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【力と】小田Jr.の野望12【仲間を求めて】
[156]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 16:35:17 ID:xNl6Clao 城山「さて大変なことになった。本当なら今頃、親父の後をついでそこそこのポストで悠々と 暮らしていくはずだったんだけどな…」 戸田「今更なにを言ってるんですか。美津乃社長に言いつけますよ?」 城山「ハ!つい本音が…すまん。このことは内密にな」 戸田「でも感謝してるんですよ。どうしても父親に比べられてばかりだった人生が監督のお陰で 楽しくサッカーが出来るようになったんです。監督がNIKEに就任しなければ私は今でも 暗闇の中で必至にもがいていたと思います」 城山「それはいいすぎだよ。…ま、でもこれも慈善事業の一環なんだろうな。本当に美津乃ちゃんらしい」 太原「それでは前半はいつものように俺がチームを指揮して相手の出方を見ます。何か問題があったら 指示をください」 城山「わかった。頼りにしてるよ。この年になると声を張り上げるだけでも疲れるんでね。楽が出来るのなら それが一番いい。」 白鳥「本当に監督は何度も日本一になった若き名伯楽なんですか?いや、母の言うことは信じてますが…」
[157]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 16:36:54 ID:xNl6Clao 城山「いつも言っているだろう。この世界に伯楽なんていない。いるのは努力する少年少女と それを補佐する単なる大人たちだ。子供は育てるのではなく育つものなんだよ。 まあ、この考えに至るまでにはいろんな事を考えたけどね」 どことなく遠い目をする自称50ちょっと手前の名監督。監督と呼ばれる年にしてはまだまだ若造である はずだが、その瞳の色はどこまでも深い。 白鳥「はぁ…」 しかし彼の共感を得ることは出来なかったようで、気の抜けた返事が返ってくるだけだ。 村川「大丈夫だよ白鳥。なんだかんだで監督は頼りになる。これは間違いない事実だ」 父の影響かインテリに育った村川は眼鏡をスポーツ用のものに変えながら白鳥の肩をぽんと叩く。 城山「そういえばお前のお父さん相変わらず最強のオオバコを作る研究してるのか?」 村川「…いいえ。それは2年位前に極めたとかいって、最近ではもっぱら世界縦断できるタンポポの 綿毛の研究をしているようですよ」 城山「きっと悪性にしろ良性にしろ外来種はこうして増えていくんだろうな…」
[158]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 16:37:59 ID:xNl6Clao 村川「父曰く、全ての原理原則行動は自然の摂理からなる。たとえ今は外来種と呼ばれても一万年の後から 見れば屁みたいなもの…らしいですよ?」 城山「俺達は一万年も生きられないからぴんと来ないな…」 至極真っ当に答える城山。臨戦態勢になってもクラブチームNIKEのベンチは毎回こんなものである。 パンパン! 朝比奈「さぁ、リラックスタイムはここまでだ!奴さんが怒り出さないうちに整列しようぜ」 実のところチームリーダーでもキャプテンでもポイントゲッターでもない朝比奈だったが、こういう場面 での意識の転換は人一倍上手く、両手を2度鳴らしただけで皆の注意を喚起させる。 城山「それじゃみんないってらっしゃい。お土産は出来ることなら楽して勝つこと。出来ないなら 全力で勝つこと!」 一同「サー!!」 まるでその辺の買い物にでも送り出すように軽く勝利してこいというNIKEの監督。 この場での話を聞いて、なぜ少年達からここまでの信頼感を得られたのか。今の城山には それをなしえる不思議な魅力を持っていた。 〜〜〜
[159]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 16:39:46 ID:xNl6Clao 〜〜〜 実況「さぁ!ついに平成XX年度全日本小学生サッカー大会南葛地区大会準決勝第二試合。 修哲小対クラブチームNIKE。南葛SCが結成される前は最強の名を欲しいままにしていた純粋な古豪と 最も新しく結成された新興クラブ。色々な意味で相反する二つのチームがぶつかり合います!」 正美「はい。この試合の勝者は恐らく常勝南葛にとって最強の刺客となるでしょう。普段あまり 偵察といった行動をしない南葛SCメンバーの姿も多く見ることが出来ます」 実況「確かに!あそこにいるのは南葛キャプテンの内村君に長野君。他にもちらほら姿が確認できます!」 〜〜〜 亜沙里「なんていってるよ?」 どこから持ち出したのかものすごく安物のラジオをチューニングしながら話しかける楠原亜沙里。 どうやら映像自体はケーブルテレビでしか流さないのだが、実況は観客のためにミニFMのようなもので 発信しているようだった。
[160]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 16:41:14 ID:xNl6Clao 小「ま、俺は純粋な意味ではレギュラーですらないしな」 あっけらかんといいはなつジュニア。楠原亜沙里という人物を色々な意味で信頼しているので 特に隠し立てする事はない。 亜沙里「あらま?でも先週と先々週は…は!?」 小(にやり!) 小「なんだ、やっぱりそうじゃないか」 亜沙里「だ、騙したね。私を騙すなんてなんて100年早い!」 ぷいっと顔を背ける亜沙里。彼女の子供らしい怒り顔なんて見る機会が珍しいので怒られてるにもかかわらず ジュニアはその光景をなんとなくほほえましく見ていた。 春菜姫「はいはい。痴話げんかは神さまだって食わないよ。それよりもほらもう始まる。」 春菜姫の言葉にフィールドを注目すると今まさにゲームが始まるところだった。 〜〜〜
