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【敗北と】小田Jr.の野望13【再生】
[925]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:05:50 ID:VNwcR2UU マスター「子供がそんなに気を使わなくてもいいんだが…ありがとう」 そうは言いながらもやはり嬉しそうな品の良いマスター。 小「という事で今日はこんなものをもって着ました。」 流石にカウンターに乗せるのが気が引けたジュニアは、カウンター隣の厨房の近くで獲物を見せる。 マスター「へぇ。野うさぎ…しかもほぼ無傷で仕留めて…やるね。」 そういいながらうさぎを受け取るマスター。しかし、その重量に僅かに違和感を感じたのか、首元を まさぐる。 マスター「う〜ん惜しい。これはまだ血抜きをしてないね。…リズ!おいで」 ほんの僅か顔に陰りを持たせたマスターは厨房で晩御飯に精魂使っている少女?を呼び出す。 リズ「はいはい〜ただいま〜」 そういいながら体につけられた真っ白いエプロンで濡れた掌を乾かしながらやってくる。
[926]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:07:14 ID:VNwcR2UU マスター「タケシに血抜きの方法教えてあげてくれないか?」 そういいながら野うさぎを見せるマスター。 リズ「わ〜これは凄いですねぇ!血抜きしてないなら今日はうさぎの血のワインシチューに しちゃいましょう!」 小「血抜き…って、動物でも必要なのか…」 マスター「まあ、大抵の冒険者が始めに痛い目にあうところだよ。ある意味運が良かったとおもうよ」 最後の詰めが甘かったジュニアを慰めるように話しかける。 リズ「それではまずたらいをもって裏庭にいきましょうか?」 そういいながらジュニアを勝手口から連れ出すリズ。背の丈はジュニアと変わらないのに、なんとなく 心強く感じるのは料理に関する絶対の自信なのだろうか? 〜〜〜
[927]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:08:20 ID:VNwcR2UU リズ「うさぎさんの血抜きは簡単ですよ。これはうまく仕留めたみたいなんで内出血とかありませんし、 ヒョイ!」 そういいながら足を持って逆さづりにされたうさぎに、目にも見えないスピードで手にしたナイフを疾らせる! シュパーン!! まるでなんの抵抗もなかったかのようにうさぎの首筋からだらだらと流れてくる変色しきった赤黒い血。 ホロケウが窒息させて殺したため、チアノーゼを起こして死んでいったのだろう。 リズ「……う〜ん。少し筋肉が硬直してるので流れが悪いですね。本当ならもっと豪快に流れ出すのですが」 手馴れたものなのか、桶に流れ落ちる血の量に満足せずにもう一ヶ所足の付け根に傷をつける。 小(え、えぐい…) それでもこれからの冒険には必須であろう事を知っているジュニアは目をそらせる事が出来ない。
[928]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:09:23 ID:VNwcR2UU リズ「……うん。これくらいでしょうか。後は本格的に捌いていきますが… 最初はちょっと、きついですよ。見ます?…私、最初自分で捌いた時涙で前が見れない状態でした」 今でこそなんともないゆえの言葉なのだろう。 小「…いや、遠慮しとく。見たらしばらく肉が食えなくなりそうだし…」 リズ「そうですね。でも、次のお土産は血抜きしておけばもっと喜ばれますよ。肉に血の味が残らないので 煮込み以外の料理にも使いやすくなりますし」 小「へぇ…そういう意味ではためになるな」 リズ「はい。因みにこのうさぎさんはもう少し寝かせて料理するので、数日後のお料理を楽しみに していてくださいね?」 にっこり微笑むリズだったが、片手には逆さ吊りの野うさぎ。チャーミングではあったがそれが逆に どうにも恐ろしいものだった。
[929]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:10:23 ID:VNwcR2UU 小「…わかった。あ、そうだ。そういえば使わないくず肉とか廃肉ってない?良かったら明日の 弁当と一緒に分けて欲しいんだけど?」 リズ「いいですよ。その方にはうさぎ肉ありがとうございましたといっておいてくださいね?」 恐らく首筋の牙の後を見たのだろう。何も言わずとも承知していたリズは聞き返す事無く 二つ返事で了解してくれるのだった。 〜〜〜 マスター「タケシ。血抜きの方法教えてもらったか?」 小「ま、まぁ。それにしても…結構きついものですね」 マスター「ははは、みんなは最初そこから出発するのさ。最初にモンスターを倒した時、最初に ヒューマノイドタイプを倒した時、そして最初に人間を殺した時…葛藤はそれぞれだけど 平気でいる人間なんてそうはいない。タケシもそうだろう?」 小「おれはまだ、あんまりそういう経験はないので…」
