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【激闘の】幻想のポイズン38【果てに】
[866]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 12:51:03 ID:??? >>849-864 どうも。ひとまず、このNPC戦が飽きられていないようで何より……。 ぶっちゃけ判定が絡まない試合をかなり続けて書いているので、皆さんが飽きていないか心配でしたが。 杞憂に終わったようで一安心をしています。 ただ、ちょっと冗長になりすぎたかなという気もしますので、決勝戦はもうちょっと端折れる所は端折りたいと思います。 また、参加者さんの皆さんが枷になってるのではないかという意見もありますが、それは無いです。 今回は何とか書けていますが、こんな試合展開早々何度も書けませんw ネタがそんなに無いですからw これからも皆さんには意見や投票、カード判定などやっていただこうと思いますので。 どうぞよろしくお願いします。 >>865 とりあえずこの試合が終わって、次の日に練習をしてから……となりますので。 恐らく次スレに持ち越しになるかもです。
[867]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:01:03 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!! ジョン「なっ……なっ……なんという事でしょうッ!? れ、霊夢選手……! オーバーヘッドから夢想封印を放つという大技……。 夢想封印・瞬で、萃香選手、早苗選手の守るゴールから守矢フルーツズを突き放す1点を奪ったァァァッ!! さっ、流石は博麗の巫女! 博麗霊夢です!!」 観客「うわああああ、やっぱ霊夢すげぇ!!」「流石は天才だな!(キリッ」 「さ、早苗さんが……早苗さんが2失点……」「2試合続けて2失点……嘘だそんな事ー!!」 霊夢「はー……うっし、そんじゃ後は守るわよ」 魔理沙「……おい霊夢、さっきのはなんだよ」 霊夢「何って? ……別に、あんたがオーバーヘッドでマスタースパーク打ってるのを見たから真似しただけよ」 魔理沙「……ちっ」 霊夢「?」 後半開始僅か8分で、再び1点リードと守矢を突き放す事に成功をした博麗連合。 その立役者である霊夢は大きく伸びをしながら守備に力を注ぐと言いながら自陣に戻る。 博麗連合の者達はにわかに活気付き、戻ってきた霊夢に手荒い祝福をするのだが……。 それを見ながら、魔理沙は小さく舌打ちをしてから再び芝を蹴りつける。 魔理沙(何でもかんでも人の技を真似しやがって……。 私がドラゴンメテオを会得するまでどんだけ時間がかかったと思ってやがんだ) 単純にオーバーヘッドの体勢からマスタースパークを打つといっても、その難易度は口で言ってのけるよりも格段に難しいのだ。 まず、空中でオーバーヘッドキックのまま全力で蹴り抜くという事自体、難しい。 地に足をつけて全力でけりぬくのとは違い、足に力を込めて踏ん張るという事が出来ないのだから当然である。 しかし、それでも魔理沙はこの大会に向けて懸命に修練に励み――そして、ドラゴンメテオを会得をした。 シュートコントロールが定まらなかったり、自身の自慢の脚力の全てをボールに伝わらせる事も難解を極めた。 だが、それでも繰り返し練習をする事で会得をした――全ては反町のシュート力に対抗をする為である。
[868]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:02:16 ID:??? しかし、そんな魔理沙を嘲笑うかのように、霊夢は一発、ぶっつけ本番で成功をさせてみせた。 魔理沙がまだその新技でゴールを決めていない今。 霊夢は空中で、オーバーヘッドの姿勢をとりながら、ボールにドライブ回転をかけるという荒業を成功させ。 見事にゴールを決めてみせたのだ。 魔理沙(私が一発で決めてりゃ良かった……理屈じゃわかるが……) それでも、納得しきれない。 チームが勝利に近づいたとはいえ、ストライカーとしての意地が納得をさせない。 