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【激闘の】幻想のポイズン38【果てに】
[835]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 20:59:12 ID:??? 反町「やっぱり凄い試合だ……この試合、本当にどっちが勝つかわからない」 にとり「攻撃の駒だけなら、守矢フルーツズが多い分、より多くのパターンが使える。 だが、一選手としての力量・質だと……霊夢と魔理沙がいる博麗に分がある」 穣子「守備にしても守矢は早苗、それに萃香の二人がいる分有利かと思ったけど……」 静葉「博麗連合のDFもそれに匹敵する程の実力者……本当にどうなるかわからないわ」 橙「試合の鍵を握るのは、なんでしょう?」 反町「……やっぱり、早苗さんが最後まで守りきれるか。 霊夢さん、魔理沙さんが攻めきれるかだ。 博麗連合の守備は堅い……4ボランチに4バックなんていう無茶なフォーメーションからしてそれは明白だ。 だが、そんな堅い守備だからこそ守りに入られては守矢は辛い」 レティ「博麗連合が先に1点を取れば、後は守備を重視して守りきれば勝利……」 反町「逆に、守矢はとにかく守りきれば負ける事は無い。 博麗の攻撃は霊夢さんと魔理沙さんに頼り切っている以上、あの二人のスタミナが無くなれば得点のしようが無くなる。 後は落ち着いて1点を取りさえすれば勝てるんだ……だから、後半は早苗さん、霊夢さん、魔理沙さんが鍵になる」
[836]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:00:52 ID:??? チルノ(くっそおおおお……! なんでこんな所で見てるしか出来ないのよ!! この大会で……あの白黒をけちょんけちょんのぎったぎたにしてやるつもりだったのに!!) 大妖精(あああ、チルノちゃんが苛々してる……) 反町(……それにしても、ミラクルドライブか。 ……早苗さんも永琳さんも、それに霊夢さんも使える。 でも……俺はあんな精度の高いドライブ回転はかける事が出来ない。 強烈なドライブ回転自体はかけられても、狙ってゴールに向けてバウンドさせるのは不可能だ。 ……それを補う為に、俺はシュートコントロールに更に磨きをかけ。 狙った場所へと絶対に突き刺すオータムドライブを開発したんだけど……) 今はまだ、シュートコントロールを更に磨いたオータムドライブがあるから心配する事は無いとはいえ……。 いずれ霊夢や永琳達が、今以上の、ミラクルドライブ以上のシュートを開発したらどうしようかと考える反町。 シュートセンスは高い反町だが……強烈なドライブ回転をかけ、地面にバウンドさせてゴールを割る……という。 正に奇跡の、神がかり的な技であるミラクルドライブは習得出来るような気がしない。 試合に出られず、苛立つしかないチルノや妖精トリオ、リグルといった面々を見ながら……。 反町は更に自分が成長を遂げるには、どうすればいいのだろうかと考えるのだった……。
[837]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:01:52 ID:??? 早苗「はぁ……」 神奈子「大丈夫かい、早苗? 無理はしちゃ駄目だよ?」 早苗「あ……ありがとうございます。 でも、大丈夫です! まだまだ後半も戦えますよ!!」 スポーツドリンクを飲み……しかし、まだ喉の渇きは収まらないのか次のボトルに手を出す早苗。 そんな早苗に対して神奈子や諏訪子といった者達は心配そうな目を向けるのだが……。 早苗は笑みを浮かべ、まだまだ戦えると豪語をする。 しかし、後半もまた全力の超サナエモードで超セービングを連発させるのは恐らく無理だろうというのは。 誰の目から見ても明らかな事実であった。 西尾?(こりゃ後半は今まで以上にワシらが頑張らんと……!) 神奈子(何とかして1点……1点先制しなきゃ駄目だ。 幸い、私はまだ体力がある……。 後半はもっと動き回らないと……) 天子(ふん、天人がいる限りチームが敗北する事がにいのは確定的に明らか。 見てなさい、後半も私が点を取って絶対に勝ってみせるわよ) チームの一同はそんな早苗を見て後半は更に早苗の負担を軽くするよう張り切らなければと発奮し。 霊夢と魔理沙の徹底マーク。 そして、とにかく1点をリードしなければと躍起になるのだが……。 そんな一同を離れて見ていた萃香は、先ほどまで呷っていた瓢箪から顔を離し。 にへら、と笑みを浮かべてパイプ椅子から立ち上がる。 萃香(なーに、心配しなくて大丈夫さ。 後半からは私もようやくエンジンかかってくるしね〜♪ へへへ……うーん! 楽しくなってきたー!!)
