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【敗北と】小田Jr.の野望13【再生】
[607]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 20:25:16 ID:KsMBlP0M 小「ふぅ…よくはわからんが助かった…。今日はもう…疲れたな。時間も夕暮れだし…、 今日は薬湯に浸かって寝るか…。ティルはどうする?元の世界に戻るか?」 ジュニアは前々から思っていたことを口にする。彼女は自分の水晶玉だけでなく、不思議な木とも つながっている。そして不思議な木はジュニアの部屋に置きっぱなしなのだ。更にいえば、家には えりるがいる。つまり、彼女がその気になればいつでもジュニアの本来の世界に戻り、そして えりるに助けを呼ぶことが出来るのだ。 ティル「いいえ。私も同じことを考えましたが、マレーネ・ウォルフの存在を聞いたので それをすることのデメリットが多いと判断します。私だけが元の世界に戻れば私がその時間を 固定する存在になってしまいます。そうなると時間をさかのぼり元の時間にたどり着くための ファクターを自らの手で潰す事になると思います。」 小「全くわからん」 いつものように即答するジュニア。 ティル「つまりはこうです。今、マスターはここにいます。そして私も。」 小「ああ。そうだな。」
[608]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 20:26:20 ID:KsMBlP0M ティル「つまり私の存在確率とマスターの存在確率はここに集約しています。」 小「存在確率?」 ティル「はい。この辺は量子の確率展開につながるのでえりる様の方が詳しいのですが、私という存在が 2箇所に生まれれば存在確率は2箇所に分布される事になり、本来関係ないはずのマスターも 私という近い存在のためにその場所に集約されやすくなってしまいます」 小「でも…それならここからの出口が今の俺の部屋になる可能性が高くなるということじゃないのか?」 ティル「その通りです。そして、時間のスピードというのは一様ではありません。恐らく現在の 時間軸のままマスターの部屋に行けば…恐らく数年後のマスターの部屋にたどり着く可能性が 非常に高いです」 小「………」 ティル「つまり、私が『今』向こうの世界に行ってしまうとマスターの出口はほぼ数年後のマスターの お部屋という事になります」
[609]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 20:27:41 ID:KsMBlP0M 小「よくはわからないが、要は普通にこの世界から出るだけでは『詰み』なんだな?」 ティル「はい。常若の国ティル・ナ・ノーグとマスターの世界の時間の流れが異なるという事は そういう意味です」 小「………つまり単に脱出する方法だけでなく、浦島太郎にならないように脱出しなきゃいけないのか… とてもめんどくさいな」 ティル「すみません。妖精の穴に飛び込むより早くもっと詳しく説明するべきでした」 小「かまわんさ。第一危険だといわれて、尚且つティルの話を聞かずに飛び込んだのは俺だしな」 ティル「……ありがとうございます」 小「辛気臭い話はここまで。逆に言えばどんなに早く向こう側に行っても意味がないことが判ったんだ。 それだけでもティルの言葉を聴けてよかったよ。さあ。お風呂に入って寝よ。ティルもお風呂に入るか?」 ティル「はい。それではマスターの後に入らせてもらいます」 小「そっか。でも内風呂が薬湯なんて贅沢だよな。大きい姿のティルとこんなに長くいるのも 初めてだし、悪い事ばかりじゃないさ」 まるで自分にそう言い聞かせるようにジュニアはティル・ナ・ノーグでの初日を終わらせるのだった。
[610]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 20:28:55 ID:KsMBlP0M ぴこーん! 銀貨が1枚減りました。現在銀貨13枚、銅貨5枚。 体力が50%精神が80%回復しました。 現在体力104/104 ガッツ570/570 ティル体力 130/130 ガッツ290/300 ちゅんちゅんちゅん… どうやらこっちの世界にも鳥はいるようで、すずめの声に似た鳥の鳴き声で起きるジュニア。 子供だけでも女性だけでも危険という理由でジュニアとティルは同じ部屋に泊まり、もしもの時のために 同じベッドで姉弟のように寄り添って眠る。 小(…ティル…まだ寝てるな…当たり前か。妖精といってもこっちでは肉体があって当然の 世界なんだもんな。狼戦ではかなり無茶させすぎたし、もう少しいたわらないと…その前に 俺自身が狼程度には負けない力を手に入れるのが先だけど…) 薬湯の効果なのか、ざっくりと切れたはずの背中の傷も、首筋に突き立てられた狼の牙も、痕は 大きく残っているが完全に傷がふさがっていた。 小(さすが不思議世界。本当なら入院モノの傷だって一日で回復だ) 実ははじめてみるティルの寝顔に少しどきどきしながら黄金に輝く美しい髪に触ってみる。 ティル(……すぅ…)
