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【アップダウン】小田Jr.の野望16【ストーリー】
[998]小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:02:52 ID:xBYkw3gw 紫乃「凪…さん?」 一方、ドラミほど緊迫感を持たない少女はちょっと怖いとは思いながらも凪の柔和な表情に絆され 凪の言葉に返事をしてしまう。 ドラミ「紫乃ちゃん!逃げるよ!これはやばいって言ってる!」 そういいながら一定以上の間隔が縮まらないように全力で牽制する。 凪「大丈夫だよ今回は味方だ。…いや正確に言うと単なる傍観者といった方が正確かな。半竜のドラミちゃん」 そういいながら人を騙す事にかけては最高レベルの心の仮面でドラミを懐柔し始める。 その手管は時に大海原のように広い心と深さを持ち、いつしかドラミの警戒レベルと最低限にまで 落とし込んでしまう。 凪「それにしてもどうしてここまで来たんだい?ここにはお兄ちゃんが一緒に来ない限り君たちは これないはずなんだけど?」 まるで前もって決まっていた舞台脚本が突然の変更されてしまったかのように言葉にする白髪の少年。 紫乃「牛さんが走って逃げてここまで来たの」 ドラミの代わりに怖がりではあるが人を疑う心が極端に低い紫乃がちいさな可愛らしい声で正直に話す。 凪「なるほど…そういうことか…余計なことをしてくれる。どうしてもボクも参戦させたいのか…」 ドラミと紫乃のちびっ子2人組みに聞こえないように言葉を呟く凪。一瞬だけ瞳の色に不快な 錆のような赤色をちらつかせるのだがその視線の先の大きな牛さんはそ知らぬ顔で泉の水を飲んでいる。
[999]小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:04:28 ID:xBYkw3gw ドラミ「それで凪は…なんなの?敵じゃないってどういうこと?」 一応警戒を解くドラミだったが完全に心を許したわけではない。頭脳で考えるタイプではなく感情や 直感が優先される彼女だからこそ最低限の警戒心は残すことが出来たのかもしれない。 凪「さて…どうしようかな…本来の脚本ではボクは出るはずのないイレギュラーだったんだけど…」 そう思いながらも既に心は決まっていたようで凪と自称する男は紫乃に優しく言葉をかける。 凪「実はね。キミのお兄ちゃんはちょっとだけ特別なんだよ。紫乃ちゃんはお兄ちゃんの周りで 何が起こっているのか…実はちょっとだけ気づいているんじゃない?」 紫乃「…うん。お兄ちゃんには妖精さんがいるの。どらみちゃんも。それにピー助ちゃんも」 凪「そう。それら全ては本来の家庭では起きない事。紫乃ちゃんの変化もね」 ビクッと肩を震わせる紫乃。そう、彼女もまたそういった人物の1人なのだ。彼女は本来 一般人というエキストラの1人であったはずなのに、禁断の果実を口にすることでそうでは なくなってしまった。彼女もまたイレギュラー。本来の役割から逸脱した存在なのだ。 凪「ごめんごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。ただね。紫乃ちゃんもそうであるという事は キミもまたおにいちゃんを助ける事が出来る存在にもなれるんだ。君はおにいちゃんを助けたいと 願うかい?」
[1000]小田ジュニアの野望:2010/07/04(日) 03:07:25 ID:xBYkw3gw 紫乃「うん。」 即答する紫乃。彼女にとっておにいちゃんは世界の中心であり、そのためならどんなものでも 犠牲にするだけの心の強さを持っているのだ。 …たとえそれが大好きなお兄ちゃんが望まない事だとしても… 凪「そうかい。それでは紫乃ちゃんには一番大切なものを差し出してもらうよ。その代わり、 紫乃ちゃんにとってもいいものを上げよう。本来この力を得るということは他の役割を得ることでも あるんだけど今回は特別の特別だ。」 そういいながら紫乃の首筋に、男にしては白すぎる透き通るような指を触れさせる。 その瞬間、世界は何かの力から恐れ逃げ惑うように大気はうねる。 凪「さあ、契約は成された。後は紫乃ちゃん次第だ。その子供と共に来るべき時のために 自分のなすべきことをなしてもらうよ!」 まるで舞台役者のように大仰に両手を広げ凪と自称するアルビノの男ははその場から消え去るのだった。 首筋に契約の証である小さな赤い痣のようなものと小さな一匹の子犬のようなものを残して。 ぴこーん! 紫乃がペット、ツキヨミを飼いはじめました。 ドラミに???
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0ch BBS 2007-01-24