霊夢が類稀なるセンスを持ち、一度見ただけの技を放つのは今まで何度も魔理沙は一番近い場所から見てきた。 だが、それでも――今度の自分のドラゴンメテオは、早々簡単には真似はされないだろうと踏んで挑んだ大会で……。 霊夢はいとも簡単に、事も無げに技を模倣してみせた。 その事実は魔理沙を苛立たせ、焦燥させていた。 魔理沙(浮き球勝負じゃ霊夢には敵わない……私のマスタースパークは霊夢の夢想封印に比べ。 破壊力は上だが威力に関しては若干だが下回る……。 もっとだ……もっと威力の高いシュートを開発しないと……!) 幻想郷のサッカー界において、レミリアと共に頂点にFWとして君臨し続けた霧雨魔理沙。 新たな敵――反町一樹に対抗する為に開発した新たな技を、パートナーたる博麗霊夢に。 自分が開発をしたその技以上の威力を持った技に昇華され……。 彼女は今、少しずつではあったがかつて彼女の胸に秘められていた熱い心……。 何者にも負けたくは無いという、闘争心。 そして、博麗霊夢に対するライバル心を徐々に徐々に膨らませていた。
[869]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:03:16 ID:??? シュウウウウッ…… 早苗「げふっ……かはっ……はぁっ……」 神奈子「さっ、早苗!」 博麗連合の者達が自陣に戻り始めていた頃、一方で守矢フルーツズのゴール前では。 主要たるメンバーたちが、地面に倒れ伏した早苗の元に群がっていた。 先ほど、全力でのセービングを連発した事により、もはや早苗は体力の限界に近づいており……。 既に超サナエモードは解かれ、姿は元通りに戻っている。 心配そうに一同が見守る中、早苗は荒くなった呼吸を整えようとしつつ……弱弱しく体を起こし。 額に滲んだ汗を拭いとりながら、霞む目でスコアが記載された電光掲示板に目を向ける。 早苗(2−1……また……また、突き放されてしまった……) 震える拳を握り締め、唇を噛み締めながら目に見えて悔しがる早苗。 今日の試合――魔理沙と霊夢とを相手に、どこまで戦う事が出来るか……。 この大会に向けて修練に励み、みらくるセービングを鍛え、みらくるセービング・改へとグレードアップさせ。 果たしてそうなった今、どこまで魔理沙と霊夢を封じる事が出来るか。 早苗は不安を抱くと同時に、自分の実力を試せる場だとばかりに楽しみとしていた。 しかし、試合を開けてみれば……相手はアタッカーが2人しかいないというのに何本もシュートを打ち込まれ。 結果、後半開始すぐに早くも2失点。 そして、自分はもはやセービングどころかまともにプレイする事すらも困難な状況である。 早苗(この試合……まだ、萃香さんがいるから相手も攻めにくい筈……ですが……) もしも守矢フルーツズに萃香が加入をしていなければ……もう一人、鉄壁を誇るGKがいなければ。 果たしてこの試合はどうなっていたのだろうか? ……恐らくは、惨敗。早苗がいなくなったゴール目掛けて博麗連合は攻勢に出て、得点を量産した事だろう。 早苗(萃香さんがいなければ……私の責任で負けていた……。 くっ……)
[870]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:04:43 ID:??? 萃香「……キーパー交代だ、いいね?」 早苗「はい……後は、お願いします……」 いつまでも項垂れる早苗に対し、萃香はポンと肩を叩きながら交代の旨を伝えると。 キーパーグローブを嵌め、ゴール前に移動をする。 それを見ながら、早苗は汗を拭いつつベンチに向かい、名無しの天狗と交代をしようとするのだが……。 神奈子「待ちな、早苗!」 早苗「え……な、なんでしょうか神奈子様?」 諏訪子「交代は無しだ……早苗、最後までフィールダーで出場をしてくれ」 早苗「え!?」 その早苗を呼び止めたのは、守矢の二柱である神奈子と諏訪子。 一体どうしたのかと早苗が振り向くと……二柱は早苗に交代は取りやめにしてくれと直訴。 それを聞いて早苗は目を丸くして驚きつつ……しかし、すぐに首を振って否定をする。 早苗「無理です……私はもう、ボールを蹴るだけの体力も無い……。 出場し続けても、ただ、棒立ちするしかないんです……」 神奈子「何もプレイしろなんて言ってないんだ……早苗、フィールドで休め。 後半終了間際まで、じっとして体力を回復するんだ」 早苗「後半終了間際まで……?」 諏訪子「そこまでいけば、まだプレイが出来るくらいには回復するだろう? ……必ずそれまでに同点にする。 しかし、最後の最後……またお前の力が絶対必要になる。 それを考えると、早苗はここで交代させたくないんだ……。 残り30分は休んでいていい、動かなくていい。 だから、残り5分……最後の5分を戦えるだけの力を、フィールドで蓄えていてくれ」