[161]小田ジュニア:2010/04/23(金) 16:43:27 ID:??? とまあ、いったんここまで。試合開始前で既に10レス程使ってますが、気にしないでくださいませ。 続きは8時くらいには落とせると思います。
[162]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 20:17:20 ID:xNl6Clao 〜〜〜 −−−@−−− @城島 −−A−B−− A国分B高杉 −−C−D−− C二宮D相葉 −−−F−−− F松岡 −E−−−G− E大野G松本 −−−I−−− I井沢 −−H−J−− H長瀬J山口 −J−I−H− J戸田I来生H本多 −−−−−−− −G−−−F− G朝比奈F村川 −−−E−−− E太原 −−−D−−− D大久保 −B−A−C− B服部A松平C松下 −−−@−−− @白鳥
[163]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 20:18:21 ID:xNl6Clao 実況「さぁ、修哲小からボールでキックオフです。当然蹴られたボールを受け取るのは長瀬君。 シングルタッチでドリブルを…おおっと!ここにいきなり戸田さんと来生君がボールを奪いに来る!」 正美「スリートップをしいてるだけに守勢だと弱いですからね。ここは本気で奪いにくるんじゃないですか?」 長瀬「どけ!俺達には負けはない!」 半ば強引にドリブルで突破しようとする長瀬。 来生「くそ!パワーバカめ!」 純粋なパワーでの競り合いに負け弾かれる来生。 長瀬「次はお前だよ!」 バキン!! 戸田「きゃ…なんて…」 自分の得意分野ではないためここは水をあけられるちび師匠。
[164]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 20:19:23 ID:xNl6Clao 長瀬「はっはっは。まずはこんなものさ!」 まずは自慢のドリブル突破が決まったことに気をよくする長瀬。 井沢「先輩!まだそこで気を抜かないで!第2波が来る前に!」 そんな気をよくしている長瀬をたしなめるように大きく綺麗な張りのある凛とした声で叫ぶ井沢。 勝利の女神とも言われている彼女のその所以たる美貌と美声は例え上級生であろうとも 反発なく従えさせることに成功する。 長瀬「わかった!」 ばしゅん! 実況「ああっと!ここは朝比奈君がタックルに行く前にほぼ真横にパス!中盤の制圧力が低い チームNIKE、修哲小の素早いパスワークに追いつけません!」 正美「いいえ、多分これは作戦よ。無理にカットに行こうとしてもその直前で必ずフリーの人物に パスを渡せる軌道を確保している。ものすごく地味だけど洗練された攻撃パターンだと思います。 そうですね、修哲の作戦命のセンスから考えるとハーフケージ…『半鳥かご』とでもいいましょうか?」
[165]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 20:20:28 ID:xNl6Clao さすが女子全日本監督の山森であり、それはまさにその通りだった。中央となる井沢を中心に 常に数名にアイコンタクトと状況により変化するブロックサインでフリーなる位置を導き出し 囲まれたり立ちふさがれる直前でのパス回しを可能にしていた。 井沢(でも、この作戦も相手の…太原だっけ?にはいまいちみたいね。この技の最大の欠点は 相手がむきに取りに越させることで体力を減らさせることもあるのに、動きを最小限のライン上に 乗せてるだけで決して必要以上には動いていない。これではこちらの体力の消耗の方が多いかもしれない) 太原(ま、この技は前の試合で見せてもらったからな。それなりの対応策は考えるさ。でも厄介だよな、 もし先取点を取られた後にこれをやられれば無茶を承知で相手の策に乗らなきゃいけない。攻めながら 守る戦術なんて何で小学生…しかも年下に出来るんだよ) 2人の思念は交錯しどちらともなく顔がにやける。それは思いもかけぬところで好敵手にあったときの 戦闘狂の思考に近い。 じわじわと前線を押し上げる修哲小。それに対し最小限の体力消費で耐え忍ぶNIKE。それは太刀の 異なる真剣を使った勝負での間合いの取り合いのようにも見える。
[166]小田ジュニアの野望:2010/04/23(金) 20:21:32 ID:xNl6Clao 実況「試合開始からまだ時間にしてはそれほどたっていないはずですが奇妙な緊迫感がピッチを包みます。 一瞬の油断が命とり。しかし、体力は間違いなく攻めてのほうが削られていき…一体どちらが 先に音を上げるのでしょうか。序盤は互角と思っていいのでしょうか!?」 正美「いいえ。残念だけどここはNIKEが一枚上手のようね。スリートップがもう敵DFの 最終防衛ライン近くまで来ている。NIKEの村川君のパス能力はなら3つも焦点があるのならば 必ずそのいずれかにパスを決めてくるわよ」 そしてその予想は大当たりであった。 太原「いまだ!朝比奈、大久保、服部、松平!!」 4本の指をかざし、今まで最低限の行動しかさせなかった人物達…しかも最終ラインで守るべきDFを 使ってボールを取りにいかせる! 井沢(焦ったの!?こんな…) その一瞬の焦り、それはNIKEではなく修哲小にあった。
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0ch BBS 2007-01-24