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【新たなる】キャプテンEDIT5【道へ】
[764]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 01:53:46 ID:??? ラブコメは苦手といいつつ逃げずに立ち向かうなんて なんて素晴らしいGMなんでしょう
[765]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:46:46 ID:??? >>B.じっと瞳を見つめる -------------------------------------------------------------------------------- 大前(何のためかは知らないけど、『私のことを見てください』って言ってるんだし――ここは見つめ返す!) 熱で潤んで零れ落ちそうな瞳を、じっと見据える。 菱野「……やっと、私のことを見て下さいましたね……」 大前「え?」 万感の思いを込めたような言葉に、思わず目を瞠る。 菱野「大前さんってば、いつもずっと遠くのものを見てばっかりです……私のこともちゃんと見て下さい……」 拗ねたように唇を尖らせ、大前の胸に顔をうずめる菱野。 そのまま、肩口に手を這わせながら、ぽつぽつと呟いた。 菱野「私、いつも一番近くで大前さんのことを見ているんですよ? なのに、貴方はそんなこと知らん振り。酷いですわ」 大前「それは……ごめん」 謝罪の言葉が口を吐いた。マネージャーとして、自分たちサッカー部に尽くしてきてくれた菱野。 だが、自分はどれほどその献身に応えられただろうか。 まるで当たり前のことのようにそれを受け取り、報いることを忘れていないだろうか。 ……的を射ているかどうかはともかく、大前はそんなことを思ったのだった。 菱野「だったら、一つだけ我儘を聞いて下さいますか?」 大前「……何かな?」 菱野「今だけ……今この時だけでいいですから、私だけの大前さんになってください……何をされても、何が起きてもです」
[766]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:47:54 ID:??? 大前「……いいよ」 それで菱野の気が済むなら。そう思い、深く考えずに返事をする。 果たして菱野は、子どもの様に笑って喜んだ。 菱野「うふふっ」 ギュッと大前を抱きしめる腕に力を込め、胸に耳を当てる。 菱野「聞いちゃいましたからね? 今だけは私のものだって……手も足も、目も耳も……ここで鼓動を刻んでいる心臓も……。 全部、今だけは私の……」 大前「そんなに、嬉しいことなのかな」 菱野「はい。とっても嬉しいですわ」 それからの大前は、すっかり菱野の玩具だった。 呆れるほど長い時間抱きつかれていたり、指を絡め合わされたり、髪の毛に手櫛を入れられたり。 猫の様に奔放に振舞う菱野に、大前はされるがままだった。 大前(なんだか、コレ……どう考えても普通の状態じゃないよな?) いい年をした男が、同い年の女の子に触れられるがままになっている。それは、どう考えても尋常の状態ではない。 だが、心が上げるそういった疑問を、大前の身体は無視し続ける。
[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:48:58 ID:??? 菱野『……手も足も、目も耳も……ここで鼓動を刻んでいる心臓も……全部、今だけは私の……』 その言葉は本当のことだったのだろうか。 仲間たちが騒いでいる宴会は、すぐ傍で開かれている。 だというのに、今の自分の視界には菱野の顔だけがあって、耳には彼女の吐息や、あるいは衣擦れの音しか届かない。 誰もいない別世界で、二人きりになってしまったような気分だった。 大前(どうしちゃったんだろう、俺……まさか、気が付かないうちに酒の混じった飲み物でも飲んでいたのか?) 脳髄が甘く蕩けていた。思考がじりじりと麻痺し、無性に動悸が高鳴る。 何かが『この状況は良くない』と声を上げていたが、聞く耳は持たなかった。 ……手も足も、目も耳も、今は全て彼女のものであるが故に。 菱野「……あ」 不意に、菱野が小さく声を上げた。既に大前の身体のあちこちに触れ、既に彼女の手の及んでいないところはない。 ……その数少ない例外に、菱野は視線を注いでいる。 大前(俺の……くちびる……?) 普段の様子が嘘の様に奔放だった菱野も、流石にそこに触れることには躊躇っていた。 それも当然のことだろう。 異性の唇に触れるということは――やはり特別な意味があることなのだ。 菱野「……」 そっと、菱野の身体が離れていく。 二人の時間はもうお終い。 そう言われた様で、何だか堪らなく切なくなる。
