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【全国が】キャプテンEDIT・10【待っている】
[451]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 21:05:36 ID:??? 雪村の新必殺技で長距離のピンポイントパスもあったら頼もしくなるな 問題は本多の成長の方向性だよなあ
[452]森崎名無しさん:2010/06/28(月) 21:06:22 ID:??? 本多はとりあえずサイコロ捨てることから始めようw
[453]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 00:57:26 ID:??? すみません、物凄く遅れてしまいましたorz その上、今回は全国編のプロローグに当たるNPCパートのみです 投下が遅れた上に判定無しとなったことをお詫び申し上げます また、今回より原作キャラが絡み出しますが、スレ独自の設定で暴走してしまっているキャラが一人います あらかじめご注意ください また、前回ご回答いただいたルール変更に関するアンケートの結果につきましては、投下後におしらせいたします
[454]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:00:23 ID:??? ここで時計の針を一旦巻き戻す。 大前ら鳴紋中サッカー部が清栄学園を下し、長野県代表として名乗りを上げた頃。 当然、全国各地でも同じことが起こっていた。 ここで各都道府県を代表することとなった選手たちの、予選大会決勝戦での様子を見ていただこうと思う。 ――関東地方・埼玉県 観客「GO! GO! 明和東!」「行けーっ! 沢木ーっ!!」「明和FC上がりの底力、見せてやれーっ!」 実況「明和東中センターフォワード・沢木くん、今大会はトバします! 県大会全試合で得点し決定力をアピール! 来月には地元埼玉代表として活躍だ期待できそうです!」 沢木「へへっ! 今日も俺は絶好調だ! 来月には地元を裏切った成金野郎に目に物見せてやるぜ!」 特徴的な前髪の少年、沢木の撃ったシュートは、正確にゴールの右下隅に突き刺さった。 ――東北地方・秋田県 ゴールポストを蹴った、変則的なポストプレイからのダイレクトシュート・通称トライアングルシュートがゴールを揺らす。 実況「……決まったァ! 花輪中が駄目押しの追加点を決めました! これでスコアは5−0! そして、同時に審判のホイッスルです! 花輪中、みちのく随一のサッカー名門校の名に恥じぬ、二年連続の県大会突破ァ!」 政夫「ウキョロキョキョーン!(訳:見たかァ! 俺たちの空中技ッ!)」 和夫「フギャフギャ!(訳:やったね! 兄ちゃん!)」 花輪中監督「こいつら、興奮するとこうなるのは何とかならんのか……?」
[455]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:01:24 ID:??? ――首都・東京 実況「都大会決勝戦・東邦学園VS武蔵中。現在スコアは1−0で東邦リードです。 ビハインドを負った武蔵、ボールをキープしつつも攻めきれません。早い段階で同点に追い付きたいところですが―― おおっと!? ここで高いクロスが上がった! これに合わせるのは長身FW・真田くん! 得意のヘッドで得点できるかーっ!?」 真田「くっ! ここで、ここで決めなくては――」 「 キ ィ エ エ エ ―――― ッ ! ! 」 バキィ!! 空中を一回転した勢いを乗せた浴びせ蹴りが、ボール越しに真田の頭を打ちのめす。 衝撃は脳を揺らしながら首を伝い、上体を大きく仰け反らせて真田を宙に舞わせる。 実況「真田くん、吹っ飛ばされたーっ!」 真田「ぐわぁああああっ!!(だ、駄目だ! 空中戦ではヤツに勝てない! くそっ、ホントにリハビリ明けかコイツっ!?)」 一之瀬「このっ! なら地上から撃てば!」 若島津「何をしようと、同じことだッ!」 ガシッ! 実況「ああっと! ハイボール処理で体勢を崩したところを狙ったミドルシュートも、難なくキャッチィ! ニアから真逆のファーサイドへ飛んだというのにこの危なげなさ! 凄いぞ、東邦の守護神・若島津くんッ!」 若島津「この程度のシュート、逆を突かれたからと言って三角飛びを使うまでも無い。……それっ、そろそろ追加点を決めて来いッ!」
