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【激闘の】幻想のポイズン38【果てに】
[893]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 15:58:05 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「あっ……あああああああああああああああっ!!! こっ、これは……これは……れ、霊夢選手! 早苗選手のドライブシュートをカウンターで弾き返し……シュートを打ちましたが……。 し、しかし! これを萃香選手がその豪腕を使って見事に弾いた!! 流石は小さな鋼鉄の巨人、伊吹萃香! 決まってもおかしくなかったシュートを……しかし、弾いたァァッ!!」 霊夢にとって不運だったのは、カウンターシュートを放った位置が自陣深く。 バイタルエリアからのシュートだった為、萃香にパンチングに向かう時間を与えてしまった事。 そして、萃香が既に前回のオータムスカイズ戦にてドライブシュートには目が慣れており……。 更に、早苗の元々のシュート力自体が低かった為にカウンターシュートの威力も決して高くなかった事である。 早苗(よ、よかった……ここで決められたら、トラウマになるところでしたよ……! ですが、これで霊夢さんはもうスタミナが無くなったはず……これなら!) 萃香が霊夢のとんでもシュートを弾き返した事で、心底安堵をする早苗。 もしもここで決められてしまっていれば、きっと今後サッカーをやり続ける限り。 一生苛まれる事となるトラウマと化していただろう。 しかし、そのシュートは萃香が弾き、何とかピンチは脱出……。 しかも、これで霊夢のスタミナも切れた筈だと早苗は確信しながらオーバーヘッドの体勢から着地をした霊夢に視線を向けるが……。 霊夢「……決めなさいよ」 早苗「へ?」 霊夢は何故か落ち込んではおらず、息を荒げながら……しかし、未だ守矢フルーツズゴール前を見ていた。 一体どうしたのかと早苗が再びゴール前に視線を向けてみると……。 霊夢「萃香は体勢崩して、DFもいない! こんだけやりゃあ十分でしょうが!!」 早苗「な、なにを……あ、あああああああああああああああああああああっ!?」
[894]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 15:59:08 ID:??? グルンッ! 魔理沙「ナイスパスだぜ、霊夢! 後は私が……決めてやる!!!」 萃香「まっ……魔理沙!?」 萃香が弾き返したボールに向けてオーバーヘッドの体勢を取りながら飛び上がっていたのは、魔理沙。 そう、霊夢は何もこのカウンターシュートで萃香を抜けるとは考えていなかった。 ただ彼女が考えていたのは、如何にすれば効率よく得点を上げる事が出来るか……それのみ。 ただシュートを連発していては、萃香の牙城は絶対に突き破れない。 霊夢と魔理沙も残る体力はお互いシュート一発分程度ずつしか残っていないのだ。 ならばどうするかと霊夢は考え……霊夢は自身が魔理沙の決定率を上げる為の囮となる事を選んだ。 早苗にドライブシュートを打たせる事も、それを自分がカウンターシュートで打ち返す事も。 そして、それを萃香がパンチングで弾き返す事も全てが霊夢の計算通りのものだったのである。 ブロックに入る者も、クリアーに向かう者もおらず……萃香は体勢を崩している状況。 そんな中で、魔理沙は本日2発目……これが最後の1発となるであろう、渾身のシュート。 ドラゴンメテオを、思い切りボールに叩きつける。 魔理沙「こいつで終わりだ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」 萃香「ぐっ……くっ……おおおおおおおおおおおおっ!?」 ドガッ!! ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!! フリーの状態から放たれた破壊力を込めた弾丸は、懸命に立ち上がった萃香の手をすり抜けてゆく。 魔理沙は勝利を確信し、ぐっと拳を大きく握り締めた。 万全の体勢の萃香から取った点ではないというのは決して誇れるものではない。 しかし、それでもこの試合を決定付ける得点を上げる事が出来たというのは、喜ばしい事実。 魔理沙(私達の勝ちだ!!)