[930]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:11:39 ID:VNwcR2UU ジュニアが始め殺したものはなんだっただろうか。はじめの冒険で倒したスライムやぷにぷに? いや、あれはそもそも生きているという事がどういうことかよくわからない状態での戦闘だ。 それ以降もこうもりや野犬などと戦っているが、それらの命まで奪った記憶はない。 となると自らの意思で倒したのはマンイーターか今回の蟻ということになるが…両方とも いまいち生きているものの魂を滅したという感覚はない。あの時ホロケウを殺していれば 今のマスターの言葉の意味がわかったのだろうか? 〜〜〜〜 小「それでマスター。この辺に魔法の靴を直してもらえるところありませんか?」 マスター「ん?魔法の靴かい?それなら…」 さらさらと羽ペンを走らせるマスター。どうやら簡単な地図を書いているようだ。 マスター「はい。今日のうさぎのお礼だ。ここに行けば大抵のものは修理してもらえる。」 それに書かれていたのは魔法ギルド、鍛冶ギルド、服飾ギルドの3箇所だった。
[931]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:12:39 ID:VNwcR2UU 小「へぇ…ここに行けば修理してもらえるんですか?」 マスター「大抵はね。クーフの長ものとか本当にレアなアイテムは名うての鍛冶職人が 数日掛けて直すんだけど、そこまでしなきゃいけないものはそうはないだろう。」 小「ありがとう。助かったよ」 マスター「どういたしまして。それよりぞろぞろと店子が戻ってきたようだし、夕飯にしようか? あ、そうだ、今日は宿代少し負けとくからじっくり休むといい」 そういいながら厨房へと消えていくマスター。 〜〜〜
[932]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:13:44 ID:VNwcR2UU 小「よし!それじゃ、俺も飯だ!」 目の前に置かれた料理に先ほど言われていたうさぎの血が入っているとすると少し食欲が減退するのだが、 考えてみれば日本でも昔からすっぽんの血やマムシの血というものが売られていたような気がすし、 それにルリタニアでも血のムースやゼリーなどが売っていた気もする。 そう考えればうさぎの血なんて軽いものだ…とナイフとフォークを握る。 誰か話しかけてくるかな?→!card !cardのスペースを抜いてコピペってください。 ダイヤ グリーニと同じようなドワーフが話しかけてきた。 ハート 旅の坊さんが話しかけてきた。 スペード 小妖精の音楽隊が話しかけてきた。 クラブ ティルと仲良く食事した。 となります。
[933]森崎名無しさん:2010/05/31(月) 19:14:49 ID:??? 誰か話しかけてくるかな?→ ダイヤQ
[934]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:45:10 ID:VNwcR2UU 誰か話しかけてくるかな?→ダイヤQ ダイヤ グリーニと同じようなドワーフが話しかけてきた。 類は友を呼ぶというのだろうか?それとも朱に交われば赤くなるのだろうか?この宿の最大の特徴は 冒険者の宿にしてはとても安全であるという事だ。マスターの性格から考えてもしかしたら前もって そういった人物を排除しているのかもしれない。 小(ま、なんにしろ子供が普通に入れる宿にたどり着けたのは最大級のラッキーだったな。でも そのラッキーの元のグリーニもリャハーンももういないし、今度から俺だけでもしっかりしないと) そんな事を思っていると自然とぶっちょう面になるのか、ジュニアの顔は険しい。 ???「おうおうなんだ。ガキがしけた面するじゃねーよ!」 そう語りかけたのは、大きな戦斧を背中に括りつけた肩幅の広い男だった。しかし、その肩幅に 似合わず背はそれ程の高さでもなく、つりあがった口角が如何にも陽気そうな男だった。
[935]小田ジュニアの野望:2010/05/31(月) 19:46:35 ID:VNwcR2UU 小「???グリーニ?にしては鷲鼻じゃないな…」 心の中で思った言葉であったが、たった今考えていた人物にそっくりな人物に驚いたのか ジュニアは声をだしていたようだ。 ???「グリーニ?お前、グリーニを知っているのか?」 一方勘違いされた男はその言葉に聞き覚えがあったのかジュニアの言葉に強く反応する。 小「ん、ああ。今日までこの地にいてレンティス鉱に戻るとか言ってたけど…」 この場所では荒事が起きない事を知っているジュニアは普通に対応する。 ???「あっちゃ〜。なんだよ。それなら俺のとことに来ても良かっただろうに。なぁ、アイツ 俺のこと…ガインの事何か言ってなかったか?」 小「…いや。俺も長い間一緒にいたわけじゃないし…」 ガインと自己紹介する男に素直に答える。
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0ch BBS 2007-01-24