[611]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 20:30:14 ID:KsMBlP0M 軽い寝息と共に僅かにムズがる女の子。年齢的にはまだ15〜16程度にしか見えないのだが、 すでにその美しさは比肩するものがなく、もしジュニアが美女に対する耐性がなかったのならば 一睡もすることが出来なかっただろう。 小(さて、それじゃ今日はどうしようかな?) 急いでマレーネの星見の塔にいく必要がなくなった今、ジュニアは自分が何をすべきかを考える。 どうしますか? A.マレーネのところに行くには数日かかるらしいし、野外夜具を買いに道具屋へ。 B.とにかく武器と防具が要るな。今のお金でどこまで買えるか微妙だけど武器防具屋へ! C.一階の酒場で何か情報がないか聞いてみよう。(護衛依頼などもここへ) D.マレーネのところにいくには力が足りない。近くの草原で腕試し。 E.生きてるボールがヘロヘロだ。完全に動かなくなる前にどうにかならないか魔法屋へ! F.そういえば職人街に行ったんだよな。グリーニのところへ。 G.その他 先に1票入ったものを選択します。
[612]森崎名無しさん:2010/05/27(木) 20:44:01 ID:??? どれを選んでも一日経過する?
[613]小田ジュニア:2010/05/27(木) 20:48:18 ID:KsMBlP0M >>612 いいえ。基本的に買い物系は時間が進みません。 イベントが起きた場合のみその範囲内で時間が進みます
[614]森崎名無しさん:2010/05/27(木) 20:52:59 ID:nfewwZno E ボール君だってジュニアの仲間なんだ!
[615]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 21:27:59 ID:KsMBlP0M >>614 ボール君もトモダチこわくない!ですね。 E.生きてるボールがヘロヘロだ。完全に動かなくなる前にどうにかならないか魔法屋へ! 小(そういえばリャハーンがいろんな場所を紹介してたけどその中に魔法屋みたいなところが あったよな…) ジュニアは血が固まって既に服の様相を示さなくなった服をもう一度着込む。夜のうちに薬湯の中につけて 固まった血の一部を剥がし、匂いも消したため上から外套を羽織れば何とか自警団に危険分子 扱いされる事もないだろう。 ティル「むにゃ…おはようございます。マスター」 この世界では翅を隠す必要がないため油断したのか、伸びをするように全身をくるんでいた鱗翅を 展開させ… 小「ぶ!」 ジュニアは何とか彼女の大切な部分が見えてしまう前に背中を向けることに成功する。
[616]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 21:30:14 ID:KsMBlP0M ティル「は!…す、すみません…」 元々翅も彼女の一部であり、彼女にとっては鱗翅に身を包んでいようが包んでいまいが羞恥心としては 変わらないのだが…相手が恥ずかしそうにすると不思議なもので自分もはづかしくなるものである。 ティルは急いで以前にジュニアがプレゼントしてくれた小さなフィギュア用の服を大きくすると身に纏う。 小「…あれ?ティルも春菜姫みたいなことできるんだ…って、ああそうか、ティルも神さまの 力の一部を受け継いでるんだから当たり前か」 変なことに感心するジュニア。 小「それじゃ早速朝ごはん食べたらチェックアウトだ。毎日こんなところで休んでたらすぐに お金が尽きちゃうしな」 そういいながら荷物を纏めていると… とんとん…とん そしてようやくジュニアの生きてるボールの動きが明らかにおかしい事に気づく。
[617]小田ジュニアの野望:2010/05/27(木) 21:31:15 ID:KsMBlP0M 小「マリーさん2ヶ月は持つといったのに…一ヶ月しかたってないのにもうヘロヘロだ…」 初めの頃こそ鬱陶しかったのだが、馴れてしまえば可愛いものである。実際このボールのお陰で 普段は上げにくい能力もぽこぽこ上がっているため今ではボール君となづけて半ペット状態である。 小「この世界に錬金術があればいいんだけど…」 ティル「でしたら早速参りましょう。人生の禍福は行動によって決まるのです。ここに来た事を ボールさんの寿命延ばしだと思えば少しは楽になりますよ」 おそらく励ましているのだろう。ややあざとい表現であったが、それでも今のジュニアには 嬉しい話であり、さっそくその言葉どおり、魔法屋へと向かうのだった。 〜〜〜
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0ch BBS 2007-01-24