[895]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 16:00:13 ID:??? にやつく笑顔を見せ、着地を決めようとする魔理沙。 博麗連合の者達も、それを見て一斉に沸き立ちそうになるのだが……。 霊夢「馬鹿魔理沙ァァァアアアッ!!」 魔理沙「なっ……なにィ?」 萃香「……ん?」 ギャオオオオオオオッ……バンッ!! 霊夢が激怒したかのような絶叫をすると同時、魔理沙は顔を顰め……。 それからゆっくりと、ボールの行方を目で追う。 そして、GKである萃香もまた……倒れこみながらも目で追った。 ボールは確かにゴールラインを割っていた……それは確かである。 しかし、確かにゴールラインを割っていたが……ボールはネットを突き破っていなかった。 ……魔理沙の渾身のオーバーヘッド――ドラゴンメテオは、枠を捉えていなかったのである。 魔理沙「……馬鹿な」 信じられないものを見るかのような目で、枠から外れたボールが看板に突き刺さるのを見やりつつ……。 急に重くなった体を地面に下ろし、その場に座り込む魔理沙。 霊夢の冷たく、しかし、怒りのこもった視線が彼女の背中を突き刺し。 観客達の落胆をするため息が、フィールドを包み込んだ。 ######################################################################################## 一旦ここまで。
[896]森崎名無しさん:2010/07/18(日) 16:11:01 ID:??? これは西尾?の呪いじゃあ!
[897]森崎名無しさん:2010/07/18(日) 16:11:27 ID:??? たかだか早苗程度に躓いていられないって発言した時点で負けは確定してたでしょ しかし白黒ひどいな 活躍って隙を突いてほぼブロックがいない状態で決めたマスパ(笑)ぐらいじゃね?
[898]森崎名無しさん:2010/07/18(日) 16:20:48 ID:??? この試合は静岡県人会によって操作されているっ!(ババーン
[899]森崎名無しさん:2010/07/18(日) 16:24:21 ID:??? >>898 な、なんだってー!? ということは後半に試合から消えて体力温存していた 西尾?の超ロビングシュートのシーンがもうすぐ見れるのか!?
[900]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 18:05:32 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「あっ……あああああああっ! こ、これは枠外! 枠外です!!! 魔理沙選手の渾身のドラゴンメテオ、またもや不発ゥゥウウッ!! ボールはゴールラインを割り、守矢フルーツズのゴールキックで試合再開です!!」 リグル「へへん! やったー、ざまあみろ白黒めー!」 チルノ「ふん、やっぱあんな奴大したこと無いわね! このさいきょーのあたいの敵じゃない!」 にとり(嫌われてるなぁ、魔理沙……うーん、大丈夫かなぁ。 ちょっと心配だよ……) 反町(……なんだかこれと似たような場面を俺は見たようなことがある気がするぞ) 絶好のチャンスを潰してしまった魔理沙を見て、リグルやチルノといった魔理沙を嫌う者は大喜びをし……。 一方で魔理沙と仲の良いにとりはこの絶対的な場面で大ポカをやらかした魔理沙を心配する。 そして、反町はといえばこのような場面を中学サッカー大会決勝の最後の最後で見たような気がするなぁ……などと考えており……。 そんな中、フィールドでは間一髪難を逃れた守矢フルーツズがゴールキックから試合を再開していた。 萃香「ふいー、危ない危ない……が、これで一気に勝機は出てきた! それ、いくよっ!!」 魔理沙「ぐっ……くっ、そ……!!」 新しくボールを受け取り、素早くセットしてボールを大きく蹴る萃香。 しばし呆然としていた魔理沙はそれを見て懸命に戻ろうとするも……。 既に足が痙攣しており、その戻る速度は遅い。 衣玖「よし……天狗さん!」 文「あやややや、これで一気に有利になりましたねぇ。 さぁ、それじゃあ1点取っちゃいましょう!」