[838]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:02:52 ID:??? こうして守矢フルーツズが改めて後半に向けて意気込んでいた頃。 博麗連合は逆に、霊夢がホワイトボードの前に立って今一度後半の戦い方について力説をしていた。 実力が高い者で構成されながらも、攻撃や守備の駒の数では圧倒的に不利な博麗連合。 総力戦になれば当然不利になり……霊夢はここは局地戦を主体に攻めるしかない、と言う。 霊夢「まず、相手チームに強力なタックルの使い手はいないわ。 精々が天子、諏訪子、文ぐらいなもんだけどこいつらはFWだし。 中盤以降にはドリブルを止められるようなタイプの選手はいない」 魔理沙「衣玖がボランチに入ってるが、あいつはパスとパスカットしか能がねぇしなぁ……」 霊夢「だから後半はドリブルでまずボールを運ぶ。 そうすりゃ、中盤はまず突破出来る。 で、そっからの攻撃方法だけど……、魔理沙」 魔理沙「あん?」 何やら秘策でもあるのか、パイプ椅子にどっかりと座り汗を拭っていた魔理沙を呼び。 霊夢は魔理沙の耳元で何やらごにょごにょと後半戦の攻撃法について話し始める。 それを聞いた魔理沙は若干訝しげな表情を浮かべていたものの……。 霊夢が頼むわよと背中をバンと叩くと同時、小さくため息を吐いて黒い魔女帽子を上げて苦々しく笑む。 魔理沙「正直気にいらねぇぜ……正攻法だと私じゃ決められねぇってか?」 霊夢「そうは言ってないけど、それが一番成功率の高い攻撃法だって事よ。 いい? 作戦通りやるのよ?」 魔理沙「へいへい……ま、キャプテン様の言う事だからな」 まだ霊夢の提示した作戦には納得はしていないのか、苦虫を潰したかのような表情を浮かべる魔理沙。 しかし、そんな魔理沙の顔色を見ても霊夢は作戦の変更をする事は無く……。 ただ、スポーツドリンクを片手に持ち、どこか遠い目で虚空を見つめているのだった。 霊夢(……後は魔理沙がちゃんと動いてくれりゃいいんだけどね。 はぁ……もっと頼りになる味方ってどっかにいないのかしらねぇ)
[839]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:03:57 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「さぁ〜! ハーフタイムも終わり、両チームの選手が再び入場をしてまいりました! 前半戦は1−1のイーブン! 両チーム共によく戦い、よく攻め、よく守り、同点で迎えた後半戦! 果たして先に抜き出て、勝利を収めるのはどちらのチームか!? いよいよ後半、開始です!」 ピィイイイイイイッ!! 天子「ふっ……この天人がいる限り、あんた達に勝機はにい……」 霊夢「あっそ、そりゃ良かったわね」 天子「おいィ!?」 バムッ! バシィッ!! 後半戦開始のホイッスルが鳴ると同時、守矢フルーツズのキックオフで開始したボールは……。 天子がそのまま直接持って中央突破を図ろうとするものの。 しかし、すぐさま天子が持っていたボールに向けて霊夢は両足を使って奪いに向かい。 天子が吹き飛ばそうとするパワードリブルを両足を使って受け止めながら、ボールを奪取。 そのまま両手を地面について素早く立ち上がると、一気にカウンターを仕掛ける。 ジョン「あっ……あああああああ〜っ!! れ、霊夢選手! 早くもボールを奪ってしまったァァァッ!! しかし、慌てて神奈子選手、諏訪子選手、二人が霊夢選手へと挑む!」 神奈子「くそっ……そうそう簡単に……」 諏訪子「通す訳にはいかないんだよ!!」 霊夢「ふぅ……」 パパパパッ! 神奈子・諏訪子「「なにィ!?」」