[871]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 15:06:09 ID:??? キーパーとしての早苗は、霊夢と魔理沙の前にほぼ完敗に近い結果を残すだけに終わった。 しかし、まだフィールダーとしてならば……ドリブラーである早苗の能力は、必ず得点を取るのに必要となる。 諏訪子がそう呟くと早苗は迷いを見せながらも……やがて頷き、了承をする。 早苗「……40分まで、フィールダーは実質9人になる事になりますよ」 神奈子「覚悟の上だ。 そうまでしても、早苗にはいてもらわなきゃ困る」 早苗「……わかりました。 では……お任せをします」 早苗はそう呟くと、大きく深呼吸をしてから……フィールドの隅へと移動をし。 その場にしゃがみ込んで、体力の回復に集中をし始める。 それを見て、神奈子と諏訪子は満足そうに頷きつつゴール前に集まっていた者たちに向けて、口を開く。 神奈子「1点はリードされたが、まだ時間は残っている……そして、40分を過ぎれば早苗も動けるようになるだろう。 それまでに何としても1点を取って、同点にするんだ……いいね!?」 諏訪子「博麗の二大エースも、既にかなり疲弊はしている筈だ。 後はどうやってあのDFを攻略するかさえ考えればいい……さぁ、まだまだ試合はこっからだ! 気合入れていくよ!」 守矢フルーツズ「「「おう!!!」」」 二柱の言葉に呼応し、気合を入れて掛け声を出してから一同はポジションに散っていく。 萃香がDFからGKに入った事で守備力は弱体化しており、更に動けない早苗を抱えている為実質フィールダーは9人。 おまけに疲弊をしたとはいえ、博麗連合の二人のエースも油断がならない相手。 何よりも鉄壁のDFを相手に、攻略をする算段は未だについてはいない。 しかし、それでも……守矢の二柱は勝つと言った。 この試合に負ければ早苗が再び常識に囚われなくなってしまうから……などという理由の為ではない。 神奈子(昨日の試合も、私達は殆ど何も出来なかった……全ては早苗と、他のメンバーの頑張りの為だ) 諏訪子(なら今日は私達が何としても勝利を手繰り寄せてやる……! これまで頑張ってきてくれた早苗を……負けさせてたまるもんか! 絶対に……絶対に優勝をするんだからね!!) ######################################################################################## 一旦ここまで。
[872]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:50:51 ID:??? こうして試合は再び仕切りなおしとなり、守矢フルーツズのボールで再開される。 後半の時間はまだまだ30分以上残っており、1点差ならば十分覆せる……。 昨日の試合、脅威の粘りと執念で2点差をひっくり返し、一度は逆転劇を演出した守矢フルーツズならば。 今日もまた逆転をしてくれるものだと、守矢フルーツズの応援団は誰もが思っていたのだが……。 文「すいすいすい……っと、ここまではやっぱり運べるんですけど……」 コンガラ「もう二度と貴様は通さん!」 文「やっぱり〜!」 文の突破は先ほどのような失態はもう二度と見せないと意気込んでいたコンガラに阻止され。 天子「ブロックの数は……5枚でいい! これなら……」 キクリ「ブロックが5枚という事はそれだけ人数差を生かせるという事ですよ。 そう易々と、ゴールはさせません!」 天子「おいィ……」 天子の渾身のシュートも、キクリのブロックで阻まれる。 反町「守矢は攻め手が無いな……」 リグル「昨日はあんなに私達を苦しめたのに……なんで?」 にとり「やっぱり早苗が動けないからだよ……昨日の私達との試合、その攻撃の起点になり。 守備にも顔を出し、ゲームを作ってたのは早苗だ。 その早苗がいないから、どうしても守矢は攻め切れない」 静葉「文もドリブラーとしては早苗以上だけど……ゲームを作るタイプの選手ではないものね」 メディスン「ストライカーの天子の強烈なシュートも通用しない……。 ドリブルゴールもあれだけPAを固められると無理……となると、やっぱり辛いわね」 穣子「前半みたいなチャンスは早々来ないでしょうしね……」