[901]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 18:06:38 ID:??? 萃香が蹴ったボールはボランチである衣玖を経由して、右サイドを走る文へとパスを送る。 既に後半は40分を過ぎており、これが守矢の最後の攻撃であるのは誰の目に見ても明らか。 霊夢は疲弊した体を懸命に動かしながら、苛立たしげにDFたちに指示を送る。 霊夢「コンガラ、文を止めにいって! キクリはゴール前を固める! 他の奴らもゴール前固めて!! いい? 人数かけていけば、あっちは決定打が無いんだからどうしようもなくなるのよ!」 コンガラ「了解した……!」 キクリ(確かにあちらの面々も疲弊はしていますからね……ここを凌げば、延長戦でVゴールを決めるのも難しくは無い……) キャプテンである霊夢の指示を受けたDFたちは素直に動き。 コンガラは右サイドを上がってきた文に再度挑みかかるのだが……。 文「ですからドリブルはしませんって~♪ それ、パスですよ~!」 コンガラ「くっ……くそっ!!」 コンガラは完全に文に手玉に取られてしまい。 キクリ「今度はポストプレイなど……!!」 天子「生半可な天人には真似の出来ない……スルー!!」 キクリ「なっ……なにィ!?」 今度こそはポストプレイを阻止してみせると飛び上がったキクリは……。 しかし、空中戦ではやはり分が悪かったのか天子に軽くいなされ、スルーを許してしまう。 流れるような守矢フルーツズの最後の攻撃……。 ここまで堅守を誇ってきた博麗連合のDF達にも疲れが出たのか、それともこれが守矢の底力なのか。 完全に柱となっていた二人のDFを攻略された博麗連合は、スルーをされたボールの行方を見守るしかなく……。 ダダダダダダダッ!! 早苗「ナイススルーです、天子さん!!」
[902]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 18:07:39 ID:??? このスルーをされた高いボール目掛け、しっかりと合わせていたのは守矢フルーツズキャプテン・東風谷早苗である。 最後の最後、残り少ない体力全てをこの一撃に賭けるとばかりに早苗は体を反転させ。 この試合、霊夢や魔理沙が何度も見せていたシュートフォーム――オーバーヘッドの形を取る。 早苗(私にはぶっつけ本番でドライブシュートをオーバーヘッドで決める事の出来る才能は無い! ですが……このオーバーヘッドでも、十分決まる!) ただのオーバーヘッドとはいえ、玄爺はスルーの効果で体勢を崩しており。 更に、キクリは壁として存在しない状況。 ここしかシュートチャンスは無いのだと早苗は大きく足を振りかぶるのだが……。 ブゥンッ! 霊夢「なんでこんなに簡単にピンチ作ってんのよ!」 早苗「霊夢さん!?」 その早苗の目の前に、同じくオーバーヘッドの体勢で飛び上がったのは霊夢。 ここを守りきり、延長戦に行く事さえ出来ればまだ望みは繋がる。 そう信じて霊夢はオーバーヘッドの姿勢を作りながらクリアーに向かい。 ボールをなんとしてもゴール前から引き離そうとするのだが……。 ビキィッ!! 霊夢(っ!!) 早苗(! いつもの霊夢さんに比べてジャンプ力が足りない……!? なら……!!) 霊夢「たぁぁぁあっ!!」 早苗「あああっ!?」
[903]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/07/18(日) 18:08:42 ID:??? 既に疲れが見えてきていた霊夢は、辛うじて早苗の放ったオーバーヘッドキックに触れる事が精一杯。 完全にクリアーをする事は出来ず、ボールは零れ球となるのだが……。 バケバケ⑦「バケェ~!」 ジョン「おっとぉ!? 博麗連合ゴール前での空中戦! 早苗選手と霊夢選手。 両チームのキャプテン同士の対決は、決着がつかず! ボールは零れ球に!! しかし、これは素早くバケバケ⑦選手がフォローをした! 守矢フルーツズ、これは攻撃失敗! 勝負は延長戦までもつれ込むか~!?」 早苗(これだけ霊夢さんが疲れていて……それでも勝てない……!!) 霊夢(くそっ、大きくクリアーするつもりだったのに……! これじゃあ……) 空中でもつれ込む早苗は、自分ではやはり霊夢には勝てないのかと悔しそうに歯噛みをし。 一方で霊夢は完全にクリアーできなかった事を悔いる。 ボールは確かに博麗連合の選手が確保した……後はそれを大きくクリアーすればいい。 理屈で言えば確かにその通りであり、バケバケ⑦も迷わずボールを蹴り上げようとするのだが……。 西尾?「黒はんぺんカットじゃああ!!」 バケバケ⑦「!?」 バスッ!! そのバケバケ⑦のクリアーしようとしたボールに食らいつき、カットに向かったのは。 前線まで上がり、チャンスを虎視眈々と狙っていた守矢フルーツズの外界からの助っ人。 自称・大友カルテットの一員、西尾浩司?であった。
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0ch BBS 2007-01-24