[840]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:04:58 ID:??? 中盤を突破させる訳にはいかない……とばかりに、挟み込むようにして霊夢に向かう守矢の二柱。 しかし、霊夢はその二柱をちらりと見ると同時……鼻から小さくため息を吐くと同時。 ボールを持ったまま上半身を大きく、しかし、緩やかに動かし簡単なフェイントを入れる。 それに対して二柱は思わずバランスを崩してしまい……霊夢はそのフェイント――幻影を尚も体に残したまま。 軽々と二柱の間をすり抜け、一気に中盤を突破してしまう。 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「ああああ〜っ! だ、駄目! 駄目です!! 神奈子選手、諏訪子選手のタックルでも霊夢選手、止まらないィィィイッ!! 流石は博麗の巫女、博麗霊夢! 凄まじい突破力です!」 穣子「……でも、パルスィのドリブルの方が凄いわね」 にとり「そりゃあいつはドリブルだけを鍛えてんだもん。 霊夢の凄い所は、そんなパルスィとほぼ同等のドリブルが出来るってトコだね」 橙(しかも守備力もあるし、ミドルシュートもあるんだよにゃあ……) 反町(そういえばパルスィは大怪我してたけど大丈夫かな……後遺症が残る、なんて事が無いといいけど) 改めて博麗の巫女――博麗霊夢の圧倒的な実力を見て観客席が唸る中。 霊夢は単身、ボランチである衣玖を抜き去りいよいよバイタルエリアへと進入を果たし……。 そして、先ほどと同様。バイタルエリアに入ると同時に一気に利き足を振り上げシュート体勢を取る。 グワアアアアアアアアアアアッ!! 早苗「!! 萃香さん! 霊夢さんを止めてください!」 萃香「よし、わかった! 任せな〜♪」 早苗(その隙に私は……ハァッ!!) バチバチバチィッ!! 超サナエ「……どんな手で来ようが失点はしません。 ゴールは絶対……許早苗!!」
[841]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:06:06 ID:??? 一気に中盤を突破し、バイタルエリアへと進入した霊夢に向けてボールを奪いに向かったのは萃香。 その他の面々はゴール前に固まっており……万が一萃香が抜かれた場合に備えており。 一方で早苗は後半頭からも油断は出来ないと超サナエモードを発動させている。 ジリジリ…… ズモモモモモ……! 萃香「へへへへ〜。 霊夢〜、ボールおくれよ〜」 霊夢「酒臭っ……ったく、面倒ね……」 萃香「ん〜。 通さないよ〜♪ シュートブロックは十八番だからね〜」 ジョン「おっとぉ……霊夢選手! シュート体勢を取りましたが……! しかし、萃香選手打たせまいと、先ほどと同様! 巨大化をして壁となります!! 霊夢選手! これは……どうしたァ!? 右足を振り上げるも、打ちません! これではシュートコースがふさがるばかりだ! 一体どうしたんだー!?」 霊夢の前に立ちふさがった萃香は、徐々に体を巨大化させながら壁を作り……。 それと同時に徐々に徐々に霊夢が撃てるシュートコースは狭まっていく。 しかし、それでも霊夢は打たない……ただ、何かを待つかのようにシュート体勢のまま体勢を維持するのみ。 観客席からも動揺の声が漏れ始め、守備に入っている萃香と超サナエも何かがおかしいと考えるのだが……。 萃香(霊夢……打ってこない? ん、もしかしてドリブルで抜くつもりか!? いや……でも、幾ら霊夢でも残ったメンバーで固めたPA内を突破するのは難しすぎる。 そんな博打をするような奴じゃないし……これは……) ダダダダダダダダダダダダダダッ!! 萃香「え!?」 霊夢「よしっ……魔理沙ァ!!」 クルッ……パシィッ!!