[456]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:02:56 ID:??? 先程に人一人を空中に吹き飛ばした脚力でのゴールキック。 蹴り出されたボールは、グングンと伸び武蔵ゴール前へ。 反町「(ううっ、ピッチの外では日向に、中では片腕の若島津に扱き使われるのか……。 寮でも目が光っているから、プライベートもプライバシーも無いし……もうやだ、こんな生活)……いけェ!!」 言いたいことも言えないこんな世の中を嘆きながら、強烈なシュートをゴールへ向けて放つ。 本人の感じる情けなさとは裏腹に、ボールはDFたちの間を針のように貫き、キーパーの手の下をすり抜けて行った。 実況「――ゴールっ! これで2−0! 後半半ばにこの追加点、そして最高クラスの守護神の存在感! もはや東邦学園の都大会優勝は、確定でしょう!」 観客「BOOOOOOOOOOOOOッ!!」「食い下がれよ、武蔵ィ!」「そう簡単に東邦に東京代表の座を明け渡すなよなーっ!」 各地から選手を青田刈りし、拝金軍団として悪名高い東邦の優勢に、観客たちは悲鳴を上げる。 その悲痛な叫びは、大方の人間にとっては耳を塞ぎたくなるような代物であったが、そうでない者もいた。 日向「ング、ング、ング……ゲェーップっ……グフフ、愚民どもの上げる嘆きの声は、いつ聞いても心地良いぜ」 競技場に特別に設えさせた貴賓室から、瓶コーラを一気飲みしつつ試合を眺める恰幅の良い少年。 彼こそが中学二年生にして、日本財界に君臨するヒューガー会長兼東邦学園理事長兼サッカー部主将・日向小次郎であった。 その体躯は小学生時代の精悍さを失って重く肥え太っているものの、醸し出す貫禄は凡俗が身に纏えるものではない。 もっとも、昔時の気高く飢えた彼を知る者からすれば、金と権力に由来するそれを野卑と見て眉をしかめるだろうが。 日向「それにしても、やはり若島津の改造を急がせて正解だったな。 アイツのお陰で、東邦ともあろうものが都大会止まり、なんて事態は避けられた。 反町も雑魚なりにいじらしく頑張っているようだし……グフフ、これは俺が出るまでも無く、今年の全国は頂きだな」 独り言ちながら弛んだ頬を歪ませる日向。 ……摂生と試合勘を欠いた今の彼は、試合に出ないことがチームに出来る最大の貢献であることは言うまでも無い。
[457]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:04:07 ID:??? 三杉「……元よりチーム力に差はあったが、若島津まで復帰していたのか。これでは、今の武蔵に勝利は覚束ないな」 下界を見下ろす高みで心地よい夢に浸る者がいれば、浮世の塵に塗れて苦い現実を噛みしめる者もいる。 観客席で自軍の苦戦を見据える少年・三杉淳がそうだった。 籍を置く武蔵中サッカー部において、誰よりも才能と実力を兼ね備えながら、生まれ持った病の所為でベンチにすら身を置けない。 その上、日向一族の台頭により父の企業が買収され富貴な暮らしをも失った身としては、日向率いる東邦の優勢に何を思うだろうか。 三杉(せめて僕がスタメンとして出場していれば――いや、例え後半戦の30分間だけでもピッチに立てれば……。 くっ!? ストレスで胸が痛いっ! お、オマケにあの時以来荒れ気味の胃腸も……っ!) 苦痛でしかない試合観戦の心労が、三杉のひ弱な身体にも圧し掛かる。 弥生「だ、大丈夫ですかキャプテンっ!?」 顔を青くして身を折る三杉に、傍らに付き添っていた少女が手を差し伸べた。 小学校時代から縁の続くマネージャー、青葉弥生である。 三杉の眉目秀麗さと才能に心を奪われ、その悲運に身を揉む、同級生の少女である。 今もベンチワークを事情通で気心の知れた先輩たちに任せ、一人客席にいる三杉の元に献身的に侍っていたのだが、 三杉「……余計な気遣いは無用だよ。『青葉さん』」 弥生「っ!?」 だが、三杉から返ってきたのは冷たい拒絶の言葉だった。
[458]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:05:12 ID:??? 三杉「手出しを断るついでに言うけれど、周りから誤解を受けかねない呼び方はしないで欲しいな。 今の僕はベンチにも身を置けない、二年生の一部員でしかない。『キャプテン』なんて呼ばれる筋合いは無いんだよ」 弥生「ご、ごめんなさい……つい昔からの癖で――」 三杉「それともう一つ。君に気遣われるほどではないが、今の僕は、気分が優れないのは確かだ。 ……あまり不愉快な昔のことを思い出させないでくれないかな?」 弥生「あ、う……」 言い捨てると、趨勢の見えた試合と涙ぐむ少女に背を向けて歩き出す。 三杉(焦るな……僕の心臓は、少しずつだけどサッカーが出来るように仕上がってきているんだ。 来年には、フルタイムは無理だけど試合には出れるようになるはず。見ていろよ日向……っ!) 気が付けば、競技場を去ろうとする三杉に合わせて、弥生ものろのろと後に従っていた。 そこにいじましさを感じないではないが、小学校時代の出来事を思うとそれを素直に表現する気にもなれない。 結局は黙って付いてくるのに任せるだけに留めた。 ……三杉が弥生の献身に疎ましさを上回る何かを見出し、また弥生が三杉の苦悩を心底から分かち合うのは、もう少し先の話である。