[873]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:51:53 ID:??? ジョン「さぁ〜、後半既に30分を過ぎるも、まだ守矢は反撃の糸口すらつかめていません! 試合を押しているのは完全に守矢フルーツズですが……。 しかし、有効打を打てず、未だスコアは2−1! 博麗連合が一歩リードをしている状況!! 果たして守矢フルーツズ、このままなすすべなく敗退してしまうのか!?」 早苗「くっ……!」 萃香「行きたい気持ちはわかるが、しっかり体力の回復に努めな! 今行ったって大した事は出来ないだろう!?」 早苗「わかってます……!」 今すぐにでも前線に赴き、攻撃に参加をしたいと考える早苗。 しかし、萃香はそれを諌め……早苗は爪が食い込む程にまで拳をギュッと握り締め、感情を抑える。 確かに萃香の言う通り、今、前線に行ってもドリブルを一度するのが精々といった所。 そんなことではチャンスを作れる筈も無く……今はただ、神奈子達を信じて同点に追いついてくれるのを待つより他に無い。 早苗(神奈子様達なら……それでも神奈子様達なら……なんとかしてくれる!!) ジョン「おっとぉ、諏訪子選手のドリブルをまたもやコンガラ選手がカットォ! しかし、この零れ球には神奈子選手が詰め寄せているぞ!! これは守矢フルーツズ、久しぶりの得点チャンスか!? 出るか、神奈子選手のエクスパンデット・オンバシラ!!」 パンッ! ズパパパパパンッ!!! 神奈子「よし……! オンバシラァァァァァァアアアアアアアアアアアアッ!!!」 ドギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!! キクリ「……威力自体は先ほどの奇妙な口調のストライカーさんに劣りますね。 しかも変化も特別かかっていないまっすぐな軌道……これなら!」 バコォッ! ぽいんっ
[874]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:52:53 ID:??? 神奈子「!? くっ……私のエクスパンデット・オンバシラでも駄目かい……!!」 諏訪子「あーうー……」 基本的に遠い位置から打つ事を主眼とした神奈子のエクスパンデット・オンバシラの利点は。 センターサークル付近から放とうとも、決して威力が落ちないという点がある。 しかし、逆に言えばそれしか特色が無いものでもあった。 つまり、幻想郷全土で見れば見慣れた威力のシュート。 その程度のシュートならば、ここまで博麗連合のゴールを守りきっているキクリを通す事は不可能である。 ジョン「あーっと! 駄目です! 神奈子選手のシュートも通用しない! これまで天子選手の気炎万丈の剣! 諏訪子選手の空中神戦! そして、神奈子選手のエクスパンデット・オンバシラが次々と火を噴いていますが未だゴールは割っていない! なんと固い壁! 博麗連合キクリ選手、正に鉄壁のディフェンスです!!」 キクリ「さぁ、カウンターです! 駄目押しの3点目といきましょう!!」 諏訪子「ゲロォ!? しまった!!」 後半既に35分が経過し、未だ得点に結びつかない守矢フルーツズ。 再三にわたる攻撃にも、しかし、博麗連合のDF二人はまるで疲れる様子を見せておらず。 攻撃をする事に意識を向けすぎていたのか、全員が上がり気味の位置にいた。 そして、キクリは大きくボールをクリアーし、再び霊夢達にカウンターをさせようとする。 ここで博麗連合に3点目が入れば、当然ながら守矢フルーツズの勝利は絶望的。 一同は戦慄をするのだが……。 衣玖「空気を読んでパスカットに入りますね」 キクリ「なっ……!?」 パシィィィイイイイッ!!