[842]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:07:07 ID:??? 考え事をする萃香の横から聞こえてきたのは、何者かが高速で走る音。 一体何があったのかと目を向ければ……そこにはつい先ほど、ゴール前にいた筈の魔理沙が。 何故か霊夢の真後ろまで戻ろうとしており……。 そして、その位置目掛けて霊夢はボールを足で挟み込み、オーバーヘッドのようにバク宙をしながらボールをパス。 それをトラップした魔理沙は、完全にノーマークの状態である。 萃香「あっ……あーっ!!」 超サナエ「!? マークを……外された!? なっ、何をやってるんですか天狗さん達! 魔理沙さんをフリーにしちゃ……!!」 魔理沙「そいつらを責めるのは酷だぜ! この幻想郷最速の魔理沙さんをいつまでもマークしろなんて、無茶な話だ!!」 霊夢(自称・最速だけどね……ったく、ここまでお膳立てしたんだからしっかり決めなさいよ?) 萃香が目を丸くして驚き、超サナエが魔理沙マークを担当していたDFたちに声を飛ばし。 霊夢があきれたようにため息を吐く中……魔理沙はその足を大きく振りかぶり。 今日の試合2発目となる、自身の主砲を打ち放つ。 魔理沙「くらえ、守矢フルーツズ! こいつが私の……マスタースパークだァァァァァアッ!!!」 ドゴッ……バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!! 萃香「くっ……くそっ!!」 霊夢に付ききりになっていた萃香はブロックに向かえず、辛うじてブロックに入った河童Aは無残に吹き飛ばされる。 先ほどはセンターサークルから放たれた、魔理沙のマスタースパーク。 しかし、今度はバイタルエリアから――完全にフリーの状態から打たれた、最強クラスの必殺のシュート。 守矢フルーツズの面々は戦慄をし、またもや失点してしまうのかと顔を青くするのだが……。 超サナエ「二度も同じシュートを決めさせて……たまりますかァァァァッ!!」 バッ! バチィィィイイイイイイイッ!! 魔理沙「なっ……なにィ!?」
[843]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:08:10 ID:??? その高威力、高速のシュートに対して、超サナエは極限まで高められた身体能力。 そして、驚異的な集中力と類稀なる俊敏性を生かし、全力でのセービングに向かう。 確かに威力は凄まじく、フリーの状況から打たれた魔理沙のシュートは的確にコースを狙っていた。 しかし、それでもなお――全力となった超サナエの、全力でのセービングには今一歩及ばない。 超サナエの手は的確に魔理沙の放ったマスタースパークを捕らえ。 ボールは大きく跳ね返されてしまうのだが……。 超サナエ「と、止めた……これで……!!」 霊夢「行くわよ、早苗!」 超サナエ「あっ……!?」 萃香「っ! こ、今度も止める! ミッシング・パープル・萃香ちゃんが相手だァッ!!」 ババッ! グルンッ!! その飛び上がったボールに向けて素早く反応を見せていたのは、万が一魔理沙が点を取る事に失敗した場合を考え。 ゴール前に詰め寄せていた、霊夢である。 その天賦の才とも言える驚異的なジャンプ力を生かし、霊夢は高く高く飛びながら得意とするオーバーヘッドの体勢を取り。 しかし、そこにブロックに入ったのは先ほどの魔理沙のドラゴンメテオを防いだ萃香。 いかに空中戦を得意とする霊夢といえど、シュート力は魔理沙には劣る。 先ほどのドラゴンメテオを防いだからこそ、今度も止められると萃香は確信をするのだが……。 霊夢「ただのオーバーヘッドじゃないわよ、これも」 萃香「えっ……?」 超サナエ「なっ……ま……まさか!?」 魔理沙「……またかよ、畜生!」 得意がるでもなく、威張るでもなく、ただ淡々とただのオーバーヘッドではないと宣言をする霊夢。 それを聞いて萃香と超サナエは愕然としたように目を丸くし……魔理沙は悔しがるように芝を蹴る。
[844]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/16(金) 21:09:19 ID:??? ただのオーバーヘッドキックならば、萃香でも間違いなく止められただろう。 そして、超サナエでも……幾ら体勢が悪かろうと、弾く事は出来た筈である。 しかし、霊夢の打ったそのオーバーヘッドは――宣言の通りにただのオーバーヘッドキックではない。 先ほど魔理沙が見せたドラゴンメテオ――オーバーヘッドの体勢から打つマスタースパーク同様。 オーバーヘッドの体勢から、夢想封印を放つ奥義――。 霊夢「夢想封印・瞬――!!」 ギュルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥウウウウウッ!! 萃香「あっ……あああああああああああっ!?」 超サナエ「ゴッ……ゴールは……絶対に……! ぐうううっ!!」 ズッバァァァァァアアアアアアアアンッ!! ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 萃香の股下を抜け、超サナエの頭上を大きく越えてゴールネット上へと突き刺さるボール。 練習などはまるでしてない――した事も無い、オーバーヘッドの体勢から打つドライブシュート。 それを一度で……ぶっつけ本番で、魔理沙が使ったのを見て使い、得点を上げた博麗霊夢。 この世にある全ての技は彼女の為にあるのかと思ってしまう程の才覚を見せる霊夢は……。 とりあえず、といった様子で片手を挙げ、大きなあくびをするのだった。 霊夢(魔理沙が決めてくれりゃこんな疲れる事しなくてよかったのに……はぁ) 守矢フルーツズ1−2博麗連合 ######################################################################################## 一旦ここまで。
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0ch BBS 2007-01-24