[459]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:06:12 ID:??? ――北海道 各都道府県の猛者たちが代表の座を勝ち取っていく中で、もっとも圧倒的な実力で予選を制した者がいた。 松山「いけェ! 小田! 追加点は何点でも取っておくものだ!」 小田「はいっ! キャプテン!(……もういらないと思うけど、口答えするとみんなから浮きそうだよなぁ)」 実況「またです! ふらの中特有の素早いパス回しから、またもセンターフォワード小田くんにボールが渡りました! 今年の北国にはふらのの風が吹き荒ぶ! 電光石火の攻撃からまたも追加点が生まれるのかァーっ!?」 対戦校選手A「も、もういいだろ!?」 対戦高選手B「一体何点取れば気が済むんだ、あんたたちはーっ!?」 小田「知ったことかァ!(だって、俺の方が知りたいんだもん!)」 気合いの入った(ように聞こえる)咆哮を上げながら、ふらの中FW小田のミドルシュートが放たれる。 実況「決まったァ! ゴぉぉぉぉルっ! ふらの中・小田くん、この試合ハットトリック達成! 強豪校のFWの名に恥じない、素晴らしい得点力です!」 山室(『素晴らしい得点力』? あの小田が?) 金田(アレだけ何本もシュート打たされれば、どんなヘボでも三本くらい入るだろ。常識的に考えて) 加藤(実況も、小田が決めた数の何倍外してると思っているんだか……にしてもキャプテン、やりすぎでしょコレは?) 小田(ああ、身の丈に合わない持ち上げられ方してる。みんなから浮いちゃうよ。……キャプテぇ〜ン、もうやめましょうよォ……)
[460]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:07:14 ID:??? 松山(決勝でハットトリックか。ふふっ。これで今ひとつ自信の無かった小田も、ストライカーとしての自覚が芽生えただろうな。 これでふらの中の全国挑戦に死角無しだ!) チームメイトたちとは少しズレた感性で、小田の快挙を喜ぶ松山。 対戦校選手A「くっ! 無駄にバカスカ点を取って……! フィールドはヒーローごっこをする場所じゃないんだ!」 対戦校選手B「こうなったら、意地でも1点返してやる! ふらのの無失点記録は終わらせるんだ! 俺が! 今日ここでぇッ!!」 すぐさまボールをセットするクイックスタートでキックオフし、やけくそ気味に突っかけてくる対戦校のFW。 涙を浮かべ光の消えた瞳で挑みかかる姿は、見る者が見れば落涙を禁じえないものであろう。 だが、彼と相対したのは、空気が読めないことに定評のある松山である。 松山「良い意気だが、甘いっ! 喰らえ、鉄砲水タックルだァ!!」 天候が悪いとすぐに泥濘に変じるグラウンドで培われた、強靭な足腰。そこから繰り出されるタックルは、軽々と人を跳ね飛ばす。 決死の覚悟でマッチアップを挑んだ相手FWは、想いは届かず力は及ばず、虚しく宙を舞った。 対戦校選手B「……あんたって人はーっ!?」 ボグシャア!! 松山「……よしっ!」 近藤(酷ェ) 佐瀬(何というオーバーキル……)
[461]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/06/29(火) 01:08:22 ID:??? 実況「あっと、決死の抵抗も報われず、またも松山くんボールカット! そして、時計の針は間もなく試合終了の時間に――」 観客「や、やっと終わるのか、この虐殺試合が……」「色々と伝説になりそうだな、今日の試合……」 否。まだ終わっていなかった。まだ生み出される伝説は残っていた。 実況「――ああっ!? 松山くん、センターサークル付近で足を振り上げる! シュートか!? もしかして、そこからロングシュートを打つというのかァ!?」 観客「どれだけ圧勝したいんだよお前!?」「鬼や……鬼は北海道にいたんや……」 対戦校GK「やめてよね、そんなところから撃って、いくらなんでも決まるわけないじゃない!」 松山(いいや! 決まる!) 必殺のロングシュートの体勢を取りながら、松山はこれまでのことを思い返していた。 松山(……4月のあの日、長野から来た長池という男は言っていた。俺には頼れる仲間が欠けていると。 だが、この道大会決勝でここまでの試合が出来るみんなを、頼りにならないなんて絶対に言わせない! そして聞けっ! 長池っ! 俺には頼れる仲間がいて――そして、俺自身も、そんな仲間に頼られるに足る男に成長したことをっ! この一戦の戦果とこの一撃の脅威は、津軽海峡を横断して本州を走り抜け、日本アルプスも越えてお前の耳に届くだろう!) 万感の思いを込めて、必殺の魔弾が放たれる。 松山「ここだ……。 こ こ で 決 め る ん だ っ ! ! 」 実況「えええっ!?」 ふらの中一同「「で、出たっ!!」」 観客「「なんだありゃ!?」」
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0ch BBS 2007-01-24