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【新たなる】キャプテンEDIT5【道へ】
[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:48:58 ID:??? 菱野『……手も足も、目も耳も……ここで鼓動を刻んでいる心臓も……全部、今だけは私の……』 その言葉は本当のことだったのだろうか。 仲間たちが騒いでいる宴会は、すぐ傍で開かれている。 だというのに、今の自分の視界には菱野の顔だけがあって、耳には彼女の吐息や、あるいは衣擦れの音しか届かない。 誰もいない別世界で、二人きりになってしまったような気分だった。 大前(どうしちゃったんだろう、俺……まさか、気が付かないうちに酒の混じった飲み物でも飲んでいたのか?) 脳髄が甘く蕩けていた。思考がじりじりと麻痺し、無性に動悸が高鳴る。 何かが『この状況は良くない』と声を上げていたが、聞く耳は持たなかった。 ……手も足も、目も耳も、今は全て彼女のものであるが故に。 菱野「……あ」 不意に、菱野が小さく声を上げた。既に大前の身体のあちこちに触れ、既に彼女の手の及んでいないところはない。 ……その数少ない例外に、菱野は視線を注いでいる。 大前(俺の……くちびる……?) 普段の様子が嘘の様に奔放だった菱野も、流石にそこに触れることには躊躇っていた。 それも当然のことだろう。 異性の唇に触れるということは――やはり特別な意味があることなのだ。 菱野「……」 そっと、菱野の身体が離れていく。 二人の時間はもうお終い。 そう言われた様で、何だか堪らなく切なくなる。
[768]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:50:43 ID:??? ガタン! 菱野「きゃっ!?」 ……気が付けば、今度は逆に大前が菱野を抱き締めていた。 大前(あ、あれ? 俺は何をしているんだ? 菱野さんが満足したなら、それでいいじゃないか。 なのになんで、今度は自分から――) 菱野「お、大前さん――」 腕の中から聞こえる菱野の声。その声は今までのような熱に浮かされたものではなく、はっきりと理性を取り戻している者の声だった。 そして、そこに含まれる、微かな怯えの色。 大前(――ほら見ろ。急にこんなことするから、菱野さんだってビックリしちゃったじゃないか。 ほら、早く身体を離さない、と――) 冷水を浴びせられたように、息を吹き返す理性。 だがそこで、 菱野「……」 菱野は何も言わずに、身体の力を抜いた。 大前「え?」 思わず間の抜けた声が出る。 大前の腕の中で菱野は、心持ち顔を上向かせる。 漫画や映画の中でしか見たことのないその仕草は、記憶が正しいのならば、ある行為をねだる動作で――
[769]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:51:48 ID:??? 落田「ああっ!? 何をしてるんだ大前ェ!?」 大前「うわぁ?!」 突然聞こえた大声に、驚いて菱野の身体を離してしまう大前。 落田「お、お、大前が菱野さんにイヤらしいことを! ケガらわしいことをしようと! 貴っ様ぁ、許さん!」 そう言いながら詰め寄ってくるのは、菱野に熱を上げている男子筆頭・落田である。 大前「ま、待て落田。これにはだな、ちょっと深いわけがというか――」 落田「黙れー! ちょっと大会で活躍したくらいで、調子に乗って不埒な行い! 神が許しても俺が許さん! そこに直れェ!」 大前「だから、少しは話を……菱野さん! 君からも何か言って――」 菱野「すぅ……すぅ……」 返事は寝息だった。 大前「寝てるー!?」 落田「おのれェ……菱野さんが眠っている隙になんていうことを……」
[770]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:53:15 ID:??? 大前「誤解だ! 話せば分かる!」 落田「なにィ!? 五回!? 五回もしただと!?」 大前「聞き間違いだって! 五回って何をだよ!」 落田「ナニを五回だとォ!?」 大前「下品なこと言うなァ! ああ、そうか。お前も酔ってるんだな!?」 やす子「……あらら。惜しいというべきか、場を弁えたというべきか」 そこへ顔を出す事態の張本人。 大前「か、監督!?」 落田「ぬおおおおおおっ!! 邪魔するなァァァァ!!」 やす子「はいはい。落田くんは今黙らせるからねー。ほいっと」 ゴキィ。 落田「ぐへェ!?」 あっという間に締め落とされる落田。 やす子「ふっ、他愛もない」
[771]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:54:20 ID:??? 大前「た、助かった……というべきなんでしょうかね……?」 やす子「まあ、落田くんの体力はたかが知れているし、他のみんなもアレだしね」 篠田「ヒャッホー!」 本条「マンマミーア!」 飯地の指差す先には、阿鼻叫喚の酒乱地獄があった。 大前「俺たち、さっきまでこんな事態に気付かなかったのか……」 やす子「ふふんっ。若さゆえのなんとやらね!」 何故か偉そうにする飯地だった。 大前「疲れた……確か、片付けは朝でしたよね?」 やす子「うん。部屋なら本条くんが取ってあるから、そこで休んでていいよ。もう誰が抜け出しても気付かないと思うしね。 あ、それと菱野ちゃんも連れて行って上げること。幾らなんでも野郎どもと同じ部屋で雑魚寝ってのはね……」 大前「分かっていますよ(本条さん、たかが部のイベントに力入れ過ぎだろ……)」 やす子「……送り狼になるなよ〜?」 大前「なりませんよ!」
[772]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:55:48 ID:??? 鍵を受け取りながら怒鳴り返して、菱野の所に戻る。菱野は規則正しく寝息を立てていた。 大前「……聞こえていないと思うけど、今日は変なことしそうになって、ごめん」 一言謝ってから、その細い体を抱き上げて宴会場を後にするのだった。 菱野「……ん」 途中、僅かに身じろぎを起こしたが、大前はそれに気づかなかった。 ※ 菱野の好感度が凄く上がりました ※
[773]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 02:58:37 ID:??? 上限のない好感度w
[774]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/05/04(火) 02:59:32 ID:??? あれれー? 今回で終わるって書いたのに、まだ終わってないよー? と言った辺りで次回に続きます ……すごく疲れました。精神的に。人間的に。根源的に 次回はサラッとパーティーの終わりを書いて1月の月頭イベントに入ると思います 今回はえらい遅い時間までお付き合いいただき、すみませんでした
[775]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 03:07:31 ID:??? お疲れ様でした。
[776]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 07:25:33 ID:??? 睡魔に負けてレベルアップを願って寝て起きたら大変な事になってるー! クリスマスってすばらしい…!
[777]森崎名無しさん:2010/05/04(火) 10:10:21 ID:??? GJ 無茶振りに真っ正面から立ち向かう姿が素敵です。 お疲れ様でした。
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0ch BBS 2007-01-24