[768]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:50:43 ID:??? ガタン! 菱野「きゃっ!?」 ……気が付けば、今度は逆に大前が菱野を抱き締めていた。 大前(あ、あれ? 俺は何をしているんだ? 菱野さんが満足したなら、それでいいじゃないか。 なのになんで、今度は自分から――) 菱野「お、大前さん――」 腕の中から聞こえる菱野の声。その声は今までのような熱に浮かされたものではなく、はっきりと理性を取り戻している者の声だった。 そして、そこに含まれる、微かな怯えの色。 大前(――ほら見ろ。急にこんなことするから、菱野さんだってビックリしちゃったじゃないか。 ほら、早く身体を離さない、と――) 冷水を浴びせられたように、息を吹き返す理性。 だがそこで、 菱野「……」 菱野は何も言わずに、身体の力を抜いた。 大前「え?」 思わず間の抜けた声が出る。 大前の腕の中で菱野は、心持ち顔を上向かせる。 漫画や映画の中でしか見たことのないその仕草は、記憶が正しいのならば、ある行為をねだる動作で――
[769]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:51:48 ID:??? 落田「ああっ!? 何をしてるんだ大前ェ!?」 大前「うわぁ?!」 突然聞こえた大声に、驚いて菱野の身体を離してしまう大前。 落田「お、お、大前が菱野さんにイヤらしいことを! ケガらわしいことをしようと! 貴っ様ぁ、許さん!」 そう言いながら詰め寄ってくるのは、菱野に熱を上げている男子筆頭・落田である。 大前「ま、待て落田。これにはだな、ちょっと深いわけがというか――」 落田「黙れー! ちょっと大会で活躍したくらいで、調子に乗って不埒な行い! 神が許しても俺が許さん! そこに直れェ!」 大前「だから、少しは話を……菱野さん! 君からも何か言って――」 菱野「すぅ……すぅ……」 返事は寝息だった。 大前「寝てるー!?」 落田「おのれェ……菱野さんが眠っている隙になんていうことを……」
[770]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:53:15 ID:??? 大前「誤解だ! 話せば分かる!」 落田「なにィ!? 五回!? 五回もしただと!?」 大前「聞き間違いだって! 五回って何をだよ!」 落田「ナニを五回だとォ!?」 大前「下品なこと言うなァ! ああ、そうか。お前も酔ってるんだな!?」 やす子「……あらら。惜しいというべきか、場を弁えたというべきか」 そこへ顔を出す事態の張本人。 大前「か、監督!?」 落田「ぬおおおおおおっ!! 邪魔するなァァァァ!!」 やす子「はいはい。落田くんは今黙らせるからねー。ほいっと」 ゴキィ。 落田「ぐへェ!?」 あっという間に締め落とされる落田。 やす子「ふっ、他愛もない」
[771]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:54:20 ID:??? 大前「た、助かった……というべきなんでしょうかね……?」 やす子「まあ、落田くんの体力はたかが知れているし、他のみんなもアレだしね」 篠田「ヒャッホー!」 本条「マンマミーア!」 飯地の指差す先には、阿鼻叫喚の酒乱地獄があった。 大前「俺たち、さっきまでこんな事態に気付かなかったのか……」 やす子「ふふんっ。若さゆえのなんとやらね!」 何故か偉そうにする飯地だった。 大前「疲れた……確か、片付けは朝でしたよね?」 やす子「うん。部屋なら本条くんが取ってあるから、そこで休んでていいよ。もう誰が抜け出しても気付かないと思うしね。 あ、それと菱野ちゃんも連れて行って上げること。幾らなんでも野郎どもと同じ部屋で雑魚寝ってのはね……」 大前「分かっていますよ(本条さん、たかが部のイベントに力入れ過ぎだろ……)」 やす子「……送り狼になるなよ〜?」 大前「なりませんよ!」
[772]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:55:48 ID:??? 鍵を受け取りながら怒鳴り返して、菱野の所に戻る。菱野は規則正しく寝息を立てていた。 大前「……聞こえていないと思うけど、今日は変なことしそうになって、ごめん」 一言謝ってから、その細い体を抱き上げて宴会場を後にするのだった。 菱野「……ん」 途中、僅かに身じろぎを起こしたが、大前はそれに気づかなかった。 ※ 菱野の好感度が凄く上がりました ※
[773]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 02:58:37 ID:??? 上限のない好感度w
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0ch BBS 2007-01-24