq いったんここまで。
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0ch BBS 2007-01-24