[875]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:53:53 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「あっ……あああああ〜っとぉ! これは上手い!! 衣玖選手、キクリ選手のクリアーボールをすばやくパスカット!! 試合から殆ど消えていた衣玖選手、ここで面目躍如の活躍! カウンターのピンチを脱しましたァ!!」 衣玖(豊穣の神様程ではありませんが、私もパスカットにはそれなりの自信を持っておりますので……。 さて、それではこのボールを……) 相手が全員前がかりになっている以上、悠々とパスを通せるとキクリは油断をしていた。 しかし、その一瞬の油断が命取り。 空気を読み、敵のパスコースを読み取る事を得意とする衣玖は素早くパスコースに入り込むとボールをカット。 霊夢が顔を顰めるのを見ながら、パスコースを探し……。 衣玖「天狗さん、どうぞ!」 文「あややややや、こちらですか!」 ジョン「おっとぉ!? これは衣玖選手、すぐさま持ったボールを右サイドを走る文選手に渡します! 文選手、このボールを持って素早くサイドを駆け上がり……。 いや、しかし! ここにはコンガラ選手がいる! ここまで文選手の突破を再三止めているコンガラ選手、文選手に素早く詰め寄ります!」 コンガラ「早々たやすく突破はさせん!」 文「突破はしません、負けますから♪」 コンガラ「なっ……パ、パス!?」 文「私はどこぞの橋姫や猫と違って、パスも出来るんですよ!! それとんでけー」 ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
[876]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/17(土) 17:54:54 ID:??? この試合、完全に文を止め続けてきたコンガラ。 それに対して、何度も何度も諏訪子達の指示でドリブル突破を仕掛けていた文。 知らず知らずの内にコンガラは文を、「ドリブルしか能が無い選手」と判断をしていた。 そして、それこそが文が付け入る隙となったのである。 文は決してドリブルしか出来ない選手ではない。 当然、一番の武器はその俊足を生かした圧倒的なドリブル能力。 しかし、射命丸文は烏天狗という種族の才能を忌憚無く発揮した高い空中戦の技量――。 そして、全てのオフェンスでオールラウンドに動ける、卓抜したセンスにあったのである。 文の能力――「風を操る程度の能力」を使い、大きく飛び上がるボール。 不意を突かれたコンガラは反応する事すら出来ず、センタリングが上がり……。 そのボールに向けて飛翔をするは、センターフォワードの天子。 対してゴールを守るキクリは、今度はどっしりと構えてブロックに行く姿勢を見せている。 キクリ(フォームはただのヘディング……オーバーヘッドでは無い! それに、先ほどのシュートのような脅威も感じない……これならば!) 天子「お前それでいいのか?」 キクリ「え?」 天子「バックステッポォ!!」 パスッ ジョン「あっ……あああああ〜っ!! こ、これは天子選手、ポストプレイだ!! キクリ選手、完全に裏をかかれたかカットにいけない! ボールはDFの裏へと落ち……こ、これは……!?」 諏訪子「来た来た来た来たァァァァァァアアアアアアアア〜ッ!!!!」 神奈子「決めるぞ、諏訪子!! こんなチャンス、もう二度と来ないッ!!!」
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0ch BBS 2007-01-24